JP3548956B2 - 被覆保護用筒状物、及び動物の食害から植栽苗木を護る方法 - Google Patents
被覆保護用筒状物、及び動物の食害から植栽苗木を護る方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3548956B2 JP3548956B2 JP2000338279A JP2000338279A JP3548956B2 JP 3548956 B2 JP3548956 B2 JP 3548956B2 JP 2000338279 A JP2000338279 A JP 2000338279A JP 2000338279 A JP2000338279 A JP 2000338279A JP 3548956 B2 JP3548956 B2 JP 3548956B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tip
- seedlings
- protecting
- seedling
- rod
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Protection Of Plants (AREA)
- Catching Or Destruction (AREA)
- Supports For Plants (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は作物、特に林業苗木を食害するノネズミ、ノウサギ、ニホンカモシカ、ニホンジカなどの草食野生哺乳獣類から、植えられた苗木を3年以上の長期間保護する為の被覆保護用筒状物、及びその被覆保護用筒状物を用いて苗木を被覆保護する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
林業において植林後その苗木をノネズミ、ノウサギ、ニホンカモシカ、ニホンジカなどの食害から保護し健全な造林を行うことは、造林事業にとって重要なことであるが、近年苗木に食害を起こす害獣が増加し、造林地を主たる生息場所にしているニホンジカの食害が激増するにしたがって、被害の程度も増大し、被害を受ける造林後の樹齢などもより大きな木へと変化し、食害期間もより長期化するよう変化してきた。
【0003】
草食野生哺乳獣類から作物、特に林業苗木を保護する方法としては古来より、鹿(猪)柵や網などによる作付け地の囲いがあり、個々の苗木を様々な資材の板や筒あるいはネットなどで覆う方法、動物の嫌がる忌避剤を塗布あるいは散布する方法なども行われてきた。
最近ではこうした造林地の囲いや個々の苗木への覆いにも新資材が使用されるようになり、ナイロン,テトロンなどの合成樹脂製の造林地囲いネットや細い鋼線を入れて動物に切られにくくした造林地囲いネットの使用、塩化ビニール板、ポリプロピレン板などの合成樹脂板を用いた苗木覆いなど、各種材料を用いた様々な方法が試みられている。
【0004】
登録実用新案第3009585、特開平10−327685では硬質樹脂製の筒状物で苗木を被覆する方法、実公昭57−46322ではスフ,人絹,合成繊維などの生地中にシクロヘキシミドやアスファルトなどの忌避成分を混入する方法、特開平7−25704では生分解プラスチックと忌避剤などを組み合わせる方法、実開昭61−10651では穴開きの円筒で土に差し込める足のついた苗木食害保護カバー等が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
害獣による食害問題が多発する中、造林地囲いの方法は、より高く強固な柵を設置すればニホンジカなど大型獣の食害はほとんど防げるが、設置の経費、手間などの問題とノネズミ、ノウサギなどの中小型獣の食害にはあまり効果がなく、ネットによる簡易な柵では、経費は低減できるがノネズミ、ノウサギの食害にはあまり効果がなく、また簡易であるだけ破損し易く、他の動物のネットへのからまりによる捕殺防止の必要性から保守点検の間隔を短くしなければならない、などの問題点も生じている。
【0006】
苗木のすべてを食害獣から守れる方法として、忌避剤の処理と単木への覆いがあるが、ニホンジカに対する化学的忌避剤などの処理では、残効期間が最長でも半年程度であること、更には処理後に春を迎え苗木の成長が始まれば、新しく伸びた部分には忌避削が付着していないなどの基本的な問題から、年2回以上の忌避剤の処理が必要となり、手間もそれに要する人件費等の経費も大きくなり、ニホンジカの成長点食害が一応問題とされなくなる植えつけ後3年、苗木の高さで120〜150cmに成育させるまでには、5〜6回の忌避剤処理を繰り返さなければならないといった問題点がある。
【0007】
苗木覆いによる保護は古くから行われ、竹や板,トタン板などの金属板、あるいは金網などにて覆う場合もあるが、資材の重量、嵩、運搬設置の手間など多くの問題を含んでおり、設置される場所のほとんどが山間部の不便な場所にある林業造林地であるため、大量に使われることは無かった。
【0008】
苗木被覆物の軽量化を図ったものとして、種籾を入れるネット袋や類似大型ネットなどの筒状ネット類を苗木先端に被せて用いる方法なども行われたこともあるが、苗木の成長にネットの大きさが伴わなかったり、ネットを大きくした場合にはそれを支える支柱などの大きさや長さなどの問題も発生し、設置のための手間まで含めれば多大な労力を要し、広く普及することは無かった。
【0009】
また一時広く普及していた、ミカンネット様の筒状ネットを植えつけ苗木に被せてから植えつける方法も、植えつけ直後のノネズミ、ノウサギの食害には対応できたが、2〜3年で1m以上に成長することが一般的なスギ、ヒノキなどの造林地ではネットの大きさが足りない事や、直接葉に触れていることによるネット脱落の問題、ネットに蔓性雑草がからまり易く苗木が蔓におおわれてしまう問題などもあり、カモシカやニホンジカ対策には有効な方法ではなかった。
