JP7224732B2 - 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法 - Google Patents

合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7224732B2
JP7224732B2 JP2019103355A JP2019103355A JP7224732B2 JP 7224732 B2 JP7224732 B2 JP 7224732B2 JP 2019103355 A JP2019103355 A JP 2019103355A JP 2019103355 A JP2019103355 A JP 2019103355A JP 7224732 B2 JP7224732 B2 JP 7224732B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer body
inner layer
peeling
outer layer
mouth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019103355A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020196500A (ja
Inventor
亮 立藏
和仁 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Original Assignee
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yoshino Kogyosho Co Ltd filed Critical Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority to JP2019103355A priority Critical patent/JP7224732B2/ja
Publication of JP2020196500A publication Critical patent/JP2020196500A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7224732B2 publication Critical patent/JP7224732B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本開示は、合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法に関する。
従来から、醤油等の食品調味料や飲料、あるいは化粧水などの化粧料、シャンプーやリンス、液体石鹸などのトイレタリーを内容液として収納する容器として、量産性に優れた合成樹脂製容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の合成樹脂製容器は、容器メーカーから内容物の供給メーカーに納入され、内容物の供給メーカーが当該容器に内容物を充填して出荷することが想定されている。合成樹脂製容器を容器メーカーから内容物の供給メーカーに輸送する際には、容器を上下に積み重ねることで輸送時の総容積を抑制して輸送効率を向上させることできる。また、内容物を充填する前に容器の下部に底板を取り付けることで内容物を充填可能な状態とすることができるため、容器にパウチや紙容器を用いた場合と比較して容器の形状安定性や輸送時の衝撃等に対する信頼性を高めることができる。
特開2004- 26266号公報
しかしながら、上述の合成樹脂製容器では、内容物を充填する前に容器の下部に底板を取り付ける必要があるため、内容物を充填する際の作業効率の点で改善の余地があった。
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内容物の充填前における容器の輸送効率を向上しつつ、内容物を充填する際の作業効率を改善させた合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法を提供することにある。
本開示の合成樹脂製容器は、
筒状の口部と、
該口部の下方に連なり、外層体と該外層体の内側に設けられた内層体とを有する胴部とを備える合成樹脂製容器であって、
前記胴部は、
前記口部に連なるように設けられ、該内層体が該外層体から剥離可能な剥離部と、
該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
を有し、
前記剥離部は、前記外層体と前記内層体との間に潤滑剤が塗布されていることで剥離可能とされており、
前記内層体は、前記胴部の上端部を越えて径方向内側に延在し、前記口部の外周壁から径方向内側に延びることで前記口部を閉塞し、
前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする。
また、本開示の合成樹脂製容器は、
筒状の口部と、
該口部の下方に連なり、外層体と該外層体の内側に設けられた内層体とを有する胴部とを備える合成樹脂製容器であって、
前記胴部は、
前記口部に連なるように設けられ、該内層体が該外層体から剥離可能な剥離部と、
該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
を有し、
前記外層体及び前記内層体は、それぞれ前記胴部の略全高さ領域に亘って設けられており
記非剥離部は、前記外層体と前記内層体とを剥離させない非剥離手段を有しており、
前記内層体は、前記胴部の上端部を越えて径方向内側に延在し、前記口部の外周壁から径方向内側に延びることで前記口部を閉塞し、
前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする。
また、本開示の合成樹脂製容器の製造方法は、
筒状の口部と、該口部の下方に連なる胴部とを有する外層体と、
該外層体の前記胴部の内側に設けられた内層体と
を備える合成樹脂製容器の製造方法であって、
前記外層体及び前記内層体の一方を形成するステップと、
前記外層体及び前記内層体の一方をインサート材として、他方をインサート成形するステップと
を含み、
前記胴部は、
前記口部に連なるように設けられ、前記内層体が前記外層体から剥離可能な剥離部と、
該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
を有し、
前記内層体は、前記胴部の上端部を越えて径方向内側に延在し、前記口部の外周壁から径方向内側に延びることで前記口部を閉塞し、
前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記口部を閉塞する部位を前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする。
また、本開示の合成樹脂製容器の製造方法は、
筒状の口部と、該口部の下方に連なる胴部とを有する外層体と、
該外層体の前記胴部の内側に設けられた内層体と
を備える合成樹脂製容器の製造方法であって、
前記外層体及び前記内層体の一方を成形するステップと、
前記外層体及び前記内層体の他方を、前記外層体及び前記内層体の一方の成形と同一金型内で二色成形するステップと
を含み、
前記胴部は、
前記口部に連なるように設けられ、前記内層体が前記外層体から剥離可能な剥離部と、
該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
を有し、
前記内層体は、前記胴部の上端部を越えて径方向内側に延在し、前記口部の外周壁から径方向内側に延びることで前記口部を閉塞し、
前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記口部を閉塞する部位を前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする。
また、本開示の合成樹脂製容器の製造方法は、
筒状の口部と、
該口部の下方に連なる胴部と
を備える合成樹脂製容器の製造方法であって、
外層体及び内層体を有するシートを作成するステップと、
前記シートを加熱軟化させて金型内で密着冷却するサーモフォーミングにより前記口部、前記胴部、及び該口部の上端部を閉塞する上壁部を形成するステップと、
前記上壁部における前記外層体を切除するステップと
を含み、
前記胴部は、
前記口部に連なるように設けられ、前記内層体が前記外層体から剥離可能な剥離部と、
該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
を有し、
前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記上壁部の前記内層体を前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする。
本開示によれば、内容物の充填前における容器の輸送効率を向上しつつ、内容物を充填する際の作業効率を改善させた合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法を提供することができる。
本開示の第1実施形態である合成樹脂製容器の正面半断面図である。 本開示の第1実施形態である合成樹脂製容器において、口部から剥離用ロッドを挿入して内層体を外層体から剥離させている状態を示す正面半断面図である。 本開示の第1実施形態である合成樹脂製容器において、内層体を外層体から剥離させて内容物の収容空間が形成された状態を示す正面半断面図である。 本開示の第1実施形態である合成樹脂製容器の製造方法の手順を示すフローチャートである。 本開示の第1実施形態である合成樹脂製容器の製造方法の一ステップにより形成された内層体の正面半断面図である。 図5Aに示す内層体において、剥離部となる領域に潤滑剤を塗布した状態を示す図である。 図5Bに示す潤滑剤を塗布した内層体をインサート成形用金型のコアに装着している状態を示す図である。 図5Bに示す潤滑剤を塗布した内層体をインサート成形用金型内にセットし、外層体をインサート成形した状態を示す図である。 本開示の第2実施形態である合成樹脂製容器の正面半断面図である。 本開示の第2実施形態である合成樹脂製容器において、口部から剥離用ロッドを挿入して内層体を外層体から剥離させている状態を示す正面半断面図である。 本開示の第2実施形態である合成樹脂製容器において、内層体を外層体から剥離させて内容物の収容空間が形成された状態を示す正面半断面図である。 本開示の第2実施形態である合成樹脂製容器の製造方法の手順を示すフローチャートである。 本開示の第2施形態である合成樹脂製容器の製造方法の一ステップにより形成された内層体の正面半断面図である。 二色成形用金型内で、図12に示す内層体に外層体用のキャビティがセットされた状態を示す図である。 図13の状態から外層体樹脂を射出し、二色成形により外層体を成形した状態を示す図である。 本開示の第3実施形態である合成樹脂製容器の正面半断面図である。 図15AにおけるA部詳細図である。 図15AにおけるB部詳細図である。 本開示の第3実施形態である合成樹脂製容器において、口部から剥離用ロッドを挿入して内層体を外層体から剥離させている状態を示す正面半断面図である。 本開示の第3実施形態である合成樹脂製容器において、内層体を外層体から剥離させて内容物の収容空間が形成された状態を示す正面半断面図である。 本開示の第3実施形態である合成樹脂製容器の製造方法の手順を示すフローチャートである。 本開示の第3実施形態である合成樹脂製容器の製造方法において、シートを金型に供給してサーモフォーミング成形を行う工程を示す図である。 図19で成形した容器の下端部を切断する工程を示す図である。 図20において下端部を切断した後、下端部を非剥離処理する工程を示す図である。 図21において、上壁部の外層体を切除する工程を示す図である。 図22AにおけるC部詳細図である。
以下、図面を参照して、本開示をより具体的に例示説明する。
図1に示す本開示の第1実施形態である合成樹脂製容器100は、内容物を吐出させる筒状の口部10と、口部10の下方に連なる有頂筒状形状を有する胴部20とを備えている。
なお、本明細書、特許請求の範囲、及び図面においては、上下方向は、図1に示すように合成樹脂製容器100を正立姿勢とした状態における上方、下方を意味するものとする。また、径方向外側とは、図1における合成樹脂製容器100の中心軸線O1を通り中心軸線O1に垂直な直線に沿って外側に向かう方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線O1に向かう方向を意味するものとする。
口部10は、図1に示すように略円筒形状の外周壁11を備えており、外周壁11の外面には、蓋体やポンプ等を着脱可能に装着するための雄ねじ部11aが形成されている。なお、雄ねじ部11aに代えて外周壁11から径方向外側に突出する係合突部を設けて打栓により蓋体やポンプ等を装着可能に構成してもよい。
口部10の下方には、有頂筒状の胴部20が設けられている。胴部20は、口部10と一体形成されており、下方に向かって拡径する円錐台側面形状の側部を備えると共に、下端部26において外部に通じる開口28を備えている。胴部20は、外層体102と、外層体102の内側に設けられた内層体101とを有している。胴部20は、口部10に連なる上部領域において内層体101が外層体102から剥離可能な剥離部22を備えており、より具体的には剥離部内体22bが剥離部外体22aから剥離可能である。また、胴部20は、剥離部22の下方に連なり、内層体101が外層体102から剥離しない非剥離部24を備えている。すなわち、非剥離部内体24bが非剥離部外体24aから剥離不能である。開口28は、胴部20の下端部26に形成されており、剥離部22とは離間した位置に設けられている。
図1に示すように、本実施形態の合成樹脂製容器100は、内容物を充填していない初期状態において、胴部20の下端部26に開口28が形成され外部に開放されている。また、胴部20は、下方に向けて拡径する円錐台側面形状を有しており、胴部20の上部の外径は胴部20の下部の内径よりも直径が小さくなるように構成されている。従って、図1に示す合成樹脂製容器100を上下方向に重ねたとき、下側の合成樹脂製容器100の胴部20の上部は、上側の合成樹脂製容器100の胴部20の内側に入り込むことができる。従って、初期状態において、複数の合成樹脂製容器100を上下方向に容易に重ねることができるので、内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができる。
本実施形態において、外層体102には、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料を用いることができる。外層体102にポリエチレンを用いる場合には、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)又は低密度ポリエチレン(LDPE)等を用いることができ、特に低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた場合には胴部20に可撓性を持たせることができる。しかし、この態様には限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの他の合成樹脂材料を用いてもよい。
本実施形態において、内層体101の材料には、例えば外層体102と同じ材料を用いることが好ましい。これによって、非剥離部24において同じ材料で形成された非剥離部外体24aと非剥離部内体24bは相溶性が高く、剥離しない構成とすることができる。しかし、この態様に限定されず、内層体101には、外層体102と相溶性が高い他の合成樹脂材料を用いるようにしてもよい。
外層体102と内層体101に同じ合成樹脂材料を用いた場合、剥離部22の剥離部外体22aと剥離部内体22bについても本来は剥離しない構成となるが、本実施形態では、後述するように、内層体101の剥離部22外面には、外層体102のインサート成形時に潤滑剤Lが塗布されている(図5B参照)。これによって、インサート成形後に剥離部22における剥離部内体22bを剥離部外体22aから剥離し易くすることができる。
内層体101の外側に塗布する潤滑剤Lには、例えば、シリコン又は流動パラフィン等を用いることができる。しかし、この態様に限定されず、潤滑剤Lには、内層体101と外層体102との剥離を可能とする他の材料を用いてもよい。
剥離部22の内層体101は、胴部20の上端部を越えて閉塞部内体15bとして延在しており、図1に示すように、口部10の外周壁11から径方向内側に延びることで口部10を閉塞している。より具体的には、閉塞部内体15bは、口部10と胴部20とを連通させる連通口18を閉塞している。合成樹脂製容器100の口部10から剥離用ロッド50を容器内に挿入し、連通口18を閉塞している内層体101(閉塞部内体15b)を下方に向かって押圧すると(図2参照)、これに連なる胴部20の剥離部22の剥離部内体22bは剥離部外体22aから剥離し、剥離部22と非剥離部24との境界部を支点に開口28側に折り返される(図3参照)。これによって、合成樹脂製容器100の胴部20内には、剥離部外体22a、剥離した剥離部内体22b及び閉塞部内体15bとで画定される内容物の収容空間Sが形成される。
なお、本実施形態では、内層体101の剥離部内体22bの方が外層体102の剥離部外体22aよりも厚みが薄くなるように構成しているので、剥離部内体22bの曲げ剛性を抑制し、剥離部内体22bを剥離部外体22aから容易に剥離させることができる。
図3は、収容空間Sが形成され、収容空間S内に内容物を充填可能な状態を示している。本実施形態では、剥離部外体22aの方が剥離部内体22bよりも厚みが厚くなるように構成している。従って、利用者は、剥離部内体22bより剛性が高い剥離部外体22a部分、又は剥離部外体22aよりも更に剛性が高い非剥離部24を把持することができるので、より安定的に合成樹脂製容器100を取り扱うことができる。また、収容空間Sを構成する剥離部内体22b部分は非剥離部24によって径方向外側から覆われているので、剛性が低い剥離部内体22bを剛性が高い非剥離部24によって保護することができる。
剥離部外体22aと剥離部内体22bの剥離による収容空間Sの形成は、上述の剥離用ロッド50を用いる手法に限定されない。例えば、口部10に内容物の充填ノズルを装着し、容器内を加圧しながら内容物を充填することで閉塞部内体15bを押圧し、閉塞部内体15bに連なる胴部20の剥離部内体22bを剥離部外体22aから剥離させて収容空間Sの容積を増大させながら内容物の充填を行うようにしてもよい。
次に、合成樹脂製容器100の製造方法について図4のフローチャート等を用いて詳細に説明する。
合成樹脂製容器100を製造するに際しては、まず、射出成形等によって、図5Aに示す内層体101を形成する(ステップS101)。内層体101は、胴部20を構成する剥離部内体22b、非剥離部内体24b及び下端部内体26b、並びに口部10との間の連通口18を閉塞する閉塞部内体15bとを備え、下端部26に開口28を備えている。なお、内層体101の形成には、射出成形の他、押出ブロー成形や、延伸ブロー成形等の他の成形方法を用いてもよい。
次に、図5Bに示すように、内層体101のうち、剥離部22の剥離部内体22bに対応する領域の外面に潤滑剤Lを塗布する(ステップS103)。このように潤滑剤Lを塗布することで、外層体102をインサート成形した後、剥離部22において外層体102と内層体101との間に潤滑剤Lが介在することにより、両者の剥離性が改善される。なお、潤滑剤Lの塗布による剥離性の改善は、剥離しない外層体102と内層体101を剥離可能にする場合に加え、剥離可能な外層体102と内層体101を更に容易に剥離させる場合も含む。他方、潤滑剤Lを塗布していない非剥離部24においては、外層体102と内層体101とが同一材料、又は相溶性が高い材料で構成されているため、インサート成形した際に両者が密着し、剥離しない構成とすることができる。
次に、内層体101をインサート成形用金型40にセットする(ステップS105)。図6は、インサート成形用金型40のうち、コア43部分に内層体101の内面をセットしている状態である。コア43に内層体101をセットした後、それらをインサート成形用金型40のキャビティ41(図7参照)内にセットする。内層体101をインサート成形用金型40にセットすると、インサート成形用金型40と内層体101の外面との間には、外層体102の外形形状に対応した隙間が形成される。
ステップS105により内層体101をインサート成形用金型40内にセットした後、外層体102をインサート成形する(ステップS107)。これによって、図7に示すように、外層体102の口部10及び胴部20が形成される。この後、インサート成形用金型40のキャビティ41及びコア43から離型することで図1に示す合成樹脂製容器100の製造が完了する。
なお、本実施形態では、ステップS101でまず内層体101を形成し、内層体101をインサート材として外層体102をインサート成形するように構成したが、この態様には限定されない。まず、外層体102を形成し、次に外層体102をインサート材として内層体101をインサート成形するように構成してもよい。
また、本実施形態では、図1に示す内層体101が外層体102から剥離していない状態を合成樹脂製容器100が完成した状態であるとして記載している。従って、図2に示す剥離用ロッド50で連通口18を閉塞している内層体101(閉塞部内体15b)を下方に押圧して収容空間Sを形成する手順は、合成樹脂製容器100の製造方法の一ステップには加えていない。しかし、図3に示す収容空間Sが形成された状態を合成樹脂製容器100が完成した状態であると考える場合には、剥離用ロッド50で内層体101を下方に押圧して収容空間Sを形成する工程を合成樹脂製容器100の製造方法の一ステップに加えてもよい。
以上述べたように、本実施形態は、筒状の口部10と、口部10の下方に連なり、外層体102と外層体102の内側に設けられた内層体101とを有する胴部20とを備える合成樹脂製容器100であって、胴部20は、口部10に連なるように設けられ、内層体101が外層体102から剥離可能な剥離部22と、剥離部22に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に剥離部22とは離間した位置において開口28を有する非剥離部24とを有し、剥離部22は、外層体102と内層体101との間に潤滑剤Lが塗布されていることで剥離可能とされており、内層体101は、胴部20の上端部を越えて延在し、口部10の外周壁11から径方向内側に延びることで口部10を閉塞し、内層体101を外層体102から剥離させると共に開口28側に押し出すことで、外層体102及び内層体101は内容物の収容空間Sを形成可能であるように構成した。このような構成の採用によって、開口28に他の合成樹脂製容器100を挿入することで内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができると共に、内容物を充填する際に底板等を取り付ける必要が無いため作業効率を改善することができる。また、剥離部22において潤滑剤Lを塗布することで外層体102に対する内層体101の剥離性を高めることができる。そして、潤滑剤Lを塗布していない領域は、外層体102と内層体101とを同一材料で形成するか又は相溶性が高い材料で形成することによって剥離しないように構成することができるので、非剥離部24を比較的容易に形成することができる。
また、本実施形態は、筒状の口部10と、口部10の下方に連なる胴部20とを有する外層体102と、外層体102の胴部20の内側に設けられた内層体101とを備える合成樹脂製容器100の製造方法であって、外層体102及び内層体101の一方を形成するステップと、外層体102及び内層体101の一方をインサート材として、他方をインサート成形するステップとを含み、胴部20は、口部10に連なるように設けられ、内層体101が外層体102から剥離可能な剥離部22と、剥離部22に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に剥離部22とは離間した位置において開口28を有する非剥離部24とを有し、内層体101は、胴部20の上端部を越えて延在し、口部10の外周壁11から径方向内側に延びることで口部10を閉塞し、内層体101を外層体102から剥離させると共に口部10を閉塞する部位を開口28側に押し出すことで、外層体102及び内層体101は内容物の収容空間Sを形成可能であるように構成した。このような構成の採用によって、開口28に他の合成樹脂製容器100を挿入することで内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができると共に、内容物を充填する際に底板等を取り付ける必要が無いため作業効率を改善することができる。
次に、図8~図14に示す本開示の第2実施形態である合成樹脂製容器200及びその製造方法について詳細に説明する。なお、本実施形態に係る合成樹脂製容器200は、第1実施形態と比較して、胴部20の下端部が非剥離部24を構成しており、製造方法に二色成形を用いている他は、第1実施形態と共通点が多い。従って、ここでは第1実施形態との差異点を中心に説明する。なお、第1実施形態と機能が共通する部分には、同一符号を付して説明する。
図8に示す本開示の第2実施形態である合成樹脂製容器200は、内容物を吐出させる筒状の口部10と、口部10の下方に連なる有頂筒状形状を有する胴部20とを備えている。
胴部20は、口部10と一体形成されており、下方に向かって拡径する円錐台側面形状の側部を備えると共に、下端部において外部に通じる開口28を備えている。胴部20は、外層体102と、外層体102の内側に設けられた内層体101とを有している。図8に示すように、外層体102及び内層体101は、それぞれ胴部20の略全高さ領域に亘って設けられている。なお、「略全高さ領域」と記載したのは、図8の胴部20の下端部に設けられた外体下部24a1程度の僅かな領域は除く全高さ領域という意味である。胴部20は、口部10に連なる上部領域において内層体101が外層体102から剥離可能な剥離部22を備えており、より具体的には剥離部内体22bが剥離部外体22aから剥離可能である。また、胴部20は、下端部において内層体101が外層体102から剥離しない非剥離部24を備えている。すなわち、胴部20の下端部において、非剥離部内体24bが非剥離部外体24aから剥離不能である。開口28は、非剥離部24の下端に形成されており、剥離部22とは離間した位置に設けられている。
図8に示すように、本実施形態の合成樹脂製容器200は、内容物を充填していない初期状態において、胴部20の下端部に開口28が形成され外部に開放されている。また、胴部20は、下方に向けて拡径する円錐台側面形状を有しており、胴部20の上部の外径は胴部20の下部の内径よりも直径が小さくなるように構成されている。従って、図8に示す合成樹脂製容器200を上下方向に重ねたとき、下側の合成樹脂製容器200の胴部20の上部は、上側の合成樹脂製容器200の胴部20の内側に入り込むことができる。従って、初期状態において、複数の合成樹脂製容器200を上下方向に容易に重ねることができるので、内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができる。
本実施形態において、外層体102には、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料を用いることができる。外層体102にポリエチレンを用いる場合には、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)又は低密度ポリエチレン(LDPE)等を用いることができ、特に低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた場合には胴部20に可撓性を持たせることができる。しかし、この態様には限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの他の合成樹脂材料を用いてもよい。
本実施形態において、内層体101の材料には、外層体102との相溶性が低い異種の材料を用いることが好ましい。これによって、剥離部22において内層体101を外層体102から剥離し易くすることができる。例えば、外層体102の材料としてポリエチレン(PE)、内層体101の材料としてエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)を用いることができる。しかし、この態様には限定されず、外層体102及び内層体101の材料として同一材料又は互いに相溶性が高い材料を用いると共に、剥離部22における外層体102と内層体101との間に潤滑剤を用いて剥離可能としてもよい。
本実施形態では、図8に示すように、剥離部22の下端部は、径方向外側に拡径する段部を介して非剥離部24の上端部と連なっている。また、非剥離部24の非剥離部外体24aは、外体下部24a1が径方向内側に入り込んで非剥離部内体24bの下端部を覆っている。このような構成によって、非剥離部内体24bは、上下方向から非剥離部外体24aにより挟持される構造を有するため、非剥離部外体24aから剥離し難くなっている。すなわち、本実施形態では、非剥離部24において、外層体102と内層体101の形状に基づく物理的結合により剥離しない構成(非剥離手段)を備えている。しかし、この態様には限定されず、非剥離部24において、形状以外の例えば接着剤や熱による物理的結合又は化学的結合により剥離しない構成を備えていてもよい。
なお、非剥離部24の構成は、図8の例に限定されず、他の様々な機械的構造、結合等により剥離しないように構成してもよい。
剥離部22の内層体101は、胴部20の上端部を越えて閉塞部内体15bとして延在しており、図8に示すように、口部10の外周壁11から径方向内側に延びることで口部10を閉塞している。合成樹脂製容器200の口部10から剥離用ロッド50を容器内に挿入し、口部10と胴部20を連通する連通口18を閉塞している内層体101(閉塞部内体15b)を下方に向かって押圧すると(図9参照)、これに連なる胴部20の剥離部22の剥離部内体22bは剥離部外体22aから剥離し、開口28側に折り返される(図10参照)。これによって、合成樹脂製容器200の胴部20内には、剥離部外体22a、剥離した剥離部内体22b及び閉塞部内体15bとで画定される内容物の収容空間Sが形成される。
次に、合成樹脂製容器200の製造方法について図11のフローチャート等を用いて詳細に説明する。
合成樹脂製容器200を製造するに際しては、まず二色成形の第1工程で図12に示す内層体101を形成する(ステップS201)。内層体101は、胴部20を構成する剥離部内体22b及び非剥離部内体24b、並びに口部10との間の連通口18を閉塞する閉塞部内体15bとを備え、下端部に開口28を備えている。
次に、ステップS201で内層体101を成形した二色成形用金型140内に、図13に示すように、外層体102用のキャビティ141をセットする(ステップS203)。このキャビティ141のセットにより、内層体101の外面とキャビティ141との間には、外層体102の外形形状に対応した隙間が形成される。
ステップS203においてキャビティ141を二色成形用金型140内にセットした後、二色成形の第2工程で外層体102を成形する(ステップS205)。これによって、図14に示すように、外層体102の口部10及び胴部20が形成される。この後、二色成形用金型140のキャビティ141及びコア143から離型することで図8に示す合成樹脂製容器200の製造が完了する。
なお、本実施形態では、ステップS201でまず内層体101を成形し、金型をセットした後に、ステップS205の第2工程で外層体102を成形するように構成したが、この態様には限定されない。まず、外層体102を成形し、次に内層体101を成形するように構成してもよい。
以上述べたように、本実施形態は、筒状の口部10と、口部10の下方に連なり、外層体102と外層体102の内側に設けられた内層体101とを有する胴部20とを備える合成樹脂製容器200であって、胴部20は、口部10に連なるように設けられ、内層体101が外層体102から剥離可能な剥離部22と、剥離部22に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に剥離部22とは離間した位置において開口28を有する非剥離部24とを有し、外層体102及び内層体101は、それぞれ胴部20の略全高さ領域に亘って設けられており、外層体102と内層体101は、相溶性が低い異なる材質で形成されており、非剥離部24は、外層体102と内層体101とを剥離させない非剥離手段を有しており、内層体101は、胴部20の上端部を越えて延在し、口部10の外周壁11から径方向内側に延びることで口部10を閉塞し、内層体101を外層体102から剥離させると共に開口側に押し出すことで、外層体102及び内層体101は内容物の収容空間Sを形成可能であるように構成した。このような構成の採用によって、開口28に他の合成樹脂製容器200を挿入することで内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができると共に、内容物を充填する際に底板等を取り付ける必要が無いため作業効率を改善することができる。また、外層体102と内層体101を相溶性が低い異なる材質で形成することによって、剥離部22において外層体102と内層体101を容易に剥離させることができる。
また、本実施形態は、筒状の口部10と、口部10の下方に連なる胴部20とを有する外層体102と、外層体102の胴部20の内側に設けられた内層体101とを備える合成樹脂製容器200の製造方法であって、内層体101を成形するステップと、外層体102を内層体101の成形と同一金型内で二色成形するステップとを含み、胴部20は、口部10に連なるように設けられ、内層体101が外層体102から剥離可能な剥離部22と、剥離部22に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に剥離部22とは離間した位置において開口28を有する非剥離部24とを有し、内層体101は、胴部20の上端部を越えて延在し、口部10の外周壁11から径方向内側に延びることで口部10を閉塞し、内層体101を外層体102から剥離させると共に口部10を閉塞する部位を開口28側に押し出すことで、外層体102及び内層体101は内容物の収容空間Sを形成可能であるように構成した。このような構成の採用によって、開口28に他の合成樹脂製容器200を挿入することで内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができると共に、内容物を充填する際に底板等を取り付ける必要が無いため作業効率を改善することができる。
次に、図15A~図22Bに示す本開示の第3実施形態である合成樹脂製容器300及びその製造方法について詳細に説明する。なお、ここでは第1、第2実施形態との差異点を中心に説明する。なお、第1、第2実施形態と機能が共通する部分には、同一符号を付して説明する。
図15Aに示す本開示の第3実施形態である合成樹脂製容器300は、内容物を吐出させる筒状の口部10と、口部10の下方に連なる有頂筒状形状を有する胴部20とを備えている。
胴部20は、口部10と一体形成されており、下方に向かって拡径する円錐台側面形状の側部を備えると共に、下端部において外部に通じる開口28を備えている。胴部20は、外層体102と、外層体102の内側に設けられた内層体101とを有している。図15Aに示すように、外層体102及び内層体101は、それぞれ胴部20の全高さ領域に亘って設けられている。胴部20は、口部10に連なる上部領域において内層体101が外層体102から剥離可能な剥離部22を備えており、より具体的には剥離部内体22bが剥離部外体22aから剥離可能である。また、胴部20は、下端部において内層体101が外層体102から剥離しない非剥離部24を備えている。本実施形態において、非剥離部24は、胴部20の下端部において、外層体102と内層体101が積層した状態で径方向外側に向けてロール状にまとめられている(カールしている)。これによって、非剥離部24において内層体101が外層体102から剥離しないように構成されている。すなわち、本実施形態では、非剥離部24において、外層体102と内層体101の形状に基づく物理的結合により剥離しない構成(非剥離手段)を備えている。しかし、この態様には限定されず、非剥離部24において、形状以外の例えば接着剤や熱による物理的結合又は化学的結合により剥離しない構成を備えていてもよい。非剥離部24の下端部には開口28が形成されており、非剥離部24を挟んで剥離部22とは離間した位置に設けられている。
なお、非剥離部24の構成は、図15Aの例に限定されず、他の様々な機械的構造、結合等により剥離しないように構成してもよい。
図15Aに示すように、本実施形態の合成樹脂製容器300は、内容物を充填していない初期状態において、胴部20の下端部に開口28が形成され外部に開放されている。また、胴部20は、下方に向けて拡径する円錐台側面形状を有しており、胴部20の上部の外径は胴部20の下部の内径よりも直径が小さくなるように構成されている。従って、図15Aに示す合成樹脂製容器300を上下方向に重ねたとき、下側の合成樹脂製容器300の胴部20の上部は、上側の合成樹脂製容器300の胴部20の内側に入り込むことができる。従って、初期状態において、複数の合成樹脂製容器300を上下方向に容易に重ねることができるので、内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができる。
本実施形態において、剥離部外体22a及び剥離部内体22bは、図15Cに示すような層構成を備えている。すなわち、剥離部外体22a(外層体102)は、1層の樹脂層から構成され、剥離部内体22b(内層体101)は、2層の樹脂層22b1,22b2から構成されている。この3層の構成を外側から数えると、剥離部外体22a(外層体102)が第1層、樹脂層22b1が第2層、樹脂層22b2が第3層となる。
各樹脂層に用いる材料としては、例えば剥離部外体22a(第1層)及び樹脂層22b2(第3層)に高密度ポリエチレン(HDPE)を用い、樹脂層22b1(第2層)にエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)やナイロンを用いることができる。しかし、上述の態様に限定されず、例えば剥離部外体22a(第1層)及び樹脂層22b2(第3層)には、他のポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂材料を用いてもよい。また、剥離部外体22a(第1層)と樹脂層22b2(第3層)には、異なる材料を用いてもよい。
内層体101は、口部10の上端部を越えて上壁部内体17bとして延在しており、図15A、図15Bに示すように、口部10の外周壁11から径方向内側に延びることで口部10を閉塞している。合成樹脂製容器300の口部10から剥離用ロッド50を容器内に挿入し、口部10を閉塞している内層体101(上壁部内体17b)を下方に向かって押圧すると(図16参照)、これに連なる胴部20の剥離部22の剥離部内体22bは剥離部外体22aから剥離し、開口28側に折り返される(図17参照)。これによって、合成樹脂製容器300の胴部20内には、剥離部外体22a、剥離した剥離部内体22b及び上壁部内体17bとで画定される内容物の収容空間Sが形成される。
なお、本実施形態では、内層体101は、図15Cに示すように2層の樹脂層22b1、22b2を有している。しかし、図面の見易さ等の観点から、図15C以外の図面(図15B、図22B等)では、内層体101は、1層の樹脂層として描かれていることに留意されたい。
次に、合成樹脂製容器300の製造方法について図18のフローチャート等を用いて詳細に説明する。
合成樹脂製容器300を製造するに際しては、まず外層体102と内層体101を有するシートSTを作成する(ステップS301)。シートSTは、図15Cに示す3層構成を備えており、外層体102が剥離部外体22a(第1層)に対応し、内層体101が樹脂層22b1(第2層)及び樹脂層22b2(第3層)に対応する。
次に、図19に示すように、ステップS301で作成したシートSTを加熱軟化させ、サーモフォーミング用金型240のキャビティ241内で密着冷却させて、口部10、胴部20及び口部10の上端部を閉塞する上壁部17を形成する(ステップS303)。
ステップ303でサーモフォーミングにより成形した容器を離型した後、胴部20の下端部(図20における上端部)の不要部分27をカッティングラインCLに沿って切除する(ステップS305)。
次に、胴部20の下端部をロール冶具25を用いてロール状にまとめる(カールさせる)非剥離処理を行い(図21参照)、非剥離部24(非剥離手段)を形成する(ステップS307)。胴部20の下端部は、ロール冶具25に設けられた環状溝部25a内でロール状にまとめられて剥離し難い状態に処理される。
次に、口部10の上端部(図21及び図22Aの下端部)に形成された上壁部17から、外層体102を切除する(ステップS309)。この工程は、例えば、図22A、図22Bに示すように、先端部に設けた刃物部61に上下方向の超音波振動を与えることが可能な切除手段60(超音波カッター)等によって実現することができる。外層体102の切除によって口部10の上端部は内層体101(上壁部内体17b)のみによって閉塞された状態となる。
なお、本実施形態では、外層体102のみを切除するように構成したが、この態様には限定されない。切除手段60によって外層体102に加えて内層体101の樹脂層22b1(第2層)も切除し、樹脂層22b2(第3層)のみを残すようにしてもよい。切除する層の選択は、例えば刃物部61の先端部を切除する層の下端部(図22Bの上端部)まで精度よく動かすことによって行うことができる。
以上述べたように、本実施形態は、筒状の口部10と、口部10の下方に連なる胴部20とを備える合成樹脂製容器300の製造方法であって、外層体102及び内層体101を有するシートSTを作成するステップと、シートSTを加熱軟化させてサーモフォーミング用金型240内で密着冷却するサーモフォーミングにより口部10、胴部20、及び口部10の上端部を閉塞する上壁部17を形成するステップと、上壁部17における外層体102を切除するステップとを含み、胴部20は、口部10に連なるように設けられ、内層体101が外層体102から剥離可能な剥離部22と、剥離部22に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に剥離部22とは離間した位置において開口28を有する非剥離部24とを有し、内層体101を外層体102から剥離させると共に上壁部17の内層体101を開口28側に押し出すことで、外層体102及び内層体101は内容物の収容空間Sを形成可能であるように構成した。このような構成の採用によって、開口28に他の合成樹脂製容器300を挿入することで内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができると共に、内容物を充填する際に底板等を取り付ける必要が無いため作業効率を改善することができる。
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、第1、第2実施形態では、外層体102と内層体101がそれぞれ1層の樹脂層を有するように構成したが、この態様には限定されない。外層体102と内層体101の少なくとも一方が、複数の樹脂層を有するように構成してもよい。
また、第3実施形態では、胴部20が2層の樹脂層からなる内層体101を備えた3層構造を有するように構成したが、この態様には限定されない。胴部20が外層体102と内層体101をそれぞれ1層ずつ備える2層構造であってもよいし、4層以上の積層構造を有するように構成してもよい。
10 口部
11 外周壁
11a 雄ねじ部
15b 閉塞部内体
17 上壁部
17b 上壁部内体
18 連通口
20 胴部
22 剥離部
22a 剥離部外体
22b 剥離部内体
22b1 樹脂層
22b2 樹脂層
24 非剥離部
24a 非剥離部外体
24a1 外体下部
24b 非剥離部内体
25 ロール冶具
25a 環状溝部
26 下端部
26a 下端部外体
26b 下端部内体
27 不要部分
28 開口
40 インサート成形用金型
41 キャビティ
43 コア
50 剥離用ロッド
60 切除手段
61 刃物部
100,200,300 合成樹脂製容器
101 内層体
102 外層体
140 二色成形用金型
141 キャビティ
143 コア
240 サーモフォーミング用金型
241 キャビティ
CL カッティングライン
L 潤滑剤
O1 中心軸線
S 収容空間
ST シート

Claims (5)

  1. 筒状の口部と、
    該口部の下方に連なり、外層体と該外層体の内側に設けられた内層体とを有する胴部とを備える合成樹脂製容器であって、
    前記胴部は、
    前記口部に連なるように設けられ、該内層体が該外層体から剥離可能な剥離部と、
    該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
    を有し、
    前記剥離部は、前記外層体と前記内層体との間に潤滑剤が塗布されていることで剥離可能とされており、
    前記内層体は、前記胴部の上端部を越えて径方向内側に延在し、前記口部の外周壁から径方向内側に延びることで前記口部を閉塞し、
    前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする合成樹脂製容器。
  2. 筒状の口部と、
    該口部の下方に連なり、外層体と該外層体の内側に設けられた内層体とを有する胴部とを備える合成樹脂製容器であって、
    前記胴部は、
    前記口部に連なるように設けられ、該内層体が該外層体から剥離可能な剥離部と、
    該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
    を有し、
    前記外層体及び前記内層体は、それぞれ前記胴部の略全高さ領域に亘って設けられており
    記非剥離部は、前記外層体と前記内層体とを剥離させない非剥離手段を有しており、
    前記内層体は、前記胴部の上端部を越えて径方向内側に延在し、前記口部の外周壁から径方向内側に延びることで前記口部を閉塞し、
    前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする合成樹脂製容器。
  3. 筒状の口部と、該口部の下方に連なる胴部とを有する外層体と、
    該外層体の前記胴部の内側に設けられた内層体と
    を備える合成樹脂製容器の製造方法であって、
    前記外層体及び前記内層体の一方を形成するステップと、
    前記外層体及び前記内層体の一方をインサート材として、他方をインサート成形するステップと
    を含み、
    前記胴部は、
    前記口部に連なるように設けられ、前記内層体が前記外層体から剥離可能な剥離部と、
    該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
    を有し、
    前記内層体は、前記胴部の上端部を越えて径方向内側に延在し、前記口部の外周壁から径方向内側に延びることで前記口部を閉塞し、
    前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記口部を閉塞する部位を前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
  4. 筒状の口部と、該口部の下方に連なる胴部とを有する外層体と、
    該外層体の前記胴部の内側に設けられた内層体と
    を備える合成樹脂製容器の製造方法であって、
    前記外層体及び前記内層体の一方を成形するステップと、
    前記外層体及び前記内層体の他方を、前記外層体及び前記内層体の一方の成形と同一金型内で二色成形するステップと
    を含み、
    前記胴部は、
    前記口部に連なるように設けられ、前記内層体が前記外層体から剥離可能な剥離部と、
    該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
    を有し、
    前記内層体は、前記胴部の上端部を越えて径方向内側に延在し、前記口部の外周壁から径方向内側に延びることで前記口部を閉塞し、
    前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記口部を閉塞する部位を前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
  5. 筒状の口部と、
    該口部の下方に連なる胴部と
    を備える合成樹脂製容器の製造方法であって、
    外層体及び内層体を有するシートを作成するステップと、
    前記シートを加熱軟化させて金型内で密着冷却するサーモフォーミングにより前記口部、前記胴部、及び該口部の上端部を閉塞する上壁部を形成するステップと、
    前記上壁部における前記外層体を切除するステップと
    を含み、
    前記胴部は、
    前記口部に連なるように設けられ、前記内層体が前記外層体から剥離可能な剥離部と、
    該剥離部に連なる位置に設けられ、厚み方向に剥離しないと共に前記剥離部とは離間した位置において開口を有する非剥離部と
    を有し、
    前記内層体を前記外層体から剥離させると共に前記上壁部の前記内層体を前記開口側に押し出すことで、前記外層体及び前記内層体は内容物の収容空間を形成可能であることを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
JP2019103355A 2019-05-31 2019-05-31 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法 Active JP7224732B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019103355A JP7224732B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019103355A JP7224732B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020196500A JP2020196500A (ja) 2020-12-10
JP7224732B2 true JP7224732B2 (ja) 2023-02-20

Family

