JPH0785707B2 - 固形ルウの製造方法 - Google Patents
固形ルウの製造方法Info
- Publication number
- JPH0785707B2 JPH0785707B2 JP3174523A JP17452391A JPH0785707B2 JP H0785707 B2 JPH0785707 B2 JP H0785707B2 JP 3174523 A JP3174523 A JP 3174523A JP 17452391 A JP17452391 A JP 17452391A JP H0785707 B2 JPH0785707 B2 JP H0785707B2
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- solid roux
- fatty acid
- curry
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、風味が良く保存性に
すぐれたカレールウ,シチュールウ等の固形ルウの製造
方法に関するものである。
すぐれたカレールウ,シチュールウ等の固形ルウの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来の固形ルウたとえばカレ
ールウは、まず、食用油脂と小麦粉とを混合し、これを
120〜140℃程度に加熱する。それにカレー粉,砂
糖,食塩,粉末調味料等を混合して均質にした後、容器
に充填して冷却・固化し、これをそのまま又は離型して
包装し、製品とするのである。その際、容器に充填する
までは油脂の融点以上の温度に加温し、油脂を連続相と
しておく。
ールウは、まず、食用油脂と小麦粉とを混合し、これを
120〜140℃程度に加熱する。それにカレー粉,砂
糖,食塩,粉末調味料等を混合して均質にした後、容器
に充填して冷却・固化し、これをそのまま又は離型して
包装し、製品とするのである。その際、容器に充填する
までは油脂の融点以上の温度に加温し、油脂を連続相と
しておく。
【0003】ところで上述の粉末調味料とは、化学調味
料以外にオニオン.トマト等の野菜、果実のパウダー
(フリーズドライ、スプレードライ等によるもの)や脱
脂粉乳等のことであり、それらは種々の熱処理を受けて
おり、風味に新鮮さが乏しいところが難点である。これ
らの粉末に比し、野菜,果実のエキス,ジュース,生乳
等は余り加工過程を経ていないからフレッシュ感があ
り、風味の点で良好であり、さらにこれらを原料として
作ったカレールウも同様である。この点で水分を含んだ
ままの生の材料を使ったカレールウがすぐれている。更
にルウ中に水分を含むとルウを加熱したとき全体が湿熱
殺菌状となり、従来の低水分ルウが乾熱殺菌状であるの
に比し、殺菌効果が大であり、ルウの保存性もそれだけ
向上するという利点がある。
料以外にオニオン.トマト等の野菜、果実のパウダー
(フリーズドライ、スプレードライ等によるもの)や脱
脂粉乳等のことであり、それらは種々の熱処理を受けて
おり、風味に新鮮さが乏しいところが難点である。これ
らの粉末に比し、野菜,果実のエキス,ジュース,生乳
等は余り加工過程を経ていないからフレッシュ感があ
り、風味の点で良好であり、さらにこれらを原料として
作ったカレールウも同様である。この点で水分を含んだ
ままの生の材料を使ったカレールウがすぐれている。更
にルウ中に水分を含むとルウを加熱したとき全体が湿熱
殺菌状となり、従来の低水分ルウが乾熱殺菌状であるの
に比し、殺菌効果が大であり、ルウの保存性もそれだけ
向上するという利点がある。
【0004】ところでカレールウの遊離水分量が増える
と、折角殺菌したにもかかわらず、殊に一旦、開封した
後はルウの水分活性が上昇し、微生物(かび等)が繁殖
したり、酵素による油脂の劣化が起りやすいという欠陥
が生じる。
と、折角殺菌したにもかかわらず、殊に一旦、開封した
後はルウの水分活性が上昇し、微生物(かび等)が繁殖
したり、酵素による油脂の劣化が起りやすいという欠陥
が生じる。
【0005】本発明は、上述の如き課題、即ち新鮮で水
分の多い生の原料を使用して風味の良いルウを提供し、
かつ殺菌効果とその後の保存性にすぐれたルウを製造す
ることに成功したものである。以下にその詳細を説明す
る。
分の多い生の原料を使用して風味の良いルウを提供し、
かつ殺菌効果とその後の保存性にすぐれたルウを製造す
ることに成功したものである。以下にその詳細を説明す
る。
【0006】
【課題解決の手段】本願発明は以下の手段よりなる。先
ず、食用油脂と小麦粉とを混合し加熱する。ついでこれ
にカレー粉,砂糖,食塩等を加え混合する。混合して得
られたものを以下に基本組成物という。ここまでは常法
通りである。
ず、食用油脂と小麦粉とを混合し加熱する。ついでこれ
にカレー粉,砂糖,食塩等を加え混合する。混合して得
