JP2784137B2 - 即席調理ソース - Google Patents

即席調理ソース

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小麦粉等の穀粉、調味
料類、及び硬化油を含む原料を使用した即席調理ソース
に関するものであり、更に詳しくは、一般に、常温流通
において問題となる製品形態の劣化がなく製品の形態保
持が良好で、かつ、一般に、硬化油を使用した場合にみ
られる品質及び食感の劣化がなく、喫食時の食感がきわ
めて良好な新しいタイプの即席調理ソースに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、いわゆる即席調味用食品が多く普
及しており、それらの食品の製品形態も、固形、フレー
ク、顆粒、ペースト、粉末等に代表される各種のタイプ
のものが開発されており、同じ食品であっても消費者が
その使用目的に応じて適宜の形態の製品を選択し、簡便
に利用し得るように製品の多形態化が行われつつある。
このような食品の例として、スープ類の素やソース類の
素等があげられるが、これらの中でも、特に原料として
小麦粉等の穀粉、調味料類、油脂を主成分としたカレ
ー、シチュー等の調理ソースについては、とりわけ、フ
レーク、顆粒等の形態の製品の場合、一般に、原料の油
脂の融点が低いために常温流通する際の製品の形態保持
が難しく、特に夏期の高温下での製品の形態保持が困難
となり、その外観が劣化すると云う問題点があった。
【0003】従って、これらの調理ソースは、その多く
の製品が固形の形態のいわゆるルウと云われている固形
タイプの製品として作製される場合がほとんどであり、
当該固形の形態の調理ソースを用いて実際に調理を行う
際に、例えば、フレーク、顆粒等の形態の製品に比較し
て、その取扱いが比較的面倒であるにもかかわらず、多
くの場合、消費者は、その使用目的の如何を問わず、当
該固形の形態の製品を使用せざるを得ない状況にあっ
た。
【0004】かかる状況下にあって、前記のような製品
形態の常温流通時における劣化の問題を解決するため
に、従来、種々の試みが行われており、その代表的なも
のとして、例えば、原料の油脂として比較的融点が高い
固形油を使用して、製品形態の劣化を防止し、製品の形
態を良好に保持させる試み等が行われているが、一般
に、カレー、シチュー等の調理ソースを製造する際に、
原料として用いる油脂が硬く融点が高い固形油脂である
と製品の形態保持は良好になるが、製品の品質は劣化す
る傾向を示し、実際に、喫食した際の食感が著しく低下
することから、当該固形油脂の使用するには限度があ
り、通常、固形油脂を5%以上使用することは難しく、
従って、かかる程度の固形油脂を使用したとしても、製
品の形態保持及び喫食時の食感の両者を満足する製品を
製造することは困難な状況にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、このような状況を踏まえてカレー、シチュー等の調
理ソースについての前記従来の技術にみられるような各
種問題点を解消すると共に、常温流通においても製品の
形態保持が良好であり、かつ喫食時の食感が優れている
高品質の製品を開発することを目標として鋭意研究を積
み重ねた結果、小麦粉等の穀粉、調味料類と共に特定の
硬化油と特定の蔗糖脂肪酸エステルとを組み合わせて配
合することにより所期の目的を達成し得ることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明は、製品の形態保持が良好であり、
かつ喫食時の食感が優れている高品質の即席調理ソース
を提供することを目的をするものである。
【0007】また、本発明は、常温流通においても、製
品形態が劣化することのないフレーク、顆粒等の形態の
即席調理ソースを提供することを目的とするものであ
る。
【0008】更に、本発明は、従来、原料中に固形油を
配合した場合に不可避的にみられる製品の品質劣化の問
題を確実に解消すると共に、実際に、調理して調理ソー
スを作製した際に食感が低下することのない高レベルの
品質の即席調理ソースを提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、以下の技術的手段からなるものである。
【0010】(1)小麦粉等の穀粉、調味料類、特定の
硬化油を含む原料に対し、HLBが5以下であって、構
成脂肪酸が炭素数18〜22の不飽和脂肪酸である蔗糖
脂肪酸エステルを配合したことを特徴とする即席調理ソ
ース。
【0011】(2)硬化油が、40℃でのSFIが55
以上75以下の硬化油である前記(1)記載の即席調理
ソース。
【0012】(3)蔗糖脂肪酸エステルとして、エルカ
酸蒸糖脂肪酸エステルを配合する前記(1)記載の即席
調理ソース。
【0013】(4)硬化油の配合比が、5〜50重量%
である前記(1)記載の即席調理ソース。
【0014】(5)蔗糖脂肪酸エステルの配合比が、油
脂全量に基づき0.5〜10重量%である前記(1)記
載の即席調理ソース。
【0015】次に、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明で云うところの即席調理ソースとは、原料と
して、小麦粉等の穀粉、調味料類、硬化油を主成分とし
た原料に特定の蔗糖脂肪酸エステルを配合した調理ソー
スを意味する。これらの調理ソースとしては、例えば、
カレー、シチュー、ハヤシ、ベシャメルソース、ドミグ
ラスソース、ホワイトソース、チャーハンの素、オデン
ダシの素、各種スープ類等が代表的なものとしてあげら
れるが、これに限らず、前記成分構成のもの及びその類
似製品であれば、本発明は、それらをも包含するもので
ある。これらのカレー、シチュー等の調理ソースは、実
際に調理するに際して、それを水、スープ等で溶いて、
野菜類、肉類等の副次原料と併せて煮込むことにより、
そのまま食に供することが可能なカレー、シチュー等の
形に簡便に調理することができるものであり、当該調理
ソースは、家庭用及び業務用を問わず調理素材として色
々な料理に用いることが可能である。
【0016】本発明で使用する小麦粉等の穀粉は、通
常、調理ソースに配合するのに適した穀粉であれば如何
なるものでもよく、その種類は問わないが、例えば、小
麦粉、米粉等、及び穀粉等より分離した小麦澱粉、コー
ンスターチ、馬鈴薯澱粉等の各種澱粉、これらを加工し
た加工澱粉等が好適なものとしてあげられる。これらの
小麦粉等の穀粉は、そのままでもよく、またこれらに対
して加熱処理、熟成処理、酸処理、酵素処理等の適宜の
処理を施したものであってもよい。
【0017】また、本発明で使用する調味料類は、通
常、カレー、シチュー等の調理ソースに使用されるもの
であれば如何なるものであってもよく、その種類は特に
限定されるものではなく、野菜、魚貝、畜肉等のエキス
原料、カレー粉、香辛料、塩、砂糖、旨味調味料等を含
めていわゆる調味を目的として使用されるものは全て含
まれる。
【0018】次に、本発明の即席調理ソースには、硬化
油が必須の成分として配合されるが、ここで云う硬化油
とは、40℃でのSFIが55以上75以下の硬化油を
意味するものであり、当該SFI値のものであれば、そ
の種類を問わず使用することができるが、例えば、パー
ム硬化油、牛脂硬化油、ラード硬化油等が好適なものと
してあげられる。かかるSFI値の硬化油を使用するこ
とにより、とりわけべたつきを防止するのに有効であ
り、また、フレーク、顆粒等の形態の製品にあっては、
その形態を良好に保持するのに有効である。
【0019】次に、本発明の即席調理ソースには、特定
の蔗糖脂肪酸エステルが必須の成分として配合される
が、ここで云う蔗糖脂肪酸エステルとは、HLBが5以
下であって、構成脂肪酸が炭素数18〜22の不飽和脂
肪酸である蔗糖脂肪酸エステルを意味するものである。
ここで当該蔗糖脂肪酸エステルの蔗糖1分子には、前記
脂肪酸を最大8個までエステル結合させることが可能で
あり、前記各脂肪酸の蔗糖脂肪酸エステルを製造した際
に、通常は、種々の置換度のエステルの混合物として得
られるが、本発明において使用される蔗糖脂肪酸エステ
ルは、前記のようにHLB5以下である必要があり、蔗
糖脂肪酸エステルの平均置換度は約2以上である。蔗糖
脂肪酸エステルは、モノ、ジ、トリ、テトラエステル及
びそれ以上の部分エステルを主成分とするものであり、
HLB5以下のもの、すなわち、モノエステル含有率が
約30%以下のものがよい。好ましくは、HLB1〜
2、すなわち、モノエステル含有率が約5%以下のもの
が最適である。HLB5以上のもの、すなわち、モノエ
ステル含有率が約30%以上のものは、油脂に対する溶
解性が低下し、本発明の効果を達成し難くなる。尚、こ
こでHLBとは、Hydrophile Lypoph
ile Balanceの略であって、乳化剤が親水性
か親油性かを知る指標となるもので、この数値が小さい
程、親油性が強いことを示す。本発明ではHLBが5以
下、好ましくはHLB1〜2のものが用いられる。
【0020】また、本発明の蔗糖脂肪酸エステルの構成
脂肪酸は、炭素数18〜22の不飽和脂肪酸であること
が必要であり、当該構成脂肪酸は、炭素数18〜22の
