JP7237838B2 - 植物巻き付け用不織布テープ - Google Patents
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Description
(1)不織布テープを巻き付けることで被覆された箇所に水分や補修促進剤、防腐剤、抗菌剤、撥水剤などを付与することができ、付与した水分や剤の効果を長く発揮させることができる。
(2)不織布テープ長さ方向に適度の伸縮性を有しており、これによって、植物を締め付け過ぎたり、締め付けが不十分であったりすることがない。
(3)不織布テープ長さ方向に適度の伸縮性を有しており、これによって、植物の生長による形状の変化に不織布テープの形状が追従することができるために、植物を痛めることがなく、また、不織布テープが自然に脱落したり、植物の切断面等と不織布テープとの間に隙間が生じたりすることがない。
(4)植物に巻き付けて不織布テープ面同士を重ね合わせるだけで巻き付け状態を固定でき、さらに植物に巻き付けて不織布テープを長さ方向に軽く引っ張ることにより容易に不織布テープを切断できる。
本発明の別の目的は、衣類を縛るための、衣類を束ねるための、または衣類を吊るすための、衣類に巻き付けて使用される衣類巻き付け用不織布テープを提供することにある。
[1] 植物の切断された部位同士の接合部、あるいは折損部もしくは裂損部を被覆するために、または植物の固定もしくは植物同士の結束のために、植物に巻き付けて使用される植物巻き付け用の不織布テープであって、
前記不織布テープを構成する不織布は、コイル状捲縮を有する複合繊維であって、熱収縮率の異なる複数の樹脂が層構造を形成している複合繊維を含み、
前記複合繊維は、前記不織布の面方向に配向しており、前記コイル状捲縮の絡みにより不織布形状を保っている、植物巻き付け用不織布テープ。
[2] 前記不織布テープは、前記不織布の表面に付与された親水化剤を含む、[1]に記載の不織布テープ。
[3] 前記親水化剤が親水性ポリエステル系樹脂を含む、[2]に記載の不織布テープ。
[4] 前記不織布を構成する繊維の粗密により格子模様が前記不織布の表面に形成されている、[1]~[3]のいずれかに記載の不織布テープ。
[5] 前記複数の樹脂が、ポリエステル系樹脂であり、
前記複合繊維が、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型の断面形状を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の不織布テープ。
[6] 前記複合繊維の前記コイル状捲縮が、高温水蒸気による加熱によって発現されている、[1]~[5]のいずれかに記載の不織布テープ。
[7] 前記不織布の密度が0.06~0.15g/cm3の範囲である、[1]~[6]のいずれかに記載の不織布テープ。
[8] 前記コイル状捲縮の円の平均曲率半径が30~200μmであり、前記コイル状捲縮のコイルの平均ピッチが0.01~0.3mmである、[1]~[7]のいずれかに記載の不織布テープ。
[9] 前記不織布の50%伸張時の応力が1~20N/50mm巾である、[1]~[8]のいずれかに記載の不織布テープ。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の不織布テープが巻き付けられている植物であって、
前記不織布テープによって、植物の切断された部位同士の接合部、あるいは折損部もしくは裂損部が被覆されているか、植物が固定されているか、または植物同士が結束されている、植物。
[11] 植物の切断された部位同士の接合部、あるいは折損部もしくは裂損部を被覆するための、または植物を固定もしくは植物同士を結束するための方法であって、[1]~[9]のいずれかに記載の不織布テープを植物に巻き付ける、方法。
[12] 殺虫剤、誘引剤、殺菌剤および水からなる群から選択される少なくとも1種の剤を前記不織布テープに含浸させる、[11]に記載の方法。
[13] 前記不織布テープを植物に巻き付ける前に、殺虫剤、誘引剤、殺菌剤および水からなる群から選択される少なくとも1種の剤を植物に付与する、[11]または[12]に記載の方法。
[14] 衣類を縛るための、衣類を束ねるための、または衣類を吊るすための、衣類に巻き付けて使用される衣類巻き付け用不織布テープであって、
前記不織布テープを構成する不織布は、コイル状捲縮を有する複合繊維であって、熱収縮率の異なる複数の樹脂が層構造を形成している複合繊維を含み、
前記複合繊維は、前記不織布の面方向に配向しており、前記コイル状捲縮の絡みにより不織布形状を保っている、不織布テープ。
[15] 衣類を防虫するための方法であって、[14]に記載の衣類巻き付け用不織布テープに防虫剤を含浸させ、次いで該衣類巻き付け用不織布テープを衣類に巻き付ける、方法。
また、本発明によれば、衣類を縛るための、衣類を束ねるための、または衣類を吊るすための、衣類に巻き付けて使用される衣類巻き付け用不織布テープを提供することができる。
本発明の植物巻き付け用不織布テープは、植物の切断された部位同士の接合部、あるいは折損部もしくは裂損部を被覆するために、または植物の固定もしくは植物同士の結束のために、植物に巻き付けて使用される植物巻き付け用の不織布テープである。不織布テープは、不織布と、該不織布の表面に付与された親水化剤とを含むものであってもよい。
以下、実施の形態を示して、本発明の植物巻き付け用不織布テープについて説明する。
一実施形態において、不織布(不織布テープが親水化剤が付与された不織布である場合には、親水化剤が付与される対象である不織布)は嵩高で低密度であることが、不織布テープの伸縮性、切断容易性、自着性、親水性、保水性等の点から好ましい。そのためには、従来の一般的な不織布のように高密度で高破断強度となるようにニードルパンチや水流絡合等を両面から多数打ち、不織布構成繊維を不織布厚さ方向に配向させて組織を緻密化したものや、不織布に接着剤を含浸させて固めたものや、不織布を熱プレスして繊維同士を融着させたものなどは好ましくない。
不織布の密度は、[実施例]に記載の方法に従って測定される。
なお、不織布の表面に親水化剤を付与する場合であっても、その前後で不織布の密度にほとんど変化はない。
不織布面方向にコイル状捲縮を配向させることにより、不織布の上下方向圧縮に対して抵抗することができるため、保水性を長く維持することが可能となる。
加熱処理において繊維が飛散することを防止する目的で繊維ウェブのごく一部の繊維を軽度に絡合させてもよい。例えば、コイル状捲縮が発現しない程度の低温でかつ低圧力の水を噴射させて繊維ウェブを濡れた状態としつつ繊維を軽度に絡合させ、その後、加熱してコイル状捲縮を発現させてもよい。
繊維ウェブは、高温水蒸気処理によりコイル状捲縮が発現して大きく収縮する。したがって、供給する繊維ウェブをオーバーフィードさせて高温水蒸気処理することが好ましい。オーバーフィードの割合としては目的とする不織布の長さに対して120~400%が好ましく、より好ましくは150~350%、さらに好ましくは200~300%である。
複合繊維がポリエステル系樹脂からなることにより、不織布が水分を保持しても、複合繊維のコイル状捲縮の形状変化を抑制することができるとともに、自着性や嵩高性を維持することができる。
熱収縮率の異なるポリエステル系樹脂の組み合わせとしては、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートホモポリマーであり、もう一方の樹脂がイソフタル酸、スルホイソフタル酸ソーダ、ジエチレングリコールおよび/またはブタンジオール等を共重合させたポリエチレンテレフタレートである組み合わせが好適例として挙げられる。このような複合繊維は、上述した加熱処理によりコイル状捲縮を発現することから、潜在捲縮性繊維と称する場合がある。
複合繊維の平均繊維長は、好ましくは20~70mmであり、より好ましくは30~60mmである。複合繊維の平均繊維長が短すぎると繊維同士の交絡が不十分となり、強度や伸縮性を得ることが難しいことがある。逆に複合繊維の平均繊維長が長すぎる場合には、均一の目付を有する繊維ウェブを形成することが難しく、かつ捲縮を発現させる際に繊維同士が邪魔し合って綺麗なコイル状捲縮の発現が妨げられることがある。
機械捲縮数および平均コイル捲縮数は、[実施例]に記載の方法に従って測定される。
コイル状捲縮のコイルの平均ピッチ(平均捲縮ピッチ)は、0.01~0.3mmであることが好ましく、0.03~0.2mmであることがより好ましい。平均ピッチは、[実施例]に記載の方法に従って測定される。
不織布(親水化剤が付与される対象である不織布)は、厚みが好ましくは0.5~5.0mmであり、より好ましくは0.8~2.5mmである。
不織布の厚みは、[実施例]に記載の方法に従って測定される。
なお、不織布の表面に親水化剤を付与する場合であっても、その前後で不織布の50%伸張時の応力および厚みにほとんど変化はない。
不織布テープを構成する上記不織布の表面に親水化剤が付与されてもよい。親水化剤を付与することにより、不織布テープの保水性や吸水性を高めることができる。
上記不織布の表面に付与される親水化剤としては、ポリエステル系樹脂;高級アルコール;高級脂肪酸;アルキルフェノール等のエチレンオキサイド付加物;アルキルフォスフェート塩;アルキル硫酸塩等を含むものが挙げられる。中でも、不織布を構成する繊維がポリエステル系樹脂である場合には、不織布の表面に長く保持できることから、親水化剤は、ポリエステル系樹脂を含むことが好ましく、親水性ポリエステル系樹脂を含むことがより好ましく、親水性ポリエステルポリエーテルブロック共重合体を含むことがさらに好ましい。
親水化剤は、上記不織布の表面に親水化剤を含む液を塗布する方法、上記不織布の少なくとも一部を親水化剤を含む液に含浸させる方法などによって不織布の表面に付与することができる。
また、植物巻き付け用不織布テープが示し得る高い吸水性および高い水分保持性(保水性)は、不織布の表面に親水化剤が付与される場合にはこの親水化剤にも起因する。吸水性および保水性を高める観点から、複合繊維を構成する樹脂と親水化剤に含まれる樹脂とは同種であることが好ましい。
植物巻き付け用不織布テープの吸水速度は、[実施例]に記載の方法に従って測定される。
植物巻き付け用不織布テープの保水率は、[実施例]に記載の方法に従って測定される。
植物巻き付け用不織布テープの30%伸長後回復率は、[実施例]に記載の方法に従って測定される。
植物巻き付け用不織布テープは、例えば特定の害虫について誘引効果のある色に染色することができる。従来は特定の害虫を駆除するために植物全体に殺虫剤を散布していたため比較的多量の殺虫剤が必要であった。しかしながら、特定の害虫について誘引効果のある色に染色した植物巻き付け用不織布テープを用いる場合、植物巻き付け用不織布テープに集まってきた害虫にピンポイントに農薬を散布することにより、殺虫剤の使用量を低減させながら害虫を駆除することができるようになる。その結果、環境負荷の低減や食物の安全性向上が図り易くなる傾向にある。例えばアザミウマは、ピンク色に誘引され易い傾向にある。
染料としては、不織布を構成する繊維を染色できる染料が適宜用いられる。ポリエステル系樹脂からなる繊維を染色できる染料としては、例えば、アセテート繊維用の分散染料が挙げられる。
染色(および親水化剤の付与)は、上記不織布の表面に染色液を塗布する方法、不織布の少なくとも一部を染色液に含浸させる方法などによって行うことができる。
植物巻き付け用不織布テープは、上述したように、植物の茎や蔓、幹、枝、根、葉等の切断箇所(植物の切断された部位同士の接合部(継ぎ目部))あるいは植物の茎や蔓、幹、枝、根、葉等の傷付箇所(折損部もしくは裂損部)を被覆するために、または植物の固定もしくは植物同士の結束のために用いられる。
植物巻き付け用不織布テープは、植物(切花であってもよい)の切断箇所や、接木の継ぎ目が乾燥することを防止するために、または花束等を保持するために使用することもできる。この場合、植物巻き付け用不織布テープが巻き付けられた植物は、切花、接木を備える植物、花束等であることができる。
植物巻き付け用不織布テープを植物に1回以上巻き付けて、周回後のテープを周回前のテープ表面に重ね合わせるだけで巻き付け状態を固定できる。さらに木や花の軸にらせん状に巻き付けることにより木や花の軸を全て覆うこともできる。
本発明に係る別の一態様は、植物の切断された部位同士の接合部、あるいは折損部もしくは裂損部を被覆するための、または植物を固定もしくは植物同士を結束するための方法であり、上述の植物巻き付け用不織布テープを植物に巻き付ける。
本発明の別の一態様に係る発明は、衣類を縛るための、衣類を束ねるための、または衣類を吊るすための、衣類に巻き付けて使用される衣類巻き付け用不織布テープに関する。衣類巻き付け用不織布テープは、例えば衣類を保管や運搬するときに、折り畳んだ衣類を縛ったり、衣類同士をまとめたり、衣類を吊るしておくために用いることができる。「衣類に巻き付けて使用される」には、衣類巻き付け用不織布テープと衣類とが直接に又は間接に接触していればよく、衣類巻き付け用不織布テープが衣類の周囲を1周以上巻かれる必要はない。
(1)衣類巻き付け用不織布テープは、防虫剤などを付与することができ、付与した防虫剤の効果を長く発揮させることができる。
(2)衣類巻き付け用不織布テープは長さ方向に適度の伸縮性を有しており、これによって、衣類を締め付け過ぎたり、締め付けが不十分であったりすることがない。
(3)衣類巻き付け用不織布テープは長さ方向に適度の伸縮性を有しており、これによって、衣類の形状に追従することができるために、衣類を痛めることがなく、また、衣類巻き付け用不織布テープが自然に脱落したり、衣類と衣類巻き付け用不織布テープとの間に隙間が生じにくい傾向にある。
(4)衣類に巻き付けて衣類巻き付け用不織布テープ同士を重ね合わせるだけで巻き付け状態を固定でき、さらに衣類に巻き付けて衣類巻き付け用不織布テープを長さ方向に軽く引っ張ることにより容易に衣類巻き付け用不織布テープを切断できる。
本発明の他の一態様に係る発明は、衣類を防虫するための方法に関する。本発明の衣類を防虫するための方法は、上述の衣類巻き付け用不織布テープに防虫剤を含浸させ、次いで防虫剤を含浸させた不織布テープを衣類に巻き付ける方法である。衣類巻き付け用不織布テープを衣類に巻き付ける場合、衣類巻き付け用不織布テープは、衣類に直接に又は間接に接触させて巻き付ける場合が包含される。
JIS L 1015「化学繊維ステープル試験方法」(8.12.1)に準じて測定した。
熱処理後の繊維シートから捲縮繊維(複合繊維)を、コイル捲縮を引き伸ばさないよう注意しながら抜き取り、機械捲縮数の測定と同様に、JIS L 1015「化学繊維ステープル試験方法」(8.12.1)に準じて測定した。
得られた不織布から捲縮繊維(複合繊維)を、コイル捲縮を引き伸ばさないよう注意しながら抜き取り、連続して隣り合うコイル間の距離を測定し、n数=100の平均値として測定した。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布の任意の断面を100倍に拡大した写真を撮影した。撮影した断面写真に写っている繊維の中で、1周以上の螺旋(コイル)を形成している繊維について、その螺旋に沿って円を描いたときの円の半径(コイル軸方向から捲縮繊維を観察したときの円の半径)を求め、これを曲率半径(μm)とした。なお、繊維が楕円状に螺旋を描いている場合は、楕円の長径と短径との和の1/2を曲率半径とした。ただし、捲縮繊維が充分なコイル捲縮を発現していない場合や、繊維の螺旋形状が斜めから観察されることにより楕円として写っている場合を排除するために、楕円の長径と短径との比が0.8~1.2の範囲に入る楕円だけを測定対象とした。平均曲率半径(μm)は、n数=100の平均値として求めた。
JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準じて不織布の厚みおよび目付を測定し、これらの値から密度を算出した。
JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準じて、不織布の長さ方向(MD方向)について測定した。
JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準拠する引張試験を実施し、下記式:
30%伸長後回復率(%)=100-X
に基づいて30%伸長後回復率を求めた。式中、Xは、引張試験において、伸び率が30%に到達した後すぐに荷重を除去したときの、試験後の残留歪み(%)である。30%伸長後回復率は、不織布テープの長さ方向(MD方向)について測定した。
植物巻き付け用不織布テープ試料を水平に静置して約1cmの高さからスポイドで一滴(0.05g)の水をたらし、落下直後から完全にサンプル内に水がしみこむまでの時間を測定した。
植物巻き付け用不織布テープを縦5cm×横5cmサイズに切り出し、得られた試料を精秤した後、30秒間水中に沈めた。静かに水中より引き上げ、1分間バイアス方向に吊り下げた後、再び精秤した。試料が保水した水の重量(再精秤時の重量-水中浸漬前の重量)を試料の重量(水中浸漬前の重量)で徐して保水率(%)を算出した。
潜在捲縮性繊維として、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂(A成分)と、イソフタル酸20モル%およびジエチレングリコール5モル%を共重合した変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(B成分)とで構成されたサイドバイサイド型複合ステープル繊維((株)クラレ社製、「PN-780」、1.7dtex×51mm長、機械捲縮数12個/25mm、130℃×1分間熱処理後における平均コイル捲縮数62個/25mm)を準備した。
また、得られた不織布において、コイルの平均ピッチ、コイル状捲縮の円の平均曲率半径、50%伸長時応力は、それぞれ、0.03mm、55μm、10.3N/50mm巾であった。
染料:紀和化学製のDRシリーズ染料であるYELLOW-DR、RED-DRおよびBLIE-DR。染色液は、アセテート繊維用草色に近くなる分散染料として、YELLOW-DR、RED-DRおよびBLUE-DRをそれぞれ、不織布の重量に対して約10重量%、約0.6重量%、約3重量%となる濃度で含む。
染色温度×染色時間:85℃×30分
植物巻き付け用不織布テープの30%伸長後回復率は、97%であった。
なお、使用した親水化剤である、北広ケミカル(株)製のプチナース3000の推奨する温度条件は120℃以上であるが、染色温度が100℃を超えると不織布のコイル状捲縮が消失するため、85℃×30分で染色を行った。適正温度以下であるため、吸着量はバラつき、付与した親水化剤7%全てが吸着しない可能性はあるものの、吸水速度試験で瞬時に吸水したことから、親水性を有するのに十分な吸着量は得られていると認められ、吸着量は不織布の重量に対して1~7重量%の範囲内であるといえる。
次に、不織布テープで連結させた棒を、地面に対して斜め45度の角度になるように下側で固定した。連結部に水をかけたところ瞬時に水を吸水した。連結部の不織布テープのズレや緩み、連結部での棒の曲がり、保水状態を8時間後に観察した。結果、不織布テープのズレや緩みは無く、連結部での棒の曲がりも見られなかった。不織布テープは保水して濡れた状態であった。
目付が60.3g/m2になるようにしたこと以外は実施例1と同様にして不織布を作製した。得られた不織布は、厚みが0.71mm、密度が0.09g/cm3であった。この不織布は嵩高であった。
また、得られた不織布において、コイルの平均ピッチ、コイル状捲縮の円の平均曲率半径、50%伸長時応力は、それぞれ、0.03mm、52μm、7N/50mm巾であった。
得られた植物巻き付け用不織布テープの保水率を測定したところ、820%であった。また、吸水速度を測定したところ、瞬時に吸水した。
植物巻き付け用不織布テープの30%伸長後回復率は、95%であった。
次に、不織布テープで連結させた棒を、地面に対して斜め45度の角度になるように下側で固定した。連結部に水をかけたところ瞬時に水を吸水した。連結部の不織布テープのズレや緩み、連結部での棒の曲がり、保水状態を8時間後に観察した。結果、不織布テープのズレや緩みは無く、連結部での棒の曲がりも見られなかった。不織布テープは保水して濡れた状態であった。
精製セルロース繊維として、繊度1.7dtex、繊維長38mmのリヨセル繊維「テンセル(登録商標)」(Lenzing Fibers GmbH製)を用意した。このリヨセル繊維を100重量%用いて、セミランダムカードにより目付93.6g/m2のカードウェブとした。
その後、ウェブを支持体から剥離し、表裏逆転した後、再度水流交絡処理を施した。再度の水流交絡処理は、76メッシュの平織ポリエステルネットを支持体にし、1回目の水流交絡処理において水流を当てた面とは逆の面について、ノズル2本を使用して、一列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を5.0MPa、5m/minの加工速度で行った。
また、得られた不織布の50%伸長時応力を測定したところ、途中で破断してしまった。
得られた不織布の保水率を測定したところ、1100%であった。また、吸水速度を測定したところ、瞬時に吸水した。
得られた不織布の30%伸長後回復率を測定したところ、30%まで伸長する前に破断した。
ポリエステル繊維として、繊度1.6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート繊維「T471」(東レ株式会社製)を用意した。このポリエチレンテレフタレート繊維を100重量%用いたこと以外は比較例1と同様の方法で不織布を得た。
また、得られた不織布の50%伸長時応力を測定したところ、途中で破断してしまった。
得られた不織布の保水率を測定したところ、750%であった。また、吸水速度を測定したところ、21秒であった。
得られた不織布の30%伸長後回復率を測定したところ、30%まで伸長する前に破断した。
株式会社 金岡より販売されている市販の「ステムテープ緑」(幅2cm×長さ7m)を購入した。
このステムテープは、目付が94.7g/m2、厚みが0.53mm、密度が0.18g/cm3であった。
また、ステムテープの50%伸長時応力を測定したところ、途中で破断してしまった。
ステムテープの30%伸長後回復率を測定したところ、68%であった。
次に、ステムテープで連結させた棒を、地面に対して斜め45度の角度になるように下側で固定した。連結部に水をかけても水の吸水に時間を要した。連結部のステムテープのズレや緩み、連結部での棒の曲がり、ステムテープの保水状態を8時間後に観察した。結果、ステムテープで固定した棒はステムテープのズレや緩みが無く、連結部での棒の曲がりも見られなかったが、ステムテープは完全に乾いていた。
表1において、比較例1~3における保水率、吸水速度、30%伸長後回復率、棒の連結性、テープの手切れ性、連結部の濡れ性、および連結部の保水状態(8時間後)は、不織布または購入したステムテープについての結果である。比較例1および2において、連結部の濡れ性および連結部の保水状態(8時間後)は評価していない。
Claims (13)
- 植物の切断された部位同士の接合部、あるいは折損部もしくは裂損部を被覆するために、または植物の固定もしくは植物同士の結束のために、植物に巻き付けて使用される植物巻き付け用の不織布テープであって、
前記不織布テープは、前記不織布の表面に付与された親水化剤を含み、
前記不織布テープを構成する不織布は、コイル状捲縮を有する複合繊維であって、熱収縮率の異なる複数の樹脂が層構造を形成している複合繊維を含み、
前記複合繊維は、前記不織布の面方向に配向しており、前記コイル状捲縮の絡みにより不織布形状を保っている、植物巻き付け用不織布テープ。 - 前記親水化剤が親水性ポリエステル系樹脂を含む、請求項1に記載の不織布テープ。
- 前記不織布を構成する繊維の粗密により格子模様が前記不織布の表面に形成されている、請求項1または2に記載の不織布テープ。
- 前記複数の樹脂が、ポリエステル系樹脂であり、
前記複合繊維が、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型の断面形状を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の不織布テープ。 - 前記複合繊維の前記コイル状捲縮が、高温水蒸気による加熱によって発現されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の不織布テープ。
- 前記不織布の密度が0.06~0.15g/cm3の範囲である、請求項1~5のいずれか1項に記載の不織布テープ。
- 前記コイル状捲縮の円の平均曲率半径が30~200μmであり、前記コイル状捲縮のコイルの平均ピッチが0.01~0.3mmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の不織布テープ。
- 前記不織布の50%伸張時の応力が1~20N/50mm巾である、請求項1~7のいずれか1項に記載の不織布テープ。
- 植物の切断された部位同士の接合部、あるいは折損部もしくは裂損部を被覆するための、または植物を固定もしくは植物同士を結束するための方法であって、請求項1~8のいずれか1項に記載の不織布テープを植物に巻き付ける、方法。
- 殺菌剤、殺虫剤、誘引剤および水からなる群から選択される少なくとも1種を前記不織布テープに含浸させる、請求項9に記載の方法。
- 前記不織布テープを植物に巻き付ける前に、殺菌剤、殺虫剤、誘引剤および水からなる群から選択される少なくとも1種を植物に付与する、請求項9または10に記載の方法。
- 衣類を縛るための、衣類を束ねるための、または衣類を吊るすための、衣類に巻き付けて使用される衣類巻き付け用不織布テープであって、
前記不織布テープは防虫剤を含浸し、
前記不織布テープを構成する不織布は、コイル状捲縮を有する複合繊維であって、熱収縮率の異なる複数の樹脂が層構造を形成している複合繊維を含み、
前記複合繊維は、前記不織布の面方向に配向しており、前記コイル状捲縮の絡みにより不織布形状を保っている、不織布テープ。 - 衣類を防虫するための方法であって、請求項12に記載の衣類巻き付け用不織布テープを衣類に巻き付ける、方法。
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