JP2001178361A - 低脂肪油中水型組成物 - Google Patents

低脂肪油中水型組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油感が低く、保存性、風味、食感が良好で、
かつ、風味付け原料が少量で効果を発揮する低脂肪油中
水型組成物を提供すること。 【解決手段】 乳化物中の油脂含有量が35〜60重量
%で、水相中の糖濃度が60〜75重量%であり、か
つ、乳化剤として、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれた1種類以
上を含有する油中水型乳化物を調整し、この油中水型乳
化物40〜80部と、糖濃度が60〜75重量%である
水性風味液60〜20部を混合して、含糖スプレッド状
あるいはバタークリーム状の低脂肪油中水型組成物を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期保存性に優
れ、風味良好な、製菓、製パン用のフィリングまたはト
ッピング材として用いられる低脂肪油中水型組成物、詳
しくは含糖スプレッド又はバタークリームに関する。
【0002】
【従来の技術】製菓、製パン用のフィリング、トッピン
グ材の代表的なものとして、一般にスプレッドとよばれ
る起泡させないタイプの含糖油中水型組成物や、バター
クリームとよばれる起泡性の含糖油中水型組成物があ
り、これらの油中水型組成物は、合わせられるパン、菓
子との相性や、目的に応じて使いわけられている。
【0003】従来、これら油中水型組成物は、脂肪分が
多く、油感が強いという欠点を有しているため、食感を
改善するために、脂肪分を減らす方向にある。しかし、
一般的な低脂肪分の油中水型組成物では、乳化が不安定
となり、保存中に水相が分離したり、組織破壊が起こり
やすく、高含水の組成物では衛生的な保存性が悪いため
に保存料を使用すれば風味を損なう、などの問題があっ
た。
【0004】上記のような問題を解決するため、種々の
検討がなされており、例えば、バタークリームにおいて
は、油脂組成物と多量の水性液とを2段階にわけて起
泡、混合させる方法(特開昭52−126406)が提
案されている。しかし、この方法では、油脂組成物に別
に調整された多量の水性液を混合するので水性液中の風
味付けの原料が薄められやすく風味付けの原料が余計に
必要となり、また、粘度の調整や2段階の起泡工程が必
要であるなど、非効率である。
【0005】一方、起泡を必要としないスプレッドにお
ける低脂肪化の試みとして、主にポリグリセリン縮合リ
シノレートなどの強力な乳化力を持つ、乳化剤を使用す
る方法(特開昭61−85141など)や、ゲル化剤な
どで水性液の粘度をあげるもの(特開昭62−2323
35など)がある。しかし、前者の方法では、乳化が強
すぎ、油感が強く添加した風味素材の風味が弱い、乳化
剤が風味に悪影響を及ぼすなどの問題がある。後者の方
法では、ゲル化剤のため、口あたりが悪くなり、食感を
損なうなどの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のバタークリーム・含糖スプレッド類の上記のような欠
点を改善し、油感が低く、保存性、風味、食感が良好
で、かつ、風味付け素材が少量で効果を発揮する低脂肪
油中水型組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、それ自体が低
脂肪で、食感、風味の良好な油中水型乳化物をまず作製
し、それに別途、風味付素材を加えて調整された含糖水
性液を加え、起泡させない様に或いは起泡させながら混
合して得られる油中水型組成物が、油感が低く、保存性
に優れていることを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち本発明の第1は、乳化物中の油脂含有
量が35〜60重量%、水相中の糖濃度が60〜75重
量%であり、かつ、乳化剤として、レシチン、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選
