JP2022051999A - 厚型壁体及び建物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、災害時にも利用できる屋外設置機器が外部に露出して設けられていると、災害時に被害を受けて万が一の場合に稼働できないような事態の発生が想定される。そのため、災害時にも利用できる屋外設置機器を保護し、建物における災害対応力の向上を図りたいという要望がある。
前記厚型壁体7の側面を構成する複数の側壁部SWと、
前記複数の側壁部SWによって囲まれた位置に形成された内部中空部HPと、
前記内部中空部HPに収納され、少なくとも災害時に使用可能な屋外設置機器(充電制御装置40、雨水タンク設備41)と、を備えており、
前記複数の側壁部SWのうちいずれかの側壁部SWには、前記内部中空部HPと外部とを連通する開口部7a,7cが形成されていることを特徴とする。
さらに、厚型壁体7が、建物1の外周壁の一部として設けられると、建物1における壁量を担保できるので、建物1のうち厚型壁体7が設けられた面に、大きな開口部を形成することができる。そのため、建物1の見栄えをより良くすることできる。
前記複数の側壁部SW及び前記内部中空部HPは、前記建物1の上下階間に亘って長尺に形成されており、
前記屋外設置機器は、雨水タンク設備41とされており、
前記雨水タンク設備41は、
前記内部中空部HPのうち下階側に配置されたタンク本体41aと、
前記建物1の屋根から雨水を収集し、前記タンク本体41aに送水する集水パイプと、を有することを特徴とする。
前記屋外設置機器は、充放電可能なバッテリを有する車両との間で相互に電力供給を可能とする充電制御装置40とされており、
前記充電制御装置40は、前記内部中空部HPのうち前記開口部7aに隣接する位置に配置されていることを特徴とする。
前記外周壁から前記建物1が建築された敷地外に向かって突出していることを特徴とする。
前記開口部7aは、前記側壁部SWのうち前記敷地外に向かって突出した部位よりも前記建物1の中心側に位置していることを特徴とする。
前記厚型壁体7及び前記他の厚型壁体6,8は、建物の1正面に設けられて間口方向に間隔を空けて配置されており、
前記厚型壁体7と前記他の厚型壁8体との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第一止水手段が着脱可能に設けられ、前記第一止水手段は、前記開口部7aよりも敷地外側に位置していることを特徴とする。
前記厚型壁体7の側面に隣接してポーチ11(第二ポーチ11)が設けられるとともに前記ポーチ11に隣接して花壇部16が設けられており、
前記花壇部16の上面の高さ位置は、前記ポーチ11の床面の高さ位置よりも上方に位置し、かつ、前記花壇部16は、前記ポーチ11の床面よりも上方に位置する部位に、前記厚型壁体7に対向する側面を有しており、
前記厚型壁体7と、前記花壇部16における前記厚型壁体7に対向する側面との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第二止水手段が着脱可能に設けられていることを特徴とする。
手摺壁3における西側端部の西側には、横長のルーバー材が上下に連なる格子壁部4が設けられている。また、手摺壁3の下端部には、手摺壁3よりも前方及び側方に張り出す庇5が設けられている。
第一厚型壁体6は、上記の建築用パネル(建築用壁パネル)を四角筒状に組んで構築したものであり、この第一厚型壁体6自体には開口部が形成されていない。
第二厚型壁体7は、上記の建築用パネル(建築用壁パネル)を四角筒状に組んで構築したものである。そして、第二厚型壁体7には、複数の開口部7a,7b,7cが形成されており、これら複数の開口部7a,7b,7cから第二厚型壁体7の内部中空部HPを利用できるようになっている。当該内部中空部HPには、例えば屋外設置機器(以下、ライフライン設備)として充電制御装置40や雨水タンク設備41が収納されている(図3参照)。
なお、雨水タンク設備41への雨水の供給は、建物1の屋根から第二厚型壁体7の内部中空部HPに通される配管を通じて行われる。
また、この第二厚型壁体7の内部中空部を利用した機能を始めとする建物1の防災機能については後述する。
第三厚型壁体8は、上記の建築用パネル(建築用壁パネル)を四角筒状に組んで構築したものであり、この第三厚型壁体8自体には開口部が形成されていない。