不飽和脂肪酸であれば、その種類を問わず利用すること
が可能である。例えば、オレイン酸、リノール酸、エル
カ酸の蔗糖脂肪酸エステルが好適なものとしてあげられ
る。これらの中でも、特に、エルカ酸が好適なものとし
てあげられる。この場合、これらの脂肪酸単独のエステ
ルであってもよく、また、これらの脂肪酸の混合物のエ
ステルであってもよい。尚、本発明者らが試験したとこ
ろによれば、例えば、炭素数16の飽和脂肪酸のパルミ
チン酸を構成脂肪酸とする蔗糖脂肪酸エステルは、必ず
しも有効でないことから、本発明においては、当該構成
脂肪酸の種類はきわめて重要な意味を有するものであ
る。すなわち、構成脂肪酸中、不飽和脂肪酸の含量は、
70重量%以上が好ましく、特に好ましくは80重量%
以上のものがよい。
【0021】これらの原料を必須の成分として含む本発
明の即席調理ソースには、前記各成分に加え、副次的な
原料として、油脂、糖類、着色料、着香料等を適宜配合
することも可能であり、かかる副次的に配合するその他
の原料の種類は、通常、調理ソースに配合されるもので
あれば如何なるものであってもよく特に限定されるもの
ではない。
【0022】このような各種の原料の配合は、当然、製
造する調理ソースの種類及び製品の形態によって異なる
が、フレーク、顆粒等の濃縮タイプの製品を例としてそ
の配合量を説明すると、例えば、油脂(硬化油)につい
ては、原料中に5〜50重量%配合することが好まし
い。この場合、油脂(硬化油)の配合量が前記範囲より
も少ないと製品の形態保持が充分でなく、また、前記範
囲よりも多いと製品の品質の点で好ましくなく、特に、
喫食時の食感が劣化するので好ましくない。
【0023】次に、小麦粉等の穀粉の配合については、
通常の調理ソースで使用する範囲内で適宜調整すればよ
く、特に配合量を限定するものではないが、原料中に2
0〜50重量%配合することが好ましい。この場合、小
麦粉等の穀粉の配合量が前記範囲よりも多いと食感が糊
状のものとなり好ましくなく、また、前記範囲よりも少
ないと食感にとろみが感じられなくなり好ましくない。
次に、調味料類の配合については、これも、当然のこと
ながら、製造する調理ソースの種類によって異なるが、
塩、砂糖、旨味調味料、エキス原料等を含めた調味料類
とした場合、原料中に10〜60重量%配合することが
好ましい。
【0024】次に、蔗糖脂肪酸エステルの配合について
は、油脂の全量に対して0.5〜10%、好ましくは1
〜5%配合することが望ましい。この場合、蔗糖脂肪酸
エステルの配合量が前記範囲よりも少ないと油脂に起因
する製品の品質、及び喫食時の食感の劣化を防止するこ
とが困難であり、また、前記範囲よりも多いと効果がほ
とんど変わらず、しかも蔗糖脂肪酸エステルに起因する
品質の劣化が生じるので好ましくない。
【0025】本発明においては、前記の原料及び配合量
により、即席調理ソースが構成されるが、これを喫食す
る際に、水、スープ等に溶いてカレー、シチュー等の調
理ソースを調理することによって、対ソース(具は除
く)の濃度として、油脂(硬化油)が1〜6重量%、蔗
糖脂肪酸エステルが0.005〜0.3重量%程度にな
ることが好ましく、かかる範囲にこれらの成分の配合量
が調整された場合に、品質及び食感が高レベルに維持さ
れた高品質の調理ソースとして喫食することが可能とな
る。
【0026】本発明においては、前記の原料を、前記の
配合量において配合し、これを通常の方法に準じて混合
して均一化した後、常法により適宜の形態に成形して適
宜の形態の製品に仕上げることができるが、この場合、
製品形態としては、例えば、固形、フレーク、顆粒等の
形態が好適なものとしてあげられる。更に、この場合、
各々の原料の配合、混合、及び成形手段は常法に従えば
よく、特に限定されるものではないが、例えば、各々の
原料を無加水の形で60〜200℃の温度条件下でホモ
ミキサー、クッキングミキサー等の装置を用いて均一に
混合し、溶融造粒、押出し造粒等の装置を用いてフレー
ク、顆粒等の形態に成形すればよい。
【0027】本発明においては、前記の各原料に水を加
えることなく無加水の形で混合し、これを成形して、フ
レーク、顆粒等の形態の製品に仕上げることが重要であ
り、かかる製造法に従って得られる本発明の即席調理ソ
ースは、いわゆるw/o系の組成の製品であり、水分含
量の高い、いわゆるo/w系の乳化物とは全く異なる組
成のものである。このように、本発明において前記した
特定の蔗糖脂肪酸エステルを配合するのは、水分含量が
高く、乳化安定性に優れたo/w系の乳化物を得るため
ではなく、従来、製品の品質及び食感の劣化を生起させ
ることからその使用量が限られていた硬化油の使用を製
