JP3393840B2 - 魚卵食品 - Google Patents

魚卵食品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タラ、マダラ、ス
ケトウダラ、ニシン、飛魚、シシャモ等の腹子である魚
卵を、食品用原料として用いる魚卵食品に関する。タラ
コ、明太子、トビッコ、数の子等を用いたパスタソー
ス、お茶漬けの素、お握りの具、炒飯の素の原料として
好適である。
【0002】
【従来の技術】タラコなどの魚卵を、パスタソースやフ
リカケとして用いたものには、乾燥物が多く利用されて
いる。乾燥したものであると、風味が劣り、また、乾燥
するためのコストがかかるものとなっている。また、生
のタラコなどの魚卵を、パスタソースやチャーハンの素
等の二次加工食品に工業的に用いるには、流動性がない
ために機械適性が悪く大量処理するのが困難となる。
【0003】また、パスタソースやチャーハンの素等の
二次加工食品とするのに、タラコの場合等、焼き風味が
好まれている。焼き風味を付与するには、焙焼するが、
工業的に焙焼工程を入れて、大量の魚卵に焼き風味を付
与するには、設備的にも、処理時間も手間がかかるもの
となる。そこで、特許登録第2878543号公報には
「タラコのバラ卵に、0.2〜1.5重量倍の食用油脂
を添加混合し、加熱処理をしてバラ卵の品温を155〜
165℃まで昇温させて、香ばしい焼き風味を有するバ
ラ卵の製造方法」が提案されている。しかしながら、油
脂を用いる方法では、155℃以上という高温にせねば
ならず、また、油脂を用いてもよい二次加工食品に使用
が限定され、高温による油脂の酸化臭が強く焼きタラコ
風味が劣るという問題があった。
【0004】そして特開平9−271363号公報には
「塩タラコに、糖および/または糖アルコールを添加し
て加熱殺菌してなる塩タラコペースト」が提案されてい
るが、糖アルコールを用いて塩タラコに耐熱性を付与
し、熱変性させないように、加熱殺菌することを目的と
しており、本発明のように魚卵を熱変性させて焼きタラ
コ本来の風味をそのまま残した状態で、食品用原料とし
て用いることとは、目的が異なるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、タラコ等の
魚卵食品に関し、焙焼しなくても、従来技術よりも低い
温度で焼き風味を付与することができ、また二次加工食
品に用いるのに簡便で、機械加工に適しており、種々の
二次加工食品に用いることができる魚卵食品を提供する
ことを目的とするものある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために種々研究した結果、本発明を完成し
た。すなわち、(1)魚卵と糖アルコールを混合して、
85℃以上140℃以下の温度で加熱してなり、魚卵が
加熱変性してなる魚卵食品、(2)糖アルコールが還元
オリゴ糖である(1)記載の魚卵食品、(3)二次加工
食品原料用である(1)記載の魚卵食品、(4)魚卵3
0%以上80%以下、糖アルコール20%以上70%以
下である(1)記載の魚卵食品である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳述する。なお、本
発明において「%」の表示は「質量%」を意味するもの
である。
【0008】本発明に用いる魚卵としては、タラ、マダ
ラ、スケトウダラ、ニシン、飛魚、シシャモ等の腹子を
バラしてあるもので、タラコ、明太子、トビッコ、数の
子等として用いられているものである。これらの中で
も、特にスケトウダラの腹子が、焼き風味が付与され、
美味しく感じられ望ましい。用いる魚卵としては、風味
の面より生状のものを用いるとよい。また、保存性を持
たせるために、塩蔵や冷凍してあるものを用いることが
できる。なお、イクラは粒が大きいために、魚卵食品と
して用いるには相応しくないものである。
【0009】本発明の糖アルコールとは、エリスリトー
ル、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラク
チトール、トレハロース、還元パラチノース、デキスト
リンアルコール、還元水飴、還元オリゴ糖等が挙げら
れ、甘味度50以下の糖アルコールがより望ましく、風
味、機械適性の面から、還元水飴、還元オリゴ糖が特に
望ましい。
【0010】魚卵食品に対する魚卵と糖アルコールの占
める比率としては、生魚卵に換算して魚卵30%以上8
0%以下、糖アルコール20%以上70%以下であると
より望ましい。魚卵が30%を下回ると、あるいは糖ア
ルコールが70%を上回ると、糖アルコールの風味が強
く魚卵の風味が低くなり、また、魚卵としての成分が少
ないので、二次加工食品の原料として用いにくくなる。
逆に魚卵が80%を超えると、あるいは、糖アルコール
が20%を下回ると、加熱することで、魚卵食品が凝固
する傾向となり、機械適性が劣り、機械による加工が困
難となる。
【0011】次に、魚卵と糖アルコールの混合物を加熱
する温度としては、後の試験例で詳しく述べるが、魚卵
を加熱変性させる下限温度としては85℃以上であると
生臭みがなく、100℃以上であると焼き風味が得ら
れ、105℃以上であると焼き風味が特に良好となりよ
り望ましい。一方上限温度としては140℃以下が好ま
しく、125℃以下であると、より焼き風味が良好とな
り望ましい。
【0012】本発明の魚卵食品は流動性があるので、機
械による加工がし易くなり、つまり機械適性が得られる
ので、二次加工食品の原料として用いるのが容易となり
好適である。二次加工食品としてはパスタソース、パン
のフィリング、炒飯の素、お茶漬けの素、お握りや寿司
の具、マヨネーズやノンオイルドレッシング等の各種調
味料等が挙げられる。なお、魚卵食品が一次加工食品の
段階で、流動性を損なわない限り、その他の副原料、例
えば、糖類、澱粉類、塩類、蛋白質類、油脂類、色素、
調味料、その他野菜、畜肉、魚介類等の各種具材等を添
加してもよいことは言うまでもない。
【0013】次に本発明の魚卵食品の代表的製造方法に
ついて説明する。タラ、マダラ、スケトウダラ、ニシ
ン、飛魚、シシャモ等の腹子を、必要に応じて腹子を包
んでいる皮等を取り除き、解した魚卵を準備する。用い
る魚卵は、塩蔵品でも凍結品を用いてもよい。例えば攪
拌機付き二重釜に魚卵30%〜80%と糖アルコール2
0%〜70%と投入し、攪拌混合しながら、85℃以上
に昇温する。100℃以上に加熱する場合は、圧力釜に
て加熱するとよい。あるいは、攪拌釜にて魚卵と糖アル
コールを混合後、レトルトパウチ等の容器に充填密封
し、レトルト釜で100℃以上に加圧加熱するとよい。
あるいは、包装体に充填する前に100℃以上でアセプ
ティック殺菌した後、これを包装体に無菌的に充填・密
封することもできる。加熱時間としては、適宜選択すれ
ばよいが、魚卵が加熱変性し、焼き風味を有する程度に
加熱するとよく、また、保存性を持たせるために、菌数
を減らす目的に応じて加熱温度、時間を適宜選択すると
よい。加熱後は常法に従い、冷却するとよい。
【0014】このようにして得られた本発明の魚卵食品
は、焼き風味が良好で、二次加工食品の原料として用い
るのに好適である。糖アルコールを添加することで、ア
ミノカルボニル反応が適度に調整され、褐変が抑制さ
れ、焼き風味の良好な魚卵食品が得られ、水分が過度に
脱水されないことにより、食した時に舌に風味が良く感
じられると考えられる。
【0015】次に本発明の実施例と試験例に基づき、詳
細に説明する。 実施例1 スケトウダラの腹子10kgを、5%の食塩水で洗浄
し、目開き1mmの篩により、きょう雑物を取り除き、
得られた9.5kgのバラ魚卵を二重釜に投入した。さ
らに、還元オリゴ糖を8.5kg投入して攪拌しなが
ら、95℃、5分間に加熱した後、レトルトパウチに3
kgづつ充填密封し、レトルト釜で115℃で40分間
加熱後、10℃以下に冷却して、本発明のタラコ食品と
した。
【0016】実施例2 実施例1で得られたタラコ食品を20kgを二重釜に投
入し、加熱攪拌しながらベシャメルソース10kg、牛
乳50.7kg、生クリーム5kg、チーズ3kg、食
塩1.2kg、グルタミン酸ソーダ0.8kg、マーガ
リン1%とタマリンドガム0.2%を加えて90℃達温
後加熱を停止し、ベーコン8kgとブラックペパー0.
1kgを加え仕上げ攪拌しソースを得た。得られたソー
スを140gずつ耐熱性レトルトパウチに充填・密封し
た後、125℃で10分間レトルト殺菌し、しかる後、
冷却してタラコクリームパスタソースを得た。
【0017】試験例1 塩付冷凍した生タラコのバラ卵を解凍し、このバラ卵を
50%、還元オリゴ糖を50%となるように、20cm
×30cmの1kg用耐熱性袋に、1kgを充填密封
し、加熱温度を変えて40分間それぞれ加熱後、10℃
の冷却水で冷却して、風味を専門のパネラー5人により
評価した。比較として、バラ卵50%、油脂50%の混
合物を155℃で熱したものを同様に評価した。結果を
表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から、油脂により155℃で加熱した
ものは、脱水されており、還元オリゴ糖で加熱したもの
に比べ、タラコ風味が劣ることが分かる。還元オリゴ糖
により85℃以上で加熱すると生臭みがなく、100℃
以上であると焼き風味が得られ、105℃以上125℃
以下であると焼き風味が特に良好となり、140℃を超
えると焦げ臭がするようになることが理解できる。
【0020】試験例2 塩付冷凍の生タラコのバラ卵を解凍し、このバラ卵と還
元オリゴ糖の混合比率を下記表に示すとおりの条件で配
合し、20cm×30cmの1kg用耐熱性袋に、1k
gを充填密封し115℃、40分間加熱したものの、状
態・機械適性、風味を専門のパネラーにより評価した。
機械適性については、魚卵食品を、充填や投入を機械で
行なうのに用いるポンプアップが可能か、そして魚卵が
沈殿せずに均一な状態で充填ができるかという観点で評
価した。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表1から、油脂により加熱したものは、魚
卵が沈殿するために、機械で均一にポンプアップできな
いことが分かる。還元オリゴ糖とタラコを混合して加熱
すると、流動性が得られ、魚卵が偏らずにポンプアップ
できるので機械適性があり、工業的に大量処理できるこ
とが理解できる。さらに、生タラコ30%〜80%、還
元オリゴ糖20%〜70%であると、風味、状態・機械
適性が良好な魚卵食品となることが理解できる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の魚卵食品
は、焙焼しなくても、100℃程度の加熱で焼き風味を
付与することができ、また二次加工食品に用いるのに、
機械による充填等の処理が可能な機械適性を有し、ま
た、パスタソース、お茶漬けの素、お握りの具、ノンオ
イルドレッシング等、油脂を用いない食品にも、各種幅
広い二次加工食品の原料として用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−271363(JP,A) 特開 平6−153870(JP,A) 特開2001−224344(JP,A) 特開2000−262253(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/328

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】魚卵と糖アルコールを混合して、85℃以
    上140℃以下の温度で加熱してなり、魚卵が加熱変性
    してなる魚卵食品。
  2. 【請求項2】糖アルコールが還元オリゴ糖である請求項
    1記載の魚卵食品。
  3. 【請求項3】二次加工食品原料用である請求項1記載の
    魚卵食品。
  4. 【請求項4】魚卵30%以上80%以下、糖アルコール
    20%以上70%以下である請求項1記載の魚卵食品。
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