JP4642051B2 - ドーナツ様食品の製造法 - Google Patents
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Description
菓子生地やパン生地に不活性ガスを使用する技術としては、下記の特許文献1〜9に記載されている発明があげられる。しかし、これらの特許文献には、ドーナツ様食品を得ることについては記載されておらず、また不活性ガスを生地に介在させる前と後の生地の粘度を調整することについても記載されていない。
穀粉類を主成分とし、化学膨張剤およびイーストを含まないドーナツ様食品生地を、該生地の粘度が7,000〜60,000mPa・sになるように作成し、次いでこの生地に不活性ガスを介在させて、多数の気泡が内在する生地を作成するにあたり、この多数の気泡が内在する生地の粘度が、5,000〜55,000mPa・sの範囲でかつ不活性ガスを介在させる前の生地の粘度の70〜95%になるように、多数の気泡が内在する生地を作成し、これを成型してフライすることを特徴とする、ドーナツ様食品の製造法。
本発明を実施するには、まず、穀粉類を主成分とし、化学膨張剤およびイーストを含まないドーナツ様食品生地を作成する。
このドーナツ様食品生地の作成は、該生地の粘度が7,000〜60,000mPa・s、好ましくは16,000〜56,000mPa・sになるように行う。
このドーナツ様食品生地の粘度の調整は、原料組成の違いにより加える水の量を調整することにより行うことができる。このドーナツ様食品生地の粘度が7,000mPa・sより低いと、フライ時に形状が保てず、不均一な外観となり、またこのドーナツ様食品生地の粘度が60,000mPa・sより高いと、フライ時に、食感が硬く、外観にひび割れを生じやすく、いずれも好ましくない。
上記ドーナツ様食品生地の原料組成は、小麦粉を主体とし、通常ドーナツの製造に用いられるものであれば特に限定されない。
水の添加量は、上記ドーナツ様食品生地の粘度が上記範囲内となる量である。
上記不活性ガスとしては、食品に使用しても問題がないものであればよく、特に炭酸ガスが好ましい。上記不活性ガスとして、窒素ガスを併用することができるが、不活性ガスではない空気を使用することは好ましくない。
上記ドーナツ様食品生地への不活性ガスの介在方法としては、ドーナツ様食品生地中に多数の気泡が内在される方法であれば特に限定されないが、例えば、密閉容器内にドーナツ様食品生地を入れ、4〜14kg/cm2 の加圧条件下で不活性ガスを当該密閉容器内に充填し、その後、当該密閉容器を振とうして放置することにより、ドーナツ様食品生地中に小泡状の均一な気泡を多数内在させる方法があげられる。この方法は、特開2006−345776号公報や実用新案登録第3121937号公報に記載の装置〔これらの装置は、商品名「エスプーマアドバンス」(日本炭酸瓦斯株式会社製)として市販されている〕を使用することにより簡単に行うことができる。
表1に示す配合の生地原料を製パン用ミキサーに入れ、ビーターを用いて低速で4分間、中速で3分間混捏して、捏上げ温度約25℃のドーナツ様食品生地を作成した。この生地の粘度は54,000mPa・sであった。この生地に「エスプーマアドバンス(日本炭酸瓦斯株式会社製)」を用いて炭酸ガスを介在させた。この介在の具体的方法は、上記装置に備え付けの密閉容器内に生地を入れ、10kg/cm2 の加圧条件下で炭酸ガスを当該密閉容器内に充填し、その後、当該密閉容器を振とうして多少の時間放置する方法であり、この方法により、生地中に小泡状の均一な気泡が多数内在された。この多数の気泡が内在する生地(ガス介在後の生地)の粘度は51,000mPa・sであった。
この多数の気泡が内在する生地を、ベルショウ社製のサニタリーカッターに入れ、直径41mmのボールプランジャーで4分割し、約10g/個の生地に分割成形して185℃のドーナツ油で2分間フライし、反転させてさらに2分間フライしてボール状ドーナツ様食品を得た。このボール状ドーナツ様食品のフライ後10分間経過後の外観・吸油感、内相および食味について、表2に示す評価基準表に基づいてパネラー数10人で評価を行い、その結果(パネラー10人の平均点)を表1に示す。
実施例1において、配合を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、配合を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、炭酸ガスの代わりに圧縮空気を使用した以外は実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、配合中で、水の代わりに炭酸水を使用し、さらに炭酸ガスを使用しない以外は実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表1に示す
実施例1において、炭酸ガスを使用しない以外は実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、配合を表1に示すように変え(膨張剤添加)、ドーナツ様食品生地を調製後、ベンチタイムを10分間とり、炭酸ガスを使用しない以外は実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例1と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表1に示す。
表3に示す配合の生地原料を製パン用ミキサーに入れ、フックを用いて低速で1分間混捏後、生地をミキサー壁から掻き落しした後、さらに低速で1分間混捏して、捏上げ温度約27℃のドーナツ様食品生地を作成した。この生地の粘度は58,000mPa・sであった。この生地に「エスプーマアドバンス(日本炭酸瓦斯株式会社製)」を用いて炭酸ガスを介在させた。この介在の具体的方法は、上記装置に備え付けの密閉容器内に生地を入れ、10kg/cm2 の加圧条件下で炭酸ガスを当該密閉容器内に充填し、その後、当該密閉容器を振とうして多少の時間放置する方法であり、この方法により、生地中に小泡状の均一な気泡が多数内在された。この多数の気泡が内在する生地(ガス介在後の生地)の粘度は54,000mPa・sであった。
この多数の気泡が内在する生地を、ベルショウ社製のサニタリーカッターに入れ、直径41mmのボールプランジャーで4分割し、約10g/個の生地に分割成形して170℃のドーナツ油で1分45秒間フライし、反転させてさらに1分45秒間フライしてボール状ドーナツ様食品を得た。このボール状ドーナツ様食品のフライ後10分間経過後の外観・吸油感、内相およびフライ後4時間経過後の食感について、表4に示す評価基準表に基づいてパネラー数10人で評価を行い、その結果(パネラー10人の平均点)を表3に示す。
実施例4において、配合を表3に示すように変えた以外は実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例4において、配合を表3に示すように水の量を変え、炭酸ガスの代わりに窒素ガスと炭酸ガスの混合ガス〔ガス混合比(質量比)=50:50)を使用した以外は実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例4において、配合を表3に示すように変えた以外は実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例4において、配合を表3に示すように水の量を変え、炭酸ガスの代わりに圧縮空気を使用した以外は実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例4において、配合を表3に示すように水の量を変え、炭酸ガスを使用しない以外は実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例4において、配合を表3に示すように変え(イースト添加)、ドーナツ様食品生地を調製後、発酵(温度27℃、湿度75%)を30分間とり、炭酸ガスを使用しない以外は実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品を得た。以下、実施例4と同様にしてボール状ドーナツ様食品の評価を行った。その結果を表3に示す。
Claims (2)
- 穀粉類を主成分とし、化学膨張剤およびイーストを含まないドーナツ様食品生地を、該生地の粘度が7,000〜60,000mPa・sになるように作成し、次いでこの生地に不活性ガスを介在させて、多数の気泡が内在する生地を作成するにあたり、この多数の気泡が内在する生地の粘度が、5,000〜55,000mPa・sの範囲でかつ不活性ガスを介在させる前の生地の粘度の70〜95%になるように、多数の気泡が内在する生地を作成し、これを成型してフライすることを特徴とする、ドーナツ様食品の製造法。
- 不活性ガスが炭酸ガスである請求項1記載のドーナツ様食品の製造法。
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