【0010】
登録実用新案第3009585、特開平10−327685に記載されている硬質樹脂製の筒状物で被覆する方法も、硬質樹脂板を筒状にして使用しているため、構造物の嵩が大きい、固定のための支持棒にも強度が必要となり、設置された構築物にしなりがないため強風の影響を直接受けることになり、破損しやすい欠点を有する。また硬質筒なので太さに制限があり、設置場面で植えられている苗木をいちいち手でしごきながら筒に収めなければならず、作業に手間がかかる、野外で日の当たる造林地で長期間使用するにふさわしい材質になっていない、通気性の悪い板状構造物での被覆なので、苗がムレてしまって正常に成長しなくなるなどの問題点もあり、いまだ満足できる段階に至っていない。
【0011】
実公昭57−46322に記載されたスフ,人絹,合成繊維などの生地中にシクロヘキシミドやアスファルトなどの忌避成分を混入する方法、特開平7−25704に記載された生分解プラスチックと忌避剤などを組み合わせる方法、実開昭61−10651に記載された穴開きの円筒で土に差し込める足のついた苗木食害保護カバー等も、ニホンジカなどの食害予防に対応できるサイズや、使用期間の長さから想定される最も重要な材質劣化の問題には触れられておらず、現実に野外で3年という長期間使用可能な苗被覆物で、市販に到っているものは皆無である。
【0012】
植えつけられた幹長40〜60cmの苗は3年で1.5m程度に成育し、その後ニホンジカによる成長点の食害はほとんど起こらなくなると言われており、被覆物に要求される性能としては、高さで1.5m以上、苗の下枝の拡がりを考慮すると、下部の拡がりは幹を中心として最低半径30cm程度が必要で、好ましくは通気性を備え光の遮断も半分以下であること、一度設置したら3年間程度までは野外自然条件の暴風雨強日照という厳しい条件に耐えられる耐久性を持っていることなどが上げられ、その上で軽量で設置の部品数も少なく、設置に手間のかからないものが要求されている。
【0013】
従って本発明の目的は、これらの諸問題を解決できる、苗木被覆用筒状物を提供すると共に、この筒状物を用い苗木を被覆保護する方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明者らはこの点について様々な検討を繰り返し、野外造林地における設置試験なども行った結果、ポリエステル、ポリオレフィン繊維のうち特にポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維またはポリプロピレン繊維を用いた布、不織布、ネット入り不織布などが野外造林地で3年以上の耐久性を持っていることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布を、縫製、融着または接着して筒状とした、苗木の被覆保護用筒状物である。また本発明は、太さおよび形状が苗木を収めやすい円錐台、または苗木を収めやすい円柱である、苗木の被覆保護用筒状物である。さらに本発明は、ポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布を、縫製、融着または接着して筒状とした、苗木の被覆保護用筒状物で苗木を被覆することを特徴とする、草食動物の食害から苗木を保護する方法である。
【0015】
更に発明者らは軽量で通気性もあり、光通過性が50%以下にならないようにして苗木の正常成育を阻害させない為には、通気性を有する布あるいは不織布で単位面積当たりの重量(目付量)が150g/m2以下が良好であることを見出した。
【0016】
さらに主に山で使用されるのでなるべく軽量化したいが、3年以上の耐久性を持たせるためには、目付量30g/m2以上が望ましいことを見出した。
【0017】
主としてニホンジカの食害から3年もの長期間保護するために適する布あるいは不織布の被覆用筒状物の大きさとしては、スギ,ヒノキなどの苗木の性質、特に成長量から、裾部の直径が20〜45cm、頂上部では直径が10〜23cmで、その高さとして100〜180cm、望ましくは150cm前後であり、筒状物の大きさ及び形状は、苗が収めやすい太さの円錐台、あるいは苗が収めやすい太さの円柱筒が望ましいが、対象の動物の種類や苗木の生長見込み量により、この大きさは調節する必要がある。
【0018】
筒状物の製造方法としては、裁断した布又は不織布を縫製、融着、あるいは接着することにより製造することができる。
【0019】
1.5mの長さにも及ぶ筒状物を筒状のまま長期間保持させる為の設置方法としては、図−1に示すように筒状物を支持する棒を苗木のすぐ横に1本以上設置し、筒状物を1箇所以上で支持棒に直線状に固定して筒の直立性を保たせなければならない。さらにその筒状物の裾は苗木を筒中に入れた状態で、苗木と独立して地面に固定されていなければならない。筒状物と苗木を独立させて固定することにより、棒と筒状物とが風に対して同調して揺れ、地面に差し込まれた支持棒の基部振幅が極小となることで、特に強風に耐える作用があることが明らかになった。また支持棒を1本だけ使った場合には、筒状物裾と苗木が巻き付いたり絡んだりする事もあるのて、ペグ等を用い対角で2点以上、望ましくは3点以上の点で地面と固定されなければならないことも明らかとなった。
【0020】
上記形状の布あるいは不織布の筒状物を支持棒で支え、場合によっては風速50mにも達しようとする台風や、全体が埋まってしまう積雪などの自然条件からもそのままの状態を保たせる為には、支持棒の地面との固定は言うまでもないことだが、棒そのものがその先端での柔軟性と直立回復性を持っていなければならない。根本で固定した長さ100cmの棒の先端に0.5kgの重りを取付けた場合、水平からの振幅幅が先端で10〜80cm、好ましくは50〜70cmであるところのしなりを有する棒が好適である。
