JP7317782B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、建物に関する。
住宅等の建物における外構部分に対し、例えば充放電スタンドや蓄電池、エネファーム等の屋外設置機器が設置される場合がある。このような屋外設置機器を災害時のライフラインとして利用すれば、地震や台風などの災害時であっても自宅での生活を持続することが可能となるので、建物における災害対応力(レジリエンス)が向上する。
特開2019-106845号公報
ところで、住宅等の建物における外構部分に、様々な屋外設置機器が設置されると、外構部分を見た人に対して雑多な印象を与えてしまう場合があるため、このような印象を払拭し、建物全体の見栄えを良くすることが求められている。
また、災害時にも利用できる屋外設置機器が外部に露出して設けられていると、災害時に被害を受けて万が一の場合に稼働できないような事態の発生が想定される。そのため、災害時にも利用できる屋外設置機器を保護し、建物における災害対応力の向上を図りたいという要望がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、屋外設置機器を収納して建物の見栄えを良くするとともに、災害時に屋外設置機器を保護し、建物における災害対応力の向上を図ることである。
請求項1に記載の発明は、例えば図1~図5に示すように、外周壁を備える建物1であって、
前記外周壁が、
前記外周壁の一部として設けられ、かつ前記外周壁のうち厚みの薄い他の壁よりも厚みが厚く形成された厚型壁体7
を有し、
前記厚型壁体7が、
前記厚型壁体7の側面を構成する複数の側壁部SWと、
前記複数の側壁部SWによって囲まれた位置に形成された内部中空部HPと、
前記内部中空部HPに収納され、少なくとも災害時に使用可能な屋外設置機器(充電制御装置40、雨水タンク設備41)と、を備えており、
前記複数の側壁部SWのうちいずれかの側壁部SWには、前記内部中空部HPと外部とを連通する開口部7aが形成され
前記外周壁が、他の厚型壁体8を有し、
前記厚型壁体7及び前記他の厚型壁体8は、建物の1正面に設けられて間口方向に間隔を空けて配置されており、
前記厚型壁体7と前記他の厚型壁体8との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第一止水手段45が着脱可能に設けられ、前記第一止水手段45は、前記開口部7aよりも敷地外側に位置しており、
ポーチ11が前記厚型壁体7に関して前記他の厚型壁体8の反対側において前記厚型壁体7の側面に隣接して設けられ、箱型に形成されて上面が開口した箱型部(花壇部16)が前記厚型壁体7に関して前記他の厚型壁体8の反対側において前記ポーチ11に隣接して設けられており、
前記箱型部(花壇部16)の上面の高さ位置は、前記ポーチ11の床面の高さ位置よりも上方に位置し、かつ、前記箱型部(花壇部16)は、前記ポーチ11の床面よりも上方に位置する部位に、前記厚型壁体7に対向する側面を有しており、
前記厚型壁体7と、前記箱型部(花壇部16)における前記厚型壁体7に対向する側面との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第二止水手段が着脱可能に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の側壁部SWによって囲まれた位置に形成された内部中空部HPと、内部中空部HPに収納され、少なくとも災害時に使用可能な屋外設置機器(充電制御装置40、雨水タンク設備41)と、を備えているので、屋外設置機器が外部から見えない状態となって建物1の見栄えを良くすることできるとともに、災害時であっても、内部中空部HPに収納された屋外設置機器を保護することができる。さらに、複数の側壁部SWのうちいずれかの側壁部SWには、内部中空部HPと外部とを連通する開口部7aが形成されているので、屋外設置機器を日常的に使用することもできるし、普段からメンテナンスを欠かさずに行うことができる。これにより、災害時に屋外設置機器を確実に使用することができ、災害時のライフラインを確保することができるので、建物1における災害対応力を向上できる。
さらに、厚型壁体7が、建物1の外周壁の一部として設けられると、建物1における壁量を担保できるので、建物1のうち厚型壁体7が設けられた面に、大きな開口部7aを形成することができる。そのため、建物1の見栄えをより良くすることできる。
さらに、厚型壁体7及び他の厚型壁体8は、建物の1正面に設けられて間口方向に間隔を空けて配置されており、厚型壁体7と他の厚型壁8体との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第一止水手段45が着脱可能に設けられ、第一止水手段45は、開口部7aよりも敷地外側に位置しているので、第一止水手段45によって止水がされている間は、開口部7aから内部中空部HPに浸水が起きないこととなる。そのため、想定以下の浸水であれば、内部中空部HPに収納された屋外設置機器を保護することができる。これにより、浸水時に屋外設置機器を確実に使用することができ、浸水時のライフラインを確保することができるので、建物1における災害対応力を向上できる。
さらに、ポーチ11(第二ポーチ11)が厚型壁体7の側面に隣接して設けられるとともに、箱型部(花壇部16)がポーチ11に隣接して設けられており、箱型部(花壇部16)の上面の高さ位置は、ポーチ11の床面の高さ位置よりも上方に位置し、かつ、箱型部(花壇部16)は、ポーチ11の床面よりも上方に位置する部位に、厚型壁体7に対向する側面を有しており、厚型壁体7と、箱型部(花壇部16)における厚型壁体7に対向する側面との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第二止水手段が着脱可能に設けられているので、浸水時には、第二止水手段によって建物1への浸水を防ぐことができ、建物1における災害対応力を向上できる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1~図5に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記複数の側壁部SW及び前記内部中空部HPは、前記建物1の上下階間に亘って長尺に形成されており、
前記屋外設置機器は、雨水タンク設備41とされており、
前記雨水タンク設備41は、
前記内部中空部HPのうち下階側に配置されたタンク本体41aと、
前記内部中空部HPのうち上階側に配置され、前記タンク本体41aに送水する集水パイプと、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、複数の側壁部SW及び内部中空部HPは、建物1の上下階間に亘って長尺に形成されており、屋外設置機器は、雨水タンク設備41とされており、雨水タンク設備41は、内部中空部HPのうち下階側に配置されたタンク本体41aと、建物1の屋根から雨水を収集し、タンク本体41aに送水する集水パイプと、を有するので、屋根から雨水を収集してタンク本体41aに貯留しておくことができる。そのため、災害時に雨水タンク設備41を確実に使用することができ、災害時の雑用水や下水を確保することができるので、建物1における災害対応力を向上できる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1~図5に示すように、請求項1又は2に記載の建物1において、
前記屋外設置機器は、電力を供給可能とするとともに電力の供給を受けることができる充電制御装置40とされており、
前記充電制御装置40は、前記内部中空部HPのうち前記開口部7aに隣接する位置に配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、屋外設置機器は、充放電可能なバッテリを有する車両との間で相互に電力供給を可能とする充電制御装置40とされており、充電制御装置40は、内部中空部HPのうち開口部7aに隣接する位置に配置されているので、通常時と災害時の区別なく、開口部7aから充電制御装置40を使用しやすい。また、災害時においては、車両のバッテリから電力供給を受けることができるので、建物1における災害対応力を向上できる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1~図5に示すように、請求項1から3のいずれか一項に記載の建物1において、
