WO2023167178A1

WO2023167178A1 - 容器ホルダー

Info

Publication number: WO2023167178A1
Application number: PCT/JP2023/007270
Authority: WO
Inventors: 義則稲川; 雅人中西; 彰宮崎; 隼也西田; 昌伸辰巳; 俊小田切; 真弓綿世
Original assignee: 株式会社フジシールインターナショナル
Priority date: 2022-03-04
Filing date: 2023-02-28
Publication date: 2023-09-07

Abstract

使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供する。容器ホルダー１は、収納容器２０を収容するための収容空間を有する筒状のシート部材２と、シート部材２の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材５と、を備え、収納容器２０を着脱可能に係止する。

Description

容器ホルダー

　本開示は、容器を収容する容器ホルダーに関する。

　収納容器を装着して用いる容器ホルダーが知られている。

　特許文献１（特開２０１８－０４７９２８号公報）は、袋容器ホルダーを開示する。該袋容器ホルダーは、載置部と、載置部から立設する立設部と、立設部の第２端部から載置部の直上部分に張り出して設けられた、Ｕ字状切欠き部を備える張出し係止部とを含む。張出し係止部の下方の部分が、袋容器の着脱空間部となっている。載置部から立設して、下端部邪魔板部が設けられており、下端部邪魔板部の裏面側に、袋容器の下端部を装着させる下端部装着部が形成されている。

　特許文献２（特開２０１０－０３６９６２号公報）は、緩衝性包装体を開示する。該緩衝性包装体は、物品を収納可能な筒状ケースと、筒状ケースの壁面に熱収縮装着された熱収縮性筒状フィルムと、を有する。筒状ケースの壁面には穴部が形成されており、熱収縮性筒状フィルムが、前記穴部において筒状ケースの内部方向へ膨出されている。

特開２０１８－０４７９２８号公報特開２０１０－０３６９６２号公報

　しかしながら、射出成型により形成された特許文献１の袋容器ホルダーは、ユーザがノズルヘッドを押圧する押圧力に抗する強度を持たせるために肉厚に形成されており、製造時に使用する樹脂量が多くなる。また、特許文献１の袋容器ホルダーは、複数の該袋容器ホルダーを互いに積み重ねることができない形状であるため、該容器ホルダーを複数収納するときの収納効率、あるいは、該容器ホルダーを複数運搬するときの運搬効率に改善の余地を残す。

　また、特許文献２の緩衝性包装体は、物品の破損を防止できる緩衝性のある包装体である。該緩衝性包装体は、熱収縮性フィルムの一部分を包装ケースの穴部から膨出させる。該緩衝性包装体は、膨出した熱収縮性フィルムの一部分（膨出部）によって、物品を包装ケースの所定位置に保持すると共に、その物品の破損を防止する。一方で、特許文献２の緩衝性包装体は、前記物品が収納物（液体等）を収納する収納容器である場合に、その収納容器を把持しつつ、収納容器から収納物を排出する用途は想定していない。

　本開示は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、射出成型により製造された従来の容器ホルダーよりも使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供することにある。

　前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る容器ホルダーは、収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、を備え、前記収納容器を着脱可能に係止する係止部を備える。

　本開示の一態様によれば、使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供することができる。

本開示の一実施形態に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。本開示の一実施形態に係る、容器ホルダーの構成と、該容器ホルダーの製造方法を説明するための図である。本開示の一実施形態に係る容器ホルダーの上面図である。シート部材の変形例を示す図である。収納容器の係止方法の変形例を示す図である。排出部を係止する係止部材を説明する図である。係止部材の他の変形例を示す図である。容器ホルダーにおける収納容器の好ましい着脱構造を説明する図である。取手を有する容器ホルダーを示す図である。本開示の他の一実施形態に係る容器ホルダーを説明するための図である。上面部材が装着された容器ホルダーを説明する図である。フィルム延在部の変形例を説明するための図である。本開示の他の一実施形態に係る、容器ホルダーの構成と、該容器ホルダーの製造方法を説明するための図である。複数の容器ホルダーが積み重ねられた様子を示す。フィルム部材の収縮力によってマンドレルの外面に沿う方向に傾斜したシート部材を上面視した図である。本開示の他の一実施形態に係る容器ホルダーであって、その側面が２段階で傾斜する構成の断面図を示す。他の積み重ね可能な容器ホルダーの概略構成図である。本開示の他の一実施形態に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。本開示の他の一実施形態に係る、容器ホルダーの構成と、該容器ホルダーの製造方法を説明するための図である。突出部の変形例を説明するための図である。本開示に係る容器ホルダーにより収納容器が把持される様子を説明するための図である。本開示の他の一実施形態に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。本開示の他の一実施形態に係る、容器ホルダーの構成と、容器ホルダーの製造方法を説明するための図である。上面部材を備える容器ホルダーを説明するための概略断面図である。上面部材の変形例を説明するための図である。上面部材の嵌合部を説明するための概略断面図である。本開示の他の一実施形態に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。本開示の他の一実施形態に係る、容器ホルダーの構成と、容器ホルダーの製造方法を説明するための図である。本開示の容器ホルダーの断面図である。底面部の補強構造の一例を説明するための図である。本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止するロックプレートを説明するための図である。本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する上部ホルダーを説明するための図である。本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する天面部を説明するための図である。収納容器の排出部を強固に係止するための、ロックプレートを備えたシート部材を説明するための図である。本開示に係る他の容器ホルダーを説明するための図である。

　＜実施の形態１＞
　以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した図を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示の一実施形態について説明するうえで、以下について付言する。「下限値ＸＸＸ～上限値ＹＹＹ」で表される数値範囲は、下限値ＸＸＸ以上上限値ＹＹＹ以下を意味する。「上」、「下」は、重力方向を下側、重力方向と反対側を上側とする。また、説明の便宜のため、同じ符号を付した部材についてはその説明を省略する場合がある。

　（適用例）
　理解の容易のため、最初に図１を参照しつつ、本開示の一実施形態に係る容器ホルダー１の使用例を説明する。図１は、本開示の一実施形態に係る容器ホルダー１の使用例を説明するための図である。参照番号１Ａに示す図を参照して、容器ホルダー１は、内部が中空の筒状に形成されており、その内部に収納容器を収容するための収容空間７を有する。

　収納容器２０は、一般的な収納容器であってよく、収納物を排出するための排出部２１を有する。排出部２１は、排出口を有する。排出部２１は、筒状であり、その外壁面にはキャップを取り付けるための溝が形成されてもよい。また排出部２１は、収納容器内の液体を排出するためのポンプが装着されてもよい。

　図１Ａに示す例では、収納容器２０は、軟包材容器であって、天マチ及び底マチを有しており、天マチの面内中央に排出部２１が取り付けられた、自立型の軟包材容器である。排出部２１はスパウトである。排出部２１は、スパウトのような別体からなる樹脂成型品であってよいし、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。

　例えば、収納容器２０は、洗剤、シャンプー、リンス、食品類などを収納する。収納容器２０は、ノズルヘッド２５のような、排出口を有するキャップを用いて収納物を排出してもよいし、ノズルヘッド２５を用いることなく、収納物を排出してもよい。

　参照番号１Ｂに示す図を参照して、収納容器２０は、図中の（Ａ）に示す方向から容器ホルダー１を被せられる。収納容器２０は、排出部２１において容器ホルダー１に係止される。続いて、収納容器２０は、図中の（Ｂ）に示す方向からノズルヘッド２５を取り付けられる。参照番号１Ｃに示す図を参照して、容器ホルダー１は、ノズルヘッド２５を下方に向けて把持される。これにより、収納容器２０から収納物が排出される。

　不図示であるが、参照番号１Ｂに示す（Ａ）と反対側に容器ホルダー１を移動させることにより、容器ホルダー１は、収納容器２０の排出部２１における係止を解除し、収納容器２０を取り外すことができる。換言すれば、容器ホルダー１は、容器ホルダー１を固定した状態で、参照番号１Ｂに示す（Ａ）の方向に収納容器２０を移動することにより、排出部２１における係止を解除し、収納容器２０を取り外すことができる。

　ここで、「係止」とは、係わり合って止まることをいう。そのため、容器ホルダー１が収納容器２０の排出部２１を係止するとは、容器ホルダー１が排出部２１と密着し、排出部２１を固定する場合、あるいは、容器ホルダー１が排出部２１と完全には密着せず、排出部２１と接触した状態にある場合の何れも含みうる。

　（容器ホルダーとその製造方法）
　次に、容器ホルダー１の製造方法と、容器ホルダー１の構成を説明する。図２は、容器ホルダー１の構成と、容器ホルダー１の製造方法を説明するための図である。図２を参照しながら最初に概略を説明すれば、容器ホルダー１は、収納容器２０を収容するための収容空間７を有する筒状のシート部材２と、シート部材２の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材５と、を備える。容器ホルダー１は、収納容器２０を着脱可能に係止する。

　１．シート部材
　参照番号２Ａに示す図は、容器ホルダー１の構成部材であって、筒状に形成される前の扁平状のシート部材２（筒状に形成される前のシート部材）を示す。シート部材２は、合成樹脂、紙、合成紙、又は、それらの積層体であってよい。シート部材２は、後述するフィルム部材５の応力によって変形可能な程度の剛性を有しておればよい。一例として、シート部材２は、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）である。シート部材２は、肉厚があるほど容器ホルダー１の強度を高めることができる。シート部材２は、例えば、肉厚が１００μｍ～３００μｍであってよい。好ましくは、シート部材２は、肉厚が２００μｍ～２５０μｍである。この場合に特に、筒状への容易な形成を可能にするとともに、容器ホルダー１の強度を高めることができる。シート部材２は、収納容器の排出部を係止するための係止部３（係止部の詳細は後述。）を有してもよい。

　参照番号２Ｂに示す図は、シート部材２がその両端同士を接合され、筒状に形成された後の様子を示す。具体的にはシート部材２は、その一端の内面と他端の外面とが、接着剤又は溶着によって接合（センターシール）されている。溶着によるセンターシールとしては、例えば、溶剤による溶着、超音波による溶着等が挙げられる（センターシールされている様子を、図中の参照番号９で示す）。筒状のシート部材２は収容空間７を有する。

　シート部材２は、筒状形状の長軸方向（筒状のシート部材２の軸方向）における、収納容器２０の排出部２１が位置する側の端部（以下、「第１端部」と称する。）に係止部３を有してもよい。図示の例では、シート部材２の第１端部は、円形の係止部３と略同径の円形となるように形成されている。係止部３は、シート部材２と一体となって、シート部材２から延在して形成されている。シート部材２と係止部３との境界位置には、折罫線又はハーフカット線が形成されてよい。これにより係止部３は、シート部材２に対して折り曲がりやすくなり、筒状のシート部材２の第１端部に被さりやすくなる。

　参照番号２Ｃに示す図は、筒状に形成されたシート部材２が収容空間７を内部に有し、その収容空間７にマンドレルＭ（芯）が挿入される様子を示す。シート部材２は、マンドレルＭに巻き付けられて筒状に形成されてもよい。

　２．フィルム部材
　参照番号２Ｄに示す図は、フィルム部材５がマンドレルＭに挿入されたシート部材２に被せられる様子を示しており、フィルム部材５がシート部材２の外壁面（側面）に装着されている。フィルム部材５は、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮した部材であり、例えば、シュリンクラベル、又は、ストレッチラベルであってよい。フィルム部材５は、筒状のシート部材２に巻き付けられて筒状に形成されてもよい。

　筒状のフィルム部材５は、シート部材２と同様に、その一端の内面と他端の外面とが接着剤又は溶着によって接合（センターシール）されている。フィルム部材５の厚みは特に限定されないが、一例として１０～１２０μｍであってよい。フィルム部材５がシュリンクラベルの場合、フィルム部材５の厚みは、例えば、１２～６０μｍが好ましい。この場合に特に、容器ホルダー１における樹脂量の効果的な低減と、容器ホルダー１の外形の保形性向上との両特性に優れる。

　ここでシュリンクラベルとは、少なくとも第１方向に熱収縮するフィルムである。熱収縮するフィルムとは、室温下（例えば、２３℃）では収縮しないが、熱収縮温度（例えば、８０℃～１００℃）に加熱されると所定方向において収縮する性質を有するフィルムをいう。少なくとも第１方向に熱収縮するフィルムとは、少なくとも第１方向において、熱収縮性を有するフィルムである。加熱は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はＬＥＤ照射等の適宜の方法を採用することができる。フィルム部材５の収縮率は、シュリンクフィルムの第１方向の、９０℃、１０秒における熱収縮率が、例えば１５～９０％であり、好ましくは２０～８５％である。また、シュリンクフィルムの第２方向の、９０℃、１０秒における熱収縮率は、－３～１５％であり、好ましくは－１～１０％である。

　第１方向とは、フィルムの面内における１つの方向を意味し、第２方向は、フィルムの面内において第１方向と直交する方向である。例えば、筒状のフィルム部材５では、筒状形状の長軸方向（筒状のフィルム部材５の軸方向）を第２方向、その第２方向に直交する方向（周方向）を第１方向と規定することができる。

　フィルム部材５は、上述の熱的性質を有することを条件として、様々なフィルムを用いることができる。フィルム部材５の材料としては、例えば、合成樹脂フィルム、不織布フィルム、又は発泡樹脂フィルムなどが挙げられる。フィルム部材５は、前述した材料から選ばれる少なくとも１つを含む積層フィルムであってもよい。積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、実質的に熱収縮性を有さないフィルムと熱収縮性を有するフィルムの積層物であってもよいが、その全てが熱収縮性を有するフィルムからなる積層物が好ましい。

　好ましくは、フィルム部材５として、合成樹脂フィルム又は合成樹脂層を有する積層フィルムが用いられ、さらに好ましくは、単層の合成樹脂フィルム又は複層の合成樹脂フィルムが用いられる。単層の合成樹脂フィルムは、単一の合成樹脂層からなるフィルムであり、複層の合成樹脂フィルムは、２つ以上の合成樹脂層が積層された積層フィルムである。

　合成樹脂フィルム（合成樹脂層）の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂；ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂；ポリスチレン、スチレン－ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂；ポリアミド系樹脂；塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる１種、又は２種以上の混合物などが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムの材質も特に限定されず、従来公知の合成樹脂を用いたものが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムは、それ自体、断熱効果を期待できる。

　フィルム部材５は、シュリンクラベルではなく、熱を必要としない、自己伸縮性のあるストレッチラベルであってもよい。フィルム部材５は、シュリンクラベル又はストレッチラベルの機能により、シート部材２の外形を保持することができる。

　フィルム部材５は、分断線（ミシン目等）を有してもよい。容器ホルダー１は、フィルム部材５の分断線が分断されることで、シート部材２の形状を、筒状から扁平状に変形可能である、言い換えると、元の形状に戻すように構成することもできる。シート部材２は、人又は機械の手を介して元の形状に戻る構成であってもよいし、自然と元の形状に戻る構成であってもよい。

　フィルム部材５は、シート部材２と接着部を介して互いに接着されてもよい。この場合、フィルム部材５は、シート部材２と一体化される。

　フィルム部材５は、デザイン印刷を施されることで、容器ホルダー１の加飾性を向上させることができる。具体的にフィルム部材５は、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、又はスクリーン印刷等を施されることにより、樹脂成型品に直接印刷する場合と比較して容器ホルダー１の加飾性を向上させることができる。

　上述したように、フィルム部材５はシュリンクラベル及びストレッチラベルの何れでもよいが、以下の説明では、シュリンクラベルであるものとして説明する。

　３．容器ホルダー
　参照番号２Ｅに示す図は、フィルム部材５がシート部材２に被せられた後の様子を示す。図示の例では、マンドレルＭの軸心方向において、フィルム部材５は、シート部材２よりも長く、シート部材２の第１端部から突き出ている。

　参照番号２Ｆに示す図は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はＬＥＤ照射等の適宜の方法によってフィルム部材５を熱収縮させた後の、容器ホルダー１が完成した様子を示す。図示の例において、容器ホルダー１は、熱収縮したフィルム部材５がシート部材２の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材５が容器ホルダー１の上面（天面）の一部を形成している。容器ホルダー１は、フィルム部材５を熱収縮させることにより、シート部材２の外形を保持することができる。

　図３は容器ホルダー１の上面図である。上述のように、フィルム部材５がシート部材２の第１端部から突き出た状態でフィルム部材５を熱収縮させることにより、フィルム部材５は、シート部材２の第１端部からシート部材２の径方向内側に延在する。この延在した部分をフィルム延在部３０と称する。図示の例では、容器ホルダー１の上面は、開口３０ａで示す領域を除き、フィルム延在部３０が占める。

　図３において、開口３０ａは略円形に形成される。開口３０ａは、フィルム部材５がシート部材２の第１端部から突き出る長さに応じて大きさを決めることができる。開口３０ａの大きさを収納容器２０の排出部２１の口径に合わせて調整することにより、開口３０ａは、収納容器２０の排出部２１が挿入された状態で、排出部２１を係止することができる。つまり、フィルム延在部３０は、収納容器２０の排出部２１を容器ホルダー１に係止する係止部として機能することができる。このように、フィルム部材５を熱収縮させることにより、シート部材２の外形を保持することができ、もって容器ホルダー１の外形が構成され、また、収納容器２０を容器ホルダー１に係止することができる。

　なお、容器ホルダー１の下面は、シート部材２及びフィルム部材５が存在しておらず、収納容器２０を収容するために開口している。但し、容器ホルダー１に収納容器２０を着脱可能とする限りにおいて、容器ホルダー１の下面は、シート部材２又はフィルム部材５が折れ曲がってなる折れ曲り部を有していてもよい。

　以上によれば、容器ホルダー１は、射出成型により製造される従来の容器ホルダーに比べて、使用する樹脂量を軽減することができる。さらに、容器ホルダー１は以下の効果を奏する。

　同じ形状で異なるフレーバー又は期間限定品のような多種多様な収納容器に使用する容器ホルダーを考える。樹脂成型により製造された従来の容器ホルダーの場合、その容器ホルダーに対して収納容器の収納物に関連する情報を直接印刷すると、収容容器の売れ行きが低下すると容器ホルダーの在庫が増える。

