JP7189098B2 - 合成樹脂製容器の中間成形体、及び合成樹脂製容器の製造方法 - Google Patents

合成樹脂製容器の中間成形体、及び合成樹脂製容器の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、合成樹脂製容器の中間成形体、及び合成樹脂製容器の製造方法に関する。
従来から、醤油等の食品調味料や飲料、あるいは化粧水などの化粧料、シャンプーやリンス、液体石鹸などのトイレタリーを内容液として収納する容器として、量産性に優れた合成樹脂製容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の合成樹脂製容器は、容器メーカーから内容物の供給メーカーに納入され、内容物の供給メーカーが当該容器に内容物を充填して出荷することが想定されている。合成樹脂製容器を容器メーカーから内容物の供給メーカーに輸送する際には、容器を上下に積み重ねることで輸送時の総容積を抑制して輸送効率を向上させることできる。また、内容物を充填する前に容器の下部に底板を取り付けることで内容物を充填可能な状態とすることができるため、容器にパウチや紙容器を用いた場合と比較して容器の形状安定性や輸送時の衝撃等に対する信頼性を高めることができる。
特開2004- 26266号公報
しかしながら、上述の合成樹脂製容器では、内容物を充填する前に容器の下部に底板を取り付ける必要があるため、内容物を充填する際の作業効率の点で改善の余地があった。
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内容物の充填前における容器の輸送効率を向上しつつ、内容物を充填する際の作業効率を改善させた合成樹脂製容器の中間成形体、及び合成樹脂製容器の製造方法を提供することにある。
本開示の合成樹脂製容器の中間成形体は、
筒状の口部と、
該口部の下方に連なる胴部と
を備える合成樹脂製容器の中間成形体であって、
前記胴部には、
外層体と該外層体の内側にガス充填層を介して設けられた内層体とを有すると共に前記口部に連なるように設けられ、該内層体が該外層体から離脱可能な離脱部と、
該離脱部に連なる位置に設けられ、厚み方向に離脱しないと共に前記離脱部とは離間した位置において開口を有する非離脱部と
が設けられ、
前記離脱部は、前記口部と前記胴部とが連なる位置を越えて径方向内側に延びることで、前記口部と前記胴部とを連通する連通口を閉塞することを特徴とする。
また、本開示の合成樹脂製容器の中間成形体は、上記構成において、前記胴部は、下端部に前記開口を有する有頂筒状形状を有し、前記非離脱部は、前記離脱部の下方に連なることが好ましい。
また、本開示の合成樹脂製容器の中間成形体は、上記構成において、前記胴部は、下方に向けて拡径する円錐台側面形状を有することが好ましい。
また、本開示の合成樹脂製容器の中間成形体は、上記構成において、前記外層体及び前記内層体は、同一の合成樹脂により形成されていることが好ましい。
また、本開示の合成樹脂製容器の中間成形体は、上記構成において、前記外層体及び前記内層体は、高密度ポリエチレン樹脂により形成されていることが好ましい。
また、本開示の合成樹脂製容器の中間成形体は、上記構成において、前記内層体は、前記外層体よりも厚みが薄く形成されていることが好ましい。
また、本開示の合成樹脂製容器の製造方法は、
筒状の口部と、
該口部の下方に連なる胴部と
を備え、
前記胴部には、
外層体と該外層体の内側にガス充填層を介して設けられた内層体とを有すると共に前記口部に連なるように設けられ、該内層体が該外層体から離脱可能な離脱部と、
該離脱部に連なる位置に設けられ、厚み方向に離脱しないと共に前記離脱部とは離間した位置において開口を有する非離脱部と
が設けられ、
前記離脱部は、前記口部と前記胴部とが連なる位置を越えて径方向内側に延びることで、前記口部と前記胴部とを連通する連通口を閉塞する、中間成形体を形成するステップと、
該中間成形体の前記離脱部のうち前記連通口を閉塞する部分から前記外層体を取り除くステップと
を含むことを特徴とする。
また、本開示の合成樹脂製容器の製造方法は、上記構成において、前記中間成形体を形成するステップは、該中間成形体を成形する成形金型のゲートから前記外層体及び前記内層体を構成する主材樹脂を射出するステップと、前記ゲートからガスを供給し、前記主材樹脂の未固化部分を該ガスで押し込みながら前記主材樹脂の間にガス充填層を形成するステップと、前記ゲートから前記主材樹脂を射出し、前記ガス充填層を該主材樹脂により閉塞するステップとを含むことが好ましい。