ID=73649430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019103355A Active JP7224732B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7224732B2 (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001199427A (ja) 2000-01-19 2001-07-24 Yoshino Kogyosho Co Ltd 超薄肉容器
JP2002293317A (ja) 2001-03-30 2002-10-09 Yoshino Kogyosho Co Ltd 複合材料製容器
WO2004028921A1 (de) 2002-09-18 2004-04-08 Udo Bielagk Behältnis zum transport von flüssigkeiten oder schüttfähigen stoffen kleiner körnung
US20100140294A1 (en) 2007-02-06 2010-06-10 Bourguignon Michel A L Collapsible lightweight container
JP2012206736A (ja) 2011-03-29 2012-10-25 Yoshino Kogyosho Co Ltd 合成樹脂製容器
JP5340650B2 (ja) 2008-06-16 2013-11-13 株式会社瓢月堂 合成樹脂製のケーキ収納容器
JP2014046966A (ja) 2012-08-31 2014-03-17 Yoshino Kogyosho Co Ltd 2軸延伸ブロー成形容器
JP2014125264A (ja) 2012-12-27 2014-07-07 Yoshino Kogyosho Co Ltd 詰め替え容器
JP2016055390A (ja) 2014-09-10 2016-04-21 キョーラク株式会社 被加工物の加工方法、穴あけドリル
JP2016069051A (ja) 2014-09-30 2016-05-09 株式会社吉野工業所 積層剥離容器
JP2018538204A (ja) 2015-11-20 2018-12-27 ネステク ソシエテ アノニム 部分的に圧潰可能な流体注出容器
JP2020104934A (ja) 2018-12-28 2020-07-09 株式会社吉野工業所 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5412866B2 (ja) * 1974-12-25 1979-05-25

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001199427A (ja) 2000-01-19 2001-07-24 Yoshino Kogyosho Co Ltd 超薄肉容器
JP2002293317A (ja) 2001-03-30 2002-10-09 Yoshino Kogyosho Co Ltd 複合材料製容器
WO2004028921A1 (de) 2002-09-18 2004-04-08 Udo Bielagk Behältnis zum transport von flüssigkeiten oder schüttfähigen stoffen kleiner körnung
US20100140294A1 (en) 2007-02-06 2010-06-10 Bourguignon Michel A L Collapsible lightweight container
JP5340650B2 (ja) 2008-06-16 2013-11-13 株式会社瓢月堂 合成樹脂製のケーキ収納容器
JP2012206736A (ja) 2011-03-29 2012-10-25 Yoshino Kogyosho Co Ltd 合成樹脂製容器
JP2014046966A (ja) 2012-08-31 2014-03-17 Yoshino Kogyosho Co Ltd 2軸延伸ブロー成形容器
JP2014125264A (ja) 2012-12-27 2014-07-07 Yoshino Kogyosho Co Ltd 詰め替え容器
JP2016055390A (ja) 2014-09-10 2016-04-21 キョーラク株式会社 被加工物の加工方法、穴あけドリル
JP2016069051A (ja) 2014-09-30 2016-05-09 株式会社吉野工業所 積層剥離容器
JP2018538204A (ja) 2015-11-20 2018-12-27 ネステク ソシエテ アノニム 部分的に圧潰可能な流体注出容器
JP2020104934A (ja) 2018-12-28 2020-07-09 株式会社吉野工業所 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020196500A (ja) 2020-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200231322A1 (en) Delamination container
JP6407649B2 (ja) 積層剥離容器
JP2008308191A (ja) 容器の注出口およびその製造方法
JP7224732B2 (ja) 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法
JP2007320634A (ja) 薄肉袋
JP2011020735A (ja) 詰替え容器
JP7083747B2 (ja) 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法
JP6250375B2 (ja) カバーフィルム付き容器
JP5782748B2 (ja) 詰替え容器
JP7189098B2 (ja) 合成樹脂製容器の中間成形体、及び合成樹脂製容器の製造方法
JP7286249B2 (ja) 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法
JP6651416B2 (ja) 二重容器
JP7246822B2 (ja) 合成樹脂製容器、合成樹脂製容器の製造方法、及び積層プリフォーム
JP7058919B2 (ja) 二重容器用キャップ
JP6746206B2 (ja) 二重容器
WO2023210277A1 (ja) 天面部、収納容器、及び包装容器
JP6704651B2 (ja) 二重容器
WO2023167178A1 (ja) 容器ホルダー
JP5573165B2 (ja) 詰替え容器
JP2021054487A (ja) 合成樹脂製容器、及び合成樹脂製容器の製造方法
JPWO2017029997A1 (ja) 紙容器及びその製造方法
JP6850531B2 (ja) 二重容器及びその製造方法
JPH10194262A (ja) 複合容器およびその製造装置
JP2005206188A (ja) 射出成形容器およびその製造方法
JP6155798B2 (ja) 詰替え容器およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7224732

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150