JP7205757B2 - 記録液、および印刷物 - Google Patents
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Description
前記印刷媒体に印刷した印刷物は、各色を混色したフルカラー画像を表現することが可能となっている。
さらに、筆記具用金属光沢色インク組成物において、着色剤として金、銀、白金、銅から選ばれるコロイド粒子と、分散剤を含むことで高い光輝性を得る方法が提案されている(例えば特許文献5参照)。
(1)数平均粒子径が200nm未満の光輝性顔料と
変性エチレン酢酸ビニルポリマー、または、ポリアマイドアミン塩及び脂肪酸アマイドと、を含有し、
粘度が40mPa・s以下(20℃)であることを特徴とする記録液。
本発明の実施形態は、上記(1)に係るものであるが、下記の(2)~(9)も実施の形態として含む。
(2)前記光輝性顔料の含有量が、1質量%~10質量%であることを特徴とする前記(1)に記載の記録液。
(3)前記変性エチレン酢酸ビニルポリマー、または、ポリアマイドアミン塩及び脂肪酸アマイドの含有比率(質量比)が、光輝性顔料100質量部に対して0.1質量部以上6質量部以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の記録液。
(4)前記光輝性顔料は金属顔料であることを特徴とする、前記(1)~(3)のいずれかに記載の記録液。
(5)前記金属顔料は平板型顔料であることを特徴とする、前記(4)に記載の記録液。
(6)前記平板型顔料の平均板径Rと平均厚さdの比率が、(R/d)>5であることを特徴とする、前記(5)に記載の記録液。
(7)数平均粒子径が10nm~50nmの樹脂粒子を含むことを特徴とする前記(1)~(6)のいずれかに記載の記録液。
(8)シリコーン系界面活性剤を含むことを特徴とする前記(1)~(7)のいずれかに記載の記録液。
(9)表面粗さRa50nm以下の記録媒体に前記(1)~(8)のいずれかに記載の記録液の印刷層を有する印刷物。
このように顔料粒子径由来の印刷層形状に由来した光学的な特性上、反射光が構造色を持ってしまうため、印刷物は白銀とは言いがたい色相になる課題があった。これは特にドットパターン、および、他のインクとの混色によって多色と色諧調を表現した印刷物を作成する、例えばインクジェット方式で印刷物を作成する上で都合が悪い。可能な限り色相(a*,b*)は(0,0)に近いことが好ましい。
顔料の厚みが板面径に比して薄いほど、顔料が敷き詰められた印字面は平坦になり・光輝性・写像性は増す。吐出安定性を確保する上ではRは700nm以下が望ましい。dは80nm以下、が望ましい。さらにdは10nm~50nmほどが光輝性が高くなり望ましい。50nm以下であると、印刷層のRaが大きくなりすぎることがなく好ましい。10nm以上では、顔料を光が透過する率が高くなることがなく、視野角によって色相が異なって見える現象(FLIP FLOP)が起こらない。
前記平板型顔料の平均板径Rと平均厚さdは、例えば、以下の方法により測定することができる。
・SEMで立ってしまった顔料を見つけて寸法を直接測定する。
・TEMで断面写真から直接顔料の寸法を測定する。
・記録液を薄くプロピレングリコールなどで希釈して平らなガラス板の上で乾燥し、顔料が被覆できないまばらな、顔料が2層以上重ならない状態のインク層を作り、AFMで顔料と下地の段差を計測して厚さとする。
本発明においては、TEMで断面写真から直接顔料の寸法を測定した。
記録液を用いて印字したベタ画像部の画像表面を観察し、10μm×10μmの画像を写真(SEM画像など)で撮り、銀の16点外周点をまんべんなく取って円フィッティングしてRを求める。外周点の決め方は外接円の中心から16方位の接点とする。10μm×10μmの画像中にある銀について求め、その平均値をとる。
次に、平均厚さdの求め方を図3に示した。10μm×10μmのベタ画像を10分割した断面それぞれで観察される顔料の厚さを求め、その平均値を平均厚さdとした。尚、顔料の厚さは、断面に存在する顔料に対して、断面方向の距離でサンプルa1~anの各サンプルについて4等分し、3つの断面における厚さd1、d2、d3の平均値da1~danを得て、このそれぞれの平均値da1~danについての平均をとって平均厚さdとした。
上記のように、平均板径Rと、平均厚さdをそれぞれ別個に求め、R/dを求めた。
樹脂粒子を含むことで記録媒体への定着性を記録液に付与することができる。顔料粒子径を200nm未満としつつ定着性を付与するには、樹脂粒子の数平均粒子径は10~50nmが望ましい。10nm以上では顔料間の導電性を下げる要因になることがなく、光輝性を得やすくなる。50nm以下では顔料間にいきわたりやすく、定着性が良くなる。
また、シリカ等のインク受容層がある方が色味が白銀に近くなりやすい傾向がある。
本実施形態にかかる記録液は、光輝性顔料を含有する。記録液に含有される光輝性顔料としては、インクジェット記録方法によって当該記録液の液滴を吐出できる範囲内で、任意のものを用いることができる。光輝性顔料は、記録液が樹脂インクの層の上に付着したときに、光輝性を付与する機能を有し、また、付着物に光輝性を付与することもできる。このような光輝性顔料としては、パール顔料や金属粒子があげられる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。一方、金属粒子としてはアルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅等の粒子を挙げることができ、これらの単体またはこれらの合金およびこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。本実施形態で使用される光輝性顔料は、いずれのパール顔料や金属粒子であっても実施効果が現れるが、光沢度(光輝性)の高さの観点から、銀粒子を用いることが好ましい。以下、光輝性顔料を含有する記録液の具体例として銀インクを用いて説明する。
前記銀粒子は、優れた金属光沢を有する画像を形成することができる。
前記銀粒子のインク中の含有濃度としては、1質量%~10質量%であることが好ましく、2質量%~7質量%であることがより好ましい。前記含有濃度が1質量%以上であると、十分な光沢感が得られる。また、10質量%以下であると、インクの吐出安定性が良くなり、耐擦過性と光沢の両立が確保できる。
前記銀粒子としては、平板型(フレーク状)の粒子であっても良い。フレーク状の金属粒子は印刷層形成時に大きな接触面積にて重なり合うため、電気を伝導しやすい。すなわち金属光沢が得られやすく、写像性・光揮性に優れた印刷物を作成できる。
フレーク状の金属粒子としてはいかなる方法で調整されたものであってもよく、例えば特許第6180769号公報に記載されているように、硝酸銀水溶液とシュウ酸水溶液の混合液から不純物を除去してシュウ酸銀混合液を得て、さらに該シュウ酸銀混合液にキャリアー(例えば、ポリエチレングリコール(分散剤)をはじめとした親水性の液体。アルコール類など。2種類以上であっても良い)を添加し、超音波を加えてシュウ酸銀分散液を得て、該シュウ酸銀分散液をオートクレープで0.5MPaで加圧しつつ、150℃に加熱しながら30分間150rpmで攪拌すると銀を主成分としたフレーク状の微小粒子を含む分散液を得ることができる。この微小粒子の表面の算術平均粗さRaは、10nm以下である。シュウ酸銀が熱で分解し、銀粒子が析出したところにシュウ酸銀、キャリアーまたは分散剤に由来する有機化合物が付着し、さらに銀粒子と科学的に結合した状態になっている。
(1)分散液におけるシュウ酸銀の濃度を所定の範囲に設定する
(2)特定の分散剤を用いる
(3)加熱時の圧力を所定の範囲に設定する
(4)撹拌速度を所定の範囲に設定する
等が挙げられるとしている。
モード:コンタクトモード
カンチレバー:オリンパス社のOMCL-TR800PSA-1
解像度:512×512ピクセル
高さ方向分解能:0.01nm
横方向分解能:0.2nm
前記フレーク状金属粒子の好ましい分散剤はグリコール系分散剤である。グリコール系分散剤を含む分散液から、粒度分布が小さな粒子が得られる。この分散液から、算術平均粗さRaが小さな粒子が得られる。この分散液から、アスペクト比(D50/Tave)が大きな粒子が得られる。さらに、この分散液から生成した粒子は、溶媒中に充分に分散する。特に好ましい分散剤は、ポリエチレングリコールである。
また、前記銀粒子としては、その表面に保護コロイドが付着した銀コロイドとして、水系分散媒中に分散している粒子であっても良い。これにより、銀粒子の水系分散媒への分散性が特に優れたものとなり、インクの保存安定性を著しく向上できる。
また、銀粒子の数平均粒子径は、還元反応の制御によって制御をすることができる。すなわち、還元剤の添加速度や反応温度を調整することにより制御可能であり、例えば、還元剤の添加速度を遅めたり、液温を低めることにより、より小さい粒径に調整することが可能である。
前記カルボキシル基を有する有機化合物におけるカルボキシル基の数としては、1分子あたり、1以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が特に好ましい。
前記脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、脂環族ヒドロキシカルボン酸又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸が好ましい。前記脂環族ヒドロキシカルボン酸又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸としては、例えば、コール酸等の炭素数6以上34以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、炭素数10以上34以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸がより好ましく、炭素数16以上30以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸が特に好ましい。