【0021】
棒の材質としては、先を細くした木製棒、竹、ガラス繊維強化樹脂又は炭素繊維強化樹脂である棒が好適に使用できる。
【0022】
ニホンジカを主体とした食害防止に対応させるためには、3年もの長期間野外に設置しなければならないが、筒状物の素材をポリエステル、ポリオレフィン系繊維の布あるいは不織布にすることで、特に紫外線に対する耐久性能を持たせることができ、通気性を有することで過剰な温室効果による苗の徒長を一定程度以上抑え、健全成長の苗とする作用を有する。
【0023】
また、野外に直接さらされる植林苗木では、植えつけ初年度に冬の乾燥した寒風による枝枯れなど、いわゆる寒風害を受けやすいが、本発明の筒状物による被覆は、苗木が直接寒風を受けることが無いことと、苗木の植えられた基部土壌が被覆されていることから土壌の乾燥防止にも効果があり、こうした寒風害からも守る作用を有する。
【0024】
さらに、海岸近くのヒノキ植林地に該筒状物を設置したところ、ニホンジカ、ノネズミによる食害防止効果が100%あったのみならず、無被覆ヒノキでは常に吹き付けている風の影響からの枯損苗の発生を皆無に抑え、根本部分で風の影響による一定方向(山側)への曲がりの発生をも抑える効果を示して、この造林地では苗木時点からの風による曲がりで根本からの利用が出来ない材になってしまうと言う問題を解決するであろうとの期待がもてた。
【0025】
さらにまた、本発明によるポリエステル、ポリオレフィンの繊維からなる布あるいは不繊布製筒状物で全ての苗木を被覆すれば、3年間の長期に渡ってほぼ100%の食害予防効果が得られることが確認されたが、筒状物設置を造林植栽された全ての苗木に行わなくとも、人工物が数本の苗木に1本設置されただけでも一定程度の効果のあることが確認されたことから、視覚的忌避作用もあると推察される。
【0026】
本発明になる苗木被覆筒状物では、主たる目的のニホンジカ、.ニホンカモシカの食害に対する効果のみならず、苗木基部まで覆いえることにより、ノウサギ、ノネズミなどの中小型草食動物食害からも、一度の設置で長期間守りうる作用を有する。
【0027】
植林苗を被覆する従来市販の筒などに比べても、軽量化,コンパクト化,使用部品総数の少なさ,設置作業簡便化による運搬総重量、設置の手間などに於いて5倍以上能率が上がる作用を有する。
【0028】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を製造例、及び実施例に基づき図面を参照しながら説明する。
【0029】
【実施例】
(製造例1)目付量112g/m2のポリエステル布(商品名:トロピカル、東レ株式会社製品)を52cm×150cmに切断した長方形の布2枚を重ね、長辺の両脇を縫い代1cmで縫製して直径32cmの円筒状筒状物を作製した。
【0030】
(製造例2)
目付量50g/m2のポリエステルスパンボンドの不織布(商品名:バルコンポHP6050G、東洋紡績株式会社製品)を、上辺が27cm、下辺が52cm、高さが150cmに切断した台形の不織布二枚を重ね、両脇を縫い代1cmで縫製し、上部直径16cm、下部直径32cmの円錐台状筒状物を作成した。
【0031】
(製造例3)
目付量50g/m2のポリエチレン製繊維の不織布(商品名:ワリフ、日石プラスト株式会社製品)を、上辺が52cm,下辺が102cm,高さが150cmに切断した台形の不織布を折り重ね、端を縫い代1cmで縫製し、上部直径16cm,下部直径32cmの円錐台状筒状物を作成した。
【0032】
(実施例1)
ヘクタール当たり3000本植栽されたヒノキ植林地で1本おきに半分の苗木に、製造例1で作成した円筒状筒状物を図−1に示す設置例のように設置した。即ち、植林されているヒノキ苗木(苗畑で3年育成、高さ30〜40cm苗木)に円筒状筒状物を被せ、苗木の脇に60cm差し込んで動かないよう固定した元直径で3.5cm、先直径で1cm,長さ2.1mのマダケ竿1本に針金をもって上下2箇所で固定した。筒状物の裾は支柱とペグ2本で拡げ地面に固定した。
【0033】
設置後3年間放置したが、被覆しなかった苗木の一部にニホンジカ及びノウサギによる食害が多少認められたのみで、被覆苗木では食害皆無であり、平均樹高でも1.6mを越えて造林地として平均以上の成育を示す効果が認められた。
【0034】
隣接する同時植林の無設置造林地では、主にニホンジカによる杪頭針葉食害が多発して伸長が止り、いわゆる盆栽状苗木となってしまい植え直しを行わなければならない状態となった。
【0035】
(実施例2)
製造例1で作成した円筒状筒状物を、実施例1で1本おきに半分の苗木に設置したところを、全部の苗木に設置し、他は実施例1と同様におこなった。
設置後3年間放置したが、全部の苗木においてニホンジカ及びノウサギによる食害は皆無であり、平均樹高でも1.6mを越えて造林地として平均以上の成育を示す効果が認められた。
【0036】
(実施例3)
スギ植林地のスギ苗木に、実施例1のマダケ竿を直径7.5mmのFRP中空ポール[商品名:ダンポールP(マル75×40)、宇部日東化成株式会社製品]に換え、製造例2で作成した円錐台状筒状物を実施例1と同様の方法で設置したところ、冬期積雪による完全埋没林分であったが、3年間重大な筒の破損などもなく、ニホンカモシカ及びノウサギに食害されなかったのみならず、被覆によって寒風害や積雪低温障害からも保護される効果を示し、無被覆苗木対比で50%もの伸長成長増を示した。
【0037】
(実施例4)
スギ植林地のスギ苗木に、実施例3のポールを使用して、製造例3で作成した円錐台状筒状物を実施例1と同様の方法で設置したところ、冬期積雪による完全埋没林分であったが、3年間重大な破損などもなく、ニホンカモシカおよびノウサギによる苗木の食害は無かったのみならず、被覆によって寒風害や積雪低温害からも保護される効果を示し、無被覆苗木対比50%もの伸長成長増を示した。
【0038】
【発明の効果】
本発明のポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布を、縫製、融着または接着して筒状とした、苗木の被覆保護用筒状物は野外自然条件下で3年以上の耐久性を有するので、ニホンジカ、ニホンカモシカ、ノウサギ、ノネズミ等の草食動物食害から、野外造林地およびその他地域の苗木を保護することができる。また、苗木が受け易い寒風害を防ぐことができ、風の影響による一定方向(山側)への曲がりの発生も抑えることができる。さらに、本発明の苗木の被覆保護用筒状物は、軽量化、コンパクト化、使用部品総数の削減、設置作業簡便化が可能なので、草食動物食害から苗木を保護するための作業の能率およびコストを大幅に改善することができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】筒状物設置例の部分破断斜視図
【符号の説明】
1.先でしなる支持棒 4.固定箇所
2.筒状物 5.苗木
3.ペグ 6.地面
【発明の属する技術分野】
本発明は作物、特に林業苗木を食害するノネズミ、ノウサギ、ニホンカモシカ、ニホンジカなどの草食野生哺乳獣類から、植えられた苗木を3年以上の長期間保護する為の被覆保護用筒状物、及びその被覆保護用筒状物を用いて苗木を被覆保護する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
林業において植林後その苗木をノネズミ、ノウサギ、ニホンカモシカ、ニホンジカなどの食害から保護し健全な造林を行うことは、造林事業にとって重要なことであるが、近年苗木に食害を起こす害獣が増加し、造林地を主たる生息場所にしているニホンジカの食害が激増するにしたがって、被害の程度も増大し、被害を受ける造林後の樹齢などもより大きな木へと変化し、食害期間もより長期化するよう変化してきた。
【0003】
草食野生哺乳獣類から作物、特に林業苗木を保護する方法としては古来より、鹿(猪)柵や網などによる作付け地の囲いがあり、個々の苗木を様々な資材の板や筒あるいはネットなどで覆う方法、動物の嫌がる忌避剤を塗布あるいは散布する方法なども行われてきた。
最近ではこうした造林地の囲いや個々の苗木への覆いにも新資材が使用されるようになり、ナイロン,テトロンなどの合成樹脂製の造林地囲いネットや細い鋼線を入れて動物に切られにくくした造林地囲いネットの使用、塩化ビニール板、ポリプロピレン板などの合成樹脂板を用いた苗木覆いなど、各種材料を用いた様々な方法が試みられている。
【0004】
登録実用新案第3009585、特開平10−327685では硬質樹脂製の筒状物で苗木を被覆する方法、実公昭57−46322ではスフ,人絹,合成繊維などの生地中にシクロヘキシミドやアスファルトなどの忌避成分を混入する方法、特開平7−25704では生分解プラスチックと忌避剤などを組み合わせる方法、実開昭61−10651では穴開きの円筒で土に差し込める足のついた苗木食害保護カバー等が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
害獣による食害問題が多発する中、造林地囲いの方法は、より高く強固な柵を設置すればニホンジカなど大型獣の食害はほとんど防げるが、設置の経費、手間などの問題とノネズミ、ノウサギなどの中小型獣の食害にはあまり効果がなく、ネットによる簡易な柵では、経費は低減できるがノネズミ、ノウサギの食害にはあまり効果がなく、また簡易であるだけ破損し易く、他の動物のネットへのからまりによる捕殺防止の必要性から保守点検の間隔を短くしなければならない、などの問題点も生じている。
【0006】
苗木のすべてを食害獣から守れる方法として、忌避剤の処理と単木への覆いがあるが、ニホンジカに対する化学的忌避剤などの処理では、残効期間が最長でも半年程度であること、更には処理後に春を迎え苗木の成長が始まれば、新しく伸びた部分には忌避削が付着していないなどの基本的な問題から、年2回以上の忌避剤の処理が必要となり、手間もそれに要する人件費等の経費も大きくなり、ニホンジカの成長点食害が一応問題とされなくなる植えつけ後3年、苗木の高さで120〜150cmに成育させるまでには、5〜6回の忌避剤処理を繰り返さなければならないといった問題点がある。
【0007】
苗木覆いによる保護は古くから行われ、竹や板,トタン板などの金属板、あるいは金網などにて覆う場合もあるが、資材の重量、嵩、運搬設置の手間など多くの問題を含んでおり、設置される場所のほとんどが山間部の不便な場所にある林業造林地であるため、大量に使われることは無かった。
【0008】
苗木被覆物の軽量化を図ったものとして、種籾を入れるネット袋や類似大型ネットなどの筒状ネット類を苗木先端に被せて用いる方法なども行われたこともあるが、苗木の成長にネットの大きさが伴わなかったり、ネットを大きくした場合にはそれを支える支柱などの大きさや長さなどの問題も発生し、設置のための手間まで含めれば多大な労力を要し、広く普及することは無かった。
【0009】
また一時広く普及していた、ミカンネット様の筒状ネットを植えつけ苗木に被せてから植えつける方法も、植えつけ直後のノネズミ、ノウサギの食害には対応できたが、2〜3年で1m以上に成長することが一般的なスギ、ヒノキなどの造林地ではネットの大きさが足りない事や、直接葉に触れていることによるネット脱落の問題、ネットに蔓性雑草がからまり易く苗木が蔓におおわれてしまう問題などもあり、カモシカやニホンジカ対策には有効な方法ではなかった。