　これに対して容器ホルダー１では、収納容器の収納物に関連する情報をフィルム部材５に印刷できる。つまり、収納容器の収納物に応じてフィルム部材５のラベルデザインを変更し、そのフィルム部材５をシート部材２に装着すればよい。これにより、容器ホルダー１自体の在庫を従来よりも大幅に軽減できる。さらに、従来の容器ホルダーは、樹脂成型のための金型を必要とするが、容器ホルダー１によれば、シート部材２とフィルム部材５とで簡単に製造できるため、従来必要であった金型が不要となる。

　（シート部材の変形例）
　シート部材２は、上面視で、図１等に示す円筒状のほか、多角形（三角形、四角形、五角形等）、又は楕円形等からなる筒状で構成されてよい。シート部材２は、マンドレルＭを所望の形状に変更することで、マンドレルＭの形状に応じて所望の形状とすることができる。

　また例えば、シート部材２は、図４に示す形状とすることもできる。図４はシート部材の変形例を示す図である。参照番号４Ａに示す図においてシート部材４０は、上面視でＣ字状である。具体的にシート部材４０は、シート部材４０の両端同士が接合しておらず、端部間に隙間を有しており、換言すれば筒状の一部をなしている。シート部材４０は、シート部材４０の外壁面に密着する筒状のフィルム部材５の応力によって湾曲形状を保持することができる。

　参照番号４Ｂに示す図においてシート部材４１は、扁平状のシートの一端に差込み片４１ａを有し、シートの他端に差込み口４１ｂを有する。差込み片４１ａは、差込み口４１ｂに差込まれることにより、シート部材４１の湾曲形状を保持することができる。差込み片４１ａ及び差込み口４１ｂの形状は、同様の機能を発揮するならば、図示した形状に限定されず、他の形状を採用することも当然に可能である。

　参照番号４Ｃに示す図においてシート部材４２は、上面視で筒状である。具体的にシート部材４２は、シート部材４２の両端同士が突き合わされており、端部間に隙間がないか、ほぼ隙間がない。フィルム部材５は、そのシート部材４２の外壁面に密着する。シート部材４２は、シート部材４２の外壁面に密着する筒状のフィルム部材５の応力によって湾曲形状（筒状形状）を保持することができる。シート部材４２の両端部間の隙間が無くなることにより、本開示の一実施形態に係る容器ホルダーは、大量生産されたときにロットごとの径がさらに安定する。

　このように、本開示の一実施形態に係るシート部材は、様々な形状を採用することができる。

　（収納容器の係止方法の変形例）
　収納容器の容器ホルダーへの係止方法の変形例を、図５を用いて説明する。図５は、収納容器の係止方法の変形例を示す図であり、参照番号５Ａに示す図は、シート部材２の係止部５１ａ,５１ｂを説明するための図であり、参照番号５Ｂに示す図は、変形例における容器ホルダーの上面図である。

　図５の参照番号５Ａの左側の図を参照して、シート部材２は、シート部材２の第１端部において、半月状の係止部５１ａ及び係止部５１ｂを有してよい。係止部５１ａ及び係止部５１ｂは、参照番号５Ａの右側の図に示すように、シート部材２の上面（天面）の一部を構成する。このような構成となるように、係止部５１ａ及び係止部５１ｂは、シート部材２の第２端部からシート部材２の径方向内側に方向付けられる。

　図５の参照番号５Ｂに示す図を参照して、係止部５１ａと係止部５１ｂとの間には空隙５２が形成される。空隙５２には収納容器２０の排出部２１が挿入され、係止部５１ａと係止部５１ｂとの押圧力により、空隙５２において排出部２１を係止することができる。さらに容器ホルダーは、シート部材２の第１端部からシート部材２の径方向に延びる、係止部５１ａ及び係止部５１ｂと重畳し、係止部５１ａ及び係止部５１ｂを固定するフィルム延在部３０を有してよい。この構成によれば、容器ホルダーは、空隙５２において排出部２１を係止するとともに、さらに、フィルム延在部３０が係止部５１ａ及び係止部５１ｂを固定することにより、収納容器２０をより強固に係止することができる。

　図５においては、シート部材２は、半月状の係止部５１ａ及び係止部５１ｂを有するものとして説明した。しかしながら、係止部５１ａと係止部５１ｂとの間で排出部２１を係止する構成であるならば、係止部５１ａ及び係止部５１ｂは、半月状に限られず、様々な形状により構成されてよい。

　また、係止部５１ａ及び係止部５１ｂという２つの部材を用いて説明したが、３つ以上の部材を用いて、排出部２１を係止する構成が実現されてもよい。さらに、図２に示されるように、シート部材２は、係止部３を１つのみ有してもよい。図２において係止部３は開口３ａを有し、開口３ａに収納容器２０の排出部２１が挿入される。これにより、容器ホルダー１は、開口３ａにおいて収納容器２０の排出部２１を係止することができる。また図２に示すように、係止部３は、円形の周縁から円の中心方向と反対方向に突起する小突起部を有してよく、その小突起部をシート部材２の第１端部に載置する（留める）ことにより、係止部３をシート部材２に強固に固定することができる。図示の例では、小突起部は３つ存在するが、１つでもよいし、３以外の複数個であってもよい。

　（収納容器の係止方法の他の構成）
　続いて、容器ホルダーが収納容器を係止する他の構成を図６により説明する。図６は、排出部を係止する係止部を説明する図である。参照番号６Ａに示す図は係止部６０の上面図であり、参照番号６Ｂに示す図は係止部６０をシート部材２の第１端部に載置した図であり、参照番号６Ｃに示す図は係止部６０を備える容器ホルダーの上面図である。

　参照番号６Ａ、６Ｂに示す図を参照して、係止部６０は、シート部材２の第１端部に載置される。係止部６０は、シート部材２と一体に形成されているのではなく、別体で形成されている。係止部６０は、例えば、合成樹脂、紙、合成紙などにより構成されてよい。

　係止部６０は、シート部材２の第１端部に対応する形状を有する。係止部６０の形状は、シート部材２の形状に応じて適宜設計されるが、図示の例では、係止部６０は円形である。係止部６０は、シート部材２の内部の収容空間７を画定する上面（天面）の一部となる。係止部６０は、シート部材２の第１端部に単に載置されるだけでもよいが、シート部材２の第１端部と嵌合し、シート部材２の長手方向に延びる嵌合部６１を周縁に有してもよい。係止部６０は、嵌合部６１を有することにより、シート部材２の第１端部から脱落しにくくなる。

　係止部６０は、その中心に、収納容器２０の排出部２１が挿入される開口６０ａを有する。開口６０ａはその形状は限定されないが、１以上の延伸部６０ｂを周縁に有することが好ましい。延伸部６０ｂは、開口６０ａの中央に向かって延伸し、屈曲可能である。そのため延伸部６０ｂは、開口６０ａに挿入された排出部２１に密着し、排出部２１をより強固に係止する。延伸部６０ｂは、排出部２１のサイズ又は形状等に応じて、そのサイズ又は形状等が決められてよい。

　参照番号６Ｃに示す図を参照して、フィルム部材５は、フィルム延在部３０を有してよい。フィルム延在部３０は、シート部材２の第２端部からシート部材２の径方向内側に延びることにより、係止部６０を固定する。

　以上の構成によれば、容器ホルダーは、開口６０ａにおいて排出部２１を係止する。このとき容器ホルダーは、排出部２１を延伸部６０ｂで係止するため、排出部２１をより強固に係止することができる。さらに、フィルム延在部３０が係止部６０と重畳し、係止部６０をシート部材２の第１端部上で固定することから、容器ホルダーは、収納容器２０をさらに強固に係止することができる。

　また図７に示されるように、容器ホルダー１は、係止部６０に代えて、係止部７０を用いることもできる。係止部７０は、上面視でＵ字状に切り欠かかれた切欠部（係止切欠部）を有し、その切欠部の先端に位置する係止位置７０ａにおいて収納容器２０の排出部２１を係止する。係止位置７０ａは、特定の形状に限定されず、収納容器２０の排出部２１の形状に応じた形状を採用することができる。係止位置７０ａは、排出部２１に密着し、収納容器２０を強固に係止することができる。

　図６に示す係止部６０の開口６０ａ及び延伸部６０ｂの構成、並びに図７に示す係止部７０のＵ字状の切欠部の構成は、図２を参照して説明した係止部３にも適用することができる。

　また、本開示の一実施形態に係る係止部は、図６および図７に示す構成に限らず、排出部２１（スパウト等）の口径よりも小さい開口径を有する構成、又は、ローマ字のＸ字状若しくはＵ字状の切込み線等を有する構成で実現されてもよい。また、それらの構成は、図２を参照して説明した係止部３にも適用できる。さらに、本開示の一実施形態に係る係止部は平板状に限定されず、錐台形状などの種々の形状を有してもよい。

　（収納容器の着脱構造）
　続いて、本開示の一実施形態に係る容器ホルダーから収納容器２０を着脱しやすくする構成を図８により説明する。図８は、容器ホルダーにおける収納容器の好ましい着脱構造を説明する図である。

　図示するように、容器ホルダー８０は、シート部材２及びフィルム部材５を貫通する貫通部８１ａを有する。貫通部８１ａは、１以上あってよい。貫通部８１ａは、第２端部とは反対側の第１端部（シート部材２の収容空間７に収容される収納容器２０の底部に対応する側の端部）に設けられるのが好ましいが、第２端部と第１端部の間に設けられてもよい。

　容器ホルダー８０は、貫通部８１ａを有することにより、収納容器２０の取扱性を高めている。具体的に、ユーザは、貫通部８１ａが存在しない場合と比較して、貫通部８１ａを通して収納容器２０を下方に引っ張り易くなる。これにより、容器ホルダー８０は、収納容器２０の係止を解除しやすくなる。さらなる効果として、容器ホルダー８０は、貫通部８１ａを有することにより、容器ホルダー８０の製造に必要なシート部材２及びフィルム部材５の原料をそれぞれ低減することもできる。また、容器ホルダー８０は、台所、浴室、又は洗面所などの水回りで使用される場合には、貫通部８１ａを有することにより、水はけを改善することができる。

　（取手構造）
　次に、本開示の一実施形態として、取手を有する容器ホルダーを図９により説明する。図９は取手を有する容器ホルダーを示す図である。

　参照番号９Ａに示す図を参照して、容器ホルダー９０は、取手９３ａ及び取手９３ｂを胴体部に有する。それ以外の点において容器ホルダー９０は、容器ホルダー１と同様と考えてよい。容器ホルダー９０は、取手９３ａ及び取手９３ｂを有することにより、容器ホルダー９０（及び容器ホルダー９０の内部に収容された収納容器２０）の把持性を高めることができる。なお図９において、取手９３ａ,９３ｂが立設することで生じる切り欠き部分は図示しない。

　次に、参照番号９Ｂに示す図を参照して、取手９３ａ及び取手９３ｂの形成方法を説明する。最初にシート部材９２を準備する。シート部材９２は、予め、取手９３ａ及び取手９３ｂの形状がミシン目に形成されている。続いて、シート部材９２を筒状に形成した後に、シート部材９２にフィルム部材９１を装着する。フィルム部材９１は、取手９３ａ及び取手９３ｂに対応する領域に開口９１ａを有する。これにより、フィルム部材９１及びシート部材９２を筒状に形成したとき、取手９３ａ及び取手９３ｂとフィルム部材９１とを重ならなくできる。このように設計されたフィルム部材９１及びシート部材９２を用いて、図２を参照して説明した製造方法を用いて容器ホルダー９０を製造する。

　容器ホルダー９０は、フィルム部材９１に開口９１ａを有する。開口９１ａから取手９３ａ及び取手９３ｂのミシン目を開裂することにより、容器ホルダー９０の胴体部に取手９３ａ及び取手９３ｂを立設することができる。

　以上により、容器ホルダー９０は、取手９３ａ及び取手９３ｂを有することができ、その結果、容器ホルダー９０は把持性を高めることができる。

　容器ホルダー９０において、取手の数は、２つに限らず、１つであってもよい。また、取手９３ａ、９３ｂを区画するものはミシン目に限定されず、切込みによってシート部材９２から取手が分断されることにより形成されていてもよい。また、フィルム部材９１は、開口９１ａを必ずしも有さなくてもよい。フィルム部材９１が開口９１ａを有していない場合には、たとえば、シート部材９２とフィルム部材９１との両方に貫通するミシン目又は切込みを形成しておけばよい。

　（他の収納容器への適用）
　本開示に係る容器ホルダーは、様々な形状の収納容器に適用することができる。そのことを図１０により説明する。図１０は、本開示の他の一実施形態に係る容器ホルダーを説明するための図である。

　参照番号１０Ａに示す図において、収納容器１０は、従来公知の収納容器の一例である。収納容器１０は、軟包材容器であって、底マチを有しており、上端の角部に排出部１０ａが取り付けられている。排出部１０ａは、スパウトのような樹脂成型品であってよく、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。収納容器１０に好適な容器ホルダーの例示を、参照番号１０Ｂ、１０Ｃに示す。

　参照番号１０Ｂに示す図において容器ホルダー１１は、フィルム延在部３０と同様のフィルム延在部１２と、開口１２ａとを有する。開口１２ａは、収納容器１０の排出部１０ａに対応する位置に設けられている。例えば、開口１２ａは、フィルム延在部３０を容器ホルダー１１の天面の全面に形成した後に、収納容器１０の排出部１０ａに対応する位置に開口１２ａが形成されるようにフィルム延在部３０の一部を開孔することで得ることができる。

　参照番号１０Ｃに示す図において、本開示に係る容器ホルダー１３は、上述の係止部６０と同様の係止部１４を有する。係止部１４は、フィルム延在部３０により周縁が固定されている。係止部１４は開口１４ａを有し、その開口１４ａの周縁には延伸部１４ｂが設けられている。係止部６０と同様に、延伸部１４ｂにおいて収納容器１０の排出部１０ａを係止する。また容器ホルダー１３は、係止部１４に代えて、図２を参照して説明した係止部３に係る構成を適用することもできる。

　このように、本開示の一実施形態に係る容器ホルダーは、収納容器の形状に応じて製造できるため、様々な形状の収納容器に適用できる。例えば係る容器ホルダーは、シャンプー、リンスなどの容器として使用されるシャンプーディスペンサー（シャンプーボトル）にも好適に適用することができる。

　（上面部材の装着）
　容器ホルダー１は、その上面に上面部材が装着されてよく、その構成を図１１により説明する。図１１は、上面部材が装着された容器ホルダーを説明する図であり、具体的には、タックラベルが装着された容器ホルダーを説明する図である。なお、図１と同様の構成については、その説明を繰り返さない。

　参照番号１１Ａに示す図を参照して容器ホルダー１は、上面部材１１０を有してよい。ここでの上面部材１１０は、タックラベルであり、具体的には、予め原紙の裏面に接着剤が加工されたシール用ラベルである。上面部材１１０は、表面に印刷することで簡単にラベリングすることができる。上面部材１１０は、加熱し接着剤を活性化させてラベリングするタイプ、ラベルが２層になったタイプなど、適宜に選択されてよい。

　上面部材１１０は、収納容器２０の排出部２１が挿入される開口を有する。上面部材１１０は、容器ホルダー１の上面と同形状、同サイズの外形を有してよい。参照番号１１Ｂに示す図を参照して、容器ホルダー１の上面には上面部材１１０が装着されており、その状態で、図中の（Ｂ）に示す方向から収納容器２０にノズルヘッド２５が取り付けられる。

　以下、上面部材１１０の種々の装着形態を説明する。例えば図３においては、容器ホルダー１が上面にフィルム延在部３０を有する構成を説明したが、このような構成においては、上面部材１１０はフィルム延在部３０のみに装着されてもよく、係止部３のみに装着されてもよく、その両方に装着されてもよい。

　図５においては、シート部材２の第１端部からシート部材２の径方向に延びる、係止部５１ａ及び係止部５１ｂと重畳し、係止部５１ａ及び係止部５１ｂを固定するフィルム延在部３０を有する容器ホルダーの構成を説明した。このような構成においては、上面部材１１０は係止部５１ａ及び係止部５１ｂのみに装着されてもよく、フィルム延在部３０のみに装着されてもよく、フィルム延在部３０および係止部５１ａ,５１ｂの両方に装着されてもよい。

　容器ホルダー１は、上面に上面部材１１０を有することにより、以下の種々の効果を奏することができる。例えば、図３に示すように、本開示に係る容器ホルダー１がその上面にフィルム延在部３０を有し、フィルム延在部３０がＰＥＴフィルムである場合を考える。このとき、ＰＥＴフィルムは硬質であるため、容器ホルダー１に収納容器２０を着脱するときに収納容器２０とＰＥＴフィルムとが擦れ、干渉音を発生させる。そこで、容器ホルダー１に上面部材１１０を装着することにより、フィルム延在部３０の材質に拘わらず、その干渉音を軽減することができる。この干渉音を軽減する効果は、係止部（係止部３,５１ａ等）に上面部材１１０を装着する場合も同様である。

　さらに、別の効果として、容器ホルダー１がその上面に上面部材１１０を有することにより、上面補強材としての機能を上面部材１１０に持たせ、容器ホルダー１の強度を高めることができる。また、容器ホルダー１に物が落下したときにも、上面部材１１０は、容器ホルダー１を保護することができる。

　上記の説明では、上面部材１１０がタックラベルである場合の構成を説明した。しかしながら、上面部材１１０は、フィルム延在部及び／又は係止部に接着剤等を介して装着される天面部材であってよい。天面部材は、合成樹脂、紙、合成紙、又は、それらの積層体であってよい。天面部材は、肉厚が３０μｍ～３００μｍであってよい。天面部材は、一方の主面に接着剤を塗工し、その接着剤の表面にフィルム延在部及び／又は係止部が貼り合わされる。あるいは、フィルム延在部及び／又は係止部に接着剤を塗工し、その接着剤の表面に天面部材の一方の主面が貼り合わされる。これらの構成においても、タックラベル１１０を装着したときと同様の効果を得ることができる。