本開示によれば、内容物の充填前における容器の輸送効率を向上しつつ、内容物を充填する際の作業効率を改善させた合成樹脂製容器の中間成形体、及び合成樹脂製容器の製造方法を提供することができる。
本開示の一実施形態である合成樹脂製容器の中間成形体の正面断面図である。 図1におけるA部詳細図である。 図1におけるB部詳細図である。 本開示の一実施形態である合成樹脂製容器の製造方法を実施する手順を示すフローチャートである。 本開示の一実施形態である合成樹脂製容器の中間成形体を積層射出成形する第1工程(主材樹脂の射出)におけるキャビティ内の樹脂の状態を示す図である。 本開示の一実施形態である合成樹脂製容器の中間成形体を積層射出成形する第2工程(窒素ガスの供給)を経て第3工程(主材樹脂を再度射出)終了時のキャビティ内の樹脂の状態を示す図である。 本開示の一実施形態である合成樹脂製容器の製造方法において、連通口を閉塞する部分の外層体を切除する工程を示す図である。 本開示の一実施形態である合成樹脂製容器を上下に重ねた状態を示す図である。 本開示の一実施形態である合成樹脂製容器において、口部から反転用ロッドを挿入して内層体を外層体から反転離脱させている状態を示す図である。 本開示の一実施形態である合成樹脂製容器の収容空間内に内容物を充填し、蓋体を装着した状態を示す図である。
以下、図面を参照して、本開示をより具体的に例示説明する。
図1に示す本開示の一実施形態である合成樹脂製容器100の中間成形体101は、内容物を吐出させる筒状の口部10と、口部10の下方に連なる有頂筒状形状を有する胴部20とを備えている。
なお、本明細書、特許請求の範囲、及び図面においては、上下方向は、図1に示すように中間成形体101を正立姿勢とした状態における上方、下方を意味するものとする。また、径方向外側とは、図1における中間成形体101の中心軸線O1を通り中心軸線O1に垂直な直線に沿って外側に向かう方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線O1に向かう方向を意味するものとする。また、「離脱」とは、内層体が外層体からガス充填層の厚み以上に大きく離れることを意味するものとする。本開示において、外層体と内層体との間にガス充填層が形成されているが、成形ばらつきや外力が加わる等により外層体と内層体が局所的に接触する場合があり得るものとする。
口部10は、図1に示すように略円筒形状の外周壁11を備えており、外周壁11の外面には、蓋体60(図8参照)やポンプ等を着脱可能に装着するための雄ねじ部11aが形成されている。なお、雄ねじ部11aに代えて外周壁11から径方向外側に突出する係合突部を設けて打栓により蓋体60やポンプ等を装着可能に構成してもよい。
口部10の下方には、有頂筒状の胴部20が設けられている。胴部20は、口部10と一体形成されており、下方に向かって拡径する円錐台側面形状の側部を備えると共に、下端部において外部に通じる開口28を備えている。また、胴部20における開口28の直上には、胴部20を径方向外側に拡径する段部27が設けられている。段部27により胴部20の剛性が高められ、内容物を収容したり外力が加わった際の胴部20の変形を抑制することができる。
胴部20は、口部10に連なる上部領域において、外層体22aと外層体22aの内側に設けられた内層体22bとを有し、内層体22bが外層体22aから離脱可能な離脱部22を備えている。また、胴部20は、離脱部22の下方に連なり、厚み方向に離脱しない非離脱部24を備えている。開口28は、非離脱部24の下端部に形成されており、離脱部22とは離間した位置に設けられている。図2Bは、胴部20における離脱部22と非離脱部24との境界部分の拡大図を示している。
本実施形態において、外層体22aには、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料を用いることができる。外層体22aにポリエチレンを用いる場合には、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)又は低密度ポリエチレン(LDPE)等を用いることができ、特に、高密度ポリエチレン樹脂を用いた場合には、高い剛性を備え耐衝撃性に優れた合成樹脂製容器100を製造することができる。また、低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた場合には胴部20に可撓性を持たせることができる。しかし、この態様には限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの他の合成樹脂材料を用いてもよい。