また、カルボキシル基を有する有機化合物のpKa値は、例えば、1以上(例えば、1~10程度)、好ましくは2以上(例えば、2~8程度)であってもよい。なお、前記数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
本発明では、保護コロイドを、前記カルボキシル基を有する有機化合物と分散剤ポリマーとで組み合わせて構成することが好ましい。このような組合せで保護コロイドを構成することにより、粗大粒子が著しく少ない銀粒子を含む銀コロイドが得られる。特に、本発明では、前記特定の保護コロイドの組合せにより、粗大粒子が少ないにもかかわらず、銀粒子の割合を大きくでき、銀コロイド(及びその分散液)の保存安定性にも優れている。
前記分散剤ポリマーとしては、例えば、スチレン系樹脂(スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体等)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸共重合体等)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロース等のアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等のアルキル-ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、天然ポリマー(ゼラチン、デキストリン等)、ポリエチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記縮合系モノマーとしては、ヒドロキシル基等の活性基(例えば、前記ヒドロキシル基含有単量体等)との反応により、親水性ユニットを形成していてもよい。前記親水性モノマーとしては、1種単独で又は2種以上組み合わせて親水性ユニットを形成していてもよい。
また、前記くし型コポリマーにおいて、主鎖は、前記親水性ブロックで構成してもよく、前記疎水性ブロックで構成してもよく、親水性ブロック及び疎水性ブロックで構成してもよい。
前記結合は、例えば、疎水性ブロック(ポリオレフィン等)を変性剤[不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸等)、ラクタム又はアミノカルボン酸、ヒドロキシルアミン、ジアミン等]で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成してもよい。
このような成分としては、例えば、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、数平均分子量200~1,000)等のアルキレンオキシ(特にエチレンオキシ)ユニットを有するモノマー又はオリゴマーなどが挙げられる。
また、親水性基(カルボキシル基など)を変性(例えば、エステル化)することにより親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
前記官能基としては、例えば、酸基(又は酸性基、例えば、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)など)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて分散剤ポリマーが有していてもよい。これらの官能基の中でも、酸基を有していることが好ましく、カルボキシル基を有していることがより好ましい。
このような官能基は、例えば、親水性モノマー又は親水性ユニット由来の官能基(例えば、ヒドロキシル基等)であってもよく、官能基を有する共重合性モノマー(例えば、無水マレイン酸等)の共重合によりポリマー中に導入することもできる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、分散剤ポリマーとして、特開2004-207558号公報の記載の高分子分散剤(高分子顔料分散剤)を使用してもよい。
これらのうち、酸基を有する分散剤ポリマーとしては、例えば、ディスパービック190、ディスパービック194などが挙げられる。
本発明の記録液は、数平均粒子径が200nm未満の光輝性顔料を含有する。
粒子径が小さい顔料を含有することで印刷物の印刷層表面を非常に平滑にすることができ、このため高い光輝性を売ることができる。
数平均粒子径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。数平均粒子径は、記録液を希釈して測定しても良い。
記録液における好ましい光輝性顔料の濃度は1質量%~10質量%であり、より好ましくは2質量%~7質量%である。1質量%以上であると、十分な光沢性・写像性が得られる。10質量%以下であると、インクの吐出安定性が良くなり、また耐擦過性と光沢の両立が確保できる。光輝性を確保しようとするならば樹脂は顔料に比して多くは入れられない。このため十分な光沢性を確保しようとするならば、顔料濃度が高すぎると、顔料は樹脂で記録媒体上に十分に固定されず、耐擦過性が確保できない。顔料が記録媒体と直接触れる被覆率が100%前後になる程度の濃度が適正であり、顔料材料種、顔料粒子径、顔料形状、平板形状の顔料であれば厚みと平板広さの比、記録媒体種にもよるが、おおむね2質量%~7質量%くらいの範囲の中に適正値がある。顔料濃度はある程度の濃度までは高濃度ほど被覆率が大きくなるため光沢性が高くなるが、記録媒体の被覆率を100%前後にできる顔料濃度を境にそれ以上増やしても光沢性・写像性はあまり大きくならなくなる。記録媒体によっては平滑性が損なわれてむしろ光沢性・写像性が下がる場合もある。
本発明の記録液は、剪断減粘性付与剤として、変性エチレン酢酸ビニルポリマー、またはポリアマイドアミン塩及び脂肪酸アマイドを含有する。前記剪断減粘性付与剤を添加することによって、色相(a*,b*)は白銀に近いものとなる。
ポリアマイドアミン塩及び脂肪酸アマイドは、個別に添加するのではなく、混合したものを用いることが好ましい。
平板型金属顔料と併用した場合は顔料の向きをそろえて、顔料が平滑に記録媒体上に並ぶため光沢性・写像性が高くなる。
溶剤として有機溶剤を用いた油性系インクの場合は、架橋型アクリル樹脂、架橋型アクリル樹脂のエマルションタイプ、非架橋型アクリル樹脂、架橋型N-ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、非架橋型N-ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、水添ヒマシ油、脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、オクチル酸、ラウリン酸のアルムニウム塩等の脂肪酸金属塩、ジベンジリデンソルビトール、N-アシルアミノ酸系化合物、スメクタイト系無機化合物、モンモリロナイト系無機化合物、ベントナイト系無機化合物、ヘクトライト系無機化合物、シリカ等を例示できる。溶剤として水を用いた水性系インクの場合は、ポリアマイド、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万~15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8~12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類、N-アルキル-2-ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。なお、前記剪断減粘性付与剤は併用することもできるし、ポリマーについては本発明の樹脂として用いることもできる。
本発明では数平均粒子径が200nm未満の光輝性顔料を用いるとしているが、従来はこのような顔料を用いた場合、弊害として印刷層上で顔料が200nm未満の周期を持ったうねりを生じてしまうため、これが光学的に構造色を発現させてしまう不具合があった。うねりの周期により、金色、銅色、青銅色などになり白銀に成らなかった。うねりの周期も記録媒体種に依存してそれぞれ変わり光沢紙、塩ビ、PETへの印刷でそれぞれ異なる色相になるといった不具合も生じていた。
尚、前記剪断減粘性付与剤を添加した記録液の粘度はインクジェット記録方法において吐出安定性を得る為、20℃でのE型粘度計において40mPa・s以下であり、1~40mPa・sであることが好ましい。
適宜、記録液に含有する水、有機溶剤、樹脂量、界面活性剤のバランスを取り前記の粘度範囲に収めることが望ましい。溶剤量は少ないほうが色相が白銀に近づき良くなる傾向がある。
樹脂粒子の数平均粒子径としては、10nm以上50nm以下が好ましく、10nm以上30nm以下がより好ましい。前記数平均粒子径が、10nm以上30nm以下であると、塗膜の金属光沢(光沢度)と耐擦過性が、最もよく両立することが可能である。粒径が10nm以上であると、耐擦過性が良くなり、また50nm以下であると吐出安定性が良くなる。
粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
ポリエステルウレタン樹脂粒子は、記録液中の含有量が多くなっても、印刷画像の光沢度への影響が比較的小さいためである。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
前記自己乳化型の樹脂粒子のアニオン性基の酸価としては、水分散性、耐擦過性、及び耐薬品性の点から、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/mg以上50mgKOH/mg以下が好ましい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリル酸塩、スルホコハク酸塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩が好ましい。
本発明の記録液はウレタン樹脂粒子を含有しても良い。
記録液にウレタン樹脂粒子を配合すると塗膜に光沢性・定着性を付与することができる。
ウレタン樹脂粒子は、記録液を製造する際に、連続相としての水中に分散した樹脂エマルジョンとして添加することが好ましい。
前記ポリオールに使用可能なポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエステルポリオール等を使用することができる。