なお、手摺壁3における西側端部は、インナーテラス部9の外壁9aの正面に接続されている。そのため、バルコニー2は、インナーテラス部9を境界に、西側と東側に分割されている。なお、西側のバルコニー2を、以下、第一バルコニー2aと称し、東側のバルコニー2を、以下、第二バルコニー2bと称する。
すなわち、第二厚型壁体7を境にして東側と西側に位置する領域は、この第二厚型壁体7によって概略的に分けられることになる。例えば東側と西側の領域のうち、一方をプライベート性の強い領域とし、他方をパブリック性の強い領域とすれば、第二厚型壁体7による領域分けの特性が際立ち、建物1における外観性を向上できるので好ましい。
第一ポーチ10の奥(北側)には、建物1の玄関21が設けられている。
また、第一ポーチ10の床は、玄関21(北側)から屋外(南側)に向かって下り勾配となるスロープ状に形成されている。そのため、屋外から玄関21に向かうルート上のバリアフリー化が可能となり、人の通行や、車椅子での通行がしやすく、車両も駐車しやすい。
冷却ルーバー装置14は、保水した複数の冷却ルーバー材間を空気が流通したときの気化熱によって周囲の温度を下げるための装置であり、屋外から第一ポーチ10内に空気を取り込むのに合わせて第一ポーチ10内を冷却できるようになっている。
本実施形態における冷却ルーバー装置14は、上端部の高さ位置が、第一ポーチ10の天井付近までの高さに設定されているが、これに限られるものではなく、この上端部の高さ位置は適宜変更可能とする。すなわち、冷却ルーバー装置14の上端部と、第一ポーチ10の天井との間に、図2に示すよりも大きな隙間を形成し、より多くの空気を取り込めるようにしてもよい。
また、冷却ルーバー装置14に水を供給する給水源は、水道であってもよいし、雨水を利用してもよい。
雨水を利用する場合は、建物1の屋根から第二厚型壁体7の内部中空部HPに通され、ポーチ屋根12の内部中空部に通される配管を通じて行われる。すなわち、冷却ルーバー装置14に雨水を供給するための配管は、雨水タンク設備41に雨水を供給するための配管から分岐するものであってもよいし、別々の配管でもよい。また、ポーチ屋根12に降り注いだ雨水も利用することができる。
このように冷却ルーバー装置14への給水に雨水を利用できれば、例えば災害等により水道の断水が発生しても、雨さえ降れば、冷却ルーバー装置14に水を供給することができるので、たとえ断水が発生しても冷却ルーバー装置14に対して給水できるようにしたいという要望に応えることができて災害対応力の向上を図ることができる。
また、建物1の屋根の面積を広くしたり、片流れ式の屋根にしたりすれば、効率よく雨水を収集できるので好ましい。
第二ポーチ11の床面は、床タイルによって仕上げられており、第一ポーチ10の床面よりも高さ位置が高く設定されている。
また、第二ポーチ11の南側縁部には、第二ポーチ11と地面とを繋ぐポーチ階段15と、箱型に形成されて上面が開口した花壇部16と、が設けられている。なお、ポーチ階段15も、第二ポーチ11と同様の床タイルによって仕上げられている。
第二ポーチ11とラウンジ17との間の開口部(出入口)には、扉が設けられている。本実施形態において扉は、自動ドアとされている。
ラウンジ17の奥(北側)には、建物1の玄関21が設けられている。
すなわち、建物1には、当該建物1の1階を東西方向に貫通する連通空間Sが形成されており、この連通空間S内には、西側から、駐車スペースとしての第一ポーチ10、半屋外空間としてのラウンジ17、テナントスペースとしての大空間室18が連続して配置されている。
中央第一開口部17aに設けられたガラス窓は、複数の地窓と、その上方に位置する複数の窓と、を備えており、これらの窓のうち少なくとも一つの窓が開閉可能に構成されている。中央第一開口部17aにおける開閉可能な窓は、単に空気の流通だけが可能な程度に開閉するものとしてもよいし、物品の受け渡しが可能な程度に開閉するものとしてもよいし、人の行き来が可能な程度に開閉するものとしてもよい。
中央第二開口部17bに設けられたガラス戸は、複数の折戸を備えている。ただし、これに限られるものではなく、引戸や引き違い戸でもよいし、開き戸でもよい。更には、自動開閉式でもよし、手動開閉式でもよい。中央第二開口部17bにおけるガラス戸は、人の行き来が可能なものであり、ガラス戸を開け放てば、当然、空気の流通や物品の受け渡しも可能となっている。