内層体22bは、図2Bに示すように、胴部20の最も内側にある樹脂層である。本実施形態では、内層体22bの材料には、外層体22aと同一の材料を用いている。また、外層体22aと内層体22bとの間には、窒素ガスが封入されたガス充填層22cが形成されている。
本実施形態において、内層体22bの材料には、外層体22aと同じ材料を用いたが、この態様に限定されず、例えばエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)やナイロンなど、外層体22aとは異なる他の合成樹脂材料を用いるようにしてもよい。
本実施形態において、非離脱部24は、同一材料によって一体形成することによって厚み方向に離脱不能に構成されているが、この態様には限定されない。非離脱部24は、外側の部材と内側の部材が形状に基づく物理的結合により離脱しない構成を備えていてもよい。また、非離脱部24において、形状以外の例えば接着剤や熱による物理的結合又は化学的結合により離脱しない構成を備えていてもよい。
図1の例では、口部10の径方向内側には、中間成形体101を射出成形により成形する際に樹脂を成形金型40に供給するためのゲート41a(図4A,図4B参照)に形成されるゲート部13が配置されている。図1に示すように、胴部20の離脱部22が、口部10と胴部20とが連なる位置(連結位置)を越えて径方向内側に延びており(上記連結位置より径方向内側部分を離脱部15としている)、ゲート部13は、離脱部15の中心軸線O1上から上方に延びている。
ゲート部13は、図2Aに示すように上方に向かって僅かに縮径する略円柱形状を備えている。ゲート部13は、離脱部15の外層体15aを介して胴部20の外層体22aと連結されており、外層体22aと同一材料で構成されている。
次に、合成樹脂製容器100の製造方法について図3のフローチャート等を用いて詳細に説明する。
合成樹脂製容器100を製造するに際しては、まず、積層射出成形によって、図1に示す中間成形体101を形成する。中間成形体101は、口部10と胴部20を連通する連通口18が離脱部15により覆われて閉塞されているため、後述する後工程(ステップS107)を実施することにより容器として使用することができる。
中間成形体101の形成に際しては、図4A,図4Bに示す積層射出成形を用いて形成することができる。
すなわち、図4Aに示す第1工程において、中間成形体101の成形金型40のゲート41aから、外層体22a及び内層体22bを構成する主材樹脂31(本実施形態では高密度ポリエチレン(HDPE))を成形金型40のキャビティC内に射出する(ステップS101)。供給された主材樹脂31のうち、中間成形体101の外形を形成する外側の金型41と、胴部20の内側を形成する内側の金型43の近くに滞留する部分は、両金型41,43を介して放熱によって温度が低下し易いので、両金型41,43に沿って層状に固化し易い(図4Aに示す固化部分31aとなる)。従って、成形金型40のキャビティC内を、外側の金型41の内面側で固化が始まった固化部分31aと、内側の金型43の外面側で固化が始まった固化部分31aと、これらの間に位置し、且つ未だ固化せずに流動性が高い中層部分である未固化部分31bとからなる主材樹脂31で満たすことができる。
次に、第2工程において、ゲート41aから窒素ガス33を供給し、上記固化部分31aの間の未固化部分31bを窒素ガスで押し込む。この窒素ガス33による押し込みによって、主材樹脂31の未固化部分31bをキャビティC内の残りのスペースに向けて押し出しながら流動させることができ、窒素ガス33よりも先に行き渡らせながら次々と層状に固化させることができる。これによって、窒素ガス33を主材樹脂31における固化部分31aの間に挟み込んだガス充填層15c,22c(図2A,図2B参照)を形成し、固化部分31aと窒素ガス33とからなる積層構造とすることができる(ステップS103)。