られたものを以下に基本組成物という。ここまでは常法
通りである。
【0007】本発明ではここで別途調味料類のW/Oエ
マルジョンを調製するのである。エマルジョンを調製す
るには、含水液状物と油脂と乳化剤とを混合し、場合に
よっては機械的に強力に攪拌して乳化させる。かかるエ
マルジョンを100℃以上に加熱処理して基本組成物に
混合するか又はエマルジョンを基本組成物に混合した後
に全体を100℃以上に加熱処理するかしたものを、成
形・固化して固形ルウを得るのである。
マルジョンを調製するのである。エマルジョンを調製す
るには、含水液状物と油脂と乳化剤とを混合し、場合に
よっては機械的に強力に攪拌して乳化させる。かかるエ
マルジョンを100℃以上に加熱処理して基本組成物に
混合するか又はエマルジョンを基本組成物に混合した後
に全体を100℃以上に加熱処理するかしたものを、成
形・固化して固形ルウを得るのである。
【0008】本発明において、殊に乳化剤としてはHL
B3以下であって不飽和脂肪酸をその構成脂肪酸とする
ショ糖脂肪酸エステル1部とポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステル1〜3部とよりなる組成物を使用する
と100℃以上の加熱条件でも乳化が破壊されず好まし
い。添加する油脂は、液状調味料たとえば野菜・果実の
エキス・ジュースや生クリーム中の水分値に対して油脂
分が0.5倍量以上になるよう加える。
B3以下であって不飽和脂肪酸をその構成脂肪酸とする
ショ糖脂肪酸エステル1部とポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステル1〜3部とよりなる組成物を使用する
と100℃以上の加熱条件でも乳化が破壊されず好まし
い。添加する油脂は、液状調味料たとえば野菜・果実の
エキス・ジュースや生クリーム中の水分値に対して油脂
分が0.5倍量以上になるよう加える。
【0009】エマルジョンもしくはエマルジョン混入後
の組成物の加熱処理は、たとえば100℃,15分とす
ればよい。なお、前述したように、このカレールウの水
分含量は4〜15%の範囲で水分活性が0.6以下にな
るように調整する。
の組成物の加熱処理は、たとえば100℃,15分とす
ればよい。なお、前述したように、このカレールウの水
分含量は4〜15%の範囲で水分活性が0.6以下にな
るように調整する。
【0010】
【作用】100℃以上の加熱処理をするとカレールウ中
の酵素が失活し、油脂の劣化防止が可能となる。このこ
とは水分含有量増加により酵素が活性化しやすいから殊
に重要である。水分活性は0.6以下としたから、微生
物の増殖が抑制できる。請求項2に記載した乳化系は殊
に耐熱性を有し、この程度の加熱処理によっても乳化系
がくずれないところに大きな特徴がある。
の酵素が失活し、油脂の劣化防止が可能となる。このこ
とは水分含有量増加により酵素が活性化しやすいから殊
に重要である。水分活性は0.6以下としたから、微生
物の増殖が抑制できる。請求項2に記載した乳化系は殊
に耐熱性を有し、この程度の加熱処理によっても乳化系
がくずれないところに大きな特徴がある。
【0011】
【実施例】下記の表1に示した配合によりカレールウを
つくった。
つくった。
【0012】
【表1】
【0013】まず、食用油脂23部と小麦粉26部とを
混合して140℃まで加熱した。次いでそれにカレー
粉,砂糖,食塩,グルタミン酸ナトリウムを混合した。
一方、オニオンエキス,トマトペースト,濃縮乳,ビー
フエキス,ガーリックエキス及びマンゴチャッネの計1
6部を食用油脂10部と混合した。これにエルカ酸ショ
糖脂肪酸エステル(HLB2)とポリグリセリンリシノ
レイン酸エステルの1:1混合物の0.1部を加え、T
Kホモミキサー(特殊機械化工業株式会社製)8000
rpmにて5分間攪拌しW/Oエマルジョンを調製し
た。得られたものを上述の基本組成物に投入し、全体を
かき取り式熱交換機にて110℃,30秒加熱し、45
℃まで冷却した後、型入れして冷却固化した。
混合して140℃まで加熱した。次いでそれにカレー
粉,砂糖,食塩,グルタミン酸ナトリウムを混合した。
一方、オニオンエキス,トマトペースト,濃縮乳,ビー
フエキス,ガーリックエキス及びマンゴチャッネの計1
6部を食用油脂10部と混合した。これにエルカ酸ショ
糖脂肪酸エステル(HLB2)とポリグリセリンリシノ
レイン酸エステルの1:1混合物の0.1部を加え、T
Kホモミキサー(特殊機械化工業株式会社製)8000
rpmにて5分間攪拌しW/Oエマルジョンを調製し
た。得られたものを上述の基本組成物に投入し、全体を
かき取り式熱交換機にて110℃,30秒加熱し、45
℃まで冷却した後、型入れして冷却固化した。
【0014】得られたカレールウ中のW/Oエマルジョ
ンは破壊されておらず、全体の水分は8.1%と、通常
の2〜4%のものに較べて水分が多かった。これを調理