特に優れた画像堅牢性が得られる観点から、前記ポリオールにポリカーボネートポリオールを用いた、ポリカーボネート系ウレタン樹脂がとりわけ好ましい。
また、本発明の記録液は、ポスターや看板などの屋外向けの用途を視野に入れているので、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、この観点から脂肪族又は脂環式ジイソシアネートを使用することが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂粒子は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、次の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、市販品を使用してもよく、例えば、ユーコートUX-485(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂粒子)、ユーコートUWS-145(ポリエステル系ポリウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA-368T(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA-200(ポリエーテル系ポリウレタン樹脂粒子)(以上、三洋化成工業株式会社製)、エラストロンH-38(ポリエーテル系水溶性ウレタン樹脂、第一工業製薬製)、エラストロンE-37(ポリエステル系水溶性ウレタン樹脂、第一工業製薬製)、スーパーフレックス420NS、スーパーフレックス460S、スーパーフレックス470(以上、ポリカーボネート系ウレタン樹脂分散液、第一工業製薬製)、スーパーフレックス150HS(エステル・エーテル系ウレタン樹脂分散液、第一工業製薬製)スーパーフレックス500M(エステル系ウレタン樹脂分散液、第一工業製薬製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の光輝性記録液は水可溶性の樹脂を含むことができる。ポリビニルアルコール(PVA),ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、カルボキシルメチルセルロース(CMC)等が広くつかわれている。
またカルボジイミド、アジリジン,イソシアネート等の架橋性のあるモノマーを含んでも良い。共に含ませた樹脂を架橋してより強い印刷層を形成できる。ポリカルボジイミド樹脂に親水性セグメントを付与させた水性架橋剤としてカルボジイミドのV-10,V-12G(日清紡ケミカル製)等がある。
記録液として水性の記録液は比較的安全性が高く市場で好まれる傾向がある。これに合わせ、水溶性樹脂として特に水溶性ウレタン樹脂が好ましい。
詳しくは、カルボキシメチルセルロース塩、ビスコースなどのセルロース誘導体、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類、カチオンでんぷん、リン酸でんぷん、カルボキシメチルでんぷん塩などのでんぷん誘導体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4-ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、スチレン-アクリル酸塩共重合物、スチレン-メタクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル-アクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル-メタクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル-アクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル-メタクリル酸塩共重合物、スチレン-イタコン酸塩共重合物、イタコン酸エステル-イタコン酸塩共重合物、ビニルナフタレン-アクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン-メタクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン-イタコン酸塩共重合物などの合成高分子類などがある。中でも、スチレン-アクリル酸共重合体のアンモニウム塩を好適に用いることができる。
本発明の記録液には、記録媒体への濡れ性を確保するため界面活性剤を加えても良い。
記録液中の界面活性剤の添加量は、0.1~5質量%が好ましい。0.1質量%以上であると、非多孔質基材への濡れ性が確保できるため、画像品質が向上し、5質量%以下であると、記録液が泡立ちにくくなるため、優れた吐出安定性が得られる。
前記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の側鎖に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の末端に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物などが挙げられる。なお、前記シリコーン系界面活性剤とは、その構造中にポリシロキサン構造を有していればよい。
前記有機溶剤の含有量としては、記録液の乾燥性、及び吐出信頼性の点から、記録液全量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール,1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を主に用いることが好ましい。
前記その他の成分としては、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、ヒンダードフェノールやヒンダードフェノールアミンのようなゴム及びプラスチックス用無色老化防止剤、酸化防止剤などが挙げられる。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
酸化防止剤は製品中の成分の身代わりとなって酸化されることにより、製品そのものの酸化を防止する。流路の金属部材、金属顔料等の酸化による腐食を防ぐことができる。ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、ビタミンC、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、等々が挙げられる。
水は、水系記録液の主な媒体であり、好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることが出来る。また、紫外線照射、または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、記録液を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好ましい。記録液における水の含有量は、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することが出来るが、環境負荷を軽減でき、その他の成分を含めることができる点から10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
本発明の記録液は、インクとして、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
なお、上記のシルバー(S)のインクは本発明の記録液である。また、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のカラーインクは、特に制限はなく、目的に応じて公知のインクを適宜選択することができる。また、上記のシルバー(S)以外の3色に加えて、ブラック(K)、ホワイト(W)等のインクを追加で使用してもよい。追加のインクを使用する場合は、追加のインクを有する液体収容部と液体吐出ヘッドを記録装置に追加する。本発明のシルバーインクを付与した記録媒体上の位置に、これらのシルバー以外の色材を含むインクを付与することで、銀色以外の様々な金属光沢を有する色を再現することができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、シルバー(S)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する分散剤ポリマー(ビッグケミージャパン株式会社製、商品名:「ディスパービック190(BYK-190)」、溶媒:水、不揮発成分40質量%、酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)7.2g、及びコール酸(和光純薬工業株式会社製)1.8gを、イオン交換水50gに投入し、激しく撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業株式会社製)50gを水温が50℃を超えないように徐々に加えたのち、水温60℃のウォーターバス中で2.5時間加熱撹拌した。得られた反応液を、ガラスフィルタ(ADVANTEC社製、GC-90、平均孔径:0.8μm)にてろ過し、銀を40質量%、水を18.9質量%含む銀粒子分散液を得た。得られた銀粒子分散液1における銀粒子の粒度分布を、粒度分析装置(Nanotrac Wave-EX150、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、数平均粒子径が20nmであった。
1Lの蒸留水に50gの硝酸銀を溶解させて、第一の溶液を得た。一方、1Lの蒸留水に22.2gのシュウ酸を溶解させて、第二の溶液を得た。第一の溶液と第二の溶液とを混合し、シュウ酸銀を含む混合液を得た。この混合液から、不純物を除去した。1Lの混合液に3gのポリエチレングリコール(分散剤)を添加し、超音波を加えつつ、30分間撹拌した。これにより、シュウ酸銀を分散させた。この混合液を、オートクレープに投入した。この混合液を、0.5MPaの圧力で加圧した。この混合液を800rpmの速度で撹拌しつつ、150℃まで加熱した。この温度下で30分間の撹拌を行い、銀を主成分とする微小粒子を含む液体を得た。この微小粒子の算術平均粗さRaの平均値は、2.0nmであった。
該銀を主成分とする微笑粒子を含む液体を遠心分離機にかけ、余剰なポリエチレングリコールを除去した。さらにこの沈殿物をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)に投入し、攪拌した。沈殿物を取り出して、遠心分離器にて余剰のエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを除去した。この沈殿物に所定時間の熱乾燥を施し、微小銀粒子含有組成物(銀粒子分散液2)を得た。この組成物は、90質量%の銀粒子と、10質量%のその他物質(主にエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)を含んでいる。
銀粒子は、平板状である。得られた銀粒子分散液2における銀粒子の粒度分布を、銀粒子分散液1と同様に測定したところ、銀粒子の数平均粒子径は310nmであり、Rは400nm、平均厚さdは50nmであり、R/d=8.0であった。
反応時の攪拌速度を1000rpmとした他は<平板銀粒子分散液2の調整>と同様にして微粒子を含む銀粒子分散液3を得た。得られた銀粒子分散液3における銀粒子の粒度分布を、銀粒子分散液1と同様に測定したところ、銀粒子の数平均粒子径は150nmであり、Rは220nm、平均厚さdは50nmであり、R/d=4.4であった。
反応温度を180℃、反応時の攪拌速度を1600rpmとした他は<平板銀粒子分散液2の調整>と同様にして微粒子を含む銀粒子分散液4を得た。得られた銀粒子分散液4における銀粒子の粒度分布を、銀粒子分散液1と同様に測定したところ、銀粒子の数平均粒子径は130nmであり、Rは180nm、平均厚さdは20nmであり、R/d=9.0であった。
<銀インク1の調製>
銀粒子分散液1を12.5質量%、分散剤としてBYK-190を0.25質量%、1,2-プロパンジオール(東京化成工業株式会社製)22.0質量%、3-メトキシ-3-メチルブタノール(東京化成工業株式会社製)22.0質量%、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール3.3質量%、酸化防止剤としてベンゾトリアゾール0.1質量%、ポリカーボネート系ウレタン樹脂分散液(スーパーフレックス420NS:第一工業製薬製、不揮発分32質量%)0.94質量%、剪断減粘性付与剤としてAQUATIX8420(ビックケミ―株式会社製、不揮発分20質量%)0.075質量%、界面活性剤としてBYK-345(ビックケミー(株)製)1.0質量%、及び合計が100質量%となるようにイオン交換水を残量添加して混合、攪拌した後、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:シリンジフィルター、ザルトリウス社製)で濾過して銀インク1(Mt1)を得た。
得られた銀インク1における銀粒子の数平均粒子径はは310nmであり、銀分散液1における銀粒子の数平均粒子径と同じであった。
<銀インク2~36の調製>
銀インク1の調製において、組成を下記表1-1~表1-4に示すように変更した以外は、銀インク1の調製と同様にして、銀インク2~36を得た。組成を下記表1-1~表1-4に示す。表1-1~表1-4中の数値の単位は「質量%」である。
得られた銀インク2~36における銀粒子の数平均粒子径は、用いた銀分散液における銀粒子の数平均粒子径と同じであった。
<樹脂>
(水溶性ウレタン樹脂)
・エラストロンH-38(ポリエーテル系水溶性ウレタン樹脂、第一工業製薬製)
・エラストロンE-37(ポリエステル系水溶性ウレタン樹脂、第一工業製薬製)
(ウレタン樹脂エマルション
・スーパーフレックス420NS
(ポリカーボネート系ウレタン樹脂分散液、数平均粒子径10nm、第一工業製薬製)
・スーパーフレックス460S
(ポリカーボネート系ウレタン樹脂分散液、数平均粒子径30nm、第一工業製薬製)
・スーパーフレックス470
(ポリカーボネート系ウレタン樹脂分散液、数平均粒子径50nm、第一工業製薬製)
・スーパーフレックス150HS
(エステル・エーテル系ウレタン樹脂分散液、数平均粒子径80nm、
第一工業製薬製)
・スーパーフレックス500M
(エステル系ウレタン樹脂分散液、数平均粒子径140nm、第一工業製薬製)
(分散剤)
・BYK-190
(カルボキシル基を有する分散剤ポリマー、ビッグケミージャパン株式会社製)
・BYK-345(シリコーン系界面活性剤、BYK社製)
・FS-34(フッ素系界面活性剤、Chemours製)
AQH-800(ポリアマイドアミン塩/脂肪酸アマイド、楠本化成製)
AQ-633E (ポリアマイド、楠本化成製)
まず、インクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)改造機を用いて、光沢紙(フォトペーパー絹目タイプ MPGSA420インクジェット用光沢紙 絹目 三菱化学製)に対し、光沢紙モード1200dpi×1200dpiでメタリックインク液のベタ画像(100%duty)をプラテン温度40℃、ファンヒーター温度50℃で出力した。出力直後、85℃に加熱したオーブンに2分間投入して乾燥を行い、取り出した。光沢紙のRaは11nmである。
<光沢度評価>
乾燥後の記録物の20°光沢度を、光沢度計(BYK Gardener社製、マイクロトリグロス)により測定した。
20°光沢度の値は、好ましくは350以上である。より好ましくは600以上である。350以上では写像性が表れる。600以上では銀箔に迫る光沢性と言える。
-評価基準-
◎:600以上
〇:500以上600未満
△:350以上500未満
×:350未満
各評価サンプルに白色の普通紙(マイペーパー6200 Y目 RICOH製)10枚を裏当てして、形成されたベタ部の色相を測定する。色相はX-Rite938(X-Rite社製)にて10回測定し、その平均値より判定した。
好ましくはa*が-5.0~+2.0,b*が-10.0~+3.0に囲われた範囲で、より好ましくは上記境界に内接する楕円の範囲内である。真白(0,0)が理想ではあるが、人の白銀色の感覚に沿うと狙いとすべき色相はやや寒色系の色相に対して寛容である。
彩度(√a*2+b*2)で境界を示すと、青側は彩度√125ほどまで、金側は√13ほどまでが許容範囲である。好ましくはランク△以上である。
-評価基準-
◎:(0,0)または、b<0, 彩度≦√13
〇:b<0,√13<彩度<√45、またはb>0,彩度<√3
△:b<0,√45≦彩度≦√125、またはb>0,√3≦彩度≦√13まで
×:b<0,彩度>√125、またはb>0,彩度>√13
(ノズル抜け)
得られたメタリックインク1~36をインクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)に充填し、インクジェット用光沢紙(フォトペーパー絹目タイプ MPGSA420 インクジェット用光沢紙 絹目 三菱化学製)上にノズルチェックパターンを印刷して、全ノズル数384に対してインクが吐出された吐出ノズル数を確認し、下記評価基準に基づいて、「ノズル抜け」を評価した。なお、ランク△以上が、実用上問題のないレベルであり、このましくはランク〇以上である。
-評価基準-
〇:吐出ノズル数が384
△:吐出ノズル数が336以上384未満
×:吐出ノズル数が336未満
乾燥後の記録物を学振型磨耗堅牢度試験機AB-301(商品名、テスター産業株式会社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子(荷重;300g)にて10回擦り、その劣化具合を目視にて観察し、以下の基準に従い耐磨耗性評価を実施した。
〇:傷の数が5本未満であり、下地も見えない。
△:傷の数が5本以上10本未満であり、下地も見えない。
×:傷の数が10本以上あり、下地(被印刷物)が一部見えている。
××:傷の数が10本以上あり、下地(被印刷物)の大部分が露出してしまっている。
実施例1の銀インク1をPETフィルム(リンテックE-1000ZC)に印刷した以外は実施例1と同様にして印刷物の印刷を行った。PETフィルムのRaは5nmである。
印刷層の表面粗さRaを測定した。また、実施例1と同様に、20°光沢度、色相評価を行った。
結果を表2に示す。
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410s、410c、410m、410y シルバー(S)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
Claims (8)
- 数平均粒子径が200nm未満の光輝性顔料と
変性エチレン酢酸ビニルポリマー、または、ポリアマイドアミン塩及び脂肪酸アマイドと、を含有し、
前記光輝性顔料は金属顔料であり、
粘度が40mPa・s以下(20℃)であることを特徴とする記録液。 - 前記光輝性顔料の含有量が、1質量%~10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の記録液。
- 前記変性エチレン酢酸ビニルポリマー、または、ポリアマイドアミン塩及び脂肪酸アマイドの含有比率(質量比)が、光輝性顔料100質量部に対して0.1質量部以上6質量部以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録液。
- 前記金属顔料は平板型顔料であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の記録液。
- 前記平板型顔料の平均板径Rと平均厚さdの比率が、(R/d)>5であることを特徴とする、請求項4に記載の記録液。
- 数平均粒子径が10nm~50nmの樹脂粒子を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の記録液。
- シリコーン系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の記録液。
- 表面粗さRa50nm以下の記録媒体に請求項1~7のいずれかに記載の記録液の印刷層を有する印刷物。
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