ばれた1種類以上を含有することを特徴とする油中水型
乳化物に関する。好ましい実施態様としては、乳化剤と
して、乳化物中、0.05〜1.0重量%のレシチン
と、0.05〜1.0重量%のソルビタン脂肪酸エステ
ル及び/又は0.05〜1.0重量%のグリセリン脂肪
酸エステルを含有する油中水型乳化物に関する。
【0009】本発明の第2は、上記油中水型乳化物40
〜80部と、糖濃度が55〜75重量%である水性風味
液60〜20部を混合して得られる、含糖スプレッド状
あるいはバタークリーム状の低脂肪油中水型組成物に関
する。好ましい実施態様としては、組成物中の油脂含有
量が20〜45重量%である低脂肪油中水型組成物に関
する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の低脂肪油中水型組
成物について説明する。
【0011】本発明において用いられる油脂の種類は、
特に限定されず、コーン油、菜種油、大豆油、ヤシ油、
パーム油等の植物油、及び、ラード、牛脂、魚油、乳脂
等の動物油、及びそれらの硬化油・エステル交換油等
を、単独でもしくは2種以上を組み合わせて任意に用い
ることが出来る。これら原料となる油脂の上昇融点は2
5〜40℃の範囲が、得られる乳化物に適度な可塑性を
付与できるため、好ましい。
【0012】本発明の乳化物は、乳化剤として、レシチ
ン、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステルのうち1種以上を使用する必要がある。特に、乳
化物中、0.05〜1.0重量%のレシチンと、0.0
5〜1.0重量%のソルビタン脂肪酸エステル及び/又
は0.05〜1.0重量%のグリセリン脂肪酸エステル
を含有しているのが好ましい。上記以外の乳化剤も併用
しうるが、ポリグリン縮合リシノレイン酸エステル等の
強力な乳化作用を持つ乳化剤は、風味、食感、起泡性な
どを損なうため、好ましくない。
【0013】上記油脂に乳化剤を加え、加温融解して油
相とする。このとき、必要に応じて、β―カロチン、ア
ナトー色素などの油溶性の着色料を添加する。また、必
要に応じて、カカオマス、ココアパウダー、ピーナッツ
バターなどの油性の味付け素材を加えても良い。
【0014】一方、本発明の油中水型乳化物において、
水相の糖濃度は60〜75重量%の範囲に調整する必要
がある。水相の糖濃度が上記範囲より低いと保存性が損
なわれ、高すぎると他の原料の溶解性を妨げることがあ
る。ここで糖濃度は、次の式で表される。
【0015】糖濃度=水相中の糖分/(水相中の糖分+
水相中の水分)また、必要に応じて、加糖練乳などの水
性の味付け素材や香料を水相に加えても良い。さらに、
各種増粘剤、澱粉等を加えることもできるが、粘度が高
すぎると乳化破壊したり、口どけを損なうので、添加量
は多すぎない方が好ましい。上記水相は、好ましくは加
熱殺菌処理したのち、用いられる。
【0016】本発明において、これら油相と水相を、乳
化物中の油脂含有量が35〜60重量%の範囲になるよ
うに混合し、必要に応じて、さらに通常の急冷ねつ和機
にて処理して、可塑性の油中水型乳化物とする。乳化物
中の油脂含有量が35%未満の場合、最終の低脂肪油中
水型乳化物の乳化安定性が悪くなり、油脂含有量が60
%を超えると、油感が生じ、食感を損なう。急冷ねつ和
機としては例えば、ボテーターやコンビネーターが用い
られる。得られた乳化物を、望ましくは、一旦2〜10
℃に冷却したのち、混合に適した硬さになるよう温調す
る。
【0017】本発明で用いられる水性風味液は、糖、
水、風味付け素材等を、糖濃度が55〜75重量%、好
ましくは60〜75重量%になるように混合し、加熱殺
菌処理したものである。
【0018】本発明で使用される、風味付け素材として
は、特に限定されないが、牛乳、加糖練乳、チーズなど
の乳製品、果汁、ピューレ、ジャムなどの果実加工品、
サツマイモ、カボチャのピューレなどの野菜加工品、栗
のシロップ漬けなどのナッツ加工品、卵黄、コーヒー、
