JP2015014164A - 建物の通風構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】敷地外周部の温度上昇を抑制しつつ、屋外から屋内への通風性を向上させることによって、従来に比して、より快適な居住環境を形成する。
【解決手段】テラス部4は、当該テラス部4から建物本体2の屋内空間への空気の流入に支障を来す程度の段差がない状態で第一開口部6aの下縁部と隣り合うテラス床7と、当該テラス床7の周囲に設けられる塀8と、を有し、テラス床7と塀8は給水管9が埋め込まれた保水性材料からなる。建物本体2は、屋内空間を挟んで第一開口部6aと第二開口部6bとを接続するとともに空気を横方向に移動させるための横方向風洞部2aを有する。テラス部4には、第一開口部6aに対して略垂直に、かつテラス部4周囲または/および上方の範囲内に配置される面状の導風手段が設けられ、陽光を遮るとともに、テラス床7上方の空気が屋内空間に流入しやすくなるように規制している。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅等の建物の通風構造に関する。
夏場のような温暖な時期であっても快適な居住環境を形成することを目的として、特許文献1に記載のような技術が知られている。特許文献1に記載の技術においては、採風用の窓開口部から最も離間した位置に配置された階段室と、この階段室の上部設けられた天窓およびシーリングファンを利用して建物内の換気を行っている。すなわち、窓開口部から採り込んだ外気を、部屋の内部を通り抜けさせて階段室まで到達させることで、空気を流通させることができる。
特開2010−116670号公報
ところで、特に夏場などの温暖な時期においては、建物周囲の敷地外周部の温度が上昇してしまうため、窓等の開口部から単に外気を採り込むだけでは、十分に快適な居住環境を形成しにくいという問題がある。そこで、敷地外周部の温度上昇を抑制しつつ、屋外から屋内への通風性を向上させたいという要望があった。
本発明の課題は、敷地外周部の温度上昇を抑制しつつ、屋外から屋内への通風性を向上させることによって、従来に比して、より快適な居住環境を形成することが可能な建物の通風構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図13に示すように、建物本体2と、当該建物本体2の外周面を構成する外壁3の屋外側に設けられるテラス部4と、を備える建物1の通風構造において、
前記外壁3は、当該外壁3のうち前記テラス部4に面する箇所に形成される第一開口部6aと、前記テラス部4とは反対側の箇所に形成される第二開口部6bと、を有しており、
前記テラス部4は、当該テラス部4から前記建物本体2の屋内空間への空気の流入に支障を来す程度の段差がない状態で前記第一開口部6aの下縁部と隣り合うテラス床7と、当該テラス床7の周囲の少なくとも一部に設けられる塀8と、を有し、
前記テラス床7と前記塀8は保水性材料(例えばコンクリート7a、礫体8a)からなり、かつ当該保水性材料に灌水するための給水管9が埋め込まれるようにして構成されており、
前記建物本体2は、前記屋内空間を挟んで前記第一開口部6aと前記第二開口部6bとを接続するとともに空気を横方向に移動させるための横方向風洞部2aを有しており、
前記テラス部4には、前記第一開口部6aに対して略垂直に、かつ前記テラス部4周囲または/および上方の範囲内に配置される面状の導風手段(例えば袖壁40a、外壁面40b、屋外天井面40c、日除け部40d)が設けられており、
当該導風手段によって、陽光を遮るとともに、前記テラス部4周辺に風が生じた場合に、前記テラス床7上方の空気が前記屋内空間に流入しやすくなるように規制していることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記テラス部4は、保水性材料からなる前記テラス床7と前記塀8とを有するので、前記給水管9を通じて保水性材料に灌水することで、その気化熱により前記テラス床7および前記塀8の周囲の温度を下げることができる。すなわち、敷地外周部である前記テラス部4内の空気およびテラス部4を通過する空気を冷やし、温度上昇を抑制することができる。
そして、このように前記テラス部4で冷やされた空気を前記横方向風洞部2aに吹き込ませることによって、当該空気を、前記第一開口部6aから前記第二開口部6bに向けて前記屋内空間を横切るようにして移動させることができるので、前記屋内空間の温度を低下させることが可能となり、快適な居住環境を形成できる。
また、前記テラス床7は、前記第一開口部6aの下縁部に対して、空気の流入に支障を来す程度の段差がない状態で隣り合うので、屋外の空気を屋内空間に吹き込ませやすくなっている。しかも、前記導風手段は面状であり、前記第一開口部6aに対して略垂直になるように前記テラス部4に配置されるので、前記テラス部4周辺に風が生じた場合に、前記テラス床7上方の空気が前記屋内空間に流入しやすくなるように規制でき、前記テラス部4から前記屋内空間へと吹き込む空気の誘導路として機能することになる。また、当該面状の導風手段は、前記第一開口部6aに対して略垂直に配置されるため、前記第一開口部6aの側方や上方、斜め上方から射し込む陽光を遮りやすくなり、前記テラス部4の温度上昇を抑制しつつ、前記屋内空間の温度上昇も抑制することができる。
これによって、屋外から前記屋内空間への通風性を向上させることができるので、従来に比して、より快適な居住環境を形成することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1,図2,図5〜図7に示すように、請求項1に記載の建物1の通風構造において、
前記建物1は、前記建物本体2の上部に設けられる屋根5を備えており、
前記屋根5は、開閉可能に構成された第三開口部6cを有しており、
前記建物本体2は、前記屋内空間を介して前記第一開口部6aと前記第三開口部6cとを接続するとともに空気を上昇させるための縦方向風洞部2bを有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記テラス部4で冷やされた空気を前記縦方向風洞部2bに吹き込ませることによって、当該空気を、前記第一開口部6aから前記第三開口部6cに向けて前記屋内空間を移動させることができるので、当該空気の移動経路にある屋内空間の温度を低下させることが可能となり、より快適な居住環境を形成できる。しかも、温かい空気は上昇する性質を備えているので、前記第三開口部6cからの排気効率は高いものとなる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1〜図3,図5,図6,図8〜図11等に示すように、請求項1または2に記載の建物1の通風構造において、
前記導風手段は、前記外壁3のうち前記テラス部4の周囲を囲むようにして配置される袖壁40aまたは外壁面40bを備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記導風手段である前記袖壁40aまたは外壁面40bは、前記テラス部4の周囲を囲むようにして配置されるので、当該袖壁40aまたは外壁面40bで囲まれた部分が、前記テラス部4から前記屋内空間へと吹き込む空気の誘導路として機能する。これによって、前記テラス部4の空気を、前記第一開口部6aを通じて前記屋内空間へとより吹き込ませやすくなる。また、側方や斜め上方から前記テラス部4または前記第一開口部6aに射し込む陽光を、前記袖壁40aまたは前記外壁面40bによって遮ることが可能となる。
請求項4に記載の発明は、例えば図2,図8に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物1の通風構造において、
