次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、鞍乗型車両の一例である自動二輪車1に乗車した運転者から見た方向で、自動二輪車1の左右方向を定義する。従って、前後方向は車長方向に一致し、左右方向は車幅方向に一致する。また、鉛直方向(上下方向)は高さ方向に一致する。
初めに、自動二輪車1の概要について、図1から図3を参照して説明する。図1は、自動二輪車1の側面図である。図2は、自動二輪車1の平面図である。図3は、自動二輪車の背面図である。図1に示すように、自動二輪車1は、車体10と、前輪11と、後輪12と、を備える。
車体10は、自動二輪車1の骨格となる複数のフレームを含んでいる。これらのフレームには、自動二輪車1を構成する様々な部品、及び、外装となるカウルが取り付けられている。カウルは樹脂製であり、電磁波を透過可能である。車体10の前後方向の中央近傍には、エンジン21が設けられている。エンジン21は自動二輪車1を走行させるための駆動源である。本実施形態のエンジン21はガソリンエンジンである。なお、ガソリンエンジンに代えて又は加えて他の駆動源、例えば走行用の電動モータが設けられていてもよい。また、ガソリンエンジン以外の内燃機関が駆動源として設けられていてもよい。
車体10の後部には、スイングアーム22が配置されている。スイングアーム22の後部には、後輪12が回転可能に取り付けられている。エンジン21で発生した動力は、ドライブチェーン23を介して後輪12に伝達される。これにより、自動二輪車1を走行させることができる。
車体10の前部には、図略のアッパーブラケット及びロアブラケット等を介してフロントフォーク24が取り付けられている。フロントフォーク24は、正面視で前輪11を挟むように左右一対で配置されている。フロントフォーク24の上端の近傍にはステアリングハンドル25が配置されている。運転者がステアリングハンドル25を回動させることで、フロントフォーク24が回動するため、自動二輪車1の進行方向を変更することができる。
また、ステアリングハンドル25の前方には、サイドミラー26が左右一対で配置されている。なお、サイドミラー26は、別の位置(例えばステアリングハンドル25)に取り付けられていてもよい。また、ステアリングハンドル25の前方であって、車幅方向の中央近傍には、メータ装置27が配置されている。メータ装置27は、エンジン回転速度、車速、及びその他の情報を表示することができる。
ステアリングハンドル25の後方であって、エンジン21の上方には、エンジン21に供給するための燃料が貯留される燃料タンク28が配置されている。燃料タンク28の後方には、運転者が着座するためのフロントシート29が配置されている。運転者は、フロントシート29に着座した状態で、燃料タンク28及びその下方を、脚の膝部分で挟んで身体を安定させるとともに重心を左右に移動させて操舵操作の一部又は車体傾斜操作を行う。
次に、図1から図4を参照して、自動二輪車1の後部の構成、特に後方の物体を検出するための構成について説明する。図4は、自動二輪車の拡大側面図である。
図1及び図4等に示すように、自動二輪車1は、リアシート31と、リアカバー32と、リアステー33と、を備える。
リアシート31は、同乗者が着座するためのシートである。リアシート31は、フロントシート29の後方であって、フロントシート29よりも高い位置に配置されている。なお、リアシート31は省略してもよい。
リアカバー32の内部にはリアフレームが配置されている。リアカバー32は、リアフレームの左右両側の側面及び下面を覆うように配置されている。リアカバー32は、樹脂材料によって形成される。リアフレームは、フロントシート29及びフロントシート29よりも後方に配置される車体部品を支持するために設けられる。本実施形態では、リアフレームは、金属材料によって形成される。また、リアカバー32は、リアフレームの上面の所定部分を覆わずに開放させるが、当該所定部分はリアシート31によって覆われている。また、リアシート31の下方には、例えば、図略の電装品、ハーネス、及び工具入れ等が取付可能であってもよい。
テールランプ41は、車体後方に向けて光を照射する。テールランプ41は、後続車に自車の存在を知らせるために点灯したり、ブレーキを作動させた場合に点灯したりするためのランプである。テールランプ41は、リアカバー32の後部に配置されている。具体的には、リアカバー32の後面には貫通孔が形成されている。テールランプ41の一部は、当該貫通孔から露出するように構成されている。従って、リアカバー32は、テールランプ41の露出部分を除く残余の部分を覆っている。このようにして、テールランプ41は、リアカバー32に部分的に収容されて設けられる。また、本実施形態のテールランプ41は、車幅方向の中央に1つだけ配置される構成であるが、他の構成であってもよい。
リアステー33は、リアカバー32に接続されており、リアカバー32との接続箇所から少なくとも後方に延びている。「少なくとも後方に延びる」とは、リアステー33が延びる方向に後方が含まれていることであり、別の方向(例えば下方向)が更に含まれていてもよい。リアステー33は、後述する後端部品を支持する。また、リアステー33は、リアフェンダ(泥除け)としての機能も有する。リアステー33は、例えばボルト等によってリアカバー32又はリアフレームに取付可能に構成されている。言い換えれば、リアカバー32とリアステー33は別体であり、かつ、着脱可能である。なお、リアステー33がリアカバー32に着脱可能とは、リアステー33とリアカバー32が接触するように取付可能である構成に限られず、別の部材(例えばリアフレーム又は所定の取付部材)を介して着脱可能な構成も含むものとする。また、リアステー33は、樹脂製であってもよいし、金属製であってもよいし、樹脂と金属の組合せであってもよい。また、樹脂と金属の組合せである場合、芯材部分を金属製にして、芯材部分又は他の部品を覆う部分を樹脂製にすることで、リアステー33の重量を抑えつつ、振動を低減できる。
リアステー33は、ステー延出部51と、ステー後端部52と、ライセンスプレート取付部53と、ライセンスランプ取付部54と、を備える。また、ライセンスプレート取付部53及びライセンスランプ取付部54は、探知装置60の後面よりも後方に突出する突出部に相当する。
ステー延出部51は、リアカバー32との接続箇所から後方に延びる。ステー後端部52は、ステー延出部51の後端に連なり、ステー延出部51の延在方向に対して、ステー延出部51の後端から下方に延びる。本実施形態のリアステー33は、ステー延出部51とステー後端部52とで延びる方向が大きく変化しているため、その変化点を境界にステー延出部51とステー後端部52に分けることができる。本実施形態では、ステー延出部51の延在方向は、後方に進むに連れて下方に進むように構成される。これに対してステー後端部52の延在方向は、ステー延出部51の後端から鉛直方向下方に延びるように構成される。
なお、リアステー33の延びる方向が大きく変化する部分が無い構成(例えば同一曲率の弧状の構成)であっても、適宜の位置(延びる方向の角度が所定値以上となった位置)でステー延出部51とステー後端部52に分けることができる。
本実施形態のステー後端部52には、後方を向く後壁52eが形成される。詳細には、後壁52eは、前後方向に垂直な鉛直壁として形成される。ステー後端部52は、後壁52eの車幅方向両側部にそれぞれ連なる側壁52bと、後壁52eの上部に連なる上壁52aと、を少なくとも有する。なお、本実施形態のステー後端部52には、更に下壁52c及び前壁52dが形成されている。これらの各壁によって、後述する探知装置60を収容する収容空間(内部空間111)が形成される。またライセンスプレート取付部53は、ステー後端部52の下端に連なって、ライセンスプレート44を支持可能に構成される。本実施形態のライセンスプレート取付部53は、ステー後端部52との接続箇所から後方に進むに連れて下方に進むように傾斜する傾斜面を有する。ライセンスプレート44は、この傾斜面に沿って配置される。傾斜面は、ライセンスプレート44の提示に適した傾斜角度となるように予め設定される。