紅茶、餡、ゼリーなどの一般食品の他、リンゴ酸、クエ
ン酸などの酸味料、香料などの添加物等が挙げられる。
また着色が必要なときは、必要に応じて天然あるいは合
成の色素を添加することもできる。
【0019】本発明において、風味付け素材は上記水性
液に添加されることによって、効果的に風味付け出来う
るが、上述したように、乳化物中にも風味付け素材を添
加しても構わない。特に油性の風味付素材は乳化物中の
油相に加えたほうが均一に混合されるという利点があ
る。また、例えば、乳化物にミルク風味を、上記水性液
にコーヒー風味を付けて、全体としてミルクコーヒー風
味にするなど、新たに特別な効果も期待できる。
【0020】また、ジャム中の果肉やチョコレートなど
のように、他の風味付け素材と加熱殺菌した場合に、も
との形状が崩れ易いものや、チョコレートソースのよう
に油性のもの、洋酒、一部の香料など、加熱すると風味
が失われやすいものなどは、上記水性風味液の殺菌後に
添加するか、別途調整して必要に応じて殺菌し、以下の
混合工程で水性風味液と一緒に用いても良い。この様
に、水性風味液の一部又は全部を、果実、ナッツ、カカ
オ、野菜等の加工食品、または餡、ゼリーのいずれかに
置き換える場合も、これらジャムなどの加工食品の糖濃
度は、水性風味液と同様、55〜75重量%の範囲であ
るのが好ましい。
【0021】上記水性風味液を、好ましくは、15〜4
0℃に冷却し、上述の油中水型乳化物と混合して、本発
明の低脂肪油中水型組成物を得る。混合にあたっては、
適切な混合機を用い、水性風味液を一度に、または数回
にわけて加えて混合する。この際、混合して得られる油
中水型組成物の油脂含有量が20〜45重量%になるよ
うに調整するのが好ましい。油脂含有量が、20重量%
未満だと組織不良となったり、保存中の水性液の分離な
どが起きやすく、45重量%を超えると油感が生じるな
ど、食感が悪くなる傾向がある。
【0022】含糖スプレット状の低脂肪油中水型組成物
を得る場合には、縦形ミキサーのビーターなどを用い
て、低速でゆるやかに起泡させないように攪拌し混合す
る。バタークリーム状の低脂肪油中水型組成物を得る場
合には、縦形ミキサーのホイッパーなどを用いて混合し
ながら、組成物が適切な比重になるように起泡(ホイッ
プ)させる。
【0023】本発明の低脂肪油中水型乳化物において、
風味付け素材の風味が効果的に出現する理由は、風味付
け素材を別に調整された含糖水性液に加えて、油中水型
乳化物と混合することで、乳化剤を介して油中に乳化し
た油中水乳化組成物中の水性液よりも、同じ量の素材原
料を用いても、濃度の濃い状態で舌にふれ、先に口中で
解離するからであると考えられる。
【0024】
【実施例】(実施例1)パーム油15部、魚油硬化油
(融点30℃)55部、魚油硬化油(融点40℃)10
重量部、菜種油20部からなる油脂(融点30℃)60
重量%に、レシチン0.05重量%、ソルビタン脂肪酸
エステル0.05重量%を加え65℃に加温融解して油
相とした。また、水飴(糖濃度75%)36.5重量%
に水2.4重量%を加え糖濃度%としたものを70℃で
20分間加熱殺菌して水相とした。
【0025】上記油相に水相を加えて、ボテーターを用
い、常法により油中水型乳化物を得、これを、1日間5
℃で冷蔵したあと、20℃に温調した。
【0026】一方、加糖練乳15重量部、水飴24重量
部、水0.9重量部を混合し、糖濃度70%としたもの
を、65℃で30分間加熱殺菌した後、25℃に冷却
し、ミルク香料0.1重量部を加え、水性風味液を調整
した。
【0027】先に得た油中水型乳化組成物60重量部
と、この水性風味液40重量部を、縦形ミキサー(関東
ミキサー株式会社製)に投入し、ホイッパーにて、比重
が0.75になるまで混合し起泡させ、バタークリーム
状の油中水型組成物を得た。
【0028】(実施例2)油中水型乳化物を実施例1と
同じ条件で作製して温調し、縦形ミキサー(関東ミキサ
ー株式会社製)のビーターを用いて、起泡しないよう
に、緩やかに攪拌しながら、実施例1と同じ条件で作製