前記導風手段は、前記テラス部4の上方に配置されて当該テラス部4の上方を囲むようにして配置される屋外天井面40cを備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記導風手段である前記屋外天井面40cは、前記テラス部4の上方を囲むようにして配置されるので、当該屋外天井面40cで囲まれた部分が、前記テラス部4から前記屋内空間へと吹き込む空気の誘導路として機能する。これによって、前記テラス部4の空気を、前記第一開口部6aを通じて前記屋内空間へとより吹き込ませやすくなる。また、前記テラス部4の上方に当該屋外天井面40cが配置されることによって、上方から前記テラス部4または前記第一開口部6aに射し込む陽光を遮ることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1〜図3,図8〜図11に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物1の通風構造において、
前記導風手段は、前記テラス部4の上方に配置されて当該テラス部4の上方を囲むようにして配置される日除け部40dを備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、前記導風手段である前記日除け部40dは、前記テラス部4の上方を囲むようにして配置されるので、上方から前記テラス部4または前記第一開口部6aに射し込む陽光を確実に遮ることができる。また、当該日除け部40dで囲まれた部分が、前記テラス部4から前記屋内空間へと吹き込む空気の誘導路として機能するので、前記テラス部4の空気を、前記第一開口部6aを通じて前記屋内空間へとより吹き込ませやすくなる。
請求項6に記載の発明は、例えば図10に示すように、請求項5に記載の建物1の通風構造において、
前記日除け部40dは、前記外壁3側から前記塀8の上方に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体41を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、前記日除け部40dは、前記外壁3側から前記塀8の上方に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体41を有するので、当該幕状体41を必要な時に展開させて前記テラス部4の上方を囲むようにして配置でき、上方から前記テラス部4または前記第一開口部6aに射し込む陽光をより確実に遮ることができる。また、前記幕状体41は、前記外壁3側から前記塀8の上方に向かって展開するため、比較的深い位置(建物1寄りの位置)から陽光を遮ることができる。これによって、季節によって日射角が変わっても確実に陽光を遮ることができる。
請求項7に記載の発明は、例えば図1〜図3,図8,図9に示すように、請求項5に記載の建物1の通風構造において、
前記日除け部40dは、前記テラス部4を挟んで、前記第一開口部6aが形成された箇所の前記外壁3と対向する位置に設置された門型支柱42と、
当該門型支柱42の上端部から前記外壁3に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体41と、を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、前記日除け部40dは、前記門型支柱42と、当該門型支柱42の上端部から前記外壁3に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体41とを有するので、当該幕状体41を必要な時に展開させて前記テラス部4の上方を囲むようにして配置でき、上方から前記テラス部4または前記第一開口部6aに射し込む陽光をより確実に遮ることができる。
また、当該日除け部40dは、前記外壁3から離間して配置された自立式の日除け部40dであるため、前記外壁3側の構造や形状等に左右されることなく、採用することができるので好ましい。
請求項8に記載の発明は、例えば図1〜図3,図8,図9に示すように、請求項4を引用する請求項7に記載の建物1の通風構造において、
前記幕状体41の展開方向先端は、前記屋外天井面40cの下方に配置されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、前記幕状体41の展開方向先端は、前記屋外天井面40cの下方に配置されているので、前記屋外天井面40cと前記幕状体41とが平面視において連続的に配置されることとなる。これによって、前記テラス部4の上方を、当該屋外天井面40cと幕状体41とによって確実に囲むことができるので、より確実に陽光を遮ることができる。
請求項9に記載の発明は、例えば図1〜図3,図8,図9に示すように、請求項8に記載の建物1の通風構造において、
前記幕状体41の展開方向先端は、前記屋外天井面40cとの間に通風用の間隔を空けて配置されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、前記幕状体41の展開方向先端は、前記屋外天井面40cとの間に通風用の間隔を空けて配置されているので、前記幕状体41の上方と下方から通風させる際に都合が良い。また、このように前記幕状体41の上方と下方から通風ができれば、通風ルートを二方向に分けたり、例えば展開方向先端に鍔(例えば、保持枠43の上端部43a)を取り付けることにより、いわゆる風レンズ原理に基づく技術を適用させたりすることができる。
請求項10に記載の発明は、例えば図11に示すように、請求項5に記載の建物1の通風構造において、
前記外壁3は、当該外壁3から前記テラス部4の上方に張り出す張出部34を有し、前記屋外天井面40cは、当該張出部34の下端面によって構成されており、
前記日除け部40dは、前記張出部34の下端部から前記塀8の上方に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体41を有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、前記屋外天井面40cは、前記張出部34の下端面によって構成されているので、当該張出部34によって、上方から前記テラス部4または前記第一開口部6aに射し込む陽光を遮りながら、当該張出部34を例えばバルコニー等として利用できる。
また、前記日除け部40dは、前記張出部34の下端部から前記塀8の上方に向かって設けられるので、当該日除け部40dを前記第一開口部6aの上方に取り付ける必要が無くなり、その分、当該第一開口部6aの開口面積を広く確保できる。
さらに、前記幕状体41の前記塀8までの長さが、前記日除け部40dを前記第一開口部6aの上方に取り付けた場合と比較して短いものであっても、当該第一開口部6aの上方に取り付けた場合と同様の日影の面積を確保できる。また、逆に言えば、前記幕状体41の前記塀8までの長さが、前記日除け部40dを前記第一開口部6aの上方に取り付けた場合と比較して略等しいものであれば、その分日影の面積を広げることができるので、前記テラス部4の奥行きを広くすることが可能となる。
請求項11に記載の発明は、例えば図1,図2,図6,図8等に示すように、請求項2〜10のいずれか一項に記載の建物1の通風構造において、
前記第一開口部6aが形成された箇所の前記外壁3の屋内空間には、隣接する他の空間(例えば台所15)よりも天井高が高く設定された高天井部16aが設けられ、
前記高天井部16aの天井付近と前記縦方向風洞部2bとが通気部(例えば低天井の収納室24)を介して接続されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、温かい空気は上昇する性質を備えているので、前記高天井部16aには前記第一開口部6aが形成された箇所の前記外壁3の屋内空間の温かい空気が溜まりやすくなる。このように前記高天井部16aに溜まった空気を、当該高天井部16aから前記通気部を介して前記縦方向風洞部2bへと直接流入させることができるので、いわゆる煙突効果によって排気(排熱)効率を高めることができる。
請求項12に記載の発明は、例えば図1〜図3,図6,図8に示すように、請求項5〜10のいずれか一項を引用する請求項11に記載の建物1の通風構造において、
前記第一開口部6aが形成された箇所の前記外壁3には、前記第一開口部6aよりも上方に、かつ前記高天井部16aに面して高窓16bが形成されており、
前記日除け部40dは、前記第一開口部6aと前記高窓16bとの境界部分と略等しい高さに配置されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、前記日除け部40dは、前記第一開口部6aと前記高窓16bとの境界部分と略等しい高さに配置されているので、当該日除け部40dの上方と下方から通風させることができる。そして、前記日除け部40dの上方を通過する空気を、前記高窓16bから前記高天井部16aに向かって吹き込ませることによって、前記高天井部16aに溜まった温かい空気を前記縦方向風洞部2bへと流入させやすくなる。これによって、前記屋内空間における通風性を向上できるので、より快適な居住環境を形成できる。
請求項13に記載の発明は、例えば図12に示すように、請求項1〜12のいずれか一項に記載の建物1の通風構造において、
前記テラス床7(7A,7B)の上面は、前記建物本体2の下階の床よりも高い位置に配置されていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、前記テラス床7(7A,7B)の上面は、前記建物本体2の下階の床よりも高い位置に配置されているので、前記テラス床7(7A,7B)上を通過する空気は、吹き下ろすようにして前記第一開口部6aを介して前記屋内空間に吹き込むこととなる。これによって、前記テラス部4の空気を、単に横から吹く場合に比して勢いよく前記屋内空間に吹き込ませることができ、屋外から屋内空間への通風性をより向上させることができる。
請求項14に記載の発明は、例えば図12,図13(b)に示すように、請求項3〜13のいずれか一項に記載の建物1の通風構造において、
前記給水管9には、雨水を貯留して当該雨水を前記給水管9側に供給する雨水タンク54,55が接続されており、
前記雨水タンク54,55は、前記テラス床7Bの床下空間または前記袖壁40aの内部に収納されていることを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、前記雨水タンク54,55が、前記テラス床7Bの床下空間または前記袖壁40aの内部のような前記テラス部4近傍にあるので、前記給水管9側に雨水を供給する際に都合が良い。また、前記雨水タンク54,55が、前記テラス床7Bの床下空間または前記袖壁40aの内部のような外から隠れた位置にあるので、テラス部4近傍の見栄えが良い。
本発明によれば、敷地外周部であるテラス部の温度上昇を抑制しつつ、屋外から屋内空間への通風性を向上させることによって、従来に比して、より快適な居住環境を形成することが可能となる。
建物本体の概略を示す斜視図である。 建物本体の概略を示す断面図である。 テラス部周囲を示す斜視図である。 テラス部周囲を示す断面図である。 建物の1階および1.5階を示す平断面図である。 建物の2階を示す平断面図である。 建物の2.5階を示す平断面図である。 日除け部およびその周囲の構成の一例を示す断面図である。 風レンズの原理に基づく技術を適用した場合の日除け部周囲の空気の流れを説明する図である。 日除け部およびその周囲の構成の他の一例を示す断面図である。 日除け部およびその周囲の構成の他の一例を示す断面図である。 テラス床の上面と下階の床との高さ方向の位置関係を説明する図である。 灌水手段の他の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態で説明する図5〜図7の紙面上において上が北、下が南、左が西、右が東とされている。
図1〜図13において符号1は、建物を示す。この建物1は、2.5階建ての建物本体2と、当該建物本体2の外周面を構成する外壁3の屋外側に設けられるテラス部4と、建物本体2の上部に設けられる屋根5と、を備える。
また、テラス部4には、陽光を遮るとともに、当該テラス部4を構成するテラス床7上方の空気を建物本体2の屋内空間に誘導する導風手段が設けられている。
まず、建物本体2について説明する。
建物本体2には、周囲を外壁3によって囲まれることによって屋内空間が形成されており、この屋内空間を内壁等によって仕切ることによって複数の部屋が形成されている。
建物本体2の1階には、複数の部屋が配置されている。
すなわち、図5に示すように、1階の北側には、玄関10と、この玄関10の北側に位置する便所11・浴室12・洗面所13等の水廻りと、洗面所13の東側に位置するユーティリティー室14と、このユーティリティー室14の南側であって玄関10の東側に位置する台所15と、が配設されている。
1階の南側には、台所15の南側に位置するリビング・ダイニングとして利用される居室16と、この居室16の西側に位置する低天井(0.5階分の高さ:例えば0.8〜1.4mの天井高)の収納室(図示せず)と、この収納室の北側であって居室16の西側に位置する階段室17と、が配設されている。
なお、階段室17には、1階から2.5階まで接続する階段17aおよび複数の踊り場が設けられている。階段17aは、踊り場を含む回り階段状に形成されている。
前記低天井の収納室の上方には、図5に示すように、1.5階の部屋として和室18が配設されている。この和室18は、階段室17の階段を上がって最初の踊り場側に出入口が設けられている。
また、居室16は、この居室16に隣接する他の空間である前記台所15よりも天井高が高く設定された高天井部16aを有する。その高さは、前記低天井の収納室の上方に設けられた和室18と等しい高さとされている。
建物本体2の2階には、複数の部屋が配置されている。
すなわち、図6に示すように、階段17aを上がった位置に設けられ、東西に延びる廊下20と、廊下20の北側に位置する部屋21,22と、廊下20の東側に位置する便所23と、廊下20および便所23の南側に位置する低天井の収納室24と、が配設されている。
図6において階段室17の南側は、1.5階の和室18の天井付近であり、低天井の収納室24の南側は、居室16の高天井部16aである。
建物本体2の2.5階には、複数の部屋が配置されている。
すなわち、図7に示すように、階段17aを上がった位置に設けられるとともに平面視略T型に形成され、南北に長く延びる廊下30と、廊下30の東側および西側に位置する部屋31,32と、廊下30の北側に位置する収納所33と、が配設されている。
図7には、北側に、2階の廊下20や、2階の部屋21,22、便所23の天井付近が表されている。
また、本実施の形態において、2.5階の部屋31,32や廊下30を構成する外壁3は、当該外壁3から前記テラス部4の上方に張り出す張出部34を有する。
本実施の形態の張出部34はバルコニーである。ただし、これに限られるものではなく、例えば庇や軒天井、外壁のオーバーハング部のように、外側(テラス部4の上方)に向かって張り出すものであればよいものとする。
外壁3は、当該外壁3のうち前記テラス部4に面する箇所に形成される第一開口部6aと、前記テラス部4とは反対側の箇所に形成される第二開口部6bと、を有する。これら第一開口部6aと第二開口部6bはどちらも建物本体2の1階部分に設けられている。
第一開口部6aは、ガラス付きのサッシが設けられた掃き出し窓であり、第二開口部6bは、ガラス付きのサッシが設けられた窓である。
また、外壁3には、これら第一開口部6aと第二開口部6b以外にも複数の窓が設けられている。例えば、第二開口部6bの近傍に地窓13aが設けられており、第二開口部6bによる排気の補助として機能する。
屋根5は、図2に示すように、いわゆる招き屋根の形状である。また、この屋根5は、開閉可能に構成された第三開口部6cを有する。この第三開口部6cは天窓であり、自動または手動で開閉される。
また、第三開口部6cの下方には、図2,図7に示すようにシーリングファン6dが設けられている。このシーリングファン6dは、正逆回転可能とされている。第三開口部6cを排気口として使用する場合は、上向きに送風できる方向に回転している。
なお、本実施の形態において第三開口部6cは天窓としたが、これに限られるものではない。例えば図示はしないが、第一屋根と第二屋根とを備え、これら第一屋根および第二屋根は、第一屋根が第二屋根より上方で、かつ互いに段差を有するように配置されてなる屋根に設けられる高窓であってもよい。すなわち、この高窓は、第一屋根と第二屋根との段差間に形成される外壁に設けられている。このような高窓も自動または手動で開閉可能に構成され、外壁は縦方向風洞部2bの一部を形成している。
そして、以上のように周囲に外壁3が設けられ、上部に屋根5が設けられた建物本体2は、図1,図2,図5〜図7に示すように、横方向風洞部2aと、縦方向風洞部2bと、を有する。
横方向風洞部2aは、前記屋内空間を挟んで前記第一開口部6aと前記第二開口部6bとを接続するとともに空気を横方向に移動させるためのものである。
縦方向風洞部2bは、前記屋内空間を介して前記第一開口部6aと前記第三開口部6cとを接続するとともに空気を上昇させるためのものである。
横方向風洞部2aは、図1,図2,図5に示すように、建物本体2の1階に配設された居室16と、台所15と、洗面所13とを挟んで前記第一開口部6aと前記第二開口部6bとを接続する領域を指している。
すなわち、第一開口部6aは、テラス部4と居室16との間に設けられた外壁3に形成されており、第二開口部6bは、居室16とは反対側の方角にある洗面所13の外壁3に形成されている。そして、これら第一開口部6aと第二開口部6bとの間に、居室16と台所15と洗面所13とが配置されている。
さらに、居室16と台所15との間や、台所15と洗面所13との間には、通風を可能とする開口部(出入口)が設けられている。また、この開口部に扉等が設けられていたとしても、当該扉に換気ガラリ等が設けられたり、当該扉の上方の壁に欄間が設けられたりすることによって、通気用の開口が確保されているものとする。このようにして第一開口部6aと第二開口部6bとが接続された状態となっている。
縦方向風洞部2bは、図1,図2,図5〜図7に示すように、建物本体2の1階に配設された居室16と、階段室17とを介して前記第一開口部6aと前記第三開口部6cとを接続する領域を指している。
すなわち、第一開口部6aは、テラス部4と居室16との間に設けられた外壁3に形成されており、第三開口部6cは、屋根5のうち階段室17の上方に位置する箇所に形成されている。そして、これら第一開口部6aと第三開口部6cとの間に、居室16と階段室17とが配置されている。
階段室17は居室16に対して開口しており、階段室17自体は遮るものがないオープンな空間となっている。このようにして第一開口部6aと第三開口部6cとが接続された状態となっている。さらに、第三開口部6cの下方に設けられたシーリングファン6dによって縦方向風洞部2bによる排気機能を向上させている。
また、第一開口部6aが形成された箇所の外壁3の屋内空間にあたる居室16には、上述のように高天井部16aが設けられている。また、第一開口部6aが形成された箇所の外壁3には、図1〜図3に示すように、第一開口部6aよりも上方に、かつ前記高天井部16aに面して高窓16bが形成されている。
また、高天井部16aと2階の低天井の収納室24との間に設けられる内壁24aには開口部24bが形成されており、換気ガラリが嵌め込まれている。さらに、低天井の収納室24の出入口には引戸24cが設けられており、この引戸24cには換気ガラリ等が設けられたり、当該引戸の上方の壁に欄間が設けられたりすることによって、通気用の開口が確保されている。
すなわち、第一開口部6aおよび高窓16bから高天井部16aに吹き込んだ空気は、横方向風洞部2aを通過して洗面所13側に流れる場合と、2階の低天井の収納室24を通過する場合とがある。
なお、第一開口部6aおよび高窓16bから高天井部16aに吹き込んだ空気が、2階の低天井の収納室24を通過する場合、当該空気は、収納室24の出入口(引戸24cの通気用の開口)から、2階の廊下20を経て、階段室17へと至る。
すなわち、高天井部16aの天井付近と前記縦方向風洞部2bは、低天井の収納室24および廊下20を介して接続されている。低天井の収納室24および廊下20は、高天井部16aと縦方向風洞部2bとを通気可能に接続する通気部として機能する。なお、本実施の形態では、廊下20を介するものとしたが、低天井の収納室24と縦方向風洞部2b(階段室17)とを開口部等により直接接続してもよい。
次に、テラス部4について説明する。
テラス部4は、当該テラス部4から前記建物本体2の屋内空間への空気の流入に支障を来す程度の段差がない状態で前記第一開口部6aの下縁部と隣り合うテラス床7と、当該テラス床7の周囲の少なくとも一部に設けられる塀8と、を有する。
前記テラス床7と前記塀8は保水性材料からなり、かつ当該保水性材料に灌水するための給水管9が埋め込まれるようにして構成されている。
テラス床7を構成する保水性材料は、例えば砂を混入することなく、かつ強度を補う添加剤を添加することなく、粒度3〜20mmの軽石(乾燥比重が0.4)50〜62重量%とポルトランドセメント50〜38重量%との配合物に、水40〜50重量%を散布して混練した状態のコンクリート7aを固めたものが挙げられる。なお、軽石は産地により乾燥比重が多少ばらつくが、大きな相違はない。
このような保水性材料で構成されたテラス床7は、保水性能および透水(浸透)性能を有する。
また、配合比を容積で表すと、軽石(乾燥比重が0.4)70〜85容積%と、ポルトランドセメント30〜15容積%との配合物に対して水20〜30容積%を散布して混練するものである。
さらに、このように軽石を骨材とするコンクリートの含水比重は、セメントと砕石等の天然骨材とポルトランドセメントのみを使用したコンクリートの約60%であり、乾燥比重は、約50%である。
保水性能については、軽石を骨材として使用したテラス床7の含水比重は約1200kg/m2であり、およそ300kg/m3以上の水分を保水できる。また、浸透性能については、軽石で保水しきれなくなった水分を透過させるので、天然骨材を使用したコンクリートと同等の性能を得ることができる。
すなわち、このような軽石を骨材とするテラス床7を、例えば舗装面の舗装材として用いた場合、例えばテラス床7を50mmの厚みで舗装すると、含水重量は60kg/m2であり、乾燥比重は45kg/m2であるから15リットルの水を保水することが可能となり、優れた性能を有している。
給水管9は、当該テラス床7を構成するコンクリート7aの上面に形成された溝Mに収納されるようにして配管されている。当該溝Mは、コンクリート7aが固まる前に型となる棒状部材(図示せず)を設けておき、コンクリート7aが固まった後に棒状部材を抜き取ることで形成される。
なお、給水管9は、テラス床7の広い範囲に行き渡るように枝分かれ状に広がるようにして配管されている。
テラス床7は、より詳細に説明すると、図4に示すように、地盤上に設けられる砂利層7bと、当該砂利層7b上に敷設される有孔の導水シート7cと、当該導水シート7c上に設けられる前記コンクリート7aの層と、当該コンクリート7aの層の上に設けられる仕上げ材7dの層と、を備える。
コンクリート7aの層は、上述のように保水性能および浸透性能を有することによって保水層として機能するものである。なお、本実施の形態においては1日で蒸発する水量(例えば5リットル/m2)を保水できればよいものとする。
砂利層7bは、排水層として機能するものであり、コンクリート7aの層で保水しきれなかった水(余剰水)を地盤に排水することができる。
導水シート7cは、吸水機能を有するものであり、コンクリート7aの層に保水された水を拡散させるために設けられている。
仕上げ材7dの層を構成する仕上げ材7dは、化粧砂利をアクリルウレタンで固めた樹脂舗装や多孔質の保水タイル材が好適に使用される。このような仕上げ材7dが使用されることによって、仕上げ材7dの層は、いわゆる笊(ザル)のような状態となっている。
このような構成のテラス床7によれば、保水層であるコンクリート7aの層に水が保水され、その気化熱により当該テラス床7の周囲の温度を下げることができる。すなわち、敷地外周部であるテラス部4内の空気およびテラス部4を通過する空気を冷やし、温度上昇を抑制することができる。さらに、導水シート7cによって水を拡散できるので、水を広い範囲に行き渡らせやすくなる。
また、大雨等によって大量の水がテラス床7に降り注いだとしても、排水層である砂利層7bを通じて地盤に排水できるので、水溜りによるカビの発生を抑えることができる。
さらに、仕上げ材7dの層によって、コンクリート7aの層や給水管9を遮蔽できるので、意匠性の高いテラス床7を形成できる。
本実施の形態のテラス床7の高さは、テラス部4から屋内空間への空気の流入に支障を来す程度の段差がない状態となるように設定されている。具体的には、仕上げ材7dの層の表面から第一開口部6aに設けられたサッシ枠の下縁部の上端部までの高さが200mm以内となるように設定されている。
なお、サッシ枠の下縁部は、テラス床7から屋内空間に向かって徐々に上がるように傾斜しているので、テラス部4から屋内空間に向かって空気を流入させやすくすることができる。
なお、温かい空気と冷たい空気の場合、温かい空気は上昇する性質があり、冷たい空気は下降する性質がある。このような性質を考慮すれば、図12(a),(b)に示すように、テラス床7A,7Bの上面が、建物本体2の1階の床よりも高い位置に配置されていてもよい。これによって、テラス床7A,7B上を通過する比較的冷たい空気は、吹き下ろすようにして第一開口部6aを介して屋内空間に吹き込むこととなる。
図12(a)に示す例では、建物1が建築される敷地が、敷地外の土地よりも下がった状態となっており、建物1の1階はいわゆる半地下の状態となっている。テラス床7Aは、敷地と敷地外の土地との間の傾斜地に設けられている。
図12(b)に示す例では、テラス床7B自体が、建物1に向かって下り勾配となるように略台形状に形成されている。なお、このテラス床7Bの床下空間には、後述する雨水タンク54が収納されている。
そして、このようにテラス床7A,7Bの上面が、建物本体2の下階の床よりも高い位置に配置されているので、テラス部4の空気を、単に横から吹く場合に比して勢いよく屋内空間に吹き込ませることができ、屋外から屋内空間への通風性をより向上させることができる。
塀8は、当該テラス部4に複数設けられており、これら複数の塀8は、図1,図3,図5に示すように、雁行するようにして配置されている。ただし、これに限られるものではなく、複数の塀8を横並びに配置してもよいし、風を取り込みやすくするために斜めに配置してもよい。
塀8を構成する保水性材料は、図1〜図4に示すように、例えば火山岩を砕いた軽石や他の採石などからなる多数の礫体8aであり、保水性能および透水性能を有する。このような多数の礫体8aは、網状容器8b内に充填されている。
網状容器8bは、例えばステンレスやその他のスチール等の金属製の線状部材によって網目状に形成されている。網状容器8bは、言い換えれば、当該線状部材によってカゴ状、メッシュ状に形成された容器である。また、その形状やサイズは任意であり、本実施の形態においては略直方体状に形成されている。
また、当該網状容器8bに充填される一つ一つの礫体8aは形状が異なり、さらに網状容器8bの網目よりも大きいものを使用する。
なお、ここで「礫」とは、粒状のものよりも大きく、かつブロック等の塊状のものよりも小さく形成されたものを指している。また、本実施の形態の礫体8aは、一つ一つの形状が異なるものとしたが、人工的に略同形状に加工したものを用いてもよい。
また、塀8は、支柱(図示せず)および基礎8cによって、敷地に安定的に設置されている。
給水管9は、網状容器8b内の広い範囲に行き渡るように、当該網状容器8b内を枝分かれ状に広がるようにして配管されている。
複数の塀8の上端部にはそれぞれ植栽容器8dが設けられ植物が栽培されている。この植栽容器8d内にも保水性材料および給水管9が配管されており、保水性材料に灌水できるとともに保水が可能となっている。また、各塀8の両脇には、植木が設けられている。
なお、植栽容器8d内に設けられる保水性材料は、テラス床7を構成するコンクリート7aと同様のものが採用されている。そして、この保水性材料の上に土壌が設けられている。
次に、導風手段について説明する。
すなわち、テラス部4には、図1〜図3,図5〜図9に示すように、第一開口部6aに対して略垂直に、かつテラス部4周囲または/および上方の範囲内に配置される面状の導風手段が設けられている。そして、当該導風手段によって、陽光を遮るとともに、テラス部4周辺に風が生じた場合に、テラス床7上方の空気が屋内空間に流入しやすくなるように規制している。
導風手段は、袖壁40aまたは外壁面40bと、屋外天井面40cと、日除け部40dと、を備える。
袖壁40aまたは外壁面40bは、外壁3のうちテラス部4の周囲を囲むようにして配置されるものであり、テラス部4に面している。
本実施の形態においては、外壁3が、これら袖壁40aおよび外壁面40bを備えるようにして形成されている。
より詳細に説明すると、第一開口部6aが形成された箇所の外壁3は、他の箇所の外壁3よりも屋内に後退した状態で配置されている。これに伴って、第一開口部6aが形成された箇所の外壁3の左右両側に、当該外壁3よりも前方に突出した状態の袖壁40aおよび外壁面40bが形成されている。
屋外天井面40cは、テラス部4の上方に配置されて当該テラス部4の上方を囲むようにして配置されるものであり、テラス部4に面している。また、この屋外天井面40cは、袖壁40aおよび外壁面40b間に設けられている。
なお、本実施の形態の屋外天井面40cは、図2,図8に示すように、前記張出部34の下端面によって構成されている。すなわち、張出部34は、袖壁40aおよび外壁面40bを構成する外壁3の上端部に設けられている。そして、このように屋外天井面40cが、張出部34の下端面によって構成されているので、当該張出部34によって、上方からテラス部4または第一開口部6aに射し込む陽光を遮りながら、当該張出部34をバルコニーや庇等として利用できる。
また、この屋外天井面40cと、袖壁40aおよび外壁面40bと、テラス床7とによって、トンネル状(筒状)の空間を形成することができる。
日除け部40dは、テラス部4の上方に配置されて当該テラス部4の上方を囲むようにして配置されるものであり、テラス部4に面している。当該日除け部40dは、拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体41を有する。
なお、幕状体41を有する日除け部40dとしては、例えばオーニング装置やシェード等が好適に採用される。本実施の形態の日除け部40dはオーニング装置が採用される。日除け部40dを、例えばシェードとした場合には、その展開方向先端を外壁3に取り付けるようにしてもよい。さらに、オーニング装置とシェード、またはその他の日除け装置を併用してもよい。
また、本実施の形態の幕状体41は、門型支柱42の上端部(後述する梁42b)から第一開口部6aが形成された箇所の外壁3に向かって拡縮自在に展開する。
オーニング装置である日除け部40dは、前記幕状体41と、門型支柱42、保持枠43と、一対のアーム44,45と、を有する。
なお、幕状体41は、図示しない巻き取り装置によって巻き取り可能とされている。この巻き取り装置は、幕状体41の展開方向の基端側に位置する。
門型支柱42は、日除け部40dを自立させるためのものであり、テラス部4を挟んで、第一開口部6aが形成された箇所の外壁3と対向する位置に設置されている。より具体的には、当該門型支柱42は、テラス部4の塀8の近傍に配置されている。
また、当該門型支柱42は、下端部が、地盤に埋設された基礎と一体化されることにより地盤に安定的に立設される複数本の柱42aと、これら複数本の柱42a間に架設される梁42bと、を備え、正面視において略門型に形成されている。そして、両端部に位置する柱42a,42a間に塀8が配置され、かつ梁42bの下方に塀8が配置された状態となっている。
保持枠43は、幕状体41の展開方向の先端を保持し、一体的に展開方向・巻き取り方向に移動するものである。
一対のアーム44,45は、図2,図3,図8に示すように、幕状体41の展開方向の先端および保持枠43を、門型支柱42の上端部(梁42b)に接近・離間する方向へ屈伸可能とするものである。当該一対のアーム44,45の一端部は回転軸を介して門型支柱42に取り付けられ、他端部は回転軸を介して保持枠43に取り付けられている。そして、当該一対のアーム44,45は、平面視において略「く」の字状に屈伸可能に形成されている。すなわち、一本のアーム44(45)自体は、回転軸を介して接続された二本のアーム構成部材を主体として構成されている。
また、当該一対のアーム44,45は、幕状体41よりも上方に位置している。なお、このような幕状体41の上面と一対のアーム44,45とで囲まれた領域は、空気が通過する通気路として機能する。また、幕状体41は、巻き取り装置と保持枠43との間に張った状態とすることも可能であり、図8に示すように下方に膨らむようにして湾曲させた状態とすることも可能となっている。
以上のような日除け部40dにおける幕状体41の展開方向先端(および保持枠43)は、図8に示すように、屋外天井面40cの下方に配置されている。すなわち、門型支柱42の上端部から外壁3側に幕状体41を展開させた時における当該幕状体41の展開方向先端の位置が、屋外天井面40cの下方となっている。これによって、屋外天井面40cと幕状体41とが平面視において連続的に配置されることとなる。
また、このように幕状体41の展開方向先端を屋外天井面40cの下方に配置できるようにするために、伸長時の一対のアーム44,45の長さが適宜設定されている。また、幕状体41の展開できる長さも適宜設定されている。
また、幕状体41の展開方向先端は、図8に示すように、屋外天井面40cとの間に通風用の間隔を空けて配置されている。
このような間隔の広さ(幕状体41の展開方向先端と屋外天井面40cと間の長さ)は調整可能となっている。すなわち、前記一対のアーム44,45は側面視における角度を適宜調整できるように構成されている。図示はしないが、これら一対のアーム44,45は、第一開口部6aに対して略垂直となるように角度調整できるように構成されている。これに伴って、幕状体41も第一開口部6aに対して略垂直に配置されることとなる。
これによって、日除け部40dの角度を変更できるので、季節ごとに異なる日射角にも対応しやすい。なお、図8において符号Sは夏の日射角を示し、符号Wは冬の日射角を示す。
また、以上のように幕状体41の展開方向先端を、屋外天井面40cとの間に間隔を空けて配置することができるので、図8に示すように、日除け部40dを、第一開口部6aと高窓16bとの境界部分と略等しい高さに配置することができる。すなわち、幕状体41の展開方向先端を、外壁3のうち第一開口部6aと高窓16bとの境界部分に該当する箇所と略等しい高さに配置することができる。これによって、日除け部40d(幕状体41)の上方と下方から通風させることができる。
なお、このように日除け部40d(幕状体41)の上方と下方から通風させることができれば、例えば展開方向先端に鍔(フランジ状の部材)を取り付けることにより、いわゆる風レンズ原理に基づく技術を適用させることができる。
ここで、風レンズとは、近年、風力発電装置の風車と組み合わせて用いられ、風の入口から出口に向かって広がる筒(ディフューザ)と、出口周辺の鍔(フランジ)からなる。そして、筒の中と筒の外とを風が通り抜けると、風レンズの後方に空気の渦が発生し、圧力が低下するため、筒の入口付近の風速が増加する。これによって、筒内部に設けられた風車による発電効率を向上できる、というものである。
このような風レンズの原理を、本実施の形態の日除け部40dによって再現することができる。このため、幕状体41の展開方向先端を保持する保持枠43は、幕状体41および一対のアーム44,45よりも上方に突出しており、当該保持枠43の上端部43aが、風レンズの鍔として機能することになる。また、袖壁40aおよび外壁面40bも、風レンズの筒を構成する一要素として機能することになる。
すなわち、図2,図9に示すように、幕状体41の上方と下方を空気が通過すると、保持枠43の上端部によって幕状体41の展開方向先端側に空気の渦が発生し、圧力が低下する。これによって、幕状体41の巻き取り装置側の風速が増加し、第一開口部6aから屋内空間に吹き込む空気の速度と量を増加させることができる。
本実施の形態の日除け部40dは、門型支柱42によって自立するタイプのものを採用したが、これに限られるものではなく、例えば図10,図11に示すようなタイプを始めとする様々なタイプの日除け部40dを採用してもよいものとする。
図10に示す例では、幕状体41が、第一開口部6aが形成された箇所の外壁3から塀8の上方に向かって展開している。また、本例では、テラス部4の上方に張り出す張出部としてはオーバーハング部35が採用され、外壁3には高窓16bが形成されていない状態となっている。
そして、オーバーハング部35の下端面によって屋外天井面40cが構成され、当該屋外天井面40cの下方に袖壁40aおよび外壁面40bが設けられている。
さらに、日除け部40dとして、例えばシェードを採用した場合には、展開方向先端を塀8に取り付けてもよい。
図10における日除け部40dは、外壁3側から塀8の上方に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体41を有するので、当該幕状体41を必要な時に展開させてテラス部4の上方を囲むようにして配置でき、上方からテラス部4または第一開口部6aに射し込む陽光をより確実に遮ることができる。また、幕状体41は、外壁3側から塀8の上方に向かって展開するため、比較的深い位置(建物1寄りの位置)から陽光を遮ることができる。これによって、季節によって日射角が変わっても確実に陽光を遮ることができる。
図11に示す例では、幕状体41が、バルコニーである張出部34の下端部から塀8の上方に向かって展開している。より詳細には、日除け部40dは、張出部34の下端部のうちの垂直面に対して取り付けられている。
なお、外壁3には高窓16bが形成されていない状態となっている。そして、張出部34の下端面によって屋外天井面40cが構成され、当該屋外天井面40cの下方に袖壁40aおよび外壁面40bが設けられている。
さらに、日除け部40dとして、例えばシェードを採用した場合には、展開方向先端を塀8に取り付けてもよい。
図11における日除け部40dは、張出部34の下端部から塀8の上方に向かって設けられるので、当該日除け部40dを第一開口部6aの上方に取り付ける必要が無くなり、その分、当該第一開口部6aの開口面積を広く確保できる。さらに、幕状体41の塀8までの長さが、日除け部40dを第一開口部6aの上方に取り付けた場合と比較して短いものであっても、当該第一開口部6aの上方に取り付けた場合と同様の日影の面積を確保できる。また、逆に言えば、幕状体41の前記塀8までの長さが、日除け部40dを第一開口部6aの上方に取り付けた場合と比較して略等しい(アーム44,45の長さが略等しい)ものであれば、その分日影の面積を広げることができるので、前記テラス部4の奥行きを広くすることが可能となる。
そして、このような図11の例によれば、バルコニー等の張出部34を利用して日除け部40dを建物本体2に取り付けることによって敷地外周部の温度上昇を抑制しつつ、屋外から屋内への通風性を向上させたい、という要望に対して好適に対応できる。
次に、テラス床7および塀8に水を供給する灌水手段について説明する。
本実施の形態の灌水手段は、図1,図2,図5に示すように、雨水タンク50と、竪樋51と、給水本管52と、ポンプ53と、前記給水管9と、を備える。
竪樋51は、屋根の軒樋と接続されており、下端部が、雨水タンク50に対して雨水を送る管と、地面に排水する管とに分岐している。
雨水タンク50は、当該竪樋51のうち雨水を送る方の管の下方に設けられており、雨水を貯留できるようになっている。なお、雨の少ない時には水道から水を貯留できるようにしてもよいものとする。また、浴室12の浴槽と雨水タンク50とを管12aで接続し、風呂水を貯留できるようにしてもよい。
この雨水タンク50は、給水本管52およびポンプ53を介して前記給水管9に接続されている。
給水本管52は、雨水タンク50の下端部に接続されており、テラス床7および塀8のそれぞれの給水管9に枝分かれするようにして接続されている。当該給水本管52の中途部には、ポンプ53が設けられており、このポンプ53によって雨水タンク50に貯留された雨水を、給水管9に送ることができる。また、給水本管52およびポンプ53は地中に埋設されているものとする。
また、図示はしないが、ポンプ53によって雨水を給水管9に送る際に、タイマーに基づいて行うようにしてもよい。
なお、灌水手段は、以上の例に限られるものではなく、適宜変更可能である。
例えば図12(b)に示す例では、テラス床7Bの床下空間に雨水タンク54が収納されている。テラス床7Bは、テラス床7と同様に保水性材料からなるものである。このため、テラス床7Bと雨水タンク54との間には、当該雨水タンク54に貯留された雨水をテラス床7Bの保水性材料に供給するための雨水供給手段(図示せず)が設けられているものとする。
また、雨水タンク54に対しては、図示はしないが、屋根の軒樋に接続された竪樋から雨水を供給できるようになっている。
また、図13に示す例では、袖壁40aの内部に雨水タンク55が収納されている。この雨水タンク55にも、当該雨水タンク55に対して雨水を送る管と、地面に排水する管とに分岐した竪樋56が接続されている。さらに、雨水タンク55の下端部には、蛇口付きの給水本管57が接続されている。給水本管57は、テラス床7および塀8のそれぞれの給水管9に枝分かれするようにして接続されている。
また、雨水タンク55にはオーバーフロー管58が接続されており、袖壁40a内部で水が溢れ出ることを防ぐことができる。
さらに、雨水タンク55を収納する袖壁40aは内部中空状に形成されており、竪樋56やオーバーフロー管58は、当該袖壁40aの内部中空部に配管されて目立たないようになっている。
雨水タンク54,55が、テラス床7Bの床下空間または袖壁40aの内部のようなテラス部4近傍にあれば、雨水タンク54,55とテラス部4との距離が近いので、給水管9側に雨水を供給する際に都合が良い。また、雨水タンク54,55が、テラス床7Bの床下空間または袖壁40aの内部のような外から隠れた位置にあるので、テラス部4近傍の見栄えが良い。
次に、本実施の形態の建物1の通風構造における空気の流れについて説明する。
まず、灌水手段によってテラス床7および塀8に水を供給し、当該テラス床7および塀8を構成する保水性材料に雨水等の水を保水させる。
保水状態のテラス床7および塀8の周囲にある敷地外周部の空気は、テラス床7および塀8に保水された水の気化熱によって冷やされた状態となる。
続いて、日除け部40dの幕状体41を、図1〜図3,図8,図9に示すように、門型支柱42から外壁3側へと展開させる。この時、幕状体41の展開方向先端および保持枠43を、屋外天井面40cとの間に間隔を空けた状態となるように配置する。これによって、風レンズの原理を利用できるので、第一開口部6aから屋内空間に吹き込む空気の速度と量を増加させることができる。
また、第一開口部6aと第二開口部6bとを開放状態にする。さらに、これら第一開口部6aと第二開口部6bとの間にある開口部も開放状態とし、横方向風洞部2aを利用した空気の移動ができる状態とする。
続いて、第三開口部6cを開放状態にする。さらに、シーリングファン6dを必要に応じて上向きに送風できる方向に回転させる。これによって、縦方向風洞部2bを利用した空気の移動ができる状態となる。
なお、高窓16bを開放状態とすることによって、通気部である低天井の収納室24を介した空気の移動も促進される。また、高窓16bを開放状態とすることで、上記の風レンズの原理を利用した通風量の増加等の効果を享受できる。
そして、図1,図2,図5〜図7に示すように、第一開口部6aおよび高窓16bから屋内空間に吹き込んだ空気は、横方向風洞部2aを通って第二開口部6bから排気されるとともに、縦方向風洞部2bを通って第三開口部6cから排気される。
このような空気の流れが形成されると、テラス部4の空気を屋内空間に継続的に吹き込ませることができる。また、塀8およびテラス床7の上方を通過する空気を気化熱によって継続的に冷やすことができる。
また、図8に示すように、日除け部40dによって陽光を遮ることができるので、テラス部4における温度上昇を抑制しつつ、比較的冷たい空気を屋内空間に吹き込ませることができる。
本実施の形態によれば、テラス部4は、保水性材料からなるテラス床7と塀8とを有するので、給水管9を通じて保水性材料に灌水することで、その気化熱によりテラス床7および塀8の周囲の温度を下げることができる。すなわち、敷地外周部であるテラス部4内の空気およびテラス部4を通過する空気を冷やし、温度上昇を抑制することができる。
そして、このようにテラス部4で冷やされた空気を横方向風洞部2aに吹き込ませることによって、当該空気を、第一開口部6aから第二開口部6bに向けて屋内空間を横切るようにして移動させることができるので、屋内空間の温度を低下させることが可能となり、快適な居住環境を形成できる。
また、テラス床7は、第一開口部6aの下縁部に対して、空気の流入に支障を来す程度の段差がない状態で隣り合うので、屋外の空気を屋内空間に吹き込ませやすくなっている。しかも、導風手段である袖壁40a、外壁面40b、屋外天井面40c、日除け部40dは面状であり、第一開口部6aに対して略垂直になるようにテラス部4に配置されるので、前記テラス部4周辺に風が生じた場合に、前記テラス床7上方の空気が前記屋内空間に流入しやすくなるように規制でき、テラス部4から屋内空間へと吹き込む空気の誘導路として機能することになる。また、当該面状の導風手段は、第一開口部6aに対して略垂直に配置されるため、第一開口部6aの側方や上方、斜め上方から射し込む陽光を遮りやすくなり、テラス部4の温度上昇を抑制しつつ、屋内空間の温度上昇も抑制することができる。
これによって、屋外から屋内空間への通風性を向上させることができるので、従来に比して、より快適な居住環境を形成することが可能となる。
また、テラス部4で冷やされた空気を縦方向風洞部2bに吹き込ませることによって、当該空気を、第一開口部6aから第三開口部6cに向けて屋内空間を移動させることができるので、当該空気の移動経路にある屋内空間の温度を低下させることが可能となり、より快適な居住環境を形成できる。しかも、温かい空気は上昇する性質を備えているので、第三開口部6cからの排気効率は高いものとなる。
また、導風手段である袖壁40aまたは外壁面40bは、テラス部4の周囲を囲むようにして配置されるので、当該袖壁40aまたは外壁面40bで囲まれた部分が、テラス部4から屋内空間へと吹き込む空気の誘導路として機能する。これによって、テラス部4の空気を、第一開口部6aを通じて屋内空間へと吹き込ませやすくなる。また、側方や斜め上方からテラス部4または第一開口部6aに射し込む陽光を、袖壁40aまたは外壁面40bによって遮ることが可能となる。
また、導風手段である屋外天井面40cは、テラス部4の上方を囲むようにして配置されるので、当該屋外天井面40cで囲まれた部分が、テラス部4から屋内空間へと吹き込む空気の誘導路として機能する。これによって、テラス部4の空気を、第一開口部6aを通じて屋内空間へとより吹き込ませやすくなる。また、テラス部4の上方に当該屋外天井面40cが配置されることによって、上方からテラス部4または第一開口部6aに射し込む陽光を遮ることが可能となる。
また、導風手段である日除け部40dは、テラス部4の上方を囲むようにして配置されるので、上方からテラス部4または第一開口部6aに射し込む陽光を確実に遮ることができる。また、当該日除け部40dで囲まれた部分が、テラス部4から屋内空間へと吹き込む空気の誘導路として機能するので、テラス部4の空気を、第一開口部6aを通じて屋内空間へとより吹き込ませやすくなる。
また、日除け部40dは、門型支柱42と、当該門型支柱42の上端部から外壁3に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体41とを有するので、当該幕状体41を必要な時に展開させてテラス部4の上方を囲むようにして配置でき、上方からテラス部4または第一開口部6aに射し込む陽光をより確実に遮ることができる。
また、当該日除け部40dは、外壁3から離間して配置された自立式の日除け部40dであるため、外壁3側の構造や形状等に左右されることなく、採用することができるので好ましい。
また、幕状体41の展開方向先端は、屋外天井面40cの下方に配置されているので、屋外天井面40cと幕状体41とが平面視において連続的に配置されることとなる。これによって、テラス部4の上方を、当該屋外天井面40cと幕状体41とによって確実に囲むことができるので、より確実に陽光を遮ることができる。
また、幕状体41の展開方向先端は、屋外天井面40cとの間に通風用の間隔を空けて配置されているので、幕状体41の上方と下方から通風させる際に都合が良い。また、このように幕状体41の上方と下方から通風ができれば、通風ルートを二方向に分けたり、例えば展開方向先端に鍔を取り付けることにより、いわゆる風レンズ原理に基づく技術を適用させたりすることができる。
風レンズ原理に基づく技術を採用すれば、第一開口部6aから屋内空間に吹き込む空気の速度と量を増加させることができるので好ましい。
また、温かい空気は上昇する性質を備えているので、高天井部16aには第一開口部6aが形成された箇所の外壁3の屋内空間の温かい空気が溜まりやすくなる。このように高天井部16aに溜まった空気を、当該高天井部16aから通気部である低天井の収納室24を介して縦方向風洞部2bへと直接流入させることができるので、いわゆる煙突効果によって排気(排熱)効率を高めることができる。
また、日除け部40dは、第一開口部6aと高窓16bとの境界部分と略等しい高さに配置されているので、当該日除け部40dの上方と下方から通風させることができる。そして、日除け部40dの上方を通過する空気を、高窓16bから高天井部16aに向かって吹き込ませることによって、高天井部16aに溜まった温かい空気を縦方向風洞部2bへと流入させやすくなる。これによって、屋内空間における通風性を向上できるので、より快適な居住環境を形成できる。
1 建物
2 建物本体
2a 横方向風洞部
2b 縦方向風洞部
3 外壁
4 テラス部
5 屋根
6a 第一開口部
6b 第二開口部
6c 第三開口部
7 テラス床
8 塀
9 給水管
34 張出部
40a 袖壁
40b 外壁面
40c 屋外天井面
40d 日除け部
41 幕状体

Claims (14)

  1. 建物本体と、当該建物本体の外周面を構成する外壁の屋外側に設けられるテラス部と、を備える建物の通風構造において、
    前記外壁は、当該外壁のうち前記テラス部に面する箇所に形成される第一開口部と、前記テラス部とは反対側の箇所に形成される第二開口部と、を有しており、
    前記テラス部は、当該テラス部から前記建物本体の屋内空間への空気の流入に支障を来す程度の段差がない状態で前記第一開口部の下縁部と隣り合うテラス床と、当該テラス床の周囲の少なくとも一部に設けられる塀と、を有し、
    前記テラス床と前記塀は保水性材料からなり、かつ当該保水性材料に灌水するための給水管が埋め込まれるようにして構成されており、
    前記建物本体は、前記屋内空間を挟んで前記第一開口部と前記第二開口部とを接続するとともに空気を横方向に移動させるための横方向風洞部を有しており、
    前記テラス部には、前記第一開口部に対して略垂直に、かつ前記テラス部周囲または/および上方の範囲内に配置される面状の導風手段が設けられており、
    当該導風手段によって、陽光を遮るとともに、前記テラス部周辺に風が生じた場合に、前記テラス床上方の空気が前記屋内空間に流入しやすくなるように規制していることを特徴とすることを特徴とする建物の通風構造。
  2. 請求項1に記載の建物の通風構造において、
    前記建物は、前記建物本体の上部に設けられる屋根を備えており、
    前記屋根は、開閉可能に構成された第三開口部を有しており、
    前記建物本体は、前記屋内空間を介して前記第一開口部と前記第三開口部とを接続するとともに空気を上昇させるための縦方向風洞部を有することを特徴とする建物の通風構造。
  3. 請求項1または2に記載の建物の通風構造において、
    前記導風手段は、前記外壁のうち前記テラス部の周囲を囲むようにして配置される袖壁または外壁面を備えることを特徴とする建物の通風構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物の通風構造において、
    前記導風手段は、前記テラス部の上方に配置されて当該テラス部の上方を囲むようにして配置される屋外天井面を備えることを特徴とする建物の通風構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物の通風構造において、
    前記導風手段は、前記テラス部の上方に配置されて当該テラス部の上方を囲むようにして配置される日除け部を備えることを特徴とする建物の通風構造。
  6. 請求項5に記載の建物の通風構造において、
    前記日除け部は、前記外壁側から前記塀の上方に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体を有することを特徴とする建物の通風構造。
  7. 請求項5に記載の建物の通風構造において、
    前記日除け部は、前記テラス部を挟んで、前記第一開口部が形成された箇所の前記外壁と対向する位置に設置された門型支柱と、
    当該門型支柱の上端部から前記外壁に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体と、を有することを特徴とする建物の通風構造。
  8. 請求項4を引用する請求項7に記載の建物の通風構造において、
    前記幕状体の展開方向先端は、前記屋外天井面の下方に配置されていることを特徴とする建物の通風構造。
  9. 請求項8に記載の建物の通風構造において、
    前記幕状体の展開方向先端は、前記屋外天井面との間に通風用の間隔を空けて配置されていることを特徴とする建物の通風構造。
  10. 請求項5に記載の建物の通風構造において、
    前記外壁は、当該外壁から前記テラス部の上方に張り出す張出部を有し、前記屋外天井面は、当該張出部の下端面によって構成されており、
    前記日除け部は、前記張出部の下端部から前記塀の上方に向かって拡縮自在に展開する陽光を遮るための幕状体を有することを特徴とする建物の通風構造。
  11. 請求項2〜10のいずれか一項に記載の建物の通風構造において、
    前記第一開口部が形成された箇所の前記外壁の屋内空間には、隣接する他の空間よりも天井高が高く設定された高天井部が設けられ、
    前記高天井部の天井付近と前記縦方向風洞部とが通気部を介して接続されていることを特徴とする建物の通風構造。
  12. 請求項5〜10のいずれか一項を引用する請求項11に記載の建物の通風構造において、
    前記第一開口部が形成された箇所の前記外壁には、前記第一開口部よりも上方に、かつ前記高天井部に面して高窓が形成されており、
    前記日除け部は、前記第一開口部と前記高窓との境界部分と略等しい高さに配置されていることを特徴とする建物の通風構造。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の建物の通風構造において、
    前記テラス床の上面は、前記建物本体の下階の床よりも高い位置に配置されていることを特徴とする建物の通風構造。
  14. 請求項3〜13のいずれか一項に記載の建物の通風構造において、
    前記給水管には、雨水を貯留して当該雨水を前記給水管側に供給する雨水タンクが接続されており、
    前記雨水タンクは、前記テラス床の床下空間または前記袖壁の内部に収納されていることを特徴とする建物の通風構造。
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