JP2004329048A - 含気性フラワーペースト及びその製造方法 - Google Patents

含気性フラワーペースト及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004329048A
JP2004329048A JP2003126463A JP2003126463A JP2004329048A JP 2004329048 A JP2004329048 A JP 2004329048A JP 2003126463 A JP2003126463 A JP 2003126463A JP 2003126463 A JP2003126463 A JP 2003126463A JP 2004329048 A JP2004329048 A JP 2004329048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
flower paste
cream
air
paste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003126463A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3949079B2 (ja
Inventor
Eiichi Kitagawa
栄一 北河
Junichi Ujiie
準一 氏家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SONTON FOOD INDUSTRY CO Ltd
Original Assignee
SONTON FOOD INDUSTRY CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SONTON FOOD INDUSTRY CO Ltd filed Critical SONTON FOOD INDUSTRY CO Ltd
Priority to JP2003126463A priority Critical patent/JP3949079B2/ja
Publication of JP2004329048A publication Critical patent/JP2004329048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3949079B2 publication Critical patent/JP3949079B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)

Abstract

【課題】ナベ或は釜等で炊いたカスタードクリーム様に含気されており、その口溶けは澱粉質の糊感を感じなく良好で、且つクリームパンのような焼成前に包餡されるパン用クリームと同様にボディー感があり包餡適性のある含気されたフラワーペースト及び該フラワーペーストを工業的に生産性良く、且つ衛生的に連続生産する方法を提供する。
【解決手段】フラワーペースト原料を混合・予備乳化した後、一度完全脱気した予備乳化物或は混合物にガスを3.0%〜13.0%の含気率になるように加熱・殺菌工程前に注入し、インライン攪拌機、又は乳化機を用い注入されたガス泡を微細化して、ナベ或は釜等で炊いたカスタードクリーム様に含気されており、その口溶けは澱粉質の糊感を感じなく良好で、且つクリームパンのような焼成前に包餡されるパン用フラワーペーストと同様にボディー感がある為、包餡適性のある含気されたフラワーペースト及び該フラワーペーストを工業的に生産性良く、且つ衛生的に連続生産することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含気されたフラワーペースト及びその製造方法に関し、より詳しくは、ナベ或は釜で炊いたときのように空気を噛んだような状態で、ボディー感があり、含気されている為に澱粉質に由来する口解けの悪さを解消した、口溶けの良いフラワーペースト及び該フラワーペーストを工業的に生産性良く、且つ衛生的に連続製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カスタードクリームと言われる物は、一般的には小麦粉、牛乳、砂糖、卵、水等の原料を混合し、ナベや釜等で炊き上げて作られている。この方法で製造されるカスタードクリームは過度の加熱がない為、風味が良く、攪拌は穏やかである為、澱粉粒が壊れず口溶けの良いものであるが、しかし生産性が悪く、開放系で作られる為、微生物の汚染に罹り易くより日持ちしない保存性が問題であった。
【0003】
一方、フラワーペーストとは、一般的には、調合タンクで予備乳化された原料を掻取式熱交換機等の間接加熱方式、或は蒸気を直接吹き込むスチームインジェクション等の直接加熱方式を用いて、加熱・殺菌した後、掻取式熱交換機等により冷却されて、工業的に生産性良く、衛生的に製造されたカスタードクリーム様のものを指す。
【0004】
しかし、熱交換のときに製品に強いシェアーがかかり、天然の澱粉粒(質)は著しく崩壊し、糊状になり、ボディー感が失われる欠点があった。また、シェアー耐性を付与する為に、加工澱粉を澱粉質の主原料とする配合により、熱交換時の攪拌シェアーに耐性を持たせたフラワーペーストが製造されている。しかし、加工澱粉を使用するとシェアー耐性は付与されるものの、フラワーペーストの口溶け、風味は決して良いものではなっかた。
【0005】