ライセンスランプ取付部54は、ライセンスランプ46を支持可能に形成される。ライセンスランプ取付部54は、ライセンスプレート取付部53よりも上方に位置し、本実施形態では、ステー後端部52に接続される。更に具体的には、ライセンスランプ取付部54は、ステー後端部52の上部に連なって形成される。これによってライセンスランプ取付部54と、ライセンスプレート取付部53とは、上下方向に間隔をあけて配置される。また、ライセンスランプ取付部54と、ライセンスプレート取付部53との間に、ステー後端部52の後壁52eが位置する。
リアステー33には、リアターンランプ42と、ライセンスプレート44と、リアリフレクタ45と、ライセンスランプ46と、リアハーネス47と、探知装置60と、が取り付けられている。また、ライセンスプレート44、リアリフレクタ45、及びライセンスランプ46は、リアカバー32よりも後方に配置される後端部品の例示である。従って、後端部品として、上述した部品の一部が省略されたり、他の部品が追加されてもよい。
リアターンランプ42は、リアステー33に左右一対で取り付けられている。より具体的には、リアターンランプ42は、上述のライセンスランプ取付部54又はその後方部分に取り付けられる。リアターンランプ42は、右左折時又は車線変更時等に運転者の操作に応じて点滅する。また、リアターンランプ42は、ハザードランプとして使用されることもある。
ライセンスプレート44及びリアリフレクタ45は、ライセンスプレート取付部53に取り付けられている。ライセンスプレート取付部53は、車幅方向の中央に配置されている。本実施形態のライセンスプレート取付部53は、ライセンスプレート44の上部と下部の両方を取付可能であるが、ライセンスプレート44の上部のみを取付可能な構成であってもよい。
また、リアリフレクタ45は、ライセンスプレート取付部53のうち、ライセンスプレート44の下方に配置される。リアリフレクタ45は、リアリフレクタ45に向けて後方から照射された光を反射する部材である。本実施形態では、ライセンスプレート取付部53には、上述のようにライセンスプレート44が傾斜して取り付けられるが、リアリフレクタ45は反射面が鉛直面に平行となるように取り付けられる。例えば、リアリフレクタ45は、再帰性反射機能を有することによって、照射元へ向けて反射光を反射させる。
ライセンスランプ46は、ライセンスランプ取付部54に取り付けられている。ライセンスランプ取付部54は、ステー後端部52の車幅方向の中央に位置し、前記鉛直面から更に後方に延びる。ライセンスランプ取付部54の内部空間にライセンスランプ46が収容されている。ライセンスランプ46は、少なくとも下方に光を照射することで、ライセンスプレート44を照らす。例えば、平面視においてライセンスプレート44(ライセンスプレート取付部53)とライセンスランプ46(ライセンスランプ取付部54)が重なる。また、ライセンスプレート44がライセンスランプ46よりも低い位置に配置されることが好ましい。
リアハーネス47は、リアステー33に取り付けられる電装品(本実施形態では、リアターンランプ42、ライセンスランプ46、及び探知装置60)に電力を供給したり、電装品と通信したりするためのハーネスを束ねた構成である。リアハーネス47は、リアステー33の内部を通り、図略のバッテリー又は後述の制御装置120へ接続される。このように、複数の電装品のハーネスをまとめて取り扱うことで、ハーネスの配線作業が容易となる。特に、既存の自動二輪車1に探知装置60を追加する場合において、探知装置60用のハーネスを通す箇所を新たに作成する必要がない。なお、防水処理が行われているのであれば、リアハーネス47はリアステー33の外側を通る構成であってもよい。
探知装置60は、自動二輪車1の後方の物体を探知する。例えば、探知装置60は、レーダ装置、ソナー、又はカメラである。レーダ装置は、電磁波(赤外線、ミリ波、又はマイクロ波等)を後方に送信するとともに物体で反射した反射波(電磁波)を取得することで物体が存在する方向及び物体までの距離を検出する。ソナーは、超音波を後方に送信するとともに物体で反射した反射波(超音波)を取得することで物体が存在する方向及び物体までの距離を検出する。カメラは、自動二輪車1の後方の物体の画像を取得する。また、この画像に画像処理を行うことで、後方の物体を探知できる。このように探知装置60は、既存の構成を用いて実現することができる。本実施形態では、レーダ装置によって探知装置60が実現される。
探知装置60の探知範囲は、探知装置60の後面から後方に進むに連れて上下方向及び車幅方向に広がる。本実施形態では探知装置60が1つのユニットとして配置されており、当該1つの探知装置60で、自動二輪車1の左後方から右後方にわたる範囲の物体を探知する。なお、本実施形態では、車幅方向の探知範囲は、上下方向の探知範囲よりも広い。また、探知装置60は、短い時間間隔で後方の探知を行って断続的に探知結果を取得する。探知装置60は、有線(リアハーネス47)又は無線でこの探知結果を制御装置120へ送信する。
本実施形態では、制御装置120は、演算装置及び記憶装置等を備えており、探知装置60の探知結果に基づいて、自動二輪車1の各部の制御を行う。なお、制御装置120は、探知装置60の探知結果に基づく制御のみを行う構成であってもよいし、別の制御を更に行う構成であってもよい。また、本実施形態の制御装置120は自動二輪車1の前部(フロントカウル内)に配置されているが、異なる位置(例えばフロントシート29の下)に配置されていてもよい。
制御装置120は、探知装置60の探知結果に基づいて、例えば、運転者への通知に関する通知制御、及び、自動二輪車1の走行に関する走行制御の少なくとも一方を行う。通知制御とは、探知装置60の検出結果により得られる情報(例えば、探知装置60が検出した物体までの距離、物体が存在する方向又は車線、及び物体の相対速度等)を運転者に通知するための制御である。運転者への通知方法は、例えばメータ装置27に通知内容を表示したり、サイドミラー26の所定部分を光らせたり、自動二輪車1が備えるスピーカ又は運転者のヘルメットに内蔵のスピーカから音声で通知を行ったりする方法がある。走行制御とは、探知装置60が検出した物体と自動二輪車1との相対距離及び相対速度等に基づいて、自動二輪車1の進行方向を変更したり、自動二輪車1の速度を増減したりする制御である。
なお、制御装置120は、通知制御及び走行制御に代えて又は加えて、別の制御を行う構成であってもよい。例えば、車両同士の通信が可能であれば、後方から接近する車両に向けて探知結果を送信してもよい。また、制御装置120は、探知結果を用いた自動二輪車の制御を行わずに、探知装置60の探知結果(例えばカメラが取得した画像)を記憶装置に記憶する制御を行ってもよい。この場合、一般的なドライブレコーダ等のように、探知装置60と制御装置120を一体的に構成することもできる。
次に、探知装置60の取付構造について詳細に説明する。
探知装置60は、ステー後端部52に形成された内部空間111に収容されている。本実施形態の内部空間111は、リアステー33のうちステー後端部52に形成されているが、ステー延出部51及びステー後端部52の両方にわたって内部空間111が形成されていてもよい。本実施形態では、探知装置60は、略直方体形状に形成される。具体的には、内部空間111の厚み寸法は残余の長手方向寸法及び短手方向寸法に比べて小さい。従って、探知装置60は、矩形板状である。探知装置60は、探知のための情報を取得するセンサ面が厚み方向の一方側に形成される。
探知装置60がリアステー33の内部空間111に収容されている状態では、探知装置60のセンサ面は、車体後方を向くように配置される後面である。本実施形態では、探知装置60の長手方向寸法が車幅方向に延び、短手方向寸法が上下方向に延び、厚み方向が前後方向に延びるように配置される。上述したように、探知装置60の車幅方向を向く面である側面が、ステー後端部52の側壁52bで覆われる。また、探知装置60の上面はステー後端部52の上壁52aで覆われる。なお、ステー後端部52の後壁52eが、電磁波が透過可能な材料で構成される場合には、探知装置60のセンサ面となる後面が、ステー後端部52の後壁52eで覆われることが好ましい。これによってセンサ面の破損を防ぐことができる。また後壁52eが、電磁波の透過が困難な材料で形成される場合には、センサ面を露出させる開口が、ステー後端部52の後壁52eに形成される。