品の品質及び食感を劣化することなく可能とすると共
に、常温流通時においても製品の形態を良好に保持する
ことを可能にするためであり、また、得られた即席調理
ソースは、従来製品にみられない高い形態保持の特性を
有するものであり、従って、本発明は、乳化剤を配合し
て乳化安定性に優れた水分含量の高いo/w系乳化物を
製造する従来の技術とは明確に区別される全く別異のも
のであると云える。
【0028】尚、蔗糖脂肪酸エステルは、乳化剤の一種
であり、従来、これを水分含量の高いo/w系の乳化物
の乳化安定性の向上に利用された例はあるものの、本発
明者らの知るところによれば、無加水の形で製造された
w/o系の食品に配合し、その喫食時における食感の向
上を目的として配合された例は見当たらず、かかる知見
は、本発明者らが見い出した新規な知見であると云え
る。本発明で得られる即席調理ソースは、前記以外の原
料を添加して様々な種類、形態のものとすることが可能
であり、これを他の食品と組み合わせて製品化すること
も可能であることは云うまでもない。
【0029】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は、当該実施例により何ら限
定されるものではない。
【0030】実施例1 (1)即席クリームシチューソースの素 SFI60(40℃)、融点53℃の牛脂硬化油16重
量%、HLB1のエルカ酸蔗糖脂肪酸エステル〔三菱化
成食品(株)商品名ER−190〕0.5重量%(対油
脂約3重量%)、小麦粉30重量%、コーンスターチ1
5重量%、砂糖8重量%、塩10重量%、粉乳8重量
%、その他の調味料12重量%の各原料を室温で配合
し、無加水の形でクッキングミキサーで品質が100℃
になるまで加熱混合し、均一にしたものを押出し造粒装
置を用いて成形して顆粒形態の即席クリームシチューソ
ースを製造した。得られた製品は常温流通時においても
その形態保持は良好であり、夏期の高温下(約50℃)
においてもその形態は好適に保持されることが分った。
【0031】(2)クリームシチューの調製 上記の構成で製造した顆粒形態の即席クリームシチュー
ソース100gを800gの湯水に加え、これを常法に
より攪拌しながら煮込んで、当該ソースを充分に溶かす
ことにより、クリームシチューを調製した。得られた製
品は、クリームシチューに特有のなめらかな性状のもの
でありその食感はきわめて良好であることが分った。
【0032】実施例2 (1)即席カレーソースの素 SFI55(40℃)、融点50℃のパーム硬化油27
重量%、HLB2のエルカ酸蔗糖脂肪酸エステル〔三菱
化成食品(株)商品名ER−290〕1.0重量%(対
油脂約4重量%)、小麦粉15重量%、コーンスターチ
澱粉10重量%、カレー粉10重量%、砂糖10重量
%、塩10重量%、その他の調味料17重量%の各原料
を室温で配合し、無加水の形でクッキングミキサーで品
温が105℃になるまで加熱混合し、均一にしたものを
フレーカー装置を用いて成形してフレーク形態の即席カ
レーソースを製造した。得られた製品は常温流通時にお
いてもその形態保持は良好であり、夏期の高温下(約5
0℃)においてもその形態は好適に保持されることが分
った。
【0033】(2)カレーソースの調製 上記構成で製造したフレーク形態の即席カレーソース1
00gを約600gの湯水に加え、常法によりこれを攪
拌しながら煮込んで、当該ソースを充分に溶かすことに
より、カレーソースを調製した。得られた製品は、カレ
ーソースに特有のなめらかな性状のものでありその食感
はきわめて良好であることが分った。 比較例1 エルカ酸蔗糖脂肪酸エステルを使用しない他は、上記実
施例1と同様にして即席クリームシチューを調製した。
【0034】比較例2 SFI60(40℃)、融点53℃の牛脂硬化油の代わ
りに、SFI40(40℃)、融点45℃の豚脂を使用
し、かつエルカ酸蔗糖脂肪酸エステルを使用しない他
は、上記実施例1と同様にして即席クリームシチューを
製造した。
【0035】比較例3 SFI60(40℃)、融点53℃の牛脂硬化油の代わ
りに、SFI40(40℃)、融点45℃の豚脂を使用
した他は、上記実施例1と同様にして即席クリームシチ
ューを製造した。
【0036】比較例4 SFI60(40℃)、融点53℃の牛脂硬化油の代わ
りに、SFI80(40℃)、融点58℃の動物油から
なる油脂(硬化油)を使用した他は、上記実施例1と同
様にして即席クリームシチューを製造した。
【0037】製品の品質の比較試験 (1)試験方法 上記実施例1により調製した本発明の製品と、上記比較
