JP2003265131A - クリーム組成物及びその製造方法 - Google Patents

クリーム組成物及びその製造方法

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JP2003265131A
JP2003265131A JP2002071734A JP2002071734A JP2003265131A JP 2003265131 A JP2003265131 A JP 2003265131A JP 2002071734 A JP2002071734 A JP 2002071734A JP 2002071734 A JP2002071734 A JP 2002071734A JP 2003265131 A JP2003265131 A JP 2003265131A
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oil
weight
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water
fat
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JP2002071734A
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English (en)
Inventor
Tsuneaki Okada
恒明 岡田
Ryoji Munakata
良治 宗像
Satoru Takeda
了 武田
Manabu Ueno
学 上野
Chie Okamoto
千恵 岡本
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食感が適度に重く、しっかりとしたボディー
感があるにもかかわらず、口溶けが軽く、風味良好であ
るクリーム組成物及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 フラワーペースト類100重量部に、3
0℃における粘度が0.1万〜2万Pa・sである水中
油型乳化油脂組成物15〜580重量部を混合した、電
気伝導度1〜50kΩの組成物であることを特徴とする
クリーム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベーカリー製品の
フィリング用、トッピング用、サンド用として好適に用
いられるクリーム組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フラワーペースト類や油脂組成物は、そ
れぞれベーカリー製品のフィリング用、トッピング用、
サンド用に使用されている。しかしながら、フラワーペ
ースト類だけでは食感が重くボディー感は得られるもの
の、口溶けが悪い。また、マーガリンやファットスプレ
ッドといった油脂組成物だけではフラワーペースト類が
持つような濃厚な風味が出にくく、また口溶けも良くな
いという問題があった。
【0003】このため、特開2000−279120公
報では、フラワーペースト類に油脂組成物を混合し含気
させて、口溶けが軽く、風味良好なクリーム組成物を得
る試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2
000−279120公報に記載のクリーム組成物は、
口溶けは軽いものの、ベーカリー製品にフィリング、ト
ッピング、サンド等して食した場合、ベーカリー製品の
存在感に負けてしまい、クリーム組成物としてのボディ
ー感のある食感が得られないものであった。
【0005】従って、本発明の目的は、食感が適度に重
く、しっかりとしたボディー感があるにもかかわらず、
口溶けが軽く、風味良好であるクリーム組成物及びその
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、フラワーペースト類に特定の乳化油脂組成物
を混合したクリーム組成物が上記目的を達成し得ること
を見出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は、フラワーペースト類10
0重量部に、30℃における粘度が0.1万〜2万Pa
・sである水中油型乳化油脂組成物15〜580重量部
を混合した、電気伝導度1〜50kΩの組成物であるこ
とを特徴とするクリーム組成物を提供するものである。
また、本発明は、10〜30℃に調温したフラワーペー
スト類100重量部と、10〜40℃に調温した、30
℃における粘度が0.1万〜2万Pa・sである水中油
型乳化油脂組成物15〜580重量部とを混合して、電
気伝導度1〜50kΩの組成物とすることを特徴とする
クリーム組成物の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態を以下
に詳述する。まず、本発明のクリーム組成物に用いられ
るフラワーペースト類について説明する。本発明でいう
フラワーペースト類とは、油脂、澱粉、糖類及び水から
なり、必要により乳化剤、安定剤、乳製品、卵、呈味成
分、保存料、日持ち向上製剤、フレーバー、酸化防止
剤、着色料、pH調整剤等を使用したものである。そし
て、該フラワーペースト類は、好ましくは油相成分の含
有量を2〜50重量%、水相成分の含有量を98〜50
重量%としたもの、更に好ましくは油相成分の含有量を