　（フィルム延在部の変形例）
　次に、フィルム延在部の変形例を図１２により説明する。図１２は、フィルム延在部の変形例を説明するための図である。図１２では、マンドレルＭの軸心方向において、シート部材２よりも長く、シート部材２の第１端部から突き出たフィルム部材５が熱収縮する構成を説明した。この構成と同様に図１２Ａに示す図では、マンドレルＭの軸心方向において、シート部材２よりも長く、シート部材２の第１端部から突き出たフィルム部材５が熱収縮した後の様子を示す。このとき、マンドレルＭの上端部は上方に向かうほど幅狭となる階段状に形成されており、フィルム延在部５ａは、マンドレルＭの上端部の形状に追従して階段状に形成される。

　次に、参照番号１２Ｂに示す図を参照して、フィルム延在部５ａは、シート部材２の収容空間７の内部の方向に向けて突出している。具体的に、熱収縮した直後のフィルム延在部５ａは、シート部材２の収容空間７と反対方向に突出していたが（参照番号１２Ａに示す図）、参照番号１２Ｂに示す図では、フィルム延在部５ａは、シート部材２の収容空間７の内部の方向に反転している。例えば、マンドレルＭがシート部材２から外されるときにマンドレルＭの移動に伴って、又は、シート部材２の収容空間７の内部の方向にフィルム延在部５ａが押下されることで、シート部材２の収容空間７の内部の方向にフィルム延在部５ａを反転させることができる。このように、本開示の一実施形態に係る容器ホルダーでは、フィルム延在部５ａが延びる方向を、シート部材２の収容空間７の内部の方向とシート部材２の収容空間７の内部とは反対の方向との間で反転させることができる。

　次に、参照番号１２Ｃに示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー１２０を示す。容器ホルダー１２０は、階段状に形成されたフィルム延在部５ａを有する。フィルム延在部５ａは、シート部材２の収容空間７の内部の方向に突出している。

　容器ホルダー１２０には収納容器２０が収容されている。収納容器２０において、排出部２１はフランジ２１ａと一体化されている。排出部２１及びフランジ２１ａは、射出成形等により成形された樹脂成型品であってよく、フランジ２１ａは剛性を有する。フランジ２１ａは、その上面が収納容器２０の本体内側に接着し、収納容器２０の本体と一体化している。フランジ２１ａは、排出部２１と同じ材質（例えば、ＰＥＴ樹脂製）で形成されてよい。また、図示する収納容器２０は、上方に向かって突出する天マチシール部２０ａを有する。

　このような収納容器２０では、フランジ２１ａは、天マチシール部２０ａよりも低い位置に止まりうる。この点、容器ホルダー１２０は、フィルム延在部５ａがシート部材２の収容空間７の内部の方向に突出しており、フィルム延在部５ａとフランジ２１ａとの距離を短く保つことができる。これにより、容器ホルダー１２０は、ノズルヘッド２５を最後まで巻き締めやすくなるという効果を奏する。例えば、天マチシール部２０ａを有する収納容器２０に対して使用する場合、容器ホルダー１２０は、図１の参照番号１００に示す容器ホルダー１と比較すると、ノズルヘッド２５を最後まで巻き締めやすいと言える。

　以上、フィルム部材５が階段状のフィルム延在部５ａを有する場合を例に説明した。本開示に係る容器ホルダーでは、シート部材２が、シート部材２の第２端部から延びる階段状のシート延在部を有してもよい。その場合においても、階段状のフィルム延在部５ａによる前記した効果を奏することができる。なお、フィルム部材５のみが階段状のフィルム延在部を有する方が、フィルム延在部を反転させやすく、また、フィルム延在部も形成しやすい。

　また、フィルム延在部及び／又はシート延在部は、階段状に限定されず、錐台状、半球状又はそれに類似した凸状など、他の形状により構成されてよい。いずれの形状においても、フィルム延在部及び／又はシート延在部が突出する方向を、シート部材２の収容空間７の内部の方向とシート部材２の収容空間７の内部とは反対の方向との間で反転可能であり、前述の効果を奏することができる。

　さらに、フィルム延在部及び／又はシート延在部は、シート部材２の収容空間７とは反対の方向に突出してもよい。つまり、フィルム延在部及び／又はシート延在部は、シート部材２の収容空間７の内部の方向、及び、シート部材２の収容空間７とは反対の方向の何れの方向に突出してもよい。また、フィルム延在部及び／又はシート延在部が突出する方向は、前記反転によって定まるだけではなく、例えば収納容器２０の形状に応じて、容器ホルダーが製造された当初から一定の方向に定められていてもよい。一例として、フィルム延在部５ａは、シュリンクラベルの熱収縮時に加熱治具等によって押し込まれることにより、内向きに突出することができる。

　さらに、本開示の技術的範囲は、前述の種々の容器ホルダーに加え、容器ホルダーセットも含む。容器ホルダーセットは、収納容器に使用されるキャップと、容器ホルダーと、を含む。

　さらに、本開示に係る容器ホルダーの製造方法は、シート部材を筒状に形成する工程と、シート部材の外壁面、及び、シート部材の一方の端部からシート部材の径方向に、シュリンクラベル又はストレッチラベルにより構成されるフィルム部材を装着する工程と、を含む。

　前記の工程を含むことにより、本開示に係る容器ホルダーの製造方法は、様々な形状の収納容器に対して適用可能な容器ホルダーを容易に製造することができる。

　〔まとめ〕
　本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、を備え、前記収納容器を着脱可能に係止する。

　前記の構成によれば、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、従来の容器ホルダーのように射出成型で製造する必要が無いため、フィルム部材（例えば、樹脂製）の使用量を軽減できる。加えて、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納容器を着脱可能に係止する。このため、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納容器の着脱によりシート部材又はフィルム部材を不可逆に破損する必要が無く、シート部材又はフィルム部材を繰り返し使用できる。この点においても、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、フィルム部材の使用量をさらに軽減できる。また、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、シート部材及び／又はフィルム部材の部材として、再生材を使用することもできる。こういった効果は、世界的な潮流であるＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）が求める持続循環経済に沿うものであり、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、プラスチックごみの削減に大きく貢献することもできる。

　本開示の態様２に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記フィルム部材が、前記シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延びるフィルム延在部を有する。この構成によれば、本開示の態様２に係る容器ホルダーは、収納容器を係止するための別部材を用いることなく、フィルム延在部によって収納容器を係止することができる。それゆえ、本開示の態様２に係る容器ホルダーは、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点で有利である。また、本開示の態様２に係る容器ホルダーは、フィルム延在部を有することにより、筒状またはその一部をなすシート部材の外形を良好に保持することができる。

　本開示の態様３に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記シート部材は、該シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記収納容器を係止する係止部を有する。この構成によれば、本開示の態様３に係る容器ホルダーは、収納容器を係止するための別部材を用いることなく、シート部材が係止部を有することにより、収納容器を係止することができる。それゆえ、本開示の態様３に係る容器ホルダーは、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点で有利である。

　本開示の態様４に係る容器ホルダーは、前記の態様３において、前記フィルム部材が、前記一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記係止部に重畳するフィルム延在部を有する。この構成によれば、本開示の態様４に係る容器ホルダーでは、フィルム延在部が係止部に重畳することにより、係止部を固定する。これにより、本開示の態様４に係る容器ホルダーは、収納容器をより強固に係止することができる。

　本開示の態様５に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記シート部材の一方の端部に位置し、前記収容空間を画定する上面の一部となる、前記収納容器を係止する係止部を備え、前記フィルム部材は、前記一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記係止部を前記シート部材に固定するフィルム延在部を有する。この構成によれば、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、シート部材の一方の端部に位置する係止部により収納容器を係止することもできる。このとき、フィルム延在部が係止部をシート部材に固定する。これにより、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、収納容器をより強固に係止することができる。

　本開示の態様６に係る容器ホルダーは、前記の態様３から５の何れかにおいて、前記収納容器が、排出部を有しており、前記係止部は、前記排出部が挿入される開口を有する。この構成によれば、本開示の態様６に係る容器ホルダーでは、係止部が開口を有することにより、その開口によって収納容器の排出部を係止することができる。

　本開示の態様７に係る容器ホルダーは、前記の態様６において、前記開口の周縁は、前記開口の中央に向かって延伸し、屈曲可能な１以上の延伸部を有する。この構成によれば、本開示の態様７に係る容器ホルダーは、係止部の開口の周縁に、屈曲可能な１以上の延伸部を有する。その開口に収納容器の排出部が挿入されることにより、本開示の態様７に係る容器ホルダーは、収納容器をより強固に係止することができる。

　本開示の態様８に係る容器ホルダーは、前記の態様３から５の何れかにおいて、前記収納容器が、排出部を有しており、前記係止部は、前記排出部を係止する切欠部を有する。この構成によれば、本開示の態様８に係る容器ホルダーでは、係止部が排出部を係止する切欠部を有することによっても、収納容器をより強固に係止することができる。このように、本開示に係る容器ホルダーは、様々な構成により、収納容器を強固に係止することができる。

　本開示の態様９に係る容器ホルダーは、前記の態様１から８の何れかにおいて、前記フィルム部材が取り外されることにより、前記シート部材は扁平状に変形可能である。この構成によれば、本開示の態様９に係る容器ホルダーでは、シート部材が筒状から扁平状に変化可能であるため、シートの再利用を図ることができ、さらに、容器ホルダーを廃棄するときの廃棄物の少量化を実現することができる。

　＜実施の形態２＞
　以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した図を参照しながら詳細に説明する。まず、本開示の一実施形態に係る容器ホルダーの適用例は、実施の形態１と同様であるため、その説明は繰り返さない。以下、容器ホルダー１３０の詳細を、図１３を参照して説明する。

　（容器ホルダーとその製造方法）
　図１３は、容器ホルダー１３０の構成と、容器ホルダー１３０の製造方法を説明するための図である。図１３を参照しながら最初に概略を説明すれば、容器ホルダー１３０は、収納容器２０を収容するための収容空間７を有する、筒状またはその一部をなすシート部材２と、シート部材２の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材５と、を備える。筒状に形成されたシート部材２の軸方向における一対の端部２ａ,２ｂが有する径寸法が互いに異なっている点で、実施の形態１と相違する。以下実施の形態１と相違する点について詳細に説明し、一致する点については説明を繰り返さない場合がある。

　本開示の形態の説明を容易とするために、参照番号１３Ａに示す図において、シート部材２のうち、筒状形状の長軸方向（筒状のシート部材２の軸方向）における、収納容器２０の排出部２１が位置する側の端部を「端部２ａ」と称し、端部２ａと反対側の端部を「端部２ｂ」と称する。

　参照番号１３Ａに示す図において、シート部材２の端部２ａには、端部２ａから下方に向かって延びる切込み部４が形成されている。切込み部４は１箇所でもよいが、好ましくは、筒状となるシート部材２の周方向に間隔を開けて複数形成される。シート部材２のうち、切込み部４が形成された領域（シート部材２の上側の端部２ａから切込み部４の下端までの領域。以下、「可変領域」と称する。）が、フィルム部材５の収縮力によってシート部材２の内側の方向に傾斜する領域である。以下の説明では、切込み部４は、複数形成されているものとする。

　切込み部４は、シート部材２の端部２ａから下方に向かって延びていればよい。切込み部４は、端部２ａから上下方向に対して傾斜しつつ下方に延びて形成されていてよい。切込み部４は、直線状、弧状、又はジグザグ状などの非直線状に延びて形成されていてもよい。図示の例では、切込み部４は、切込み部４の下端に向かって切込み部４の幅が漸減する、細長い略Ｖ字状に形成されている。Ｖ字形状を構成する２つの稜線について、互いのなす角度は特定の角度に限定されない。例えば、互いのなす角度を２～３度に設定した場合には、容器ホルダー１が平面（床、テーブルなど）に対して垂直に立設して見えるなどの視覚的効果が得られる。収納容器２０の形状に応じて端部２ａの径寸法を設定することもできる。これにより、容器ホルダー１は、縮径部６（詳細は後述）における縮径の割合（縮径率）を調整することができる。

　切込み部４の先端部は、図示するように鋭角に形成されていてもよいが、円弧状のような丸みを帯びた形状で形成されてもよく、それにより、切込み部４の先端からシート部材２が不用意に裂けるといった事態を低減することができる。

　複数の切込み部４は周方向において均等な間隔で形成されていてもよく、あるいは、不均等な間隔で形成されていてもよい。可変領域が略均一に傾斜することから、複数の切込み部４は、図示例のように、周方向において均等な間隔で形成されていることが好ましい。

　切込み部４の上下方向の長さは、特に限定されず、適宜設定できる。例えば、切込み部４の上下方向の長さは、シート部材２の上下方向の長さ×１／１０～シート部材２の上下方向の長さ×４／５であり、好ましくは、シート部材２の上下方向の長さ×１／８～シート部材２の上下方向の長さ×２／３である。なお、シート部材２の上下方向の長さは、端部２ａから端部２ｂまでの長さをいう。切込み部４の長さは、端部２ａから切込み部４の下端までの、上下方向と平行な直線長さをいう。

　複数の切込み部４の形成数は、特に限定されず、適宜設定できる。切込み部４の数を多くするほど、フィルム部材５の収縮力によって内側に撓みやすくなる。一方で、切込み部４の数が余りに多いと、シート部材２の取り扱い性が悪くなる。

　また、参照番号１３Ａにおける、円筒状に形成される前のシート状のシート２は、図２と同様に、端部２ａに係止部３を有している。参照番号１３Ｂに示す図は、シート部材２が、その両端同士を接合され、筒状に形成された後の様子を示す。具体的には、シート部材２は、その一端の内面と他端の外面とが、接着剤又は溶着によって接合（センターシール）されている（センターシールされている様子を、図中の参照番号９で示す）。

　参照番号１３Ｃに示す図は、筒状に形成されたシート部材２が挿入されるマンドレルＭ（芯）を示す。ここでのマンドレルＭは、マンドレルＭの長軸方向における一対の端部が有する径寸法が互いに異なる。具体的には、マンドレルＭは、上側の端部は下側の端部よりも径寸法が小さく、テーパ状に形成されている。

　参照番号１３Ｄに示す図は、筒状に形成されたシート部材２の収容空間７にマンドレルＭが挿入される様子を示す。参照番号１３Ｅに示す図は、フィルム部材５が、マンドレルＭに挿入されたシート部材２に被せられる様子を示しており、フィルム部材５がシート部材２の外壁面（側面）に装着されている。なお、以下の説明では、実施の形態１と同様に、フィルム部材５はシュリンクラベルであるものとして説明する。

　参照番号１３Ｆに示す図は、フィルム部材５を熱収縮させた後の、容器ホルダー１３０が完成した様子を示す。図示の例において、容器ホルダー１３０は、熱収縮したフィルム部材５がシート部材２の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材５が容器ホルダー１３０の上面（天面）の一部を形成している。容器ホルダー１３０は、フィルム部材５を熱収縮させることにより、シート部材２の外形を保持することができる。

　図１３に示すように、容器ホルダー１３０は、筒状の容器ホルダー１３０（又は、シート部材２）の軸方向における一対の端部が有する径寸法は互いに異なる。これは、シート部材２の上側の端部２ａから切込み部４の下端までの可変領域がフィルム部材５の収縮力によってシート部材２の内側方向に傾斜したことによる。図中の縮径部６は、筒状の容器ホルダー１３０（又は、シート部材２）の軸方向における、容器ホルダー１３０の一対の端部間において径寸法が漸次縮径する領域を示す。なお、縮径部６は、必ずしも漸次縮径する必要はなく、段階的に縮径してもよい。その構成については後述する。

　容器ホルダー１３０の下面は、シート部材２及びフィルム部材５が存在しておらず、収納容器２０を収容するために開口している。但し、容器ホルダー１３０に収納容器２０を着脱可能とする限りにおいて、容器ホルダー１３０の下面は、シート部材２又はフィルム部材５が折れ曲がってなる折れ曲り部を有していてもよい。

　（容器ホルダーの積み重ね）
　次に、容器ホルダー１が積み重ねされる様子を図１４により説明する。図１４は、複数の容器ホルダー１３０が積み重ねられた様子を示す。

　上述したように、容器ホルダー１３０は、容器ホルダー１３０の軸方向における、容器ホルダー１の一対の端部間において径寸法が漸次縮径する縮径部６を有する。つまり、容器ホルダー１３０の内部に形成された収容空間７は、上部側が下部側よりも径寸法が小さく形成されている。従って、２つの容器ホルダー１３０を上下方向に積み重ねた場合、下側の容器ホルダー１３０の外径と上側の容器ホルダー１３０の内径が一致するまで、下側の容器ホルダー１３０を上側の容器ホルダー１３０の収容空間７の内部に挿入することができる。図示の例では、８つの容器ホルダー１３０が積み重ねられているが、当然に、さらに複数の容器ホルダー１３０を積み重ねることができる。

　この構成によれば、容器ホルダー１３０は以下の効果を奏する。すなわち、従来の容器ホルダーは積み重ねができなかったため、複数の容器ホルダーを収納又は運搬するときに、横に並べて収納又は運搬する必要があった。このため、従来の容器ホルダーは、収納効率及び運搬効率に改善の余地があった。これに対して、本開示に係る容器ホルダー１３０は、縦（高さ）方向に積み重ねることができる。これにより、容器ホルダー１３０は、複数の容器ホルダー１を縦（高さ）方向に積み重ねて収納及び運搬できるため、重ねた容器ホルダーの数量だけ収納効率及び運搬効率を高めることができる。その他、容器ホルダー１３０が奏する種々の効果は、実施の形態１の各ホルダーと同様である。

　（切り込み部の形状）
　次に、熱収縮後の切込み部の様子を図１５により説明する。図１５は、フィルム部材５の収縮力によって、マンドレルの外面に沿う方向に傾斜したシート部材２を上面視した図である。

