JP4269681B2 - 水及び油脂含有食品の製造法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、油脂及び水を含有する食品の製造方法に関する。
背景技術
マヨネーズ、マーガリン、フィリング等の油脂及び水を含有する食品はパン、洋和菓子、惣菜等幅広い食品に用いられるが、従来乳化剤を多く使用することにより粘度が上昇し作業がしにくくなったり、電子レンジやオーブンで加熱した後に油、水が分離したり、形が変化したり、凍結、解凍後に油、水が分離する等の問題があった。また乳化剤や澱粉や天然多糖類等の安定剤の使用により風味を悪くする傾向にある。
一方、優れた収着性のおからを得ることについて特公昭48−2334号公報に記載があるが、得られるおからの水吸収能はおから乾燥重量当たり精々14重量倍程度のものであり、ザラつきも目立った。
発明の開示
本発明は上記の課題を解決するもので、油脂及び水を含有する食品の油と水が分離しにくく、乳化剤や安定剤の使用を効果的に減じることを目的とする。
発明を実施するための最良の形態
本発明者らは、これらの問題を解決することを目的として鋭意検討した結果、おからの粒子を10〜200ミクロンまで微細化し、湿潤状態でおからを用いることにより前記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、粒子径が10〜200ミクロンの湿潤おから(水分55〜95重量%)に、油脂を吸収させることを特徴とする水及び油脂含有食品の製造法である。湿潤おからの粒子径は20〜50ミクロンが好ましい。この湿潤おからの吸水能はおからの乾燥重量当たり15〜40重量倍である。この湿潤おからの吸油能はおからの乾燥重量当たり8〜20重量倍である。湿潤おから及び油脂に更に水を吸収させることができる。食品がマヨネーズ状食品である場合、湿潤おからに水、油及び酸を吸収させ、加熱雰囲気下で涅和し水中油型乳化することができる。食品が、マーガリン様食品である場合、湿潤おからに固体油脂を食品中70〜90重量%用いて加熱雰囲気下で涅和して油中水型乳化し、その後急冷することができる。食品が、液状マーガリン様食品である場合、湿潤おからに液体油を食品中20〜60重量%、及び水を用い加熱雰囲気下で涅和して油中水型乳化させ、冷却涅和することができる。食品が、スプレッドである場合、湿潤おからに固体油脂を食品中20〜60重量%、及び水を吸収させ、加熱雰囲気下で涅和することができる。食品がホイップクリームである場合、湿潤おからに固体油脂を食品中20〜50重量%、及び水を吸収させ、重合リン酸塩を添加し、加熱雰囲気下で涅和し、均質化して水中油型乳化たし後冷却することができる。食品がクリームチーズ様食品である場合、湿潤おからに固体油脂を食品中5〜40重量%、及び水を吸収させ、重合リン酸塩を添加し、チーズフレーバー或いはチーズを混合し、加熱雰囲気下で涅和し急冷することができる。食品が含水チョコレートである場合、湿潤おからに固体油脂を食品中10〜40重量%を吸収させ、カカオマス及び砂糖を加えて加熱雰囲気下で涅和し、ロール掛けし、コンチングし脱泡することができる。食品がガナッシュである場合、湿潤おからに固体油脂並びに牛乳もしくは生クリームを吸収させ、カカオマス、砂糖を加えて加熱雰囲気下で涅和し急冷することができる。食品が、香辛料ペーストである場合、湿潤おからに醸造酢及び液体油を吸収させ、香辛料を添加し、低温雰囲気下で涅和することができる。食品が、大豆餡である場合、湿潤おからに液体油を吸収させ砂糖を食品中20〜70重量%混合して加熱雰囲気下で涅和することができる。食品が冷菓である場合、湿潤おからに固体油脂及び水を吸収させ、砂糖を添加涅和し、均質化の後冷凍、フリージングすることができる。食品がスープである場合、湿潤おからに油脂及び水を吸収させ、スープ具材を添加し、加熱雰囲気下で涅和することができる。食品が畜肉製品である場合、湿潤おからに油脂を吸収させ、肉原料と涅和し、成型後加熱することができる。食品が水産練製品である場合、湿潤おからに油脂及び水を吸収させ、すり身と涅和し、成型後加熱することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる湿潤おからは粒子径が10〜200ミクロンメーター(以下、単に「ミクロン」と略す。)、好ましくは粒子径が20〜50ミクロンであり、この範囲において水、油吸収能が高いため、冷凍耐性及び加熱耐性に優れ、適当である。粒子径が10ミクロン未満であるか、あるいは200ミクロンを超えると水及び油脂の吸収能が低下する。なお、本明細書に記載したおからの粒子径は、200ミクロン以下についてコールターカウンターで測定し、また200ミクロンを超えたところでは篩分けによって測定した平均粒子径である。
本発明のおからは湿潤状態で用いることが必要である。湿潤おからの水分は通常55〜95重量%(以下、単に「%」と略す。)が適当である。好ましくは60〜95%、より好ましくは65〜90%、更に好ましくは70〜90%が良い。おからが使用前に乾燥されて上記範囲未満に水分が少なくなると、油脂及び水を保持する性能が不充分で、甚だしくはおから自体がパサパサした食感となる。ただし、水分が多すぎる状態で用いると、油脂等の吸収能が充分でない。
また、この湿潤おからの油分は原料により異なり、脱脂大豆から得られたおからは油分が少ないが、丸大豆から得られたおからは通常1〜4%の油分を含む。油分は吸水能や吸油能には大きな影響はないものの、風味の点から丸大豆から得られた湿潤おからが好ましい。
本発明に用いるおからの水の吸収能(吸水能)は、湿潤状態で用いること、及び特定粒子径であることにより、おから乾燥重量当たり15〜40重量倍(以下、単に「倍」と略す。)であることができ、18〜40倍でもあることができる。おからの吸水能の測定は、湿潤おからに対して水を加えケンウッドミキサー(回転数60rpmで1分間)で攪拌し、25℃で24時間放置してなお保持する水の量を以て、おから乾燥重量当たりに換算した吸水能とした。
又、本発明の湿潤おからの吸油能は、8〜20倍と、従来のおからの吸油能の7倍以下に比べて高いものである。おからの吸油能の測定は、湿潤おからに対して大豆白絞油を加えケンウッドミキサー(回転数60rpmで1分間)で攪拌し、60℃で24時間放置してなお保持する油脂の量を以て、おから乾燥重量当たりに換算した吸油能とした。
湿潤おからの製造例を以下記載する。
湿潤おからの製造法としては、豆腐や豆乳の製造時に排出されるおからや、大豆蛋白製造時に得られる脱脂おからを原料として利用できる。例えば豆乳製造時に得られるおからを磨砕等により微細化して遠心分離して得ることができる。
また例えば脱皮、脱胚軸大豆に水を加えたものを回転刃形剪断力により裁断(例えば、コミットロール等により)して微細スラリーを得たのち、必要により高圧ホモゲナイザーを用いて適当な圧力で均質化し、平均粒子径50ミクロン以下の微細大豆スラリーを得ることができる。これを遠心分離や濾過により豆乳を除去し、湿潤微細おからを得ることができる。なお、微細大豆スラリーを得るためにはその他の手段も利用できる。例えばコロイドミル、ジェットミル等の微粉砕機で処理して適当な粒子径にすることもできる。
このように微粉砕化された湿潤おからは、表面積が大きくなることにより吸水能、引いては吸油能が向上する。またおからは熱変性を受けない範囲で前記湿潤水分の範囲内に調整しても良い。例えば水分を減じるために圧力をかけて水分を押し出す方法や、気流乾燥機、回転乾燥機、スプレードライヤー、凍結乾燥機、及びマイクロ波減圧乾燥機等で乾燥させる方法を用いることができる。
本発明の水及び油脂含有食品は、湿潤おからに原料である油脂又は油脂及び水を吸収させることにより、油脂を用いた各種の乳化食品又はその類似品であることができる。例えば油脂のみを吸収させる食品としてはマーガリン様食品、含水チョコレート、大豆餡等が挙げられ、油脂及び水を吸収させる食品としてはマヨネーズ状食品(ドレッシングを含む)、液状マーガリン様食品、スプレッド、ホイップクリーム、クリームチーズ様食品、香辛料ペースト、冷菓、スープ、畜肉製品、水産練製品等が挙げられ、また油脂を含むエマルジョンを吸収させた食品としてはガナッシュ等を挙げることができる。おからに油脂又は水を吸収させる場合、順番はいずれでも構わなく、吸収時に混練させても構わない。
また、油脂及び水が湿潤おからに吸収されて乳化状態になるが、油中水型乳化状態となるのはマーガリン様食品、液状マーガリン様食品及びスプレッドであり、そのほかは大部分が水中油型乳化状態である。
以下、油脂及び水を含有する食品の代表的製造法の例示をする。
<マヨネーズ状食品の製造例>
本発明のマヨネーズ状食品は、湿潤おからに水、油脂及び酸を吸収させ、加熱雰囲気下で涅和し、水中油型乳化して得ることができる。以下原料割合の比率を述べる。
このマヨネーズ状食品の製造方法において、食品中本湿潤おからを15〜70%、好ましくは30〜60%使用するのが良い。本湿潤おからが15%未満では油と水が分離する。また70%を超えると食感がざらつきマヨネーズ状食品の感じが低下する。
ここに用いる油脂としては、常温(25℃)で液体の菜種や大豆、コーン等の白絞油などの液体油が適当である。この油脂を食品中4〜60%、好ましくは10〜40%吸収させる。油脂が4%未満ではマヨネーズ状食品の表面がざらついて照りが無くなり、油脂が60%を超えると油っぽくなり、油と水が分離した状態となる。
酸としては、醸造酢、リンゴ酸、クエン酸等の食用有機酸を用いることができ、例えば酸度4%米醸造酢を標準にすると食品中5〜20%、好ましくは10〜15%を加えるのが良いが、5%未満では酸味を感じにくくなり、20%を超えると、酸味が強すぎてマヨネーズ状食品として酸っぱい味となる。
次に水を食品中10〜30%、好ましくは15〜20%吸収させる。水が10%未満では原料を涅和しにくくなり、作業性が悪くなる。30%を超えると油と水が分離したものとなる。これらを加熱雰囲気下で涅和することにより水中油型乳化して作るが、油脂、水のどちらを先に吸収させても同じ半固形状のマヨネーズ状食品ができる。
これらのマヨネーズ状食品は水中油型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、経時的保形性に優れ、市販品のドレッシングやマヨネーズに比べて、冷凍して解凍したときに油と水が分離したり、形がくずれたりすることが大幅に改善されている。電子レンジやオーブンで加熱した後も同様である。
<マーガリン様食品の製造例>
マーガリン様食品の製造例としては、湿潤おからに固体油脂を食品中70〜90%用いて加熱雰囲気下で涅和して油中水型乳化し、その後急冷して得ることができる。
マーガリン様食品の製造方法において、本湿潤おからを食品中5〜30%、好ましくは12〜20%使用するのが良い。5%未満では油脂吸収力が弱く、安定したマーガリン様食品ができない。また30%を超えると、食感がザラつきマーガリン様食品の感じが低下する。
これに菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化油、パーム核硬化油、綿実硬化油、ヤシ油、ヤシ硬化油、カポック油、乳脂肪、魚油硬化油等の固体油脂1種又は2種以上を食品中70〜90%、好ましくは75〜84%を吸収させるのが良い。70%未満ではマーガリン規格から外れスプレッド状となり、90%を超えると油脂が多く乳化安定性のあるマーガリン様食品ができない。
湿潤おからの水分にもよるが、必要に応じて、更に食品中に水を0〜10%、好ましくは0〜7%を吸収させることができる。10%を超えるとマーガリン規格から外れる。
これらをアジホモミキサー又はホモミキサーで加熱雰囲気下で涅和することにより油中水型乳化し、コンビネーター、コンプレクター、ボテーター等で急冷下で涅和することができる。
加熱雰囲気下で涅和する際の温度は通常のマーガリンの製造条件と同じ条件とすることができ、通常60〜80℃とすることができる。固体油脂を溶解し殺菌するためである。
急冷した後の温度は常温(25℃)以下で、水が凍らない温度(0℃)以上である。
このようにして得られたマーガリン様食品は市販の油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離がなくパン等の塗りやすさ(延展性)が優れている。また冷凍して解凍したときに油と水が分離したり、形がくずれたりすることが大幅に改善されている。電子レンジやオーブンで加熱した後も同様である。
<液状マーガリン様食品の製造例)>
マーガリン様食品の製造法については前述したが、マーガリン様食品の製造方法において、液体油を用い、その量もマーガリン様食品より少ない液状マーガリン様食品は、以下のようにして得ることができる。すなわち、湿潤おからに液体油を食品中20〜60%、及び水を用い加熱雰囲気下で涅和して油中水型乳化し冷却涅和することができる。
液状マーガリン様食品の製造方法において、本湿潤おからを食品中20〜70%、好ましくは35〜60%を使用するのが良い。本湿潤おからが20%未満では、油と水が安定したものができず、70%を超えると液状マーガリン様食品はできにくくなる。
これに大豆油、コーン油、菜種油、パーム油、魚油等の1種又は2種以上からなる油脂(液体油)を食品中20〜60%、好ましくは30〜45%を吸収及び乳化させる。20%未満では、乳化状態の液状マーガリン様食品はできにくく、60%を超えると、安定した液状マーガリン様食品を作れない。
その後、加熱雰囲気下で油中水型乳化させ、更に水を液状マーガリン様食品中5〜30%、好ましくは10〜25%加水し吸収させて、アジホモミキサー又はホモミキサーで加熱雰囲気下で涅和して冷却して作る。5%未満ではおからが油脂を吸収した状態のままで乳化状態にはならず、30%を超えると、水中油型エマルジョンに転相してしまう。
市販で売られている液状マーガリンは、通常は油中水型乳化力の強いポリグリセリン縮合リシノレン酸エステルを使用しなければ作れないが、風味が極めて悪く食するに値するものではない。一方、本液状マーガリン様食品は風味も良好であり、電子レンジやオーブンで加熱した後に油と水が分離したり、形がくずれたりすることがない。
<スプレッドの製造例>
スプレッドは、マーガリン様食品より油分が少なく、液状マーガリン様食品が液体油を用いるのに比べ固体油脂を用いるものである。スプレッドの製造例は、湿潤おからに固体油脂を食品中20〜60%、及び水を吸収させ、加熱雰囲気下で涅和して得ることができる。
本湿潤おからは食品中20〜70%、好ましくは30〜60%使用するのが良い。湿潤おからが20%未満では、油脂吸収性、乳化安定性のあるスプレッドはできない。また70%を超えるとマーガリンとなってしまう。
これに菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化油、パーム核硬化油、綿実硬化油、ヤシ油、ヤシ硬化油、カポック油、乳脂肪、魚油硬化油等の固体油脂1種又は2種以上を食品中20〜60%、好ましくは35〜45%吸収させる。
次に水を食品中3〜40%、好ましくは7〜27%吸収させる。水が3%未満ではおからが油脂を吸収した状態であり、乳化状にはならない。40%を超えると粘度が低くありクリーム状となる。これらをアジホモミキサー又はホモミキサーで加熱雰囲気下で涅和して作る。油、水のどちらを先に吸収させてもスプレッドができるが、先に水を吸収させ、その後油脂を吸収させた方が安定して作りやすい。
加熱雰囲気下で涅和する態様はマーガリン様食品と同様である。
これらのスプレッドは水中油型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を使用していないにもかかわらず、経時的保形性に優れている。また市販品のスプレッドに見られるように、冷凍して解凍したときに油と水が分離したり、形がくずれたりすることがない。電子レンジやオーブンで加熱した後も同様であり加熱耐性に優れている。
<ホイップクリームの製造例>
ホイップクリームの製造例は、湿潤おからに固体油脂を食品中20〜50%、及び水を吸収させ、重合リン酸塩を添加し、加熱雰囲気下で涅和し、均質化して水中油型乳化した後冷却して得ることができる。
本湿潤おからは食品中10〜55%、好ましくは20〜40%を使用するのが適当である。本湿潤おからが10%未満では、水吸収力しにくく乳化しにくくなる。55%を超えると粘度が急激に上がりホイップクリームができない。
これに菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化油、パーム核硬化油、綿実硬化油、ヤシ油、ヤシ硬化油、カポック油、乳脂肪、魚油硬化油等の固体油脂1種又は2種以上を食品中20〜50%、好ましくは27〜35%加えおからに吸収させる。20%未満では、固形状のホイップされたクリームはできにくく、50%を超えると粘度の急激な上昇でホイップクリームはできない。
これに水を食品中20〜65%、好ましくは27〜50%吸収させ、さらにトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等の重合リン酸塩を食品中0.01%〜0.5%、好ましくは0.07%〜0.2%添加し、アジホモミキサー又はホモミキサーで加熱雰囲気下で涅和することにより乳化させ、製造することができる。
水が20%未満では、乳化状態のクリームはできず、65%を超えると、固形状のホイップされたクリームはできにくい。また重合リン酸塩が0.01%未満ではホイップクリームがボテて硬くなり、0.5%を超えると塩味が強くなる。油、水のどちらを先に吸収させても同じホイップクリームができる。
このホイップクリームは、乳化剤を使用していないにもかかわらず、高いオーバーラン(空気含有)が得られ、常温や冷蔵下に放置しても水と油の分離や、液状に戻る現象(自己乳化)が見られない。またこのホイップクリームをスポンジにナッペして、冷凍後、解凍しても、ひび割れ、変色は見られない。
<クリームチーズ様食品の製造例>
クリームチーズ様食品は本発明の湿潤おからに固体油脂を食品中5〜40%、及び水を吸収させ、重合リン酸塩を添加し、チーズフレーバー或いはチーズを混合し、加熱雰囲気下で涅和し急冷して得ることができる。前記ホイップクリームとの違いは、チーズを含むことと、油脂を算入した固形分の割合がホイップクリームより高く(固形分がクリームでは油脂を入れて50%程度であるのに対し、チーズは固形分が60%程度であり、蛋白質含量はチーズの方が多い)、クリームと異なりホイップを行わない。以下、原料割合について述べる。
クリームチーズ様食品の製造方法において、本湿潤おからを食品中5〜50%、好ましくは20〜35%を使用するのが良い。本湿潤おからが5%未満では、水吸収しにくくなり乳化しにくくなる。50%を超えると食したときザラつく傾向にある。
これにナチュラルチーズを食品中5〜50%、好ましくは20〜35%加える。5%未満ではチーズ風味が薄くなり、50%を超えると、粘度が急激に上がり殺菌機にかかりにくくなる。
更に菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化油、パーム核硬化油、綿実硬化油、ヤシ油、ヤシ硬化油、カポック油、乳脂肪、魚油硬化油等の固体油脂1種又は2種以上を食品中5〜40%、好ましくは15〜30%加える。5%未満では、適度な流動性が出にくくなり、40%を超えると粘度が急激に上昇して殺菌機にかからなくなる。
これに水を食品中10〜50%、好ましくは17〜35%吸収させ、更にトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等の重合リン酸塩を食品中0.01〜0.5%、好ましくは0.03〜0.25%添加して乳化させ、アジホモミキサー又はホモミキサーで加熱雰囲気下で涅和して作る。水が10%未満では油っぽい風味となり、50%を超えると粘度の低い、食感のザラついたものができる。また重合リン酸塩が0.01%未満ではホイップクリームがボテて硬くなり、0.5%を超えると塩味が強くなる。
これらのクリームチーズ様食品は、乳化剤を使用していないにもかかわらず、ホイップしても高いオーバーラン(空気含有)を有し、粘りのある風味のまろやかなクリームチーズ様食品である。これを室温や冷蔵下に放置しても、水と油が分離することはない。またこのクリームチーズ様食品を凍結後、解凍しても水と油が分離することはない。更にオーブンや電子レンジで加熱後も同様に水と油の分離は見られない。
<含水チョコレートの製造例>
含水チョコレートは本発明の湿潤おからに固体油脂を食品中10〜40%を吸収させ、カカオマス及び砂糖を加えて加熱雰囲気下で涅和し、ロール掛けし、コンチングし脱泡して得ることができる。以下、原料割合について述べる。
含水チョコレートの製造方法において、本湿潤おからを食品中5〜60%、好ましくは20〜40%を使用することが適当である。おからが5%未満では、含水チョコレートはできない。また60%を超えると水分量が増えボテボテ状のチョコレートができる。
更に菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化油、パーム核硬化油、綿実硬化油、コーン硬化油、ヤシ油、ヤシ硬化油、カポック油、乳脂肪、魚油硬化油、カカオバター等の固体油脂の1種又は2種以上を食品中10〜40%、好ましくは17〜25%吸収させる。10%未満ではチョコレートの艶が出にくくなる。また40%を超えると油っぽい風味のチョコレートとなる。
更に砂糖を食品中20〜50%、好ましくは27〜35%、及びカカオマスを食品中5〜40%、好ましくは15〜23%を加え、加熱雰囲気下で涅和し、ロール掛けし、コンチングし脱法することにより含水チョコレートを製造する。砂糖が20%未満では甘味が薄くなり、50%を超えると逆に甘味が強くなりすぎる。またカカオマスが5%未満ではチョコレート風味が薄くなり、40%を超えると硬くなる。ロール掛け、コンチング、脱泡などの手段としては、チョコレート製造に一般に使用されている手段を利用できる。
これらの含水チョコレートは乳化剤を使用していないにもかかわらず、風味が極めて良く、経時的保形性に優れ、冷凍後解凍しても水と油が分離することはなく、電子レンジやオーブンで加熱した後も同様に油、水の分離が見られたり、形が崩れたりすることはない。またチョコレート溶解して吸収させたものは、水分が多いにもかかわらず、チョコレートに水が入ったときよく起きるボテ状の組織になることはない。
<ガナッシュの製造例>
ガナッシュは本発明の湿潤おからに固体油脂並びに牛乳若しくは生クリームを吸収させ、カカオマス、砂糖を加えて加熱雰囲気下で涅和し、急冷して得ることができる。以下、原料割合について述べる。
ガナッシュの製造方法において、本湿潤おからを食品中5〜60%、好ましくは15〜28%を使用するのが良い。本湿潤おから5%未満では硬いチョコレート状となり、60%を超えると水分量が増えボテボテ状のチョコレート状となる。
更にカカオマスを食品中10〜40%、好ましくは20〜30%加える。10%未満ではチョコレートの味が薄くなり、40%を超えると、粘度が上がり硬くなる。
更に牛乳又は生クリームを食品中10〜40%、好ましくは17〜23%加えるが、10%未満では風味上乳味が出にくく、40%を超えるとチョコレートの味が出にくくなる。なお牛乳の代わりに豆乳を使用し、豆乳ガナッシュを製造することも可能である。
次に砂糖を食品中10〜40%、好ましくは17〜23%加える。砂糖が10%未満では甘味が薄く、40%を超えると甘味が強くなりすぎる。
更に菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化油、パーム核硬化油、綿実硬化油、コーン硬化油、カカオバター、ヤシ油、ヤシ硬化油、カポック油、乳脂肪、魚油硬化油等の固体油脂1種又は2種以上を食品中3〜30%、好ましくは10〜18%吸収させる。油脂が3%未満ではチョコレートの艶がなくなり、30%を超えると油っぽい風味となる。
これらをアジホモミキサー又はホモミキサーで加熱雰囲気下で涅和した後、オンレーター等の急速冷凍装置にて急冷固化し、ガナッシュを製造する。
これらのガナッシュは乳化剤を使用していないにもかかわらず、風味が極めて良く、経時的保形性に優れ、冷凍後解凍しても水と油が分離することはなく、電子レンジやオーブンで加熱した後も同様に油、水の分離が見られたり、形が崩れたりすることがなく、チョコレート風味の強い良好なものである。
以上のようにして得られるガナッシュとチョコレートの違いは、ガナッシュが水中油型乳化系であるのに比べ、チョコレートは油中水型乳化系であることである。また、液状マーガリン様食品との違いは、油脂の種類が、マーガリン様食品はガナッシュのようなカカオマスを用いないことと、水分が多く乳化が弱いことである。
<香辛料ペーストの製造例>
ペースト状の香辛料ペーストは本発明の湿潤おからに醸造酢及び液体油を吸収させ、香辛料を添加し、低温雰囲気下で涅和して得ることができる。以下、原料割合について述べる。
ペースト状香辛料の製造方法において、本湿潤おからを食品中40〜75%、好ましくは50〜65%を使用するのが良い。本湿潤おからが40%未満では低粘度となり基材としての役割をせず、75%を超えると香辛料の風味が薄くなる傾向にある。
これに液体油を食品中3〜10%、好ましくは6〜8%を吸収させる。液体油が3%未満では香辛料ペーストに艶がなくなり、10%を超えると油っぽい風味となる。
また酸度4%の米醸造酢等の醸造酢を食品中3〜15%、好ましくは7〜12%を吸収させる。醸造酢が3%未満ではpHが中性域にあり、日持ちが短くなり、15%を超えると、酸っぱすぎて食べられない。
これにワサビ、カラシ、生姜、梅干、にんにく等の1種又は2種以上の香辛料を食品中5〜40%、好ましくは20〜33%を低温(25℃以下)、好ましくは5〜25℃で且つ衛生的雰囲気下で涅和する。香辛料が5%未満では香辛料ペーストの風味が薄くなり、40%を超えると逆に強くなりすぎる。
これらの香辛料ペーストは風味が極めて良く、経時的に保形性や色調が変化したりすることがなく、伸展性にも優れる。冷凍後解凍しても水と油が分離することはなく、電子レンジやオーブンで加熱した後も同様に水と油の分離が見られず、形が崩れたりすることはない。
液状マーガリン様食品とは、本香辛料ペーストは油の量が極めて少なく、香辛料を主成分とすることである。
<大豆餡の製造例>
大豆餡の製造方法は、湿潤おからに液体油を吸収させ砂糖を食品中20〜70%混合して加熱雰囲気下で涅和して製造することができる。以下原料の割合について述べる。
この餡は油入り大豆餡であり、その製造方法は、本湿潤おからを食品中20〜60%、好ましくは40〜55%使用するのが良い。20%未満では餡状にならずクリーム状となり、60%を超えると食感がざらついたものとなる。
これに菜種白絞油や大豆白絞油、コーン白絞油等の液体油を食品中3〜10%、好ましくは6〜8.5%吸収させる。液体油が3%未満では餡がくすんだ色となり照りがなくなり、10%を超えると逆に油が表面に浮きでて食したとき油っぽくなる。
更に、砂糖を食品中20〜70%、好ましくは30〜60%加えるが、砂糖が20%未満では餡の甘味が薄くなり、70%を超えるとシロップ状の食品となり餡ではなくなる。
これに必須ではないが水を0〜10%、好ましくは0〜8%を溶かすが、水が10%を超えるとシロップ状の液体となる。これら水を吸収させ、アジホモミキサー又はホモミキサー等で加熱雰囲気下で涅和して作る。
この大豆餡は風味が極めて良く、経時的保形性に優れ、市販品に見られる電子レンジやオーブンで加熱した後に油、水の分離が見られたり、形がくずれたりすることはない。また凍結後に解凍しても水と油が分離することはない。
液状マーガリン様食品とは、大豆餡のほうが水分が多く、砂糖が必須である点で異なる。マヨネーズ様食品とは、大豆餡が砂糖を必須としpHが異なる点で異なる。
<冷菓の製造例>
冷菓は本発明の湿潤おからに固体油脂及び水を吸収させ、砂糖を添加涅和し、均質化の後冷凍、フリージングして得ることができる。以下、原料割合について述べる。
冷菓の製造方法は本湿潤おからを食品中2〜50%、好ましくは7〜30%使用するのが良い。本湿潤おからが2%未満では乳化性、安定性が悪くなりフリージングした時の冷菓の保形性がなくなり、50%を越えると大豆由来の風味が増え他素材の風味を阻害し、口溶けが悪くなり重い食感となる。
これに菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化油、パーム核硬化油、綿実硬化油、ヤシ油、ヤシ硬化油、カポック油、乳脂肪、魚油硬化油等の固体油脂1種又は2種以上を食品中2〜30%、好ましくは5〜15%加えおからに吸収させる。2%未満だとコク味が少なくなる。30%を越えると食した時に油っぽくなる。
これに水を食品中5〜80%、好ましく30〜60%吸収させる。水が5%未満では重たい食感となってしまい、80%を越えると口当たりが冷たくシャリシャリとした食感になる。
さらに冷菓中砂糖を食品中10〜40%、好ましくは18〜25%を用いることができる。10%未満であると甘味が不足し、40%を超えると甘味が強くなりすぎる。本発明には砂糖の一部又は全部を代替して果糖、ブドウ糖、乳糖など公知の糖類を用いることができる。もちろんシロップや糖アルコール等も用いることができる。
冷菓の製造工程は公知の手段を利用することができる。例えば涅和する温度は通常60〜70℃で行うことができる。
捏和の態様としてはホモゲナイザー等の均質化手段を用いて150kg/cm(通常100〜600kg/cm)程度の圧力で2回以上処理することが好ましい。本発明の湿潤おからの粒子をなめらかにする効果があるためである。
フリージングの温度は冷菓が凍結するに十分な氷点以下であればよい。
この冷菓は、乳化剤を使用していないにもかかわらず、経時的保形性に優れ、風味や食感も良い。
<スープの製造例>
このスープは湿潤おからに油脂及び水を吸収させ、スープ具材を添加し、加熱雰囲気下で涅和して得ることができる。以下、原料割合について述べる。
湿潤おからを食品中3〜50%、好ましくは10〜30%用いることができる。おからが3%未満であると水っぽい風味となり、50%を超えると粘度が高くなり飲みづらくなる。
次に油脂を食品中5〜30%、好ましくは12〜22%用いることができる。油脂は液体でも固体でも良く、スープ製造工程で溶解していれば良い。例えば菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油、コーン油、綿実油、椰子油、乳脂肪等を加えおからに吸収させる。油脂が多すぎると食した時に油っぽくなる。
次に、水を食品中15〜65%、好ましくは25〜55%用いることができる。
さらに、スープ具材を食品中3〜20%、好ましくは6〜12%用いることができる。スープ具材としては、例えばコーンや豆類等の野菜やこれらを裏ごししたもの、ポタージュ、クリームなどを利用することができる。又、コンソメ、ブイヨン、バター等のスープストックなどを併用することができる。
このスープは、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、レトルト殺菌後や凍結解凍後、レンジ加熱後において油と水が分離したりすることが大幅に改善される。
<畜肉製品の製造例>
畜肉製品は、湿潤おからに油脂を吸収させ、肉原料と涅和し、成型後加熱して得ることができる。以下、原料割合について述べる。
本湿潤おからを食品中3〜30%、好ましくは10〜20%使用するのが良い。本湿潤おからが3%未満だと油と水が分離し歩留や食感向上の効果がなくなり、30%を越えると生地が柔らかくなり保形性がなくなり、ねたついた食感となる。
これに菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油、コーン油、綿実油、椰子油、乳脂肪等の1種又は2種以上の油脂を食品中5〜25%、好ましくは12〜18%加え、おからに吸収させる。5%未満だとパサパサした食感となり、25%を越えると油浮きが生じ、食した時に油っぽくなる。油脂は液体でも固体でもよいが液体油の方が作業性が良いため好ましい。
次に、肉原料を食品中25〜60%、好ましくは35〜50%用いることができる。畜肉原料としては牛、豚、鶏などの食用肉、これらをミンチ状にしたものなど等を利用できる。
水は必ずしも必要ではないが、0〜12%、好ましくは3〜7%用いることができる。12%を超えると生地が柔かくなる。またピックル液として大豆蛋白と上記油脂をエマルジョンとして用いることもできる。畜肉製品としてはハンバーグ、ミートボール、つくね、ハム、ソーセージ等を例示できる。
この畜肉製品は、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、歩留も高く食感もソフトでジューシーとなる。また、レトルト殺菌後や凍結解凍後、レンジ加熱後において硬くなったりドリップが発生したりすることが大幅に改善される。
<水産練製品の製造例>
水産練製品は本発明の湿潤おからに油脂及び水を吸収させ、すり身と涅和し、成型後加熱して得ることができる。以下、原料割合について述べる。
本湿潤おからを食品中3〜30%、好ましくは7〜20%使用するのが良い。本湿潤おからが3%未満だと油と水が分離し歩留や食感向上の効果がなくなり、30%を越えると生地が柔らかくなり保形性がなくなり、ねたついた食感となる。
次に、菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油、コーン油、綿実油、椰子油、乳脂肪等の1種又は2種以上の油脂を食品中2〜15%、好ましくは3.5〜8%加えおからに吸収させる。2%未満だとパサパサした食感となり、15%を越えると油浮きが生じ、食した時に油っぽくなる。通常、使用する油脂としては液体油が好ましい。
次に、水を食品中3〜30%、好ましくは10〜20%吸収させる。水が3%未満だと硬い食感となり、30%を越えると生地が柔らかくなり保形性がなくなり水っぽい状態となる。
さらに、すり身を食品中25〜65%、好ましくは40〜55%用いることができる。すり身としては、タラ類(スケソウタラ、南ダラ、マダラ等)、鯛類(真鯛、れんこ鯛、金目鯛等)、イワシ、サンマ、アジ、サバ、カレイ、イトヨリ、メルルーサ、ホキ、グチ、エソ等の一般に用いられる魚種を使用できる。
水産練製品としては、蒲鉾、竹輪、はんぺん、さつま揚げ等を例示できる。
この水産練製品は、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、歩留も高く食感もソフトでジューシーとなる。また、レトルト殺菌後や凍結解凍後、レンジ加熱後において硬くなったりドリップが発生したりすることが大幅に改善される。
実 施 例
以下、製造例1〜6、実施例1〜45、比較例1〜4により本発明の実施態様を説明する。
製造例1〜6において、各種おからの製造例について示した。
製造例1(湿潤微細おから)
脱皮、脱胚軸した大豆に5倍量の水を加えたものを回転刃形剪断力により裁断したコミットロール(アーシェル株式会社製)を用いて平均粒子径45ミクロンの微細大豆スラリーを得たのち、高圧ホモゲナイザー(APV株式会社製)を用いて200kg/cmの圧力で2回均質化し、平均粒子径25ミクロンの微細大豆スラリーを得た。これを遠心分離機により豆乳を除去し、湿潤微細おからを得た。得られた湿潤微細おからは、水分86%で平均粒子径が25ミクロンであった。このおからの吸水能はおから乾燥固形分の34倍、吸油能は13倍であった。
製造例2(一般的な豆腐おから)
伝統的に丸大豆から豆腐を製造する市販豆腐の製造工程で得られるおからは、製造例1のようにコミットロールや高圧ホモゲナイザーで微細化せずに、石臼で得られるおからであるが、このおからは水分81%で平均粒子径が1,000ミクロンであった。本おからの吸水能はおから乾燥固形分の8倍、吸油能は4倍であった。
製造例3(半乾燥超微細おから)
製造例1と同様にして得たおからの平均粒子径を7ミクロンにするためには、湿潤状態では不可能なため、気流乾燥機で水分45%とし、カウンタージェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)で音速でノズルより噴射して互いに衝突させ、微細おからを得た。このおからは水分45%で平均粒子径が7ミクロンであった。本おからの吸水能はおから乾燥固形分の7倍、吸油能は3倍であった。
製造例4(気流乾燥おから)
製造例1で得られた微細おからを、ミクロンドライヤー(ホソカワミクロン株式会社製)で180℃の熱風気流下においてピンミルで微粉砕しながら乾燥した。得られた微細おからは、水分3%、平均粒子径が150ミクロンであった。このおからの吸水能はおから乾燥固形分の12倍、吸油能は7倍であった。
製造例5(凍結乾燥おから)
製造例1で得られた微細おから2kgを、−40℃まで急速凍結して、凍結乾燥機(日空工業株式会社製)で棚温度50℃、真空度−40mmHgにて3日間かけて凍結乾燥した。得られた微細おからは、水分3%で平均粒子径が100ミクロンであった。このおからの吸水能はおから乾燥固形分の14倍、吸油能は4倍であった。
製造例6(湿潤おから)
製造例1と同様に製造する際に、高圧ホモゲナイザーを用いて200kg/cmの圧力で1回均質化したおからを気流乾燥した。得られたおからは、水分70%で平均粒子径が150ミクロンであった。このおからの吸水能はおから乾燥固形分の25倍、吸油能は10倍であった。
なお、これらのおからの吸水能の測定は、湿潤おからに対して水を加えケンウッドミキサー(回転数60rpmで1分間)で攪拌し、25℃で24時間放置してなお保持する水の量を以て、おから乾燥重量当たりに換算した吸水能とした。
なお、これらのおからの吸油能の測定は、湿潤おからに対して油脂を加えケンウッドミキサー(回転数60rpmで1分間)で攪拌し、60℃で24時間放置してなお保持する油脂の量を以て、おから乾燥重量当たりに換算した吸油能とした。
実施例1(湿潤微細おからを用いたマヨネーズ状食品)
製造例1と同様にして得られたおから50%に菜種白絞油20%と、米醸造酢13%(酸度4%)、水17%、粉カラシ0.8%、食塩、フレーバー各々0.1%を添加して調製した水部を各々別にアジホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて65℃で5分間涅和し、小袋に充填したのち5℃の冷蔵庫で17時間冷却してマヨネーズ状食品(半固形状ドレッシング)を製造した。
本マヨネーズ状食品は油分21%と極めて低油分にもかかわらず粘度は60,000cp以上を保っていた。また本マヨネーズ状食品中のおからの固形分含量は乾燥固形分当たり7.0%であった。
このマヨネーズ状食品を食したがザラつきは全く感じなかった。このマヨネーズ状食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れて凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。また本マヨネーズ状食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。
本マヨネーズ状食品を食パン生地に50g挟んで180℃のオーブンで15分間焼成したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例2(湿潤微細おからを用いたマヨネーズ状食品)
製造例1と同様にして得られたおから65%に菜種白絞油5%と、米醸造酢7%(酸度4%)、水23%、粉カラシ0.8%、食塩、フレーバー各々0.1%を添加して調製した水部を各々別にアジホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて65℃で5分間涅和し、小袋に充填したのち5℃の冷蔵庫で17時間冷却してマヨネーズ状食品(半固形状ドレッシング)を製造した。
本マヨネーズ状食品は油分6.8%と極めて低油分にもかかわらず粘度は60,000cp以上を保っていた。また本マヨネーズ状食品中のおからの固形分含量は乾燥固形分当たり9.1%であった。本マヨネーズ状食品を食したがザラつきは全く感じなかった。本マヨネーズ状食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れて凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。
また本マヨネーズ状食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水は分離しておらず、形も元の状態を保っていた。
本マヨネーズ状食品を食パン生地に50g挟んで180℃のオーブンで15分間焼成したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例3(湿潤微細おからを用いたマヨネーズ状食品)
製造例1と同様にして得られたおから20%に菜種白絞油50%と、米醸造酢17%(酸度4%)、水13%、粉カラシ0.8%、食塩、フレーバー各々0.1%を添加して調製した水部を各々別にアジホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて65℃で5分間涅和し、小袋に充填したのち5℃の冷蔵庫で17時間冷却してマヨネーズ状食品(半固形状ドレッシング)を製造した。
本マヨネーズ状食品は油分6.8%と極めて低油分にもかかわらず粘度は60,000cp以上を保っていた。また本マヨネーズ状食品中のおからの固形分含量は乾燥固形分当たり2.8%であった。
本マヨネーズ状食品を食したがザラつきは全く感じなかった。
本マヨネーズ状食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れて凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。
また本マヨネーズ状食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。
本マヨネーズ状食品を食パン生地に50g挟んで180℃のオーブンで15分間焼成したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例4(湿潤おからを用いたマヨネーズ状食品)
製造例6と同様にして得られたおからに水を加えて固形分14%としたもの50%に、菜種白絞油20%と、米醸造酢13%(酸度4%)、水17%、粉カラシ0.8%、食塩、フレーバー各々0.1%を添加して調製した水部を各々別にアジホモミキサーにて65℃で5分間涅和し、小袋に充填したのち5℃の冷蔵庫で17時間冷却してマヨネーズ状食品(半固形状ドレッシング)を製造した。
本マヨネーズ状食品は油分31%と極めて低油分にもかかわらず粘度は100,000cp以上を保っていた。
また本マヨネーズ状食品中のおからの固形分含量は乾燥固形分当たり7.0%であった。
本マヨネーズ状食品を食したが僅かにザラつきを感じるものの良好な口当たりであった。
本マヨネーズ状食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れて凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。
また本マヨネーズ状食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。
本マヨネーズ状食品を食パン生地に50g挟んで180℃のオーブンで15分間焼成したが、油と水は全く分離していなかった。
比較例1(一般的な豆腐おからを用いたマヨネーズ状食品)
製造例2で得られたおからに水を加えて固形分14%で平均粒子径を1,000ミクロンとしたおから50%に菜種白絞油20%と、米醸造酢13%(酸度4%)、水17%、粉カラシ0.8%、食塩、フレーバー各々0.1%を添加して調製した水部を各々別にアジホモミキサーにて65℃で5分間涅和(8,000rpm)し、小袋に充填したのち5℃の冷蔵庫で17時間冷却してマヨネーズ状食品(半固形状ドレッシング)を製造した。
本マヨネーズ状食品は油分21%と極めて低油分にもかかわらず、粘度は3,000cp以下であり、低粘度のマヨネーズ状食品となった。また本マヨネーズ状食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり7.0%であった。
本マヨネーズ状食品を食したがザラつきが多く、食しがたいものであった。
本マヨネーズ状食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水が分離しており、また本マヨネーズ状食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、同様に油と水が分離していた。
比較例2(半乾燥超微細おからを用いたマヨネーズ状食品)
製造例3で得られた微細おからに水を加えて固形分14%で平均粒子径を7ミクロンとしたおから50%に、菜種白絞油20%と、米醸造酢13%(酸度4%)、水17%、粉カラシ0.8%、食塩、フレーバー各々0.1%を添加して調製した水部を各々別にアジホモミキサーにて65℃で5分間涅和(8,000rpm)し、小袋に充填したのち5℃の冷蔵庫で17時間冷却してマヨネーズ状食品(半固形状ドレッシング)を製造した。
本マヨネーズ状食品は油分21%と極めて低油分にもかかわらず、粘度は3,000cp以下であり、低粘度のマヨネーズ状食品となった。また本マヨネーズ状食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり9.8%であった。本マヨネーズ状食品を食したが、ザラつきはないものの吸水能が低いため水っぽい風味であった。
本マヨネーズ状食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水が分離しており、また本マヨネーズ状食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、同様に油と水が分離していた。
比較例3(気流乾燥おからを用いたマヨネーズ状食品)
製造例4と同様にして得られたおからに水を加えて固形分14%としたおから50%に菜種白絞油20%と、米醸造酢13%(酸度4%)、水17%、粉カラシ0.8%、食塩、フレーバー各々0.1%を添加して調製した水部を各々別にアジホモミキサーにて65℃で5分間涅和したが、粘度が800cpと小さく流動性があり、そのまま5分程放置したが、水と油の分離がみられたため、マヨネーズ状食品にはならなかった。
比較例4(凍結乾燥おからを用いたマヨネーズ状食品)
製造例5と同様にして得られたおからに水を加えて固形分14%で平均粒子径を100ミクロンとしたおから50%に、菜種白絞油20%と、米醸造酢13%(酸度4%)、水17%、粉カラシ0.8%、食塩、フレーバー各々0.1%を添加して調製した水部を各々別にアジホモミキサーにて65℃で5分間涅和(8,000rpm)し、小袋に充填したのち5℃の冷蔵庫で17時間冷却してマヨネーズ状食品(半固形状ドレッシング)を製造した。
本マヨネーズ状食品は油分21%と極めて低油分であり、粘度は50,000cp以上を保っていた。
また本マヨネーズ状食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり7.0%であった。
本マヨネーズ状食品を食したがザラつきがやや残っており、−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水の分離が見られ、元の状態を保っていなかった。また本マヨネーズ状食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、同様に油と水の分離が見られた。
実施例5(マーガリン様食品1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから15%に魚硬化油35%、パーム硬化油50%を加え、ホモミキサーで 65℃で10分間乳化し(10,000rpm)、コンビネーター(シュレーダー株式会社製)にて5℃まで急冷してマーガリン様食品を得た。
本マーガリン様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり2.1%であった。本マーガリン様食品は油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離がなくパン等の塗りやすさ(延展性)が優れていた。
本マーガリン様食品を−28℃の冷凍庫に3日間入れて凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水の分離は見られず保形性も良かった。また本マーガリン様食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。また本マーガリン様食品を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。本マーガリン様食品を食してもザラつきが見られず、風味も優れていた。
実施例6(マーガリン様食品2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから10%に魚硬化油40%、パーム硬化油42%を加え、水を8%加えてホモミキサーで65℃で10分間乳化し(10,000rpm)、コンビネーター(シュレーダー株式会社製)にて5℃まで急冷してマーガリン様食品を得た。
本マーガリン様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり1.4%であった。本マーガリン様食品は油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離がなくパン等の塗りやすさ(延展性)が優れていた。本マーガリン様食品を−28℃の冷凍庫に3日間入れて凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水の分離は見られず保形性も良かった。また本マーガリン様食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。
また本マーガリン様食品を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。本マーガリン様食品を食してもザラつきが見られず、風味も優れていた。
実施例7(マーガリン様食品3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから23%に魚硬化油40%、パーム硬化油32%を加え、水を5%加えてホモミキサーで65℃で10分間乳化し(10,000rpm)、コンビネーター(シュレーダー株式会社製)にて5℃まで急冷してマーガリン様食品を得た。
本マーガリン様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり3.2%であった。本マーガリン様食品は油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離がなくパン等の塗りやすさ(延展性)が優れていた。本マーガリン様食品を−28℃の冷凍庫に3日間入れて凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水の分離は見られず保形性も良かった。また本マーガリン様食品100gを500W出力の電子レジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。
また、本マーガリン様食品を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。本マーガリン様食品を食してもザラつきが見られず、風味も優れていた。
実施例8(液状マーガリン様食品1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから40%に菜種白絞油40%、水20%を吸収させた後ホモミキサーで10,000rpmで65℃で15分間加熱攪拌して、5℃まで冷却して液状のマーガリン様食品を調製した。本液状マーガリン様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり5.6%であった。本液状マーガリン様食品は油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、経時的に変化することがなく、本液状マーガリン様食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。また本液状マーガリン様食品を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。これを食したが、一般に使用される乳化剤であるポリグリセリン縮合リシノレン酸エステルを使用したものに比べ、苦みや乳化剤臭が全く感じられない風味であった。
実施例9(液状マーガリン様食品2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから30%に菜種白絞油50%、水20%を吸収させた後ホモミキサーで10,000rpmで65℃で15分間加熱攪拌して、5℃まで冷却して液状のマーガリン様食品を調製した。本液状マーガリン様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり4.2%であった。本液状マーガリン様食品は油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、経時的に変化することがなく、本液状マーガリン様食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。また本液状マーガリン様食品を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。これを食したが、一般に使用される乳化剤であるポリグリセリン縮合リシノレン酸エステルを使用したものに比べ、苦みや乳化剤臭が全く感じられない風味であった。
実施例10(液状マーガリン様食品3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから68%に菜種白絞油25%、水7%を吸収させた後ホモミキサーで10,000rpmで65℃で15分間加熱攪拌して、5℃まで冷却して液状のマーガリン様食品を調製した。本液状マーガリン様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり9.5%であった。本液状マーガリン様食品は油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、経時的に変化することがなく、本液状マーガリン様食品100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。また本液状マーガリン様食品を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。これを食したが、一般に使用される乳化剤であるポリグリセリン縮合リシノレン酸エステルを使用したものに比べ、苦みや乳化剤臭が全く感じられない風味であった。
実施例11(スプレッド1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから40%に菜種硬化油50%、水10%を吸収させた後ホモミキサーで10,000rpmで65℃で15分間加熱攪拌して、5℃まで冷却してスプレッドを調製した。本スプレッド中のおからの固形分は乾燥固形分当たり5.6%であった。本スプレッドは油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、経時的に変化することがなく、本スプレッド100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。また本スプレッドを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。これを食したが、ザラつきが全く感じられず、風味が優れていた。
実施例12(スプレッド2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから25%に菜種硬化油50%、水25%を吸収させた後ホモミキサーで10,000rpmで65℃で15分間加熱攪拌して、5℃まで冷却してスプレッドを調製した。本スプレッド中のおからの固形分は乾燥固形分当たり3.5%であった。本スプレッドは油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、経時的に変化することがなく、本スプレッド100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。また本スプレッドを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。これを食したが、ザラつきが全く感じられず、風味が優れていた。
実施例13(スプレッド3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから35%に菜種硬化油40%、水25%を吸収させた後ホモミキサーで10,000rpmで65℃で15分間加熱攪拌して、5℃まで冷却してスプレッドを調製した。本スプレッド中のおからの固形分は乾燥固形分当たり4.9%であった。本スプレッドは油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、経時的に変化することがなく、本スプレッド100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。また本スプレッドを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。これを食したが、ザラつきが全く感じられず、風味が優れていた。
実施例14(スプレッド4)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから65%に菜種硬化油30%、水5%を吸収させた後ホモミキサーで10,000rpmで65℃で15分間加熱攪拌して、5℃まで冷却してスプレッドを調製した。本スプレッド中のおからの固形分は乾燥固形分当たり9.1%であった。本スプレッドは油中水型エマルジョンを利用したものと比べ、乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、経時的に変化することがなく、本スプレッド100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形成も良かった。また本スプレッドを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。これを食したが、ザラつきが全く感じられず、風味が優れていた。
実施例15(ホイップクリーム1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから30%に菜種硬化油(融点30℃)40%で調製した油脂部と、フレーバーで調整した水30%を添加して調製した水部を各々吸収させ、更にヘキサメタリン酸ナトリウム0.05%を添加し、アジホモミキサーにて65℃で5分間涅和し、ホモゲナイザーで70kg/cmの圧力で均質化後、素早く氷水にて5℃以下まで冷却してホイップクリームを製造した。本ホイップクリームの粘度は300cpであり、オーバーランが90%であり、軽い食感を有したホイップクリームが得られた。
本ホイップクリーム中のおからの固形分は乾燥固形分当たり4.2%であった。
本ホイップクリームを15℃の室温において24時間放置したが、離水もなく、保形性も優れており、食感及び風味も極めて良いものであった。また本ホイップクリームを5℃の冷蔵庫に24時間放置したが、液状に戻る自己乳化現象は見られなかった。更に本ホイップクリームをデコレーションケーキにナッペし−28℃の冷凍庫に1週間凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、ケーキ表面のホイップクリームのひび割れもなく、油と水も全く分離しておらず形も元の状態を保っていた。
実施例16(ホイップクリーム2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから15%に菜種硬化油(融点30℃)30%で調製した油脂部と、フレーバーで調整した水55%を添加して調製した水部を各々吸収させ、更にヘキサメタリン酸ナトリウム0.1%を添加し、アジホモミキサーにて65℃で5分間涅和し、ホモゲナイザーで70kg/cmの圧力で均質化後、素早く氷水にて5℃以下まで冷却してホイップクリームを製造した。
本ホイップクリームの粘度は300cpであり、オーバーランが90%であり、軽い食感を有したホイップクリームが得られた。本ホイップクリーム中のおからの固形分は乾燥固形分当たり2.1%であった。
本ホイップクリームを15℃の室温において24時間放置したが、離水もなく、保形性も優れており、食感及び風味も極めて良いものであった。また本ホイップクリームを5℃の冷蔵庫に24時間放置したが、液状に戻る自己乳化現象は見られなかった。更に本ホイップクリームをデコレーションケーキにナッペし−28℃の冷凍庫に1週間凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、ケーキ表面のホイップクリームのひび割れもなく、油と水も全く分離しておらず形も元の状態を保っていた。
実施例17(ホイップクリーム3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから50%に菜種硬化油(融点30℃)25%で調製した油脂部と、フレーバーで調整した水25%を添加して調製した水部を各々吸収させ、更にヘキサメタリン酸ナトリウム0.3%を添加し、アジホモミキサーにて65℃で5分間涅和し、ホモゲナイザーで70kg/cmの圧力で均質化後、素早く氷水にて5℃以下まで冷却してホイップクリームを製造した。
本ホイップクリームの粘度は300cpであり、オーバーランが90%であり、軽い食感を有したホイップクリームが得られた。本ホイップクリーム中のおからの固形分は乾燥固形分当たり7.0%であった。
本ホイップクリームを15℃の室温において24時間放置したが、離水もなく、保形性も優れており、食感及び風味も極めて良いものであった。また本ホイップクリームを5℃の冷蔵庫に24時間放置したが、液状に戻る自己乳化現象は見られなかった。更に本ホイップクリームをデコレーションケーキにナッペし−28℃の冷凍庫に1週間凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、ケーキ表面のホイップクリームのひび割れもなく、油と水も全く分離しておらず形も元の状態を保っていた。
実施例18(クリームチーズ様食品1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから30%にナチュラルチーズ30%、菜種硬化油(融点30℃)20%で調製した油脂部と、フレーバーで調整した水20%を添加して調製した水部を各々吸収させ、更にヘキサメタリン酸ナトリウム0.05%を添加し、アジホモミキサーにて65℃で5分間涅和し、ホモゲナイザーで50kg/cmの圧力でで均質化後、素早く氷水にて5℃以下まで冷却してクリームチーズ様食品を製造した。
本クリームチーズ様食品の粘度は1,000cpであり、ホイップするとオーバーランが70%で軽い食感を有し、ザラつきもなく風味も良かった。本クリームチーズ様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり4.2%であった。
本クリームチーズ様食品を35℃で24時間放置したが、水と油の分離は見られなかった。同様に本クリームチーズ様食品を5℃の冷蔵下に24時間放置したが、水と油の分離は見られなかった。更に本クリームチーズ様食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で20時間かけて解凍したが、油と水が全く分離しておらず形も元の状態を保っていた。
またホイップして180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本クリームチーズ様食品100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。また食してもザラつきがみられず風味の劣化も見られなかった。
実施例19(クリームチーズ様食品2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから10%にナチュラルチーズ40%、菜種硬化油(融点30℃)35%で調製した油脂部と、フレーバーで調整した水15%を添加して調製した水部を各々吸収させ、更にヘキサメタリン酸ナトリウム0.02%を添加し、アジホモミキサーにて65℃で5分間涅和し、ホモゲナイザーで50kg/cmの圧力でで均質化後、素早く氷水にて5℃以下まで冷却してクリームチーズ様食品を製造した。本クリームチーズ様食品の粘度は1,000cpであり、ホイップするとオーバーランが70%で軽い食感を有し、ザラつきもなく風味も良かった。本クリームチーズ様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり1.4%であった。
本クリームチーズ様食品を35℃で24時間放置したが、水と油の分離は見られなかった。同様に本クリームチーズ様食品を5℃の冷蔵下に24時間放置したが、水と油の分離は見られなかった。更に本クリームチーズ様食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で20時間かけて解凍したが、油と水が全く分離しておらず形も元の状態を保っていた。またホイップして180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本クリームチーズ様食品100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。また食してもザラつきがみられず風味の劣化も見られなかった。
実施例20(クリームチーズ様食品3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから40%にナチュラルチーズ10%、菜種硬化油(融点30℃)10%で調製した油脂部と、フレーバーで調整した水40%を添加して調製した水部を各々吸収させ、更にヘキサメタリン酸ナトリウム0.3%を添加し、アジホモミキサーにて65℃で5分間涅和し、ホモゲナイザーで50kg/cmの圧力でで均質化後、素早く氷水にて5℃以下まで冷却してクリームチーズ様食品を製造した。
本クリームチーズ様食品の粘度は1,000cpであり、ホイップするとオーバーランが70%で軽い食感を有し、ザラつきもなく風味も良かった。本クリームチーズ様食品中のおからの固形分は乾燥固形分当たり5.6%であった。
本クリームチーズ様食品を35℃で24時間放置したが、水と油の分離は見られなかった。
同様に本クリームチーズ様食品を5℃の冷蔵下に24時間放置したが、水と油の分離は見られなかった。更に本クリームチーズ様食品を−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で20時間かけて解凍したが、油と水が全く分離しておらず形も元の状態を保っていた。またホイップして180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本クリームチーズ様食品100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。また食してもザラつきがみられず風味の劣化も見られなかった。
実施例21(含水チョコレート1)
製造例6と同様にして得られた固形分30%、平均粒子径150ミクロンのおから30%に砂糖30%とカカオマス25%、パーム分別硬化油15%を加え、横型ニーダーにて65℃で10分間加熱涅和し、ロール掛けし、脱泡タンクに送った後、型取りしてクーリングトンネルで20℃以下まで冷却し含水チョコレートを調製した。本含水チョコレート中のおからの固形分は乾燥固形分当たり4.2%であった。
本含水チョコレートを−28℃の冷凍庫に3日間入れ凍結させて25℃の雰囲気下で解凍したが、水と油は分離していなかった。また本含水チョコレートを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本含水チョコレート100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。また食してもザラつきがみられず風味の劣化も見られなかった。
実施例22(含水チョコレート2)
製造例6と同様にして得られた固形分30%、平均粒子径150ミクロンのおから45%に砂糖25%とカカオマス10%、パーム分別硬化油20%を加え、横型ニーダーにて65℃で10分間加熱涅和し、ロール掛けし、脱泡タンクに送った後、型取りしてクーリングトンネルで20℃以下まで冷却し含水チョコレートを調製した。本含水チョコレート中のおからの固形分は乾燥固形分当たり6.3%であった。
本含水チョコレートを−28℃の冷凍庫に3日間入れ凍結させて25℃の雰囲気下で解凍したが、水と油は分離していなかった。また本含水チョコレートを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本含水チョコレート100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。また食してもザラつきがみられず風味の劣化も見られなかった。
実施例23(含水チョコレート3)
製造例6と同様にして得られた固形分30%、平均粒子径150ミクロンのおから10%に砂糖40%とカカオマス20%、パーム分別硬化油30%を加え、横型ニーダーにて65℃で10分間加熱涅和し、ロール掛けし、脱泡タンクに送った後、型取りしてクーリングトンネルで20℃以下まで冷却し含水チョコレートを調製した。本含水チョコレート中のおからの固形分は乾燥固形分当たり1.4%であった。
本含水チョコレートを−28℃の冷凍庫に3日間入れ凍結させて25℃の雰囲気下で解凍したが、水と油は分離していなかった。また本含水チョコレートを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本含水チョコレート100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。また食してもザラつきがみられず風味の劣化も見られなかった。
実施例24(ガナッシュ1)
製造例1と同様にして得られた固形分14%、平均粒子径25ミクロンのおから30%に生クリーム20%と菜種硬化油(融点30℃)20%を吸収させた後、カカオマス15%と砂糖15%をアジホモミキサーにて60℃で涅和し、10℃以下まで冷却してガナッシュを製造した。
本ガナッシュの粘度は3,000cpであり、ザラつきもなく風味も良かった。
本ガナッシュのおからの固形分は乾燥固形分当たり4.2%であった。
本ガナッシュを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。また本ガナッシュをホイップして180℃のオーブンで焼成したが、水と油は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本ガナッシュ100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。
実施例25(ガナッシュ2)
製造例1と同様にして得られた固形分14%、平均粒子径25ミクロンのおから25%に生クリーム15%と菜種硬化油(融点30℃)5%を吸収させた後、カカオマス35%と砂糖20%をアジホモミキサーにて60℃で涅和し、10℃以下まで冷却してガナッシュを製造した。
本ガナッシュの粘度は3,000cpであり、ザラつきもなく風味も良かった。
本ガナッシュのおからの固形分は乾燥固形分当たり3.5%であった。
本ガナッシュを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。また本ガナッシュをホイップして180℃のオーブンで焼成したが、水と油は全く分離しておらず、焼き残りもあった。
更に本ガナッシュ100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。
実施例26(ガナッシュ3)
製造例1と同様にして得られた固形分14%、平均粒子径25ミクロンのおから10%に生クリーム25%と菜種硬化油(融点30℃)15%を吸収させた後、カカオマス25%と砂糖25%をアジホモミキサーにて60℃で涅和し、10℃以下まで冷却してガナッシュを製造した。
本ガナッシュの粘度は3,000cpであり、ザラつきもなく風味も良かった。本ガナッシュのおからの固形分は乾燥固形分当たり1.4%であった。
本ガナッシュを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油は全く分離しておらず、形も元の状態を保っていた。また本ガナッシュをホイップして180℃のオーブンで焼成したが、水と油は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本ガナッシュ100gをとり500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、同様に水と油に分離が見られず、形がそのまま残っていた。
実施例27(香辛料ペースト1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから60%に、米醸造酢(酸度4%)を5%と菜種白絞油5%を吸収させた後、カラシ粉末30%を加え、横型ニーダー(特殊機化株式会社製)にて20℃で15分間涅和して香辛料ペーストを調製した。本香辛料ペースト中のおからの固形分は乾燥固形分当たり8.4%であった。
本香辛料ペーストを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油の分離は全く見られなかった。また本香辛料ペーストを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本香辛料ペースト100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、同様に水と油に分離は見られなかった。また食してもザラつきが見られず、風味の劣化も見られなかった。
実施例28(香辛料ペースト2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから45%に、米醸造酢(酸度4%)を11%と菜種白絞油9%を吸収させた後、ワサビ粉末35%を加え、横型ニーダー(特殊機化株式会社製)にて20℃で15分間涅和して香辛料ペーストを調製した。本香辛料ペースト中のおからの固形分は乾燥固形分当たり6.3%であった。
本香辛料ペーストを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油の分離は全く見られなかった。また本香辛料ペーストを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本香辛料ペースト100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、同様に水と油に分離は見られなかった。また食してもザラつきが見られず、風味の劣化も見られなかった。
実施例29(香辛料ペースト3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから70%に、米醸造酢(酸度4%)を13%と菜種白絞油7%を吸収させた後、ワサビ粉末10%を加え、横型ニーダー(特殊機化株式会社製)にて20℃で15分間涅和して香辛料ペーストを調製した。本香辛料ペースト中のおからの固形分は乾燥固形分当たり9.8%であった。
本香辛料ペーストを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油の分離は全く見られなかった。また本香辛料ペーストを180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本香辛料ペースト100gを500W出力の電子レンジで1分間加熱したが、同様に水と油に分離は見られなかった。また食してもザラつきが見られず、風味の劣化も見られなかった。
実施例30(大豆餡1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから50%に砂糖40%、菜種白絞油5%、水5%を横型ニーダーにて90℃で15分間加熱涅和し、小袋に充填して素早く氷水にて10℃以下まで冷却して大豆餡を製造した。本大豆餡中のおからの固形分は乾燥固形分当たり7.0%であった。
本大豆餡を−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油の分離は全く見られなかった。また本大豆餡を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本大豆餡100gを取り、500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形性も良かった。また本大豆餡を食してもザラつきが見られず風味も優れていた。
実施例31(大豆餡2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから26%に砂糖62%、菜種白絞油9%,水3%を横型ニーダーにて90℃で15分間加熱涅和し、小袋に充填して素早く氷水にて10℃以下まで冷却して大豆餡を製造した。本大豆餡中のおからの固形分は乾燥固形分当たり3.6%であった。
本大豆餡を−28℃の冷凍庫に 24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油の分離は全く見られなかった。また本大豆餡を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本大豆餡100gを取り、500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形性も良かった。また本大豆餡を食してもザラつきが見られず風味も優れていた。
実施例32(大豆餡3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから58%に砂糖25%、菜種白絞油8%,水9%を横型ニーダーにて90℃で15分間加熱涅和し、小袋に充填して素早く氷水にて10℃以下まで冷却して大豆餡を製造した。本大豆餡中のおからの固形分は乾燥固形分当たり8.1%であった。
本大豆餡を−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させて20℃の雰囲気下で解凍したが、水と油の分離は全く見られなかった。また本大豆餡を180℃のオーブンで焼成したが、油と水は全く分離しておらず、焼き残りもあった。更に本大豆餡100gを取り、500W出力の電子レンジで5分間加熱したが、油と水の分離は全く見られず、保形性も良かった。また本大豆餡を食してもザラつきが見られず風味も優れていた。
実施例33(冷菓1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから5%にヤシ油10%、水55%、脱脂粉乳10%、砂糖20%を加え攪拌混合し、150kg/cmのホモゲナイザーにて均質化を行い、80℃30分間加熱殺菌処理後、5℃で一晩エージングを行い、フリージングして冷菓を製造した。
本冷菓中のおからの固形分は乾燥固形分当り0.7%であった。本冷菓は乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、エージング後の冷菓ミックスの油と水の分離がなく、更にフリージング後の冷菓の油と水の分離も無く、ザラツキも全く感じられなかった。
実施例34(冷菓2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから10%にヤシ油3%、水65%、脱脂粉乳5%、砂糖17%を加え攪拌混合し、150kg/cmのホモゲナイザーにて均質化を行い、80℃30分間加熱殺菌処理後、5℃で一晩エージングを行い、フリージングして冷菓を製造した。
本冷菓中のおからの固形分は乾燥固形分当り1.4%であった。本冷菓は乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、エージング後の冷菓ミックスの油と水の分離がなく、更にフリージング後の冷菓の油と水の分離も無く、ザラツキも全く感じられなかった。
実施例35(冷菓3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから40%にヤシ油20%、水7%、脱脂粉乳3%、砂糖30%を加え攪拌混合し、150kg/cmのホモゲナイザーにて均質化を行い、80℃30分間加熱殺菌処理後、5℃で一晩エージングを行い、フリージングして冷菓を製造した。本冷菓中のおからの固形分は乾燥固形分当り5.6%であった。本冷菓は乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、エージング後の冷菓ミックスの油と水の分離がなく、更にフリージング後の冷菓の油と水の分離も無く、ザラツキも全く感じられなかった。
実施例36(ポタージュスープ1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから20%に乳脂肪5%、水50%、コーンピューレ10%、調味料5%を加え、ホモミキサーで5000rpmで65℃で15分加熱攪拌して、コーンポタージュスープを製造した。
本ポタージュスープ中のおからの固形分は乾燥固形分当り2.8%であった。本ポタージュスープは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも全く感じられなかった。本ポタージュスープを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。
本ポタージュスープ200gを500W出力の電子レンジで2分間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例37(ポタージュスープ2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから8%に乳脂肪20%、水52%、コーンピューレ8%、調味料12%を加え、ホモミキサーで5000rpmで65℃で15分加熱攪拌して、コーンポタージュスープを製造した。
本ポタージュスープ中のおからの固形分は乾燥固形分当り1.1%であった。
本ポタージュスープは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも全く感じられなかった。本ポタージュスープを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。
本ポタージュスープ200gを500W出力の電子レンジで2分間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例38(ポタージュスープ3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから40%に乳脂肪25%、水19%、コーンピューレ14%、調味料2%を加え、ホモミキサーで5000rpmで65℃で15分加熱攪拌して、コーンポタージュスープを製造した。本ポタージュスープ中のおからの固形分は乾燥固形分当り5.6%であった。本ポタージュスープは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも全く感じられなかった。本ポタージュスープを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。
本ポタージュスープ200gを500W出力の電子レンジで2分間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例39(ポタージュスープ4)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから16%に乳脂肪10%、水60%、コーンピューレ4%、調味料10%を加え、ホモミキサーで5000rpmで65℃で15分加熱攪拌して、コーンポタージュスープを製造した。
本ポタージュスープ中のおからの固形分は乾燥固形分当り2.2%であった。本ポタージュスープは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも全く感じられなかった。本ポタージュスープを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。
本ポタージュスープ200gを500W出力の電子レンジで2分間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例40(ハンバーグ1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから7%に合挽き肉53%、大豆白絞油11%、水6%、玉ねぎ18%、パン粉4%、調味料1%加え、ケンウッドミキサー(中速)にて3分間混合し、成型後、240℃で5分焼成し、ハンバーグを得た。
本ハンバーグ中のおからの固形分は乾燥固形分当り0.98%であった。本ハンバーグは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも感じられなかった。本ハンバーグを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。本ハンバーグ40gを500W出力の電子レンジで40秒間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例41(ハンバーグ2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから16%に合挽き肉40%、大豆白絞油15%、水8%、玉ねぎ15%、パン粉5%、調味料1%加え、ケンウッドミキサー(中速)にて3分間混合し、成型後、240℃で5分焼成し、ハンバーグを得た。本ハンバーグ中のおからの固形分は乾燥固形分当り2.2%であった。本ハンバーグは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも感じられなかった。本ハンバーグを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。
本ハンバーグ40gを500W出力の電子レンジで40秒間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例42(ハンバーグ3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから25%に合挽き肉33%、大豆白絞油20%、水4%、玉ねぎ10%、パン粉7%、調味料1%加え、ケンウッドミキサー(中速)にて3分間混合し、成型後、240℃で5分焼成し、ハンバーグを得た。
本ハンバーグ中のおからの固形分は乾燥固形分当り3.5%であった。
本ハンバーグは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも感じられなかった。本ハンバーグを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。本ハンバーグ40gを500W出力の電子レンジで40秒間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例43(さつま揚げ1)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから5%にスケソウ陸上二級すり身50%、大豆白絞油2.5%、水25%、食塩1.5%、砂糖3.5%、グルコース2%、化学調味料0.3%、馬鈴薯澱粉10.2%を加え、サイレントカッターにて出来あがり温度14℃で生地を作り、成型後、140℃で1分、160℃で1.5分の二段フライを行い、さつま揚げを得た。本さつま揚げ中のおからの固形分は乾燥固形分当り0.7%であった。
本さつま揚げは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも感じられなかった。本さつま揚げを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。本さつま揚げ40gを500W出力の電子レンジで40秒間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例44(さつま揚げ2)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから10%にスケソウ陸上二級すり身59.5%、大豆白絞油5%、水13%、食塩1.5%、砂糖3%、グルコース2%、化学調味料0.3%、馬鈴薯澱粉5.7%を加え、サイレントカッターにて出来あがり温度14℃で生地を作り、成型後、140℃で1分、160℃で1.5分の二段フライを行い、さつま揚げを得た。本さつま揚げ中のおからの固形分は乾燥固形分当り1.4%であった。
本さつま揚げは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも感じられなかった。本さつま揚げを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。本さつま揚げ40gを500W出力の電子レンジで40秒間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
実施例45(さつま揚げ3)
製造例1と同様にして得た固形分14%で平均粒子径が25ミクロンのおから25%にスケソウ陸上二級すり身30%、大豆白絞油10%、水7%、食塩1.5%、砂糖6%、グルコース4%、化学調味料0.3%、馬鈴薯澱粉16.2%を加え、サイレントカッターにて出来あがり温度14℃で生地を作り、成型後、140℃で1分、160℃で1.5分の二段フライを行い、さつま揚げを得た。本さつま揚げ中のおからの固形分は乾燥固形分当り3.5%であった。
本さつま揚げは乳化剤を一切使用していないにもかかわらず、油と水の分離が無く、ザラツキも感じられなかった。本さつま揚げを−28℃の冷凍庫に24時間入れ凍結させた後、20℃の雰囲気下で解凍したが、油と水は全く分離していなかった。本さつま揚げ40gを500W出力の電子レンジで40秒間加熱したが、油と水は全く分離していなかった。
産業上の利用の可能性
本発明により従来の乳化剤を利用したエマルジョン食品に見られるような室温で放置しておいたり、電子レンジやオーブンで加熱したとき油、水が分離したり、形が変化したり、凍結解凍後に油、水が分離する等の問題を解決できたものであり、加熱や冷凍後の解凍によっても水と油が分離しにくいマヨネーズ状食品、マーガリン様食品、液状マーガリン様食品、スプレッド、ホイップクリーム、クリームチーズ様食品、含水チョコレート、ガナッシュ、香辛料ペースト、大豆餡、冷菓、スープ、畜肉製品、水産練製品等の水及び油脂含有食品の分野においての利用が可能である。

Claims (8)

  1. 吸水能がおからの乾燥重量当たり15〜40重量倍であり、かつ、吸油能がおからの乾燥重量当たり8〜20重量倍である粒子径が20〜50ミクロンの湿潤おから(水分55〜95重量%)に、油脂を吸収させ、水を吸収させ加熱雰囲気下で涅和させることを特徴とする水及び油脂含有食品の製造法。
  2. 食品がマヨネーズ状食品であって、請求項1の湿潤おからに請求項1の水、請求項1の油及び酸を吸収させ、請求項1のように加熱雰囲気下で涅和し水中油型乳化することを特徴とする請求項1の製造法。
  3. 食品がマーガリン様食品であって、請求項1の湿潤おからに請求項1の水及び請求項1の固体油脂を食品中70〜90重量%用いて請求項1のように加熱雰囲気下で涅和して油中水型乳化し、その後急冷することを特徴とする請求項1の製造法。
  4. 食品が液状マーガリン様食品であって、請求項1の湿潤おからに請求項1の液体油を食品中20〜60重量%、及び請求項1の水を用い請求項1のように加熱雰囲気下で涅和して油中水型乳化し、冷却涅和する請求項1の製造法。
  5. 食品がスプレッドであって、請求項1の湿潤おからに請求項1の固体油脂を食品中20〜60重量%、及び請求項1の水を吸収させ、請求項1のように加熱雰囲気下で涅和する請求項1の製造法。
  6. 食品がホイップクリームであって、請求項1の湿潤おからに請求項1の固体油脂を食品中20〜50重量%、及び請求項1の水を吸収させ、重合リン酸塩を添加し、請求項1のように加熱雰囲気下で涅和し、均質化して水中油型乳化した後冷却する請求項1の製造法。
  7. 食品がクリームチーズ様食品であって、請求項1の湿潤おからに請求項1の固体油脂を食品中5〜40重量%、及び請求項1の水を吸収させ、重合リン酸塩を添加し、チーズフレーバー或いはチーズを混合し、請求項1のように加熱雰囲気下で涅和し急冷する請求項1の製造法。
  8. 食品がスープであって、請求項1の湿潤おからに請求項1の油脂及び請求項1の水を吸収させ、スープ具材を添加し、請求項1のように加熱雰囲気下で涅和する請求項1の製造法。
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