JP4483062B2 - 生分解性テープ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性のテープおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
農業分野では、野菜、果物などの栽培において、野菜あるいは果物の茎、枝、つるなどを、支柱、ネット、支柱誘引ひもなどに結束することが行われている。一般的には、作業効率などを考慮して、テープ式結束機を用い、野菜あるいは果物の茎、枝、つると支柱とにテープを巻きつけ、ステープルなどでテープを止めることで結束する方法が採用されている。
【0003】
しかし、現在、農業用の結束に用いられているテープは、一般に合成プラスチック製であり、自然環境では分解されないため、使用後テープをはさみで切断して回収しなければならず、余分な労力が必要とされるという問題がある。また、そのまま放置された場合、土壌中に残され、土壌の汚染という問題もある。さらに、合成プラスチックの多くは、回収されたとしても、自然環境では分解されないため、焼却処分が必要となるが、焼却に際して、ダイオキシンの発生、高い燃焼熱の発生などの環境汚染の原因になるなどの問題がある。
【0004】
そこで、自然環境で分解されるテープが望まれており、生分解性の繊維からなるテープが試作されている。しかし、従来の生分解性の繊維を用いたテープは、結束したときの強度が弱く、さらに、ステープルで止めた部分からテープが破断し、ステープルがすぐに抜け落ちてしまうなど、実用的な面で問題があり、実用化に至っていないのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、強度が強く、結束性に優れた生分解性のテープが求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生分解性の長繊維不織布を熱接着して得られ、当該長繊維不織布を構成する繊維が鞘部の融点が芯部の融点よりも低い芯鞘構造を有するポリ乳酸系繊維であり、芯成分のポリ乳酸におけるL体の比率が98モル%以上であることを特徴とするテープである。
【0007】
好ましい実施態様においては、本発明のテープの針刺し強度は4N以上であり、別の好ましい実施態様においては、引張り破断強度が5N以上である。さらに好ましい実施態様においては、本発明のテープの針刺し強度は4N以上であり、かつ引張り破断強度が5N以上である。
【0008】
好ましい実施態様においては、前記不織布が長繊維不織布であり、さらに好ましくは、本発明のテープは、ポリ乳酸系、ポリヒドロキシブチレート系、ポリカプロラクトン系、ポリブチレンサクシネート系およびポリブチレンアジペート系からなる群から選択される1または2以上の長繊維不織布からなる。
【0009】
より好ましい実施態様においては、前記生分解性の長繊維不織布がポリ乳酸系の長繊維不織布であり、熱接着がエンボス接着である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のテープは、生分解性の不織布を熱接着する工程を含む方法で製造される。本発明に用いられる生分解性繊維の不織布としては、熱接着可能な繊維の不織布であれば特に制限はない。生分解性繊維の不織布は、短繊維および長繊維いずれの繊維の不織布でもよいが、テープの引張り破断強度、剥離強度などを考慮すると、長繊維の不織布を用いる方が好ましい。
【0011】
好ましい長繊維不織布としては、ポリ乳酸系、ポリヒドロキシブチレート系、ポリカプロラクトン系、ポリブチレンサクシネート系またはポリブチレンアジペート系の長繊維不織布が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2以上組合せて用いてもよい。
【0012】
上記長繊維不織布の中でも、ポリ乳酸系の長繊維不織布が好ましい。ポリ乳酸系の長繊維不織布を構成するポリ乳酸長繊維の構造は特に制限されないが、芯鞘構造を有することが好ましく、鞘部の融点が芯部の融点より低い芯鞘構造が好ましい。このような芯鞘構造を有することにより、熱接着した場合に、繊維間で部分接着が起こりやすく、また、芯構造が保たれるために、十分な引張り強度が得られる。このような芯鞘構造は、鞘部のポリ乳酸を芯部のポリ乳酸より融点の低いポリ乳酸で構成するか、鞘部のポリ乳酸に融点の低い他の生分解性樹脂をブレンドして構成するか、芯部のポリ乳酸に融点の高い他の生分解性樹脂をブレンドする等の方法で得られる。芯部のポリ乳酸を十分に配向結晶させることが好ましい。
【0013】
芯鞘構造においては、繊維切断面の芯部面積と鞘部面積の比率(芯部面積/鞘部面積:以下、芯鞘比率という)は、1/1以上である(すなわち、鞘部面積が芯部面積以下である)ことが好ましい。芯鞘比率が1/1以上の場合、ポリ乳酸繊維の引張り強度は十分となり、熱接着する場合でも繊維が熱ロールに融着する虞がないからである。他方、芯鞘比率は5/1以下である(すなわち、芯部面積が鞘部面積の5倍以下である)ことが好ましい。芯鞘比率が5/1以下である場合、繊維間の熱接着が十分に行われ、テープの引張り強度が高くなり、長繊維不織布の毛羽の量が適度に抑えられるからである。従って、繊維強度、熱ロール融着、繊維間熱接着、テープの引張り強度、毛羽量の全てを満足させるのに好ましい芯鞘比率は、1/1〜5/1である。
【0014】
ポリ乳酸長繊維の芯成分に用いるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸、または乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−ラクチドあるいはメゾラクチドを原料とすることが好ましく、L−体の比率が98モル%以上のものであることが好ましい。L−体の比率が高いほど芯部が結晶構造になりやすく、製造工程で配向結晶が進み、得られる繊維の引張り強度が高くなるからである。
【0015】
ポリ乳酸長繊維の芯成分のポリ乳酸のスズ(Sn)含量は30ppm以下であることが好ましい。Sn系の触媒はポリ乳酸の重合触媒として使用されるが、30ppm以下の場合、紡糸時に解重合がおきにくく、紡糸操業性が良いからである。さらに好ましくは、20ppm以下である。ポリ乳酸のSnの含有量を少なくする為には、重合時に使用するSn量を少なくする、適切な液体で洗浄する等の方法がある。
【0016】
Snの含有量は、0.5gの試料を硫酸/硝酸により湿式灰化し、水で希釈して50mLとし、ICP発光分析法により測定する。
【0017】
ポリ乳酸長繊維の芯成分に用いるポリ乳酸の相対粘度(ηrel)は2.5以上であることが好ましい。相対粘度(ηrel)が2.5以上の場合、得られる長繊維の耐熱性がよく、十分な引張り強度を得る事ができるからである。他方、相対粘度(ηrel)は、3.5以下であることが好ましい。相対粘度(ηrel)が3.5以下の場合、紡糸温度をさらに上げなくてもよく、紡糸時の熱劣化の虞がないからである。従って、耐熱性、長繊維の引張り強度、紡糸時の熱劣化防止のすべてを満足させるのに好ましい相対粘度(ηrel)は、2.5〜3.5であり、2.7〜3.0がより好ましい。なお、相対粘度(ηrel)は、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒に試料1g/dLの濃度となるように溶解し、20℃でウベローデ粘度管を用いて測定する。
【0018】
ポリ乳酸長繊維の鞘成分に用いるポリ乳酸は、芯部のポリ乳酸と融点差を生じさせる為にL−体の比率が96モル%以下であることが好ましく、95〜91モル%であることがより好ましい。L体の比率が91モル%以上(すなわち、D体の比率が9モル%以下)であると、移動式ワイヤー性補集用支持体上に補集・堆積させた長繊維を熱ローラで部分融着させる際に、不織布が熱ローラに貼り付いてしまう虞がないため、好ましい。
【0019】
さらに、ポリ乳酸長繊維の鞘成分として、ポリ乳酸に低融点の生分解樹脂を混合し、芯部のポリ乳酸よりも融点を低くしたポリマー(以下、ポリ乳酸を主体とするポリマーという)を用いることもできる。
【0020】
好ましい低融点の生分解性樹脂としては、1,2−エタンジオールとコハク酸から合成されるポリエチレンサクシネート重合体をウレタン結合により高分子量化したポリマー(PESポリマー)、1,4−ブタンジオールとコハク酸から合成されるポリブチレンサクシネート重合体をウレタン結合により高分子量化したポリマー(PBSポリマー)などが挙げられる。
【0021】
これらのPESポリマーあるいはPBSポリマーをポリ乳酸に対して10重量%以上ブレンドしたポリマー(ポリ乳酸を主体とするポリマー)を鞘成分として用いることが好ましい。他方、PESポリマーあるいはPBSポリマーはポリ乳酸に対して50重量%以下ブレンドされることが好ましい。ブレンドされる量が50重量%以下であると、繊維間の融着性が適度になるため熱ロールが不織布が融着することがなく、さらに、紡糸性・生産性にも優れるからである。PESポリマーあるいはPBSポリマーは、好ましくは、ポリ乳酸に対して10〜50重量%ブレンドされる。
【0022】
なお、鞘成分として用いられるポリ乳酸またはポリ乳酸を主体とするポリマー中のスズ(Sn)含量は、芯成分と同様の理由で30ppm以下であることが好ましい。また、ポリ乳酸の相対粘度(ηrel)は、芯成分と同様の理由で2.5〜3.5であることが好ましい。
【0023】
上記芯成分あるいは鞘成分として用いられるポリ乳酸あるいはポリ乳酸を主体とするポリマーには、必要に応じて、滑剤、酸化安定剤、熱安定剤などの各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加する事もできる。
【0024】
芯鞘構造を有するポリ乳酸長繊維は、例えば、2重構造のノズルを有する紡糸装置を用い、内部に芯構造を構成するポリ乳酸を、外部に鞘構造を構成するポリ乳酸またはポリ乳酸を主体とするポリマーをそれぞれ溶融して押出して、紡糸することにより得られる。
【0025】
上記により得られた芯鞘構造を有するポリ乳酸長繊維を、当業者が通常用いる適切な方法で不織布とすることによりポリ乳酸長繊維不織布が得られる。
【0026】
具体的には、例えば、溶融したポリマーを引取り速度3000m/分〜6000m/分で引き取りながら延伸して開繊し、移動するワイヤー性補集用支持体上に補集・堆積させ、次いで、熱ロールにてフィラメントを部分的に融着させる事により、長繊維不織布が得られる。
【0027】
引き取り速度が3000〜6000m/分の範囲にあると、配向結晶化が十分にすすみ、操業性に優れるので好ましい。また、熱ロールのロール温度は100℃以上が好ましい。ロール温度が100℃以上で、繊維間の熱接着がより十分となるからである。他方、ロール温度は150℃以下であることが好ましい。ロール温度が150℃以下では、芯部に使用するポリ乳酸の融点とロール温度とに明らかな差異が生じる為、ロールに不織布が融着する虞もなく、生産性も良好だからである。従って、繊維間の熱接着性、ロール融着防止の全てを満足させるのに好ましいロール温度は、100〜150℃である。
【0028】
得られるポリ乳酸長繊維不織布の平均繊度は1デシテックス以上であることが好ましい。平均繊度が1デシテックス以上であると、紡糸時の糸切れもなく、さらに生産性も良くなるからである。他方、平均繊度は15デシテックス以下であることが好ましい。平均繊度が15デシテックスであることにより、製造時の冷却性が良好となり、長繊維不織布の柔軟性を維持しやすく、実用的だからである。従って、糸切れ防止、生産性、冷却性、柔軟性の全てを満足するためには、平均繊度は、好ましくは1〜15デシテックスであり、より好ましくは1〜8デシテックスであり、さらに好ましくは、1〜5デシテックスである。
【0029】
また、得られるポリ乳酸長繊維不織布の目付けは10〜250g/mが好ましく、10〜200g/mであることがより好ましい。目付けがこの範囲であれば柔軟性にも優れるので好ましい。
【0030】
得られる長繊維不織布の一例として、芯成分のポリ乳酸として、L体98.4%、融点170℃、溶液粘度(ηrel)が3.0、残存Sn量が17ppmのポリ乳酸を用い、鞘成分のポリ乳酸として、L体94%、融点140℃、溶液粘度(ηrel)が3.0、残存Sn量が17ppmのポリ乳酸を用いて、紡糸温度230℃、引取速度3000〜6000m/分で引き取って、移動するワイヤー製補集用支持体上に補集・堆積させ、温度145℃のロールで熱接着することにより、芯鞘面積比率が1:1、平均繊度が2.2デシテックスの長繊維不織布が得られる。この長繊維不織布の目付けは、ワイヤー製補集用支持体の移動速度で変化するが、20〜100g/mであることが好ましい。
【0031】
また、別の例としては、例えば、芯成分として、L体含量98.3%、溶液粘度(ηrel)が3.1、残存Sn量が13ppmのポリ乳酸、鞘成分として、1,4−ブタンジオールとコハク酸から合成されるポリブチレンサクシネート重合体をウレタン結合により高分子量化したポリマー(例えば、商品名ビオノーレ、融点110℃)を20%ブレンドした、溶液粘度(ηrel)が3.1、残存Sn量が13ppmのポリ乳酸を主体とするポリマーを用いて上記と同様の紡糸処理を行うことにより、芯鞘面積比率1:1、目付け20〜100g/mの長繊維不織布が得られる。
【0032】
なお、上記の例は、単なる例示にすぎず、ノズルの径、用いるポリ乳酸またはポリ乳酸を主体とするポリマーの組成、引き取り速度、ワイヤー製補集用支持体の移動速度などを種々変えて組合せることにより、特性の異なる、種々の生分解性長繊維不織布を得ることができる。
【0033】
得られた長繊維不織布は、適切な厚みがある場合はそのままさらに熱接着を行うことにより、適切な厚みがない場合は重ね合わせた後に熱接着を行うことにより、テープとして適切な厚みとされ、所定の適切な幅に切断される。
【0034】
熱接着の方法には特に制限はないが、一般的には、必要に応じて不織布を重ね、例えば、エンボス接着機を用い、加熱しながら加圧することにより、熱接着される。なお、接着には融着も含まれる。一般的には、接着温度は、用いる繊維によって決定される。ポリ乳酸長繊維不織布の場合は、100〜150℃の範囲である。
【0035】
本発明のテープの厚みは、0.05mm以上が好ましく、0.3mm以上であることがより好ましい。0.05mm以上で十分な強度が確保されるからである。また、本発明のテープの厚みは、0.7mm以下が好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。0.7mm以下であることにより、テープのしなやかさ、器具の通過性が良好に保たれるからである。
【0036】
本発明のテープの針刺し強度は4N以上であることが好ましい。針刺し強度が4N以上であると、ホッチキスで留める場合、針がはずれにくくなるからである。さらに好ましくは5N以上、特に好ましくは6N以上である。なお、針刺し強度は、幅11mm、長さ200mmの大きさにテープを切り出し、JIS L 1096 6.12.1 A法に準じた方法で測定した。ただし、試験片の幅は上記テープ幅(11mm)、つかみ間隔は10mm、引張り速度は10cm/分の条件にて試験した。マックス(株)園芸用結束機「テープナー」を使用してテープ試料をループ状にホッチキスで止め、止めた箇所の反対側を切断して両端を引張り試験機に取付けて引張り、テープが外れたときの荷重(N)を測定して求められる。
【0037】
また、本発明のテープの引張り破断強度は5N以上であることが好ましい。5N以上あれば、使用時に植物のつるなどを保持するには十分であるからである。より好ましくは、6N〜60N、さらに好ましくは、10〜50N、特に好ましくは、13〜40Nである。なお、引張り破断強度は、JIS L 1096に準じた方法で測定され、幅11mm、長さ200mmの大きさにテープを切り出し、引張り試験機に取り付け、引張り速度20cm/分の速度で引張り、テープが切断したときの荷重(N)を測定して求められる。
【0038】
さらに、本発明のテープは、適度な伸度を有することが、使用するうえで望ましい。伸度は、引張り試験機を用いて、上記テープを5Nの力で引張ったときの引張り長さから、以下の式で求められる。
伸度(%)={(引張り長さ−もとの長さ)/もとの長さ}×100
以下、単に伸度というときは、5N加重下の伸度(%)を意味する。
【0039】
伸度は0.5%以上であることが、使用時に引張り感が少ないため好ましい。他方、伸度は10%以下であることが好ましい。伸度が10%以下であれば、使用時に伸びすぎず、作業の能率が上がり、さらに茎などを支柱に支えておくのに適しているからである。従って、引張り感、作業能率、茎を支柱に支える効果の全てを満足するための好ましい伸度は、0.5〜10%である。
【0040】
このようにして得られるテープは、野菜、果物などの栽培において、野菜あるいは果物の茎、枝、つるなどを、支柱、ネット、支柱誘引ひもなどに結束するのに用いられる。
【0041】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
【0042】
【実施例】
(実施例1)
L体98.4%、融点170℃、溶液粘度(ηrel)が3.0、残存Sn量が17ppmのポリ乳酸を芯成分のポリ乳酸として用い、L体94%、融点140℃、溶液粘度(ηrel)が3.0、残存Sn量が17ppmのポリ乳酸を鞘成分のポリ乳酸として用いて、紡糸温度230℃、引取速度3000m/分で引き取って、移動するワイヤー製補集用支持体上に補集・堆積させ、温度145℃のロールで熱接着した。得られた長繊維不織布は、芯鞘面積比率が1:1、平均繊度が2.2デシテックス、目付けが30g/mの長繊維不織布が得られた。
【0043】
同じポリ乳酸を用い、ワイヤー製補集用支持体の移動速度を変えて、目付けが20、25、および50g/mの長繊維不織布が得られた。
【0044】
得られた、目付けが20、25、30および50g/mの長繊維不織布を幅11mmに切断してテープを形成し、それぞれ、LA−20、LA−25、LA−30およびLA−50と名付けた。これらのテープの物性と、生分解性の評価結果を表1に示す。なお、試験片としては、各テープを長さ200mmに切断したものを用いた。
【0045】
なお、表1において、比較例1〜4は市販の、塩化ビニール製の非生分解性のテープである。評価結果における生分解性は、テープを土壌に埋め、1年経過後、目視で評価し、崩壊していたものを「○」、崩壊しなかったものを「×」とした。
【0046】
【表1】
Figure 0004483062
【0047】
表1の結果は、本発明のテープは生分解性に優れていることを示している。
表1に記載された物性を有するテープLA−20、LA−25、LA−30およびLA−50をテープ式結束機に充填して実際に野菜などの結束に使用した時、従来の市販品と同等もしくはそれ以上の結束作業性を有していた。
【0048】
(実施例2)
芯成分として、L体含量98.3%、溶液粘度(ηrel)が3.1、残存Sn量が13ppmのポリ乳酸、鞘成分として、同じポリ乳酸にポリブチレンサクシネート重合体をウレタン結合により高分子量化したポリマー(商品名ビオノーレ、融点110℃)を20重量%ブレンドしたポリ乳酸を主体とするポリマーを用いて上記と同様の紡糸処理を行うことにより、芯鞘面積比率1:1、目付け30g/mの長繊維不織布を得た。実施例1と同様にしてこの長繊維不織布からテープを作成した。このテープも結束操作性が良好であり、生分解性に優れていた。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、野菜栽培時などにおける結束操作が、従来のテープよりも優れ、かつ生分解性に優れたテープが提供される。このテープは、土中の微生物等により分解されるので、環境を破壊する虞もなく、使用後の回収が不要である。

Claims (6)

  1. 生分解性の長繊維不織布を熱接着して得られ、当該長繊維不織布を構成する繊維が鞘部の融点が芯部の融点よりも低い芯鞘構造を有するポリ乳酸系繊維であり、芯成分のポリ乳酸におけるL体の比率が98モル%以上であることを特徴とするテープ。
  2. 針刺し強度が4N以上である、請求項1に記載のテープ。
  3. 引張り破断強度が5N以上である、請求項1または2に記載のテープ
  4. 前記生分解性の長繊維不織布が、ポリ乳酸に、ポリヒドロキシブチレート系、ポリカプロラクトン系、ポリブチレンサクシネート系およびポリブチレンアジペート系からなる群から選択される1または2以上の生分解性樹脂をブレンドして得られる、請求項1に記載のテープ。
  5. 前記生分解性の長繊維不織布がポリ乳酸系の長繊維不織布であり、熱接着がエンボス接着である、請求項に記載のテープ。
  6. 前記芯成分のポリ乳酸におけるスズの含有量が30ppm以下である、請求項1に記載のテープ。
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