なお、探知装置60は、その下面及び前面においても、ステー後端部52に形成される壁(即ち、下壁52c及び前壁52d)で覆われることが好ましい。この場合、探知装置60は、センサ面を含む6面又はセンサ面を除いた残りの5面が全てステー後端部52の各壁部に覆われている。詳細には、探知装置60の6面又は5面がステー後端部52の各壁部に対向している。つまり、内部空間111は、本実施形態ではステー後端部52の6つ又は5つの壁部で囲まれる空間である。なお、ステー後端部52以外に内部空間111が形成される場合は、ステー後端部52以外に各壁部が形成されていてもよい。また、少なくとも1つの壁部には、探知装置60をステー後端部52に着脱可能に取り付けるための固定具を挿入する取付孔が形成されている。
このように、探知装置60の多くの面が壁部で覆われていることで、探知装置60を泥、土、石、及び水(以下、泥等)から保護することができる。特に、リアステー33の下方であって後輪12が配置される空間である下方空間112は、後輪12が跳ね上げた泥等が多く存在している。従って、探知装置60の下面を覆う下壁52cを設けることにより、探知装置60を泥等から良好に保護できる。
更に、ステー後端部52の1又は複数の壁部は探知装置60の表面と接触することが好ましい。これによって探知装置60を安定的に保持することができるので、振動時の探知装置60のガタツキを抑制できる。なお、これらの壁部の少なくとも1つは、探知装置60に接触していなくてもよい。また、本実施形態では、探知装置60が取り付けられる部分において、ステー後端部52の車幅方向の長さの半分以上を探知装置60が占めており、その残りに左右の側壁52bが配置されている。従って、ステー後端部52及び探知装置60の剛性を高めることができる。
なお、これらの壁部の少なくとも1つ(例えば前壁52d)を金属製とすることで、探知装置60の放熱を行うことができる。特に、リアステー33の芯材部分が金属製である場合、金属製の壁部と、金属製の芯材とを接続することで、放熱効果を更に高めることができる。
また、本実施形態では、リアステー33には、探知装置60の6面又は5面を覆う壁部がそれぞれ形成されている。しかし、探知装置60の少なくとも一部を覆い、かつ、探知装置60を収容する内部空間111が形成される限り、リアステー33に形成される壁部の数(言い換えれば、探知装置60のうち覆われる面の数)は4つ以下であってもよい。また、何れの壁部が省略される構成であってもよいが、例えばセンサ面への泥等の付着を防止する構造を別途有している場合は、下壁52c及び前壁52dを省略してもよい。
本実施形態では、探知装置60は、センサ部分と、センサが取得した情報を分析して自車の後方に近接する物体を判断する処理部分(制御回路及び電源回路等)とが一体化した1つのユニットとして構成される。従って、センサ部分と処理部分とが別体である構成に比べて、車体への搭載を容易化することができる。また、本実施形態では、探知装置60と制御装置120を電気的に接続する電線、及び、探知装置60と電源装置とを電気的に接続する電線は、探知装置60から前後方向に垂直な方向(上下方向又は車幅方向)に延びる。例えば、これらの電線は、探知装置60の下方に延びる。これらの電線が下方に延びることにより、電線との干渉を防いで、探知装置60をなるべく上方に配置することができる。
次に、探知装置60の取付位置について詳細に説明する。なお、本明細書では、「下方に配置」等と記載した場合は、上下方向の位置だけに着目した位置関係を意味し、真上又は真下に位置している場合だけでなく、斜め上又は斜め下に位置している場合も含む。他の方向についても同じである。
探知装置60は、テールランプ41、リアカバー32とリアステー33の接続箇所、リアターンランプ42、ライセンスランプ46、及びライセンスランプ取付部54よりも下方であって、かつ、ライセンスプレート44、リアリフレクタ45、及びライセンスプレート取付部53よりも上方に配置されている。
探知装置60をリアターンランプ42よりも下方に配置することで(詳細には側面視で重ならないように配置することで)、探知装置60の探知範囲とリアターンランプ42とが干渉することを防止できる。また、ライセンスランプ46はライセンスプレート44の広い範囲に光を照射するために、ライセンスプレート44とは離れた位置に配置される。従って、ライセンスプレート44とライセンスランプ46の間の空間を利用して探知装置60を配置できる。また、仮に探知装置60をライセンスランプ46(ライセンスランプ取付部54)に近づけ過ぎた場合、探知装置60の探知範囲とライセンスランプ46とが干渉する可能性がある。そのため、本実施形態の探知装置60は、ライセンスランプ46の下方に離して配置される。好ましくは、探知装置60は、ライセンスランプ46とライセンスプレート44との間の上下方向の空間のうち、中央位置よりも下方に探知装置60の中心(超音波又は電磁波を送信する場合は送信軸)を位置させる。これにより、ライセンスランプ46が探知装置60の探知範囲と干渉しにくくなる。
探知装置60は、テールランプ41よりも後方に配置される。また、探知装置60は、リアステー33の後端に設けられる後端部品の近傍に配置される。具体的には、探知装置60は、リアターンランプ42と前後方向の位置が重なるように配置される。また探知装置60は、ライセンスプレート44、リアリフレクタ45、ライセンスランプ46、ライセンスプレート取付部53、及びライセンスランプ取付部54よりもやや前方に配置されている。また、本実施形態では、車体10のうちテールランプ41よりも後方に位置しているのは、リアステー33のみである。従って、リアステー33に取り付けられている探知装置60は車体10の大部分よりも後方に配置されていることになる。また、リアステー33の後端に設けられる各後端部品は、前後方向に関して探知装置60と近接した位置に配置される。そのため、探知装置60の探知範囲と他の部品とが干渉しにくい。あるいは、探知装置60の探知範囲と他の部品とが干渉しないように、他の部品のレイアウトを工夫する手間を軽減できる。
一方で、探知装置60を最も後方に位置した場合、後方から物体が衝突した場合に探知装置60が破損し易くなる。更に、後斜め上方又は後斜め下方から泥等が飛来した場合に探知装置60が汚損して、探知能力が低下する可能性がある。この点、本実施形態では、探知装置60よりも後方にライセンスプレート取付部53(突出部)、ライセンスプレート44、及びライセンスランプ取付部54(突出部)が配置されているため、後方から物体が衝突した場合に探知装置60が破損しにくい。特に、探知装置60よりも上方及び下方の両方において、探知装置60よりも後方に別部品が配置されているため、後斜め上方及び後斜め下方の何れから泥等が飛来しても探知装置60が汚損しにくい。また、ライセンスプレート44及びライセンスランプ46の装着が不要な場合でも、探知装置60の保護の観点から、類似する突出部が設けられることが好ましい。
また、本実施形態の探知装置60は、車体の車幅方向中心に配置される。リアターンランプ42の車幅方向の両端部は、上下方向の位置が探知装置60の上面に近接し、車幅方向の位置が探知装置60の外側である。このように、左右一対のリアターンランプ42の間に探知装置60の少なくとも一部又は全部が配置される。また、ライセンスプレート44の車幅方向の両端部は、上下方向の位置が探知装置60の下面に近接し、車幅方向の位置が探知装置60の外側である。これによって車体側方から障害物が衝突したとしても、リアターンランプ42又はライセンスプレート44に衝突することになり、探知装置60に障害物が直接衝突することを防止できる。
なお、探知装置60の後斜め左方及び後斜め右方に部品を配置すると、探知装置60の探知範囲と当該部品が干渉し易くなるとともに、左右方向から泥等が飛来する確率は低い。従って、探知装置60の後斜め左方及び後斜め右方には自動二輪車1の部品は配置されていない。
探知装置60は、車幅方向の中央(リアステー33の軸線上)に配置されている。具体的には、探知装置60の車幅方向の位置は、左右一対のリアターンランプ42の間であって、かつ、テールランプ41、ライセンスプレート44、リアリフレクタ45、ライセンスランプ46、ライセンスプレート取付部53、及びライセンスランプ取付部54と重なるように配置されている。本実施形態では1つの探知装置60で左右両方を探知するため、探知装置60を車幅方向の中央に配置することで、左右をバランス良く探知できる。