　参照番号１５Ａに示す図を参照して、フィルム部材５の収縮力によってマンドレルＭの方向にシート部材２が傾斜したときに、切込み部４のＶ字形状を構成する２つの縁部は互いに当接し、これにより当接部４ａが形成されている。参照番号１５Ｂに示す図を参照して、フィルム部材５の収縮力によってマンドレルＭの方向にシート部材２が傾斜したときに、切込み部４のＶ字形状を構成する２つの縁部は互いに当接することなく離間し、離間部４ｂが形成されている。参照番号１５Ｃに示す図を参照して、フィルム部材５の収縮力によってマンドレル１０の方向にシート部材２が傾斜したときに、切込み部４のＶ字形状を構成する２つの縁部は交差し、シート部材２が重畳する重畳部４ｃが形成されている。

　図１５に示す各構成によれば、切込み部４は、必ずしも、細長いＶ字形状を構成していた２つの縁部が互いに当接するような高い精度で形成される必要はなく、離間部４ｂ又は重畳部４ｃが形成される精度で形成されてよい。いずれの構成においても、容器ホルダー１３０は、上記の種々の効果を奏することができる。このことは、切込み部４が直線状、弧状、又はジグザグ状などの非直線状に延びて形成されている場合も同様である。

　（縮径率の変化）
　次に、本開示に係る容器ホルダーが２段階で傾斜する構成について、図１６を参照して説明する。図１６は、容器ホルダー１６０の断面図であって、その側面が２段階で傾斜する構成を示す。

　図１６において、端部１６ａは、容器ホルダー１６０の上端を示す。端部１６ｂは、容器ホルダー１６０の下端を示す。中間部１６ｃは、容器ホルダー１６０における、切込み部４（不図示）の下端に対応する位置を示す。Ｌ１は、容器ホルダー１６０の端部１６ａに対応する上辺を示す。Ｌ２は、容器ホルダー１６０の端部１６ｂに対応する下辺を示す。Ｌ３は、容器ホルダー１６０の中間部１６ｃに対応する中間辺を示す。Ｌ４は、端部１６ａと中間部１６ｃとを結ぶ側面に対応する一辺を示す。Ｌ５は、端部１６ｂと中間部１６ｃとを結ぶ側面に対応する一辺を示す。θ１は、Ｌ１とＬ４とのなす角度を示す。θ２は、Ｌ３とＬ５とのなす角度を示す。

　このとき、θ１＞θ２、θ１＞９１°、θ２＜９１°、θ２＝９０．５°～９１°という角度で設定されてよい。θ１＞θ２は、容器ホルダー１６０が、端部１６ａと端部１６ｂとの間において径寸法が縮径すると共に、その径寸法の縮径する割合（縮径率）が変化する構成を備えることを示す。θ１は、収納容器２０の形状に応じて端部１６ａの径寸法を設定することにより、適宜の角度に設定することができる。θ２は９０°より僅かに大きく設定されてよく、それにより、複数の容器ホルダー１６０を積み重ねることができる。また、θ２が９０°より僅かに大きく設定されることにより、容器ホルダー１６０は略直胴に形成され、複数の容器ホルダー１６０をコンパクトに積み重ねることができる。

　シート部材２の切込み部４（不図示）は、シート部材２の端部２ａから端部２ｂに至るまで形成する必要はない。切込み部４は、例えば、シート部材２の端部２ａから、シート部材２がマンドレルＭに挿入されたときに、マンドレルＭの中間径に対応するシート部材２の位置に至るまでの領域において形成されればよい。このように切込み部４を形成することにより、シート部材２の取り扱い時（例えば、搬送時）にシート部材２の破損（ちぎれ、など）を軽減することができる。

　さらに容器ホルダー１６０は、上方側と下方側とで形状が相違してもよい。例えば、容器ホルダー１６０は、端部１６ａにおける径形状を多角形（例えば、六角形）、端部１６ｂにおける径形状を円形とすることができる。収納容器２０の形状に応じて切込み部４の形状を変化させることにより、上方側の形状を所望の形状とすることができる。一例として、端部１６ａにおける径形状を六角形とする場合には、切欠き部４は、六角形の頂点の数６に合わせて６つ形成される。あるいは、予めシート部材２に折り罫線等を入れておくことにより、切欠き部４の数を例えば２つにしたうえで、端部１６ａにおける径形状を六角形とすることもできる。

　以上のように、容器ホルダー１６０（又は、縮径部６）は、一対の端部間において径寸法が縮径すると共に、その径寸法の縮径する割合（縮径率）が変化する構成を備えることができる。さらに、容器ホルダー１６０は、切込み部４の形状を適宜調整することにより、縮径率を、２段階ではなく、多段階（３段階以上）で変化させることもできる。

　また、容器ホルダー１６０は、上方側と下方側とで形状を変化させることもできるため、収納容器２０の形状に応じて、バラエティ豊かな容器デザインを提供することができる。

　（容器ホルダーの変形例）
　本開示の一実施形態に係る、積み重ね可能な容器ホルダーは、上述した容器ホルダー１３０,１６０と異なる形状を有してもよく、そのことを図１７により説明する。図１７は、他の積み重ね可能な容器ホルダーの概略構成図である。

　図１７を参照して、容器ホルダー１７０は、収納容器２０を収容するための収容空間７を有する、筒状をなすシート部材１８と、シート部材１８の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材５と、を備える。また、容器ホルダー１７０では、シート部材１８の軸方向における一対の端部（上側の端部１７ａ、下側の端部１７ｂ）が有する径寸法は互いに異なる。上側の端部１７ａは、下側の端部１７ｂよりも径寸法が小さい。容器ホルダー１７０は、限定されないが、図２を参照して説明した係止部３を備えてよい。

　容器ホルダー１７０は、端部１７ａと端部１７ｂとの間において径寸法が、漸次的ではなく段階的に縮径する、小径部１７ｃ及び大径部１７ｄを有する。具体的に、小径部１７ｃ及び大径部１７ｄは、段階部１７において径寸法が段階的に縮径する。小径部１７ｃは端部１７ａと略同径の筒状であり、大径部１７ｄは端部１７ｂと略同径の筒状である。

　シート部材１８は、小径部１７ｃに対応するシート部材１８ｃと、大径部１７ｄに対応するシート部材１８ｄとで構成される。フィルム部材５は、シート部材１８のうちシート部材１８ｃの外壁面に装着される。

　容器ホルダー１７０は、前記の構成を備えることにより、筒状に形成されたときに、端部１７ａと端部１７ｂとの間において径寸法が段階的に縮径する、小径部１７ｃ及び大径部１７ｄを有する。これにより、容器ホルダー１７０の内部に形成された収容空間７は、小径部１７ｃ側が大径部１７ｄ側よりも径寸法が小さくなる。従って、２つの容器ホルダー１７０を上下方向に積み重ねたときに、下側の容器ホルダー１７０の上部部分を、上側の容器ホルダー１７０の大径部１７ｄに対応する収容空間７内に挿入することができる。

　前記の構成によれば、容器ホルダー１７０は以下の効果を奏する。すなわち、従来の容器ホルダーは積み重ねができなかったため、複数の容器ホルダーを収納又は運搬するときに、横に並べて収納又は運搬する必要があった。このため、従来の容器ホルダーは、収納効率及び運搬効率に改善の余地があった。

　これに対して、本開示に係る容器ホルダー１７０は、縦（高さ）方向に積み重ねることができる。これにより、本開示に係る容器ホルダー１７０は、複数の容器ホルダー１７０を縦（高さ）方向に積み重ねて収納及び運搬でき、重ねた容器ホルダーの数量だけ収納効率及び運搬効率を高めることができる。その他、容器ホルダー１８０が奏する種々の効果は、実施の形態１の各ホルダーと同様である。

　そのほかのシート部材の変形例、収納容器の係止方法の変形例、収納容器の係止方法の他の構成、収納容器の好ましい着脱構造、取手構造、他の収納容器への適用、上面部材の装着の態様、およびそれらの効果については、図４～図１１を用いて説明した内容と同様であるため、その説明は繰り返さない。

　〔まとめ〕
　本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、を備え、前記シート部材の軸方向における一対の端部が有する径寸法は互いに異なる。前記の構成によれば、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、縦（高さ）方向に積み重ねることができるため、複数の容器ホルダーを縦（高さ）方向に積み重ねて収納及び運搬でき、その結果、収納効率及び運搬効率を格段に高めることができる。

　本開示の態様２に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記一対の端部間において径寸法が漸次縮径する縮径部を有する。本開示の態様３に係る容器ホルダーでは、前記の態様２において、前記縮径部は、径寸法の縮径する割合が変化する。

　本開示の態様４に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記一対の端部間において径寸法が段階的に縮径する縮径部を有する。前記の構成によれば、本開示の態様２～４に係る容器ホルダーは、縦（高さ）方向に積み重ねることができるため、複数の容器ホルダーを縦（高さ）方向に積み重ねて収納及び運搬でき、その結果、収納効率及び運搬効率を格段に高めることができる。

　本開示の態様４に係る容器ホルダーは、前記の態様１から３の何れかにおいて、前記シート部材が、前記一対の端部をなす一方の端部から他方の端部に向かって伸びる切込み部を有する。前記の構成によれば、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、フィルム部材の収縮力（又は、伸縮力）によってシート部材を内側に傾斜させやすくなり、収納効率及び運搬効率の高い容器ホルダーを提供することができる。

　本開示の態様６に係る容器ホルダーは、前記の態様５において、前記切込み部が、筒状またはその一部の前記シート部材の周方向に間隔を開けて複数設けられている。前記の構成によれば、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、シート部材を略均等にシート部材の内側の方向に傾斜させることができる。

　本開示の態様７に係る容器ホルダーは、前記の態様１から６の何れかにおいて、前記収納容器を着脱可能に係止する。前記の構成によれば、本開示の態様７に係る容器ホルダーは、収納容器の着脱によりシート部材又はフィルム部材を不可逆に破損する必要が無く、シート部材又はフィルム部材を繰り返し使用できる。なお、本開示の各態様に係る容器ホルダーは、シート部材及び／又はフィルム部材の部材として、再生材を使用することもできる。これにより、本開示の態様７に係る容器ホルダーは、シート部材又はフィルム部材の使用量をさらに軽減できる。

　本開示の態様８に係る容器ホルダーは、前記の態様７において、前記フィルム部材が、前記シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記収納容器を係止する。前記の構成によれば、本開示の態様８に係る容器ホルダーは、フィルム部材を熱収縮等させるという効率的かつ低コストの方法で収納容器を係止することができる。これにより、汎用性の高い容器ホルダーをさらに提供しやすくなる。また、本開示の態様８に係る容器ホルダーは、前記の構成を備えることにより、筒状またはその一部をなすシート部材の外形を良好に保持することができる。

　本開示の態様９に係る容器ホルダーは、前記の態様７において、前記シート部材が、該シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延び、前記収納容器を係止する。前記の構成によれば、本開示の態様９に係る容器ホルダーは、シート部材の形状設計という効率的かつ低コストの方法で収納容器を係止することができる。

　本開示の態様１０に係る容器ホルダーは、前記の態様７において、前記シート部材の一方の端部に位置し、前記収容空間を画定する上面の一部となる、前記収納容器を係止する係止部を有する。前記の構成によれば、本開示の態様１０に係る容器ホルダーは、シート部材の一方の端部に係止部を位置決めするという簡易な方法で収納容器を係止することができる。

　＜実施の形態３＞
以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した図を参照しながら詳細に説明する。以下実施の形態１と相違する点について詳細に説明し、一致する点については説明を繰り返さない場合がある。

　（適用例）
　理解の容易のため、最初に図１８を参照しつつ、本開示に係る容器ホルダー１８０の使用例を説明する。図１８は、本開示の他の一実施形態に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。図１８において、参照番号１８Ａ、１８Ｂに示す図は、容器ホルダー１８０が突出部１８０ａを有すること以外は、図１の参照番号１Ａ、１Ｂに示す図と同様であるため、その説明は繰り返さない。具体的には、容器ホルダー１８０は、その胴体に突出部１８０ａを有する点で、実施の形態１と相違し、さらに容器ホルダー１８０の胴部の外径が軸方向に変化する点でも、実施の形態１と相違する。

　参照番号１８Ｃに示す図を参照して、容器ホルダー１８０は、シート部材２、フィルム部材５、係止部３、及び突出部１８０ａを備える。詳細は後述するが、突出部１８０ａは、容器ホルダー１８０の外壁面を形成するフィルム部材５が容器ホルダー１８０の内部方向に突出した部分である。容器ホルダー１は、ノズルヘッド２５を下方に向けて把持される。これにより、収納容器２０から収納物が排出される。このとき、ユーザは、突出部１８０ａに指を掛けつつ、あるいは、突出部１８０ａによって収納容器２０の胴体部に形成された「くびれ」に掌を合わせて、容器ホルダー１８０を把持し、収納容器２０から収納物を排出することができる。

　（容器ホルダーとその製造方法）
　次に、容器ホルダー１８０の詳細を、図１９を参照して説明する。図１９は、容器ホルダー１８０の構成と、容器ホルダー１８０の製造方法を説明するための図である。

　参照番号１９Ａに示す図は、容器ホルダー１８０の構成部材であって、筒状に形成される前の扁平状のシート部材２を示している。シート部材２は、窓開き部２ｗ（開口）を有する。図示の例では、窓開き部２ｗは、筒状形状の長軸方向に沿ってスリット状に形成されている。窓開き部２ｗは、筒状のシート部材２の周方向に形成されてもよい。窓開き部２ｗは、筒状のシート部材２の軸方向及び周方向とは異なる方向に形成されてもよい。

　窓開き部２ｗは、１つ以上形成されてよい。窓開き部２ｗの形状は、特に限定されず、例えば、紡錘形状（楕円形状を含む）、円形、矩形、三角形などであってよい。

　窓開き部２ｗの長さは、余りに短いとフィルム部材５の突出部１８０ａが内部方向に大きく膨らまなくなる可能性があるため、通常、１０ｍｍ以上、好ましくは２０ｍｍ以上、より好ましくは３０ｍｍ以上に形成される。また、窓開き部２ｗが余りに長すぎると、フィルム部材５の収縮応力によって、筒状のシート部材２が大きく歪むなどの不都合を生じる場合もあるため、窓開き部２ｗの長さは、好ましくは１００ｍｍ以下、より好ましくは６０ｍｍ以下に形成される。

　参照番号１９Ｂ～１９Ｅに示す図は、シート部材２が窓開き部２ｗを有すること以外、図２の参照番号２Ｂ～２Ｅに示す図と同様であるため、その説明は繰り返さない。なお、以下の説明では、実施の形態１と同様に、フィルム部材５はシュリンクラベルであるものとして説明する。

　参照番号１９Ｆに示す図は、フィルム部材５を熱収縮させた後の、容器ホルダー１８０が完成した様子を示す。図示の例において、容器ホルダー１８０は、熱収縮したフィルム部材５がシート部材２の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材５が容器ホルダー１８０の上面（天面）の一部を形成している。容器ホルダー１８０は、フィルム部材５を熱収縮させることにより、シート部材２の外形を保持することができる。特に、突出部１８０ａにおいては、シート部材２５の窓開き部２ｗに対応する位置のフィルム部材５が、容器ホルダー１の内側に窪むように構成されている。

　容器ホルダー１の下面は、シート部材２及びフィルム部材５が存在しておらず、収納容器２０を収容するために開口している。但し、容器ホルダー１に収納容器２０を着脱可能とする限りにおいて、容器ホルダー１の下面は、シート部材２又はフィルム部材５が折れ曲がってなる折れ曲り部を有していてもよい。

　（容器ホルダーの把持性）
　上述のように、突出部１８０ａは、フィルム部材５がシート部材２の窓開き部２ｗにおいてシート部材２の内部方向へ突出してなる。つまり、容器ホルダー１８０は、その表面が突出部１８０ａにおいて内側に窪んでいる。

　突出部１８０ａは、窓開き部２ｗの開口面積及び形状によって、その形状及び突出の程度を調整することができる。例えば、窓開き部２ｗの開口面積を大きくすると、突出部１８０ａは、筒状のシート部材２の内部方向（径方向内側）へ大きく突出する。

　前記の構成によれば、突出部１８０ａでは、フィルム部材５が容器ホルダー１８０の内部方向へ突出する。これにより、ユーザは、その突出部１８０ａに指を掛けて容器ホルダー１８０を把持できるため、容器ホルダー１８０の把持性の高さを実感できる。さらに、ユーザは、シュリンクラベル又はストレッチラベルから構成されるフィルム部材５に指を掛けることになり、フィルム部材５の手触りの良さを実感できる。加えて、シート部材２の窓開き部２ｗに対向するフィルム部材５の表面に滑り止め印刷等をしておくことにより、突出部１８０ａを把持する際の把持性（滑りにくさ）がさらに向上する。

　また、窓開き部２ｗを画定する窓開き部２ｗのエッジ部がフィルム部材５（シュリンクラベル等）で保護されるため、ユーザは、シュリンクラベルを介して窓開き部２ｗに指を掛けることになる。そのため、シュリンクラベルを介さずに窓開き部２ｗに直接指が掛けられる場合と比べると、窓開き部２ｗのエッジ部を直接触ることにより生じうる痛みを低減できる。

　加えて、突出部１８０ａがシート部材２の収容空間７に収容された収納容器２０と当接している場合には、突出部１８０ａは、収納容器２０を所定の位置に保持すると共に、容器ホルダー１８０が落下したときなどに収納容器２０に対して加わる衝撃を緩衝することもできる。

　また、容器ホルダー１８０は、次のような効果も有する。具体的に、従来の容器ホルダーは、形状に応じた金型を必要としていた。これに対して、容器ホルダー１は、シート部材２の所望の位置に窓開き部２ｗを形成し、シート部材２の外壁面にフィルム部材５を装着するだけで、上記所望の位置に対応する、容器ホルダー１８０の所定の位置にくびれを形成することができる。つまり、容器ホルダー１は、容器ホルダー１８０を所望の異形状とすることもできる。

　また、容器ホルダー１８０は、フィルム部材５が容器ホルダー１８０の内部方向に突出した突出部を有する。これにより、容器ホルダー１８０ではシート部材２とフィルム部材５とがより強固に密着し、容器ホルダー１８０の外形はより維持されやすくなる。その他、容器ホルダー１８０が奏する種々の効果は、実施の形態１の各ホルダーと同様である。

　（突出部の変形例）
　次に、本開示に係る容器ホルダーの突出部の変形例の一例を図２０により説明する。図２０は、突出部の変形例を説明するための図である。

　参照番号２０Ａに示す図を参照して、容器ホルダー１８０は、例えば突出部１８０ｂを有することができる。突出部１８０ｂは、筒状のフィルム部材５の軸方向に沿って延在しており、また、筒状のフィルム部材５の両端部（図中上下方向の上端および下端）の間に位置する。

　図中、突出部１８０ｂは一つしか記載されていないが、複数存在してもよい。一例として、限定されないが、容器ホルダー１８０ｂは、周方向に９０度ずつ位置をずらして４つの突出部１８０ｂを有する。４つの突出部１８０ｂは、いずれも略同じ高さに形成されてよい。

　前記の構成によれば、容器ホルダー１８０は、その表面が突出部１８０ｂにおいて内側に窪む。容器ホルダー１８０は、周方向に９０度ずつ位置をずらして４つの突出部１８０ｂを有する。これにより、容器ホルダー１８０は、筒状のフィルム部材５の両端部間における胴体部を全体的に内側に窪めて、いわゆる「くびれ」を形成することができる。

　ユーザは、容器ホルダー１８０の胴体部に形成されたくびれに掌を合わせて容器ホルダー１８０を把持することにより、その把持性の高さを実感できる。ユーザは、突出部１８０ｂに直接指を掛けてもよく、その場合にも容器ホルダー１８０の把持性の高さを実感できる。さらに、ユーザは、シュリンクラベル又はストレッチラベルから構成されるフィルム部材５に指を掛けることになるため、フィルム部材５の手触りの良さを実感できる。さらに、容器ホルダー７０は、突出部１８０ｂの形状を工夫することで、指の滑りにくさを向上できる。

　また参照番号２０Ｂに示す図を参照して、容器ホルダー１８０は、例えば突出部１８０ｃを有することができる。突出部１８０ｃは、筒状のフィルム部材５の周方向に沿って延在する。突出部１８０ｃは、筒状のフィルム部材５の一方の端部の近傍に位置してよい。

　図示の例では、突出部１８０ｃは、４つ記載されているが、１つであってもよいし、任意の複数個であってもよい。図示の例では、４つの突出部１８０ｃは、その形成された位置（高さ）が互いに異なる。また、４つの突出部１８０ｃのうちの２つは、周方向における位置が互いに同じであり、他の２つと周方向における位置が互いに異なる。４つの突出部１８０ｃは、筒状のフィルム部材５の軸方向において、収納容器の排出部（不図示）が挿入される側端部寄りに形成されている。

　前記の構成によれば、突出部１８０ｃがシート部材２（不図示）の内部方向へ突出することにより、容器ホルダー７１は、その表面が突出部１８０ｃにおいて内側に窪む。これにより、突出部１８０ｂを備えるホルダー１８０が奏する効果に加え、例えば、容器ホルダー１８０が、指の位置に合わせて複数（例えば、５つ）の突出部１８０ｃを有していた場合、ユーザは、さらに容器ホルダー１８０に指を掛けやすくなる。

　なお、フィルム部材５がシュリンクラベルである場合であって、容器ホルダー１８０が周方向に熱収縮する場合、突出部は、容器ホルダー１８０の内部方向に向かって突出しやすくなる。そのため、窓開き部２ｗは、周方向にある程度の開口幅を有する形状であってよいし、周方向に長軸を有する楕円形状であってよい。

　ここで、上述の突出部の個数は特に限定されない。１つでもよいし、任意の複数個であってもよい。突出部が複数存在する場合、いずれも同じ高さに形成される必要はないし、あるいは、同じ高さに形成されてもよい。突出部の形状及び大きさは、特定の形状及び大きさに限定されない。突出部が複数存在する場合、いずれも同じ形状及び大きさに形成される必要はない。

　突出部は、筒状のフィルム部材５の両端部のうち、何れか一方の端部寄りに形成されてよし、両端部に近い位置にそれぞれ形成されてもよい。例えば、突出部（１８０ａ,１８０ｂ,１８０ｃ）が、筒状のフィルム部材５の、容器ホルダー１８０に収容される収納容器２０の底面側の端部に位置し、突出部にユーザが指を掛けて容器ホルダー１８０を把持する構成を考える。この構成においては、収納容器２０に収納される収納物の量が少ない場合には収納容器２０の底面側に収納物が偏るため、ユーザは容器ホルダー１８０を把持しやすくなる。

　また、突出部が、筒状のフィルム部材５の、容器ホルダー１８０に収容される収納容器２０の上面側の端部に位置し、突出部にユーザが指を掛けて容器ホルダー１８０を把持する構成を考える。この構成においては、収納物を排出するために収納容器２０の排出部２１を下方に傾斜させて容器ホルダー１８０を把持するとき、ユーザは、収納容器２０の排出部２１の近傍を把持することになり、排出量の調節のしやすさを実感できる。

　このように、突出部の位置に応じて、容器ホルダー１８０は、種々の効果を奏することもできる。なお、本開示に係る突出部は、当然に上述の形態に限定されず、筒状の容器ホルダーの軸方向及び周方向とは異なる方向に形成されてもよい。

　（容器ホルダーと収納容器）
　次に、本開示の一実施形態に係る容器ホルダーにより収納容器を把持する様子を説明する。図２１は、本開示に係る容器ホルダーにより収納容器が把持される様子を説明するための図である。収納容器２０は、軟包材容器であって、天マチ及び底マチを有しており、天マチの面内中央に排出部２１が取り付けられているものとする。

　参照番号２１Ａに示す図を参照して、収納容器２０は、排出部２１が係止部３（挿入部）に挿入され、排出部２１が係止部３に係止されている。また、収納容器２０は、収納物で満たされており、突出部１８０ａにより胴体部分が保持されている。つまり、収納容器２０は、容器ホルダー１の係止部３及び突出部１８０ａにより容器ホルダー１８０に把持されている。

　次に、参照番号２１Ｂに示す図を参照して、収納容器２０は、排出部２１が係止部３に挿入され、係止部３に排出部２１が係止されている。但し、収納容器２０は、収納物の多くが排出されており、参照番号２１Ａの図に示す収納容器２０と比較して、胴体部の横幅（図面左右方向）が狭くなっている。このため、収納容器２０は、排出部２１が係止部３により係止されているが、胴体部分は突出部１８０ａに当接していない。この場合であっても、収納容器２０の排出部２１が係止部３により係止されていることから、容器ホルダー１８０は、容器ホルダーとしての役割を果たすことができる。

　このように、本開示に係る容器ホルダーは、形状が不変の収容容器だけではなく、形状が可変の収納容器２０に対しても好適に適用することができる。

　〔まとめ〕
　本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納物を排出する排出部を有する収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなす、外壁面に窓開き部を有するシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、前記収納容器の前記排出部が挿入される挿入部と、前記フィルム部材が前記窓開き部において前記シート部材の内部方向へ突出してなる突出部と、を備える。この構成によれば、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納容器の排出部が挿入される挿入部を備えるため、排出部を有する収納容器を把持するために使用でき、さらに、その収納容器から収納物を排出することもできる。このように、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、従来よりも汎用性の高い容器ホルダーを提供することができる。加えて、本開示の態様１に係る容器ホルダーは突出部を備え、突出部は、フィルム部材が容器ホルダーの内部方向へ突出する。これにより、ユーザは、突出部に指を掛けて容器ホルダーを把持できるため、容器ホルダーの把持性の高さを実感できる。

　さらに、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、従来の容器ホルダーのように射出成型で製造する必要が無いため、フィルム部材（例えば、樹脂製）の使用量を軽減できる。このような効果は、世界的な潮流であるＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）が求める持続循環経済に沿うものであり、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、プラスチックごみの削減に大きく貢献することもできる。この態様２に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記突出部が、筒状の前記フィルム部材の軸方向に沿って延在する。この構成によれば、本開示の態様２に係る容器ホルダーでは、突出部がシート部材の内部方向へ突出することにより、突出部において容器ホルダーの表面を内側に窪ませることができる。このため、本開示の態様２に係る容器ホルダーは、筒状のフィルム部材の胴体部に、いわゆる「くびれ」を形成することができる。ユーザは、くびれに掌を合わせて容器ホルダーを把持できるため、容器ホルダーの把持性の高さを実感できる。当然に、ユーザは、突出部に指を掛けて容器ホルダーを把持することも可能であり、その場合も容器ホルダーの把持性の高さを実感できる。

　本開示の態様３に係る容器ホルダーは、前記の態様２において、前記突出部が、筒状の前記フィルム部材の両端部の間に位置する。この構成によれば、本開示の態様３に係る容器ホルダーでは、筒状の前記フィルム部材の両端部の間にくびれが形成される。そのため、ユーザは、筒状の前記フィルム部材の端部側ではない領域に形成されたくびれを把持することができ、容器ホルダーの把持性の高さをさらに実感できる。

　本開示の態様４に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記突出部が、筒状の前記フィルム部材の周方向に沿って延在する。この構成によれば、本開示の態様４に係る容器ホルダーでは、突出部がシート部材の内部方向へ突出することにより、突出部において容器ホルダーの表面を内側に窪ませることができる。これにより、ユーザは、突出部に指を掛けて容器ホルダーを把持できる。さらに、本開示の態様４に係る容器ホルダーでは、突出部が筒状の前記フィルム部材の周方向に沿って延在する。このため、ユーザが該周方向に沿って容器ホルダーに手を伸ばしたときは特に、突出部に指を掛けやすくなる。

　本開示の態様５に係る容器ホルダーは、前記の態様１から４の何れかにおいて、前記収納容器を着脱可能に係止する。この構成によれば、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、収納容器の着脱によりシート部材又はフィルム部材を不可逆に破損する必要が無く、シート部材又はフィルム部材を繰り返し使用できる。この点においても、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、フィルム部材の使用量をさらに軽減できる。なお、本開示の各態様に係る容器ホルダーは、シート部材及び／又はフィルム部材の部材として、再生材を使用することもできる。これにより、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、シート部材又はフィルム部材の使用量をさらに軽減できる。

　本開示の態様６に係る容器ホルダーでは、前記の態様１から５の何れかにおいて、前記挿入部が、前記フィルム部材が前記シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延びてなる。この構成によれば、本開示の態様６に係る容器ホルダーは、フィルム部材を熱収縮等させるという効率的かつ低コストの方法で挿入部を備えることができる。これにより、汎用性の高い容器ホルダーをさらに提供しやすくなる。ここで、挿入部は、フィルム部材がシート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延びてなるフィルム延在部そのものを示す場合に加え、フィルム延在部によって形成された隙間（開口）を示す場合も含みうる。また、本開示の態様６に係る容器ホルダーは、前記の構成を備えることにより、筒状またはその一部をなすシート部材の外形を良好に保持することができる。

　本開示の態様７に係る容器ホルダーでは、前記の態様１から５の何れかにおいて、前記挿入部が、前記シート部材が前記シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延びてなる。この構成によれば、本開示の態様７に係る容器ホルダーは、シート部材の形状設計という効率的かつ低コストの方法で挿入部を備えることができる。これにより、汎用性の高い容器ホルダーをさらに提供しやすくなる。ここで、挿入部とは、シート部材が該シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延びてなる係止部（例えば、図２の係止部３）そのものを示す場合に加え、該係止部の面内に形成された開口（例えば、図２の開口３ａ）を示す場合も含みうる。また、挿入部は、複数の係止部の組み合わせによって構成される場合に加え（例えば、図５の係止部５１ａ及び係止部５１ｂ）、該複数の係止部により形成された隙間、開口（例えば、図５の空隙５２）を示す場合も含みうる。

　本開示の態様８に係る容器ホルダーでは、前記の態様１から５の何れかにおいて、前記挿入部は、前記シート部材の一方の端部に位置し、前記収容空間を画定する上面の一部となる、前記収納容器を係止する係止部である。この構成によれば、本開示の態様８に係る容器ホルダーは、シート部材の一方の端部に係止部を位置決めするという簡易な方法で挿入部を備えることができる。これにより、汎用性の高い容器ホルダーをさらに提供しやすくなる。

　本開示の一態様に係る容器ホルダーは、前記の態様４において、前記突出部が、筒状の前記フィルム部材の一方の端部の近傍に位置する。突出部が、筒状の前記フィルム部材の、容器ホルダーに収容される収納容器の底面側の端部に位置し、その突出部にユーザが指を掛けて容器ホルダーを把持する構成を考える。この構成においては、収納容器に収納される収納物の量が少ない場合には収納容器の底面側に収納物が偏るため、ユーザは容器ホルダーを把持しやすくなる。

　また、突出部が、筒状の前記フィルム部材の、容器ホルダーに収容される収納容器の上面側の端部に位置し、その突出部にユーザが指を掛けて容器ホルダーを把持する構成を考える。この構成においては、収納物を排出するために収納容器の排出部を下方に傾斜させて容器ホルダーを把持するとき、ユーザは、特に容器ホルダーの把持のしやすさを実感でき、収納物の過度な排出を防止しやすくなる。

　＜実施の形態４＞
　以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した図を参照しながら詳細に説明する。実施の形態１と同様の構成については、その説明を繰り返さない。

　（適用例）
　理解の容易のため、最初に図２２を参照しつつ、本開示に係る容器ホルダー２２０の使用例を説明する。図２２は、本開示の一態様に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。

　図２２は、ノズルヘッド２５に代えてポンプヘッド２６が図示されている点で実施の形態１の図１と相違しており、容器ホルダー２２０が、係止部３に代えて上面部材３１を有する点で相違する。以下実施の形態１と相違する点について詳細に説明し、一致する点については説明を繰り返さない場合がある。

図２２の参照番号２２Ｃに示す図を参照して、図中の（Ｃ）に示す方向からポンプヘッド２６が押下されることにより、収納容器２０から収納物が排出される。また、容器ホルダー２２０は、容器ホルダー２２０の収容空間７に収納容器２０を収容する。このため、ユーザは、容器ホルダー２２０の胴体部を把持することにより、容器ホルダー２２０及び容器ホルダー２２０に収容された収納容器２０を、持ち上げ、移動させることができる。

　（容器ホルダーとその製造方法）
　次に、容器ホルダー２２０の詳細を、図２３を参照して説明する。図２３は、容器ホルダー２２０の構成と、容器ホルダー２２０の製造方法を説明するための図である。図２３において、参照番号２３Ａ、２３Ｂに示す図は、容器ホルダー２２０が係止部３を有さないこと以外は、図１の参照番号１Ａ、１Ｂに示す図と同様であるため、その説明は繰り返さない。

　参照番号２３Ｃにおいて、シート部材２は、筒状形状の長軸方向（筒状のシート部材２の軸方向）における、収納容器２０の排出部２１が位置する側の端部（以下、「上端部」と称する。）に、上面部材３１が載置される。上面部材３１については後述する。

　参照番号２３Ｄに示す図は、マンドレルＭに挿入され、かつその上端部に上面部材３１が載置されたシート部材２に、フィルム部材５が被せられる様子を示す。なお、以下の説明では、実施の形態１と同様に、フィルム部材５はシュリンクラベルであるものとして説明する。

　参照番号２３Ｅに示す図は、フィルム部材５がシート部材２に被せられた後の様子を示す。図示の例では、マンドレルＭの軸心方向において、フィルム部材５は、シート部材２よりも長く、シート部材２の第１端部から突き出ている。

　参照番号２３Ｆに示す図は、フィルム部材５を熱収縮させた後の、容器ホルダー２２０が完成した様子を示す。図示の例において、容器ホルダー２２０は、熱収縮したフィルム部材５がシート部材２の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材５が容器ホルダー２２０の上面（天面）の一部を形成している。容器ホルダー２２０は、フィルム部材５を熱収縮させることにより、シート部材２の外形を保持することができる。

　容器ホルダー２２０の下面は、シート部材２及びフィルム部材５が存在しておらず、収納容器２０を収容するために開口している。但し、容器ホルダー１に収納容器２０を着脱可能とする限りにおいて、容器ホルダー２２０の下面は、シート部材２又はフィルム部材５が折れ曲がってなる折れ曲り部を有していてもよい。

　（上面部材）
　次に図２４を参照して、本開示に係る上面部材について説明する。図２４は、本開示に係る上面部材を備えた容器ホルダーを説明するための概略断面図である。図２４において容器ホルダー２２０は、シート部材２と、シート部材２の外壁面に装着されたフィルム部材５と、シート部材２の上端部に位置する上面部材３１と、を備える。

　上面部材３１は、シート部材２の上端部に位置する。上面部材３１は、シート部材２の上端部に位置することから、シート部材２の上端部と同様の外形形状を有してよい。上面部材３１は、例えば、合成樹脂、紙、合成紙などにより構成されてよく、押圧力を受けたときに変形しない程度の剛性を有しておればよい。

　上面部材３１は、収納容器２０の排出部２１が挿入される第１開口３１ａを有する。第１開口３ａは、特定の大きさに限定されない。第１開口３１ａを画定する開口の端面と収納容器２０の排出部２１との間に隙間が存在してもよい。あるいは、第１開口３１ａは、第１開口３１ａを画定する開口の端面と収納容器２０の排出部２１とが接触する開口径を有してもよい。

　収納容器２０において、排出部２１はフランジ２１ａと一体化されている。排出部２１及びフランジ２１ａは、射出成形等により成形された樹脂成型品であってよく、フランジ２１ａは剛性を有する。フランジ２１ａは、その上面が収納容器２０の本体内側に接着し、収納容器２０の本体と一体化している。フランジ２１ａは、排出部２１と同じ材質（例えば、ＰＥＴ樹脂製）で形成されてよい。フランジ２１ａは、その下面が収納容器２０の本体外側に接着し、収納容器２０の本体と一体化していてもよい。

　上面部材３１は、筒状の容器ホルダー２２０の軸方向に沿って延びる首部を有し、当該首部を貫通するように第１開口３１ａが形成されている。首部は、収納容器２０に使用されるポンプヘッド２６と必ずしも同じ外径を有しなくてよい。第１開口３１ａには排出部２１が挿入され、排出部２１にポンプヘッド２６が取り付けられる。上面部材３１は、シート部材２とポンプヘッド２６との間に挟持される。上面部材３１は、その下面が収納容器２０と当接していてもよいし、当接していなくてもよい。

　上面部材３１の下面が収納容器２０と当接している場合には、上面部材３１は、収納容器２０と収納容器２０に使用されるポンプヘッド２６との間に挟持されている。上面部材３１が収納容器２０とポンプヘッド２６との間に挟持されることにより、収納容器２０が容器ホルダー２２０に固定され、ポンプヘッド２６を押下げるときに収納容器２０のぐらつきが抑えられ、押下げの安定性が向上しうる。

　前記の構成によれば、ポンプヘッド２６が押下されると、上面部材３１も下方向への押圧が印加され、印加された押圧力をシート部材２の上端部の全体に分散することができる。この構成によれば、容器ホルダー２２０は、強度（縦圧縮強度）を高めることができる。

　以上のように、容器ホルダー２２０は、縦方向（筒形状の容器ホルダー１の軸方向）からの圧力を受けたときに、シート部材２の上端部に位置する上面部材３１によって該圧力をシート部材２の上端部の全体に分散させて、縦圧縮強度を高めることができる。容器ホルダー２２０の上部に物が落下した場合にも、上面部材３１は、容器ホルダー２２０の変形、破損などを防止できる。このように、容器ホルダー２２０は、容器ホルダー２２０に対する押圧力を緩和するクッション材（補強部材）として上面部材３１を機能させることができる。

　また図２４に示されるように、フィルム部材５は、フィルム延在部５ａを含んでよい。延在部５ａの形成方法は、実施の形態１と同様である。図示の例では、フィルム延在部５ａは、上面部材３１の周縁部に重畳する。フィルム延在部５ａは、上面部材３１の全体を覆うように、上面部材３１と重畳してもよい。

　上面部材３１は、フィルム延在部５ａと重畳することにより、シート部材２に固定され、シート部材２から脱落しにくくなる。上面部材３１は、フィルム延在部５ａと重畳する面積が大きいほど、シート部材２に固定され、シート部材２から脱落しにくくなる。

　以上によれば、容器ホルダー２２０は、射出成型により製造される従来の容器ホルダーに比べて、使用する樹脂量を軽減することができ、かつ、所望の強度を有することができる。その他、容器ホルダー２２０が奏する種々の効果は、実施の形態１の各ホルダーと同様である。

　（上面部材の変形例）
　図２５は、本開示に係る上面部材の変形例を説明するための図であり、上面部材３２～３４の上面図、上面部材３５,３６の斜視図を示す。

　図２５に示される上面部材３２は、排出部２１が挿入される第１開口３２ａと、上面部材３２の周縁を画定する周縁部３２ｂと、第１開口３２ａから周縁部３２ｂの方向に延びる複数のリブ３２ｃと、複数のリブ３２ｃの間にそれぞれ位置する複数の第２開口３２ｄと、を有する。図示の例では、複数のリブ３２ｃ及び複数の第２開口３２ｄはそれぞれ４つである。リブ３２ｃ及び第２開口３２ｄの数はそれぞれ、２つ以上の任意の数であってよいし、１つであってもよい。

　上面部材３２は、第２開口３２ｄを有することにより、上面部材３２の作製に要する原材料（例えば、樹脂）の使用量を軽減することができる。前述したように、上面部材３２は、容器ホルダー２２０に対する押圧力を緩和するクッション材（補強部材）として機能する。その機能を発揮させるため、上面部材３２における、リブ３２ｃの本数、リブ３２ｃの太さ、第２開口３２ｄの面積、又は上面部材３２の厚さなどを適宜設定することもできる。

　また、複数のリブ３２ｃは、均等に間隔を開けて設けられていることが好ましい。これにより、上面部材３２は、容器ホルダー２２０に印加される押圧力をシート部材２の上端部の全体に均等に分散させることができる。

　図２５に示される上面部材３３は、収納容器２０の排出部２１が挿入される第１開口３３ａを有する。第１開口３３ａの形状は限定されないが、１以上の延伸部３３ｂを周縁に有する。延伸部３３ｂは、第１開口３３ａの中央に向かって延伸し、屈曲可能である。そのため、延伸部３３ｂは、第１開口３３ａに挿入された排出部２１に密着し、排出部２１をより強固に係止する。延伸部３３ｂは、排出部２１のサイズ又は形状等に応じて、そのサイズ又は形状等が決められてよい。

　図２５に示される上面部材３４は、上面視でＵ字状に切り欠かかれた切欠部（係止切欠部）を有し、その切欠部の先端に位置する係止位置３４ａ（第１開口）において収納容器２０の排出部２１を係止する。係止位置３４ａは、特定の形状に限定されず、収納容器２０の排出部２１の形状に応じた形状を採用することができる。係止位置３４ａは、排出部２１に密着し、収納容器２０を強固に係止することができる。

　また、本開示に係る上面部材は、上記に限らず、排出部２１（スパウト等）の口径よりも小さい開口径を有する構成、又は、ローマ字のＸ字状若しくはＵ字状の切込み線等を有する構成で実現されてもよい。

　図２５に示される上面部材３５は、収納容器２０の排出部２１を挿入可能な第１開口３５ａを有すると共に、平板形状を有する。上面部材３５は、平板形状であり、射出成型等により容易に製造することができる。なお、上面部材３５に限らず、本開示に係る上面部材はいずれも、射出成型によって製造することができる。

　図２５に示される上面部材３６は、収納容器２０の排出部２１を挿入可能な第１開口３６ａを有する。上面部材３６は、錐台形状を有し、該錐台形状の、上底面３６ｃ側に第１開口３６ａが位置し、下底面側にシート部材２の上端部が位置する構成で実現されてよい。上底面と下底面との間には傾斜面３６ｂが形成される。傾斜面３６ｂを有することの利点として、傾斜面３６ｂにフィルム延在部５ａを装着しやすい点、及び、ペットボトルに類する外観（形状）を得ることができる点、を挙げることができる。

　このように、本開示に係る上面部材は、種々の形状、構成により実現されてよい。とりわけ、本開示に係る上面部材は、錐台形状を有する上面部材３６を、上面部材３２のようなリブ形状とした構成が好ましい。これにより、強度を保持しつつ、複数のリブの間に開口を設けることによる原材料の使用量の軽減という効果も奏することができる。

　（嵌合部）
　また上面部材３１～３６は、シート部材２の上端部と係合する勘合部を有してもよい。勘合部について図２６を用いて説明する。図２６は、本開示に係る上面部材の嵌合部を説明するための概略断面図であり、容器ホルダーにおけるシート部材の上端部と上面部材とが当節する部分を拡大して示す図である。

　参照番号２６Ａに示す図を参照して、上面部材３７は、上面部材３７の平板が拡がる面に対して略垂直方向に突出する嵌合部３７ａを有する。上面部材３７がシート部材２の上端部に載置されたときに、嵌合部３７ａは、上面部材３７の周縁部から、筒状のシート部材２の軸方向下向きに延びてなる。嵌合部３７ａの内壁は、シート部材２の外壁に当接する。

　フィルム部材５は、フィルム延在部５ａを有してよい。フィルム延在部５ａは、上面部材３７の少なくとも周縁部、嵌合部３７ａの外壁面、及びシート部材２の外壁面に装着される。

　参照番号２６Ｂに示す図を参照して、上面部材３８は、嵌合部３８ａ及び嵌合部３８ｂを有する。上面部材３８がシート部材２の上端部に載置されたときに、嵌合部３８ａ及び嵌合部３８ｂは、上面部材３８の周縁部から、筒状のシート部材２の軸方向下向きに延びてなる。嵌合部３８ａは、嵌合部３８ｂがなす円の外側に位置している。嵌合部３８ａと嵌合部３８ｂとの間には、シート部材２の厚みほどの隙間が形成されており、その隙間にシート部材２の上端部が差し込まれる。嵌合部３８ａの内壁は、シート部材２の外壁に当接する。嵌合部３８ｂの外壁は、シート部材２の内壁に当接する。

　フィルム部材５は、フィルム延在部５ａを有してよい。フィルム延在部５ａは、上面部材３８の少なくとも周縁部、嵌合部３８ａの外壁面、及びシート部材２の外壁面に装着される。

　以上の構成を備えることにより、本開示に係る容器ホルダーは、上面部材３７,３８をシート部材２の上端部に強く固定することができ、上面部材３７,３８のシート部材２からの脱落を防止できる。また、上面部材３７,３８がシート部材２の上端部に強く固定されることで、容器ホルダーは、収納容器２０（不図示）を安定的に係止できる。

　なお、上面部材３８の一変形例として、上面部材３８は、嵌合部３８ｂを有しつつも、嵌合部３８ａを有していない構成で実現されてもよい。これにより、上面部材３８は、嵌合部３８ｂの外壁をシート部材２の内壁に当接させつつ、周縁部をシート部材２の上端部に載置されただけとなる。

　また、参照番号２６Ｃに示す図のように、上面部材３７がシート部材２の上端部に載置されたときに、嵌合部３７ａの内壁に、シート部材２の外壁に当接してもよい。すなわち、シート部材２は、シート部材２の上端部からシート部材２の径方向に延びる、シート延在部２ａを有し、シート延在部２ａの上面は、上面部材３７の下面と当接することとなる。この構成においても、上面部材３７がシート部材２の上端部に強く固定されるため、容器ホルダーは、収納容器２０（不図示）を安定的に係止できる。

　また各嵌合部は、シート部材２と接着剤等で接着されてもよいし、接着剤等で接着されることなく、単にシート部材２の上端部に位置決めされていてもよい。同様に、シート延在部２ａは、上面部材と接着剤等で接着されてもよいし、接着剤等で接着されることなく、単にシート延在部２ａの上面に上面部材６７が載置されていてもよい。

　参照番号２６Ａ～２６Ｃに示す構造を有する容器ホルダーは、それぞれ固有の特徴を有する。例えば、参照番号２６Ａの構成を有する容器ホルダーは、嵌合部３７ａを１つのみ有するため、構成が簡易であり、製造が容易である。参照番号２６Ｂの構成を有する容器ホルダーは、嵌合部３８ａと嵌合部３８ｂとの間にシート部材２を挟み込むため、上面部材の脱落をより防止しやすく、とりわけ、筒状のシート部材２の形状を保持しやすい。参照番号２６Ｃの構成を有する容器ホルダーは、シート延在部２ａの上面に上面部材３７が載置されるため、上面部材３７とシート部材２との間に加わる力を緩和しやすい。

　ここで、上面部材において嵌合部は、環状に、全周にわたって形成されている必要はなく、環状を形成するように設けられてよい。たとえば嵌合部は、４つの部分に分割されており、それら４つの部分は、互いに９０度ずつ離れ、かつ、４つの部分が環状を形成するように配置される。この構成によれば、前述した効果に加え、上面部材を製造するときの原材料の使用量のさらなる軽減という効果も奏することができる。当然に、嵌合部は、４つの部分ではなく、２つの部分、３つの部分など、適宜の数に分割されてよい。また、４つの部分は互いに９０度ずつ離れると説明したが、複数に分割された部分は、必ずしも等間隔に離れる必要はない。

　なお、本開示の一実地形態では、押下げの力が大きいことが想定されるポンプヘッド２６を有する構成について説明したが、当然にこれに限られるものではなく、シャンプー、リンスなどの容器として使用されるシャンプーディスペンサー（シャンプーボトル）の他、プッシュ付きキャップ、スプレー用キャップ、ヒンジ付きキャップなどにも好適に適用することができる。

　〔まとめ〕
　本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納物を排出する排出部を有する収納容器を収容するための収容空間を有する筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、前記シート部材の上端部に位置する、前記収納容器の前記排出部を挿入可能な第１開口を有する上面部材と、を備える。この容器ホルダーは、縦方向（筒状またはその一部をなすシート部材の軸方向）からの圧力を受けたときに、シート部材の上端部に位置する上面部材によって該圧力をシート部材の上端部の全体に分散させて、縦圧縮強度を高めることができる。

　また、本開示の態様１に係る容器ホルダーの上部に物が落下した場合にも、上面部材は、該容器ホルダーの変形、破損などを防止できる。このように、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、該容器ホルダーに対する押圧力を緩和するクッション材（補強部材）として上面部材を機能させることができる。さらに、前記の構成によれば、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、従来の容器ホルダーのように射出成型で製造する必要が無いため、フィルム部材（例えば、樹脂製）の使用量を軽減できる。また、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、シート部材及び／又はフィルム部材の部材として、再生材を使用することもできる。

　こういった効果は、世界的な潮流であるＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）が求める持続循環経済に沿うものであり、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、プラスチックごみの削減に大きく貢献することもできる。

　本開示の態様２に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記上面部材が、前記シート部材と前記収納容器に使用されるキャップとの間に挟持される。例えば、収納容器がポンプなどの押し込み操作を必要とする場合、前記の構成によれば、本開示の態様２に係る容器ホルダーは、ポンプヘッドが押下されると、収納容器の排出部を係止する上面部材も下方向への押圧が印加され、印加された押圧力をシート部材の上端部の全体に分散することができる。これにより、本開示の態様２に係る容器ホルダーは、円滑なポンピング動作と高い強度の実現を両立することができる。

　本開示の態様３に係る容器ホルダーは、前記の態様１または２において、前記上面部材が、前記第１開口から前記上面部材の周縁を画定する周縁部の方向に延びる複数のリブと、該複数のリブの間にそれぞれ位置する複数の第２開口と、を有する。この構成によれば、上面部材が第２開口を有することにより、上面部材の作製に要する原材料（例えば、樹脂）の使用量を軽減することができる。また、前述したように、上面部材は、容器ホルダーに対する押圧力を緩和するクッション材（補強部材）として機能する。その機能を発揮させるため、上面部材における、リブの本数、リブの太さ、第２開口の面積、又は上面部材の厚さなどを適宜設定することもできる。

　本開示の態様４に係る容器ホルダーは、前記の態様３において、前記複数のリブが、均等に間隔を開けて設けられている。この構成によれば、上面部材は、容器ホルダーに印加される押圧力をシート部材の上端部の全体に均等に分散させることができる。

　本開示の態様５に係る容器ホルダーは、前記の態様１から４の何れかにおいて、前記フィルム部材が、前記シート部材の前記上端部から該シート部材の径方向に延びる、前記上面部材と重畳するフィルム延在部を含む。この構成によれば、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、上面部材をシート部材の上端部に強く固定でき、上面部材のシート部材からの脱落を防止できる。また、上面部材がシート部材の上端部に強く固定されることで、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、収納容器を安定的に係止できる。

　本開示の態様６に係る容器ホルダーは、前記の態様１から５の何れかにおいて、前記上面部材が、前記シート部材の前記上端部と嵌合する嵌合部を有する。この構成によれば、容器ホルダーは、上面部材をシート部材の上端部に強く固定でき、上面部材のシート部材からの脱落を防止できる。また、上面部材がシート部材の上端部に強く固定されることで、本開示の態様６に係る容器ホルダーは、収納容器を安定的に係止できる。

　本開示の態様７に係る容器ホルダーは、前記の態様１から６の何れかにおいて、前記上面部材が平板形状を有する。この構成によれば、上面部材は、射出成型等により容易に製造することができる。

　本開示の態様８に係る容器ホルダーは、前記の態様１から６の何れかにおいて、前記上面部材は錐台形状を有し、前記錐台形状の、上底面側に前記第１開口が位置し、下底面側に前記シート部材の前記上端部が位置する。この構成によれば、上面部材は、上底面と下底面との間に傾斜面を有することができる。これにより、上面部材は、下方向の押圧力を受けたときに、クッション材（補強部材）としての機能をより発揮しやすくなる。

　本開示の態様９に係る容器ホルダーは、前記の態様１から８の何れかにおいて、前記収納容器を着脱可能に係止する。この構成によれば、本開示の態様９に係る容器ホルダーでは、古い収納容器から新しい収納容器へ容易に交換することができる。

　さらに、本開示の態様９に係る容器ホルダーは、収納容器の着脱によりシート部材又はフィルム部材を不可逆に破損する必要が無く、シート部材又はフィルム部材を繰り返し使用できる。この点においても、本開示の態様９に係る容器ホルダーは、フィルム部材の使用量をさらに軽減できる。

　＜実施の形態５＞
　以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した図を参照しながら詳細に説明する。以下実施の形態１と相違する点について詳細に説明し、一致する点については説明を繰り返さない場合がある。

　（適用例）
　理解の容易のため、最初に図２７を参照しつつ、本開示に係る容器ホルダー２７０の使用例を説明する。図２７の参照番号２７Ａに示す図を参照して、容器ホルダー２７０は、内部が中空の筒状に形成されており、その内部に収納容器を収容するための収容空間７を有する。詳細は後述するが、容器ホルダー２７０は、下端に、収納容器２０を載置可能な底面部８を有する。

　詳細は後述するが、容器ホルダー２７０は、容器ホルダー２７０の天面を開閉自在となるように、上端に係止部３（第２シート延在部）を有してもよい。

　参照番号２７Ｂに示す図を参照して、容器ホルダー２７０の係止部３を上方に向けて開放した状態で、収納容器２０が、図中の（Ａ）に示す方向から容器ホルダー２７０に挿入される。参照番号２７Ｃに示す図を参照して、収納容器２０は、容器ホルダー２７０の底面部８に載置される。収納容器２０の排出部２１は、係止部３によって容器ホルダー２７０に係止される。参照番号２７Ｄに示す図を参照して、容器ホルダー２７０は、排出部２１を下方に向けて把持される。これにより、収納容器２０から収納物が排出される。

　不図示であるが、参照番号２７Ｂに示す（Ａ）と反対側に容器ホルダー２７０を移動させることにより、容器ホルダー２７０は、収納容器２０の排出部２１における係止を解除し、収納容器２０を取り外すことができる。

　（容器ホルダーとその製造方法）
　次に、図２８を参照しつつ、容器ホルダー２７０の製造方法と、容器ホルダー２７０の構成を説明する。最初に概略を説明すれば、容器ホルダー２７０は、収納容器２０を収容するための収容空間７を有する筒状のシート部材２と、シート部材２の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材５と、収納容器２０を載置可能な底面部８と、を備える。

　参照番号２８Ａに示す図において、シート部材２は、筒状に形成される前の状態においては、正方形、矩形、台形、又は扇形等の形状を有してよい。シート部材２は、筒状に形成されたときに、多角柱、円柱形又は円錐台形等の形状を有してよい。以下の説明では、シート部材２は、筒状に形成される前の状態では扇形であり、筒状に形成された後では円錐台形であるものとする。

　ここで扇形とは、一組の円弧とその両端に引いた半径とで囲まれた図形をいうものとする。また、本明細書では、扇形というときは、略扇形の形状を含むものとする。このことは、シート部材２が、筒状に形成される前の状態においては、正方形、矩形、又は台形等の形状を有する場合、及び、筒状に形成されたときに、円柱形又は円錐台形等の形状を有する場合についても同様である。

　シート部材２は、第１端部２ａ及び第２端部２ｂを有する。第１端部２ａ及び第２端部２ｂは何れも円弧の一部に相当する形状であり、第１端部２ａは第２端部２ｂよりも短い。

　シート部材２は、第２端部２ｂにおいて、収納容器２０の排出部２１を係止するための係止部３（ロックプレート）を有してよい。係止部３は、シート部材２と一体となって形成されており、シート部材２の他方の端部である第２端部２ｂから延びる第２シート延在部により構成された係止部である。シート部材２と係止部３との境界位置には折罫線又はハーフカット線が形成されてよい。これにより、係止部３は、第２端部２ｂにおいて折り曲げやすくなる。

　係止部３は、多角形（三角形、四角形、若しくは五角形等）、台形、又は楕円形等の様々な形状の、複数の小片が連設されて構成されてよい。図２８の参照番号２８Ａに示す図では、係止部３は、第２端部２ｂから延在する６つの小片を有する。これら複数の小片はそれぞれ、同形であってもよいし、互いに異なる形状であってもよい。図２８の例では、６つの小片はそれぞれ、角部が丸みを帯びた四角形で構成されている。係止部３は、容器ホルダー２７０に収容される収納容器２０の排出部２１の形状又は大きさ等を考慮して、その形状又は大きさ等が適宜に設定されてよい。

　なお、図２７の例では、容器ホルダー２７０は２つの係止部３を有し、係止部３はそれぞれ、半月形状である。係止部３においては、収納容器２０の排出部２１が挿入される半月状の領域がそれぞれくり抜かれている。このように、係止部３は、収納容器２０の排出部２１を係止する機能を発揮するのであれば、数又は形状等は適宜に設定されてよい。

　シート部材２は、第１端部２ａから第２端部２ｂに至る、折罫線又はハーフカット線等により構成される折れ曲がり線２ｃを有してもよい。シート部材２は、折れ曲がり線２ｃを１以上有してよい。図２８の例では、シート部材２は、折れ曲がり線２ｃを１つ有する。シート部材２は、折れ曲がり線２ｃを有することにより、シート部材２を折り畳みやすくできる。これにより、シート部材２の運搬又は梱包等、及び、容器ホルダー２７０の製造等が効率的に行える。

　シート部材２は、側端２ｄ及び側端２ｅを有する。側端２ｄ及び側端２ｅは、シート部材２が折れ曲がり線２ｃで折り畳まれたときに互いに重なり合ってよい。

　シート部材２は、側端２ｄ（又は、側端２ｅ）の中央付近に接着片２８を有してよい。接着片２８は、シート部材２と一体となってシート部材２の側端２ｄ（又は、側端２ｅ）から延在し、その延在部の少なくとも一部に接着部が設けられることによって形成されてよい。接着片２８は、折れ曲がり線２ｃにおいて折り畳まれた側端２ｄ及び側端２ｅを互いに接着する。接着片２８の接着部は、ホットメルト接着剤、接着テープ、又は糊等であってよい。

　参照番号２８Ｂに示す図は、側端２ｄ及び側端２ｅが接着片２８によって互いに接着され、シート部材２が筒状に形成された後の様子を示す。接着片２８は、第１端部２ａと第２端部２ｂとの中央付近に位置し、第１端部２ａ及び第２端部２ｂに至るまでは延在していなくてよい。

　参照番号２８Ｃに示す図は、筒状に形成されたシート部材２が収容空間７（不図示）を内部に有し、その収容空間７にマンドレルＭ（芯）が挿入される様子を示す。一例として、マンドレルＭは、上方に向かうにつれ縮径する。シート部材２は、第２端部２ｂ側からマンドレルＭに挿入される。

　シート部材２がマンドレルＭに挿入されるときに、係止部３は、容器ホルダー２７０の収容空間７側（すなわち内側）に折り込まれていてよい。この構成によれば、容器ホルダー２７０の製造時において、シート部材２をマンドレルＭに挿入した後のフィルム部材５の装着が容易になる。参照番号２３０に示す図では、係止部３が図示されていない。これは、シート部材２がマンドレルＭに挿入されたときに、係止部３が容器ホルダー２７０の収容空間７側に折り込まれているものと理解されてよい。

　係止部３は、容器ホルダー２７０の収容空間７側に折り込まれていなくてもよい。係止部３は、容器ホルダーの外壁面（側面）と同一面上（又は、略同一面上）に延在した状態が好ましい。これらの構成によれば、容器ホルダー２７０は、複数の容器ホルダー２７０をスタッキングしやすくなり、また、収納容器２０を容器ホルダー２７０の内部に収容しやすくなる。

　参照番号２８Ｄに示す図は、フィルム部材５が、マンドレルＭに挿入されたシート部材２に被せられる様子を示す。上述したように、フィルム部材５は、シート部材２の外壁面（側面）に装着される、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮した部材である。フィルム部材５の特徴は、実施の形態１と同様であるため、その説明は繰り返さない。なお、以下の説明では、実施の形態１と同様に、フィルム部材５はシュリンクラベルであるものとして説明する。

　参照番号２８Ｅに示す図は、フィルム部材５がシート部材２に被せられた後の様子を示す。図示の例では、マンドレルＭの軸心方向において、フィルム部材５は、シート部材２よりも長く、シート部材２の第１端部２ａ（不図示）から突き出ている。

　参照番号２８Ｆに示す図は、フィルム部材５を熱収縮させた後の、容器ホルダー２７０が完成した様子を示す。図示の例において容器ホルダー２７０は、熱収縮したフィルム部材５がシート部材２の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材５が容器ホルダー２７０の底面部８の一部を形成している。容器ホルダー２７０は、フィルム部材５を熱収縮させることにより、シート部材２の外形を保持することができる。

　容器ホルダー２７０は、シート部材２の軸方向における一対の端部間において、底面部８に向けて径寸法が漸次縮径する縮径部６を有してもよい。これにより、容器ホルダー２７０は、縦（高さ）方向に複数スタッキングできる。この構成によれば、容器ホルダー２７０は、複数の容器ホルダー２７０を縦（高さ）方向にスタッキングして収納及び運搬でき、重ねた容器ホルダーの数量だけ収納効率及び運搬効率を高めることができる。

　以上によれば、容器ホルダー２７０は、射出成型により製造される従来の容器ホルダーに比べて、使用する樹脂量を軽減することができる。その他、容器ホルダー２７０が奏する種々の効果は、実施の形態１の各ホルダーと同様である。さらに容器ホルダー２７０は、以下に詳述する効果を奏する。

　（底面部）
　底面部８の詳細を図２９により説明する。図２９は、本開示に係る容器ホルダー２７０の断面図である。

　参照番号２９Ａに示す図は、フィルム部材５を熱収縮させた直後の、マンドレルＭに挿入された容器ホルダー２７０の様子を示す。参照番号２９Ｂに示す図は、フィルム部材５を熱収縮させ、かつ、マンドレルＭを取り出した後の容器ホルダー２７０の様子を示す。

　マンドレルＭは、上方に向かうにつれ縮径する縮径部を少なくとも一部に有する。また、マンドレルＭは、マンドレルＭの頂部であるマンドレル上面ＭａとマンドレルＭの側面部との間に湾曲部Ｍｂを有してよい。マンドレルＭに湾曲部Ｍｂを設けることにより、容器ホルダー２７０の底面側にも同様の形状である湾曲部２７０ｂを形成することができる。

　フィルム部材５が熱収縮する前の時点において、シート部材２及びフィルム部材５は、マンドレル上面１０ａよりも上方に突き出ており、この部分が熱収縮することにより、底部８が形成される。具体的には、容器ホルダー２７０の製造過程において、フィルム部材５を熱収縮させると、その収縮力によってシート部材２がマンドレルＭの形状に沿って成形される。

　これにより、マンドレル上面Ｍａ上には、シート部材２の一方の端部である第１端部２ａ（不図示）からシート部材２の径方向に延びるシート延在部２ｆ（第１シート延在部）と、シート部材２の径方向に延び、シート延在部２ｆに重畳するフィルム延在部５ａとを含む底面部８が形成される。前述したマンドレルＭの湾曲部に対応する位置においては、容器ホルダー２７０にも湾曲部２７０ａが形成される。なお、フィルム延在部５ａは、シート延在部２ｆを完全に覆っていてもよいし、シート延在部２ｆの一部のみを覆っていてもよい。また、底面部８は、フィルム延在部５ａのみから形成されてもよい。

　容器ホルダー２７０は、底面部８を有し、その底面部８に収納容器２０を載置させることができる。これにより、容器ホルダー２７０は、係止部３及び底面部８により収納容器２０を安定的に収容できる。また、容器ホルダー２７０は、底面部８に収納容器２０を載置させることで、係止部３による収納容器２０の排出部２１を係止する力（係止力）を低減させたとしても収納容器２０を容器ホルダー２７０に対して係止することが可能となる。

　また、容器ホルダー２７０は、シート部材２及びフィルム部材５以外の別部材を用いることなく、底面部８上に収納容器２０を載置できるため、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点でも有利である。さらには、容器ホルダー２７０は、フィルム延在部５ａを有することにより、筒状またはその一部をなすシート部材２の外形を良好に保持することができる。

　さらに、容器ホルダー２７０は、湾曲部２７０ａを有することにより、容器ホルダー２７０を従来のボトルに類似した形状にできる。加えて、容器ホルダー２７０は、湾曲部２７０ａを有することにより、容器ホルダー２７０のデザイン性を高める、複数の容器ホルダー２７０をスタッキングしやすくなる、又は、容器ホルダー２７０の強度を高める、といった効果も得られる。

　ここで、図２８の参照番号２８Ｂに示す図を参照して、接着片２８は、第２端部２ｂと第１端部２ａとの中央付近に位置し、第１端部２ａ及び第２端部２ｂに至るまでは延在していない構成を説明した。この構成によれば、フィルム部材５の収縮力によってシート部材２を成形するときに、湾曲部２７０ａの成形時にシート部材２に皺が発生しにくく、湾曲部２７０ａを綺麗に仕上げることができる。加えて、前記の構成によれば、シート部材２における応力集中の発生を防止できる、又は、フィルム部材５の収縮にシート部材２を追従させやすい、といった効果も得られる。

　（底面部の補強構造）
　次に、底面部８の好ましい補強構造を図３０により説明する。図３０は、本開示に係る底面部の補強構造の一例を説明するための図であり、容器ホルダーを軸方向から目視した場合の底面部の上面図である。

　本開示に係る容器ホルダー３００は、底面部３０１を有する。底面部３０１は、前述した底面部８と同様に、シート延在部２ｆ及びフィルム延在部５ａで構成されている。容器ホルダー３００では、フィルム部材５を熱収縮させる前の時点で、シート部材２の先端に、切込み、又は切欠き等を入れておく。シート部材２の先端の折れ曲り位置に罫線を入れてもよい。この構成によれば、フィルム部材５を熱収縮させることにより、フィルム部材５の熱収縮によって、切込み等によって分割されたシート部材２の先端の隣り合う部分同士が互いに重畳したシート重畳部３０２が形成される。

　容器ホルダー３００は、底面部３０１がシート重畳部３０２を有することによって、底面部３０１の強度をさらに高めることができる。その結果、底面部３０１を床面に衝突させた場合などにおいても、シート部材２における裂け等の発生を軽減できる。

　（収納容器の係止方法）
　次に、本開示に係る容器ホルダーが収納容器を着脱可能に係止する構成を図３１～図３４により説明する。

　（係止部）
　図３１は、本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する係止部を説明するための図である。図３１の参照番号３１Ａに示す図を参照して、容器ホルダー２７０は、収納容器２０の排出部２１を係止するためのロックプレート２７１ａ（係止部２７１ａ）及びロックプレート２７１ｂ（係止部２７１ｂ）（以下、両者を区別しないときは、単に「ロックプレート２７１」または「係止部２７１」と称する。）を有する。ロックプレート２７１は、容器ホルダー２７０の天面を開閉自在となるように、容器ホルダー２７０の上端に設けられている。ロックプレート２７１は、シート部材２（不図示）から延在して形成されてよい。ロックプレート２７１は、シート部材２の他方の端部である第２端部２ｂ（不図示）から延びる第２シート延在部により構成された係止部である。ロックプレート２７１ａ及びロックプレート２７１ｂはそれぞれ、半月形状であって、収納容器２０の排出部２１が挿入される領域がそれぞれ半月状にくり抜かれている。該領域は、図中で挿入口２７２として示されている。挿入口２７２は、排出部２１の口径より僅かに大きく形成されてよい。

　次に、図３１の参照番号３１Ｂ、３１Ｃに示す図を参照して、容器ホルダー２７０に収納容器２０を収容し、ロックプレート２７１により収納容器２０の排出部２１を係止する方法を説明する。

　最初に、参照番号３１Ｂに示す図を参照して、ロックプレート２７１を上方に開き、収納容器２０に容器ホルダー２７０を挿入する。収納容器２０は、底面部８上に載置される。次に、参照番号３１Ｂに示す図を参照して、ロックプレート２７１を下方に閉じて、挿入口２７２において排出部２１を係止する。以上により、容器ホルダー２７０に収納容器２０を収容し、ロックプレート２７１により収納容器２０の排出部２１を係止することができる。

　容器ホルダー２７０から収納容器２０を取り出すときは、例えば、容器ホルダー２７０を手で固定した状態で、排出部２１を引っ張り上げればよい。これにより、ロックプレート２７１による排出部２１の係止が解除され、容器ホルダー２７０から収納容器２０を取り出すことができる。つまり、容器ホルダー２７０は、収納容器２０を収容した状態では使い易く、かつ、収納容器２０の交換も容易である。このことは、後述する本開示に係る他の容器ホルダーについても同様である。

　このように、容器ホルダー２７０は、底面部８及び挿入口２７２によって収納容器２０を保持することにより、容器ホルダー２７０からの収納容器２０の脱落を容易に防止できる。その他、容器ホルダー２７０が奏する種々の効果は、実施の形態１の各ホルダーと同様である。

　（上部ホルダー）
　図３２は、本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する上部ホルダー（係止部）を説明するための図である。

　図３２の参照番号３２Ａに示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー３２０は、収納容器２０の排出部２１を係止するための上部ホルダー７２が容器ホルダー３２０に着脱可能に装着される。以下、具体的に説明する。

　上部ホルダー７２は、容器ホルダー３２０の他方の端部（底面部８と反対側の端部）である第２端部に着脱可能に装着される係止部である。上部ホルダー３２０は、容器ホルダーと同様の方法により製造でき、例えば、容器ホルダー３２０の高さを短くしたものが上部ホルダー７２となってよい。従って、上部ホルダー７２は、シート部材２及びフィルム部材５により構成されてよい。容器ホルダー３２０及び／又は上部ホルダー７２の高さは、収納容器２０の高さに応じて適宜に設定されてよい。

　上部ホルダー７２は、天面７３を有する。天面７３は、容器ホルダーの底面部８と同様の方法により形成されてよい。天面７３は、その中心部に、収納容器２０の排出部２１が挿入される挿入口７４を有する。挿入口７４は、排出部２１の口径より僅かに大きく形成されていてよい。

　次に、参照番号３２Ｂ～３２Ｅに示す図を参照して、容器ホルダー３２０に収納容器２０を収容し、挿入口７４により収納容器２０の排出部２１を係止する方法を説明する。

　最初に、参照番号３２Ｂに示す図を参照して、収納容器２０の排出部２１を挿入口７４に挿入するために、収納容器２０の上方から上部ホルダー７２を被せる。収納容器２０の排出部２１にキャップが装着されており、挿入口７４がキャップを挿入するほどには大きく形成されていない場合には、挿入口７４に排出部２１を挿入する前にキャップを外し、挿入口７４に排出部２１を挿入した後にキャップを取り付けてもよい。上部ホルダー７２は、天面７３から下方に向けて径寸法が漸次拡径する拡径部を有するのが好ましい。

　次に、参照番号３２Ｃに示す図を参照して、収納容器２０の排出部２１を挿入口７４において係止する。続いて、参照番号３２Ｄに示す図を参照して、排出部２１が挿入口７４において係止された状態で、収納容器２０を容器ホルダー３２０の内部に挿入する。最後に、参照番号３２Ｅに示す図を参照して、収納容器２０は、排出部２１が挿入口７４において係止された状態を保ちつつ、底面部８上に載置される。

　図３２において、容器ホルダー３２０の上端７１は、上部ホルダー７２の下端７５と同径であってよい。この場合、下端７５は上端７１に載置される。容器ホルダー３２０の上端７１は、上部ホルダー７２の下端７５より小径であってよい。この場合、上端７１の外面と下端７５の内面とが当接する。また、容器ホルダー３２０の上端７１は、上部ホルダー７２の天面７３の裏面に当接してよい。容器ホルダー３２０の上端７１は、上部ホルダー７２の下端７５より大径であってよい。この場合、上端７１の内面と下端７５の外面とが当接する。

　このように、容器ホルダー３２０は、底面部８及び挿入口７４によって収納容器２０を保持することにより、容器ホルダー３２０からの収納容器２０の脱落を容易に防止できる。

　（天面部）
　図３３は、本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する天面部（係止部）を説明するための図である。

　図３３の参照番号３３Ａおよび３３Ｂに示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー３３０は、収納容器２０の排出部２１を係止するための天面部８１が容器ホルダー３３０に着脱可能に装着される。以下、具体的に説明する。

　天面部８１は、容器ホルダー３３０の他方の端部（底面部８と反対側の端部）である第２端部に着脱可能に装着される係止部である。天面部８１は、天板８２、弾性部材８３、係止領域８４、側壁８５、及び側壁終端部８６を有する。

　天板８２は、第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂ（以下、両者を区別しないときは、単に「天板８２」と称する。）を含む。天板８２は、上面視において、略円形の外周縁を有してよい。天板８２の外径は、容器ホルダー３３０の開口部の外径よりも大きく設定されてよい。

　第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂは、一端においては弾性部材８３を介して連結し、他端においては、第１天板８２ａと第２天板８２ｂとの間に収納容器２０の排出部２１を通すための空隙が形成されている。第１天板８２ａと第２天板８２ｂとのなす角度は、弾性部材８３を起点として、１０°～３０°に設定されてよい。第１天板８２ａと第２天板８２ｂとの間には係止領域８４が形成されている。係止領域８４は、天面部８１を上面視したときに、第１天板８２ａの内周縁と、第２天板８２ｂの内周縁とによって部分的に囲まれる略円形の領域である。この係止領域８４において収納容器２０の排出部２１を係止することができる。

　弾性部材８３は、第１天板８２ａと第２天板８２ｂとを連結し、かつ、第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂに対して弾性作用を及ぼす部材である。一般に、弾性とは、応力を加えるとひずみが生じるが、除荷すると元の寸法に戻る性質をいう。

　具体的に、係止領域８４が小さくなる方向に外部からの圧力が第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂに加わったとき、係止領域８４は小さくなる。このとき、弾性部材８３は、係止領域８４が大きくなる方向の反発力を生じさせる。また、係止領域８４が大きくなる方向に外部からの圧力が第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂに加わったとき、係止領域８４は大きくなる。このとき、弾性部材８３は、係止領域８４が小さくなる方向の反発力を生じさせる。弾性部材８３は、このような機能を発揮する限り、特定の形状又は材質等に限定されない。一例として、弾性部材８３は、プラスチック、ゴム、又は金属等の材料により構成されてよい。また、一例として、弾性部材８３は、天面部８１を上面視したときに、略Ｕ字状であってよい。

　係止領域８４は、例えば、上面視において略Ｕ字状に切り欠かかれており、収納容器２０の排出部２１を係止する。係止領域８４は、収納容器２０の排出部２１を係止することができるのであれば、特定の形状に限定されず、他の形状が採用されてよい。

　天面部８１は、天板８２に接続された、収納容器２０の開口部に挿入される側壁８５を備える。天面部８１は、側壁８５から延在する側壁終端部８６を有してもよい。

　側壁８５は、容器ホルダー３３０の長軸方向に沿って、天板８２から下方に延在する。側壁８５は、収納容器２０の開口部の内面に当接する。側壁８５は、例えば５ｍｍ～２０ｍｍの長さであってよい。

　側壁終端部８６は、側壁８５に接続しており、天面部８１の収納容器２０の開口部への装着を容易にするため、口径が容器ホルダー３３０の開口部の内径よりも小さくなるように天面部８１の中心方向に傾斜する。側壁終端部８６は、例えば、天板８２の外周径よりも約１０ｍｍ小さい外周径を有してよい。

　次に、参照番号３３Ｃ～３３Ｅに示す図を参照して、容器ホルダー３３０に収納容器２０を収容し、天面部８１により収納容器２０の排出部２１を係止する方法を説明する。

　最初に、参照番号３３Ｃ示す図を参照して、収納容器２０の排出部２１を天面部８１の係止領域８４に係止する。このとき、係止領域８４を広げる方向に第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂに力を加えて、排出部２１を係止領域８４に挿入しやすくしてよい。次に、参照番号３３Ｄに示す図を参照して、排出部２１が係止領域８４において係止された状態で、収納容器２０を容器ホルダー３３０の内部に挿入する。最後に、参照番号３３Ｅに示す図を参照して、収納容器２０は、排出部２１が係止領域８４において係止された状態を保ちつつ、底面部８上に載置される。そして、天面部８１が容器ホルダー３３０の開口部に装着される。

　容器ホルダー３３０の開口部に天面部８１を装着する方法は次のとおりである。最初に、係止領域８４が小さくなる方向に第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂに対して圧力を加えて、側壁８５の外径を容器ホルダー３３０の開口部の内径よりも小さくする。その状態で、側壁８５及び側壁終端部８６を容器ホルダー３３０の開口部の内側に挿入する。次に、第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂに対する圧力の印加を停止する。これにより、弾性部材８３は、係止領域８４が大きくなる方向の反発力を生じさせて、側壁８５の外面を容器ホルダー３３０の開口部の内面に当接させる。この弾性部材８３の弾性作用によって、接着剤などを用いることなく、側壁８５の外面が容器ホルダー３３０の開口部の内面に当接する状態を維持できる。

　容器ホルダー３３０の開口部から天面部８１を取り外す方法は、まず、係止領域８４が小さくなる方向に第１天板８２ａ及び第２天板８２ｂに対して圧力を加える。次に、側壁８５の外径を容器ホルダー３３０の開口部の内径よりも小さくし、その状態で、側壁８５及び側壁終端部８６を容器ホルダー３３０の開口部の外側に移動する。以上により、容器ホルダー３３０の開口部から天面部８１を取り外すことができる。

　このように、容器ホルダー３３０は、底面部８及び天面部８１によって収納容器２０を保持することにより、容器ホルダー３３０からの収納容器２０の脱落を容易に防止できる。特に、天面部８１は、シート部材２及びフィルム部材５によって構成され、開口部の形状が柔軟に変化しやすい本開示の容器ホルダーに好適に適用できる。

　ここで、天面部８１の天板８２は、上方向にドーム状に形成されてよい。この構成によれば、天面部８１は、上方から印加される圧力に対する強度を高めることができ、座屈しにくくなる。一例として、収納容器２０がポンプ機能を有する場合を考える。この場合、ポンピング動作によって天板８２に対して上方から圧力が印加される。このとき、天板８２が上方向にドーム状に形成されていることにより、天板８２は、座屈しにくくなる。この構成によれば、天面部８１は、収納容器２０がポンプ機能を有する場合に特に好適に適用できる。

　天面部８１は、射出成型により一体成型されてよい。この場合、天板８２、弾性部材８３、側壁８５及び側壁終端部８６の少なくとも何れかは、肉厚の薄い薄肉部（リブ構造）を有してよい。天面部８１は、いわゆるリブ構造となる薄肉部を有することにより、外部衝撃又は歪みに対する耐久性を高めうる。そして、天面部８１は、強度を保ちつつ、使用する樹脂量を軽減できる。

　以上のように、本開示に係る容器ホルダー及び天面部は、収納容器の種類に応じて使い分けることもできる。

　（ロックプレートの変形例）
　ロックプレートによって、収納容器２０の排出部２１をさらに強固に係止する構成を図３４により説明する。図３４は、収納容器２０の排出部２１をさらに強固に係止するための、ロックプレート９３を備えたシート部材９５を説明するための図である。なお、図２８等を参照して説明した内容についてはその説明を省略する。

　参照番号３４Ａに示す図を参照して、本開示に係るシート部材９５は、シート部材９５から延在して形成された、収納容器２０の排出部２１を係止するための第１ロックプレート９６ａ及び第２ロックプレート９６ｂ（以下、両者を区別しないときは、単に「ロックプレート９６」と称する。）を有する。シート部材９５は、例えば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）である。第１ロックプレート９６ａ及び第２ロックプレート９６ｂはそれぞれ半月状であるが、円弧の一部は、第１折れ曲がり部９７ａ及び第２折れ曲がり部９７ｂ（以下、両者を区別しないときは、単に「折れ曲がり部９７」と称する。）としてシート部材９５の筒状をなす本体の一部に含まれている。折れ曲がり部９７は、折罫線又はハーフカット線等により形成されてよい。

　さらに、シート部材９５は、第１折れ曲がり部９８ａ及び第２折れ曲がり部９８ｂ（以下、両者を区別しないときは、単に「折れ曲がり部９８」と称する。）を有する。シート部材９５が筒状に形成されたときに、折れ曲がり部９８は、ロックプレート９６をシート部材９５の径方向に折り曲げやすくする。

　参照番号３４Ｂに示す図は、シート部材９５が筒状に形成され、かつ、ロックプレート９６がシート部材９５の径方向に折り曲げられた状態において、折れ曲がり部９７付近が下方向に押し込まれたときの容器ホルダー３４０を示す。折れ曲がり部９７付近を下方向に押し込むことにより、折れ曲がり部９７付近を下方向に窪め、かつ、ロックプレート９６の先端（排出部２１側）を上方に立ち上げることができる。特に、シート部材９５がＰＥＴ等で形成されている場合には、折れ曲がり部９７付近が下方向に窪んだ状態を長く維持できる。

　前記の構成によれば、折れ曲がり部９７付近を下方向に押し込むことにより、ロックプレート９６をシート部材９５の径方向に立体的に折り曲げることができる。その結果、容器ホルダー３４０は、ロックプレート９６により収納容器２０の排出部２１をより強固に係止でき、容器ホルダーとしての強度を高めることができる。

　このように、容器ホルダー３４０は、シート部材９５に折れ曲がり部９７を設けることにより、使用する樹脂量を増やすことなく、容器ホルダーとしての強度を高めることができる。

　なお、前述の説明では、ロックプレート９６は半月状であり、円弧の一部であるロックプレート９６がシート部材９５の内部に含まれているものとした。しかしながら、ロックプレート９６は特定の形状に限られず、また、折れ曲がり部９７の形状も、円弧状の一部に限定されない。折れ曲がり部９７は、折れ曲がり部９７付近を下方向に押し込むことにより、ロックプレート９６を立体的にシート部材９５の径方向に折り曲げることができるのであれば、任意の形状としてよい。

　（他の収納容器への適用）
　本開示に係る容器ホルダーは、様々な形状の収納容器に適用することができる。そのことを図３５により説明する。図３５は、本開示に係る他の容器ホルダーを説明するための図である。

　本開示に係る容器ホルダー３５０は、図３１のロックプレート２７１ａ及びロックプレート２７１ｂと類似する第１ロックプレート３５１ａ及び第２ロックプレート３５１ｂを有する。第１ロックプレート３５１ａ及び第２ロックプレート３５１ｂはそれぞれ、半月形状であって、収納容器の排出部が挿入される領域がそれぞれ半月状にくり抜かれている。該領域は、図中で挿入口３５２として示されており、挿入口３５２は、排出部に対応する位置に形成されている。このような容器ホルダー３５０は、軟包材容器であって、底マチを有しており、上端の角部に排出部２５が取り付けられているような収納容器のホルダーとして好適である。

　このように、本開示に係る容器ホルダーは、収納容器の形状に応じて製造できるため、様々な形状の収納容器に適用できる。例えば、本開示に係る容器ホルダーは、シャンプー、リンスなどの容器として使用されるシャンプーディスペンサー（シャンプーボトル）にも好適に適用することができる。

　〔まとめ〕
　本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、前記収納容器を載置可能な底面部と、を備える。

　前記の構成によれば、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、従来の容器ホルダーのように射出成型で製造する必要が無いため、フィルム部材（例えば、樹脂製）の使用量を軽減できる。加えて、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、収納容器を載置可能な底面部を有することにより、強度が高まり、長期間に亘って繰り返し使用できる。この点においても、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、フィルム部材の使用量をさらに軽減できる。また、本開示の態様１に係る容器ホルダーは、シート部材及び／又はフィルム部材の部材として、再生材を使用することもできる。

　本開示の態様２に係る容器ホルダーは、前記の態様１において、前記底面部が、前記シート部材の一方の端部である第１端部に位置する前記フィルム部材から該シート部材の径方向に延びるフィルム延在部を含む。この構成によれば、本開示の態様２に係る容器ホルダーは、フィルム延在部を有することにより、収納容器を載置可能な底面部を形成できる。それゆえ、本開示の態様２に係る容器ホルダーは、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点で有利である。

　本開示の態様３に係る容器ホルダーは、前記の態様２において、前記シート部材の前記第１端部から該シート部材の径方向に延び、前記フィルム延在部により重畳される第１シート延在部を含む。この構成によれば、本開示の態様３に係る容器ホルダーは、第１シート延在部がフィルム延在部により重畳されることにより、底面部の強度を高めることができる。これにより、本開示の態様３に係る容器ホルダーは、収納容器を底面部上に安定して載置できる。

　本開示の態様４に係る容器ホルダーは、前記の態様１から３の何れかにおいて、前記容器ホルダーの側面部と前記底面部との間に湾曲部を有する。この構成によれば、本開示の態様４に係る容器ホルダーは、従来のボトルに類似した形状になる、デザイン性が高まる、複数の容器ホルダーを上下にスタッキングしやすくなる、又は、強度が高まる、といった効果が得られる。

　本開示の態様５に係る容器ホルダーは、前記の態様１から４の何れかにおいて、前記シート部材の軸方向における一対の端部間において、前記底面部に向けて径寸法が漸次縮径する縮径部を有する。この構成によれば、本開示の態様５に係る容器ホルダーは、複数の容器ホルダーをスタッキングしやすくなる。

　本開示の態様６に係る容器ホルダーは、前記の態様１から５の何れかにおいて、前記収納容器は、排出部を有しており、前記排出部を係止する係止部を備える。この構成によれば、本開示の態様６に係る容器ホルダーは、収納容器を、底面部上に載置し、かつ、収納容器の排出部を係止部にて係止できる。これにより、本開示の態様６に係る容器ホルダーは、容器ホルダーからの収納容器の脱落をさらに防止できる。

　本開示の態様７に係る容器ホルダーは、前記の態様６において、前記係止部は、前記シート部材の他方の端部である第２端部から延びる第２シート延在部により構成されている。この構成によれば、本開示の態様７に係る容器ホルダーは、収納容器を係止するための別部材を用いることなく、第２シート延在部によって収納容器を係止することができる。それゆえ、本開示の態様７に係る容器ホルダーは、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点で有利である。

　本開示の態様８に係る容器ホルダーは、前記の態様６において、前記係止部は、前記シート部材の他方の端部である第２端部に着脱可能に装着される。この構成によれば、本開示の態様８に係る容器ホルダーは、第２端部に係止部を着脱可能に装着するという簡易な方法によって、収納容器を係止できる。

　上述の実施の形態１～５において、本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、それぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

１、１３０、１８０、２２０、２７０　容器ホルダー
２、１８、４０、４１、４２、９２　シート部材
２ａ　第１端部
２ｂ　第２端部
２ｆ　第１シート延在部
２ｗ　窓開き部
３、１４、３１、５１ａ、５１ｂ、６０、７０　係止部
３ａ、１２ａ、１４ａ、３０ａ、６０ａ、９１ａ　開口
４　切欠き部
５、９１　フィルム部材
５ａ、１２、３０　フィルム延在部
６　縮径部
７　収容空間
８、３０１　底面部
１０、２０、　収納容器
１０ａ、２１　排出部
３１、３２、３３、３４、３５、３６、３７、３８、１１０　上面部材
３１ａ、３２ａ、３３ａ、３５ａ、３５ｂ　第１開口
３７ａ、３８ａ、３８ｂ、６１　嵌合部
１８０ａ、１８０ｂ、１８０ｃ　突出部

Claims

　収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、
　前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、を備え、さらに
　前記収納容器を着脱可能に係止する係止部を備える、容器ホルダー。
　前記収納容器は排出部を有しており、前記係止部は、前記排出部が挿入される開口を有する、請求項１に記載の容器ホルダー。
　前記収納容器は排出部を有しており、前記係止部は、前記排出部を係止する係止切欠部を有する、請求項１に記載の容器ホルダー。
　前記シート部材の軸方向における一対の端部が有する径寸法は互いに異なる、請求項１から請求項３の何れか１項に記載の容器ホルダー。
　前記シート部材は、外壁面に窓開き部を有し、
　前記フィルム部材が前記窓開き部において前記シート部材の内部方向へ突出してなる突出部を備える、請求項１から請求項４の何れか１項に記載の容器ホルダー。
前記係止部は、前記シート部材の上端部に位置し、かつ、前記収納容器の排出部を挿入可能な開口を有する上面部材である、請求項１から請求項５の何れか１項に記載の容器ホルダー。
　前記上面部材は、前記シート部材と前記収納容器に使用されるキャップとの間に挟持される、請求項６に記載の容器ホルダー。
　前記収納容器を載置可能な底面部をさらに備える、請求項１から請求項７の何れか１項に記載の容器ホルダー。
　前記フィルム部材は、前記シート部材の一方の端部から該シート部材の径方向に延びるフィルム延在部を有し、
前記底面部は、前記フィルム延在部を含む、請求項８に記載の容器ホルダー。
　前記係止部は、前記シート部材の他方の端部に着脱可能に装着される請求項８または請求項９に記載の容器ホルダー。
前記容器ホルダーの側面部と前記底面部との間に湾曲部を有する、請求項８から請求項１０の何れか１項に記載の容器ホルダー。