最後に、第3工程において、ゲート41aから再度主材樹脂31dのみを射出する。これによって、ゲート41a内の径方向中心領域を主材樹脂31dで満たすことができ、ガス充填層15c,22cを主材樹脂31dにより閉塞することができる(図4B参照)(ステップS105)。また、先の第2工程においてゲート41aから射出された窒素ガス33が、最終的に図4Bに示すように胴部20の中間高さまで延びた状態で未固化部分31bが硬化する。第2工程でゲート41aから射出された窒素ガス33は、胴部20の離脱部22において外層体22aと内層体22bとの間に形成されたガス充填層22cとなる。また、ガス充填層22cに隣接し外側の金型41に面した固化部分31aは、外層体22aを構成する。また、ガス充填層22cに隣接し内側の金型43に面した固化部分31aは、内層体22bを構成する。すなわち、胴部20の上端部から第3工程において最終的に窒素ガス33が延在する高さ位置までが離脱部22となり、それよりも下方の窒素ガス33が入り込まなかった領域が非離脱部24となる。離脱部22が、胴部20においてどの高さ位置までを占めるかは、第1工程においてキャビティC内に射出された主材樹脂31の容積等に依存して決定される。なお、胴部20の外面は、例えばオフセット印刷等により作成されたラベルを金型内に挿入することで形成されるインモールドラベル等により加飾することができる。
本実施形態では、中間成形体101の形成に積層射出成形を用いるようにしたが、この態様には限定されず、押出成形やシート成形など他の成形方法を用いてもよい。特に、内層体22bに外層体22aとは異なる他の合成樹脂材料を用いる場合には、中間成形体101の成形には、押出成形やシート成形などの成形方法を用いることが好ましい。
中間成形体101が形成された後、離脱部15,22のうち、連通口18を閉塞する領域の離脱部15から外層体15aを切除する(ステップS107)。これによって、外層体15aの上方のゲート部13も除去される。この工程は、例えば、図5に示すように、下端部に設けた刃物部91に上下方向の超音波振動を与えることが可能な切除手段90(超音波カッター)等によって実現することができる。外層体15aの切除によって口部10と胴部20との間の連通口18は内層体15bのみによって閉塞された状態となる。外層体15aの切除は、例えば刃物部91の先端部を切除する層の下端部まで精度よく動かすことによって行うことができる。
ステップS107によって外層体15aを切除して形成された合成樹脂製容器100は、図6に示すように、上下に重ねることができる。上述のように、合成樹脂製容器100の胴部20は、下方に向かって拡径する円錐台側面形状を有しており、胴部20の上部の外径は胴部20の下部の内径よりも直径が小さくなるように構成されている。従って、下側の合成樹脂製容器100の胴部20の上部を、上側の合成樹脂製容器100の胴部20の内側に入り込ませることができる。
合成樹脂製容器100を図6のように上下に複数重ねることで輸送時の容器の総容積を抑制し、輸送効率を向上させることができる。
ステップS107を実行した後、内層体22bを離脱部22の外層体22aから反転離脱させ、開口28側に押し出す(ステップS109)。この内層体22bを反転離脱させる工程は、例えば図7に示すように、合成樹脂製容器100の口部10から反転用ロッド50を容器内に挿入し、連通口18を閉塞している内層体15bを下方に向かって押圧する。口部10の内層体15bの押圧によって、これに連なる胴部20の離脱部22の内層体22bは外層体22aから離脱し、離脱部22と非離脱部24との境界部を支点に開口28側に折り返される。これによって、合成樹脂製容器100の胴部20内には、外層体22a、内層体15b及び反転離脱した内層体22bとで画定される内容物の収容空間Sが形成される。
なお、本実施形態では、外層体22aと内層体22bとの間にガス充填層22cを設けている。このような構成によって、ガス充填層22cを設けずに初期状態において外層体22aと内層体22bとが直接接触している場合と比較して、内層体22bを外層体22aから容易に反転離脱させて、内容物の収容空間Sを形成することができる。また、内層体22bを外層体22aから離脱させる際に対向面が荒れたりすることがないので、対向面の外観を良好に保つことができる。
また、本実施形態では、図4A及び図4Bに示す第1工程から第3工程において、同じ主材樹脂31から外層体22aと内層体22bとを形成しているので、実質的に単一材料で合成樹脂製容器100を形成している。従って、合成樹脂製容器100を容易にリサイクルすることができる。
また、本実施形態では、内層体22bの方が外層体22aよりも厚みが薄くなるように構成しているので、内層体22bの曲げ剛性を低減し、内層体22bを外層体22aから容易に離脱させることができる。
外層体22a及び内層体22bの離脱による収容空間Sの形成は、上述の反転用ロッド50を用いる手法に限定されない。例えば、口部10に内容物の充填ノズルを装着し、容器内を加圧しながら内容物を充填することで内層体15bを押圧し、内層体15bに連なる胴部20の内層体22bを外層体22aから離脱させて収容空間Sの容積を増大させながら内容物の充填を行うようにしてもよい。
図8は、ステップS109によって形成された収容空間S内に内容物を充填させた状態を示している。口部10には、周壁61と、周壁61の上端部に連なる天壁62とを備えた蓋体60が装着されている。蓋体60は、周壁61の内面に形成された雌ねじ部61aを口部10の雄ねじ部11aにねじ係合させることで口部10に装着されている。天壁62の下面からシール壁63が垂下しており、口部10の外周壁11の内面に嵌合することで口部10を液密にシールしている。本実施形態では、外層体22aの方が内層体22bよりも厚みが厚くなるように構成している。従って、利用者は、内層体22bより剛性が高い外層体22a部分、又は外層体22aよりも更に剛性が高い非離脱部24を把持することができるので、より安定的に合成樹脂製容器100を取り扱うことができる。また、収容空間Sを構成する内層体22b部分は非離脱部24によって径方向外側から覆われているので、剛性が低い内層体22bを剛性が高い非離脱部24によって保護することができる。
なお、ステップS109は、本実施形態に係る合成樹脂製容器100の製造方法を構成する1ステップに加えてもよいし、加えなくてもよい。すなわち、ステップS109によって内層体22bを反転させて収容空間Sを形成した状態を合成樹脂製容器100が完成した状態であると考える場合には、合成樹脂製容器100の製造方法は、ステップS101からS109までを含む。他方、ステップS107によって連通口18を閉塞する部分の外層体15aの切除を行い、離脱部22における内層体22bの離脱を行わず収容空間Sを未だ形成していない状態を合成樹脂製容器100が完成した状態であると考える場合には、合成樹脂製容器100の製造方法は、ステップS101からS107までを含むものとする。
以上述べたように、本実施形態は、筒状の口部10と、口部10の下方に連なる胴部20とを備える合成樹脂製容器100の中間成形体101であって、胴部20には、外層体22aと外層体22aの内側にガス充填層22cを介して設けられた内層体22bとを有すると共に口部10に連なるように設けられ、内層体22bが外層体22aから離脱可能な離脱部22と、離脱部22に連なる位置に設けられ、厚み方向に離脱しないと共に離脱部22とは離間した位置において開口28を有する非離脱部24とが設けられ、離脱部22は、口部10と胴部20とが連なる位置を越えて径方向内側に延びることで、ゲート部13に連なると共に口部10と胴部20とを連通する連通口18を閉塞するように構成した。このような構成の採用によって、開口28に他の合成樹脂製容器100を挿入することで内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができると共に、内容物を充填する際に底板等を取り付ける必要が無いため作業効率を改善することができる。特に本実施形態では、外層体22aと内層体22bとの間にガス充填層22cを形成しているので、ガス充填層22cを設けずに初期状態において外層体22aと内層体22bとが直接接触している場合と比較して、内層体22bを外層体22aから容易に反転離脱させて、内容物の収容空間Sを形成することができる。また、内層体22bを外層体22aから離脱させる際に対向面が荒れたりすることがないので、対向面の外観を良好に保つことができる。
また、本実施形態では、胴部20は、下端部に開口28を有する有頂筒状形状を有し、非離脱部24は、離脱部22の下方に連なるように構成した。このような構成の採用によって、口部10から反転用ロッド50を挿入することで内層体15bを押圧し、これに連なる内層体22bを外層体22aから反転離脱させて開口28側に容易に押し出すことができる。また、離脱部22において外層体22aから反転離脱させた内層体22bは、非離脱部24の内側に配置されるので、内層体22bを非離脱部24によって保護することができる。
また、本実施形態では、胴部20は、下方に向けて拡径する円錐台側面形状を有するように構成した。このような構成の採用によって、内層体22bを外層体22aから反転離脱させる前の段階において複数の合成樹脂製容器100を上下方向に容易に重ねることができるので、内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、外層体22a及び内層体22bは、同一の合成樹脂により形成されるように構成した。このような構成の採用によって、実質的に単一材料で合成樹脂製容器100を形成することができるので、合成樹脂製容器100を容易にリサイクルすることができる。
また、本実施形態では、外層体22a及び内層体22bは、高密度ポリエチレン樹脂により形成されるように構成した。このような構成の採用によって、高い剛性を備え耐衝撃性に優れた合成樹脂製容器100を製造することができる。
また、本実施形態では、内層体22bは、外層体22aよりも厚みが薄く形成されるように構成した。このような構成の採用によって、利用者は、内層体22bより剛性が高い外層体22a部分、又は外層体22aよりも更に剛性が高い非離脱部24を把持することができるので、より安定的に合成樹脂製容器100を取り扱うことができる。また、収容空間Sを構成する内層体22b部分は非離脱部24によって径方向外側から覆われているので、剛性が低い内層体22b部分を剛性が高い非離脱部24によって保護することができる。
また、本実施形態に係る合成樹脂製容器100の製造方法は、筒状の口部10と、口部10の下方に連なる胴部20とを備え、胴部20には、外層体22aと外層体22aの内側にガス充填層22cを介して設けられた内層体22bとを有すると共に口部10に連なるように設けられ、内層体22bが外層体22aから離脱可能な離脱部22と、離脱部22に連なる位置に設けられ、厚み方向に離脱しないと共に離脱部22とは離間した位置において開口28を有する非離脱部24とが設けられ、離脱部22は、口部10と胴部20とが連なる位置を越えて径方向内側に延びることで、ゲート部13に連なると共に口部10と胴部20とを連通する連通口18を閉塞する、中間成形体101を形成するステップと、中間成形体101の離脱部15,22のうち連通口18を閉塞する部分(離脱部15)から外層体15aを取り除くステップとを含むように構成した。このような構成の採用によって、開口28に他の合成樹脂製容器100を挿入することで内容物の充填前における容器の輸送効率を向上させることができると共に、内容物を充填する際に底板等を取り付ける必要が無いため作業効率を改善することができる。特に本実施形態では、外層体22aと内層体22bとの間にガス充填層22cを形成しているので、ガス充填層22cを設けずに初期状態において外層体22aと内層体22bとが直接接触している場合と比較して、内層体22bを外層体22aから容易に反転離脱させて、内容物の収容空間Sを形成することができる。また、内層体22bを外層体22aから反転離脱させる際に対向面が荒れたりすることがないので、対向面の外観を良好に保つことができる。
また、本実施形態では、中間成形体101を形成するステップは、中間成形体101を成形する成形金型40のゲート41aから外層体22a及び内層体22bを構成する主材樹脂31を射出するステップと、ゲート41aから窒素ガス33を供給し、主材樹脂31の未固化部分31bを窒素ガス33で押し込みながら主材樹脂31の間にガス充填層22cを形成するステップと、ゲート41aから主材樹脂31を射出し、ガス充填層22cを主材樹脂31により閉塞するステップとを含むように構成した。このような構成の採用によって、外層体22aと内層体22bとの間に容易にガス充填層22cを形成することができる。
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、本実施形態では、離脱部22において外層体22aと内層体22bとの間に窒素ガスで満たされたガス充填層22cを設けたが、この態様には限定されない。外層体22aと内層体22bとの間に、窒素ガス以外の、例えば空気、酸素、二酸化炭素、又はその他多種多様な不活性ガスを充填したガス充填層22cを配置するようにしてもよい。
また、本実施形態では、胴部20の下端部に開口28を設けるように構成したが、この態様には限定されない。胴部20は、下端部が底部により閉塞されると共に、側面に開口28が設けられていてもよい。
また、本実施形態では、胴部20が下方に向けて拡径する円錐台側面形状を備えるように構成したが、この態様には限定されない。胴部20は、例えば円筒形状や角筒形状等の他の形状を有していてもよい。
また、本実施形態では、外層体22a及び内層体22bが同一の合成樹脂により形成されるように構成したが、この態様には限定されない。中間成形体101の成形に、押出成形やシート成形などを用いることで、外層体22aと内層体22bとが異なる材料で形成されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、内層体22bが外層体22aよりも厚みが薄く形成されるように構成したが、この態様には限定されない。内層体22bの厚みが外層体22aの厚み以上となるようにしてもよい。
また、本実施形態では、胴部20の離脱部22がガス充填層22cを含めて3層の積層構造を有するように構成したが、この態様には限定されない。離脱部22は、外層体22a又は内層体22bを複数の樹脂層からなる構成とし、全体として4層以上の積層構造となるようにしてもよい。
10 口部
11 外周壁
11a 雄ねじ部
13 ゲート部
15 離脱部
15a 外層体
15b 内層体
15c ガス充填層
18 連通口
20 胴部
22 離脱部
22a 外層体
22b 内層体
22c ガス充填層
24 非離脱部
27 段部
28 開口
31 主材樹脂
31a 固化部分
31b 未固化部分
31d 主材樹脂
33 窒素ガス
40 成形金型
41 外側の金型
41a ゲート
43 内側の金型
50 反転用ロッド
60 蓋体
61 周壁
61a 雌ねじ部
62 天壁
63 シール壁
90 切除手段
91 刃物部
100 合成樹脂製容器
101 中間成形体
C キャビティ
O1 中心軸線
S 収容空間

Claims (8)

  1. 筒状の口部と、
    該口部の下方に連なる胴部と
    を備える合成樹脂製容器の中間成形体であって、
    前記胴部には、
    外層体と該外層体の内側にガス充填層を介して設けられた内層体とを有すると共に前記口部に連なるように設けられ、該内層体が該外層体から離脱可能な離脱部と、
    該離脱部に連なる位置に設けられ、厚み方向に離脱しないと共に前記離脱部とは離間した位置において開口を有する非離脱部と
    が設けられ、
    前記離脱部は、前記口部と前記胴部とが連なる位置を越えて径方向内側に延びることで、前記口部と前記胴部とを連通する連通口を閉塞することを特徴とする合成樹脂製容器の中間成形体。
  2. 前記胴部は、下端部に前記開口を有する有頂筒状形状を有し、前記非離脱部は、前記離脱部の下方に連なる、請求項1に記載の合成樹脂製容器の中間成形体。
  3. 前記胴部は、下方に向けて拡径する円錐台側面形状を有する、請求項2に記載の合成樹脂製容器の中間成形体。
  4. 前記外層体及び前記内層体は、同一の合成樹脂により形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の合成樹脂製容器の中間成形体。
  5. 前記外層体及び前記内層体は、高密度ポリエチレン樹脂により形成されている、請求項4に記載の合成樹脂製容器の中間成形体。
  6. 前記内層体は、前記外層体よりも厚みが薄く形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の合成樹脂製容器の中間成形体。
  7. 筒状の口部と、
    該口部の下方に連なる胴部と
    を備え、
    前記胴部には、
    外層体と該外層体の内側にガス充填層を介して設けられた内層体とを有すると共に前記口部に連なるように設けられ、該内層体が該外層体から離脱可能な離脱部と、
    該離脱部に連なる位置に設けられ、厚み方向に離脱しないと共に前記離脱部とは離間した位置において開口を有する非離脱部と
    が設けられ、
    前記離脱部は、前記口部と前記胴部とが連なる位置を越えて径方向内側に延びることで、前記口部と前記胴部とを連通する連通口を閉塞する、中間成形体を形成するステップと、
    該中間成形体の前記離脱部のうち前記連通口を閉塞する部分から前記外層体を取り除くステップと
    を含むことを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
  8. 前記中間成形体を形成するステップは、
    該中間成形体を成形する成形金型のゲートから前記外層体及び前記内層体を構成する主材樹脂を射出するステップと、
    前記ゲートからガスを供給し、前記主材樹脂の未固化部分を該ガスで押し込みながら前記主材樹脂の間にガス充填層を形成するステップと、
    前記ゲートから前記主材樹脂を射出し、前記ガス充填層を該主材樹脂により閉塞するステップと
    を含む、請求項7に記載の合成樹脂製容器の製造方法。
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JP2001199427A (ja) 2000-01-19 2001-07-24 Yoshino Kogyosho Co Ltd 超薄肉容器
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