【0010】
登録実用新案第3009585、特開平10−327685に記載されている硬質樹脂製の筒状物で被覆する方法も、硬質樹脂板を筒状にして使用しているため、構造物の嵩が大きい、固定のための支持棒にも強度が必要となり、設置された構築物にしなりがないため強風の影響を直接受けることになり、破損しやすい欠点を有する。また硬質筒なので太さに制限があり、設置場面で植えられている苗木をいちいち手でしごきながら筒に収めなければならず、作業に手間がかかる、野外で日の当たる造林地で長期間使用するにふさわしい材質になっていない、通気性の悪い板状構造物での被覆なので、苗がムレてしまって正常に成長しなくなるなどの問題点もあり、いまだ満足できる段階に至っていない。
【0011】
実公昭57−46322に記載されたスフ,人絹,合成繊維などの生地中にシクロヘキシミドやアスファルトなどの忌避成分を混入する方法、特開平7−25704に記載された生分解プラスチックと忌避剤などを組み合わせる方法、実開昭61−10651に記載された穴開きの円筒で土に差し込める足のついた苗木食害保護カバー等も、ニホンジカなどの食害予防に対応できるサイズや、使用期間の長さから想定される最も重要な材質劣化の問題には触れられておらず、現実に野外で3年という長期間使用可能な苗被覆物で、市販に到っているものは皆無である。
【0012】
植えつけられた幹長40〜60cmの苗は3年で1.5m程度に成育し、その後ニホンジカによる成長点の食害はほとんど起こらなくなると言われており、被覆物に要求される性能としては、高さで1.5m以上、苗の下枝の拡がりを考慮すると、下部の拡がりは幹を中心として最低半径30cm程度が必要で、好ましくは通気性を備え光の遮断も半分以下であること、一度設置したら3年間程度までは野外自然条件の暴風雨強日照という厳しい条件に耐えられる耐久性を持っていることなどが上げられ、その上で軽量で設置の部品数も少なく、設置に手間のかからないものが要求されている。
【0013】
従って本発明の目的は、これらの諸問題を解決できる、苗木被覆用筒状物を提供すると共に、この筒状物を用い苗木を被覆保護する方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明者らはこの点について様々な検討を繰り返し、野外造林地における設置試験なども行った結果、ポリエステル、ポリオレフィン繊維のうち特にポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維またはポリプロピレン繊維を用いた布、不織布、ネット入り不織布などが野外造林地で3年以上の耐久性を持っていることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布を、縫製、融着または接着して筒状とした、苗木の被覆保護用筒状物である。また本発明は、太さおよび形状が苗木を収めやすい円錐台、または苗木を収めやすい円柱である、苗木の被覆保護用筒状物である。さらに本発明は、ポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布を、縫製、融着または接着して筒状とした、苗木の被覆保護用筒状物で苗木を被覆することを特徴とする、草食動物の食害から苗木を保護する方法である。
【0015】
更に発明者らは軽量で通気性もあり、光通過性が50%以下にならないようにして苗木の正常成育を阻害させない為には、通気性を有する布あるいは不織布で単位面積当たりの重量(目付量)が150g/m2以下が良好であることを見出した。
【0016】
さらに主に山で使用されるのでなるべく軽量化したいが、3年以上の耐久性を持たせるためには、目付量30g/m2以上が望ましいことを見出した。
【0017】
主としてニホンジカの食害から3年もの長期間保護するために適する布あるいは不織布の被覆用筒状物の大きさとしては、スギ,ヒノキなどの苗木の性質、特に成長量から、裾部の直径が20〜45cm、頂上部では直径が10〜23cmで、その高さとして100〜180cm、望ましくは150cm前後であり、筒状物の大きさ及び形状は、苗が収めやすい太さの円錐台、あるいは苗が収めやすい太さの円柱筒が望ましいが、対象の動物の種類や苗木の生長見込み量により、この大きさは調節する必要がある。
【0018】
筒状物の製造方法としては、裁断した布又は不織布を縫製、融着、あるいは接着することにより製造することができる。
【0019】
1.5mの長さにも及ぶ筒状物を筒状のまま長期間保持させる為の設置方法としては、図−1に示すように筒状物を支持する棒を苗木のすぐ横に1本以上設置し、筒状物を1箇所以上で支持棒に直線状に固定して筒の直立性を保たせなければならない。さらにその筒状物の裾は苗木を筒中に入れた状態で、苗木と独立して地面に固定されていなければならない。筒状物と苗木を独立させて固定することにより、棒と筒状物とが風に対して同調して揺れ、地面に差し込まれた支持棒の基部振幅が極小となることで、特に強風に耐える作用があることが明らかになった。また支持棒を1本だけ使った場合には、筒状物裾と苗木が巻き付いたり絡んだりする事もあるのて、ペグ等を用い対角で2点以上、望ましくは3点以上の点で地面と固定されなければならないことも明らかとなった。
【0020】
上記形状の布あるいは不織布の筒状物を支持棒で支え、場合によっては風速50mにも達しようとする台風や、全体が埋まってしまう積雪などの自然条件からもそのままの状態を保たせる為には、支持棒の地面との固定は言うまでもないことだが、棒そのものがその先端での柔軟性と直立回復性を持っていなければならない。根本で固定した長さ100cmの棒の先端に0.5kgの重りを取付けた場合、水平からの振幅幅が先端で10〜80cm、好ましくは50〜70cmであるところのしなりを有する棒が好適である。
【0021】
棒の材質としては、先を細くした木製棒、竹、ガラス繊維強化樹脂又は炭素繊維強化樹脂である棒が好適に使用できる。
【0022】
ニホンジカを主体とした食害防止に対応させるためには、3年もの長期間野外に設置しなければならないが、筒状物の素材をポリエステル、ポリオレフィン系繊維の布あるいは不織布にすることで、特に紫外線に対する耐久性能を持たせることができ、通気性を有することで過剰な温室効果による苗の徒長を一定程度以上抑え、健全成長の苗とする作用を有する。
【0023】
また、野外に直接さらされる植林苗木では、植えつけ初年度に冬の乾燥した寒風による枝枯れなど、いわゆる寒風害を受けやすいが、本発明の筒状物による被覆は、苗木が直接寒風を受けることが無いことと、苗木の植えられた基部土壌が被覆されていることから土壌の乾燥防止にも効果があり、こうした寒風害からも守る作用を有する。
【0024】
さらに、海岸近くのヒノキ植林地に該筒状物を設置したところ、ニホンジカ、ノネズミによる食害防止効果が100%あったのみならず、無被覆ヒノキでは常に吹き付けている風の影響からの枯損苗の発生を皆無に抑え、根本部分で風の影響による一定方向(山側)への曲がりの発生をも抑える効果を示して、この造林地では苗木時点からの風による曲がりで根本からの利用が出来ない材になってしまうと言う問題を解決するであろうとの期待がもてた。
【0025】
さらにまた、本発明によるポリエステル、ポリオレフィンの繊維からなる布あるいは不繊布製筒状物で全ての苗木を被覆すれば、3年間の長期に渡ってほぼ100%の食害予防効果が得られることが確認されたが、筒状物設置を造林植栽された全ての苗木に行わなくとも、人工物が数本の苗木に1本設置されただけでも一定程度の効果のあることが確認されたことから、視覚的忌避作用もあると推察される。
【0026】
本発明になる苗木被覆筒状物では、主たる目的のニホンジカ、.ニホンカモシカの食害に対する効果のみならず、苗木基部まで覆いえることにより、ノウサギ、ノネズミなどの中小型草食動物食害からも、一度の設置で長期間守りうる作用を有する。
【0027】
植林苗を被覆する従来市販の筒などに比べても、軽量化,コンパクト化,使用部品総数の少なさ,設置作業簡便化による運搬総重量、設置の手間などに於いて5倍以上能率が上がる作用を有する。
【0028】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を製造例、及び実施例に基づき図面を参照しながら説明する。
【0029】
【実施例】
(製造例1)目付量112g/m2のポリエステル布(商品名:トロピカル、東レ株式会社製品)を52cm×150cmに切断した長方形の布2枚を重ね、長辺の両脇を縫い代1cmで縫製して直径32cmの円筒状筒状物を作製した。
【0030】
(製造例2)
目付量50g/m2のポリエステルスパンボンドの不織布(商品名:バルコンポHP6050G、東洋紡績株式会社製品)を、上辺が27cm、下辺が52cm、高さが150cmに切断した台形の不織布二枚を重ね、両脇を縫い代1cmで縫製し、上部直径16cm、下部直径32cmの円錐台状筒状物を作成した。
【0031】
(製造例3)
目付量50g/m2のポリエチレン製繊維の不織布(商品名:ワリフ、日石プラスト株式会社製品)を、上辺が52cm,下辺が102cm,高さが150cmに切断した台形の不織布を折り重ね、端を縫い代1cmで縫製し、上部直径16cm,下部直径32cmの円錐台状筒状物を作成した。
【0032】
(実施例1)
ヘクタール当たり3000本植栽されたヒノキ植林地で1本おきに半分の苗木に、製造例1で作成した円筒状筒状物を図−1に示す設置例のように設置した。即ち、植林されているヒノキ苗木(苗畑で3年育成、高さ30〜40cm苗木)に円筒状筒状物を被せ、苗木の脇に60cm差し込んで動かないよう固定した元直径で3.5cm、先直径で1cm,長さ2.1mのマダケ竿1本に針金をもって上下2箇所で固定した。筒状物の裾は支柱とペグ2本で拡げ地面に固定した。
【0033】
設置後3年間放置したが、被覆しなかった苗木の一部にニホンジカ及びノウサギによる食害が多少認められたのみで、被覆苗木では食害皆無であり、平均樹高でも1.6mを越えて造林地として平均以上の成育を示す効果が認められた。
【0034】
隣接する同時植林の無設置造林地では、主にニホンジカによる杪頭針葉食害が多発して伸長が止り、いわゆる盆栽状苗木となってしまい植え直しを行わなければならない状態となった。
【0035】
(実施例2)
製造例1で作成した円筒状筒状物を、実施例1で1本おきに半分の苗木に設置したところを、全部の苗木に設置し、他は実施例1と同様におこなった。
設置後3年間放置したが、全部の苗木においてニホンジカ及びノウサギによる食害は皆無であり、平均樹高でも1.6mを越えて造林地として平均以上の成育を示す効果が認められた。
【0036】
(実施例3)
スギ植林地のスギ苗木に、実施例1のマダケ竿を直径7.5mmのFRP中空ポール[商品名:ダンポールP(マル75×40)、宇部日東化成株式会社製品]に換え、製造例2で作成した円錐台状筒状物を実施例1と同様の方法で設置したところ、冬期積雪による完全埋没林分であったが、3年間重大な筒の破損などもなく、ニホンカモシカ及びノウサギに食害されなかったのみならず、被覆によって寒風害や積雪低温障害からも保護される効果を示し、無被覆苗木対比で50%もの伸長成長増を示した。
【0037】
(実施例4)
スギ植林地のスギ苗木に、実施例3のポールを使用して、製造例3で作成した円錐台状筒状物を実施例1と同様の方法で設置したところ、冬期積雪による完全埋没林分であったが、3年間重大な破損などもなく、ニホンカモシカおよびノウサギによる苗木の食害は無かったのみならず、被覆によって寒風害や積雪低温害からも保護される効果を示し、無被覆苗木対比50%もの伸長成長増を示した。
【0038】
【発明の効果】
本発明のポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布を、縫製、融着または接着して筒状とした、苗木の被覆保護用筒状物は野外自然条件下で3年以上の耐久性を有するので、ニホンジカ、ニホンカモシカ、ノウサギ、ノネズミ等の草食動物食害から、野外造林地およびその他地域の苗木を保護することができる。また、苗木が受け易い寒風害を防ぐことができ、風の影響による一定方向(山側)への曲がりの発生も抑えることができる。さらに、本発明の苗木の被覆保護用筒状物は、軽量化、コンパクト化、使用部品総数の削減、設置作業簡便化が可能なので、草食動物食害から苗木を保護するための作業の能率およびコストを大幅に改善することができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】筒状物設置例の部分破断斜視図
【符号の説明】
1.先でしなる支持棒 4.固定箇所
2.筒状物 5.苗木
3.ペグ 6.地面
Claims (10)
- 通気性を有し、光透過性が50%以上であるポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布を、縫製、融着または接着して筒状とし、太さおよび形状を苗木を収めやすい円錐台、または苗木を収めやすい円柱とし、高さを100〜180cmとした苗木の被覆保護用筒状物であって、該筒状物が筒の基部から先端までが直線状に支柱に固定され、その支柱が支柱全体または先端にしなりを有する棒であることを特徴とする、苗木の被覆保護用筒状物。
- 前記したポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布の単位面積当たり重量が、30〜150g/m2である請求項1記載の苗木の被覆保護用筒状物。
- 前記したポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布が、野外自然条件下で3年以上の耐久性を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の苗木の被覆保護用筒状物。
- 前記した支柱全体または先端にしなりを有する棒が、棒の根本で固定した長さ100cmの棒の先端に0.5kgの重りを取付けた際に、棒の先端部分の水平からの振幅幅が10〜80cmのしなりを有していることを特徴とする、請求項1〜請求項3いずれかの項に記載の苗木の被覆保護用筒状物。
- 前記した支柱全体または先端にしなりを有する棒が、棒の根本で固定した長さ100cmの棒の先端に0.5kgの重りを取付けた際に、棒の先端部分の水平からの振幅幅が50〜70cmのしなりを有していることを特徴とする、請求項1〜請求項4いずれかの項に記載の苗木の被覆保護用筒状物。
- 前記した保護対象の苗木が野外造林地の苗木であり、食害防除対象草食動物がニホンジカ、ニホンカモシカおよび中小型草食動物であることを特徴とする、請求項1〜請求項5いずれかの項に記載の苗木の被覆保護用筒状物。
- 通気性を有し、光透過性が50%以上であるポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布を、縫製、融着または接着して筒状とし、太さおよび形状を苗木を収めやすい円錐台、または苗木を収めやすい円柱とし、高さを100〜180cmとした苗木の被覆保護用筒状物で苗木を被覆し、該筒状物の筒の基部から先端までを、支柱全体または先端にしなりを有する棒である支柱に直線状に固定することを特徴とする、草食動物の食害から苗木を保護する方法。
- 前記したポリエステル、ポリオレフィン繊維の布または不織布が、野外自然条件下で3年以上の耐久性を有することを特徴とする請求項7記載の草食動物の食害から苗木を保護する方法。
- 前記した支柱全体または先端にしなりを有する棒が、棒の根本で固定した長さ100cmの棒の先端に0.5kgの重りを取付けた際に、棒の先端部分の水平からの振幅幅が10〜80cmのしなりを有していることを特徴とする、請求項7または請求項8記載の草食動物の食害から苗木を保護する方法。
- 前記した保護対象の苗木が野外造林地の苗木であり、食害防除対象草食動物がニホンジカ、ニホンカモシカおよび中小型草食動物であることを特徴とする、請求項7〜請求項9いずれかの項に記載の草食動物の食害から苗木を保護する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000338279A JP3548956B2 (ja) | 1999-10-29 | 2000-10-02 | 被覆保護用筒状物、及び動物の食害から植栽苗木を護る方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34517599 | 1999-10-29 | ||
JP11-345175 | 1999-10-29 | ||
JP2000338279A JP3548956B2 (ja) | 1999-10-29 | 2000-10-02 | 被覆保護用筒状物、及び動物の食害から植栽苗木を護る方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001190165A JP2001190165A (ja) | 2001-07-17 |