5〜30重量%、水相成分の含有量を95〜70重量%
としたものである。
【0009】上記の油相成分としては、油脂が挙げら
れ、必要により乳化剤、酸化防止剤、フレーバー、着色
料等を使用することができる。油脂としては特に制限は
なく、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン
油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サ
フラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油
等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらを水素添
加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上
の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明において
は、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種
以上を組み合わせて用いることもできる。
【0010】また、上記の水相成分としては、水、澱粉
及び糖類が挙げられ、必要により乳化剤、安定剤、乳製
品、卵、呈味成分、保存料、日持ち向上製剤、フレーバ
ー、酸化防止剤、着色料、pH調整剤等を使用すること
ができる。
【0011】ここで、水の含有量は、フラワーペースト
類全組成中、好ましくは15〜75重量%、更に好まし
くは35〜60重量%とするのがよい。
【0012】また、上記澱粉としては、コーン、ジャガ
イモ、サツマイモ、タピオカ、小麦、米、もち米等由来
の澱粉が挙げられ、必要に応じて、エステル化、リン酸
架橋、α化、熱処理等の化学的、物理的処理を施したも
のを使用することができ、これらのうち1種又は2種以
上を組み合わせて用いることもできる。澱粉の添加量
は、フラワーペースト類の全組成中、好ましくは2〜1
0重量%、更に好ましくは4〜8重量%である。2重量
%よりも少ないとクリーム組成物の粘度が低下しやすい
ため、保型性が低下しやすく、10重量%よりも多いと
クリーム組成物の食感が過度に重くなりやすい。
【0013】また、上記糖類としては、砂糖、ブドウ
糖、果糖、麦芽糖、異性化糖、乳糖、オリゴ糖、ソルビ
トール、マルチトール、マンニトール、還元澱粉糖化
物、還元水あめ、水あめ、液糖、はちみつ等が挙げら
れ、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。糖類の添加量は、フラワーペースト類
の全組成中、好ましくは7.5〜60重量%、更に好ま
しくは12〜40重量%であり、また水相成分中の糖濃
度は、好ましくは15〜70重量%、更に好ましくは2
0〜50重量%である。糖濃度が15重量%よりも低い
と保存性の低下につながりやすく、70重量%よりも高
いと風味のバランスがくずれやすく、水相が分離しやす
い。ここでいう糖濃度とは、水相中の糖分/(水相中の
糖分+水相の水分)×100で計算した値である。
【0014】また、上記安定剤としては、キサンタンガ
ム等の天然多糖類ガム質やセルロース誘導体等が挙げら
れ、その添加量は、フラワーペースト類の全組成中、好
ましくは0.05〜0.4重量%、更に好ましくは0.
1〜0.3重量%である。0.05重量%よりも少ない
とクリーム組成物の粘度が低下しやすいため、保型性が
低下しやすく、0.4重量%よりも多いと粘度が上昇し
やすく、クリーム組成物を製造するのが困難となりやす
いので好ましくない。
【0015】また、上記乳製品としては、牛乳、濃縮
乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、調製粉乳、練乳、チーズ等を
用いることができる。
【0016】また、上記卵としては、全卵、卵黄、卵
白、酵素処理卵等を用いることができる。
【0017】また、上記呈味成分としては、ココア、コ
ーヒー、チョコレート、果肉、果汁、ナッツ若しくはそ
の加工品等を用いることができる。
【0018】また、上記保存料としては、市販の天然保
存料及び合成保存料、例えば、ソルビン酸とそのカリウ
ム塩等の保存料を用いることができる。
【0019】また、日持ち向上製剤としては、市販の日
持ち向上製剤、例えば、グリシン、リゾチーム、しらこ
蛋白抽出物、ポリリジン、茶抽出物、アルコール等を主
剤とする日持ち向上製剤を、食品衛生法で定められてい
るものについてはその規定範囲内で、使用することがで
きる。
【0020】また、上記フラワーペースト類において、
乳化剤は、油相及び/又は水相に添加することができ、
該乳化剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等が
挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせ
て用いることもできる。乳化剤の添加量は、フラワーペ
ースト類の全組成中、好ましくは0.05〜2重量%、
更に好ましくは0.1〜1.5重量%である。0.05
重量%よりも少ないと乳化が不安定となりやすいので好
ましくなく、2重量%よりも多いと風味に影響が出やす
い。
【0021】次に、本発明のクリーム組成物に用いられ
る水中油型乳化油脂組成物について説明する。該水中油
型乳化油脂組成物としては、30℃における粘度が0.