東側開口部18aは、第一厚型壁体6の北端部から収納室19の東側に位置する外周壁にかけて幅広に形成されている。
そして、このような東側開口部18aと、西側開口部13a、中央第一開口部17a、中央第二開口部17bは、開口幅が等しく設定されている。さらに、西側開口部13a、中央第一開口部17a、中央第二開口部17b、東側開口部18aは、上端部の高さ位置も等しく設定されている。また、下端部の高さ位置については、西側開口部13aは他よりも上方に位置しているが、中央第一開口部17a、中央第二開口部17b、東側開口部18aは、下端部の高さ位置も等しく設定されている。
この収納室19は、天井高が0.8~1.4メートルに設定された低天井収納空間である。この0.8m~1.4mの天井高とは、人が収納室19に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保するための高さ範囲であり、かつ、このように天井高を必要最小限に抑えることで、建物1の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくすることができる高さ範囲である。
サブ空間は、壁によってメイン空間と区切られない空間である。すなわち、大空間室18は、メイン空間と、このメイン空間と連続するサブ空間と、を有して平面視略L字型に形成されている。なお、サブ空間の南側に位置する壁には、複数の掃き出し窓と、これら複数の掃き出し窓の上方に位置する高窓が設けられた大開口部が形成されている。
小部屋20は、壁20a,20bによって大空間室18におけるメイン空間及びサブ空間と区切られており、大空間室18に付属している。一方の壁20aは、平面視においてL字型に形成され、メイン空間に面するとともに第二厚型壁体7に対向して設けられている。他方の壁20bは、第一厚型壁体6に対向して設けられている。
なお、大空間室18のうちメイン空間の天井は、部分的に天井高の高い折り上げ天井とされており、サブ空間や小部屋20の天井高よりも高く設定されている。
なお、テナントスペースとは、従業者が仕事を行う場所を指し、大空間室18のメイン空間だけでなく、サブ空間、収納室19、小部屋20もテナントスペースに含まれるものとする。
また、大空間室18のメイン空間における北側の壁面には、壁付けの複数の家具が設けられているが、これら複数の家具の間に位置する壁面には鏡18bが設けられている。大空間室18の内部の景色を鏡18bに映し出すことにより、大空間室18を更に広い空間に見せることができる。
建物1における1階部分のうち住人用スペースとされた領域には、第一ポーチ10及びラウンジ17の北側に位置する上記の玄関21が設けられている。
第一玄関開口部21aには、引戸又は引き違い戸が設けられ、第二玄関開口部21bには引戸が設けられている。
玄関21の床面は、第一ポーチ10の床面よりも上方に位置するとともに、ラウンジ17の床面と連続し、ラウンジ17の床面と同様の床タイルによって仕上げられている。
宅配ボックス22の北側には、玄関21の北側を回り込むようにしてシューズクローク23が設けられている。
玄関21の北側であって、かつシューズクローク23の東側には、ホール24が設けられ、このホール24は、東側に伸びている。
そして、ホール24の先には、1.5階及び2階に上がるためのエレベーター25と、1.5階及び2階に上がるための階段26と、エレベーター25及び階段26の裏側(東側)に回り込む収納室27と、が設けられている。収納室27は、開口していない壁を介して上記の収納室19と東西に隣接し、当該収納室19と同様、天井高が0.8~1.4メートルに設定されている。
居室31の南側には、上記のバルコニー2及びインナーテラス部9が設けられている。インナーテラス部9は、居室31からバルコニー2側に突出した位置に配置されており、居室31と連続する屋内空間として用いられている。
第一バルコニー2aは、上記の格子壁部4の内側に位置しており、屋外からの空気を取り込みやすくなっている。なお、格子壁部4に替えて、冷却ルーバー装置を設置してもよいものとする。
また、第一バルコニー2aの西側には、上記の第二厚型壁体7が設けられており、更にその西側には、ドローンの発着場となるドローンポートDPが設けられている。
部屋32とホール29との間に位置する中間領域32aには、トイレ及び洗面台が設けられている。
すなわち、ポーチ屋根12の上方である屋外空間と吹抜部17Vとの間に設けられた壁33は、排気用壁33とされている。
このような厚型壁体は、外周壁の一部として、開口を有する外壁(例えば東側開口部18aが形成された壁など)よりも外方に位置して設けられている。
また、厚型壁体は、建物から敷地外に向かって突出し、上記の開口を有する外壁よりも開口が少なく、かつ厚さが厚く形成されている。さらに、平面視においては建物の間口方向と直交する方向に長く形成されている。
なお、本実施形態においては、第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8を含む、建物1の東西側面に位置する外周壁(東側開口部18aが形成された壁を除く)が、厚みが厚く形成されている。
また、玄関21周りの壁と、小部屋20の一方の壁20aも、平面視において厚みが厚く形成されている。
本実施形態における建物1には、第一厚型壁体6と、第二厚型壁体7と、第三厚型壁体8と、花壇部16を利用した防災機能が備えられている。
側壁部SWは、上記の建築用パネル(建築用壁パネル)によって構成されている。そのため、建物1の各壁との一体性を確保しやすくなっている。
第一厚型壁体6は、1階から屋根の高さまで設けられている。これに伴い、内部中空部HPも、1階から屋根の高さまで形成されている。
また、第三厚型壁体8は、1階から2階床よりも上方に突出する程度の高さに設定されている。これに伴い、内部中空部HPも、1階から2階床の高さまで形成されている。なお、この第三厚型壁体8の上端部は、ポーチ壁13と一体化しており、フラットな屋根面とその周縁部に立設されたパラペット壁とを有する。
ここで、側壁部SWは、単体での厚みが、外周壁のうち厚みの薄い他の壁(例えば東側開口部18aが形成された壁など)と同程度に設定されている。したがって、このような側壁部SWが四方に配置されて平断面視においてロ字型に形成された第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8は、上記の外周壁のうち厚みの薄い他の壁に比して、極めて堅牢性に優れている。
第二厚型壁体7を構成する側壁部SWの厚みは、第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8における側壁部SWと同一である。したがって、第二厚型壁体7の内部中空部HPは、第一厚型壁体6及び第三厚型壁体8における内部中空部HPよりも広く形成されている。
また、第二厚型壁体7の高さは、建物1側に位置する部位が1階から屋根までの高さに設定され、前方に突出している側の部位が1階から屋根の直下までの高さに設定されている。これに伴い、第二厚型壁体7における内部中空部HPは、下階側中空部HP1と、上階側中空部HP2と、を有する。
このような充電制御装置40は、図示しない分電盤に接続され、通常時においては、太陽光発電装置や系統電源から電力を受けて車両に充電することができ、災害時等においては車両から電力を受けて家庭内で使用することができる。
そして、本実施形態の充電制御装置40は、下階側中空部HP1に収納されている。
また、このような充電制御装置40が駐車スペースである第一ポーチ10の近傍に配置されることになるので、大規模発電所の電力供給に頼らないマイクログリッドによる周辺地域との間での電力融通が可能となる。
例えば建物1の屋根の面積を広くし、太陽光発電装置の面積を広く確保できれば、多くの電力を得ることができるので、通常時だけでなく、災害時における自然エネルギーの活用を促進し、建物1における災害対応力を向上できる。また、屋根の面積もさることながら、例えば屋根として、南側に面した片流れ屋根等を採用できれば、太陽光発電装置による発電効率を向上できるので好ましい。
タンク本体41aは、内部中空部HPのうち下階側中空部HP1に配置されており、図示しない蛇口部やオーバーフロー管を備える。
集水パイプは、内部中空部HPのうち上階側中空部HP2に配置されており、建物1の屋根から雨水を収集してタンク本体41aに送水する。より具体的には、屋根の周囲に取り廻された雨樋から竪樋を介して集水パイプが雨水を受けることができるようになっている。
この設備用開口部7aは、第二厚型壁体7の1階部分における西側の側壁部SWのうち敷地外に向かって突出した部位よりも建物1の中心側に位置している。そして、充電制御装置40は、内部中空部HP(下階側中空部HP1)のうち設備用開口部7aに隣接する位置に配置されている。反対に、雨水タンク設備41は、内部中空部HP(下階側中空部HP1)のうち設備用開口部7aから遠い方(敷地外に向かって突出した部位の内部中空部)の位置に配置されている。
設備用開口部7aには、横長のルーバー材が上下に連なる格子壁部42が設けられており、内部中空部HPを換気しつつ、目隠しできるようになっている。格子壁部42は着脱自在とされている。また、格子壁部42に代えて扉を設けてもよい。
また、ポート用開口部7bには扉が設けられており、ポート用開口部7bを開閉できるようになっている。
なお、収納部43と、第二厚型壁体7における上階側中空部HP2は、東西方向に隣接して形成されている。そのため、収納部43から上階側中空部HP2内のメンテナンスを行えるようにしてもよい。
また、収納部用開口部7cには扉が設けられており、収納部用開口部7cを開閉できるようになっている。
より詳細に説明すると、本実施形態における各止水手段45,46は、水の浸入を堰き止める防水面材47と、この防水面材Mを保持する保持部材48と、を備えている。
防水面材47は、シート状のものでもよいし、板状のものでもよい。
保持部材48は、柱状に形成されてもよいし、枠状に形成されてもよく、さらに、防水面材47が係合される形態でもよいし、防水面材47を挟持する形態でもよい。
より詳細に説明すると、保持部材48は、第二厚型壁体7及び第三厚型壁体8に対して隙間なく取り付けられる必要があり、防水面材47は、このような保持部材48に隙間なく設けられて保持される必要がある。また、防水面材47と保持部材48のどちらか一方は、第一ポーチ10の床面に対しても隙間なく設けられる必要がある。
また、第一止水手段45は、少なくとも防水面材47が保持部材48に対して着脱可能とされるが、保持部材48も、第二厚型壁体7及び第三厚型壁体8に対して着脱可能であってもよい。そして、少なくとも防水面材47が取り外されることにより、車両を、駐車スペースである第一ポーチ10に駐車できるようになる。
さらに、このような第一止水手段45は、上記の設備用開口部7aよりも敷地外側に位置している。
より詳細に説明すると、保持部材48は、第二厚型壁体7及び花壇部16に対して隙間なく取り付けられる必要があり、防水面材47は、このような保持部材48に隙間なく設けられて保持される必要がある。また、防水面材47と保持部材48のどちらか一方は、第二厚型壁体7と花壇部16との間に位置するポーチ階段15に対しても隙間なく設けられる必要がある。
また、第二止水手段46は、少なくとも防水面材47が保持部材48に対して着脱可能とされるが、保持部材48も、第二厚型壁体7及び花壇部16に対して着脱可能であってもよい。そして、少なくとも防水面材47が取り外されることにより、ポーチ階段15の通行ができるようになる。
以下、参考例について説明する。以下に挙げる参考例は、例えば部分的に構成を抽出するなどして可能な限り上述の実施形態と組み合わせてもよい。また、以下の各参考例において、上述の実施形態と共通する要素については、説明を省略又は簡略する。
図6(a)は、本参考例の建物100における1階と1.5階を示す平断面図であり、図6(b)は、1.5階部分の下方に位置する地階を示す平断面図である。
建物100は、1.5階建てであり、住人用スペースと、テナントスペースと、共用スペースと、からなる。
また、建物100正面の中央には、東西方向に幅広に(寸法が長く)形成された厚みの厚い第二厚型壁体104が設けられている。
また、建物100正面の西側コーナーには、厚みの厚い第三厚型壁体105が設けられている。
第一厚型壁体103及び第三厚型壁体105は、平面視において、第二厚型壁体104と直交する方向(南北方向)に幅広に形成されている。
エントランス部106から屋内に入った位置には、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させた部屋(以下、居室)107が設けられている。
居室107の東側には、部屋108が設けられている。
階段109を上がった先にはホール110があり、ホール110の北側には、水廻り室111が設けられている。
また、ホール110から西側に進むと、寝室112が設けられている。寝室112の南側に設けられた壁112aはガラス壁とされており、居室107が見えるようになっている。
階段113を下りた先には、テナントスペースとしての部屋114が設けられている。
なお、第一ポーチ101の北側にも、地階に下りるための階段115が設けられ、この階段115を下りた先には第二ポーチ116が設けられている。
そして、第二ポーチ116の西側には、テナントスペースである部屋114のためのエントランス部117が設けられている。
また、第一ポーチ101と部屋108との間と、部屋108の南縁に沿った箇所には、側方に突出する突出床部119が設けられている。突出床部119の床面の高さ位置は、第一ポーチ101の床面の高さ位置よりも上方に位置している。
ガラス壁118のうち第一ポーチ101と部屋108との間に位置するガラス壁118a又は部屋108の南側に位置するガラス壁118bには、屋外と屋内とを連通する開口部が形成されていてもよい。
さらに、ガラス壁118のうち、居室107と部屋108との間に位置するガラス壁118cには、出入口としての開口部が形成されている。
さらに、第二厚型壁体104は、エントランス部106側の面に、収納凹部104aを有している。このような収納凹部104aには、例えば充電制御装置40を収納してもよいし、他のライフライン設備を収納してもよいし、ライフライン設備以外のものを収納してもよい。これにより、第二厚型壁体104に対し、建物1を防護する以外の機能を付加することができる。
図7(a)は、本参考例の建物200における1階と地階を示す平断面図であり、図7(b)は、1.5階を示す平断面図である。
建物200は、1.5階建てであり、住人用スペースと、テナントスペースと、共用スペースと、からなる。
また、建物200正面の中央には、東西方向に幅広に形成された厚みの厚い第二厚型壁体204が設けられている。
第一厚型壁体203は、平面視において、第二厚型壁体204と直交する方向(南北方向)に幅広に形成されている。
第二ポーチ205の床面の高さ位置は、第一ポーチ201の床面の高さ位置よりも上方に位置している。
エントランス部206から屋内に入った位置には、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させた部屋(以下、居室)207が設けられている。
居室207の東側には、ラウンジ208が設けられている。
階段209を下がった先にはテナントスペースとしての部屋210が設けられている。
部屋210の東側には、地階のエントランス部211が設けられている。そして、このエントランス部211の南側に、上記の第一ポーチ201が設けられている。
階段212を上がった先には廊下213があり、廊下213の西側には寝室214が設けられている。また、廊下213の東側端部には水廻り室215が設けられている。
さらに、廊下213及び水廻り室215の東側には、上方が屋外に開放されたドローンポートDPが設けられている。
ガラス壁218のうち第一ポーチ201とラウンジ208との間に位置するガラス壁218a又はラウンジ208の南側に位置するガラス壁218bには、屋外と屋内とを連通する開口部が形成されていてもよい。
さらに、ガラス壁218のうち、居室207と部屋208との間に位置するガラス壁218cには、出入口としての開口部が形成されている。
さらに、第一厚型壁体203及び第二厚型壁体204は、それぞれ収納凹部203a,204aを有している。第一ポーチ201に面する収納凹部203aには、例えば充電制御装置40を収納してもよいし、第二厚型壁体204の収納凹部204aには、他のライフライン設備を収納してもよいし、ライフライン設備以外のものを収納してもよい。これにより、第一厚型壁体203及び第二厚型壁体204に対し、建物200を防護する以外の機能を付加することができる。
本参考例においては、図7に示す建物200のうち、駐車スペースである第一ポーチ201に車両昇降装置300を設置した構成について説明する。
車両昇降装置300は、図8に示すように、開口部202aが形成された側壁202に沿って配置され、かつ側壁202に固定されている。また、このような車両昇降装置300は、開口部202aの両側縁に沿って配置された複数の柱301と、複数の柱301における上端部間に架け渡された梁302と、複数の柱301に沿って上下方向に昇降動作する昇降板303と、を備える。そして、車両は、昇降板303上に駐車される。
図8(b)の例においては、昇降板303を、第二ポーチ205の高さ位置まで移動させた状態を示している。例えばガラス壁218aに、人の出入りが可能な開口部が形成されていれば、車両からラウンジ208への水平移動が可能となる。そのため、例えば車椅子での移動も可能となる。
図8(c)の例においては、昇降板303を、車両が天井に接触しない位置まで移動させた状態を示している。この高さまで昇降板303を上昇させることにより、昇降板303の下方を通過して、奥に位置するエントランス部211に移動することができる。さらに、昇降板303の下方に、車両をもう一台駐車することができる。
2 バルコニー
2a 第一バルコニー
6 第一厚型壁体
7 第二厚型壁体
8 第三厚型壁体
10 第一ポーチ:駐車スペース
11 第二ポーチ
13 ポーチ壁
13a 西側開口部:第四開口部
14 冷却ルーバー装置
17 ラウンジ
17a 中央第一開口部:第一開口部
17b 中央第二開口部:第二開口部
17V 吹抜部
18 大空間室:テナントスペース
18a 東側開口部:第三開口部
21 玄関
21a 第一玄関開口部
21b 第二玄関開口部
31 居室
32 部屋
33 排気用壁
33a 開口部:第五開口部
34 ガラス壁
35 ガラス壁
36 壁
40 充電制御装置
41 雨水タンク
S 連通空間
DP ドローンポート
Claims (7)
- 建物の外周壁の一部として設けられ、かつ前記外周壁のうち厚みの薄い他の壁よりも厚みが厚く形成された厚型壁体であって、
前記厚型壁体の側面を構成する複数の側壁部と、
前記複数の側壁部によって囲まれた位置に形成された内部中空部と、
前記内部中空部に収納され、少なくとも災害時に使用可能な屋外設置機器と、を備えており、
前記複数の側壁部のうちいずれかの側壁部には、前記内部中空部と外部とを連通する開口部が形成されていることを特徴とする厚型壁体。 - 請求項1に記載の厚型壁体において、
前記複数の側壁部及び前記内部中空部は、前記建物の上下階間に亘って長尺に形成されており、
前記屋外設置機器は、雨水タンク設備とされており、
前記雨水タンク設備は、
前記内部中空部のうち下階側に配置されたタンク本体と、
前記建物の屋根から雨水を収集し、前記タンク本体に送水する集水パイプと、を有することを特徴とする厚型壁体。 - 請求項1又は2に記載の厚型壁体において、
前記屋外設置機器は、充放電可能なバッテリを有する車両との間で相互に電力供給を可能とする充電制御装置とされており、
前記充電制御装置は、前記内部中空部のうち前記開口部に隣接する位置に配置されていることを特徴とする厚型壁体。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の厚型壁体において、
前記外周壁から前記建物が建築された敷地外に向かって突出していることを特徴とする厚型壁体。 - 請求項4に記載の厚型壁体において、
前記開口部は、前記側壁部のうち前記敷地外に向かって突出した部位よりも前記建物の中心側に位置していることを特徴とする厚型壁体。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の厚型壁体と、他の厚型壁体と、備えた建物であって、
前記厚型壁体及び前記他の厚型壁体は、建物の正面に設けられて間口方向に間隔を空けて配置されており、
前記厚型壁体と前記他の厚型壁体との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第一止水手段が着脱可能に設けられ、前記第一止水手段は、前記開口部よりも敷地外側に位置していることを特徴とする建物。 - 請求項6に記載の建物において、
前記厚型壁体の側面に隣接してポーチが設けられるとともに前記ポーチに隣接して花壇部が設けられており、
前記花壇部の上面の高さ位置は、前記ポーチの床面の高さ位置よりも上方に位置し、かつ、前記花壇部は、前記ポーチの床面よりも上方に位置する部位に、前記厚型壁体に対向する側面を有しており、
前記厚型壁体と、前記花壇部における前記厚型壁体に対向する側面との間に、想定される床上浸水の浸水深よりも高く形成される第二止水手段が着脱可能に設けられていることを特徴とする建物。
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