そこで、含気させることで、澱粉質の糊感を低減させる試みが成されてきた。例えば、生クリームをホイップしてフラワーペーストと混合するシャルロットクリーム様の泡入りカスタードクリーム、或は、動物性タンパクの酵素部分加水分解物を用いて気泡させるホイップドフラワーペーストの製造方法が知られている。しかし、冷蔵流通、生食用途では問題ないものの、耐熱性を付与することはできず、加えて開放系でホイップして作られる為保存性がなく、パン用の用途としての機能を有していない。
更に、乳化剤によって起泡性を有するフィリングとフラワーペーストを混合するフラワーペースト、或は、フラワーペーストの原液の比重を測定し、成り行きで含気した1種以上の比重の異なるフラワーペースト原液、或は脱気原液又は脱気原液に窒素ガス雰囲気下でホイップした原液とを混合し、特定の比重に調整したフラワーペーストを静置状態で加熱するフラワーペーストなどが公開されている。
【0006】
しかしながら、前者の方法で得られた含気フラワーペーストは、冷却後混合されるため、攪拌シェアーにより著しく崩壊した澱粉質の糊感は依然残る上、澱粉質のネットワークもなく、クリームパン等に使用される予めフラワーペーストを包餡して焼成するパン用フラワーペーストのようなボディー感は得られず、汎用範囲の狭いフラワーペーストに過ぎなかった。一方後者の原液の成り行き含気量を測定し、一定割合で混合し含気させる製造方法により得られたフラワーペーストの物性は、より食感の良いものの、成り行き含気を毎回測定し、特定の比重になるよう混合する為に種々の含気量のフラワーペースト原液を同時に用意する必要があり、その為に広いスペースが必要であった。更に、殺菌工程は個別に充填した後である為、時間と手間が掛かり経済性に乏しかった。加えて、その含気量は多くて0.2〜1%(V/V)程度でしかなかった。更に1.0%(V/V)を超えると組織が粗くなりザラついた食感となり、未だ満足した食感を得るに至らなかった。これらの理由はともに自然含気である為、含気量に制限があることと、含気された気泡径が大きいことに起因している点を鋭意研究試作の結果つきとめ、その課題を解決し意図した食感を得ることが可能となった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ナベ或は釜等で炊いたカスタードクリーム様に含気されており、その口溶けは澱粉質の糊感を感じなく良好で、且つクリームパンのような焼成前に包餡されるパン用クリームと同様にボディー感があり包餡適性のある含気性フラワーペースト及び該フラワーペーストを工業的に生産性良く、且つ衛生的に連続して生産する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の問題に鑑み鋭意研究の結果、フラワーペーストの製造において、毎回安定した含気量を維持する為、調合タンク内の成り行きで含気された空気を一旦完全に取り除き、高圧ホモゲナイザー等の乳化工程前で窒素ガスのような不活性ガスの1種類又は2種類或いは空気又はその混合を予め計算した含気率に合わせて注入し、更に注入後、インラインミキサー等の乳化・攪拌機で、注入されたガスを一回以上再微細化し、加熱・殺菌工程を経て冷却し充填して得られるもので、ナベ或は釜等で炊いたカスタードクリーム様に含気されて、その口溶けは澱粉質の糊感を感じなく良好で、且つクリームパンのような焼成前に包餡されて使用されるパン用フラワーペーストと同様にボディー感があって、包餡適性のある含気性フラワーペーストが得られるという知見を得て、本発明は完成されたものである。
本発明でいう含気率とは、次式で計算されるフラワーペースト中に分散されたガス量のことである。含気率(%)={(ガス注入前の比重−ガス注入後の比重)/ガス注入後の比重}×100。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、先ず本発明のフラワーペーストの配合原料について、特に限定する必要はなく、公知の原材料である糖、油脂、乳、澱粉、増粘剤他、各種一般に使用される食品添加物が使用できる。
【0010】
該フラワーペーストは、その用途により、乳化剤、澱粉質、増粘剤の種類、量は通常の用途範囲でよく、何ら特別の配合組成を必要としない。例えば予め包餡を必要とするクリームパン等に使用するパン用用途の場合は、作業上パン生地に包みやすいよう適度の硬さ(以後包餡適性と言う)があり、パン焼成中の耐熱性があれば良く、公知の動物性タンパク質、植物性タンパク質等を利用して包餡適性を付与すことができる。すなわち本発明は如何なる配合原料であれ利用することができ、ナベ或は釜等で炊いたカスタードクリーム様に含気され、その口溶けは澱粉質の糊感を感じなく良好なフラワーペーストを工業的にしかも安定して連続製造することができる。
【0011】
次に、本発明における予備乳化物或は混合物の作成方法及び脱気方法について説明する。図1に例示したように調合タンクを用いる場合は、高速攪拌能力を有するものが望ましく、フラワーペーストの原料を定法により投入し、高速攪拌にて予備乳化物或は混合物を準備し、脱気装置が装着されていれば予備乳化物或は混合物作成後直ちに脱気可能である。このとき予備乳化と同時にフラワーペースト組成中の澱粉質が膨潤・糊化する温度手前まで加温し、その温度によって、−0.1013MPa〜−0.0400MPaの範囲で減圧状態を保持すると、調合工程中に成り行きで含気された空気を完全脱気状態に限りなく近い状態にでき、且つ脱気時間が短縮でき効率的である。ここで言う完全脱気状態とは、最終製品の含気率が安定して一定に保持できる範囲の脱気状態のことである。
【0012】
インラインで各種原料を調合、又は予備乳化する場合は、澱粉が膨潤し糊化しない50〜65℃程度まで1次加熱し、該温度域で水が沸騰する状態まで減圧して脱気する、フラッシュチャンバーを用いて連続脱気することもできる。又前記調合タンクとフラッシュチャンバーを組み合わせて脱気することも可能である。具体的には図2に示したように調合タンクで予備乳化と同時に澱粉が膨潤し糊化する温度以下まで加温し、インラインのフラッシュチャンバーを用いて連続脱気する方法である。
【0013】
ガスの種類について述べる。本発明では不活性ガスの1種類又は2種類以上か或いは空気又はそれら混合物を使用することができる。最も好ましいガスとしては、経済的にも、フラワーペーストに対する味の影響も少ない、窒素ガスが挙げられる。その他一般に流通しているガスとして、炭酸ガスがあるが、経時的にフラワーペースト中に溶解し酸味を呈する為、使用するにあたりpH調整が必要であり、緩衝剤等の配合面での考慮を伴うが、利用可能である。
【0014】
続いて、ガス注入位置及び微細化工程について説明する。ガス注入位置は予備乳化物或は混合物を作成し、フラワーペースト組成中の澱粉質が膨潤・糊化する加熱工程前であることが、本発明の含気性フラワーペーストの品質を得る必須条件であり特徴と認められる。更に、ガス注入後、エアロマチック(エアロマチック社製)、パイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテット製)等のインラインミキサー、或は高圧ホモゲナイザーにより、乳化工程と同時に注入されたガス泡を微細化することも本発明の含気性フラワーペーストの品質を得るための必要条件である。
【0015】
注入されたガス泡が微細化されることで、よりキメの細かいガス泡としてフラワーペースト組成中に分散し、製造工程途中、或は経時的なガスの凝集・合一が起こりにくくなると同時に、パン焼成時の脱泡が極めて少なくできる。
一方、微細化されずにガス泡が大きいと、製造中の加熱・冷却工程中でガス泡が凝集し、最終製品がザクザクとなり、外観上商品価値が著しく低下する。また、それが製品として使用されると、保管中に経時的ガス泡の凝集が起き、更にはパン焼成中の加熱によりガス泡の膨張が起き、パン焼成後フラワーペーストがザクザクの状態となり外観が悪く、さらに食感も低下する。
【0016】
続いて、ガス注入制御方法について説明する。ガス注入量を一定にすることが製品の連続した安定製造には重要である。その為には調合タンク等より脱気された予備乳化物或は混合物を一定圧力・流量を維持できるインバーター制御可能なロータリーポンプ等の移送装置で定量性を保持するとともに、圧力計等で移送配管内圧を測定し、その値をポンプにフィードバックし定量性精度を上げることが必要である。一方、注入ガスについては、予備乳化物或は混合物流量を測定し、最終製品が設定の含気率に保持できるよう注入ガス流量を流量計等で測定しながら、注入量を予め設定した値に制御することが必要である。しかして、フローメーターを使用し、ガスボンベからのガス注入量を一定に保つ手動制御も可能である。しかし、人手が必要である為、製造コストが高くなる点を検討する必要がある。含気量の制御はより具体的には、図3に示したように移送配管内圧と注入ガス圧の差圧を一定に自動制御し、常に最終製品の含気率を設定値に維持する方法、或は図4に示したように乳化物或は混合物流量を一定に保ち、更に一定のガス量を注入する方法が例示できる。
【0017】
続いて、加熱・殺菌工程及び安定製造について説明する。本発明の加熱・殺菌には、蒸気を直接注入するスチームインジェクション式加熱、オンレーター(登録商標)等の間接加熱等フラワーペーストで一般に知られている加熱・殺菌方法が可能である。
スチームインジェクション式加熱を選択した場合は、最終乳化、注入ガスの微細化工程は高圧ホモゲナイザーを選択することが望ましい。殺菌の為の蒸気は、移送配管中の製品圧との差圧で注入蒸気量を自動制御する為、注入ガス圧と蒸気圧の制御系を切り離すことが、注入蒸気量変化を最小限で制御でき安定した製造が可能となり、品質が一定に維持できる。スチームインジェクション式加熱において高圧ホモゲナイザー以外の、例えばインラインミキサー等により最終乳化、注入ガスの微細化を行う場合は、注入ガス圧、蒸気圧を切り離す為、クッションタンクと呼ばれる、ライン圧調整工程をとることが、安定製造するためにより望ましい。
一方、間接加熱を選択した場合は、スチームインジェクション式直接加熱で問題である製品圧、注入ガス圧、蒸気圧差が生じない為、注入ガスの再微細化工程はラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル等の乳化機、攪拌機であれば何れも選択でき、澱粉粒の膨潤以上の加熱・殺菌をする前にガスを注入し、注入ガス泡の再微細化を行うことにより、特別の制御を必要とせず安定製造が可能である。
【0018】
最後に、冷却・充填工程・流通方法を説明する。本発明では、前記加熱・殺菌工程を経たフラワーペーストを、連続的に掻き取り式熱交換器、冷水中への浸漬等、フラワーペーストで一般に行われている公知の方法により冷却する。さらに、プラスチックフィルムに充填し、常温・チルド・冷凍等一般の流通方法で販売することが可能である。常温においても、本発明によって注入、微細化されたガス泡は、フラワーペースト中で凝集・合一・脱泡を起こすことがなく、特別な保管・流通管理を必要としない品質の特性が認められる。
【0019】
以下、実施例を挙げ本発明を更に詳述する。しかしながら、本発明は、これらの実施例に限定されるものでない。
【0020】
【実施例1】
一般的なパン用フラワーペーストの配合原料を選択し、定法に従い各種原料を調合タンクに投入し、調合タンクに具え付けの攪拌機で、5分間以上高速攪拌にて予備乳化物を作成した。次に調合タンク内温度が50℃〜60℃であることを確認し、調合タンク内圧を−0.066MPaで5分間保持して完全脱気を行った。続いて、電磁流量計で予備乳化物流量を測定し、インバーター制御可能なローターポンプにその値をフィードバックして、流量1トン/時間になるよう送液した。一方、注入ガスは窒素ガスを選択し、質量流量計でガス量を測定し、注入ガスバルブをカスケード制御し、流量3Nリッター/分を保持して配管中の予備乳化物に比例注入した。次に、特殊機化工業(株)社製ラインホモミキサーPL500S、3000rpmにて、2次乳化と注入ガス泡の微細化を図り、更に高圧ホモゲナイザー50Kgf/平方センチメートルにて最終乳化及び、注入ガスの再微細化工程を経て、95℃スチームインジェクション加熱殺菌を行い、続いて掻き取り式熱交換器にて1次冷却後ピロー包装形態で充填し、冷水中に浸漬して製品とした。本製造において含気率は3.0%であった。
【0021】
【実施例2】
実施例1の製造工程のうち、窒素ガス注入量を変更した。その結果最終製品の含気率が13.0%であった。
【0022】
【比較例1】
実施例1の製造工程のうち、更に窒素ガス注入量を変更した。その結果最終製品の含気率が15.7%であった。
【0023】
【比較例2】
実施例1と同一の製造工程であるが、窒素ガス注入を行わなかった。
【0024】
【表1】
Figure 2004329048
* 1;含気率(%)={(ガス注入前の比重−ガス注入後の比重)/ガス注入後の比重}×100
* 2;熟練した技術者がクリームパンを10個作製したとき、均一にパン生地に包み込み、パン焼成後フラワーペーストが生地からはみ出ることなく均一に包餡できているパンの数を表す。○は均一に包餡できたクリームパンの数が10個ある場合、△は9〜8個、×は7個以下であることを意味する。
* 3;耐熱性はパン焼成後、フラワーペーストがパン生地の中で沸騰し、へたり薄く広がった状態であるものの数が10〜7個の場合を×、7〜1個の場合を△、全くない場合を○とした。
* 4;パン焼成後のクリーム外観で注入ガスの膨張が著しいもの、或は注入ガスが抜けへたり、薄く広がったものを×、気泡の膨張痕がが焼成後に著しくなく、外観が良好なもの○とした。
* 5;熟練したパネラ−10人による評価で、口溶けに関し良いと答えた人数が10〜9人を○、8〜7人を△、それ以下を×とした。
【0025】
上記表1の結果から、本発明における注入ガス量は含気率で3.0%〜13.0%であることが、パン焼成中の耐熱性、焼成後の外観、食感において必須条件であることが明らかである。本発明は、上記記載のパン用の用途であるフラワーペーストに限定されず、配合組成を生食用途に変更するならば、無論従来より口解けの良い生食用途のフラワーペーストを製造することも可能である。
【0026】
【比較例3】
実施例1の製造工程のうち、窒素ガス注入位置を、高圧ホモゲナイザー最終乳化工程及び、100℃加熱殺菌工程の間に変更した。
【0027】
【比較例4】
実施例1の製造工程のうち、窒素ガス注入位置を、95℃加熱殺菌工程直後に変更した。
【0028】
【比較例5】
実施例1の製造工程のうち、窒素ガス注入位置を冷却工程後に変更した。
【0029】
【比較例6】
比較例5において、注入窒素ガスの分散・再微細化を目的として、エアロマチック社製のインライン攪拌機による高速攪拌を行った。
【0030】
表2
Figure 2004329048
* 6;蒸気加熱殺菌工程をとる製造において、注入蒸気量にバラツキがなく、設定温度が一定に維持できた時は○、一方、注入蒸気量がバラツキ設定温度が維持できなく、連続製造に支障をきたした場合を×とした。
* 7;製造後、10日目で気泡の凝集が確認されたものを×、20日目で気泡の凝集が確認されたものを△、30日過ぎても凝集が認められないものを○とした。
【0031】
上記表2の結果から、本発明におけるガス注入位置については、完全脱気後加熱前で、且つ最終乳化工程前であることが必須条件であることが明白である。但し、ホモゲナイザー処理と蒸気加熱の間で、ガス注入を行うにあたり、ガス流量、配管圧が一定後であれば、安定製造ができた。つまり、ホモゲナイザー処理後にガスを注入することは、安定製造に至まで時間を要する為、製品歩留まりが低下し好ましい位置ではない。
【0032】
【発明の効果】
上記説明によれば本発明によって、手作りカスタードクリームのように含気されており、その為、従来から問題になっていた澱粉質に由来する糊感を感じることない、本格志向で汎用性のあるフラワーペーストが衛生的に且つ、安定して連続生産可能になり、消費者がより本格的なカスタード風味のフラワーペーストを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明に係る製造工程例1
【図2】は本発明に係る製造工程例2
【図3】は本発明に係る注入ガス制御方法例1
【図4】は本発明に係る注入ガス制御方法例2
【符号の説明】
A・・・調合タンク
B・・・攪拌機
C・・・調合液
D・・・インラインミキサー
E・・・高圧ホモゲナイザー
F・・・スチームインジェクション式直接加熱装置
G・・・加圧装置付き保持タンク
H・・・掻き取り式熱交換器(冷却工程)
I・・・充填製品
J・・・掻き取り式熱交換器(一次加熱)
K・・・フラッシュチャンバー(脱気工程)
L・・・掻き取り式熱交換器(澱粉膨潤・殺菌工程)
Air・減圧脱気装置
N2・・窒素ボンベ
P1・・移送配管圧力測定計
P2・・窒素ガス注入圧力測定計
F1・・製品流量計
F2・・窒素ガス流量計
RP・・ロータリーポンプ
IRP・インバーター制御付ロータリーポンプ
RV・・窒素ガス流量調節バルブ
PR・・移送配管圧力制御装置
PRS・差圧計算装置及びガス注入量制御装置
FRS・ガス注入量制御装置