1万〜2万Pa・sの水中油型乳化油脂組成物であれば
よく、例えばクリーム、乳等を主要原料とする食品、フ
ィリング等を好ましく挙げることができる。
【0022】上記水中油型乳化油脂組成物の乳化形態
は、水中油型であれば、一重乳化、水中油中水型の二重
乳化等の何れでもよいが、好ましくは油相成分を10〜
95重量%、水相成分を90〜5重量%、更に好ましく
は油相成分を30〜80重量%、水相成分を70〜20
重量%としたものである。
【0023】上記の油相成分としては、油脂が挙げら
れ、必要により乳化剤、酸化防止剤、フレーバー、着色
料等を使用することができる。
【0024】上記油脂としては特に制限はなく、例えば
パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大
豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛
脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油
脂、動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエス
テル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加
工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂
を単独で用いることもでき、また2種以上を組み合わせ
て用いることもできる。また、油脂の固体脂含量(SF
C)は、10℃で0〜60、30℃で0〜25であるこ
とが好ましく、10℃で0〜50、30℃で0〜20で
あることが更に好ましい。油脂の添加量は、上記水中油
型乳化油脂組成物中、好ましくは20〜80重量%、更
に好ましくは35〜65重量%である。
【0025】また、上記の水相成分としては、水が挙げ
られ、必要であれば、牛乳、濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉
乳、調製粉乳、練乳、チーズ等の乳製品、食塩、糖類、
フレーバー、着色料、カカオパウダーや果汁等の呈味物
質等を使用することができる。
【0026】ここで、水の含有量は、水中油型乳化油脂
組成物全組成中、好ましくは5〜50重量%、更に好ま
しくは10〜30重量%とするのがよい。
【0027】ここで使用できる糖類としては、砂糖、ぶ
どう糖、果糖、麦芽糖、異性化糖、乳糖、オリゴ糖、ソ
ルビトール、マルチトール、マンニトール、還元澱粉糖
化物、還元水あめ、水あめ、液糖、はちみつ類等が挙げ
られ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。糖類の添加量は、上記水中油型乳化油脂組成物
中、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは10〜
45重量%である。また、上記水相成分中における糖濃
度は、好ましくは80重量%以下、更に好ましくは50
〜80重量%である。該糖濃度が80重量%よりも高い
と風味のバランスがくずれやすく、水相が分離しやす
い。ここでいう糖濃度とは、水相中の糖分/(水相中の
糖分+水相の水分)×100で計算した値である。
【0028】また、保存性を向上させるため、市販の天
然、合成保存料、日持ち向上製剤を水相に添加するのが
好ましく、例えば、ソルビン酸及びそのカリウム塩、安
息香酸及びそのカリウム塩、デヒドロ酢酸及びそのナト
リウム塩等の保存料や、グリシン、酢酸ナトリウム、リ
ゾチーム、茶抽出物、しらこ蛋白抽出物、ポリリジン、
紅麹分解物、アルコール等を主剤とする日持ち向上製剤
を、食品衛生法で定められているものについてはその規
定範囲内で、使用することができる。
【0029】また、上記水中油型乳化油脂組成物におい
ては、乳化剤を、油相及び/又は水相に添加することが
できる。該乳化剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、これ
らのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることも
でき、このうちポリグリセリン脂肪酸エステルを用いる
のが好ましく、親水性のポリグリセリン脂肪酸エステル
を用いるのが更に好ましい。また、ファットスプレッド
とする場合、ショ糖脂肪酸エステルとレシチンとポリグ
リセリン脂肪酸エステルとを併用するのが好ましい。乳
化剤の添加量は、上記水中油型乳化油脂組成物中、好ま
しくは0.05〜2重量%、更に好ましくは0.1〜
1.5重量%である。0.05重量%よりも少ないと乳
化が不安定になりやすく、2重量%よりも多いと、風味
に影響がでやすいので好ましくない。
【0030】また、ボディー感を、より良好に得る観点
から、上記水中油型乳化油脂組成物の油相及び/又は水
相に澱粉を添加するのが好ましい。ここで使用できる澱
粉としては、コーン、ジャガイモ、サツマイモ、タピオ
カ、小麦、米、もち米等由来の澱粉が挙げられ、必要に
応じてエステル化、リン酸架橋、α化、熱処理等の化学
的、物理的処理を施したものを使用することができ、こ
れらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いること
もできる。澱粉の添加量は、上記水中油型乳化油脂組成
物中、0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%より
も少ないとボディー感の増加が顕著でなく、5重量%よ
りも多いと得られるクリーム組成物の食感が重過ぎてし
まう危険性が増大しやすい。
【0031】本発明のクリーム組成物に用いられる上記
水中油型乳化油脂組成物は、30℃における粘度が0.
1万〜2万Pa・s、好ましくは0.5万〜1.5万P
a・sでなければならない。粘度が0.1万Pa・s未
満であるとしっかりとしたボディー感を得ることが出来
ず、2万Pa・sを超えてしまうと食感が重過ぎてしま
う。
【0032】上記水中油型乳化油脂組成物は、得られる
クリーム組成物の電気伝導度を後述のようにするため
に、含有する糖度、含水量等を調節して、電気伝導度
0.1〜300kΩとすることが好ましい。
【0033】本発明のクリーム組成物は、上記水中油型
乳化油脂組成物の含有量が、上記フラワーペースト類1
00重量部に対して15〜580重量部、好ましくは4
0〜250重量部、より好ましくは65〜150重量部
である。
【0034】上記水中油型乳化油脂組成物が多すぎる
と、得られるクリーム組成物の油性感が高く口溶けも悪
くなり、またしっかりとしたボディー感も得られない。
逆に少なすぎると、やはり口溶けが悪く、また食感も重
すぎるようになってしまう。
【0035】また、本発明のクリーム組成物は、風味及
び食感、特に、しっかりとしたボディー感を得るため
に、その比重が1.0〜1.2、特に1.05〜1.1
5であることが好ましい。
【0036】本発明のクリーム組成物は、上記フラワー
ペースト類と上記水中油型乳化油脂組成物とを混合し
た、電気伝導度1〜50kΩ、好ましくは5〜30kΩ
の組成物である。電気伝導度を上記のようにするために
は、使用するフラワーペースト類及び水中油型乳化油脂
組成物の糖度、含水量等を調節すればよい。
【0037】次に、本発明のクリーム組成物の製造方法
について説明する。本発明のクリーム組成物の製造方法
は、上述した本発明のクリーム組成物を製造する好まし
い方法であり、10〜30℃に調温したフラワーペース
ト類100重量部と、10〜40℃に調温した、30℃
における粘度が0.1万〜2万Pa・sである水中油型
乳化油脂組成物15〜580重量部とを混合して、電気
伝導度1〜50kΩの組成物とすることを特徴とする。
【0038】本発明の製造方法におけるフラワーペース
ト類を製造するには、前述した、本発明のクリーム組成
物に用いられるフラワーペースト類の油相成分と水相成
分とを調製し、両者を混合、乳化、均質化し、その後加
熱殺菌し、次いで冷却する。ここで、加熱殺菌は、間接
加熱方式のコンサーム掻取式UHT滅菌装置(アルファ
ラバル社製)等や、直接加熱方式のVTIS滅菌装置
(アルファラバル社製)、呉羽式超高温瞬間殺菌機等で
行うことができる。また、冷却したフラワーペースト類
の品温は、10〜30℃、好ましくは15〜25℃であ
る。この温度範囲外の品温であると、クリーム組成物の
生産において、フラワーペースト類と水中油型乳化油脂
組成物とが均一に混ざらなかったり、油分離が発生し易
くなる。
【0039】本発明では、このようにして得られるフラ
ワーペースト類は、pHが好ましくは4〜7、更に好ま
しくは5〜6となるように調整して製造する。4よりも
低いと酸味が強くなりやすいので好ましくなく、7より
も高いとソルビン酸やそのカリウム塩のような酸性領域
で効果をあらわす保存料を使用した場合の保存効果が低
減しやすいので好ましくない。
【0040】また、フラワーペースト類の粘度は、ビス
コステスター(リオン(株)製、2号ローター使用)で
測定した場合、10〜30℃において、500〜100
0Pa・sの範囲であることが好ましい。この範囲外で
あるとクリーム組成物の製造において、製造機内の圧力
が急上昇してしまったり、フラワーペースト類と水中油
型乳化油脂組成物が均一に混ざらなかったり、クリーム
組成物の保形性が悪くなりやすい。
【0041】本発明の製造方法における上記水中油型乳
化油脂組成物を製造するには、前述した、本発明のクリ
ーム組成物に用いられる水中油型乳化油脂組成物の油相
成分と水相成分とを調製し、両者を混合、予備乳化し、
コロイドミル、ホモミキサー等を用いて乳化させる。こ
の乳化時の品温は70〜90℃、好ましくは75℃〜8
5℃である。この温度範囲外では、適性な物性の水中油
型乳化油脂組成物が得られなかったり、分離し易くな
る。これを放置若しくは冷却して調温すればよい。
【0042】尚、上記水中油型乳化油脂組成物中の油脂
の(2種以上の油脂の混合物である場合は混合油脂の)
融点が20℃以上である場合は、乳化物を、一旦、コン
ビネーター、パーフェクター、ボテーター等を用いて急
冷可塑化した後、調温することが好ましい。この急冷可
塑化温度は、10〜30℃、好ましくは15〜25℃で
ある。急冷可塑化温度がこの範囲外であると、クリーム
組成物の生産において、水中油型乳化油脂組成物とフラ
ワーペースト類が均一に混ざらなかったり、油分離が発
生し易くなる。このように急冷可塑化した水中油型乳化
油脂組成物は安定であり、例えば0〜50℃程度の温度
範囲内で任意に取り扱うことができる。
【0043】そして、上述したような方法で得られた、
10〜30℃に調温したフラワーペースト類と10〜4
0℃に調温した水中油型乳化油脂組成物とを混合する。
フラワーペースト類と水中油型乳化油脂組成物との配合
割合は、フラワーペースト類100重量部に対し、水中
油型乳化油脂組成物15〜580重量部、好ましくは4
0〜250重量部、更に好ましくは65〜150重量部
である。
【0044】上記フラワーペースト類と上記水中油型乳
化油脂組成物との混合方法としては、例えば、(1)予
め作っておいたフラワーペースト類と予め作っておいた
水中油型乳化油脂組成物を共に容器に移して、ミキサー
等の混合/攪拌装置を用いて、混合する方法、(2)フ
ラワーペースト類の製造工程における冷却工程の後に、
予め作っておいた水中油型乳化油脂組成物をポンプ等の
注入設備で注入し、ブレンダー等の攪拌装置を使用して
混合する方法、及び(3)水中油型乳化油脂組成物の製
造工程における急冷可塑化工程の後に、予め作っておい
たフラワーペースト類を、ポンプ等の注入設備で注入
し、ブレンダー等の攪拌装置を使用して混合する方法等
が挙げられる。
【0045】そして、上記の混合/攪拌装置、あるいは
攪拌装置の運転パラメーターを調節して、フラワーペー
スト類と水中油型乳化油脂組成物とを混合して得られる
クリーム組成物の比重が、好ましくは1.0〜1.2、
更に好ましくは1.05〜1.15の範囲内となるよう
にする。
【0046】また、混合、攪拌の際に、必要により、香
料、果肉等の呈味成分を加えてもよい。
【0047】このようにして得られる本発明のクリーム
組成物は、パン類、ペーストリー類、ドーナツ類、クッ
キー類、ビスケット類、ケーキ類等のベーカリー製品の
フィリング用、トッピング用、サンド用として好適に用
いることができる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を共に挙げて、本
発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0049】〔実施例1〕水中油型乳化油脂組成物とし
て、次のような配合、方法でフィリングを製造した。大
豆油40重量%及び澱粉5.0重量%を混合し油相とし
た。一方、還元水あめ(糖分70重量%、水分30重量
%)49重量%、練乳5.0重量%、ポリグリセリン脂
肪酸エステル0.5重量%、香料0.4重量%及び着色
料0.1重量%を混合し水相とした。この油相と水相と
を混合、予備乳化し、コロイドミルを用いて80℃の乳
化物とした。この乳化物を20℃に徐冷してフィリング
を得た。このフィリングの30℃での粘度は0.6万P
a・s、水相中の糖濃度は70重量%、電気伝導度は2
00kΩであった。
【0050】フラワーペースト類は、次のような配合、
方法で製造した。パーム油5重量%にソルビタン脂肪酸
エステル0.5重量%及びキサンタンガム0.2重量%
を添加し、油相とした。水45重量%、澱粉(水分13
重量%)8重量%、ソルビン酸カリウム0.1重量%、
砂糖異性化液糖(糖分75重量%、水分25重量%)3
5重量%、小麦粉3重量%、脱脂粉乳(糖分53重量
%、水分3.8重量%)1.1重量%、乾燥全卵(糖分
4.1重量%、水分3.2重量%)2重量%及び香料
0.1重量%を混合し水相とした。この油相と水相とを
混合、乳化、均質化し、加熱殺菌し、22℃まで冷却
し、フラワーペースト類を得た。このときの水相中の糖
濃度は32.9重量%であった。得られたフラワーペー
スト類のpHは5.5であり、ビスコステスター(リオ
ン(株)製、2号ローター使用)で得られたフラワーペ
ースト類の粘度を測定したところ、10〜30℃におい
て2000〜5000Pa・sであった。
【0051】そして、予め製造しておいた上記フィリン
グを35℃に調温し、これを22℃まで冷却した上記フ
ラワーペースト類に、ポンプを用いて注入し、ブレンダ
ーを用いて攪拌、混合し、電気伝導度15kΩ、比重が
1.1のクリーム組成物を得た。このとき混合比率は、
フラワーペースト類100重量部及びフィリング100
重量部とした。得られたクリーム組成物は、低温での作
業性が良好で、かつ高温での保管においても油分離は見
られなかった。保存性を調べるために、30℃で保管し
たが5日間をすぎても菌類やカビ類の発生は見られず、
衛生的であった。また、従来のフラワーペースト類に比
べ、口あたりが軽いにもかかわらずしっかりとしたボデ
ィー感があり、しかもコク味があり、従来のフラワーペ
ースト類や油脂組成物にはない風味、食感であった。
【0052】
【発明の効果】本発明の効果は、食感が適度に重く、し
っかりとしたボディー感があるにもかかわらず、口溶け
が良く風味良好で、保存性も良好であるクリーム組成物
及びその製造方法を提供したことにある。また、本発明
のクリーム組成物は、現代の複雑化する嗜好変化に充分
対応しうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 了 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 上野 学 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 岡本 千恵 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B025 LB20 LD06 LG11 4B026 DC06 DL03 DX04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラワーペースト類100重量部に、3
    0℃における粘度が0.1万〜2万Pa・sである水中
    油型乳化油脂組成物15〜580重量部を混合した、電
    気伝導度1〜50kΩの組成物であることを特徴とする
    クリーム組成物。
  2. 【請求項2】 10〜30℃に調温したフラワーペース
    ト類100重量部と、10〜40℃に調温した、30℃
    における粘度が0.1万〜2万Pa・sである水中油型
    乳化油脂組成物15〜580重量部とを混合して、電気
    伝導度1〜50kΩの組成物とすることを特徴とするク
    リーム組成物の製造方法。
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