前記厚型壁体7が、前記外周壁から前記建物1が建築された敷地外に向かって突出していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、外周壁から建物1が建築された敷地外に向かって突出しているので、例えば浸水時における漂流物、強風時における飛来物のように、敷地外側から建物1に向かう衝撃から、建物1と内部中空部HPに収納された屋外設置機器を保護しやすくなる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1~図5に示すように、請求項4に記載の建物1において、
前記開口部7aは、前記側壁部SWのうち前記敷地外に向かって突出した部位よりも前
記建物1の中心側に位置していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、例えば図1~図5に示すように、請求項1から5のいずれか一項に記載の建物1において、
前記開口部7aが前記建物1の下階に配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、例えば図1~図5に示すように、請求項1から6のいずれか一項に記載の建物1において、
前記ポーチ11が、前記厚型壁体7から、前記外周壁のうち前記厚型壁体7に関して前記他の厚型壁体8の反対側の側面にかけて設けられ、
前記箱型部(花壇部16)が、前記箱型部(花壇部16)における前記厚型壁体7に対向する側面から、前記ポーチ11のうち前記厚型壁体7に関して前記他の厚型壁体8の反対側の縁にかけて設けられ、
延長壁部16aが、前記箱型部(花壇部16)のうち前記厚型壁体7に関して前記他の厚型壁体8の反対側の端部から、前記外周壁のうち前記厚型壁体7に関して前記他の厚型壁体8の反対側の前記側面に回り込んでその側面に繋がっていることを特徴とする。
本発明によれば、外周壁の一部として設けられた厚型壁体に対し、建物を防護する以外の機能を付加して機能性を高め、建物における災害対応力を向上させることができる。
建物の正面を示す斜視図である。 建物の西側側面を示す立面図である。 建物の1階及び1.5階を示す断面図である。 建物の2階を示す断面図である。 建物の要部を示す断面斜視図である。 他の建物の1階及び1.5階を示す断面図である。 他の建物の1階及び2階を示す断面図である。 車両昇降装置による車両の昇降を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方角は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
図1~図5において符号1は建物を示す。この建物1は、2階建てであり、1階の一部、1.5階及び2階が住人用スペース(第一エリア)として、1階の一部が事務所や店舗として貸し出すことが可能なテナントスペース(第二エリア)として、1階の更に他の一部が、テナントスペースの従業者と住人が使用する共用スペースとして用いられている。
建物1は、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場でパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築するパネル工法で構築されるが、これに限られるものではなく、従来の軸組工法、壁式工法、ツーバイフォー工法等で構築されるものとしてもよい。
また、パネルとは、建築用パネルであり、図示はしないが、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。その内部中空部(面材の裏側)には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填される。
建物1の上には屋根が設けられ、屋根の直下であって建物1正面の2階にはバルコニー2が設けられている。バルコニー2には、図4に示すように、建物1正面から東側にかけて手摺壁3が設けられている。
手摺壁3における西側端部の西側には、横長のルーバー材が上下に連なる格子壁部4が設けられている。また、手摺壁3の下端部には、手摺壁3よりも前方及び側方に張り出す庇5が設けられている。
建物1正面の東側コーナーには、窓が設けられた他の外周壁よりも厚みのある状態に形成された第一厚型壁体6が、1階から屋根の高さまで設けられている。第一厚型壁体6の正面には、手摺壁3及び庇5の端部が接続されている。
第一厚型壁体6は、上記の建築用パネル(建築用壁パネル)を四角筒状に組んで構築したものであり、この第一厚型壁体6自体には開口部が形成されていない。
手摺壁3における格子壁部4の西側には、第一厚型壁体6よりも厚みのある状態に形成された第二厚型壁体7が、1階から屋根の高さまで設けられている。この第二厚型壁体7の上端部は、北側部分が屋根に達する高さとなっており、南側部分は、北側部分よりも高さが低く、屋根との間に隙間が形成された状態となっている。
第二厚型壁体7は、上記の建築用パネル(建築用壁パネル)を四角筒状に組んで構築したものである。そして、第二厚型壁体7には、複数の開口部7a,7b,7cが形成されており、これら複数の開口部7a,7b,7cから第二厚型壁体7の内部中空部HPを利用できるようになっている。当該内部中空部HPには、例えば屋外設置機器(以下、ライフライン設備)として充電制御装置40や雨水タンク設備41が収納されている(図3参照)。
なお、雨水タンク設備41への雨水の供給は、建物1の屋根から第二厚型壁体7の内部中空部HPに通される配管を通じて行われる。
また、この第二厚型壁体7の内部中空部を利用した機能を始めとする建物1の防災機能については後述する。
建物1正面の西側コーナーには、第一厚型壁体6と同等の厚み寸法に設定された第三厚型壁体8が、1階から2階床よりも上方に突出する程度の高さまで設けられている。
第三厚型壁体8は、上記の建築用パネル(建築用壁パネル)を四角筒状に組んで構築したものであり、この第三厚型壁体8自体には開口部が形成されていない。
バルコニー2の中央には、2階からバルコニー2側に突出した位置に配置されたインナーテラス部9の外壁9aが設けられている。
なお、手摺壁3における西側端部は、インナーテラス部9の外壁9aの正面に接続されている。そのため、バルコニー2は、インナーテラス部9を境界に、西側と東側に分割されている。なお、西側のバルコニー2を、以下、第一バルコニー2aと称し、東側のバルコニー2を、以下、第二バルコニー2bと称する。
また、建物1の1階において、第二厚型壁体7の両側にはポーチ10,11がそれぞれ設けられており、本実施形態においては、西側のポーチが第一ポーチ10とされ、東側のポーチが第二ポーチ11とされている。
すなわち、第二厚型壁体7を境にして東側と西側に位置する領域は、この第二厚型壁体7によって概略的に分けられることになる。例えば東側と西側の領域のうち、一方をプライベート性の強い領域とし、他方をパブリック性の強い領域とすれば、第二厚型壁体7による領域分けの特性が際立ち、建物1における外観性を向上できるので好ましい。
第一ポーチ10は、駐車スペースであり、テナントスペースの従業者と住人が使用する共用スペースとされている。また、第一ポーチ10は、建物1の正面から奥(北側)に伸びて設けられている。第二厚型壁体7と第三厚型壁体8との間に形成された開口部を通じて車両の出し入れを行うことができ、屋外に向かって開放されていることが常態とされている。
第一ポーチ10の奥(北側)には、建物1の玄関21が設けられている。
また、第一ポーチ10の床は、玄関21(北側)から屋外(南側)に向かって下り勾配となるスロープ状に形成されている。そのため、屋外から玄関21に向かうルート上のバリアフリー化が可能となり、人の通行や、車椅子での通行がしやすく、車両も駐車しやすい。
第一ポーチ10の上方には、建物1の外周壁と一体的に形成されたポーチ屋根12が設けられている。また、第一ポーチ10の西側には、第三厚型壁体8と南北方向に連続して配置されて共にポーチ屋根12を支持するポーチ壁13が設けられている。
ポーチ壁13には、建物1の西側に位置し、かつ第一ポーチ10と屋外とを連通する西側開口部13a(第四開口部)が形成されている。そして、この西側開口部13aには、横長の冷却ルーバー材が上下に連なる冷却ルーバー装置14が設置されている。
冷却ルーバー装置14は、保水した複数の冷却ルーバー材間を空気が流通したときの気化熱によって周囲の温度を下げるための装置であり、屋外から第一ポーチ10内に空気を取り込むのに合わせて第一ポーチ10内を冷却できるようになっている。
本実施形態における冷却ルーバー装置14は、上端部の高さ位置が、第一ポーチ10の天井付近までの高さに設定されているが、これに限られるものではなく、この上端部の高さ位置は適宜変更可能とする。すなわち、冷却ルーバー装置14の上端部と、第一ポーチ10の天井との間に、図2に示すよりも大きな隙間を形成し、より多くの空気を取り込めるようにしてもよい。
また、冷却ルーバー装置14に水を供給する給水源は、水道であってもよいし、雨水を利用してもよい。
雨水を利用する場合は、建物1の屋根から第二厚型壁体7の内部中空部HPに通され、ポーチ屋根12の内部中空部に通される配管を通じて行われる。すなわち、冷却ルーバー装置14に雨水を供給するための配管は、雨水タンク設備41に雨水を供給するための配管から分岐するものであってもよいし、別々の配管でもよい。また、ポーチ屋根12に降り注いだ雨水も利用することができる。
このように冷却ルーバー装置14への給水に雨水を利用できれば、例えば災害等により水道の断水が発生しても、雨さえ降れば、冷却ルーバー装置14に水を供給することができるので、たとえ断水が発生しても冷却ルーバー装置14に対して給水できるようにしたいという要望に応えることができて災害対応力の向上を図ることができる。
また、建物1の屋根の面積を広くしたり、片流れ式の屋根にしたりすれば、効率よく雨水を収集できるので好ましい。
第二ポーチ11は、建物1の南側面から東側面にかけて設けられたポーチであり、テナントスペースの従業者と住人が使用する共用スペースとされている。また、第二ポーチ11は、建物1の1階における部屋の南側及び東側に位置する外周壁に面している。
第二ポーチ11の床面は、床タイルによって仕上げられており、第一ポーチ10の床面よりも高さ位置が高く設定されている。
また、第二ポーチ11の南側縁部には、第二ポーチ11と地面とを繋ぐポーチ階段15と、箱型に形成されて上面が開口した花壇部16と、が設けられている。なお、ポーチ階段15も、第二ポーチ11と同様の床タイルによって仕上げられている。
花壇部16は、階段15の東側端部から第二ポーチ11の東側端部にかけて長尺に形成されている。すなわち、花壇部16は、ポーチ階段15と共に、第二ポーチ11の南側縁部に沿って並んで設けられている。また、この花壇部16は、その上面の高さ位置が、第二ポーチ11の床面の高さ位置よりも上方に位置している。
さらに、花壇部16は、第二ポーチ11の南側縁部に沿って設けられた花壇部16における本体部の東側端部から、建物1の東側面に回り込んで設けられた第二ポーチ11の縁部に沿って配置された延長壁部16aを有する。なお、この延長壁部16aの上面の高さ位置は、花壇部16の本体部の上面の高さ位置と等しく、第二ポーチ11の床面の高さ位置よりも上方に位置している。
第二ポーチ11のうち、ポーチ階段15の北側に位置する部分であって、かつ第二厚型壁体7の東側に位置する部分は、平面視において東西方向よりも南北方向に長く伸びている。そして、このような第二ポーチ11のうちの南北方向に長い部分の北側には、第二ポーチ11と床面が連続する半屋外空間としてのラウンジ17が設けられている。なお、ラウンジ17の床面も、第二ポーチ11と同様の床タイルによって仕上げられている。
第二ポーチ11とラウンジ17との間の開口部(出入口)には、扉が設けられている。本実施形態において扉は、自動ドアとされている。
ラウンジ17は、テナントスペースの従業者と住人が使用する共用スペースとされており、待合室として用いられるだけでなく、住人用スペース又はテナントスペースの前室としても用いられる。
ラウンジ17の奥(北側)には、建物1の玄関21が設けられている。
ラウンジ17の西側には、駐車スペースである第一ポーチ10が設けられ、東側には、テナントスペースである大空間室18が設けられている。ラウンジ17と第一ポーチ10との間には、開閉可能なガラス窓を含む複数のガラス窓が設けられた中央第一開口部17a(第一開口部)が形成されている。ラウンジ17と大空間室18との間には、開閉可能なガラス戸と固定されたガラス壁と、が設けられた中央第二開口部17b(第二開口部)が形成されている。
すなわち、建物1には、当該建物1の1階を東西方向に貫通する連通空間Sが形成されており、この連通空間S内には、西側から、駐車スペースとしての第一ポーチ10、半屋外空間としてのラウンジ17、テナントスペースとしての大空間室18が連続して配置されている。
中央第一開口部17aに設けられたガラス窓は、複数の地窓と、その上方に位置する複数の窓と、を備えており、これらの窓のうち少なくとも一つの窓が開閉可能に構成されている。中央第一開口部17aにおける開閉可能な窓は、単に空気の流通だけが可能な程度に開閉するものとしてもよいし、物品の受け渡しが可能な程度に開閉するものとしてもよいし、人の行き来が可能な程度に開閉するものとしてもよい。
中央第二開口部17bに設けられたガラス戸は、複数の折戸を備えている。ただし、これに限られるものではなく、引戸や引き違い戸でもよいし、開き戸でもよい。更には、自動開閉式でもよし、手動開閉式でもよい。中央第二開口部17bにおけるガラス戸は、人の行き来が可能なものであり、ガラス戸を開け放てば、当然、空気の流通や物品の受け渡しも可能となっている。
さらに、ラウンジ17は、2階の天井まで吹き抜けた吹抜部17Vを有している。すなわち、上記の連通空間Sは、東西方向だけでなく、部分的に2階まで連通しており、逆T字型の空間となっている。
大空間室18は、建物1における1階中央から東側にかけて幅広に、かつ、南北方向にも長く形成されている。より詳細には、大空間室18は、建物1における間口寸法の半分以上の幅寸法に設定されている。南北方向においては、北側に位置する収納室19を含めると、建物1の南端部から北端部にかけて設けられている。つまり、大空間室18は、建物1の奥行き寸法いっぱいに設けられていることになる。収納室19を除いても、建物1における奥行き寸法の3分の2程度の奥行き寸法に設定されている。したがって、建物1の1階部分に対して大きな割合でテナントスペースを確保することができる。
大空間室18の東側の壁には、建物1の東側に位置し、大空間室18と屋外(第二ポーチ11)とを連通する東側開口部18a(第三開口部)が形成されている。また、東側の壁には、東側開口部18aを開閉する窓が設けられており、窓を開けて、大空間室18と第二ポーチ11との間を行き来できるようになっている。なお、大空間室18の東側の壁には、東側開口部18aを開閉する窓としての複数の掃き出し窓と、これら複数の掃き出し窓の上方に位置する高窓と、が設けられている。
東側開口部18aは、第一厚型壁体6の北端部から収納室19の東側に位置する外周壁にかけて幅広に形成されている。
そして、このような東側開口部18aと、西側開口部13a、中央第一開口部17a、中央第二開口部17bは、開口幅が等しく設定されている。さらに、西側開口部13a、中央第一開口部17a、中央第二開口部17b、東側開口部18aは、上端部の高さ位置も等しく設定されている。また、下端部の高さ位置については、西側開口部13aは他よりも上方に位置しているが、中央第一開口部17a、中央第二開口部17b、東側開口部18aは、下端部の高さ位置も等しく設定されている。
上記の連通空間Sは、東西方向に並び、かつ互いに平行に配置された各開口部13a,17a,17b,18aと、各開口部13a,17a,17b,18a間に位置する第一ポーチ10、ラウンジ17、大空間室18と、を備えている。そして、上記のように吹抜部17Vを含んで、逆T字型の空間となっている。
収納室19は、大空間室18のうち中央第二開口部17bと東側開口部18aとの間に位置するメイン空間の北側に位置し、かつ、建物1背面の東側コーナーに位置している。
この収納室19は、天井高が0.8~1.4メートルに設定された低天井収納空間である。この0.8m~1.4mの天井高とは、人が収納室19に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保するための高さ範囲であり、かつ、このように天井高を必要最小限に抑えることで、建物1の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくすることができる高さ範囲である。
大空間室18のうち中央第二開口部17bと東側開口部18aとの間に位置するメイン空間の南側には、第一厚型壁体6側に位置するサブ空間と、第二厚型壁体7側に位置する小部屋20と、が設けられている。
サブ空間は、壁によってメイン空間と区切られない空間である。すなわち、大空間室18は、メイン空間と、このメイン空間と連続するサブ空間と、を有して平面視略L字型に形成されている。なお、サブ空間の南側に位置する壁には、複数の掃き出し窓と、これら複数の掃き出し窓の上方に位置する高窓が設けられた大開口部が形成されている。
小部屋20は、壁20a,20bによって大空間室18におけるメイン空間及びサブ空間と区切られており、大空間室18に付属している。一方の壁20aは、平面視においてL字型に形成され、メイン空間に面するとともに第二厚型壁体7に対向して設けられている。他方の壁20bは、第一厚型壁体6に対向して設けられている。
なお、大空間室18のうちメイン空間の天井は、部分的に天井高の高い折り上げ天井とされており、サブ空間や小部屋20の天井高よりも高く設定されている。
大空間室18は、本実施形態においては、テナントスペースとして用いられているが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば店舗として用いられてもよいし、賃貸住宅として用いられてもよい。
なお、テナントスペースとは、従業者が仕事を行う場所を指し、大空間室18のメイン空間だけでなく、サブ空間、収納室19、小部屋20もテナントスペースに含まれるものとする。
また、大空間室18のメイン空間における北側の壁面には、壁付けの複数の家具が設けられているが、これら複数の家具の間に位置する壁面には鏡18bが設けられている。大空間室18の内部の景色を鏡18bに映し出すことにより、大空間室18を更に広い空間に見せることができる。
そして、建物1における1階部分のうち、第一ポーチ10、ラウンジ17、大空間室18よりも北側に位置する領域は、収納室19を除き、住人用スペースとされている。
建物1における1階部分のうち住人用スペースとされた領域には、第一ポーチ10及びラウンジ17の北側に位置する上記の玄関21が設けられている。
玄関21は、南北方向よりも東西方向に長く形成されている。そして、玄関21は、第一ポーチ10との間を行き来するための第一玄関開口部21aと、ラウンジ17との間を行き来するための第二玄関開口部21bと、を有する。これら第一玄関開口部21a及び第二玄関開口部21bは、第一ポーチ10及びラウンジ17との間に位置する壁に形成されている。
第一玄関開口部21aには、引戸又は引き違い戸が設けられ、第二玄関開口部21bには引戸が設けられている。
玄関21の床面は、第一ポーチ10の床面よりも上方に位置するとともに、ラウンジ17の床面と連続し、ラウンジ17の床面と同様の床タイルによって仕上げられている。
玄関21の西側には宅配ボックス22が設けられている。
宅配ボックス22の北側には、玄関21の北側を回り込むようにしてシューズクローク23が設けられている。
玄関21の北側であって、かつシューズクローク23の東側には、ホール24が設けられ、このホール24は、東側に伸びている。
そして、ホール24の先には、1.5階及び2階に上がるためのエレベーター25と、1.5階及び2階に上がるための階段26と、エレベーター25及び階段26の裏側(東側)に回り込む収納室27と、が設けられている。収納室27は、開口していない壁を介して上記の収納室19と東西に隣接し、当該収納室19と同様、天井高が0.8~1.4メートルに設定されている。
エレベーター25及び階段26を半階上がった位置には、図1(b)に示すように、トイレ・洗面脱衣所・浴室からなる水廻り室28が設けられている。この水廻り室28は、収納室19の上方に位置している。なお、階段26の踊り場が、収納室27の上方に位置している。
階段26を更に上がって2階に到達するとホール29があり、ホール29の東側には、二段分の階段を上った位置に主寝室30が設けられている。主寝室30の東側には、ウォークインクローゼット30aが設けられている。
ホール29及び主寝室30の南側には、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させた部屋(以下、居室)31が設けられている。居室31は、ホール29との間に設けられた出入口と、主寝室30との間に設けられた出入口と、を有する。
居室31の南側には、上記のバルコニー2及びインナーテラス部9が設けられている。インナーテラス部9は、居室31からバルコニー2側に突出した位置に配置されており、居室31と連続する屋内空間として用いられている。
インナーテラス部9の西側に形成された出入口の屋外側には、バルコニー2における第一バルコニー2aが設けられている。インナーテラス部9の東側に形成された出入口の屋外側には、バルコニー2における第二バルコニー2bが設けられている。
第一バルコニー2aは、上記の格子壁部4の内側に位置しており、屋外からの空気を取り込みやすくなっている。なお、格子壁部4に替えて、冷却ルーバー装置を設置してもよいものとする。
また、第一バルコニー2aの西側には、上記の第二厚型壁体7が設けられており、更にその西側には、ドローンの発着場となるドローンポートDPが設けられている。
また、ホール29の西側には、部屋32が設けられている。この部屋32は、例えば住人用スペースにおける仕事部屋として用いられている。なお、通信設備等を導入することによってテレワークを行うことも可能となっている。
部屋32とホール29との間に位置する中間領域32aには、トイレ及び洗面台が設けられている。
そして、上記のラウンジ17上方における吹抜部17Vは、ポーチ屋根12よりも上方に位置しており、かつ、第一バルコニー2aと居室31と部屋32に囲まれた位置に設けられた状態となっている。
吹抜部17Vの西側に位置し、かつポーチ屋根12の上方空間に面して設けられた壁33には、開閉可能なガラス窓を含む複数のガラス窓が設けられた排気用の開口部33a(第五開口部)が形成されている。そして、排気用の開口部33aからは吹抜部17V内の空気を屋外に排出することができるようになっている。
すなわち、ポーチ屋根12の上方である屋外空間と吹抜部17Vとの間に設けられた壁33は、排気用壁33とされている。
第一バルコニー2aの北側は、上記の吹抜部17Vとなっている。この吹抜部17Vとの間に設けられた壁34には開口部が形成されており、この開口部には、嵌め殺しの窓が設けられている。すなわち、第一バルコニー2aと吹抜部17Vとの間に設けられた壁34は、ガラス壁34となっている。そのため、第一バルコニー2aからは、ガラス壁34を通じてラウンジ17を見下ろすことができる。
居室31の西側は、上記の吹抜部17Vとなっている。この吹抜部17Vとの間に設けられた壁35には開口部が形成されており、この開口部には、嵌め殺しの窓が設けられている。すなわち、居室31と吹抜部17Vとの間に設けられた壁35は、ガラス壁35となっている。そのため、居室31からは、ガラス壁35を通じてラウンジ17を見下ろすことができる。
なお、ガラス壁35に採用されたガラスには、透明モードと不透明モードの切り替えを行うことが可能な調光ガラスが採用されている。透明モードにおいては、吹抜部17V及びラウンジ17の様子を視認できるだけでなく、平行する排気用壁33の開口部33aから屋外の様子も視認できる。不透明モードにおいては、ラウンジ17からの視線を遮断したり、居室31で使用されるプロジェクターからの画像を投影したりすることができる。
部屋32の南側は、上記の吹抜部17Vとなっている。この吹抜部17Vとの間に設けられた壁36には開口部が形成されており、この開口部には、嵌め殺しの窓が設けられている。部屋32からは、壁36の窓を通じてラウンジ17を見下ろすことができる。
なお、本実施形態においては、壁36の開口部には嵌め殺しの窓が設けられるものとしたが、開閉可能な窓が設けられてもよい。これにより、部屋32とラウンジ17との間で人が声を交わしたり、ラウンジの様子を確認しやすくなったりする。また、開閉可能な窓の外(ラウンジ17側)に、例えば螺旋階段や梯子等の昇降手段を設けてもよい。
以上の実施形態において、住宅等の建物における厚みの厚い上記の厚型壁体(第一厚型壁体6、第二厚型壁体7、第三厚型壁体8)とは、例えば浸水時における漂流物、強風時における飛来物から建物を保護する機能を発揮する。
このような厚型壁体は、外周壁の一部として、開口を有する外壁(例えば東側開口部18aが形成された壁など)よりも外方に位置して設けられている。
また、厚型壁体は、建物から敷地外に向かって突出し、上記の開口を有する外壁よりも開口が少なく、かつ厚さが厚く形成されている。さらに、平面視においては建物の間口方向と直交する方向に長く形成されている。
なお、本実施形態においては、第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8を含む、建物1の東西側面に位置する外周壁(東側開口部18aが形成された壁を除く)が、厚みが厚く形成されている。
また、玄関21周りの壁と、小部屋20の一方の壁20aも、平面視において厚みが厚く形成されている。
〔建物1の防災機能について〕
本実施形態における建物1には、第一厚型壁体6と、第二厚型壁体7と、第三厚型壁体8と、花壇部16を利用した防災機能が備えられている。
まず、第一厚型壁体6、第二厚型壁体7、第三厚型壁体8の構成について説明する。これら各厚型壁体6,7,8は、側面を構成する複数の側壁部SWと、複数の側壁部SWによって囲まれた位置に形成された内部中空部HPと、をそれぞれ備えている。
側壁部SWは、上記の建築用パネル(建築用壁パネル)によって構成されている。そのため、建物1の各壁との一体性を確保しやすくなっている。
建物1正面の東西コーナーに設けられた第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8は、開口部が形成されていない。そのため、複数の側壁部SWと内部中空部HPとを備えることにより平断面視においてロ字型に形成されている。
第一厚型壁体6は、1階から屋根の高さまで設けられている。これに伴い、内部中空部HPも、1階から屋根の高さまで形成されている。
また、第三厚型壁体8は、1階から2階床よりも上方に突出する程度の高さに設定されている。これに伴い、内部中空部HPも、1階から2階床の高さまで形成されている。なお、この第三厚型壁体8の上端部は、ポーチ壁13と一体化しており、フラットな屋根面とその周縁部に立設されたパラペット壁とを有する。
ここで、側壁部SWは、単体での厚みが、外周壁のうち厚みの薄い他の壁(例えば東側開口部18aが形成された壁など)と同程度に設定されている。したがって、このような側壁部SWが四方に配置されて平断面視においてロ字型に形成された第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8は、上記の外周壁のうち厚みの薄い他の壁に比して、極めて堅牢性に優れている。
第二厚型壁体7は、第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8に比して南北方向の長さが長く設定されるとともに東西方向の長さも長く設定されている。また、北側面の位置は、各厚型壁体6,7,8共に揃っているため、第二厚型壁体7は、第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8よりも建物1の前方(南側)の敷地外に突出した状態となっている。
第二厚型壁体7を構成する側壁部SWの厚みは、第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8における側壁部SWと同一である。したがって、第二厚型壁体7の内部中空部HPは、第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8における内部中空部HPよりも広く形成されている。
また、第二厚型壁体7の高さは、建物1側に位置する部位が1階から屋根までの高さに設定され、前方に突出している側の部位が1階から屋根の直下までの高さに設定されている。これに伴い、第二厚型壁体7における内部中空部HPは、下階側中空部HP1と、上階側中空部HP2と、を有する。
第二厚型壁体7における内部中空部HPには、少なくとも災害時に使用可能なライフライン設備が収納されている。本実施形態におけるライフライン設備としては、充電制御装置40と、雨水タンク設備41と、が収納されている。
充電制御装置40は、充放電可能なバッテリを有する車両との間で相互に電力供給を可能とされた機器であり、図示はしないが、車両に搭載されたバッテリに接続可能な充電ケーブルを有する。
このような充電制御装置40は、図示しない分電盤に接続され、通常時においては、太陽光発電装置や系統電源から電力を受けて車両に充電することができ、災害時等においては車両から電力を受けて家庭内で使用することができる。
そして、本実施形態の充電制御装置40は、下階側中空部HP1に収納されている。
また、このような充電制御装置40が駐車スペースである第一ポーチ10の近傍に配置されることになるので、大規模発電所の電力供給に頼らないマイクログリッドによる周辺地域との間での電力融通が可能となる。
例えば建物1の屋根の面積を広くし、太陽光発電装置の面積を広く確保できれば、多くの電力を得ることができるので、通常時だけでなく、災害時における自然エネルギーの活用を促進し、建物1における災害対応力を向上できる。また、屋根の面積もさることながら、例えば屋根として、南側に面した片流れ屋根等を採用できれば、太陽光発電装置による発電効率を向上できるので好ましい。
雨水タンク設備41は、通常時及び災害時において貯留した雨水を雑用水や下水として利用するための設備であり、タンク本体41aと、集水パイプと、を有する。
タンク本体41aは、内部中空部HPのうち下階側中空部HP1に配置されており、図示しない蛇口部やオーバーフロー管を備える。
集水パイプは、内部中空部HPのうち上階側中空部HP2に配置されており、建物1の屋根から雨水を収集してタンク本体41aに送水する。より具体的には、屋根の周囲に取り廻された雨樋から竪樋を介して集水パイプが雨水を受けることができるようになっている。
第二厚型壁体7には、複数の開口部7a,7b,7cが形成されている。そのうち、第二厚型壁体7の1階部分における西側の側壁部SWに形成された開口部7aは、第二厚型壁体7の内部中空部HPと外部とを連通しており、充電制御装置40及び雨水タンク設備41が収納された内部中空部HP(下階側中空部HP1)内を使用する場合に開放される設備用開口部7aとされている。
この設備用開口部7aは、第二厚型壁体7の1階部分における西側の側壁部SWのうち敷地外に向かって突出した部位よりも建物1の中心側に位置している。そして、充電制御装置40は、内部中空部HP(下階側中空部HP1)のうち設備用開口部7aに隣接する位置に配置されている。反対に、雨水タンク設備41は、内部中空部HP(下階側中空部HP1)のうち設備用開口部7aから遠い方(敷地外に向かって突出した部位の内部中空部)の位置に配置されている。
設備用開口部7aには、横長のルーバー材が上下に連なる格子壁部42が設けられており、内部中空部HPを換気しつつ、目隠しできるようになっている。格子壁部42は着脱自在とされている。また、格子壁部42に代えて扉を設けてもよい。
第二厚型壁体7に形成された複数の開口部7a,7b,7cのうち、開口部7bは、第一バルコニー2aとドローンポートDPとを連通し、側壁部SW及び内部中空部HPを東西方向に貫通するポート用開口部7bとされている。すなわち、ポート用開口部7bは、第二厚型壁体7における2階部分に形成されている。
また、ポート用開口部7bには扉が設けられており、ポート用開口部7bを開閉できるようになっている。
第二厚型壁体7に形成された複数の開口部7a,7b,7cのうち、開口部7cは、上記のポート用開口部7bに隣接し、内部中空部HP(上階側中空部HP2)を利用して形成された収納部43の開放部分である収納部用開口部7cとされている。すなわち、収納部用開口部7cも、第二厚型壁体7における2階部分に形成されている。
なお、収納部43と、第二厚型壁体7における上階側中空部HP2は、東西方向に隣接して形成されている。そのため、収納部43から上階側中空部HP2内のメンテナンスを行えるようにしてもよい。
また、収納部用開口部7cには扉が設けられており、収納部用開口部7cを開閉できるようになっている。
以上のように構成された第一厚型壁体6、第二厚型壁体7、第三厚型壁体8は、堅牢性に優れるため、例えば浸水時における漂流物、強風時における飛来物から建物1を防護できるとともに、第二厚型壁体7においては、内部中空部HPに収納されたライフライン設備40,41を保護できるようになっている。
続いて、建物1の正面に設置して水の浸入を堰き止める止水手段について説明する。本実施形態における止水手段は、第二厚型壁体7の西側に設置される第一止水手段45と、第二厚型壁体7の東側に設置される第二止水手段46と、を備えている。
第一止水手段45及び第二止水手段46は、同様のものが採用されており、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成されている。
より詳細に説明すると、本実施形態における各止水手段45,46は、水の浸入を堰き止める防水面材47と、この防水面材Mを保持する保持部材48と、を備えている。
防水面材47は、シート状のものでもよいし、板状のものでもよい。
保持部材48は、柱状に形成されてもよいし、枠状に形成されてもよく、さらに、防水面材47が係合される形態でもよいし、防水面材47を挟持する形態でもよい。
第一止水手段45は、建物の1正面に設けられて間口方向に間隔を空けて配置された第二厚型壁体7と第三厚型壁体8との間に着脱可能に設けられている。
より詳細に説明すると、保持部材48は、第二厚型壁体7及び第三厚型壁体8に対して隙間なく取り付けられる必要があり、防水面材47は、このような保持部材48に隙間なく設けられて保持される必要がある。また、防水面材47と保持部材48のどちらか一方は、第一ポーチ10の床面に対しても隙間なく設けられる必要がある。
また、第一止水手段45は、少なくとも防水面材47が保持部材48に対して着脱可能とされるが、保持部材48も、第二厚型壁体7及び第三厚型壁体8に対して着脱可能であってもよい。そして、少なくとも防水面材47が取り外されることにより、車両を、駐車スペースである第一ポーチ10に駐車できるようになる。
さらに、このような第一止水手段45は、上記の設備用開口部7aよりも敷地外側に位置している。
そして、以上のような構成の第一止水手段45が、第二厚型壁体7と第三厚型壁体8との間に設けられれば、建物1の敷地外から第一ポーチ10に浸入しようとする水を堰き止めることができる。ここで水の浸入を堰き止めることができれば、設備用開口部7a、中央第一開口部17a、第一玄関開口部21a、宅配ボックス22から水が浸入することを防ぐことができる。
第二止水手段46は、第二厚型壁体7と、第二ポーチ11に隣接する花壇部16のうち第二厚型壁体7に対向する側面との間に着脱可能に設けられている。
より詳細に説明すると、保持部材48は、第二厚型壁体7及び花壇部16に対して隙間なく取り付けられる必要があり、防水面材47は、このような保持部材48に隙間なく設けられて保持される必要がある。また、防水面材47と保持部材48のどちらか一方は、第二厚型壁体7と花壇部16との間に位置するポーチ階段15に対しても隙間なく設けられる必要がある。
また、第二止水手段46は、少なくとも防水面材47が保持部材48に対して着脱可能とされるが、保持部材48も、第二厚型壁体7及び花壇部16に対して着脱可能であってもよい。そして、少なくとも防水面材47が取り外されることにより、ポーチ階段15の通行ができるようになる。
さらに、花壇部16は、上記のように、当該花壇部16における本体部の東側端部から、建物1の東側面に回り込んで設けられた第二ポーチ11の縁部に沿って配置された延長壁部16aを有する。この延長壁部16aにおける建物1の東側面の端部は、収納室19の東側に位置する外周壁と一体形成されている。
そして、以上のような構成の第二止水手段46が、第二厚型壁体7と花壇部16との間に設けられれば、建物1の敷地外から第二ポーチ11に浸入しようとする水を堰き止めることができる。ここで水の浸入を堰き止めることができれば、ラウンジ17の南側面、大空間室18を含むテナントスペースの南側面及び東側面の窓から水が浸入することを防ぐことができる。
本実施形態によれば、建物1の外周壁の一部として設けられ、かつ外周壁のうち厚みの薄い他の壁よりも厚みが厚く形成されており、さらに、第二厚型壁体7の側面を構成する複数の側壁部SWによって構成されているので、堅牢性に優れ、例えば浸水時における漂流物、強風時における飛来物から建物1を防護することができる。その上、このような第二厚型壁体7は、複数の側壁部SWによって囲まれた位置に形成された内部中空部HPと、内部中空部HPに収納され、少なくとも災害時に使用可能なライフライン設備(充電制御装置40、雨水タンク設備41)と、を備えているので、災害時であっても、内部中空部HPに収納されたライフライン設備を保護することができる。さらに、複数の側壁部SWのうちいずれかの側壁部SWには、内部中空部HPと外部とを連通する開口部7a,7cが形成されているので、普段からメンテナンスを欠かさずに行うことができる。これにより、災害時にライフライン設備を確実に使用することができ、災害時のライフラインを確保することができるので、建物1における災害対応力を向上できる。
また、複数の側壁部SW及び内部中空部HPは、建物1の上下階間に亘って長尺に形成されており、ライフライン設備は、雨水タンク設備41とされており、雨水タンク設備41は、内部中空部HPのうち下階側に配置されたタンク本体41aと、建物1の屋根から雨水を収集し、タンク本体41aに送水する集水パイプと、を有するので、屋根から雨水を収集してタンク本体41aに貯留しておくことができる。そのため、災害時に雨水タンク設備を確実に使用することができ、災害時の雑用水や下水を確保することができるので、建物1における災害対応力を向上できる。
また、ライフライン設備は、充放電可能なバッテリを有する車両との間で相互に電力供給を可能とする充電制御装置40とされており、充電制御装置40は、内部中空部HPのうち開口部7aに隣接する位置に配置されているので、通常時と災害時の区別なく、開口部7aから充電制御装置40を使用しやすい。また、災害時においては、車両のバッテリから電力供給を受けることができるので、建物1における災害対応力を向上できる。
また、外周壁から建物1が建築された敷地外に向かって突出しているので、例えば浸水時における漂流物、強風時における飛来物のように、敷地外側から建物1に向かう衝撃から、建物1と内部中空部HPに収納されたライフライン設備を保護しやすくなる。
また、開口部7aは、側壁部SWのうち敷地外に向かって突出した部位よりも建物1の中心側に位置しているので、例えば浸水時における漂流物や、強風時における飛来物は、開口部7aよりも先に、側壁部SWのうち敷地外に向かって突出した部位に接触することになる。そのため、敷地外側から建物1に向かう衝撃から、内部中空部HPに収納されたライフライン設備を保護しやすくなる。
また、第二厚型壁体7及び第三厚型壁体8は、建物の1正面に設けられて間口方向に間隔を空けて配置されており、第二厚型壁体7と第三厚型壁8体との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第一止水手段が着脱可能に設けられ、第一止水手段は、開口部7aよりも敷地外側に位置しているので、第一止水手段によって止水がされている間は、開口部7aから内部中空部HPに浸水が起きないこととなる。そのため、想定以下の浸水であれば、内部中空部HPに収納されたライフライン設備を保護することができる。これにより、浸水時にライフライン設備を確実に使用することができ、浸水時のライフラインを確保することができるので、建物1における災害対応力を向上できる。
また、第二厚型壁体7の側面に隣接してポーチ11(第二ポーチ11)が設けられるとともにポーチ11に隣接して花壇部16が設けられており、花壇部16の上面の高さ位置は、ポーチ11の床面の高さ位置よりも上方に位置し、かつ、花壇部16は、ポーチ11の床面よりも上方に位置する部位に、第二厚型壁体7に対向する側面を有しており、第二厚型壁体7と、花壇部16における第二厚型壁体7に対向する側面との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第二止水手段が着脱可能に設けられているので、普段は花壇部16で植物を育てて楽しむことができる一方、浸水時には、第二止水手段によって建物1への浸水を防ぐことができ、建物1における災害対応力を向上できる。
〔参考例〕
以下、参考例について説明する。以下に挙げる参考例は、例えば部分的に構成を抽出するなどして可能な限り上述の実施形態と組み合わせてもよい。また、以下の各参考例において、上述の実施形態と共通する要素については、説明を省略又は簡略する。
〔参考例1〕
図6(a)は、本参考例の建物100における1階と1.5階を示す平断面図であり、図6(b)は、1.5階部分の下方に位置する地階を示す平断面図である。
建物100は、1.5階建てであり、住人用スペースと、テナントスペースと、共用スペースと、からなる。
符号101は駐車スペースであるポーチを示しており、この第一ポーチ101は、共用スペースとなっている。第一ポーチ101の東側に設けられた側壁102には、開口部102aが形成されており、この開口部102aには、図示しない冷却ルーバー装置が設けられている。
第一ポーチ101の南側端部であって、かつ、建物100正面の東側コーナーには、厚みの厚い第一厚型壁体103が設けられている。
また、建物100正面の中央には、東西方向に幅広に(寸法が長く)形成された厚みの厚い第二厚型壁体104が設けられている。
また、建物100正面の西側コーナーには、厚みの厚い第三厚型壁体105が設けられている。
第一厚型壁体103及び第三厚型壁体105は、平面視において、第二厚型壁体104と直交する方向(南北方向)に幅広に形成されている。
第二厚型壁体104の北側空間がエントランス部106とされている。
エントランス部106から屋内に入った位置には、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させた部屋(以下、居室)107が設けられている。
居室107の東側には、部屋108が設けられている。
部屋108の北側には、1.5階に上がるための階段109が設けられている。
階段109を上がった先にはホール110があり、ホール110の北側には、水廻り室111が設けられている。
また、ホール110から西側に進むと、寝室112が設けられている。寝室112の南側に設けられた壁112aはガラス壁とされており、居室107が見えるようになっている。
居室107の北側には、上記のガラス壁である壁112aの下方に位置する階段113が設けられている。この階段113は、地階に下りるための階段である。
階段113を下りた先には、テナントスペースとしての部屋114が設けられている。
なお、第一ポーチ101の北側にも、地階に下りるための階段115が設けられ、この階段115を下りた先には第二ポーチ116が設けられている。
そして、第二ポーチ116の西側には、テナントスペースである部屋114のためのエントランス部117が設けられている。
ここで、部屋108の東側、南側、西側の壁はガラス壁118とされている。
また、第一ポーチ101と部屋108との間と、部屋108の南縁に沿った箇所には、側方に突出する突出床部119が設けられている。突出床部119の床面の高さ位置は、第一ポーチ101の床面の高さ位置よりも上方に位置している。
ガラス壁118のうち第一ポーチ101と部屋108との間に位置するガラス壁118a又は部屋108の南側に位置するガラス壁118bには、屋外と屋内とを連通する開口部が形成されていてもよい。
さらに、ガラス壁118のうち、居室107と部屋108との間に位置するガラス壁118cには、出入口としての開口部が形成されている。
本参考例によれば、建物100の外周壁の一部として、外周壁のうち厚みの薄い他の壁よりも厚みが厚く形成された第一厚型壁体103と、第二厚型壁体104と、第三厚型壁体105と、が設けられているので、建物100を防護することができる。
さらに、第二厚型壁体104は、エントランス部106側の面に、収納凹部104aを有している。このような収納凹部104aには、例えば充電制御装置40を収納してもよいし、他のライフライン設備を収納してもよいし、ライフライン設備以外のものを収納してもよい。これにより、第二厚型壁体104に対し、建物1を防護する以外の機能を付加することができる。
さらに、第一ポーチ101から地階に至るルート上には、防水面材と、この防水面材を保持する保持部材と、を有する止水手段(第一止水手段45及び第二止水手段46の構成を参照)を設置し、地階への水の浸入を堰き止めるようにする。
〔参考例2〕
図7(a)は、本参考例の建物200における1階と地階を示す平断面図であり、図7(b)は、1.5階を示す平断面図である。
建物200は、1.5階建てであり、住人用スペースと、テナントスペースと、共用スペースと、からなる。
符号201は駐車スペースであるポーチを示しており、この第一ポーチ201は、共用スペースとなっている。第一ポーチ201の東側に設けられた側壁202には、開口部202aが形成されており、この開口部202aには、図示しない冷却ルーバー装置が設けられている。
第一ポーチ201の南側端部であって、かつ、建物200正面の東側コーナーには、厚みの厚い第一厚型壁体203が設けられている。
また、建物200正面の中央には、東西方向に幅広に形成された厚みの厚い第二厚型壁体204が設けられている。
第一厚型壁体203は、平面視において、第二厚型壁体204と直交する方向(南北方向)に幅広に形成されている。
第一ポーチ201の西側であって、建物200の正面には、階段205a付きの第二ポーチ205が設けられている。第二厚型壁体204は、この第二ポーチ205の中央付近に配置されている。
第二ポーチ205の床面の高さ位置は、第一ポーチ201の床面の高さ位置よりも上方に位置している。
第二厚型壁体204の北側空間がエントランス部106とされている。
エントランス部206から屋内に入った位置には、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させた部屋(以下、居室)207が設けられている。
居室207の東側には、ラウンジ208が設けられている。
ラウンジ208の北側には、地階に下がるための階段209が設けられている。
階段209を下がった先にはテナントスペースとしての部屋210が設けられている。
部屋210の東側には、地階のエントランス部211が設けられている。そして、このエントランス部211の南側に、上記の第一ポーチ201が設けられている。
居室207の北側には、1.5階に上がるための階段212が設けられている。
階段212を上がった先には廊下213があり、廊下213の西側には寝室214が設けられている。また、廊下213の東側端部には水廻り室215が設けられている。
さらに、廊下213及び水廻り室215の東側には、上方が屋外に開放されたドローンポートDPが設けられている。
ここで、ラウンジ208の東側、南側、西側の壁はガラス壁218とされている。
ガラス壁218のうち第一ポーチ201とラウンジ208との間に位置するガラス壁218a又はラウンジ208の南側に位置するガラス壁218bには、屋外と屋内とを連通する開口部が形成されていてもよい。
さらに、ガラス壁218のうち、居室207と部屋208との間に位置するガラス壁218cには、出入口としての開口部が形成されている。
本参考例によれば、建物200の外周壁の一部として、外周壁のうち厚みの薄い他の壁よりも厚みが厚く形成された第一厚型壁体203と、第二厚型壁体204と、が設けられているので、建物200を防護することができる。
さらに、第一厚型壁体203及び第二厚型壁体204は、それぞれ収納凹部203a,204aを有している。第一ポーチ201に面する収納凹部203aには、例えば充電制御装置40を収納してもよいし、第二厚型壁体204の収納凹部204aには、他のライフライン設備を収納してもよいし、ライフライン設備以外のものを収納してもよい。これにより、第一厚型壁体203及び第二厚型壁体204に対し、建物200を防護する以外の機能を付加することができる。
さらに、第一ポーチ201からテナントスペースとしての部屋210に至るルート上には、防水面材と、この防水面材を保持する保持部材と、を有する止水手段(第一止水手段45及び第二止水手段46の構成を参照)を設置し、部屋210への水の浸入を堰き止めるようにする。
〔参考例3〕
本参考例においては、図7に示す建物200のうち、駐車スペースである第一ポーチ201に車両昇降装置300を設置した構成について説明する。
車両昇降装置300は、図8に示すように、開口部202aが形成された側壁202に沿って配置され、かつ側壁202に固定されている。また、このような車両昇降装置300は、開口部202aの両側縁に沿って配置された複数の柱301と、複数の柱301における上端部間に架け渡された梁302と、複数の柱301に沿って上下方向に昇降動作する昇降板303と、を備える。そして、車両は、昇降板303上に駐車される。
昇降板303は、任意の高さ位置に移動させることができる。
図8(b)の例においては、昇降板303を、第二ポーチ205の高さ位置まで移動させた状態を示している。例えばガラス壁218aに、人の出入りが可能な開口部が形成されていれば、車両からラウンジ208への水平移動が可能となる。そのため、例えば車椅子での移動も可能となる。
図8(c)の例においては、昇降板303を、車両が天井に接触しない位置まで移動させた状態を示している。この高さまで昇降板303を上昇させることにより、昇降板303の下方を通過して、奥に位置するエントランス部211に移動することができる。さらに、昇降板303の下方に、車両をもう一台駐車することができる。
さらに、昇降板303を上方に移動させることによって、床下浸水や床上浸水があったときに、車両が浸水することを防ぐことができる。また、車両に人を乗せた状態で昇降板303を上方に移動させれば、車両だけでなく、浸水から人を守ることができるので、防災の面で極めて有利となる。
1 建物
2 バルコニー
2a 第一バルコニー
6 第一厚型壁体
7 第二厚型壁体
8 第三厚型壁体
10 第一ポーチ:駐車スペース
11 第二ポーチ
13 ポーチ壁
13a 西側開口部:第四開口部
14 冷却ルーバー装置
17 ラウンジ
17a 中央第一開口部:第一開口部
17b 中央第二開口部:第二開口部
17V 吹抜部
18 大空間室:テナントスペース
18a 東側開口部:第三開口部
21 玄関
21a 第一玄関開口部
21b 第二玄関開口部
31 居室
32 部屋
33 排気用壁
33a 開口部:第五開口部
34 ガラス壁
35 ガラス壁
36 壁
40 充電制御装置
41 雨水タンク
S 連通空間
DP ドローンポート

Claims (7)

  1. 外周壁を備える建物であって、
    前記外周壁が、
    前記外周壁の一部として設けられ、かつ前記外周壁のうち厚みの薄い他の壁よりも厚みが厚く形成された厚型壁体
    を有し、
    前記厚型壁体が、
    前記厚型壁体の側面を構成する複数の側壁部と、
    前記複数の側壁部によって囲まれた位置に形成された内部中空部と、
    前記内部中空部に収納され、少なくとも災害時に使用可能な屋外設置機器と、を備えており、
    前記外周壁が、他の厚型壁体を有し、
    前記厚型壁体及び前記他の厚型壁体は、建物の正面に設けられて間口方向に間隔を空けて配置されており、
    前記複数の側壁部のうち、前記他の厚型壁体の方に向いた側壁部には、前記内部中空部と外部とを連通する開口部が形成され
    前記厚型壁体と前記他の厚型壁体との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第一止水手段が着脱可能に設けられ、前記第一止水手段は、前記開口部よりも敷地外側に位置しており、
    ポーチが前記厚型壁体に関して前記他の厚型壁体の反対側において前記厚型壁体の側面に隣接して設けられ、箱型に形成されて上面が開口した箱型部が前記厚型壁体に関して前記他の厚型壁体の反対側において前記厚型壁体から離れて設けられ、前記箱型部が前記ポーチに隣接して設けられており、
    前記箱型部の上面の高さ位置は、前記ポーチの床面の高さ位置よりも上方に位置し、かつ、前記箱型部は、前記ポーチの床面よりも上方に位置する部位に、前記厚型壁体に対向する側面を有しており、
    前記厚型壁体と、前記箱型部における前記厚型壁体に対向する側面との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第二止水手段が着脱可能に設けられていること
    を特徴とする建物。
  2. 請求項1に記載の建物において、
    前記複数の側壁部及び前記内部中空部は、前記建物の上下階間に亘って長尺に形成されており、
    前記屋外設置機器は、雨水タンク設備とされており、
    前記雨水タンク設備は、
    前記内部中空部のうち下階側に配置されたタンク本体と、
    前記内部中空部のうち上階側に配置され、前記タンク本体に送水する集水パイプと、を有することを特徴とする建物
  3. 請求項1又は2に記載の建物において、
    前記屋外設置機器は、電力を供給可能とするとともに電力の供給を受けることができる充電制御装置とされており、
    前記充電制御装置は、前記内部中空部のうち前記開口部に隣接する位置に配置されていることを特徴とする建物
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の建物において、
    前記厚型壁体が、前記外周壁から前記建物が建築された敷地外に向かって突出していることを特徴とする建物
  5. 請求項4に記載の建物において、
    前記開口部は、前記側壁部のうち前記敷地外に向かって突出した部位よりも前記建物の中心側に位置していることを特徴とする建物
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の建物において、
    前記開口部が前記建物の下階に配置されていることを特徴とする建物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の建物において、
    前記ポーチが、前記厚型壁体から、前記外周壁のうち前記厚型壁体に関して前記他の厚型壁体の反対側の側面にかけて設けられ、
    前記箱型部が、前記箱型部における前記厚型壁体に対向する側面から、前記ポーチのうち前記厚型壁体に関して前記他の厚型壁体の反対側の縁にかけて設けられ、
    延長壁部が、前記箱型部のうち前記厚型壁体に関して前記他の厚型壁体の反対側の端部から、前記外周壁のうち前記厚型壁体に関して前記他の厚型壁体の反対側の前記側面に回り込んでその側面に繋がっていることを特徴とする建物。
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