また、ライセンスプレート44の後端よりも、前方に探知装置60が配置される。これによって、ライセンスプレート44の後端よりも後方に探知装置60が配置される場合に比べて、振動の影響を抑えることができる。具体的には、ステー後端部52のうち、ステー延出部51との接続箇所(基端)から、反対側の端部(先端、リアリフレクタ45)までの中央よりも基端側に(更に言えばライセンスプレート取付部53よりも基端側に)探知装置60が配置されている。
また、鉛直に延びるステー後端部52の後面に沿って、探知装置60のセンサ面が配置される。これにより、後方に進むに連れて探知装置60の探知範囲が上下に均等に広がることで、後方の物体が探知され易くなる。なお、探知し易い物体の高さ、位置等に応じて、送信範囲として上下に異ならせた方が好ましい場合がある。この場合には、ステー後端部52の後面が傾斜されることとなり、この場合も本発明に含まれる。また、探知装置60は、上下方向寸法が、車幅方向寸法よりも小さくなるように、リアステー33内に収容されているため、ライセンスプレート44とリアステー33の上下方向寸法を小さくすることができ、その結果、リアステー33に生じる振動を抑えることができる。また、車幅方向寸法を大きくすることで、ステー後端部52による、ライセンスプレート44の支持剛性を高めることができる。また、探知装置60の厚み方向が前後方向に沿うように配置されることで、探知装置60の側面を覆う、ステー後端部52の側壁52bの前後方向寸法の大型化を防ぐことができ、軽量化を図り易い。
本実施形態では、リアリフレクタ45は、ライセンスプレート44の下方に配置されるとしたが、他の位置に配置される場合も本発明に含まれる。例えば、ステー後端部52のうちで、センサ面に対向する後壁領域を除く領域に、リアリフレクタ45が配置されてもよい。これによって探知装置60への影響が生じない位置にリアリフレクタ45を配置することができる。あるいは、テールランプ41又はリアカバー32にリアリフレクタ45を配置してもよい。
本実施形態では、ライセンスランプ46及びリアターンランプ42が探知装置60よりも上方に配置される構成であるが、異なる構成であってもよい。例えば、ライセンスランプ46及びリアターンランプ42の少なくとも一方は、探知装置60の下方に配置されてもよい。
次に、図5から図9を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以後の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。また、リアステー33のうち、リアカバー32側(リアフレーム側)を「ステー根元側」と称し、その反対のライセンスプレート44側を「ステー先端側」と称することがある。また、リアステー33に沿う方向(リアステー33の長手方向)を「ステー長手方向」と称する。
第2実施形態は、リアステー33の構造が第1実施形態とは異なる。図5に示すように、第2実施形態のリアステー33は、上カバー70と、ステー本体80と、下カバー100と、を備える。ステー本体80の上面の一部が上カバー70で覆われ、ステー本体80の下面の一部が下カバー100で覆われている。上カバー70は、下側が開放された形状であるため、この下側がステー本体80で閉鎖されることで、上カバー70とステー本体80の間に空間(内部空間111)が形成される。この内部空間111に探知装置60が配置される。また、ステー本体80は、下側が開放された形状であるため、この下側が下カバー100で閉鎖されることで、ステー本体80と下カバー100の間に空間(補助空間113)が形成される。補助空間113には、各種ハーネスが配置される。
補助空間113に配置されるハーネスとしては、例えばランプハーネス48が存在する。ランプハーネス48は、リアステー33に配置されるランプ(具体的には、リアターンランプ42及びライセンスランプ46)に電力を供給したり、これらのランプと通信するためのハーネスである。なお、探知装置60に接続されるレーダハーネス61についても、同様に補助空間113を通るように配置されている(詳細な構成は後述)。
第2実施形態では、探知装置60の一例としてレーダ装置が設けられている。そのため、上カバー70は、電磁波を透過可能な材料で構成されている。電磁波を透過可能な材料とは、一般的には樹脂であり、特に金属及びガラス繊維を含んでいない(又は含有率が低い)樹脂であることが好ましい。しかし、この種の材料は剛性が低い傾向にあるため、剛性を確保するためにステー本体80を上カバー70とは別の材料で構成している。ステー本体80は、金属及びガラス繊維を含む樹脂(含有率が上カバー70よりも高い樹脂)又は金属で構成されている。そのため、ステー本体80は上カバー70よりも剛性が高い。この構成により、上カバー70の剛性の低さをステー本体80で補うことができる。
ハーネスは金属を含むため、探知装置60による電磁波の送受信を阻害する可能性がある。第2実施形態ではリアステー33に配置されるランプよりもステー根元側に探知装置60が配置される。従って、これらのランプから車体側に向かうランプハーネス48を、電磁波の送信範囲を避けるように配置する必要がある。しかし、探知装置60は、一般的に車幅方向及び車長方向の広い範囲に電磁波を送信するため、電磁波の送信範囲を避けるようにランプハーネス48を配置することは困難である。そのため、第2実施形態では、内部空間111とは別の空間である補助空間113にランプハーネス48を配置している。
この構成を採用することにより、リアステー33に配置されるランプよりもステー根元側に探知装置60を配置することが可能となる。その結果、振動が少ないステー根元側に探知装置60が配置されるので、探知装置60に伝達される振動を小さくすることができる。
以下、上カバー70、ステー本体80、及び下カバー100の詳細な構造について説明する。初めに、図6を参照して、上カバー70について説明する。
図6に示すように、上カバー70は、第1連結部71、第2連結部72、及び第3連結部73を備える。第1連結部71は、上カバー70のステー根元側の端部に形成されている。第2連結部72は、上カバー70のステー長手方向の中途部に形成されている。第3連結部73は、上カバー70のステー先端側の端部に形成されている。第1連結部71、第2連結部72、及び第3連結部73は、上カバー70とステー本体80を連結するための部分である。上カバー70とステー本体80は、どのような構造で連結されていてもよいが、着脱可能であることが好ましい。上カバー70とステー本体80を着脱可能にすることで、メンテナンス等の際に内部空間111に容易にアクセスできるからである。また、第1連結部71と第2連結部72は、ステー本体80との連結方向が異なる。連結方向とは、例えば、固定具の軸方向であるか、上カバー70とステー本体80の接触面に垂直な方向である。
図6に示すように、上カバー70は、第1取付部74、第2取付部75、第3取付部76、第4取付部77を備える。第1取付部74は、リアターンランプ42を取り付けるための部分である。具体的には、第1取付部74は、リアターンランプ42の一部を挿通するための貫通孔等である。第2取付部75は、ライセンスランプ46を取り付けるための部分である。具体的には、第2取付部75は、ライセンスランプ取付部54及びランプハーネス48を挿通するための貫通孔である。第3取付部76は、第1実施形態のライセンスプレート取付部53と実質的に同じ機能を有する部分である。第4取付部77は、リアリフレクタ45を取り付けるための部分である。具体的には、第4取付部77は、リアリフレクタ45を貼り付けるための平面である。
図6に示すように、上カバー70には、段差部70aと、平坦部70bと、壁部70cと、が形成されている。段差部70aは、上カバー70の上面の一部に形成された段差(別に観点から説明すれば、後方に突出する突起)である。段差部70aが形成されていることで、剛性を高くすることができる。特に、探知装置60の上方及び/又は後方に段差部70aが配置されているため、探知装置60を強固に保護できる。平坦部70bは、段差部70aよりもステー先端側に形成された部分である。平坦部70bは、段差、突起、及び凹み等が形成されていない部分であるので、電磁波を適切に透過させることができる。平坦部70bは、背面視で探知装置60と重なる位置に形成されているため、探知装置60による電波の送受信を適切に行うことができる。壁部70cは、第2取付部75の上方において上カバー70の外側に(例えば後方に)突出している部分である。壁部70cは、第2取付部75の貫通孔からライセンスランプ46に関する部品(ハーネス等)が見えないように隠すための部分である。
第2実施形態では、探知装置60がステー根元側に近い位置に配置されるので、上カバー70のうちステー根元側の部分はシンプルな構成となっている。反対に、上カバー70のうちステー長手方向の中央よりもステー先端側の部分に、上述した連結部及び取付部(第1連結部71以外)が集約して配置されている。これにより、探知装置60による探知と様々な部品の配置とを両立できる。また、上カバー70のステー先端側の端部には、第3連結部73と第3取付部76が車幅方向に並べて形成されている。第3連結部73はステー本体80に連結されるため、上カバー70のステー先端側の端部は撓みにくい。従って、この位置に第3取付部76を形成することで、ライセンスプレート44の振動を抑えることができるとともに、第3連結部73と第3取付部76を集約して配置できる。
次に、図7及び図8を参照して、ステー本体80について説明する。
図7に示すように、ステー本体80の上面側には、第1上連結部81と、第2上連結部82と、第3上連結部83と、が形成されている。第1上連結部81は、第1連結部71と連結する部分である。第2上連結部82は、第2連結部72と連結する部分である。第3上連結部83は、第3連結部73と連結する部分である。
また、ステー本体80の上面側には、更に、基端部84と、レーダ配置部85と、シール部材配置部86と、ランプ配置部87と、が形成されている。
基端部84は、ステー基端側の端部に相当する部分であり、リアカバー32又はリアフレームに固定具等によって着脱可能に取付けられる。基端部84には、挿通孔84aが形成されている。具体的には、基端部84には、上側に突出する部分が形成されており、そこに第1上連結部81及び挿通孔84aが形成されている。挿通孔84aの上側はリアカバー32の内部に接続されている。挿通孔84aは、図8に示すように、レーダハーネス61及びランプハーネス48を挿通させるための貫通孔である。
レーダ配置部85は、基端部84よりもステー先端側の部分であり、探知装置60を配置するための部分である。レーダ配置部85には、レーダ支持面85aと、挿通孔85bと、レーダ取付面85cと、斜面85dと、が形成されている。
レーダ支持面85aは探知装置60の下面に接触して探知装置60を支持する面である。挿通孔85bは、レーダ支持面85aに形成されている。挿通孔85bは、レーダハーネス61を挿通させるための貫通孔である。具体的に説明すると、レーダハーネス61は、探知装置60の下面に接続されており、挿通孔85bを下側へ通過する。そして、図8に示すように、レーダハーネス61は、ステー本体80の下側の補助空間113を通って、挿通孔84aを通過することでリアカバー32内に到達する。
また、挿通孔85bには、防水及び防塵(以下、単に防水と称する)のための閉鎖部材が配置されていてもよい。閉鎖部材は、例えばレーダハーネス61と同等か小さい径の貫通孔が形成されたスポンジである。閉鎖部材の外形は、挿通孔85bよりも小さいため、圧縮した状態で挿通孔85bに位置する。これにより、閉鎖部材は、レーダハーネス61が挿通孔85bを通過できるようにしつつ、水が挿通孔85bを通過することを防止する。
レーダ取付面85cは、探知装置60の取付面(電磁波の送信面とは反対側の面)を取り付けるための面である。探知装置60は、向き調整機構を介して取り付けられている。向き調整機構とは、例えば、上下方向を回転中心とした第1回転角、左右方向を回転中心とした第2回転角を調整するための機構である。斜面85dは、レーダ支持面85aよりもステー先端側に形成されている。斜面85dは、後方に近づくに連れて下方に近づくように傾斜した面である。探知装置60が照射する電磁波は下方にも広がる(例えば図4)。そのため、斜面85dが形成されていることで、電磁波の送信が阻害されない。
シール部材配置部86は、レーダ配置部85を囲むように配置された部分である。シール部材配置部86は、シール部材49を配置するための載置面を含んでいる。また、上カバー70の下面側にも、シール部材配置部86に対応する形状の接触面が形成されている。この構成により、上カバー70の接触面と、ステー本体80のシール部材配置部86と、でシール部材49が挟み込まれて変形するため、内部空間111を防水することができる。
上述したように挿通孔85bが閉鎖部材で防水されている場合は、内部空間111を更に強固に防水できる。ここで、第2上連結部82はシール部材配置部86の近傍に形成されているため、例えば第1上連結部81と第3上連結部83のみを備える構成と比較して、防水性を高くすることができる。特に、第1上連結部81と第2上連結部82は連結方向が異なるため、上カバー70とステー本体80の間に隙間が生じにくいので、更に防水性を高くすることができる。
第2実施形態では、補助空間113に配置される部材(例えばランプハーネス48及びレーダハーネス61)は防水性を有している。そのため、シール部材49は、ランプ配置部87を防水していない。これにより、シール部材49を小さくできるので隙間が生じにくくなり、防止性を高めることができる。なお、シール部材49がランプ配置部87を防水していてもよい。
ランプ配置部87は、レーダ配置部85よりもステー後端側に配置されている。ランプ配置部87は、リアターンランプ42及びライセンスランプ46を配置するための部分であり、具体的には、これらのランプの支持機構等が配置される。ランプ配置部87には、これらの支持機構を配置する空間を確保するための凹部が形成されている。また、ランプ配置部87には、挿通孔87aが形成されている。挿通孔87aは、ランプハーネス48を挿通するための貫通孔である。具体的に説明すると、ランプハーネス48は、挿通孔87aを下側へ通過する。そして、図8に示すように、ランプハーネス48は、ステー本体80の下側の補助空間113を通って、挿通孔84aを通過することでリアカバー32内に到達する。なお、ランプハーネス48はレーダハーネス61と束ねられてもよい。
図8に示すように、ステー本体80の下面側には、更に、第1下連結部91、第2下連結部92、リブ93、及び補強片94が形成されている。
第1下連結部91は、レーダ配置部85(レーダ取付面85c)に対応する箇所に形成されている。第2下連結部92は、ランプ配置部87に対応する箇所に形成されている。第1下連結部91及び第2下連結部92は、下カバー100を取り付けるための部分である。上カバー70と同様、下カバー100の連結構造は着脱可能であることが好ましい。また、第1下連結部91よりもステー根元側にも連結部が形成されていてもよい。
リブ93は、ステー長手方向に沿って形成されている。リブ93は、下方に突出する板状の部分である。ステー本体80には、2つのリブ93が形成されている。2つのリブ93は、補助空間113を外部と仕切る側壁として機能する。更に、リブ93は、ステー本体80の剛性を高める機能も有する。
なお、ステー本体80は型を用いて作成されているため、リブ93を形成した箇所の反対側の面(上面)にヒケが発生する可能性がある。しかし、ヒケが発生する可能性がある箇所が上カバー70で覆われているため、ヒケが目立たない。また、一般的に型を用いて作成する場合、型抜きのために、リブの厚みを一定とせずに先端に近づくに連れて薄くすることがある。しかし、第2実施形態では、強度を確保するためにリブ93の厚みを一定としている。リブ93の成型方法は様々であるが、例えば樹脂の弾性変形を利用して型抜きを行う方法、又は、通常の2方向の型に加えてスライド型を用いる方法等を採用できる。
また、リブ93の車幅方向の外側の面(外側面)は外部に露出する。外側面の反対側の面(内側面)は下カバー100に覆われるために外部に露出しない。そのため、リブ93の外側面に模様加工(例えばシボ加工)が行われているが、リブ93の内側面には模様加工は行われていない。模様加工を行う方法は様々であるが、例えば成型時に同時に模様加工を行う方法を採用できる。この場合、型抜きを容易にするために上述したようなスライド型を用いてもよい。
補強片94は、リブ93のステー先端側の端部に接続されている部分であり、リブ93よりも車幅方向に広がっている部分である。補強片94の厚み方向は、リブ93の厚み方向とは異なる方向である。補強片94を設けることにより、ステー本体80の強度を高くすることができる。
次に、図9を参照して、下カバー100について説明する。
上述したようにステー本体80に剛性が高い材料を用いているため、下カバー100に高い剛性は求められない。そのため、下カバー100は上カバー70と同じ材料で構成されている。なお、上カバー70、ステー本体80、及び下カバー100の材料の組合せは第2実施形態に限られない。
図9に示すように、下カバー100には、第1連結部101と、第2連結部102と、ハーネス配置部103と、サイドリフレクタ取付部104と、が形成されている。
第1連結部101は、第1下連結部91と連結する部分である。第2連結部102は、第2下連結部92と連結する部分である。また、第1下連結部91よりもステー根元側にも連結部が形成される場合、それに対応する位置に下カバー100にも連結部が形成される。
上述したように、補助空間113は防水されていない。そのため、補助空間113に浸入した水は水抜き孔から排出される。水抜き孔は、ステー本体80と下カバー100の隙間である。具体的には、下カバー100のステー先端側の端部とそれに対応するステー本体80の裏面に隙間が形成される。これにより、補助空間113のうち最も低い位置に水抜き孔が形成されるので、水が溜まりにくい。なお、下カバー100に形成した貫通孔を水抜き孔として用いてもよい。
ハーネス配置部103は、補助空間113を局所的に広げるために、下側に突出している部分である。これにより、ランプハーネス48を無理に曲げることなく配置できる。サイドリフレクタ取付部104は、サイドリフレクタ43を取り付けるための部分である。具体的には、サイドリフレクタ取付部104は、サイドリフレクタ43を取り付けるための平面である。サイドリフレクタ取付部104は、車幅方向に広がる接続部を介して設けられている。この構成により、下カバー100をステー本体80に連結した状態でも、補助空間113の外側にサイドリフレクタ取付部104が位置する。
第2実施形態の上カバー70、ステー本体80、及び下カバー100の構成は一例であり、上記とは異なる構成であってもよい。例えば、連結部及び取付部の有無及び位置等が異なっていてもよい。
次に、図10及び図11を参照して、第3実施形態について説明する。
上述の第1実施形態では、リアカバー32の後端に、当該後端から後方に突出するようにテールランプ41が配置されている。これに対し、第3実施形態では、リアカバー32の一部であるカバー後端部32aは、テールランプ41の下方において当該テールランプ41よりも後方に位置している。
また、第1実施形態では、テールランプ41よりも後方にリアターンランプ42が配置されている。これに対し、第3実施形態では、テールランプ41とリアターンランプ42は前後方向の位置が重なるように配置されている。
また、第3実施形態のリアステー33には、第1実施形態と同様に、後端部品を含む様々な部品が取り付けられる。また、リアステー33は、リアフェンダとしても機能する。更に、リアステー33の内部には、探知装置60が収容されている。第3実施形態のリアステー33には、上壁52a、左右一対の側壁52b、及び後壁52eが形成されている。なお、別の部材を更に配置することで、下壁52c及び前壁52dを設けることもできる。
第3実施形態のリアステー33には、貫通孔33aと、凹部33bと、上空間33cと、下空間33dと、が形成されている。貫通孔33aは、リアステー33の側面に形成されている。貫通孔33aは、リアターンランプ42の支持体を挿通するための孔である。凹部33bは、リアステー33の上面を下側に凹ませた部分である。凹部33bの上側には、上空間33cが形成される。なお、上空間33cの上側はリアカバー32(カバー後端部32a)によって塞がれている。下空間33dは、リアステー33の上面の下方に形成される空間である。
下空間33dは「内部空間」に相当し、この下空間33dに探知装置60が配置されている。また、テールランプ41及びリアターンランプ42に接続される電線は、上空間33cを通るように配置されている。なお、探知装置60に接続される電線は、下空間33dを通るように配置されていてもよい。あるいは、リアステー33の上面に貫通孔を形成し、この貫通孔を介して、探知装置60に接続される電線を下空間33dから上空間33cへ案内してもよい。この場合、探知装置60に接続される電線は、リアターンランプ42及びライセンスランプ46に接続される電線と経路の一部が共通するように配置される。
次に、図12から図15を参照して、第4実施形態から第6実施形態について説明する。
第1実施形態及び第3実施形態の探知装置60はリアステー33に収容されているが、第4実施形態から第6実施形態の探知装置60は、リアカバー32の後部に収容されている。従って、リアカバー32の後部に内部空間111が形成されている。リアカバー32には、第1実施形態及び第3実施形態と同様に、直方体状の探知装置60の後面を除く5面をそれぞれ覆う壁部がそれぞれ形成されている。なお、リアカバー32に、探知装置60の後面を覆う後壁が形成されていてもよい。
リアカバー32の後部には、探知装置60以外にも、テールランプ41が配置されている。また、探知装置60の後面及びテールランプ41の後面は、略面一である。略面一とは、2つの後面(後端面)の位置(特に前後方向の位置)が近く、かつ、2つの後面の方向が近いことであり、完全に一致している必要はない。従って、2つの後面は僅かに異なっていてもよいし、2つの後面の方向が僅かに異なっていてもよい。また、テールランプ41の後面は複数の面を含むことがあり、そのうちの1つ又は主要な面が略面一であればよい。言い換えれば、探知装置60の後端の位置と、テールランプ41の後端の位置と、が略同じである。なお、第4実施形態から第6実施形態では、ライセンスランプ46とライセンスプレート44の間の領域が空いているため、この領域にリアリフレクタ45が配置されている。
また、背面視でのテールランプ41及び探知装置60の形状及び位置関係は、第4実施形態から第6実施形態で異なるため、以下では個別に説明する。第4実施形態(図12及び図13)では、テールランプ41の下方に探知装置60が隣接して配置されている。隣接とは、テールランプ41及び探知装置60の大きさに対して、両者の間隔が狭いことを意味する。また、テールランプ41は、背面視で略長方形であり、言い換えれば、少なくとも下側の輪郭が直線である。また、探知装置60も背面視で略長方形であり、少なくとも上側の輪郭が直線である。テールランプ41及び探知装置60は、テールランプ41の下側の輪郭と探知装置60の上側の輪郭とが平行となるように配置されている。これにより、リアカバー32の後部の領域(特に上下方向の長さ)を有効に活用できる。また、第4実施形態では、探知装置60の車幅方向の両側にはテールランプ41は配置されていない。そのため、背面視での探知装置60の4辺のうち1辺のみがテールランプ41に隣接している。言い換えれば、探知装置60及びテールランプ41は、背面視で隣接し、側面視で隣接し、平面視で重なる。
第5実施形態(図14)では、テールランプ41の上方に探知装置60が隣接して配置されている。また、テールランプ41は、背面視で略長方形をベースとして車幅方向の両端を上方に突出させた形状である。また、車幅方向の中央の上側の輪郭は直線である。テールランプ41及び探知装置60は、テールランプ41の上側の輪郭と探知装置60の下側の輪郭とが平行となるように配置されている。更に、テールランプ41のうち上方に突出している部分に挟まれるように探知装置60が配置されている。そのため、背面視での探知装置60の4辺のうち3辺がテールランプ41に隣接している。言い換えれば、探知装置60及びテールランプ41は、背面視で隣接し、側面視で重なり、平面視で重なる。
第6実施形態(図15)では、テールランプ41の右斜め下方に探知装置60が隣接して配置されている。また、テールランプ41は、背面視で略長方形をベースとして車幅方向の中央を下方に突出させた形状である。第6実施形態では、テールランプ41及び探知装置60の輪郭は平行ではないが、距離が近いため隣接している。具体的には、テールランプ41のうち下方に突出している部分の右側に探知装置60が配置されている。そのため、背面視での探知装置60の4辺のうち2辺がテールランプ41に隣接している。言い換えれば、探知装置60及びテールランプ41は、背面視で隣接し、側面視で重なり、平面視で重なる。
また、第4実施形態から第6実施形態のようにリアカバー32に探知装置60を配置する場合、探知装置60の探知範囲とリアステー33が干渉しにくくするため、探知装置60を高い位置に配置することが好ましい。そのため、例えば第5実施形態のように、探知装置60の上端がテールランプ41の上端より高い位置に配置することが好ましい。また、リアカバー32はリアステー33と比較して撓みにくいので、撓みによる探知装置60の位置の変化を抑制できる。
なお、上述した全ての実施形態、例えば第4実施形態から第6実施形態は適宜組み合わせることができる。例えば、第5実施形態のテールランプ41の車幅方向の端部を上下に突出させる形状を第4実施形態のテールランプ41に適用できる。また、第6実施形態の車幅方向の中央部を上下に突出させる形状を第4実施形態のテールランプ41に適用できる。また、第1実施形態又は第3実施形態の特徴の一部を第4実施形態から第6実施形態に組み合わせることもできる。例えば、後壁52eを設けるという第1実施形態及び第3実施形態の特徴を第4実施形態から第6実施形態の自動二輪車1に適用できる。
また、第4実施形態から第6実施形態に示すテールランプ41の形状及び探知装置60の位置は一例であり、異なっていてもよい。例えば、テールランプ41を周状(リング状、円形状、楕円形状、四角枠状、三角枠状、多角形枠状等)に形成し、テールランプ41で囲まれる領域の内側の空間に探知装置60を配置してもよい。言い換えれば、長方形状の探知装置60を囲むように(探知装置60の4辺全てに隣接するように)テールランプ41を配置しても良い。また、テールランプ41をU字状又はV字状に形成し、その内側の空間に探知装置60を配置してもよい。
以上に説明したように、上記実施形態の自動二輪車1は、テールランプ41と、リアカバー32と、後端部品(ライセンスプレート44、リアリフレクタ45、ライセンスランプ46)と、リアステー33と、探知装置60と、を備える。テールランプ41は、後方に光を照射する。リアカバー32には、テールランプ41が設けられる。後端部品は、リアカバー32よりも後方に配置される。リアステー33は、リアカバー32との接続箇所から少なくとも後方に延びて、後端部品を支持する。探知装置60は、リアカバー32及びリアステー33の何れかに形成される内部空間111に少なくとも一部が収容されており、後方の物体を探知する。
これにより、リアカバー32又はリアステー33の内部空間111に探知装置60が収容されることで、リアカバー32及びリアステー33等の外郭部品に対して外側に探知装置60を取り付ける場合と比較して、車体が大型化することを防止できる。
また、上記実施形態の自動二輪車1は、左右一対のリアターンランプ42を備える。単一の探知装置60が、左後方から右後方にわたる範囲を探知する。探知装置60の少なくとも一部が、左側のリアターンランプ42よりも車幅方向の中央側、かつ、右側のリアターンランプ42よりも車幅方向の中央側に位置している。
これにより、探知装置60を車幅方向の中央寄りに配置することで、単一の探知装置60で左後方から右後方までをバランス良く探知できる。また、探知装置60を左右に並べて配置する構成と比較して、探知装置60が占める大きさを小さくすることができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33の内部に形成された内部空間111に探知装置60の少なくとも一部が収容されている。後端部品よりも接続箇所に近い位置に、探知装置60が配置されている。
これにより、リアステー33のうち後端部品よりも接続箇所に近い位置(即ち、リアステー33の比較的根元側)に探知装置60が配置されるので、振動による探知装置60の位置の変化を小さくすることができる。また、リアカバー32ではなくリアステー33の内部に探知装置60の少なくとも一部が収容されているため、テールランプ41との位置の干渉を考慮せずに探知装置60のレイアウトを定めることができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33は、ステー本体80と、上カバー70と、を備える。ステー本体80には、探知装置60が取り付けられる。上カバー70は、ステー本体80の上面のうち、少なくとも探知装置60が取り付けられた範囲を覆うように配置されている。
これにより、探知装置60を飛来物等から保護することができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33は、シール部材49を更に備える。シール部材49は、ステー本体80と上カバー70の間に配置されており、ステー本体80と上カバー70の間の空間の少なくとも一部を密閉する。
これにより、探知装置60を水及び埃等からも保護することができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33は、ステー本体80の下面の少なくとも一部を覆うように配置されている下カバー100を更に備える。ステー本体80には、探知装置60に接続されるレーダハーネス61を通すための挿通孔85bが形成されている。探知装置60に接続されるレーダハーネス61は、挿通孔85bを経由してステー本体80と下カバー100の間の空間である補助空間113を通る。
これにより、探知装置60が位置する空間(内部空間111)と、レーダハーネス61が位置する空間(補助空間113)と、を別にすることができる。従って、探知装置60による探知をレーダハーネス61が邪魔することを防止できる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、後端部品は光を照射するランプ(リアターンランプ42及びライセンスランプ46)である。ランプに接続されるランプハーネス48は、ステー本体80と下カバー100の間の補助空間113を通る。
これにより、レーダハーネス61とランプハーネス48をまとめて取り扱うことができるので、リアステー33内の空間を有効に活用できる。また、ハーネスの配置作業を容易に行うことができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33は、ステー延出部51と、ステー後端部52と、を有する。ステー延出部51は、リアカバー32との接続箇所から少なくとも後方に延びる。ステー後端部52は、当該ステー延出部51の後端部から少なくとも下方に延びて、後端部品を支持する。探知装置60は、ステー延出部51を除いて、ステー後端部52又はリアカバー32の何れかに形成される内部空間111に収容される。
これにより、ステー延出部51の上下方向の寸法を大きくすることなく、自動二輪車1の後部に探知装置60を設けることができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、探知装置60は、ステー後端部52に収容される。
これにより、探知装置60を比較的後方に配置することができるので、探知装置60よりも後方に配置される別部品が少なくなる。従って、探知装置60による物体の検出精度を向上させることができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33は、ライセンスプレート44を取付可能なライセンスプレート取付部53を備える。探知装置60は、ライセンスプレート取付部53よりも上方、かつ、ライセンスプレート44を照らすためのライセンスランプ46よりも下方に配置される。
これにより、ライセンスプレート44とライセンスランプ46の間に生じる空間を有効に利用してレーダ装置を配置できる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33には、探知装置60の後面よりも後方に突出する突出部(ライセンスプレート取付部53、ライセンスランプ取付部54)が形成されている。