した水性風味液を同じ配合比で混合し、含糖スプレッド
状の油中水型組成物を得た。
【0029】(実施例3)大豆硬化油(融点34℃)5
0部、魚油硬化油(融点30℃)30部、コーン油15
部からなる油脂(融点32℃)60重量%に、レシチン
0.3重量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.3重量
%、グリセリン脂肪酸エステル0.1重量%を加え、6
5℃に加温融解して油相とした。また、水飴(糖濃度7
5%)31重量%に水8.3重量%を加え、糖濃度59
%としたものを70℃で20分間加熱殺菌して水相とし
た。
【0030】上記油相に水相を加えて、ボテーターを用
い、常法により油中水型乳化物を得、これを、1日間5
℃で冷蔵したあと、25℃に温調した。
【0031】一方、水飴12重量部、水2.7重量部、
リンゴ酸0.2重量部を混合し、糖濃度65%としたも
のを、70℃で20分間加熱殺菌した後、25℃に冷却
し、イチゴ香料0.1重量部を加え、水性風味液を調整
した。
【0032】先に得た油中水型乳化物75重量部と、加
熱殺菌した糖濃度70%のイチゴジャム10重量部と、
この水性風味液15重量部を、実施例1と同様に、比重
が0.75になるまで混合し起泡させ、バタークリーム
状の油中水型組成物を得た。
【0033】(実施例4)油中水型乳化物を実施例3と
同じ条件で作製して温調し、縦形ミキサー(関東ミキサ
ー株式会社製)のビーターを用いて、起泡しないよう
に、緩やかに攪拌しながら、実施例3と同じ条件で作製
したイチゴジャムと水性風味液を同じ配合比で混合し、
含糖スプレッド状の油中水型組成物を得た。
【0034】(実施例5)コーン硬化油(融点36℃)
6部、魚油硬化油(融点30℃)54部、パーム油15
部、大豆油25部からなる油脂(融点28℃)35重量
%に、レシチン0.4重量%、ソルビタン脂肪酸エステ
ル0.6重量%を加え、65℃に加温融解して油相とし
た。また、水飴(糖濃度75%)64重量%を70℃で
20分間加熱殺菌して水相とした。
【0035】上記油相に水相を加えて、ボテーターを用
い、常法により油中水型乳化物を得、これを、1日間5
℃で冷蔵したあと、20℃に温調した。
【0036】一方、加糖練乳10重量部、砂糖7重量
部、水2.9重量部を混合し、糖濃度70%としたもの
を、65℃で30分間加熱殺菌した後、25℃に冷却
し、ミルク香料0.1重量部を加え、水性風味液を調整
した。
【0037】先に得た油中水型乳化物80重量部と、こ
の水性風味液20重量部を、実施例1と同様に、比重が
0.8になるまで混合し起泡させ、バタークリーム状の
油中水型組成物を得た。
【0038】(実施例6)実施例5の乳化剤のソルビタ
ン脂肪酸エステルのうち、0.2重量%をグリセリン脂
肪酸エステルに置き換えた他は同様の条件・方法で、バ
タークリーム状の油中水型組成物を得た。
【0039】(実施例7)実施例5と同じ組成の油脂4
0重量%に、レシチン0.3重量%、ソルビタン脂肪酸
エステル0.5重量%を加え65℃に加温融解して油相
とした。また、水飴51重量%に水8.2重量%を加え
糖濃度65%としたものを70℃で20分間加熱殺菌し
て水相とした。
【0040】上記油相に水相を加えて、ボテーターを用
い、常法により油中水型乳化物を得、これを、1日間5
℃で冷蔵したあと、25℃に温調した。
【0041】一方、水飴34.4重量部、水5.2重量
部、インスタントコーヒー0.5重量部を混合し、糖濃
度65%としたものを、70℃で20分間加熱殺菌した
後、25℃に冷却し、コーヒー香料0.1重量部を加
え、水性風味液を調整した。
【0042】先に得た油中水型乳化組成物60重量部
と、この水性風味液40部を、実施例1と同様に、比重
が0.75になるまで混合し起泡させ、バタークリーム
状の油中水型組成物を得た。
【0043】(実施例8)実施例5の乳化剤のソルビタ
ン脂肪酸エステルを同量のグリセリン脂肪酸エステルに
置き換えた他は同様の条件・方法で、バタークリーム状
の油中水型組成物を得た。
【0044】(実施例9)水飴43重量部、水6.4重
量部、インスタントコーヒー0.5重量部を混合し、糖
濃度65%としたものを、70℃で20分間加熱殺菌し
た後、25℃に冷却し、コーヒー香料0.1重量部を加
え、水性風味液を調整した。
【0045】実施例7と同じ条件で作製温調した油中水
型乳化物50重量部を、縦形ミキサー(関西ミキサー株
式会社製)に投入し、上記の水性風味液50重量部を徐
々に加えながら、ホイッパーにて、比重が0.85にな
るまで混合し起泡させ、バタークリーム状の油中水型組
成物を得た。
【0046】(実施例の評価)実施例1〜9で得られた
油中水型組成物を、5℃で1ヶ月間保管したのち、20
℃に温調し、風味、食感、水性液の分離について調べ
た。風味、食感は数名のパネラーによる官能試験で評価
した。水性液の分離は、油中水型組成物をろ紙上に薄く
延ばして、分離の有無で評価した。その結果を表1に示
す。
【0047】
【表1】 実施例1〜9の油中水型組成物はいずれも、風味、食感
良好で、分離も全くみられず、保存安定性にも優れてい
ることが確認された。
【0048】(比較例1)大豆硬化油(融点34℃)5
0部、魚油硬化油(融点30℃)30部、コーン油15
部からなる油脂(融点32℃)99.3重量%に、レシ
チン0.3重量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.3重
量%、グリセリン脂肪酸エステル0.1重量%を加え、
65℃に加温融解し、ボテーターにて混合し、水相の無
いショートニングを調整し、実施例3の油中水型乳化物
と同様に温調した。
【0049】一方、水飴(糖濃度75%)35.8重量
部、水8.9重量部、リンゴ酸0.2部を混合し、糖濃
度65%としたものを、70℃で20分間加熱殺菌した
後、25℃に冷却し、イチゴ香料0.1重量部を加え、
水性風味液を調整した。
【0050】先に得たショートニング45重量部と、実
施例3に使用したイチゴジャム10重量部、上記の水性
風味液45重量部を、縦形ミキサー(関西ミキサー株式
会社製)に投入し、ホイッパーにて、比重が0.75に
なるまで混合し起泡させ、バタークリーム状の油中水型
組成物を得た。
【0051】(比較例2)比較例1と同じショートニン
グを、比較例1と同様に温調したものを、縦形ミキサー
に投入し、ビーターを用いて、起泡しないように、緩や
かに攪拌しながら、比較例1と同じイチゴジャムと水性
風味液を同じ配合比で投入、混合して含糖スプレッド状
の油中水型組成物を得た。
【0052】(比較例3)実施例5と同じ油脂35重量
%に、乳化物として、ポリグリセリン縮合リシノレイン
酸エステルを0.1重量%加え、65℃に加温融解して
油相とした。また、水飴(糖濃度75%)64.9重量
%を70℃で20分間加熱殺菌して水相とした。 上記
油相に水相を加え、ボテーターを用い、常法により油中
水型乳化物を得、これを、1日間5℃で冷蔵したあと、
20℃に温調した。
【0053】一方、加糖練乳10重量部、砂糖7重量
部、水2.9重量部を混合し、糖濃度70%としたもの
を、65℃で30分間加熱殺菌した後、25℃に冷却
し、ミルク香料0.1重量部を加え、水性風味液を調整
した。
【0054】先に得た油中水型乳化物80重量部と、こ
の水性風味液20重量部を、実施例1と同様に、比重が
0.8になるまで混合し起泡させ、バタークリーム状の
油中水型組成物を得た。
【0055】(比較例4)コーン硬化油(融点36℃)6
部、魚油硬化油(融点30℃)54部、パーム油15
部、大豆油25部からなる油脂(融点28℃)99.2
重量%に、レシチン0.3重量%、ソルビタン脂肪酸エ
ステル0.5重量%を加え、65℃に加温融解して、ボ
テーターを用いて、水相の無いショートニングを調整
し、実施例7の油中水型乳化組成物と同様に温調した。
【0056】一方、水飴(糖濃度75%)65重量部、
水10.9重量部、インスタントコーヒー0.5重量部
を混合し、糖濃度65%としたものを、70℃で20分
間加熱殺菌した後、25℃に冷却し、コーヒー香料0.
1重量部を加え、水性風味液を調整した。
【0057】先に得たショートニング24重量部と、こ
の水性風味液76重量部を、実施例1と同様に、比重が
0.75になるまで混合し起泡させ、バタークリーム状
の油中水型組成物を得た。
【0058】(比較例5)実施例7と同じ油脂24重量
%に、レシチン0.3重量%、ソルビタン脂肪酸エステ
ル0.5重量%を加え65℃に加温融解して油相とし
た。
【0059】一方、水飴65重量%に水9.6重量%、
インスタントコーヒー0.5重量%を混合し、糖濃度6
5%としたものを70℃で20分間加熱殺菌した後、2
5℃に冷却し、コーヒー香料0.1重量部を加え、水相
とした。
【0060】上記油相に水相を加え、実施例1と同様の
方法で急冷ねつ和し、実施例と同じ脂肪含量の加糖スプ
レッド状油中水型組成物を調整した。
【0061】(比較例6)実施例7と同じ油脂24重量
%に、レシチン0.3重量%、ソルビタン脂肪酸エステ
ル0.5重量%にさらにポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステル0.2重量%を加え65℃に加温融解して
油相とした。
【0062】水飴64.8重量%に水9.6重量%、イ
ンスタントコーヒー0.5%を混合し、糖濃度65%と
したものを70℃で20分間加熱殺菌した後、25℃に
冷却し、コーヒー香料0.1重量部を加え、水相とし
た。
【0063】上記油相に水相を加え、実施例1と同様の
方法で急冷ねつ和して、スプレッド状の油中水型組成物
を得た。
【0064】(比較例の評価)比較例1〜5で得られた
油中水型組成物を、5℃で1ヶ月間保管したのち、20
℃に温調し、風味、食感、水性液の分離について実施例
と同様に評価した。
【0065】油中水型乳化物の代わりに、ショートニン
グを使用し、それを水性風味液と混合して得られた比較
例1、2、4の油中水組成物はいずれも油感が強く、風
味、食感共に不良であった。特に比較例4の油中水型組
成物では、コーヒーの風味が薄く、さらには水性液の分
離も見られた。
【0066】また、本発明において必要な種類の乳化剤
を使用せず、代わりに強力な乳化剤であるポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステルを使用して得られた乳化
物を用いて作製した比較例3の油中水型組成物は、油感
が強く、風味が非常に弱く、乳化剤の影響で食感も不良
であった。
【0067】更にボテーターのみで作製した比較例5、
6の油中水型組成物は、油感が強く、風味が大変弱い、
風味、食感ともに不良のものであった。特に比較例5の
油中水型組成物の作製においては、ボテーター内で油相
と水相が分離して組織破壊し、均一な組成物が得られな
かった。
【0068】
【発明の効果】以上の結果が示すとおり、本発明で得ら
れる低脂肪油中水型組成物は、風味、食感が良好で、保
存性の良い、製菓、製パンのフィリング、トッピング材
として好適のものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/19 A23D 7/00 502 Fターム(参考) 4B014 GB11 GE02 GG06 GG07 GG09 GG11 GG14 GL06 GL10 GL11 GP01 GP04 4B025 LB20 LE03 LG12 LG13 LG14 LG24 LG26 LG27 LG42 LG44 LG53 LG60 LK01 LP10 4B026 DC01 DC06 DG01 DG11 DK01 DK04 DK05 DL03 DL06 DL08 DP01 DX05 4B032 DK10 DK12 DK13 DK14 DK18 DK31 DK32 DK34 DK41 DK67 DL03 DL04 DL06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化物中の油脂含有量が35〜60重量
    %、水相中の糖濃度が60〜75重量%であり、かつ、
    乳化剤として、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、
    グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
    テル、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれた1種類以上を
    含有することを特徴とする油中水型乳化物。
  2. 【請求項2】 乳化剤として、乳化物中、0.05〜
    1.0重量%のレシチンと、0.05〜1.0重量%の
    ソルビタン脂肪酸エステル及び/又は0.05〜1.0
    重量%のグリセリン脂肪酸エステルを含有する、請求項
    1記載の油中水型乳化物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の油中水型乳化物4
    0〜80部と、糖濃度が55〜75重量%である水性風
    味液60〜20部を、起泡させない様に混合して得られ
    る、含糖スプレッド状の低脂肪油中水型組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の油中水型乳化物4
    0〜80部と、糖濃度が55〜75重量%である水性風
    味液60〜20部を、混合して起泡させて得られる、バ
    タークリーム状の低脂肪油中水型組成物。
  5. 【請求項5】 水性風味液の一部又は全部を、果実、ナ
    ッツ、カカオ、野菜等の加工食品、または餡、ゼリーの
    いずれかに置き換えた、請求項3又は4記載の低脂肪油
    中水型組成物。
  6. 【請求項6】 組成物中の油脂含有量が20〜45重量
    %である、請求項1〜5記載の低脂肪油中水型組成物。
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