JP3548956B2 true JP3548956B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=26577976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000338279A Expired - Fee Related JP3548956B2 (ja) | 1999-10-29 | 2000-10-02 | 被覆保護用筒状物、及び動物の食害から植栽苗木を護る方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3548956B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019198247A (ja) * | 2018-05-14 | 2019-11-21 | 積水樹脂株式会社 | 幼齢木保護具 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7474075B2 (ja) * | 2019-03-13 | 2024-04-24 | 保土谷アグロテック株式会社 | 苗木の保護用筒状物および該保護用筒状物を用いた苗木の保護および育成方法 |
AT522592B1 (de) * | 2019-07-11 | 2020-12-15 | Josef Pamminger | Fegeschutzvorrichtung |
RU205357U1 (ru) * | 2020-12-16 | 2021-07-12 | Роман Александрович Усатов | Устройство для защиты плодовых деревьев от морозов, солнечных ожогов и грызунов |
-
2000
- 2000-10-02 JP JP2000338279A patent/JP3548956B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019198247A (ja) * | 2018-05-14 | 2019-11-21 | 積水樹脂株式会社 | 幼齢木保護具 |
JP7080102B2 (ja) | 2018-05-14 | 2022-06-03 | 積水樹脂株式会社 | 幼齢木保護具 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001190165A (ja) | 2001-07-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Bhavani et al. | Agro textiles-Their applications in agriculture and scope for utilizing natural fibers in agro tech sector | |
KR101331404B1 (ko) | 수직형 식물 재배 장치 | |
EP3900523A1 (en) | Planting sheet | |
JP2002330631A (ja) | 立体プランター | |
Ajmeri et al. | Developments in nonwovens as agrotextiles | |
JP3548956B2 (ja) | 被覆保護用筒状物、及び動物の食害から植栽苗木を護る方法 | |
JPH0994032A (ja) | 蔓性果樹棚の新梢支持方法およびその構造 | |
US20130340330A1 (en) | Collapsible Shade for Lawn Cultivation | |
CN205030261U (zh) | 乔木护根的铺设构造 | |
JP5144580B2 (ja) | 幼齢木の食害防止用プロテクター | |
JP3477410B2 (ja) | 法面緑化用の植生基盤材と法面の緑化工法 | |
JP2002272260A (ja) | 現地植物の種子を利用した植生マットおよび植生工法 | |
JP2019050762A (ja) | 被覆植物活着シート | |
JP7474075B2 (ja) | 苗木の保護用筒状物および該保護用筒状物を用いた苗木の保護および育成方法 | |
CN106718421A (zh) | 一种苹果园专用防护网支柱及防控不套袋栽培桃小食心虫的方法 | |
KR101168837B1 (ko) | 농작물 순잡이용 베일 네트 필름 및 그의 제조방법 | |
JP3127588U (ja) | 屋根・壁面緑化構造体 | |
Kumar | Textile is a boon agriculture | |
CN218117445U (zh) | 一种园艺围网结构 | |
JP4703036B2 (ja) | 植物栽培用吊りフックおよび植物栽培方法 | |
JP4628565B2 (ja) | 編柵用のネット構造体と有機廃棄物の処理工法および法面の緑化工法 | |
CN213187363U (zh) | 一种大棚无土栽培藤类农作物攀爬绳架 | |
CN108718816A (zh) | 一种拉线卷网及其在蔓生农作物种植过程中的应用 | |
JP3205720B2 (ja) | 法面緑化用枠の設置構造及び法面緑化工法 | |
JPH0742287Y2 (ja) | 金網ポット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040408 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |