JP2019050762A - 被覆植物活着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】畦畔等の対象エリアにおいて、雑草の成長を抑止しつつ、被覆植物を安定して生育させ、先に対象エリアを覆うことによって、その後の雑草の成長を抑制する被覆植物活着シートを提供する。【解決手段】敷設後に穿孔されるシート開口部に定植されて生育する被覆植物と組み合わせて対象エリアの雑草繁茂を抑制するシートであって、前記シートは、経糸及び緯糸により構成された遮光性を有する織物シートであり、かつ、前記織物シートのうち前記シート開口部を起点とした所定範囲について、綾織りによって織成される綾織部又は、崩壊性若しくは生分解性を有する前記経糸若しくは前記緯糸によって形成される幅4mm以下の崩壊部130を含む被覆植物活着シート100を提供する。【選択図】図1A

Description

本発明は、雑草の繁茂を防止しつつ被覆植物の活着を促進するシートに関する。
畦畔に繁茂する雑草は、景観を損ね、通風を妨げ、カメムシ等の害虫を増やすことから、定期的な草刈りは欠かせないものとなっている。農地の畦畔や法面の管理は農地所有者等が行っているところ、管理負担、特に草刈りにおいて要求される労力の負担が大きな問題となっている。また、農業の担い手に対して農地の利用集積を進めていく場合にも草刈り等の労力の負担の問題が立ちはだかり、構造政策を推進していく上での障害となっているケースもある。このため、各地域では、多面的機能支払交付金制度等を活用して集落での草刈り実施・草刈り機の共同購入を行う等地域ぐるみでこの問題に取り組んでいる。しかし、効率化を図ったとしても継続して草刈りを実施することに変わりはないことから、より労力負担が小さく、かつ、維持管理の容易な技術に対する要請は大きい。
畦畔等雑草繁茂防止対象エリア全体を防草シートで覆い、日光の照射を遮断することによって、雑草の繁茂を防止する技術がある。しかし、防草シートが日光によって経年劣化し、破断箇所から雑草が繁茂するため、防草シートの補修・交換という維持管理が必要である。さらに、特に法面においては、雨水が防草シートの下に流れ込み法面下部に溜ることによって、雨水の重力で防草シートが剥がれたり、破断したりするので、防草シートのみでは長期間効果を維持できないという問題があった。
被覆植物によって、雑草の成長を抑え込む技術がある。「被覆植物(グランドカバープランツ)」とは、地表面を覆って、土壌の表面を覆い隠すために栽培する植物の総称であり、一般には草丈が低くほふく性を有する植物である。被覆植物がほとんど地表面が見えない程度に繁茂すると、日光の照射の制限に加え、他感作用(アレロパシー)の働きにより雑草の成長を抑え込むことができる。このため、いったん対象エリアを覆えば、長期間にわたり維持管理が容易なメンテナンスフリー的な技術として期待されている。一般に、被覆植物は、つる状に伸びて地上をはう枝(ほふく枝。走出枝)又は茎(ほふく茎)が、節から定根又は不定根を伸ばし、通常水平に伸びる性質を有する。本発明においては、ほふく枝又はほふく茎をランナーと称し、節から伸びる根を節根(細根)と称する。「(細根)」と付加したのは、節根は最初は非常に細い根であり、その細い根である節根がシート下の地面に到着する事により栄養を吸収して徐々に太くなり、土との接着が強固になるからである。
畦畔、法面管理用の被覆植物としては、ランナーによる横への生育スピードが速く、かつ、強い他感作用(アレロバシー性)によって雑草の生育を抑える「センチピードグラス(ムカデ芝)」という種の芝生が有望であるとされている。
しかし、既存の畦畔等にセンチピードグラスを定植又は播種した場合、すでに繁茂している雑草とセンチピートグラスが生育の自由競争の関係に立ち、センチピートグラスといえども、成長力が強い多種多様な雑草に打ち勝って先に対象エリアを覆ってしまうことは困難である。雑草が繁茂する前にセンチピードグラスで対象エリアを覆うことが必要である。
センチピードグラスにより対象エリアを雑草が繁茂する前に覆う方法としては、1)雑草が存在しない状態の畦畔等でセンチピードグラスを播種・定植し、成長したセンチピードグラスで先に対象エリアを覆ってしまうか、又は、2)草刈り等で一定の雑草の処理を行った後に、何らかの方法で雑草の成長を抑制しつつセンチピードグラスを成長させることにより、先に対象エリアをセンチピードグラスで覆うことが考えられる。
1)の技術として、特許文献1には、除草剤で複数回にわたり対象エリアの雑草を除去し、後の除草の直後にセンチピードグラスの種子を播く方法が記載されている。
しかし、複数回の除草剤散布は、環境面での懸念があり、特に畦畔においては収穫物への影響が懸念される。また、雑草が全く存在しない状態が続くと、露出した土壌が風雨により流出するおそれがある。雑草といえども、土壌の流出防止という機能を果たしているところ、雑草を除去することによりその機能が失われることとなる。傾斜面を有する畦畔等においては特に問題となる可能性がある。
2)の技術として、雑草を樹脂シートで覆うことにより雑草の繁茂を抑止しつつ、シートの開口部に定植したセンチピードグラスの苗(又は種)の成長で対象エリアを覆う技術が開示されている。(非特許文献1,特許文献2)
しかし、非特許文献1の技術ではシートが分解するまでセンチピードグラスの本格的な成長は抑制されるという問題がある。
特許文献2では、センチピードグラスを定植した後の適切な時期に、生分解性フィルムを分解促進剤の投与により除去する技術が記載されている。これにより、その後、センチピードグラスは早いスピードで横に成長することとなる。
しかし、フィルムの除去が早すぎるとフィルムの下にある雑草が成長してセンチピードグラスと競合するため、フィルムの除去の時期の判断は難しく、さらに、フィルムを除去するまではセンチピードグラスは節根(細根)を土壌に定着させることができず、安定した横方向への成長を遂げることができない。センチピードグラスが横に成長していくためには、ランナーの随所から生ずる節根(細根)が土壌に定着し、その定着位置を拠点としつつさらに横に成長していくというステップを踏む必要があるが、ランナーが生分解性フィルム上を這って伸びていくだけでは、風次第で方向が変わり、傾斜面の場合は下方に垂れ下がることとなる。又、強風のあおりで激しく揺すられ、フィルム等周辺との摩擦によってダメージを受け、枯死するリスクを負うこととなる。この技術に限らず、現在の日本各地で進んでいる畦畔(法面)の防草シートは節根(細根)や根の活着には殆ど効果が出ていないのが現状である。
特開2009−178905号公報 特開2010−233526号公報
加藤正広著「センチピードグラスを用いた畦畔及び法面被覆法」社団法人千葉県農業総合研究センター・社団法人日本造園建設業協会共催「緑化に関する新技術講習会j」資料 2005年
本発明は、畦畔等の対象エリアにおいて、雑草の成長を抑止しつつ、被覆植物を安定して生育させ、先に対象エリアを覆うことによって、その後の雑草の成長を抑制することを目的とする。
本発明により、敷設後に穿孔されるシート開口部に定植されて生育する被覆植物と組み合わせて対象エリアの雑草繁茂を抑制するシートであって、前記シートは、経糸及び緯糸により構成された遮光性を有する織物シートであり、かつ、前記織物シートのうち前記シート開口部を起点とした所定範囲について、綾織りによって織成される綾織部分、又は、崩壊性若しくは生分解性を有する前記経糸若しくは前記緯糸によって形成される幅4mm以下の崩壊部分を含むことを特徴とする被覆植物活着シートが提供される。
本発明に係る被覆植物活着シートは一定期間シートの下にある雑草の成長を抑制するため、遮光性を有するものとなっている。遮光性シートにより日光の照射を遮られた雑草は光合成を妨げられ、消費エネルギーを賄えない状態となることから、成長が抑制され、現状の維持ができず、やがて枯死することとなる。被覆植物活着シートの下の雑草はシート敷設の前に短く草刈りされている状態が好ましいが、その状態に限定されるものではない。
又、本発明による被覆植物活着シートは、対象エリアに敷設された後に、被覆植物の定植が行われるべく開口部が穿孔される。開口部は、予め定められた位置に穿孔されることが好ましいが、敷設後にその位置を決定しても良い。被覆植物としては、センチピードグラスが好ましいが、それに限定されるものではない。センチピードグラスで、畦畔等の対象エリアを、雑草が繁茂する前に覆ってしまえば、センチピードグラスによる日光照射制限効果及び他感作用によって、雑草が後に繁茂することを抑止できることから、従来にない雑草繁茂防止策として期待されている。
センチピードグラスのランナーは横に広がる際に、ランナーの節から節根(細根)を伸ばして地中に定着させ、拠点を確保しつつ前進するように方向性を安定させて伸びていく。本発明に係る被覆植物活着シートは遮光性を確保するため一定の厚みがあり、ランナーから伸びる節根(細根)はシートを突き破って地中に定着することはできない。このため、センチピードグラス等被覆植物のランナーを安定して横に伸ばすためには、ランナーの節から伸びた節根を地中に根付かせるためのスペースを確保することが必要である。
開口部を起点とした所定の範囲については、綾織りで織成されているか、又は崩壊性若しくは生分解性を有する経糸若しくは緯糸により形成されている。崩壊性若しくは生分解性を有する部分、崩壊部分の幅は4mm以下である。崩壊部分における経糸及び緯糸のいずれもが崩壊性若しくは生分解性を有する場合もある。崩壊部分は1又は複数設定される。
所定の範囲が、綾織りによって織成されている場合であっても、崩壊性若しくは生分解性を有する前記経糸若しくは前記緯糸により形成される、4mm以下の幅の1又は複数の崩壊部分である場合であっても、センチピードグラス等被覆植物の節根(細根)が地中に定着するためのスペースを確保するものであることは共通する。一方、綾織り場合、時期の限定がなく節根(細根)が根を下ろすことが可能であるのに対して崩壊性又は生分解性を有する部分は一定期間後の時期に限定される。
綾織りとは、経糸と緯糸が交差する点が斜めになる織り方、又はその技法で織った織物を言い、斜文織とも言われる。最もベーシックな織り方である平織りが経糸と緯糸を1本ずつ交互に交差させるのに対して、綾織りは、経糸(又は緯糸)が、1本の緯糸(又は経糸)の下をくぐった後に2本の緯糸(又は経糸)の上をまたぐ交差をさせる織り方が代表的であるが、1本の緯糸(又は経糸)の下をくぐった後に3本以上の緯糸(又は経糸)の上をまたぐ交差をさせる織り方や、2本以上の緯糸(又は経糸)の下をくぐった後に2本以上の緯糸(又は経糸)の上をまたぐ交差をさせる織り方も含まれる。本発明においては、1本の緯糸(又は経糸)の下をくぐった後に2本の緯糸(又は経糸)の上をまたぐ交差を繰り返す織り方を「2/1斜文」、2本の緯糸(又は経糸)の下をくぐった後に2本の緯糸(又は経糸)の上をまたぐ交差を繰り返す織り方を「2/2斜文」と称する。
綾織りの場合、経糸(又は緯糸)が交差する複数本の緯糸(又は経糸)の上部をまたぐ構造となっているため、複数本の緯糸(又は経糸)どうしの間には経糸(又は緯糸)が入り込まないスペースが生じる。このスペースにランナーの節から伸びる節根(細根)が根を下ろすことができる。
崩壊性(樹脂)とは、光増感剤を添加された樹脂が光分解性を高めて早い速度で分解を起こすようにした樹脂等を言い、生分解性(材料)とは、微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解される樹脂等を言う。生分解性を有する材料としては合成樹脂に限定されず、麻等の天然繊維、紙等木材から加工されるものも含まれる。いずれも、通常の合成樹脂よりも早い速度で分解する。
崩壊性又は生分解性を有する部分は、一定期間後に分解するので、分解したスペースに節根(細根)が根を下ろすことができる。崩壊性又は生分解性を有する部分(崩壊部)の分解により生じるスペースは、綾織りによって生じる糸間のスペースよりも大きくなるため、日光の広範囲にわたる照射に伴うシート下の雑草の復活や伸張を防止すべく、その幅は4mm以下に制限されている。そのため、崩壊部分は複数箇所に配置されることによって節根(細根)が高確率で地中に根を下ろすことができるが、複数箇所の配置に限定されるものではない。
上記のように崩壊部の分解により生じるスペースは幅4mm以下に制限されているが、それでも、通常綾織りによって生じる糸間のスペースよりも大きい。しかし、分解するまでの一定期間の間に、日光照射制限により、被覆植物活着シートの下の雑草が成長力に大きなダメージを受けて枯死又は弱化していれば、崩壊により生じたスペースは、節根(細根)を定着させ、ランナー等が横に広がったセンチピードグラス等被覆植物によって先に覆われることとなる。仮にスペースが生じたことによってその後雑草の成長力が復活したとしても、センチピードグラス等被覆植物によりブロックされるため、それを打ち破って伸張することは困難である。
本発明による崩壊性又は生分解性を有する部分が分解する期間は、被覆植物活着シート下の雑草が枯死又は弱化するタイミングと定植したセンチピードグラス等被覆植物のランナーがそこに到達するタイミングを考慮して設定することが好ましい。しかし、雑草が枯死又は弱化した後であって、節根(細根)が到達する前の期間に限定されるわけではない。雑草が枯死又は弱化していなくてもセンチピードグラス等被覆植物が雑草との競合に打ち勝って先に当該スペースを覆う場合もあり、ランナーがすでにそこに到達していた後であっても、被覆植物活着シート上に浮いている節根がそのスペースを探り当てて根を下ろす場合があるからである。
又、本発明により、前記綾織は、前記経糸が2本の緯糸の上部をまたいだ後に1本又は2本の緯糸の下部をくぐる交差又は2本の緯糸の下部をくぐった後に1本又は2本の緯糸の上部をまたぐ交差を繰り返す綾織りであることを特徴とする被覆植物活着シートが提供される。
綾織り方式による節根(細根)定着スペースは、時間的な制約がなく、常時確保されている。したがって、当該スペースの大きさによっては、遮光性の被覆植物活着シートによるシート下部の雑草の枯死又は弱化効果が薄まる可能性がある。そのため、節根(細根)定着スペースは節根(細根)の定着が可能なミニマムのスペースのみを確保することが特に好ましい。
又、前記対象エリアは、傾斜地を含むエリアであることを特徴とする被覆植物活着シートが提供される。
畦畔には傾斜地が含まれるところ、傾斜地の場合、センチピードグラス等のランナーが節(細根)の定着なしに対象エリアの全方向に対して伸張することは難しい。節根(細根)が定着しない状態でランナーが長く伸びると、引力によって下方に垂れ誰下がることとなる。開口部の横方向に伸びるランナーも上方に伸びるランナーも、すべて下方に伸びていき、対象アリアはセンチピードグラス等の被覆植物で覆われない空白部分が多数生じてしまうこととなる。
又、前記開口部を起点とした所定範囲内に、経糸を緩めて織成することによって形成される浮き部をさらに設けたことを特徴とする被覆植物活着シートが提供される。
本発明に係る被覆植物活着シート上にさらに経糸を緯糸に交差させて織成し、かつ、経糸を緩めて織成することによって、当該経糸はループ状を呈して、被覆植物活着シートから浮き上がった浮き部を形成する。浮き部の形成方法としては、上記のように、被覆植物活着シート上にさらに経糸を緯糸に交差させて織成する以外に、被覆植物活着シートを構成する経糸のうち一部の経糸を緩めて織成することによって形成することも可能である。しかし、その場合は、糸が浮き上がることによって生じたスペースから被覆植物活着シート下の雑草に日光が照射されることとなり、そのスペースから雑草の先端部が伸張してくる可能性が生じることとなる。したがって、本発明においては、浮き部の形成によって被覆植物活着シートの遮光性を妨げないよう、被覆植物活着シートを構成する経糸のうち一部の経糸を緩めて浮き部を形成するものは排除される。浮き部は、被覆植物活着シートを構成する経糸とは別個の、さらに加えられた経糸によって形成されることとなる。緯糸との交差は、浮き部に要求される大きさに照らして適宜決定される。緩めた経糸が1本又は複数本の緯糸をまたいだ後に1本又は複数本の緯糸と通常の平織りによる交差を行う。緩めた経糸が一定数の緯糸をまたいだ後に一定数の緯糸と通常の平織りによる交差を行うパターンを繰り返す態様が好ましいが、それに限定されるものではない。
又、本発明により、前記浮き部は前記開口部から5ないし20cmに位置し、前記浮き部の高さは0.5ないし2cmであり、かつ、長さは3ないし8cmであることを特徴とする被覆植物活着シートが提供される。
センチピードグラスのライナー等の伸びる方向性を保持するために、浮き部の位置及び浮き部のループの大きさが規定される。
又、本発明により、前記浮き部を形成する経糸は、剛性があり、かつ500ないし5000デシテックスのモノフィラメント又は紡績糸であることを特徴とする被覆植物活着シートが提供される。
浮き部のループの大きさを保持するために、経糸の強さ及び太さが規定される。「剛性」とは、物体が曲げ・ねじれなどに対して破壊に耐える能力をいい、変形のしにくさを表す。
又、本発明により、被覆植物を用いて行う雑草繁茂防止方法において、対象エリアの雑草を処理する工程と前記対象エリアに被覆植物活着シートを展張する工程と前記被覆植物活着シートに複数の開口部を穿孔する工程と前記開口部に被覆植物の苗を定植する工程よりなる雑草繁茂防止方法であって、前記被覆植物活着シートは、経糸及び緯糸により構成された遮光性を有する織物シートであり、かつ、前記織物シートのうち前記開口部を起点とした所定範囲について、綾織りによって織成される綾織部分、又は、崩壊性若しくは生分解性を有する前記経糸若しくは前記緯糸によって形成される幅4mm以下の崩壊部分を含むことを特徴とする雑草繁茂防止方法が提供される。
先ず、対象エリアの雑草が処理される。雑草処理は特に限定されず、除草剤で枯死させても、草刈りで低く刈っても良い。雑草の処理を全くしない場合には、背の高い雑草によって防草シートと地面の間に大きな空間が生じることとなり、端部から入る風の影響を受けやすくなる。又、防草シートの表面が波打って、センチピードグラスのライナー等がまんべんなく全方向に伸びていくことが妨げられる。通常、開口部の位置はシート上に予め記されていることが好ましい。開口部を起点とした所定範囲(綾織り部分又は崩壊性・生分解性糸による崩壊部分)との位置関係から防草シート製造段階で均等に開口部の位置決めをすることが可能であり、予め記されていることによって、容易に穿孔が可能だからである。ただし、防草シートを敷設する現地の傾斜、平坦度等の状況により現地で決定する方が適切な場合があるため、予め記されていることに限定されるものではない。
又、前記綾織は、前記経糸が2本の緯糸の上部をまたいだ後に1本又は2本の緯糸の下部をくぐる交差又は2本の緯糸の下部をくぐった後に1本又は2本の緯糸の上部をまたぐ交差を繰り返す綾織りであることを特徴とする雑草繁茂防止方法が提供される。
又、前記開口部を起点とした所定範囲内に、経糸を緩めて織成することによって形成される浮き部をさらに設けたことを特徴とする雑草繁茂防止方法が提供される。
本発明に係る被覆植物活着シートにより対象エリアの雑草の成長を一定期間抑制し、その間に定植したセンチピードグラス等の被覆植物で対象エリアを覆うことにより、雑草の繁茂を長期間にわたり防止することができ、その後の維持管理も容易でほぼメンテナンスフリーである。
センチピードグラス等の被覆植物が伸びようとする方向にランナーを安定して伸ばすことができる。センチピードグラス等のランナーは、通常、放射線状に数本のランナーが伸び、さらに、節から分枝することにより四方八方にまんべんなく伸びて対象エリア全面を覆うこととなる。それを支えるのが、節から伸びて大地に根付く節根(細根)である。節根(細根)が根付かないと、シート上を浮いた状態で長くなったランナーは、風の影響で容易に方向性を狂わされるので、伸びる方向が偏り、ランナーどうしが絡みつき、被覆植物活着シートや他のランナーとの擦れによるランナーの傷み、ちぎれが生じることとなる。本発明により節根(細根)の根付きを確保し、これらの事態を防ぐことができる。
綾織りの場合は、ランナーから伸びる節根(細根)がその範囲に到達する時間に影響されず、いつでもその緯糸間及び経糸間のスペースに節根(細根)が入り込むことが可能である。常時スペースが空いているということは、言い換えれば、枯死又は弱化する前の雑草が、小さい空間とはいえ、そのスペースから日光の照射を受けて活性化し、そのスペースから雑草の先端部が伸張してくる可能性をもたらすともいえる。しかし、この点、綾織りでは、経糸(又は緯糸)は複数本の緯糸(又は経糸)の上をまたいだり、くぐったりするが、複数本の緯糸をまたいだとしても(くぐったとしても)、緯糸間(又は経糸間)のスペースはシートの側面方向に形成される。したがって、平面視では平織りと同様に日光を遮ることとなる。また、織成シートは、通常密に織成され、隣接する経糸及び緯糸に妨げられることから、斜め方向から緯糸間(又は経糸間)のスペースを通って照射する日光量も少ない。したがって、雑草の光合成を大きく助けるものとはならない。一方、節根(細根)は地中に根付くために入り込むスペースを探す性質があるので、平面上にスペースを確保する必要はなく、側面のスペースで十分である。よって、綾織りにより形成されたスペースは、雑草の成長を助けることなく節根(細根)の定着を促進することができる。
生分解性を有する縦糸・緯糸により形成されている崩壊部を有することにより、一定期間は遮光性シートによって雑草の成長を阻止して枯死又は弱化させ、その後に、崩壊部に生じたスペースから節根(細根)が定着することができる。崩壊部は糸そのものが分解してしまうので、綾織りに比べ生じるスペースが大きくなるが、シート下の雑草がすでに枯死しているか弱化しており、ただちに復活、伸張することはできない。したがって、節根(細根)が根を下ろし、センチピードグラス等被覆植物が崩壊部を覆い、日光の照射を防ぎ、他感作用で雑草の成長を阻止する。
綾織りの場合、生じたスペースから被覆植物活着シート下の雑草に届く日光の照射量は非常に少ないが、外部から飛来する様々な物質の侵入を防止する必要があり、少ない日光にも耐える可能性のある雑草の成長を阻止する必要があることから、そのスペースはミニマイズすることが好ましい。交差する緯糸(又は経糸)2本をまたぐ(又は、くぐる)スペースがあれば、節根はそのスペースを探り当てて根付くことが可能であり、節根の定着を確保しつつ雑草の成長を阻止することができる。
対象エリアが傾斜していると、すべてのランナーが下方に垂れ下がって伸びていくこととなる。節根(細根)を適切に根付かせることにより、垂れ下がることなく本来伸びようとしている方向にランナーを伸ばすことができる。畦畔、法面等傾斜地を含むエリアの場合、本発明により節根(細根)が地中に根付くスペースを設けることによる効果は特に大きい。節根(細根)がシート下の地面に到着する事により栄養を吸収して徐々に太くなり、土との接着が強固になることでシートと地面の隙間が解消され、法面との一体化が進行して強い法面の形成につながることとなる。その結果として大雨や豪雨時の畦畔崩壊等の被害を軽減出来るという防災上の対策としての効果も期待出来る。
ループ状の浮き部を設け、ランナーがそこをくぐることにより、風の影響によるランナーの移動を防ぎ、傾斜地におけるランナーの垂れ下がりを防ぐことができる。強風によるダメージを受けたり、垂れ下がったりすることを、節根(細根)が定着する前の早い段階で防止することができる。
浮き部の位置を開口部から近い位置に設定することにより定植後早い段階でランナーの伸びる方向をアシストすることができる。また、浮き部の高さ及び長さを限定することで、ランナーが入りやすく、かつ、いったん入った後に容易に脱落しない浮き部が提供される。
本発明は、野外で用いられるものであり、自然環境の下で機能を発揮することが求められる。浮き部は防草シートにほぼ直立させたループ形状を一定期間保持する必要がある。剛性があり、一定太さの経糸を採用することにより、その機能を担保することができる。
本発明に係る方法は、遮光性があり、被覆植物の横への適切な伸張を支える被覆植物活着シートと、被覆植物の被覆効果によって雑草の繁茂を防止する方法である。通常の防草シートのみでは、一定期間雑草の繁茂を防止できるものの、シートが劣化等で破損した場合は、シートの張り替え等が必要である。又、特に傾斜地では、シート下に入り込んだ水が傾斜の下方に溜まり、その圧力でシートを破損することがある。シート下に水が入り込むことにより、外観では判明出来ないもののシート下の法面が浸水により軟弱地盤となり豪雨や洪水の際に畦畔(法面)の崩壊につながる要因となる場合もある。したがって、通常の防草シートでは、長期間、維持管理容易に雑草の繁茂を防止できず、法面を適切に保護することはできない。 被覆植物によって対象エリアを覆う方法は、長期間、維持管理容易に雑草の繁茂を防止することができる。ただし、すでに雑草が繁茂しているエリアにおいて被覆植物で覆うことは難しい。除草剤で雑草を枯らしてから被覆植物を定植又は播種する方法が提案されているが、環境保持上除草剤は好ましくない。特に、農作物を生産しているすぐ近くで用いることは適切ではない。本発明に係る方法は、雑草の繁茂を長期間にわたり防止することができ、その後もほぼメンテナンスフリーで維持管理が容易である。
本発明に係る、崩壊性・生分解性材料による崩壊部分が組み込まれている被覆植物活着シートの模式図である。 本発明に係る、崩壊性・生分解性材料による崩壊部分の拡大図(崩壊前)である。 本発明に係る、崩壊性・生分解性材料による崩壊部分の拡大図(崩壊後)である。 本発明に係る,綾織り(2/1斜文)部が組み込まれている被覆植物活着シートの模式図である。 本発明に係る、綾織り(2/2斜文)部が組み込まれている被覆植物活着シートの模式図である。 本発明に係る平織りの場合の経糸と緯糸との交差の模式図である。 本発明に係る綾織りの場合の経糸と緯糸との交差の模式図である。 本発明に係る浮き部の概念図である。 本発明に係る崩壊部及び浮き部を備えた被覆植物活着シートの概念図である。 本発明に係る5カ所の崩壊部分(2mm)及び2カ所の浮き部を備えた被覆植物活着シートの概念図である。 本発明に係る5カ所の崩壊部分(4mm)及び2カ所の浮き部を備えた被覆植物活着シートの概念図である。 本発明に係る3カ所の崩壊部分(2mm)及び2カ所の浮き部を備えた被覆植物活着シートの概念図である。 本発明に係る3カ所の崩壊部分(4mm)及び2カ所の浮き部を備えた被覆植物活着シートの概念図である。 本発明に係る4カ所の崩壊部分(中央部、2mm)及び2カ所の浮き部を備えた被覆植物活着シート(緯糸:黒)の概念図である。 本発明に係る1カ所の綾織り部分、4カ所の崩壊部分(中央部、2mm)及び2カ所の浮き部を備えた被覆植物活着シートの概念図である。 本発明に係る2カ所の浮き部を備えた被覆植物活着シートの概念図である。 通常の防草シートにセンチピードグラスを定植した場合の風による暴れを示した写真である。 通常の防草シートにセンチピードグラスを定植した場合で、暴れによりランナーが切断した状態を示した写真である。 傾斜地において、通常の防草シートにセンチピードグラスを定植した場合のランナーの方向性を示した写真である。 通常の防草シートにセンチピードグラスを定植した場合のランナーの分布を示した写真である。
本発明を実施するための被覆植物活着シートについて図を参照して説明する。
図6Aないし図6Dは従来の防草シートにセンチピードグラスを定植した場合のランナーの状況を示すものである。風によりランナーが振り回されるランナーの暴れが発生する。途中でちぎれたものもある(図6A)。ランナーの暴れがひどい場合には根元から切れて飛散することもある(図6B)。傾斜地の場合はすべてのランナーが下方に向かい(図6C)。これらにより、ランナーは均等に分布できないこととなる(図6D)。
図1Aは、本発明に係る被覆植物活着シート100の模式図である。シートの地組織110は平織りにより形成されている。シート中央部には生分解性繊維による2列の崩壊部分130があり、左右には17本の緯糸をまたいだ浮き部150がある。
本発明に係る被覆植物活着シート100は、草刈りの後に展帳し、その後一定期間をおいて雑草の勢いを抑えた上で芝の定植を行う。定植後ランナーの伸長に合わせてシートの一部が崩壊、劣化するような構造とすることで、ランナーの節根が容易に貫通し、大地に活着させることができる。
被覆植物活着シートの織物の構造としては一般に経、緯ともにポリオレフィン製テープヤーンで構成される平織りが一般的ではあるが製織方法、及び密度等は遮光率が確保され、防草効果があるものであれば特に限定されるものではない。
崩壊部130に配置される崩壊性、生分解性材料131としては一定期間(6ヶ月〜18ヶ月)を目途として崩壊し、防草シートに目明き状態が出来れば種類は限定されるものではないが耐候性処方されていないポリオレフィンテープ、あるいは劣化期間に応じた酸化劣化促進処方、生分解性樹脂を使用したテープ、紙(パルプ、及びマニラ麻等を原料とした和紙)、紙を撚り糸にしたもの、麻糸、綿糸等が挙げられる。
図1Bは、崩壊部付近を拡大した崩壊前の概念図である。経糸(図の上下方向)6本のうち中央の2本は崩壊性材料131よりなる。図1Cは、崩壊後の概念図である。2本の経糸が消え、中央部には櫛の歯状の緯糸のみが残っている。緯糸間の隙間は節根(細根)が入り込むための十分なスペースとなる。係るスペースの大きさは、経糸・緯糸の太さ、弾力性、織成密度等により異なる。
一方、製織方法によって防草効果を確保しながら、節根を活着(貫通)させる方法としてシートベース(シート地組織110)の平織に対して、シートの一部を綾織部140とすることができる。平面的には構成するテープで覆われており、遮光も確保できる。立体的には綾織での側面に空隙が出来ることで節根(細根)の貫通が可能となる。
図1Dは、シートの一部(6列)を2/1斜文の綾織部140とした本発明に係る被覆植物活着シート100の模式図である。同様に、図1Eは、シートの一部(6列)を2/2斜文の綾織部140とした本発明に係る被覆植物活着シート100の模式図である。綾織部の場合、崩壊部と異なりその部分が消滅するわけではないので、列数を崩壊部ほど制限する必要はない。一方、節根(細根)が確率高くスペースに入り込むためには列数は多い方が良い。このため、図1D及び図1Eでは6列としたが、列数は特に限定されるものではない。
図2は一般的な平織りの場合と綾織りの場合の経糸111と緯糸112の交差を対比した模式図である。図2Aは平織りの場合である。経糸111は緯糸112を1本づつ交互にまたぎ、かつ、くぐっている。この場合、緯糸112の側面部は常に経糸111が接触しており、節根(細根)が入り込むスペースは生じていない。一方、図2Bは綾織り(2/1斜文)の場合である。この場合は、経糸111は緯糸112を2本をまたいだ後に緯糸112を1本くぐる交差をしている。緯糸の側面部には経糸と接触しないスペース141が発生している。スペースの頻度は緯糸3本に1カ所の割合である。
崩壊部分における崩壊性・生分解性材料の挿入又は綾織り部分の挿入については、開口部120に定植したセンチピードグラス200の拠点株を中心に放射線状にランナー210が伸長することから、開口部を起点として、経糸方向に、又は経糸、緯糸方向に20cm〜100cm間隔を目途に挿入することが好ましい。ただし、芝の性質(伸長速度、広がり)によっても異なり、緯糸方向・放射状方向への挿入、20cm以下又は100cm以上の間隔の挿入を排除するものではない。崩壊性・生分解性材料を挿入する場合、崩壊後に節根(細根)220が侵入活着できるための最小限の大きさの開きを確保することが必要である。従って挿入する糸(繊維・テープ)の大きさによっても異なるため限定されるものではないが、0.5〜5mm程度の開きが出来ることが望ましい。一方、綾織りの場合、交差する糸のまたぎが大き過ぎると防草効果に悪影響がでるおそれがあるのでテープ、及び密度にも関係するが2/2斜文程度までが好ましい。
本発明に係る崩壊部の設置、綾織り部の設置により、ランナーの節根(細根)は容易に定着し、ランナーの伸張は安定するが、節根が定着する前に風の影響を受けたり、対象エリアの傾斜の影響を受ける場合がある。早期に簡便にランナーの固定をすることにより、安定したランナーの伸張がより一層担保される。ランナーをシートにテープ貼り、シート押さえピン使用等にて固定することも可能であるが労力の負担が大きい。被覆植物活着シート製織時に部分的に糸を浮かせて織ることによって、成長に伴うランナーの伸張が浮いた糸のループの中への自らの潜り込みを促進させ、ランナーの動きを固定し節根(細根)の活着を促すことが出来る。
図3は本発明に係る浮き部150の概念図である。浮き部はランナーが入りやすくするためある程度の大きさを有し、その一方脱けにくくするため過度に大きくしない寸法である必要がある。また、風雨等によりループ部が寝てしまわないように、直立姿勢を維持できる材料であることが必要である。
[実施例]
以下、実施例、及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
図5Aは実施例1に係る被覆植物活着シートである。一番外側の2本の直線は被覆植物を植える植栽部分を示すラインである。植栽部分間の距離は48cmである。
シートを形成するベースとして、経糸はポリプロピレン製テープ、ブラック582dt(幅:1.2mm、厚み50μm)緯糸はポリプロピレン製テープ、ブラック1100dt(幅:4.8mm、厚み25μm)として、密度を経24本/2.54cm、緯15本/2.54cmと一般的に使用される防草シートと同様にした。
植栽部分ラインから内側の5本の直線は崩壊部分を示す。植栽部分と内側の崩壊部分までの距離は4cmである。崩壊部分として、耐候処方無しのポリプロピレン製テープからなる経糸(幅方向の糸)2本(2mm)を1箇所(の崩壊部分)として挿入し、10cm間隔に計5箇所に配置した。
中央付近には相互距離が20cmの2点鎖線2本で示された浮き部が形成された部分がある。浮き部の材料としてはジュート(#14単糸)1本が使用されている。又、浮き部のループ形状は浮いた高さが0.5〜2cmで浮いている部分の長さが3cm〜8cmであり、図の上下方向に10cmピッチ(周期)で繰り返して形成されている。
図5Bは実施例2に係る被覆植物活着シートである。耐候処方の無いポリプロピレン製テープの挿入本数を1箇所に4本(4mm)に増やして配置したこと以外は実施例1と同一である。
図5Cは実施例3に係る被覆植物活着シートである。崩壊部として1箇所当り2本(2mm)の耐候処方無しのポリプロピレン製テープを計3箇所に挿入した。植栽部分と内側の崩壊部分までの距離は8cm、崩壊部間の距離は16cmである。その他は実施例1と同じである。
図5Dは実施例4に係る被覆植物活着シートである。崩壊部として1箇所当り4本(4mm)の耐候処方の無いポリプロピレン製テープを計3箇所に挿入した。植栽部分と内側の崩壊部分までの距離は8cm、崩壊部間の距離は16cmである。その他は実施例1と同じである。
図5Eは実施例5に係る被覆植物活着シートである。崩壊部の位置が植栽部間の中央付近に集中しており、2点鎖線2本の浮き部が形成された部分の間に配置されている。したがって、被覆植物のライナーは、浮き部をくぐった後に崩壊部に到達することとなる。崩壊部として1箇所当り2本(2mm)の耐候処方の無いポリプロピレン製テープを4cm間隔で4箇所に挿入した。その他は実施例1と同じである。
図5Fは実施例6に係る被覆植物活着シートである。2点鎖線2本の浮き部が形成された部分(間隔20cm)の中央部12cmを2/2の綾織りにすると共に、実施例5と同様に1箇所当り2本(2mm)の耐候処方無しのポリプロピレン製テープによりなる崩壊部分を4cm間隔で4箇所に配置した。その他は実施例1と同じである。
図5Gは実施例7に係る被覆植物活着シートである。節根(細根)が活着するための崩壊部分も綾織部分も存在せず、2点鎖線2本の浮き部が形成された部分のみを有するシートである。ベース、浮き部の材料、寸法等は実施例1と同一である。
[比較例1]
比較例1(図示しない)は、ポリプロピレン製テープ、ブラック582dt(幅:1.2mm、厚み50μm)を経糸とし、ポリプロピレン製テープ、ブラック1100dt(幅:4.8mm、厚み25μm)を緯糸とし密度を経24本/2.54cm、緯15本/2.54cmで一般的に使用される防草シートである。節根(細根)が活着するための崩壊部や綾織部はなく、ライナーを固定するための浮き部もない。
実施例1〜7及び比較例の防草効果、芝分布状況及び節根(細根)活着状況の3項目についての対比を表1に示す。実施に当たっては上記実施例、比較例サンプルを畦畔に敷設、1年間放置後に芝を4株/m定植し、6ヶ月後の状況を観察した。コドラード法(30cm角)を採用し拠点株の中間位置を設定した。
なお、上記3項目の評価基準は、防草効果については、◎=雑草が1本も確認できなかったこと、○=小さな雑草が確認されたことを各々示している。芝分布状況については、30cm角範囲でのランナーのカバーリング状態評価を行い、◎=防草シートが見えない程にカバーされていたこと、○=分布に偏りが見られ70〜80%のカバーであること、×=分布に偏りが見られ70%以下のカバーであることを各々示している。又、節根(細根)活着状況については、◎=ループ通過が観察され30cm範囲のランナーを持ち上げて上がらない状態を、○=ループ通過は見られるもランナーが部分的に持ち上げられる状態を、×=ランナー全体が容易に持ち上がる状態を各々示している。
比較例で見られるように単なる防草シートの上から芝を定植した場合、傾斜した畦畔ではランナーが下方向に垂れ下がるように伸びていくことから畦畔を覆い尽くすような分布とならない。またランナーからの節根が活着できず、さらに風の影響を受けてランナーを痛めつけることとなり拠点株の活着率も悪化する。
実施例1〜5は、一般的な防草シートに耐候処方をしないテープを挿入して崩壊部を形成し、さらに浮き部を設けている。耐候評価としてサンシャインウェザーメーターで試験を実施し1年半相当で劣化、崩壊したものを採用した。
実施例1,3(いずれも2本、2mm)に比べ実施例2,4(いずれも4本、4mm)は崩壊、劣化の幅が広い分、節根の活着は良好であったが防草効果としては若干劣る状況であった。実施例1,2(崩壊部5箇所)に対して実施例3,4(同3箇所)では相対的に崩壊部分が少ないことから防草効果は高かったが、崩壊部の幅の相違に比較すると影響は軽度であった。
実施例5では崩壊部の幅は細く(2本、2mm)、4箇所設置であるが、その位置は中央部に集中している。浮き部(ランナー固定位置)の近くに崩壊糸を配置することによって節根の活着が見られた。
実施例6では実施例5にさらに綾織り部を加えた構造であるため、節根(細根)が入り込むスペースが多く用意され、かつ、入り込むタイミングが限定されない。そのため、防草効果、芝分布、節根(細根)活着のいずれも良好であった。
一方、実施例7ではランナーの固定だけの目的で浮き部を形成をすることでランナーの伸びの方向性が規制され、畦畔を均等に覆う効果はある程度発揮された。防草効果と節根(細根)活着は比較例と同じである。
従来、単に防草シートであったり、遮光率の低いネット状のもので芝植生用シートとして使用されてきたがいずれも雑草が繁殖したり、芝の活着が悪く、目的とする雑草刈り取り労力の削減、及び美観を良くするものがなかった。本発明において定植の手間を掛けることなく定植後の活着も良く、植生後の管理も大幅に軽減される安価な植生用シートの提供が可能となった。
本発明に係るシートを活用することにより畦畔や法面の管理が容易になる。農業等産業上の利用可能性は高い。
100 被覆植物活着シート
110 被覆植物活着シート地組織
111 経糸
112 緯糸
120 開口部
121 定植ライン
130 崩壊部
131 崩壊性・生分解性材料
140 綾織部
141 綾織スペース
150 浮き部
200 センチピードグラス
210 ランナー
220 節根
300 畦畔
400 雑草

Claims (9)

  1. 敷設後に穿孔されるシート開口部に定植されて生育する被覆植物と組み合わせて対象エリアの雑草繁茂を抑制するシートであって、
    前記シートは、経糸及び緯糸により構成された遮光性を有する織物シートであり、かつ、前記織物シートのうち前記シート開口部を起点とした所定範囲について、
    綾織りによって織成される綾織部分
    又は、崩壊性若しくは生分解性を有する前記経糸若しくは前記緯糸によって形成される幅4mm以下の崩壊部分
    を含むことを特徴とする
    被覆植物活着シート
  2. 前記綾織は、前記経糸が2本の緯糸の上部をまたいだ後に1本又は2本の緯糸の下部をくぐる交差又は2本の緯糸の下部をくぐった後に1本又は2本の緯糸の上部をまたぐ交差を繰り返す綾織りであることを特徴とする請求項1に記載の被覆植物活着シート
  3. 前記対象エリアは、傾斜地を含むエリアであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被覆植物活着シート
  4. 前記開口部を起点とした所定範囲内に、経糸を緩めて織成することによって形成される浮き部をさらに設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の被覆植物活着シート
  5. 前記浮き部は前記開口部から5ないし20cmに位置し、前記浮き部の高さは0.5ないし2cmであり、かつ、長さは3ないし8cmであることを特徴とする請求項4に記載の被覆植物活着シート
  6. 前記浮き部を形成する経糸は、剛性があり、かつ500ないし5000デシテックスのモノフィラメント又は紡績糸であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の被覆植物活着シート
  7. 被覆植物を用いて行う雑草繁茂防止方法において、
    対象エリアの雑草を処理する工程と
    前記対象エリアに被覆植物活着シートを展張する工程と
    前記被覆植物活着シートに複数の開口部を穿孔する工程と
    前記開口部に被覆植物の苗を定植する工程
    よりなる雑草繁茂防止方法であって、
    前記被覆植物活着シートは、経糸及び緯糸により構成された遮光性を有する織物シートであり、かつ、前記織物シートのうち前記開口部を起点とした所定範囲について、
    綾織りによって織成されている綾織部分、又は、崩壊性若しくは生分解性を有する前記経糸若しくは前記緯糸によって形成される幅4mm以下の崩壊部分
    を含むことを特徴とする
    雑草繁茂防止方法
  8. 前記綾織は、前記経糸が2本の緯糸の上部をまたいだ後に1本又は2本の緯糸の下部をくぐる交差又は2本の緯糸の下部をくぐった後に1本又は2本の緯糸の上部をまたぐ交差を繰り返す綾織りであることを特徴とする請求項7に記載の雑草繁茂防止方法
  9. 前記開口部を起点とした所定範囲内に、経糸を緩めて織成することによって形成される浮き部をさらに設けたことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の雑草繁茂防止方法
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