JP7307531B2 - 電子レンジ調理用固形状調味組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、電子レンジ調理用の固形状の調味組成物に関するものである。詳細には、野菜などの具材を電子レンジで調理する際に、特定の組成、物性を有する特別な固形状調味組成物を具材とともに電子レンジ加熱することで、直ちに調味された温野菜等を製造することができる、その固形状調味組成物、及びその製造方法等に関するものである。
近年の健康志向の高まり等から、野菜等、特に温野菜をおいしく食したい、というニーズは消費者の間に高まっている。ここで、温野菜等をおいしく食するためには、そのまま食べるのではなく、味付けされた調味料とともに食することが一般的である。その際に、温野菜を加熱した後に、調味料等をかけると、野菜の品温が低下し、温野菜としてのおいしさが損なわれる、という問題点が存した(特許文献1)。
そこで、温度の下がることがない、調味料の開発が望まれていた。
一方、野菜や獣肉などの具材を手軽に調理する方法として、電子レンジによる加熱調理が行われている。上記温野菜も、電子レンジでの加熱調理の代表例として挙げられるものである。しかしながら、本発明者らは、液状のドレッシングを野菜とともに電子レンジ加熱してみると、野菜のみを電子レンジ調理した場合に比べて品温が高くなり過ぎてしまう、という問題を見出した。
さらに、本発明者らは、適温でおいしく調味済みの温野菜等を食するのに適切な調味組成物の開発が必要であることを見出したものである。
また、特許文献2のように、カレーやシチューを電子レンジ調理する際に、その煩雑な手間を軽減するような食品も提案されている。しかしながら、ここには、調味料を取り出し、独立してブロック状の固形調味料として使用することは想定されておらず、調味料を野菜等の上にのせ、電子レンジ加熱するのには適切ではなかった。
特開2016-101149号公報 特開平10-75号公報
本発明は、温野菜等を電子レンジ調理する際に、適切な品温を保ちながら、簡便、迅速においしい調理済み食品を製造可能とすることを目的とする。また、本発明は、野菜等に無理な温度をかけないことから、食品原料の加温による劣化等を防ぐこともあわせて目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは、ブロック状に成形した固形状調味組成物に着目し、さらに鋭意研究した結果、電子レンジにて具材とともに、粉末状原料と、常温固化油脂とを含有してなり、該粉末状原料が該常温固化油脂中に不溶状態で分散して存在してなる固形状調味組成物を加熱調理することによれば、具材をおいしく調理することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の実施形態を例示すると次のとおりである。
(1)粉末状原料と、常温固化油脂とを含有してなり、該粉末状原料が該常温固化油脂中に不溶状態で混合分散して存在すること、を特徴とする電子レンジ調理用固形状調味組成物。
(2)該組成物中の油脂含有割合が20重量%以上であること、を特徴とする(1)に記載の組成物。
(3)該組成物中の粉末原料含有割合が20重量%以上であること、を特徴とする(1)又は(2)のいずれかひとつに記載の組成物。
(4)該組成物中の油脂と粉末原料との配合比が1:2~2:1であること、を特徴とする(1)~(3)のいずれかひとつに記載の組成物。
(5)具材とともに(1)~(4)のいずれかひとつに記載の組成物を電子レンジで加熱調理すること、を特徴とする調味済みの温具材の製造方法。
(6)具材が野菜、畜肉、獣肉、魚介、麺類、海藻類、豆類、穀物類から選ばれる少なくともひとつであること、を特徴とする(5)に記載の調味済みの温具材の製造方法。
(7)常温固化油脂を溶解する工程、溶解した該油脂に粉末状原料を加水せずに混合分散してスラリー液を得る工程、該スラリー液を固化させる工程、を含むこと、を特徴とする電子レンジ調理用固形状調味組成物の製造方法。
(8)調理前の性状は固形状であり、電子レンジによる加熱後の性状がゾル状~わずかに固形状~半固形状となること、を特徴とする(1)~(4)のいずれかひとつに記載の組成物。
(9)調理前に、具材の上に載せて使用するものであることを特徴とする、(8)に記載の組成物。
本発明によれば、野菜等の具材を、電子レンジにて調理する際に、おいしく調理することができる。そして、簡易、迅速に、温野菜等に、調味料がほどよく混ざった、食品を提供することが可能となる。さらに、具材を必要以上に高温、低温にすることがなく、適温に維持することが可能であるため、具材の温度変化による劣化を防ぐこともでき、具材本来のおいしさが損なわれにくい、という効果も奏することができる。
さらに、調理前は、固形状にあることにより、取扱い等が容易・簡便であり、かつ、調理後は、ドロッとして、具材に広がり、食しやすく、美味しく喫食できる物性を有する調味組成物を製造することができる。
以下に、本発明による固形状調味組成物について、詳しく説明する。
本発明は、電子レンジ調理用固形状調味組成物及びその製造方法に関するものであり、当該電子レンジ調理用固形状調味組成物にはドレッシングやステーキソース、パスタソースといった調味ソースなど、各種調味組成物が包含される。
本願において、「固形状」とは、電子レンジ調理による加熱が行われていない状態で固形状であることを指す。
そして、本発明では、固形状調味組成物の粉末状原料を、同じ固形状調味組成物の原料である常温固化油脂に不溶状態で分散させる。ここでいう常温固化油脂とは、常温(10~40℃程度)で固体である油脂を指し、ショートニング、マーガリン、バター、硬化パーム油等が例示される。油脂の配合割合としては、固形状調味組成物中の20重量%以上とするのが好ましく、25重量%以上が更に好ましく、例えば、30~75重量%、さらには30~65重量%程度がより好適である。
また、使用する粉末状原料は、食品に用いることができ且つ粉末状に加工できるものであれば特段限定されず、例えば、食塩、粉末醤油、糖類(砂糖、グルコース、マルトース、トレハロース、乳糖、オリゴ糖、デキストリンなど)、澱粉類、増粘剤、穀類、調味料(アミノ酸、有機酸、核酸など)、蛋白加水分解物、多糖類(食物繊維など)、野菜粉末、野菜エキス、肉類粉末、肉エキス、魚介類粉末、魚介エキス、香辛料、乳製品、酵母エキス、ビタミン類、ミネラル類(カルシウム、鉄など)、着香料、着色料、甘味料などが例示される。粉末原料の配合割合としては、固形状調味組成物中の20重量%以上とするのが好ましく、25重量%以上が更に好ましく、例えば、30~75重量%、さらには30~65重量%程度がより好適である。
電子レンジ調理用固形状調味組成物中の油脂と粉末原料との配合比は1:2~2:1であることが好ましく、溶け残りや調味料の味の濃さの観点から1:1が更に好ましい。
さらに、本発明では、乾燥具材を粉末状原料とともに溶解した常温固化油脂中に混合分散させることができる。乾燥具材としては、野菜類、肉類、魚介類、きのこ類、果実類、海藻類、穀物類などをフリーズドライ、熱風乾燥、減圧乾燥、マイクロ波乾燥、フライ、バキュームフライ、エクストルーダー成型から選ばれる1以上の製法により得られたものが例示される。
このように、本発明では、粉末状原料を加水せずに油脂と混合して固形状調味組成物を製造するため、得られる固形状調味組成物の水分や水分活性が少ない、ことも特徴である。例えば、得られる固形状調味組成物の水分活性(Aw)は、0.3未満、例えば0.28以下程度であることが通常であるが、この範囲に限定はされない。
本発明の固形状調味組成物の形状は、限定はされないが、立方体、直方体、円柱状、角柱状、板状、球状、キューブ状、ブロック状、フレーク状の少なくともひとつであることが好ましい。例えば、1人前の温野菜サラダの場合、縦及び横の長さを15cm未満、好ましくは3~10cm程度とし、高さは5cm以下、好ましくは3cm以下、例えば0.5~2.5cm程度のブロックとすることが例示される。また、ブロック重量は、上記条件で、20~100g程度、好ましくは20~80g、さらに好ましくは25~60g程度が好ましいものとして例示される。これ以外の人数、食品についても、上記範囲を参考にして換算によりサイズ及び重量を決定すればよい。例えば、ブロックに縦及び/又は横に(必要あれば斜めに)溝を設けて、必要量を分割できるようにしてもよい。
また、ブロック状等をスライス、カット、粉砕等によって加工されたものであってもよい。
このようにして得られた固形状調味組成物は、具材と共に電子レンジで加熱調理する。電子レンジ加熱は常法にしたがって行えばよく、例えば、具材として野菜を使用した場合、500~1000Wで1~5分間(600Wの場合、キャベツは約2分間)加熱処理すればよい。本組成物は、具材の上に載せてもよいし、具材の中に入れてもよいし、具材の周りに配置してもよい。
このようにして得られた固形状調味組成物は、調理前の性状は固形状であるが、電子レンジによる加熱後の性状はゾル状~わずかに固形状~半固形状となることが大きな特徴である。例えば、調理前の野菜の上に、本組成物を載せ、その後に、電子レンジ加熱することによって、はじめは固形状の本調味組成物が、油が溶けてドロドロ(ゾル状~わずかに固形状~半固形状)の状態となる。これにより、消費者は、簡便かつ美味に、電子レンジ加熱された温野菜を、適度な温度、性状に調整された調味料がかかった状態で食することが可能となるのである。また、調理前は固形状であるため、調味組成物でありながら、扱いやすく、ドロドロとなったりせず、周りを汚しにくい等という利点もある。もちろん、電子レンジ加熱された温野菜は、そのまま食用に供することもできるし、必要あれば野菜と調味組成物を混合して食用に供してもよい。
なお、本発明の電子レンジ調理用固形状調味組成物は、具材と共に煮込み調理を行って喫食するものや、水や熱湯などの溶媒で溶解して喫食するものとは違った技術思想の発明である。
すなわち、本発明は、既に述べたとおりであるが、特許文献2に記載の発明とは大きく異なっており、解決課題、効果等も大きく異なっているものである。すなわち、特許文献2記載の発明は、調理前の状態がペースト状である。これに対し、本願発明は固形である。これは両者の粉末状原料の割合等から明らかである。
また、特許文献2記載の発明は、油脂相と水性相が存在している。これに対し、本願発明は、水性相は存在しない。これは本願では特別に水を使用しないからである。
そして、特許文献2記載の発明は、乳化して分散しており、香味成分を含むものである。これに対し、本願発明は、粉末が分散しており、乳化ではない。
さらに、特許文献2記載の発明は、最初からペースト状であるため、ドロッとしていないものである。これに対し、本願発明は、固体であるため、電子レンジで加熱すると、油が溶けて固体状のものがドロドロとなる。そして、本願は固体状であるので、溶け残ることとなる。この点、特許文献2記載の発明は、溶けるか否か、分からないはずである。
本願はブロック状であるのに対し、特許文献2記載の発明は、顆粒を念頭においているようにみえるものである。
本願は、油脂の割合(油分)の多さも特徴としている。本願規定の高い油脂割合では、粉や固形ドレッシングは、製造が困難なはずである。しかしながら、本願発明によると、所定の油脂割合にて、固形状のドレッシングを製造することが可能なのである。
そして、本発明は、特開2018-33327号公報記載の発明(以下、本段落で「当該発明」という)とも異なったものであり、いわゆる進歩性も有するものである。
すなわち、当該発明は、お湯に溶かすインスタントスープを主に念頭においているものである。これに対し、本願発明は、電子レンジ用のものであり、また、調味料組成物、であるため、単なる食品でもないものなのである。この思想は、当該発明には記載されていない。
また、本発明は、当該発明から、特に電子レンジ調理用に、最適な条件を見つけ、予測がつかない顕著な効果を奏する部分を見出した、いわば用途発明、選択発明とでもいうべきものと解することもできる。
なお、本発明おいて、「粉末状原料が常温固化油脂中に不溶状態で混合分散して存在する」とは、粉末状原料に加水せずに(水溶性粉末原料に水分を加えてペースト状とすることなく)常温固化油脂中に混合分散させた状態を意味し、水分を加えてペースト状とした原料を油脂中に混合して得られる状態は除外される。但し、少量の液体原料の使用を除外するものではない。
また、本願発明は、粉末状原料と、油脂を、本願所定の配合比率で混合し、分散併存させるものである。よって、粉末状原料がすべて溶解するようなものとか、たまたま溶け残って意図しない比率で残存しているようなもの等は、含まれない。
以上具材としてキャベツを例にとって本発明を説明してきたが、キャベツのほかに各種野菜が適宜使用可能である。例えば、レタス、キノコ、大根、人参、ジャガイモ、グリンピース、インゲン、カボチャ、ホウレンソウ、コマツナ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。具材としては、野菜のほかに、畜肉、獣肉、魚介、麺類(そーめん、うどん、ラーメン、パスタ)、海藻類、豆類、穀物類(米、トウモロコシ、小麦、大麦等)等が例示され、これらをミックスして使用することができる。これらの具材は、必要に応じ予備的に加熱処理、その他下処理したものを使用すればよく、生で食することが出来る葉野菜等は、生のまま用いることが好適である。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例にのみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。
電子レンジ調理用調味組成物において、固形状とすることの優位性を確認するため、以下の試験を行った。
第一に、従来技術である、粉末ドレッシング(粉末調味組成物)と液体ドレッシング(液体調味組成物)、特に、液体(液状)調味組成物を電子レンジ用調味組成物として使用すると、具材の品温が高くなってしまう、という課題が存することを確認することを目的とする下記の試験を行った。
野菜として、キャベツを約3×3~6cmとなるようにカットした(約100g)カット野菜を使用した。これをシリコンスチーマーに均一に敷き詰め、電子レンジ(600W)で2分間加熱した。加熱後、シリコンスチーマーから陶器製の円形の皿(直径18.5cm深さ3.5cm)に移し、皿の中央部の皿の底に接する部分の野菜の品温を1分毎に測定した(10分間)。
また、これらの野菜を液状調味組成物として市販の液状ドレッシングを用いて電子レンジ調理を行い、上記と同様に品温の変化を測定した。前添加区としては、野菜に液状調味組成物を規定量かけた後、上記と同様に電子レンジ調理した。後添加区としては、野菜を同様に電子レンジ調理した後、液状調味組成物を規定量かけた。規定量は表1に示した。なお、当該規定量は塩分による野菜からのドリップ量を考慮し、塩分濃度を揃えた量とした。
そして両区ともに、上記と同様に10分間にわたって1分毎に品温を測定した。その結果を下記表1に示す。なお、液状調味組成物としては、リケンのノンオイル セレクティ(登録商標)熟成チーズのシーザーサラダ(理研ビタミン株式会社製)を液状調味組成物(A)として用い、和風醤油ごま入ドレッシング(キューピー株式会社製)を液状調味組成物(B)として用いた。
なお、固形状の調味組成物を用いた場合の温度変化を液状調味組成物と比較した結果を表1に示した。当該固形状の調味組成物は、本願特許請求の範囲に含まれ得るものである。
Figure 0007307531000001

上記結果から明らかなように、野菜を電子レンジで加熱調理する温野菜において、温野菜に味付けをして食する場合、ドレッシングなどの調味料を温野菜にかけると、上記表に示すように温野菜の温度が低下し、温野菜としての美味しさが損なわれるという問題があった。さらに、上記表に示すように、液状調味組成物を用いて電子レンジ調理を行うと、野菜のみを電子レンジ調理した場合に比べて品温が高くなりすぎ、適温で美味しく調味済みの温野菜を食するのに不向きであることが明らかになった。これに対して、本願固形状調味組成物を使用すると、品温の急激な上昇も低下もなく、適温で非常に美味な調味済み温野菜が調理できることが明らかとなった。
第二に、上記で優位性が立証された固形状調味組成物につき、さらに、好ましい配合を検討すべく、下記試験を行うことにより、例示する。
すなわち、本発明に係る固形状調味組成物を用いてキャベツの電子レンジ加熱処理を行い、調味済みの美味な温野菜を調理製造した。
下記表2に記載の配合(ブロック重量29.0g)で、規定量の粉末状原料を規定量の溶かした植物油脂中に不溶状態で分散させた後にトレイ容器に充填した後冷却してブロック状の(縦50mm×横45mm×高さ13mm)固形状調味料組成物を得た。なお、表2において、右欄の数字は重量部を表わす。
Figure 0007307531000002

シリコンスチーマーにキャベツ約100gを均一に敷き詰め、スチーマー中央のキャベツ上に表2の配合で製造した固形状調味組成物を載せ、下記加熱条件で電子レンジ加熱を行った。加熱により溶解した(固形状)調味組成物とキャベツとをよく混ぜ合わせた。
得られた加熱調味済みキャベツを食すると、品温が下がりすぎず水っぽくない美味しい温野菜であった。
(調理条件)
加熱条件:600W 2分間加熱
具材 :キャベツの半玉を縦横に1/2ずつカットし、3×3~6cmとなるように略矩形状にカットしたものを用いた。
容器 :シリコンスチーマー(135mm×260mm×75mm)
なお、表1は、本発明に係る固形状の調味組成物を用いた場合の温度変化を液状調味組成物と比較した結果を示したものである。表1において、ブロック状の調味組成物をスライスして得たフレーク状の調味組成物も、ブロック状の調味組成物も、同様に好適な結果を示した。
次に、本願に係る発明は、様々な具材においても所望の効果を奏することができることを立証することを目的として、複数の野菜と鶏肉をミックスした具材での試験を実施した。
具材として、キャベツを約3×3~6cmとなるようにカットし(約40g)、ニンジンを約3×6cm、厚さ約3mmとなるようにスライスし(約40g)、これに鶏ミンチ(約20g)を加えて3者をよくミックスしたミックス具材を調製した。得られたミックス具材をシリコンスチーマーに均一に敷き詰め、スチーマー中央のミックス具材上に実施例1で製造した固形状調味組成物(ブロック状及びそれをスライスしたフレーク状の2種類)をそれぞれ規定量(下記表3)載せ、実施例1に示した加熱条件で電子レンジ加熱を行った。加熱により溶解した固形状調味組成物とミックス具材とをよく混ぜ合わせた。
得られた加熱調味済みミックス具材を食すると、品温が下がりすぎず、水っぽくない美味しい温具材であった。本実施例により、具材としてキャベツだけでなく、他の具材をミックスしたミックス具材についてもキャベツの場合と同等のすぐれた効果が奏されることが確認された。
また、実施例1の場合と同様に、ミックス具材についても、電子レンジ調理用調味組成物において、固形状とすることの優位性を以下により確認した。
以下のサンプルについて、電子レンジ調理を行い、品温の変化を測定した。
(1)ミックス具材のみ
(2)ミックス具材に液状調味組成物(A、B)を規定量(表3)かけたサンプル(前添加区、後添加区)
(3)ミックス具材に固形状調味組成物(ブロック及びこれを薄くスライスしたフレーク)を規定量(表3)かけたサンプル
得られた結果を下記表3に示す。
Figure 0007307531000003


上記結果から明らかなように、ミックス具材を電子レンジで加熱調理するミックス具材において、ミックス具材に味付けをして食する場合、ドレッシングなどの調味料をミックス具材にかけると、上記表に示すようにミックス具材の温度が低下し、ミックス具材としての美味しさが損なわれるという問題があった。さらに、上記表に示すように、液状調味組成物を用いて電子レンジ調理を行うと、ミックス具材のみを電子レンジ調理した場合に比べて品温が高くなりすぎ、適温で美味しく調味済みのミックス具材を食するのに不向きであることが明らかになった。これに対して、本願固形状調味組成物を使用すると、品温の急激な上昇も低下もなく、適温で非常に美味な調味済みミックス具材が調理できることが明らかとなった。
続いて、電子レンジ調理用固形状調味組成物中の最適な粉末原料と油脂の配合比率の検討を行った。
表2の配合の油脂と粉末原料とを表4に示す比率で配合し、規定量の粉末状原料を規定量の溶かした植物油脂中に不溶状態で分散させた後にトレイ容器に充填した後冷却してブロック状の固形状調味料組成物を得た。得られた固形状調味料組成物をブロック重量29.0gとなるよう切り出して、実施例1と同様の方法で電子レンジ加熱を行った。
Figure 0007307531000004
上記から明らかなように、本発明に係る固形状調味組成物は、溶解しても完全に液状となるものでなく、含有する粉末原料と共にゾル状となり、味の濃さも好適となる。なお、表4に示す総合評価は、加熱後の調味組成物の性状と味の濃さから総合的に評価したものであり、熟練した4名のパネルで合議により評価した。総合評価において、○は良好、△は可、×は不良をそれぞれ表わす。
表4の結果から、油脂:粉末原料の比率は、1:2~2:1が好ましく、溶け残りや味の濃さの観点から1:1がより好ましい。
油脂は20重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。また、油脂の配合量が多くなると、調味の粉末原料の配合量が少なくなり味が薄くなるので75重量%以下が好ましく、65%以下がより好ましい。
粉末原料は、配合量が多くなると粉っぽくなり、固形状を保てなくなることから75重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましい。
本発明を要約すれば、以下のとおりである。
本発明は、温野菜等を電子レンジ調理する際に、適切な品温を保ちながら、簡便、迅速においしい調理済み食品を製造可能とすることを目的とする。
そして、粉末状原料と、常温固化油脂とを含有してなり、該粉末状原料が該油脂中に不溶状態で分散して存在してなるブロック状の固形状調味組成物を製造し、これを野菜等の具材と共に電子レンジ調理することにより、上記目的を達成することができる。






























Claims (4)

  1. 粉末状原料と、常温固化油脂とを含有してなり、該粉末状原料が該常温固化油脂中に不溶状態で混合分散して存在すること、を特徴とし、電子レンジ調理時に水を使用しない電子レンジ調理用固形状調味組成物であって、該組成物中の油脂含有割合が20重量%以上、該組成物中の粉末状原料含有割合が20重量%以上、該組成物中の油脂と粉末状原料との配合比が1:2~2:1である組成物。
  2. 具材とともに請求項1に記載の組成物を電子レンジで加熱調理すること、を特徴とする調味済みの温具材の製造方法。
  3. 具材が野菜、畜肉、獣肉、魚介、麺類、海藻類、豆類、穀物類から選ばれる少なくともひとつであること、を特徴とする請求項に記載の調味済みの温具材の製造方法。
  4. 常温固化油脂を溶解する工程、溶解した該油脂に粉末状原料を加水せずに混合分散してスラリー液を得る工程、該スラリー液を固化させる工程、を含むこと、を特徴とし、電子レンジ調理時に水を使用しない電子レンジ調理用固形状調味組成物であって、該組成物中の油脂含有割合が20重量%以上、該組成物中の粉末状原料含有割合が20重量%以上、該組成物中の油脂と粉末状原料との配合比が1:2~2:1である組成物の製造方法。


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