これにより、物体が後方から車体10に相対近接した場合に、探知装置60に物体が接触するより先に、突出部と物体とが接触することにより、探知装置60と物体との接触の衝突を緩和することができ、探知装置60の破損を抑えることができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、ステー後端部52は、後壁52eと、車幅方向両側に形成された側壁52bと、上壁52aとによって形成される箱状(直方体状)の内部空間111に探知装置60を収容する。
これにより、ステー後端部52によって探知装置60を収容するケースの少なくとも一部を構成することができ、部品点数を低減することができるとともに、探知装置60を支持する部分の剛性を高めることができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、ステー後端部52は、後輪12が配置される下方空間と、探知装置60を収容する内部空間111と、を仕切る下壁52cを更に有する。
これにより、後輪12によって跳ね上げられた泥が探知装置60に掛かることを防止できる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33は、リアカバー32との接続箇所に対して着脱可能に設けられる。リアステー33に形成される内部空間111に探知装置60が収容される。
これにより、リアカバー32の形状を探知装置60の有無に関わらずに共通化することができる。そのため、部品数削減によるコスト低減化を図り易い。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、探知装置60は、リアカバー32の後部に取り付けられている。背面視で、探知装置60とテールランプ41が隣接する。側面視で、探知装置60とテールランプ41が隣接又は重なる。
一般的に、テールランプ41の後方には光を遮る部材が配置されないことが好ましく、探知装置60の後方には探知を阻害する部材を配置しないことが好ましい。更に、テールランプ41は後続車から視認し易い位置に配置されることが好ましく、探知装置60は対象物を探知し易い位置に配置されることが好ましい。このように、テールランプ41と探知装置60は要求される条件が共通しているので、両者を隣接して配置することで、好適なレイアウトを実現できる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、テールランプ41の後面と、探知装置60の後面と、が略面一である。
これにより、テールランプ41が探知装置60の探知を阻害することを防ぎつつ、探知装置60によってテールランプ41が隠れることを防ぐことができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1は、以下の構成及び効果を有する。
上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33には、後方から照射された光を反射するリアリフレクタ45が設けられており、ライセンスプレート取付部53よりも低い位置にリアリフレクタ45が配置されている。
ライセンスランプ46とライセンスプレート44の間にリアリフレクタ45とレーダ装置の両方を配置する場合、ライセンスランプ46とライセンスプレート44の間隔が大きくなってしまう。この点、上記のようにリアリフレクタ45をライセンスプレート44よりも低い位置に配置することで、上記の間隔の大きさを抑えることができる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33のうち、探知装置60をリアカバー32に支持させる構造物の全体又は芯材が金属製である。
一般的な樹脂でリアステー33を構成する場合と比較して撓みにくくなるので、探知装置60の位置及び角度が変化しにくくなるため、探知精度の低下を抑制できる。
また、上記実施形態の自動二輪車1において、リアステー33のうち、ライセンスランプ取付部54(ライセンスランプ46)とライセンスプレート取付部53(ライセンスプレート44)の間の領域の上下方向の中央よりも下側に、探知装置60(レーダ装置又はソナーの送信軸)が位置している。
これにより、探知装置60の探知範囲とライセンスランプ取付部54とが干渉しにくくなる。
また、第2実施形態の自動二輪車1において、探知装置60は背面視で正方形又は長方形であり、4辺のうち1辺のみがテールランプ41に隣接している。
これにより、テールランプ41の輪郭を探知装置60に合わせる必要がない。
また、第2実施形態の自動二輪車1において、探知装置60は、背面視で正方形又は長方形であり、4辺のうち2辺以上がテールランプ41に隣接している。
これにより、リアカバー32の後部の領域を有効に活用できる。例えば、リアカバー32の後部の面積が小さい場合でも、法規的に要求される面積を確保し易くなる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、探知装置60は背面視で長方形状であるが、正方形状であってもよい。また、探知装置60を複数(例えば左右一対で)配置してもよい。
上記実施形態で説明した探知装置60のレイアウト等に関する特徴は、ネイキッドタイプ、オフロードタイプ、スーパースポーツタイプ、ツアラータイプ、クルーズタイプ、又はスクータータイプ等の様々な種類の自動二輪車に適用できる。また、鞍乗型車両であれば、自動二輪車以外にも本発明を適用できる。自動二輪車以外の例としては、前輪が2つで後輪が1つの車両、前輪が1つで後輪が2つの車両、前輪が2つで後輪が2つの車両にも本発明を適用できる。
また、鞍乗型車両とは、車幅方向の中央に配置されたシートに運転者が跨って乗るタイプの車両である。鞍乗型車両には、例えば、ニーグリップ部が形成される。ニーグリップ部とは、シートに前方に形成されており、運転者の膝部分によって車幅方向外側から挟むための部分である。本実施形態の自動二輪車1では、燃料タンク28の後部及びその下方がニーグリップ部に相当する。また、鞍乗型車両には、ニーグリップ部に代えて、ステップフロアが形成されていてもよい。ステップフロアとは、シートの前方に形成されており、運転者の足部を置くための部分である。なお、ステップフロアの上方には、運転者の脚部を位置させる空間が形成されている。
上記実施形態で記載した後端部品は一例であり、一部の後端部品が省略されてもよいし、別の後端部品が更に設けられていてもよい。
上記実施形態(第2実施形態を除く)では、リアステー33が1つの部材で構成されており、リアステー33の内部空間111に探知装置60が収容されている。しかし、リアステー33は、ステー延出部51と、ステー後端部52とが別部材で構成されていてもよい。別の例としては、ステー後端部52が、ステー延出部51に比べて、車幅方向に大きく形成されていてもよい。これにより、ステー後端部52は、車体10の泥除けのためのフラップとしても機能する。ステー延出部51は、フラップ(ステー後端部52)及び後端部品を支持するために剛性が高いことが好ましい。そのため、例えばステー延出部51は、フラップよりも剛性の高い材料、例えば金属材料によって構成される。また、例えばステー延出部51は、フラップよりも、上下方向の剛性を高くするためのリブが形成されていてもよいし、上下方向の剛性を高くするための断面形状を有してしてもよい。これに対し、ステー後端部52は、軽量化のために樹脂材料によって構成されることが好ましい。更に他の例では、ステー延出部51の一部が、フラップの内部空間111に配置される。探知装置60は、フラップの内部空間111に収容されたステー延出部51に支持される。これにより、フラップに支持される場合に比べて支持剛性を高めることができる。
上記実施形態では、探知装置60のセンサ部分と処理部分が1つのユニットとして構成されているが、それらが別体であってもよい。この場合、処理部分は、例えば内部空間111よりも前方に配置されていてもよい。また、探知装置60は、複数のセンサ部分を含むユニットであってもよい。この場合、複数のセンサ部分は、例えば車幅方向の中央に配置されるとともに上下方向に並べて配置されることが好ましい。