Claims (2)

  1. フラワーペースト組成原料を混合・予備乳化した後、完全脱気してから澱粉の糊化・殺菌工程前に不活性ガスの1種類又は2種類以上のガス或いは空気又はその混合を最終製品の状態で含気率3.0%〜13.0%になるように注入し、更に1回以上の乳化工程を経て加熱殺菌し冷却し充填して得られる含気性フラワーペースト。
  2. フラワーペースト組成原料を混合・予備乳化した後、一度完全脱気してから、その後予備乳化物或は混合物の流量とそれを移送する配管の内圧を予め測定し、その値を移送ポンプにフィードバックし、流量、配管圧を一定に保つとともに、澱粉の糊化・殺菌工程前に不活性ガスの1種類又は2種類以上のガス或いは空気又はその混合を最終製品の状態で含気率3.0%〜13.0%になるよう注入するが、含気量を一定に保つ為注入ガス量を測定し、予め設定の注入量になるようガス注入バルブを自動制御する、更に1回以上の乳化と注入ガスの微細化工程を経て、加熱殺菌して冷却し充填して成る事を特徴とした含気性フラワーペーストの製造方法。
JP2003126463A 2003-05-01 2003-05-01 含気性フラワーペースト及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3949079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003126463A JP3949079B2 (ja) 2003-05-01 2003-05-01 含気性フラワーペースト及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003126463A JP3949079B2 (ja) 2003-05-01 2003-05-01 含気性フラワーペースト及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004329048A true JP2004329048A (ja) 2004-11-25
JP3949079B2 JP3949079B2 (ja) 2007-07-25

Family

ID=33503389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003126463A Expired - Fee Related JP3949079B2 (ja) 2003-05-01 2003-05-01 含気性フラワーペースト及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3949079B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009060848A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Nisshin Flour Milling Inc ドーナツ様食品の製造法

Citations (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58121766A (ja) * 1982-10-26 1983-07-20 Ajinomoto Co Inc 植物性ホイツプクリ−ムの製造法
JPS5951748A (ja) * 1982-09-16 1984-03-26 Morinaga Milk Ind Co Ltd 微細な気泡を含有する食品の連続的製造法およびその装置
JPS60256330A (ja) * 1984-06-01 1985-12-18 日清製油株式会社 ホイツプドフラワ−ペ−ストの製造法
JPS6232839A (ja) * 1985-08-02 1987-02-12 Kawasaki Heavy Ind Ltd クリ−ムの製造方法及びクリ−ム製造用真空冷却器
JPS6324857A (ja) * 1986-06-20 1988-02-02 ザ・ニュートラスウィート・カンパニー 蛋白製品ベ−ス
JPS6344841A (ja) * 1986-08-11 1988-02-25 Asahi Denka Kogyo Kk 高粘性水中油型乳化物の製造法
JPS63141547A (ja) * 1986-12-04 1988-06-14 Asahi Denka Kogyo Kk 含気油性食品組成物
JPH03292858A (ja) * 1990-04-10 1991-12-24 Nisshin Oil Mills Ltd:The フィリング材の製造方法
JPH09275907A (ja) * 1996-04-10 1997-10-28 Asahi Denka Kogyo Kk フラワーペースト原液、フラワーペースト及びその製造方法
JPH09275906A (ja) * 1996-04-10 1997-10-28 Asahi Denka Kogyo Kk フラワーペースト原液、フラワーペースト及びその製造法
JPH10295306A (ja) * 1997-04-21 1998-11-10 Fuji Oil Co Ltd 起泡性又は起泡済みカスタードクリームの製造法
JPH11114392A (ja) * 1997-10-17 1999-04-27 Noritake Co Ltd ペースト製造装置及びその製造方法
JPH11164671A (ja) * 1997-12-05 1999-06-22 Sonton Food Industry Co Ltd ピーナッツバター加工食品とその製造方法
JP2000236814A (ja) * 1999-02-17 2000-09-05 Sonton Food Industry Co Ltd シュー用フィリングの製造方法
JP2000279120A (ja) * 1999-04-01 2000-10-10 Asahi Denka Kogyo Kk クリーム組成物及びその製造方法
JP2002065196A (ja) * 2000-08-30 2002-03-05 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 含気状水中油型組成物
JP2002354984A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 Sonton Food Industry Co Ltd 起泡済ピーナッツフィリングとその製造方法
JP2002354983A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 Sonton Food Industry Co Ltd フラワーペーストの製造方法
JP2003265131A (ja) * 2002-03-15 2003-09-24 Asahi Denka Kogyo Kk クリーム組成物及びその製造方法

Patent Citations (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5951748A (ja) * 1982-09-16 1984-03-26 Morinaga Milk Ind Co Ltd 微細な気泡を含有する食品の連続的製造法およびその装置
JPS58121766A (ja) * 1982-10-26 1983-07-20 Ajinomoto Co Inc 植物性ホイツプクリ−ムの製造法
JPS60256330A (ja) * 1984-06-01 1985-12-18 日清製油株式会社 ホイツプドフラワ−ペ−ストの製造法
JPS6232839A (ja) * 1985-08-02 1987-02-12 Kawasaki Heavy Ind Ltd クリ−ムの製造方法及びクリ−ム製造用真空冷却器
JPS6324857A (ja) * 1986-06-20 1988-02-02 ザ・ニュートラスウィート・カンパニー 蛋白製品ベ−ス
JPS6344841A (ja) * 1986-08-11 1988-02-25 Asahi Denka Kogyo Kk 高粘性水中油型乳化物の製造法
JPS63141547A (ja) * 1986-12-04 1988-06-14 Asahi Denka Kogyo Kk 含気油性食品組成物
JPH03292858A (ja) * 1990-04-10 1991-12-24 Nisshin Oil Mills Ltd:The フィリング材の製造方法
JPH09275907A (ja) * 1996-04-10 1997-10-28 Asahi Denka Kogyo Kk フラワーペースト原液、フラワーペースト及びその製造方法
JPH09275906A (ja) * 1996-04-10 1997-10-28 Asahi Denka Kogyo Kk フラワーペースト原液、フラワーペースト及びその製造法
JPH10295306A (ja) * 1997-04-21 1998-11-10 Fuji Oil Co Ltd 起泡性又は起泡済みカスタードクリームの製造法
JPH11114392A (ja) * 1997-10-17 1999-04-27 Noritake Co Ltd ペースト製造装置及びその製造方法
JPH11164671A (ja) * 1997-12-05 1999-06-22 Sonton Food Industry Co Ltd ピーナッツバター加工食品とその製造方法
JP2000236814A (ja) * 1999-02-17 2000-09-05 Sonton Food Industry Co Ltd シュー用フィリングの製造方法
JP2000279120A (ja) * 1999-04-01 2000-10-10 Asahi Denka Kogyo Kk クリーム組成物及びその製造方法
JP2002065196A (ja) * 2000-08-30 2002-03-05 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 含気状水中油型組成物
JP2002354984A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 Sonton Food Industry Co Ltd 起泡済ピーナッツフィリングとその製造方法
JP2002354983A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 Sonton Food Industry Co Ltd フラワーペーストの製造方法
JP2003265131A (ja) * 2002-03-15 2003-09-24 Asahi Denka Kogyo Kk クリーム組成物及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009060848A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Nisshin Flour Milling Inc ドーナツ様食品の製造法
JP4642051B2 (ja) * 2007-09-06 2011-03-02 日清製粉株式会社 ドーナツ様食品の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3949079B2 (ja) 2007-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI351922B (en) Cooking cream
CN102333448B (zh) 奶油干酪样食物
JP2009095246A (ja) ケーキ用起泡性乳化剤組成物
JPWO2013008904A1 (ja) 起泡性水中油型乳化物及びその製造方法
JP4535654B2 (ja) 水中油型乳化組成物の製造方法
JP2011244735A (ja) プリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物
JP2006296286A (ja) ケーキ生地用乳化油脂
US20080026126A1 (en) Whipping cream comprising tofu puree
JPH06225684A (ja) でん粉食品の品質改良用組成物
JP5831964B2 (ja) ケーキ呈味用水中油型乳化物及びケーキの製造方法
JP3949079B2 (ja) 含気性フラワーペースト及びその製造方法
JP4543879B2 (ja) 水中油型乳化油脂乳化物
JP2006320269A (ja) ペースト状食品
JP7378081B2 (ja) 食品組成物およびその製造方法
JP7027063B2 (ja) ゲル状ホイップドクリームの製造方法及びゲル状ホイップドクリーム
JP2529728B2 (ja) フィリング材の製造法
JP3551318B2 (ja) 起泡済ピーナッツフィリングとその製造方法
JP2019208472A (ja) ケーキ生地用気泡安定剤、ケーキ生地、ケーキ、菓子類及びその製造方法
JPH0530890A (ja) スポンジケーキ用水中油型乳化油脂組成物
JP2005218407A (ja) スフレ様食品ベースの製造法
JP7232026B2 (ja) 新規なホイップドクリームおよびその製造方法
JP3368842B2 (ja) 高油分水中油型乳化物及びその製造法
JP3640161B2 (ja) 起泡済みクリーム及びその製造法
US20220361511A1 (en) Fresh-cheese-based spread for a snack product
JPH0515308A (ja) 流動性クリーム類

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20030501

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3949079

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20170427

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees