JP5882806B2 - 植栽補助型防草シート、及び、植栽構造物 - Google Patents

植栽補助型防草シート、及び、植栽構造物 Download PDF

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Description

本発明は、シート上での植栽植物の発育を補助するとともに、シート下での雑草の発芽や発育を抑制する植栽補助型防草シート及びその防草シートを用いた植栽構造物に関するものである。
従来、地表面での雑草の発芽や発育を抑制するに際し、各種の防草シートが提案されており、特許文献1(同段落0002等参照。)にも記載されるように、黒色ビニールシートなどの無孔状の樹脂シート製の防草シートや、不織布を用いた防草シートなどが提案されている。
特開2002−095361号公報
しかしながら、上記した樹脂シート製の防草シートでは、その遮光率が低い場合に太陽光を地表面まで透過してしまうため、その結果、当該防草シートが地表面に敷設されていたとしても、その地表面で雑草が発芽したり、発育してしまうという問題点があった。
また、無孔状樹脂シート製の防草シートでは、その上に土を敷設して植栽植物を発育させることも可能ではあるが、当該防草シートが無孔状のために植栽植物の根が地表面に活着することが阻まれるので、例えば、強風に煽られると、防草シートごと植栽植物が吹き飛ばされたり捲れ上がってしまうという問題点があった。
さらに、無孔状樹脂シート製の防草シートは、透水性及び通気性に乏しく、地表面への水分や空気の供給不足が懸念されるという問題点があった。
また、不織布製の防草シートに関しては、透水性や通気性はある程度確保されるものの、やはり当該防草シート上に植栽された植物の根が当該シートを貫通して地表面に到達することが難しく、植栽植物の活着繁茂が阻害されるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、シート上での植栽植物の発育を補助するとともに、シート下での雑草の発芽や発育を抑制する植栽補助型防草シート及びそれの防草シートを用いた植栽構造物を提供することを目的としている。
この目的を達成するため、請求項1の植栽補助型防草シートは、縦方向に延びる複数本の縦糸が横方向に所定間隔を隔てて設けられ、その縦糸同士を連結する表横糸及び裏横糸が縦方向において複数本設けられる網状部材と、その網状部材における隣り合う縦糸間に各々設けられ、その縦糸間の間隔を覆うとともに縦方向に延設され、前記表横糸及び裏横糸の間に挟まれて保持される複数本の高遮光性及び可撓性を有するテープの集合体として形成される遮光シートと、その遮光シートの隣り合う前記テープ同士の横幅方向両端間でかつ前記縦糸の裏側部分において当該縦糸に沿って縦方向に延設され、当該縦糸幅より狭く形成される複数のスリットとを備えている。
この請求項1の植栽補助型防草シートによれば、高遮光性を有する遮光シートによって地表面への太陽光の入射を遮ることができ、地表面に残存する雑草の発芽や発育を抑制して、これら雑草に対する防草効果が得られる。
一方で、植栽補助型防草シート(の遮光シート)の表面側に地被植物などの植物を植栽する場合、かかる植栽植物の根を複数のスリットを通じて植栽補助型防草シートの裏面側へ貫通させることができ、かかる植栽植物の根を地表面に根付かせるようにすることができる。
しかも、植栽補助型防草シートには、複数のスリットを介して透水性と通気性とが付与されているので、当該植栽補助型防草シートの表面側からその裏側にある地表面へ水分や空気を供給することができ、地表面の水分不足や酸素不足等による植栽植物の発育阻害を抑制できる。
ところで、複数のスリットは、遮光シートの各テープ間における縦糸の背後部分に存在するので、かかる各スリットから地表面への太陽光の入射に関しては、当該縦糸によって遮られる。このため、スリットからの太陽光の入射に伴う地表面の雑草に関する発芽や発育の抑制作用は依然として維持される。
そのうえ、上記したように植栽植物が植栽補助型防草シートを介在しつつ地表面に根付くことで、かかる地被植物によって植栽補助型防草シートの強風による吹き飛びや捲れが防止される。
さらに、植物には接触屈性が備わっていることから、植栽植物の根や茎を、その植栽面となる植栽補助型防草シートの表面側に存在する網状部材の縦糸及び表横糸に接触させることで、かかる植栽植物の根や茎を植栽補助型防草シートの平面方向へ広がるように仕向けることができ、植栽補助型防草シートの植栽面に対して全体的に植栽植物を繁茂させることも容易となる。
請求項2の植栽補助型防草シートは、請求項1の植栽補助型防草シートにおいて、前記縦糸は、複数本の繊維糸により縦方向に複数の輪状部を鎖状に繋げた形態をした鎖糸状に編織形成されており、前記スリットは、その鎖糸の横幅より狭く形成されている。
この請求項2の植栽補助型防草シートによれば、請求項1の植栽補助型防草シートと同様に作用する上、網状部材の縦糸が鎖糸状に形成されるので、1本分の繊維糸に比べて縦糸の幅を大きくすることができ、かかる縦糸の裏側部分にスリットが設けられることで当該縦糸によるスリットへの入射光を遮ることができ、スリットの形成部分の遮蔽率も高める効果も期待できる。
しかも、網状部材の縦糸が複数の輪状部を繋げた鎖糸状に形成されるので、植栽補助型防草シートの表面に植栽された植物の根を、網状部材の縦糸にある各輪状部に絡み付かせながら、スリットを通じて地表面へ延ばすことができる。これによって、植栽補助型防草シートの地表面への固定状態をより強固なものとすることができる。
そのうえ、各スリットは、この鎖糸状の縦糸の裏側部分に存在しているので、かかる縦糸に絡み付いた植栽植物の根を、スリットを通じてスムーズに地表面へ伸びるようにし向けることもできる。
請求項3の植栽補助型防草シートは、請求項1又は2の植栽補助型防草シートにおいて、前記縦糸及び表横糸は前記遮光シートの表面から隆起した凸部となっている。
この請求項3の植栽補助型防草シートによれば、請求項1又は2の植栽補助型防草シートと同様に作用する上、植栽補助型防草シートの表面に縦糸及び表横糸が存在することから、これらが遮光シートの表面側から隆起した凸部となって、植栽補助型防草シートの表面に凹凸を創り出す。かかる凹凸によって、当該植栽補助型防草シート上を歩く際に、歩行者の靴底が引っ掛かって滑りにくく歩行し易くなる。
請求項4の植栽構造物は、地表面に敷設される請求項1から3のいずれかの植栽補助型防草シートと、その防草シート上にて地被植物などの植栽植物が前記スリットを介して地表面に活着する植生部とを備えている。
なお、この請求項4の植栽構造物によれば、請求項1から3のいずれかの植栽補助型防草シートを地表面に敷設したときと同様に作用する。
ここで、本発明の変形例について説明する。まず、第1変形例の植栽補助型防草シートは、請求項1から3のいずれかの植栽補助型防草シートにおいて、前記遮光シートの前記複数本のテープのうち隣り合うもの同士の横幅方向縁端が、前記縦糸が前記裏横糸と絡み合うための局所的な係合箇所を除き、互いに接した状態となっている。
また、第2変形例の植栽補助型防草シートは、請求項1から3のいずれか又は第1変形例の植栽補助型防草シートにおいて、前記網状部材の縦糸が、前記縦糸をなす繊維糸のうち前記裏横糸が絡まる係合箇所において1本分の繊維糸のみが前記遮光シートの表面側から前記複数のスリットを通じて前記遮光シートの裏面側に局所的に露出される。
本発明の植栽補助型防草シート又は植栽構造物によれば、その植栽補助型防草シートのが敷設された地表面への太陽光の照射を遮光シートによって遮ることができので、かかる地表面にある雑草の発芽や発育が抑制されることによる防草効果が発揮されるという効果がある。
その一方で、当該防草シートの表面上では、植栽植物が複数のスリットを介して地表面に根付かせて発育させることもできるという効果がある。
また、かかる複数のスリットを介して、遮光シートの表面側にある大気中と遮光シートの裏面側にある地表面との間で、水分や空気の遣り取りを行わせることができる。これにより、地表面に必要な水分や空気を送り込むことができ、かつ、地表面からの余分な水分の蒸発を行わせることができるという効果がある。
しかも、かかる植栽植物の根が網状部材の縦糸や横糸に絡み付いたり、その植栽植物の根がスリットを通じて地表面に根付くことで、網状部材が地表面に固定されるとともに、その網状部材によって遮光シートが保持されていることから、植栽植物を介して、防草シートが地表面に固定されるという効果もある。
本発明の一実施例である防草シートの斜視図である。 防草シートの平面図(表面図)である。 防草シートの底面図(裏面図)である。 防草シートの部分的な側面図である。 防草シートの機能及び使用方法並びにその防草シートを用いた植栽構造物に関する説明図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である防草シート1の斜視図である。なお、図1では、防草シート1の一部について遮光シート3の遮光テープ4を図示せず、網状部材2のみを図示している。
図1に示すように、防草シート1は、それ全体として可撓性を有する薄手のシート状体に形成されており、主に、その骨組み構造となる網状部材2と、その網状部材2により固定保持される遮光シート3とを備えており、その遮光シート3の全面に複数筋のスリット5が表裏に貫通して設けられている。
図2は、防草シート1の平面図(表面図)であって、防草シート1の実物の表面を拡大撮影した図面代用写真図あり、図3は、防草シート1の底面図(裏面図)であって、図3(a)は、防草シート1の裏面を表した線図であり、図3(b)は、防草シート1の実物の裏面を拡大撮影した図面代用写真である。
図2に示すように、防草シート1の表面側には、網状部材2を成す複数本の縦糸6及び表横糸7が格子状に配設されている。網状部材2は、これら複数本の縦糸6及び表横糸7によって、その目合いの大きさが一定の角目編地状に形成されている。例えば、本実施例の網状部材2は、その目合いの大きさが縦横5mm×6mmとされている。
また、網状部材2の縦糸6及び表横糸7の素材には、例えば、ポリエチレン製の50〜500デニール程度のモノフィラメントの繊維糸が用いられており、この繊維糸は、後述する遮光シート3と同様に可撓性と高い遮光性とを有しており、特に、その遮光率は遮光シート3と同程度のものを用いることが好ましい。
なお、本実施例では、縦糸6、表横糸7及び裏横糸8の繊維糸として350デニールのモノフィラメントが用いられている。
ここで「高い遮光性」とは、請求項1記載の「高遮光性」と同義であり、本明細書では、防草効果が発揮される遮光率を有する性質であって、概ね遮光率95%以上のものをいう。この「高い遮光性」は、上記繊維糸のみならず、後述する遮光性シート(遮光テープ4)も同様に具備する性質である。
なお、網状部材2に関し、ラッセル織機を用いた編織により形成しても良く、「縦糸」は「経糸」とも、「横糸」は「緯糸」とも別称される。
縦糸6は、網状部材2の縦方向(図2上下方向)に延設されており、網状部材2の横方向に所定間隔を隔てて等間隔状かつ平行状に複数本配設されている。各縦糸6は、輪状又はループ状をした複数の輪状部が縦方向に連なった鎖糸状の形態をしており、例えば、それ1本が2本の繊維糸を鎖編みすることで形成されている。
表横糸7は、縦糸6,6同士を連結するため、当該縦糸6,6間に跨って配設されている。この表横糸7は、網状部材2の横方向(図2左右方向)に延設されており、網状部材2の縦方向に所定間隔を隔てて等間隔状に複数本配設されている。また、各表横糸7は、それ1本が2本の繊維糸で形成されている。
なお、表横糸7の繊維糸の本数は必ずしも2本に限定されるものではなく、1本又は3本以上であっても良い。
ただし、表横糸7の各繊維糸ごとにみれば、当該各繊維糸は隣り合った縦糸6,6にそれぞれ絡み合っている訳ではなく、表横糸7の各繊維は、それが絡み合った一の縦糸6からその(一本)隣りにある縦糸6と遮光テープ4との間にある隙間を貫通してもう一本隣りの縦糸6に絡み合う格好となっており、縦糸6,6同士を一本飛ばしで連結するようになっている。
なお、表横糸7の各繊維糸と縦糸6との連結形態は、必ずしも縦糸6,6同士を一本飛ばしで連結するものに限定される訳ではなく、例えば、隣り合う縦糸6,6同士を同じ繊維糸で連結したり、その間に2本以上の別の縦糸6が介在している縦糸6,6に絡み合うように表横糸7の各繊維糸を配設するようにしても良い。
遮光シート3は、複数本の遮光テープ4が平面的に集合して形成されたものであり、全体として見るとシート状の形態をしている。各遮光テープ4は、網状部材2の縦方向に長くて、その横幅が短く形成された小幅長尺状のテープ体である。この各遮光テープ4は、網状部材2に織り込まれた格好で、当該網状部材2によって拘束保持されている。
各遮光テープ4は、可撓性と高い遮光性とを有した樹脂製シートで形成されている。この遮光テープ4の素材には、遮光率が95%以上と極めて高いのポリエチレン製の樹脂製シートを用いることが好ましく、本実施例では遮光率が98%のものが用いられている。
各遮光テープ4は、網状部材2に複数設けられた縦糸6,6間の間隔部分9にそれぞれ敷設され、当該間隔部分9の各々を全体的に覆う格好で、網状部材2の縦方向に延設されている。また、各遮光テープ4は、表横糸7の下側に敷設されており、かかる表横糸7と後述する裏横糸8との間に挟み込まれた状態で、網状部材2により保持されている。
各遮光テープ4の横方向両側にある縁端部は、網状部材2の縦糸6の下側(裏側)部分に潜り込んだ格好となっており、各遮光テープ4の横方向(図2〜図4左右方向)縁端間には、遮光シート3の縦方向に筋状に延びるスリット5が設けられている(図3参照。)。
図3に示すように、防草シート1の裏面側には、網状部材2を成す複数本の裏横糸8が複数筋のスリット5とともに格子状の模様を成すように配設されている。各裏横糸8は、上記した各表横糸7のほぼ真裏側の箇所(図4参照。)に添設されており、縦糸6及び表横糸7と同種の繊維糸が素材として用いられている。
裏横糸8は、上記した表横糸7と同様に、縦糸6,6同士を連結するものであり、当該縦糸6,6間に跨って配設されている。この裏横糸8は、網状部材2の横方向(図3左右方向)に延設されており、網状部材2の縦方向に所定間隔を隔てて等間隔状に複数本配設されている。また、各裏横糸8は、それ1本が2本の繊維糸を添い合わせた格好で形成されている。
なお、裏横糸8の繊維糸の本数は必ずしも2本に限定されるものではなく、1本又は3本以上であっても良い。
ただし、裏横糸8の各繊維糸ごとにみれば、当該各繊維糸は隣り合った縦糸6,6にそれぞれ絡み合っている訳ではなく、上記した表横糸7と同様に、裏横糸8の各繊維は、それが絡み合った一の縦糸6からその(一本)隣りにある縦糸6と遮光テープ4との間にある隙間を貫通してもう一本隣りの縦糸6に絡み合う格好となっており、縦糸6,6同士を一本飛ばしで連結するようになっている。
なお、裏横糸8の各繊維糸と縦糸6との連結形態は、必ずしも縦糸6,6同士を一本飛ばしで連結するものに限定される訳ではなく、例えば、隣り合う縦糸6,6同士を同じ繊維糸で連結したり、その間に2本以上の別の縦糸6が介在している縦糸6,6に絡み合うように表横糸7の各繊維糸を配設するようにしても良い。
複数本の遮光テープ4は、防草シート1の裏面側において、その横方向に隙間なく(縦糸6の繊維糸の露出箇所を除く。)緊密に並列配設されており、その隣り合うものテープ4,4同士の横幅方向縁端が互いに当接した状態となっている。そして、この各遮光テープ4の横幅方向縁端間が遮光シート3の縦方向に延びる筋状のスリット5となっている。
複数筋のスリット5は、隣り合う遮光テープ4,4間に設けられた遮光シート3の縦方向(図3上下方向)に延びる筋状の切れ目であり、複数のスリット5は、各遮光テープ4の横幅が一定であることから、遮光シート3の横方向に所定間隔を隔てて等間隔状かつ平行状に複数筋穿設されている。
この各スリット5からは、防草シート1の表面側にある縦糸6の繊維糸が裏横糸8の繊維糸と絡み合うため、その縦糸6の1本分の繊維糸のみが遮光シート3の表面側からスリット5を通じて遮光シート3の裏面側に局所的に露出されており、かかる露出箇所で縦糸6及び裏横糸8の絡み合うことで、網状部材2における縦糸6と裏横糸8との係合箇所10が形成されている。
このため、各スリット5は、網状部材2の縦糸6と裏横糸8との係合箇所10において、その縦糸6の繊維糸の1本分の幅分だけ隙間ができているが、かかる係合箇所10を除けば、各遮光テープ4の横幅方向縁端同士が接して閉塞した状態となっている。このため、防草シート1は各スリット5から光が透過され難くなっている。
そのうえ、各スリット5の裏側部分には、当該スリット5の延設方向(縦方向)と同一方向に網状部材2の縦糸6が配設されており(図3参照。)、かかる縦糸6がスリット5の開口を覆い隠す機能を発揮している。このため、各スリット5を通じて遮光シート3の表面側から裏面側へ入射透過しようとする光線は、その多くが縦糸6によって遮断されることとなる。
しかも、各スリット5の横幅は、縦糸6の繊維糸が露出した部分であっても、当該スリット5に沿って配設される縦糸6の横幅よりも狭小に形成されている。このため、網状部材2の縦糸6によってスリット5の切れ目が覆い隠し易くなっている。
このため、防草シート1は、遮光シート3により高い遮光性を確保しつつ、なおかつ、そこに多数のスリット5が穿設されることによって、その遮光性の低下が抑制されている。
図4は、防草シート1の部分的な側面図である。図4に示すように、網状部材2の縦糸6及び表横糸7は遮光シート3の表面側に配設されており、縦糸6の繊維糸が1本だけ遮光シート3の裏面側に局所に貫通することで、そこに裏横糸8が絡み合った係合箇所10が形成されている。ここで、防草シート1の表面側には、縦糸6及び表横糸7が遮光シート3の表面から隆起して凸部を形成している。
また、各スリット5は、大きくても繊維糸1本分程度の隙間が局所的に存在するに過ぎず、かつ、鎖糸状の縦糸6によって覆い隠されているので、一見すると透水性が低いようにも思われるが、水の透過性が確保されている。各スリット5に毛細管現象が作用することが原因の一つと考えられる。
また、スリット5を覆う網状部材2の縦糸6も鎖糸状に形成されるので、この縦糸6における複数の輪部が、水の表面張力を介して水滴を捕捉し易く、当該縦糸6に添設されるスリット5へと水滴が供給され易くなっているものと考えられる。
例えば、本実施例の防草シート1にあっては、その透水率が0.0778cm/秒であることを確認している。
次に、図5を参照して、上記した防草シート1の使用方法及びその防草シート1を用いた植栽構造物100について説明する。図5は、防草シート1の機能及び使用方法並びにその防草シート1を用いた植栽構造物100に関する説明図である。
図5(a)に示すように、まず、防草シート1は、敷設場所となる地表面に敷設される。このとき、敷設場所となる地表面については、そこに生えていた雑草を除草剤等を用いてその根まで枯らすことを含めて、予め整地をしておく。かかる整地後、防草シート1を敷設場所となる地表面に敷設した上で、防草シート1が地表面に対して杭などの仮固定具ACにより仮固定される。
ここで、図5(a)に示すように、防草シート1には、地被植物などの植栽植物11の株を植え込むため、防草シート1に1平米当り3〜4箇所に任意の大きさの植栽用穴が開口形成される。なお、かかる植栽用穴は、敷設する前に予め防草シート1に開口形成しておいても良い。
ここで、地被植物とは、主に、地表面を覆って地肌を隠す為に植栽する植物であって、草丈が低く性質強健なものをいい、特に、草本類のことをいう。具体的には、ヒメイワダレソウや芝が地被植物の一種である。
なお、地被植物は必ずしもこれらの具体例に限定されるものではなく、例えば、草丈が低く多年草であること、植物体が柔らかいこと、繁殖力が強いこと、地下茎やほふく茎が伸張することで比較的容易に増殖すること、病害虫に対して強いこと、若しくは、その他の管理が簡便であること、又は、これらの特徴点を二以上有しているものであれば良い。
ここで、地被植物としてヒメイワダレソウを使用した場合、その種子が結実せず、背丈は低く、通常5cm程度となる。また、そのほふく茎の各節から分枝して急速に繁殖するとともに、かかる繁殖力がとても強いことから、他の雑草に関する発芽や発育の抑制作用が得られる。しかも、そのハーブ効果によるカメムシ等の不快虫の発生を抑制する作用も期待される。
そして、各植栽用穴から地表面に植栽植物11を植え付け、所定期間をかけて植栽植物11を地表面に活着させる。すると、図5(b)に示すように、活着後の植栽植物11は、その茎や根が防草シート1上にある網状部材2の縦糸6や表横糸7に対する接触屈性によって防草シート1の表面に広範囲に伸展して成長する。
このようにして防草シート1の表面を広がっていく際に、植栽植物11は、図5(c)に示すように、その根11aが縦糸6に絡み付くなどしながら、各スリット5を通じて地表面に到達して活着するようになる。これによって、植栽植物11は、防草シート1の全面においてスリット5を通じて地表面に根11aが根付くこととなり、植栽植物11からなる植生部101が形成される。
すると、この植生部101をなす植栽植物11の根11aによって、防草シート1が地表面に固定されることとなり、植栽構造物100が敷設場所に形成される。
また、防草シート1の裏面にあっても、そこに存在する裏横糸8との接触が植栽植物11の根11aに接触屈性を誘発するきっかけとなり、植物11の根11aが防草シート1と地表面との間でも広範囲に伸展させる作用があるものと期待される。
しかも、防草シート1の上に散水すれば、図5(d)に示すように、水分(水滴)Wを各スリット5を通じて地表面まで浸透させることができる。また、地表面は遮光シート3によって太陽光などの光線の入射が遮られるので、かかる地表面に残存していた雑草の種子や根が成長することを抑制でき、これらの雑草の生えにくくすることができる。
また、図4に示すように、防草シート1(遮光シート3)の表面には、網状部材2の縦糸6及び表横糸7が凸部となって凹凸ができるので、敷設後の防草シート1上を歩行する場合でも、かかる凹凸が歩行者の靴底に引っ掛かるため、滑り難くできる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、数値、形状、サイズその他の具体例について改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
1 防草シート(植栽補助型防草シート、植栽構造物の一部)
2 網状部材
3 遮光シート
4 遮光テープ
5 スリット
6 縦糸
7 表横糸
8 裏横糸
9 間隔部分(縦糸間の間隔)
10 係合箇所
11 植物(植生部の一部、植栽構造物の一部)
11a 植物の根
100 植栽構造物
101 植生部(植栽構造物の一部)
AC 仮固定具
W 水滴

Claims (4)

  1. 縦方向に延びる複数本の縦糸が横方向に所定間隔を隔てて設けられ、その縦糸同士を連結する表横糸及び裏横糸が縦方向において複数本設けられる網状部材と、
    その網状部材における隣り合う縦糸間に各々設けられ、その縦糸間の間隔を覆うとともに縦方向に延設され、前記表横糸及び裏横糸の間に挟まれて保持される複数本の高遮光性及び可撓性を有するテープの集合体として形成される遮光シートと、
    その遮光シートの隣り合う前記テープ同士の横幅方向両端間でかつ前記縦糸の裏側部分において当該縦糸に沿って縦方向に延設され、当該縦糸幅より狭く形成される複数のスリットとを備えていることを特徴とする植栽補助型防草シート。
  2. 前記縦糸は、複数本の繊維糸により縦方向に複数の輪状部を鎖状に繋げた形態をした鎖糸状に編織形成されており、
    前記スリットは、その鎖糸の横幅より狭く形成されていることを特徴とする請求項1記載の植栽補助型防草シート。
  3. 前記縦糸及び表横糸は前記遮光シートの表面から隆起した凸部となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の植栽補助型防草シート。
  4. 地表面に敷設される請求項1から3のいずれかに記載の植栽補助型防草シートと、その防草シート上にて地被植物などの植栽植物が前記複数のスリットを介して地表面に活着する植生部とを備えていることを特徴とする植栽構造物。
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