例1〜4により調製した各製品について、食感、形態保
持、総合評価の各項目を試験項目として20人のパネル
による官能評価試験を実施した。この場合、食感は、上
記実施例1に示した如く、本発明の即席調理ソース(即
席クリームシチュー)の素を実際に喫食する際の利用形
態に調理したものを対象にして官能評価試験を実施した
場合の結果を意味する。尚、この場合、かかる喫食時の
利用形態における油脂濃度は、約1.9重量%になるよ
うに、また、蔗糖脂肪酸エステルの濃度は、約0.06
重量%になるように調製した。また、評価内容として、
食感については、上記喫食時の利用形態における調理ソ
ースを60〜80℃の温度で食した際の食感(テクスチ
ャーを含む)の良否を判定したものであり、○は良好、
×は「ロウ」っぽく感じられ食感が不良であることを示
し、形態保持については、◎は全く問題なし、○は問題
なし、×は不良、であることを各々示す。また、総合評
価については、製品として最も好ましいものを5、最も
好ましくないものを1、とする5点評価によるものであ
る。
【0038】
【表1】
【0039】(2)試験結果 上記試験方法により製品の品質の比較試験を行った結果
を表1に示す。表1の結果から明らかなように、エルカ
酸蔗糖脂肪酸エステルを使用しないものは、食感が不良
であり評価が低く、また、硬化油を使用しないものは、
製品の形態保持が不良であり評価が低く、更に、SFI
80(40℃)以上の硬化油を使用したものは、形態保
持には全く問題はないが食感が不良であり、これらのも
のは、総合評価において不良であることが分った。これ
に対して、特定の硬化油とエルカ酸蔗糖脂肪酸エステル
を組み合わせた場合に、食感と形態保持の両者の評価が
高く、総合評価において全く問題のないものであること
が判明した。尚、上記エルカ酸蔗糖脂肪酸エステルの代
わりにオレイン酸蔗糖脂肪酸エステル、リノール酸蔗糖
脂肪酸エステルを用いて同様に試験を実施したところ、
上記エルカ酸蔗糖脂肪酸エステルを使用した場合と同様
の効果が奏されることが分った。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、油脂と
して40℃でのSFIが55以上75以下の硬化油を使
用すると共に、これに、HLBが5以下であって、構成
脂肪酸が炭素数18〜22の不飽和脂肪酸である蔗糖脂
肪酸エステルを配合することを必須の要件とするもので
あって、かかる構成を採用することにより、本発明によ
れば、次のような効果が得られる。
【0041】(1)従来、品質、食感の点でその使用に
限度があった硬化油をより高い配合量で使用することが
できる。 (2)常温流通の際に見られる製品形態の劣化の問題を
確実に解消し、フレーク、顆粒等の製品形態においても
長期に亘ってその良好な形態保持を可能とすることがで
きる。 (3)硬化油を高い配合量で使用しても、喫食時におけ
る食感の低下を確実に防止することが可能であり、本発
明の即席調理ソースによれば、高いレベルの品質、食感
を有する調理ソースを簡便、かつ迅速に調理することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高柳 敏紀 三重県四日市市東邦町1 三菱化成株式 会社四日市工場内 (72)発明者 松田 孝二 東京都中央区銀座五丁目13番3号 三菱 化成食品株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−128658(JP,A) 特開 平4−370078(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/39 - 1/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉等の穀粉、調味料類、40℃での
    SFIが55以上75以下の硬化油を含む原料に対し、
    HLBが5以下であって、構成脂肪酸が炭素数18〜2
    2の不飽和脂肪酸である蔗糖脂肪酸エステルを配合した
    ことを特徴とする即席調理ソース。
  2. 【請求項2】 蔗糖脂肪酸エステルとして、エルカ酸蔗
    糖脂肪酸エステルを配合する請求項1記載の即席調理ソ
    ース。
  3. 【請求項3】 硬化油の配合比が、5〜50重量%であ
    る請求項1記載の即席調理ソース。
  4. 【請求項4】 蔗糖脂肪酸エステルの配合比が、油脂全
    量に基づき0.5〜10重量%である請求項1記載の即
    席調理ソース。
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