して試食したところ、従来のカレールウより美味なもの
であった。
ンは破壊されておらず、全体の水分は8.1%と、通常
の2〜4%のものに較べて水分が多かった。これを調理
して試食したところ、従来のカレールウより美味なもの
であった。
【0015】
【発明の効果】本発明は上述の通り、原料混合物に遊離
の状態でなく乳化の状態で加工度の低い含水液状物を混
入したから、原料本来の風味が製品中で発現しやすく、
従来にない香味のものとなった上、結果的にルウ中に水
分を増加させることとなったため、湿熱による加熱殺菌
が容易となり、更に添加された水分は遊離状では存在し
ないなどによりルウの保存性が向上した。
の状態でなく乳化の状態で加工度の低い含水液状物を混
入したから、原料本来の風味が製品中で発現しやすく、
従来にない香味のものとなった上、結果的にルウ中に水
分を増加させることとなったため、湿熱による加熱殺菌
が容易となり、更に添加された水分は遊離状では存在し
ないなどによりルウの保存性が向上した。
Claims (2)
- 【請求項1】 水分含有液状物と油分と乳化剤とを混合
し乳化させW/O型エマルジョンとしたものを固形ルウ
組成物に練り込む前又は練り込んだ後に全体を100℃
以上の温度に加熱し、次いでこれを成形・固化すること
を特徴とする固形ルウの製造方法。 - 【請求項2】 乳化剤としてHLB3以下であって不飽
和脂肪酸をその構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル
1部(重量部。以下おなじ)とポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステル1〜3部からなるものを使用するこ
とを特徴とする請求項1記載の固形ルウの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3174523A JPH0785707B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 固形ルウの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3174523A JPH0785707B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 固形ルウの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04370078A JPH04370078A (ja) | 1992-12-22 |
JPH0785707B2 true JPH0785707B2 (ja) | 1995-09-20 |
Family
ID=15980016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3174523A Expired - Fee Related JPH0785707B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 固形ルウの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0785707B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2784137B2 (ja) * | 1993-10-13 | 1998-08-06 | ハウス食品株式会社 | 即席調理ソース |
JP3804541B2 (ja) * | 2002-01-31 | 2006-08-02 | 株式会社カネカ | ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品 |
JP5649868B2 (ja) * | 2010-08-19 | 2015-01-07 | 理研ビタミン株式会社 | 油中水型油脂組成物の凝集防止方法 |
JP7317493B2 (ja) * | 2018-11-22 | 2023-07-31 | 江崎グリコ株式会社 | 固形ルウ |
JP7445390B2 (ja) * | 2019-03-29 | 2024-03-07 | ハウス食品株式会社 | 濃縮調味料組成物 |
JP7350509B2 (ja) * | 2019-05-10 | 2023-09-26 | ハウス食品株式会社 | ルウの製造方法及びルウ |
-
1991
- 1991-06-19 JP JP3174523A patent/JPH0785707B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04370078A (ja) | 1992-12-22 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |