JP6880686B2 - インク、及び印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、インク、及び印刷物に関する。
金属光沢を有するものは人々にきらびやかな印象を与えるため、日常生活のあらゆる場面で目にする機会が多い。金属そのものを用いてその意匠性を付与する場合もあるが、基材に金属光沢を有する着色組成物をコートすることにより意匠性を付与することが多い。
前記コートする方法としては、光輝性を有する顔料を含む印刷インキを用いて各種印刷方式にて印刷する方法や、接着剤や熱融着により転写箔する方法が用いられてきた。
前記金属光沢の中でも、とりわけ金色は富の象徴であり、太古の昔から人々に好まれてきており、正月などのおめでたい行事には欠かせない色である。一方、銀色も落ち着いた風合いで人気が高く、様々な場面で見かけることが多い。また、銀色は金色と異なり、その他の色の着色組成物と混合することにより、金色を含む様々な金属光沢色を表現することができるため、金色よりも汎用性が高く、産業上利用価値が高い。
従来、銀色の金属光沢を有する着色組成物に用いられる顔料としては、アルミニウム粒子が広く使用されている。しかし、前記アルミニウム粒子は、比重が重いため、着色組成物中に安定に存在し難く、経時で沈降し、場合によっては固着してしまい、ハードケーキを形成してしまうという問題がある。
また、印刷インキなどの着色組成物は、環境負荷の低減のため、有機溶剤を極力使用しない水系のものに次々と置き換わっているが、アルミニウム粒子は、水と反応して水素ガスを発生する上に、アルミニウムからアルミナに変化してしまうため、金属光沢も失われてしまうという問題があった。
また、アルミニウム粒子に限らず光輝性顔料は、耐擦過性が悪く、強くこすると剥がれてしまうという問題がある。
そのため、インクジェット印刷技術の発展により、インクジェット印刷でも金属光沢を有する印刷物を得ることができるインクに対する要望が高まってきている。
そこで、市販の鱗片状アルミニウム顔料や酸化チタン被覆マイカ顔料などの光輝顔料を含むインクジェットインクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、鱗片状アルミニウム顔料がインク中で容易に沈降しない処理を施したインクが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、耐水化アルミニウム顔料を使用することにより、アルミニウム粒子と水とが反応して水素ガスの発生を抑制するインクが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
またさらに、金属コロイドを含むインク組成物を多孔質の被印刷物の表面に印刷することにより高い光沢性を有する印刷物を得る印刷方法(例えば、特許文献4参照)、水溶性樹脂を光輝性インク中に溶解させ耐擦性の高い印刷物を記録する記録方法(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
本発明は、水系インクを用いて自然な金属光沢と耐擦過性とに優れる印刷物が得られ、吐出安定性が良好であるインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、銀粒子、不溶の樹脂成分を含む樹脂、及び水を含み、前記銀粒子の体積平均粒径が、3.0nm以上100nm以下であり、前記不溶の樹脂成分は、前記樹脂1gに水100mLを加えて2時間撹拌した場合に不溶の樹脂成分であり、前記不溶の樹脂成分の最低造膜温度が、50℃以上80℃以下であり、更に、前記不溶の樹脂成分がポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、アクリル樹脂のいずれかを有する。
本発明によると、水系インクを用いて自然な金属光沢と耐擦過性とに優れる印刷物が得られ、吐出安定性が良好であるインクを提供することができる。
図1は、シリアル型画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、図1の装置のメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(インク)
本発明のインクは、銀粒子、樹脂粒子、及び水を含み、前記銀粒子の体積平均粒径が、3.0nm以上100nm以下であり、インク中に含まれる水不溶性樹脂の最低造膜温度が、50℃以上80℃以下であり、更に必要に応じて、有機溶剤、その他の成分を含む。
本発明のインクは、従来のインクジェットインクでは、市販の光輝顔料は粒子径が大きくインクジェットヘッドで安定して吐出させることができず、すぐに吐出不良を引き起こしてしまうという問題があるという知見に基づくものである。
本発明のインクは、従来の容易に沈降しない処理を施したインクでは、十分な保存安定性は確保できていないため、しばらく使用せずに放置した場合、ノズル詰まりを生じることがあるという問題があるという知見に基づくものである。
本発明のインクは、従来の水素ガスの発生を抑制するインクでは、水素ガスの発生は完全には抑制することができないため、安全性の観点から、耐水化アルミニウム顔料を水系のインクジェットインクとして使用することは困難であるという問題があるという知見に基づくものである。
本発明のインクは、従来の印刷方法では、多孔質が金属粒子まで吸収してしまうため、金属光沢が発現せず、また金属光沢を発現してもそのレベルは低くなり、また、金属コロイドのプラズモン吸収に由来する色が発現してしまい、色味も不自然であるといった問題があるという知見に基づくものである。
本発明のインクは、従来の印刷方法及び記録方法では、水溶性樹脂の添加により吐出したインクのリガメント長が増加し、吐出不良が生じるといった不具合が生じることがあるという知見に基づくものである。
前記インク中における銀粒子の体積平均粒径が、3.0nm以上100nm以下であると、インクは、銀色ではなく、茶色を呈する。前記銀粒子は、印刷媒体上にて凝集することにより銀色を発色するようになる。一方、得られる印刷物において、耐擦過性を向上させる場合は、インクに樹脂粒子を配合することにより、容易に耐擦過性を向上することができる。しかし、前記樹脂粒子は、前記銀粒子の印刷媒体上での凝集を阻害し、銀色の発色を阻害することがある。そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、インク中に含まれる水不溶性樹脂の最低造膜温度が、50℃以上80℃以下とすることにより、銀粒子の印刷媒体上での凝集を阻害せず、印刷物が銀色光沢を呈することができ、また得られる印刷物の耐擦過性を向上することができることを見出した。
<銀粒子>
前記銀粒子は、優れた金属光沢を有する画像を形成することができる。
前記銀粒子の体積平均粒径としては、3.0nm以上100nm以下であり、15nm以上60nm以下が好ましい。前記体積平均粒径が、15nm以上であると、印刷媒体におけるインク受容層中に銀粒子が入り込み、印刷物中の最下面にナノ粒子が数多く存在することにより金属光沢が弱まることなく、良好に金属光沢を発現することが好ましい。また、100nm以下であると、経時で銀粒子が沈降することなく吐出が安定する。なお、前記体積平均粒径は、特に断りのない限り、体積基準の平均一次粒径である。前記体積平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。前記レーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(装置名:マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)を用いることができる。
また、前記銀粒子としては、その表面に保護コロイドが付着した銀コロイドとして、水系分散媒中に分散していることが好ましい。これにより、銀粒子の水系分散媒への分散性が特に優れたものとなり、インクの保存安定性を著しく向上できる。
前記銀コロイドとしては、いかなる方法で調整されたものであってもよく、例えば、特開2006−299329号公報に記載されているように、銀イオンを含む溶液を用意し、この銀イオンを保護コロイドの存在下で還元剤により還元することにより得ることができる。これらの方法によって金属コロイドを製造する際に、還元反応の前後の、任意の時点で水溶液に界面活性剤等を加えると、金属粒子の分散安定性をさらに向上できる。また、銀粒子の体積平均粒径は、還元反応の制御によって制御をすることができる。すなわち、還元剤の添加速度や反応温度を調整することにより制御可能であり、例えば、還元剤の添加速度を遅めたり、液温を低めることにより、より小さい粒径に調整することが可能である。
前記保護コロイドとしては、銀粒子表面を保護する役割を果たす有機物であれば特に制限されないが、カルボキシル基を有する有機化合物、分散剤ポリマーが好ましく、いずれかを単独で使用しても、併用してもよいが、併用したほうが相乗効果があるため、より好ましい。
−カルボキシル基を有する有機化合物−
前記カルボキシル基を有する有機化合物におけるカルボキシル基の数としては、1分子あたり、1以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
なお、前記カルボキシル基を有する有機化合物において、一部又は全部のカルボキシル基は、塩(アミンとの塩、金属塩等)を形成していてもよい。 特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩等)を形成していない有機化合物(すなわち、遊離のカルボキシル基を有する有機化合物)を好適に使用できる。
また、前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、カルボキシル基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、カルボキシル基以外の官能基(又は金属化合物又は金属ナノ粒子に対する配位性基等)を有していてもよい。このようなカルボキシル基以外の官能基(又は配位性基)としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する基{又は官能基、例えば、窒素原子を有する基[アミノ基、置換アミノ基(ジアルキルアミノ基等)、イミノ基(−NH−)、窒素環基(ピリジル基などの5〜8員窒素環基、カルバゾール基、モルホリニル基など)、アミド基(−CON<)、シアノ基、ニトロ基等]、酸素原子を有する基[ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1−6アルコキシ基)、ホルミル基、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、酸素環基(テトラヒドロピラニル基等の5〜8員酸素環基など)など]、硫黄原子を有する基[例えば、チオ基、チオール基、チオカルボニル基(−SO−)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などの炭素数1〜4のアルキルチオ基等)、スルホ基、スルファモイル基、スルフィニル基(−SO−)など]、これらの塩を形成した基(アンモニウム塩基等)など}などが挙げられる。これらの官能基は、一種単独で、又は2種以上組み合わせてカルボキシル基を有する有機化合物が有していてもよい。
前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、これらの官能基のうち、カルボキシル基と塩を形成可能な塩基性基(特に、アミノ基、置換アミノ基、イミノ基、アンモニウム塩基等)を有していない化合物であるのが好ましい。
代表的なカルボキシル基を有する有機化合物には、カルボン酸が含まれる。このようなカルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)などが挙げられる。
前記モノカルボン酸としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸[飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸、ヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、シクロヘキサンカルボン酸、デヒドロコール酸、コラン酸等の炭素数1以上34以下の脂肪族モノカルボン酸、好ましくは炭素数1以上30以下の脂肪族モノカルボン酸等)、不飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、アビエチン酸等の炭素数4以上34以下の不飽和脂肪族モノカルボン酸、好ましくは炭素数10以下30以上の不飽和脂肪族モノカルボン酸)]、芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸等の炭素数7以上12以下の芳香族モノカルボン酸等)などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族ポリカルボン酸[例えば、脂肪族飽和ポリカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの炭素数2以上14以下の脂肪族飽和ポリカルボン酸、好ましくは炭素数2以上10以下の脂肪族飽和ポリカルボン酸等)、脂肪族不飽和ポリカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸などの炭素数4以上14以下の脂肪族不飽和ポリカルボン酸、好ましくは炭素数4以上10以下の脂肪族不飽和ポリカルボン酸等)など]、芳香族ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、トリメリット酸などの炭素数8以上12以下の芳香族ポリカルボン酸等)などが挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ヒドロキシモノカルボン酸[脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、グリココール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、アポコール酸、タウロコール酸等の炭素数2以上50以下の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、好ましくは炭素数2以上34以下の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、さらに好ましくは炭素数2以上30以下の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸等)、芳香族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸等の炭素数7以上12以下の芳香族ヒドロキシモノカルボン酸等)など]、ヒドロキシポリカルボン酸[脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、タルトロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸等の炭素数2以上10以下の脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸等)など]などが挙げられる。
なお、前記カルボン酸は、塩を形成していてもよく、無水物、水和物などであってもよい。ここで、カルボン酸は、前記と同様に、塩(特に、アミンとの塩等の塩基性化合物との塩)を形成していない場合が多い。
前記カルボキシル基を有する有機化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸及び脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸)等のヒドロキシカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、脂環族ヒドロキシカルボン酸(又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸が好ましい。
前記脂環族ヒドロキシカルボン酸(又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸としては、例えば、コール酸等の炭素数6以上34以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、炭素数10以上34以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸がより好ましく、炭素数16以上30以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸が特に好ましい。
また、前記コール酸等の多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、好ましくは炭素数10以上34以下の縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、より好ましくは炭素数14以上34以下の縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、特に好ましくは炭素数18以上30以下の縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸)、デヒドロコール酸、コラン酸等の多環式脂肪族カルボン酸(例えば、縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくは炭素数10以上34以下の縮合多環式脂肪族カルボン酸、より好ましくは炭素数14以上34以下の縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、特に好ましくは炭素数18以上30以下の縮合多環式脂肪族カルボン酸)などの多環式脂肪族カルボン酸(例えば、炭素数10以上50以下の縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくは炭素数12以上40以下の縮合多環式脂肪族カルボン酸、より好ましくは炭素数14以上34以下の縮合多環式脂肪族カルボン酸、特に好ましくは炭素数18以上30以下の縮合多環式脂肪族カルボン酸)は、嵩高い構造を有しており、銀粒子の凝集を抑制する効果が大きいため好ましい。
前記カルボキシル基を有する有機化合物の数平均分子量としては、例えば、1,000以下(例えば、46〜900程度)、好ましくは800以下(例えば、50〜700程度)、さらに好ましくは600以下(例えば、100〜500程度)であってもよい。
また、カルボキシル基を有する有機化合物のpKa値は、例えば、1以上(例えば、1〜10程度)、好ましくは2以上(例えば、2〜8程度)程度であってもよい。なお、前記数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
−−分散剤ポリマー−−
本発明では、保護コロイドを、前記カルボキシル基を有する有機化合物と分散剤ポリマーとで組み合わせて構成する。このような組合せで保護コロイドを構成することにより、粗大粒子が著しく少ない銀粒子を含む銀コロイドが得られる。特に、本発明では、前記特定の保護コロイドの組合せにより、粗大粒子が少ないにもかかわらず、銀粒子の割合を大きくでき、銀コロイド(及びその分散液)の保存安定性にも優れている。
前記分散剤ポリマー(又は高分子型分散剤)としては、銀粒子を被覆可能であれば特に限定されないが、両親媒性の分散剤ポリマー(又はオリゴマー型分散剤)を好適に使用できる。
前記分散剤ポリマーとしては、例えば、通常、塗料、インク分野などで着色剤の分散に用いられている分散剤ポリマーなどが挙げられる。
前記分散剤ポリマーとしては、例えば、スチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体等)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロース等のアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等のアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、天然ポリマー(ゼラチン、デキストリン等)、ポリエチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
代表的な分散剤ポリマー(両親媒性の分散剤ポリマー)としては、例えば、親水性モノマーで構成された親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含む樹脂(又は水溶性樹脂、水分散性樹脂)などが挙げられる。
前記親水性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基又は酸無水物基含有単量体(アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル系単量体、マレイン酸等の不飽和多価カルボン酸、無水マレイン酸など)、ヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルフェノールなど)などの付加重合系モノマー;アルキレンオキシド(エチレンオキシド等)などの縮合系モノマーなどが挙げられる。
前記縮合系モノマーとしては、ヒドロキシル基等の活性基(例えば、前記ヒドロキシル基含有単量体等)との反応により、親水性ユニットを形成していてもよい。
前記親水性モノマーとしては、1種単独で又は2種以上組み合わせて親水性ユニットを形成していてもよい。
前記分散剤ポリマーとしては、少なくとも親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含んでいればよく、親水性モノマーの単独又は共重合体(例えば、ポリアクリル酸又はその塩等)であってもよく、前記例示のスチレン系樹脂やアクリル系樹脂等のように、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマーであってもよい。
前記疎水性モノマー(非イオン性モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸炭素数1以上20以下アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−フェニルエチル等の(メタ)アクリル酸アラルキルなど]などの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー;α−炭素数2以上20以下オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン等)などのオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。前記疎水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて疎水性ユニットを構成していてもよい。
前記分散剤ポリマーとしては、コポリマー(例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマー)である場合、前記コポリマーは、ランダムコポリマー、交互共重合体、ブロックコポリマー(例えば、親水性モノマーで構成された親水性ブロックと、疎水性モノマーで構成された疎水性ブロックとで構成されたコポリマー)、くし型コポリマー(又はくし型グラフトコポリマー)などであってもよい。
前記ブロックコポリマーの構造としては、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA型、BAB型)などであってもよい。
また、前記くし型コポリマーにおいて、主鎖は、前記親水性ブロックで構成してもよく、前記疎水性ブロックで構成してもよく、親水性ブロック及び疎水性ブロックで構成してもよい。
なお、前記親水性ユニットとしては、例えば、アルキレンオキシド(エチレンオキシド等)で構成された親水性ブロック(ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド)などの縮合系ブロックで構成することもできる。
前記親水性ブロック(ポリアルキレンオキシド等)と疎水性ブロック(ポリオレフィンブロック等)とは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合などの連結基を介して結合していてもよい。
前記結合は、例えば、疎水性ブロック(ポリオレフィン等)を変性剤[不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸等)、ラクタム又はアミノカルボン酸、ヒドロキシルアミン、ジアミン等]で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成してもよい。
また、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの親水性基を有するモノマー(前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど)から得られるポリマーと、前記縮合系の親水性モノマー(エチレンオキシド等)とを反応(又は結合)させることにより、くし型コポリマー(主鎖が疎水性ブロックで構成されたくし型コポリマー)を形成してもよい。
さらに、共重合成分として、親水性の非イオン性モノマーを使用することにより、親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
このような成分としては、例えば、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、数平均分子量200〜1,000)等のアルキレンオキシ(特にエチレンオキシ)ユニットを有するモノマー又はオリゴマーなどが挙げられる。
また、親水性基(カルボキシル基など)を変性(例えば、エステル化)することにより親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
前記分散剤ポリマーとしては、官能基を有していてもよい。
前記官能基としては、例えば、酸基(又は酸性基、例えば、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)など)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて分散剤ポリマーが有していてもよい。これらの官能基の中でも、酸基を有していることが好ましく、カルボキシル基を有していることがより好ましい。
また、前記分散剤ポリマーが、酸基(カルボキシル基等)を有している場合、少なくとも一部又は全部の酸基(カルボキシル基等)は、塩(アミンとの塩、金属塩等)を形成していてもよいが、特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)等の酸基が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩等)]を形成していない分散剤ポリマー[すなわち、遊離の酸基(特にカルボキシル基)を有する分散剤ポリマー]を好適に使用できる。
前記酸基(特にカルボキシル基)を有する分散剤ポリマーの酸価としては、例えば、1mgKOH/g以上(例えば、2mgKOH/g以上100mgKOH/g以下)が好ましく、3mgKOH/g以上(例えば、4mgKOH/g以上90mgKOH/g以下)がより好ましく、5mgKOH/g以上(例えば、6mgKOH/g以上80mgKOH/g以下)がさらに好ましく、7mgKOH/g以上(例えば、8mgKOH/g以上70mgKOH/g以下)が特に好ましい。また、通常3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下(例えば、5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下)であってもよい。なお、酸基を有する分散剤ポリマーにおいて、アミン価は0(又はほぼ0)であってもよい。
なお、前記分散剤ポリマーにおいて、上記のような官能基の位置は、特に限定されず、主鎖であってもよく、側鎖であってもよく、主鎖及び側鎖に位置していてもよい。
このような官能基は、例えば、親水性モノマー又は親水性ユニット由来の官能基(例えば、ヒドロキシル基等)であってもよく、官能基を有する共重合性モノマー(例えば、無水マレイン酸等)の共重合によりポリマー中に導入することもできる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、分散剤ポリマーとして、特開2004−207558号公報の記載の高分子分散剤(高分子顔料分散剤)を使用してもよい。
前記分散剤ポリマーとしては、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。 前記市販品の分散剤ポリマー(又は少なくとも両親媒性の分散剤で構成された分散剤)としては、例えば、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090等のソルスパースシリーズ[アビシア社製];ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2050等のディスパービックシリーズ[ビックケミー株式会社製];EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453[EFKAケミカル株式会社製];アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911等のアジスパーシリーズ[味の素株式会社製];フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745W等のフローレンシリーズ[共栄社化学株式会社製];ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62などのジョンクリルシリーズ[ジョンソンポリマー株式会社製]などが挙げられる。
これらのうち、酸基を有する分散剤ポリマーとしては、例えば、ディスパービック190、ディスパービック194などが挙げられる。
前記分散剤ポリマーの数平均分子量としては、1,500以上100,000以下が好ましく、2,000以上80,000以下(例えば、2,000以上60,000以下)がより好ましく、3,000以上50,000以下(例えば、5,000以上30,000以下)がさらに好ましく、7,000以上20,000以下が特に好ましい。なお、前記数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記銀粒子の含有量としては、インク全量に対して、1.0質量%以上15.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1.0質量%以上15.0質量%以下であると、インクの保存安定性、吐出安定性、及び金属光沢の発現(光沢度)を向上できる。
<樹脂粒子>
前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、10nm以上30nm以下が好ましい。前記体積平均粒径が、10nm以上30nm以下であると、塗膜の金属光沢(光沢度)と耐擦過性とが最もよく両立することが可能である。
前記樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリウレタン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、スチレン樹脂粒子、ブタジエン樹脂粒子、スチレン−ブタジエン樹脂粒子、アクリルスチレン樹脂粒子、アクリルシリコーン樹脂粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、印刷物の耐擦過性をより高いものにする点から、ポリウレタン樹脂粒子が好ましい。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、例えば、ポリカーボネートウレタン樹脂粒子、ポリエステルウレタン樹脂粒子、ポリエーテルウレタン樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルウレタン樹脂粒子が好ましい。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、ポリオールを用いて合成されたポリウレタン樹脂粒子であることが好ましい。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
前記樹脂粒子は、インク中の粒子の分散性を向上させ、またインク塗膜の硬度を高め、耐擦過性を向上させることができる。その際、インク中に含まれる水不溶性樹脂の最低造膜温度(以下、「MFT」とも称することがある)が50℃以上80℃以下であり、50℃以上74℃以下が好ましい。前記最低造膜温度が、50℃以上であると、銀粒子の凝集と樹脂膜の生成が競合して、銀粒子の凝集が阻害されることを防止し、金属光沢の発現(光沢度)を向上できる。また、最低造膜温度が、80℃以下であると、塗膜と基材の密着を向上し、耐擦過性を向上できる。前記最低造膜温度が50℃以上80℃以下になるインクを製造するためには、前記最低造膜温度が50℃以上80℃以下の樹脂粒子をインクに添加することで容易に製造することができる。
本明細書において、前記水不溶性樹脂とは、樹脂1gに水100mLに加えて2時間撹拌した場合に、不溶の樹脂成分を意味する。
インクを分析して、水不溶性樹脂の最低造膜温度が50℃以上80℃以下であるインクであることは、次の手順で確認することができる。
[最低造膜温度(MFT)の測定]
インク中に存在する水不溶性樹脂の最低造膜温度の測定は、以下のようにして行うことができる。即ち、インクを超遠心分離機にかけ、上澄み液と、銀粒子を含む沈殿物に分離する。沈殿物を回収して有機溶剤中にて、0℃〜100℃で洗浄し、ろ過により銀粒子とろ液に分離する。遠心分離による上澄み液とろ液を合わせて、減圧乾燥機にて、5℃以上50℃以下、1mPa以上20,000Pa以下にて乾固させる。得られた乾固物と水を用いてスラリーを作製し、卓上分散器にて十分に分散し、ろ過する。得られたろ物を再度水と混ぜ合わせ、濃縮することにより、インク中に含まれる水不溶性樹脂の水分散液を得る。
前記超遠心分離機は、例えば、ベックマン・コールター株式会社製、Optima Max−XPを用いることができる。
前記減圧乾燥機は、例えば、装置名:デコ(株式会社カワタ製)などを用いることができる。
前記卓上分散器は、例えば、株式会社常光製、装置名:ナノジェットパル JN5などを用いることができる。
なお、有機溶剤は、インク中に存在する分散剤をはじめとする有機物を溶解させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
本発明において、前記最低造膜温度(MFT)とは、水不溶性樹脂をアルミニウム等の金属板の上に平均厚みが2 wet g/m以上50 wet g/m以下となるように薄く流延し、温度を上げていったときに透明な連続フィルムが形成される最低温度を意味し、最低造膜温度未満の温度領域では、水不溶性樹脂は白色粉末状となる点を意味しており、具体的には、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)、「TP−801 MFTテスター」(テスター産業株式会社製)などの市販のMFT測定装置により測定される値を意味する。本発明においては、樹脂固形分30質量%の水不溶性樹脂を用いて測定することができる。前記樹脂固形分30質量%は、30質量%から±数質量%であっても、得られる測定値は同一である。また、前記最低造膜温度は、常圧にて測定することができる。前記最低造膜温度は、10回測定して、その平均値から算出することができる。
前記樹脂粒子としては、水性媒体中に分散されるにあたり、分散剤を利用した強制乳化型のものを用いることもできるが、塗膜に分散剤が残り強度を下げることを防止する点から、分子構造中にアニオン性基を有する、いわゆる自己乳化型の樹脂粒子が好適である。
前記自己乳化型の樹脂粒子のアニオン性基の酸価としては、水分散性、耐擦過性、及び耐薬品性の点から、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/mg以上50mgKOH/mg以下が好ましい。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基などが挙げられる。これらの中でも、良好な水分散安定性を維持する点から、一部又は全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基が好ましい。前記アニオン性基を樹脂中に導入するには、前記アニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。
前記アニオン性基を有する樹脂粒子の水分散体を製造する方法としては、例えば、水分散体にアニオン性基の中和に使用できる塩基性化合物を添加することなどが挙げられる。
前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミン;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン;Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記強制乳化型の樹脂粒子を用いて水分散体を製造する方法としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等の界面活性剤などを用いることができる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性の点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリル酸塩、スルホコハク酸塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩が好ましい。
前記界面活性剤の含有量としては、樹脂粒子全量に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上30質量%以下であると、好適に樹脂が造膜し、付着性や耐水性に優れたインクが得られ、印刷物がブロッキングすることがない点で有利である。
前記樹脂粒子の含有量としては、インク全量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上2質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%以上5.0質量%以下であると、インクの保存安定性、吐出安定性、及び金属光沢の発現を向上できる。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
また、前記有機溶剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなども好適に用いることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
前記水は、水系インクの主な媒体である。
前記水としては、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水が好ましい。また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好ましい。
前記水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク全量に対して、25質量%以上75質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記含有量が、25質量%以上75質量%以下であると、環境負荷が少ないインクとなるため好ましい。
(印刷方法)
前記印刷方法は、インクジェット印刷方法に制限されず広く使用することが可能である。前記インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
(印刷物)
本発明の印刷物は、印刷媒体と、前記印刷媒体上に印刷層と、を有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
<印刷媒体>
前記印刷媒体は、多孔質からなる多孔質層を有し、更に必要に応じてその他の層を有する。前記多孔質層とは、インク中の光輝材を吸収することなく色材以外の水などの構成成分を吸収するようなものであれば限定はないが、インクを構成する溶剤を吸収する孔が多数ある印刷面を意味する。
前記多孔質層における前記多孔質の平均孔径としては、100nm以上400nm以下が好ましい。前記平均孔径が、100nm以上400nm以下であると、銀粒子を含むインクの溶剤を効率よく吸収して、印刷後、即座に高光沢の印刷面を得ることができ、また、耐擦過性を向上できる。
前記多孔質の平均孔径は、垂直方向の切断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SEM、TEM等の顕微鏡などで観察することにより測定することができる。
前記多孔質層の平均厚みとしては、1μm以上50μm以下が好ましい。前記平均厚みが、1μm以上50μm以下であると、銀粒子を含むインクで印刷すれば即座に銀色の高光沢印刷面を得ることができる。すなわち、多孔質層の平均厚みが1μm以上50μm以下であれば、効率よく溶剤を吸収することができ、高光沢印刷面を得ることができる。
前記多孔質層の平均厚みは、垂直方向の切断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SEM、TEM等の顕微鏡などで観察することにより測定することができる。
前記多孔質層を有する印刷媒体の多孔質材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紙;ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩ビ等の樹脂系基材への成膜性、膜均一性、密着性、及び安全性に優れているものが好ましい。
前記多孔質材質としては、例えば、シリカ、アルミナ、ポリエチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多孔質材質としては、シリカやアルミナを含む多孔質層が設けられた状態で市販されている印刷媒体でもよく、非吸収(低吸収)記録媒体に別途、アルミナやシリカを含む塗布液を用いて塗膜して多孔質層を形成してもよい。
前記多孔質層としては、市販のシリカやアルミナのゾルやゲル状のコーティング材を用いて形成することができる。
前記コーティング材としては、シリカやアルミナの形状は球状でもよく、粒子が特殊処理により数珠状に連なったり分岐して繋がったもの(鎖状、パールネックレス状など)でもよい。
また、前記コーティング材の表面は、アンモニア、カルシウム、アルミナ等のイオンや化合物で変性されていてもよい。
前記コーティング材としては、シリカとして、スノーテックスS、スノーテックスN、スノーテックUP、ST−XS、ST−O、ST−C、ST−20(以上、日産化学工業株式会社製)、カタロイドSI−350、カタロイドSI−30、SN、SA、S−20L、S−20H、S−30L、S−30H(以上、日揮触媒化成株式会社製)、アエロジル200、200V、200CF、300(以上、日本アエロジル株式会社製);アルミナとして、アルミナクリアゾール5S、F1000、F3000、A2(以上、川研ファインケミカル株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多孔質層の形成方法としては、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
前記多孔質層を有する印刷媒体としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、IJ用フィルム RM−1GP01(多孔質層の平均孔径:230nm)、PM−10F01(多孔質層の平均孔径:100nm)(株式会社リコー製)、NB−WF−3GF100(多孔質層の平均孔径:210nm)、NB−RC−3GR120(多孔質層の平均孔径:250nm)(三菱製紙株式会社製)PT−201A420(多孔質層の平均孔径:270nm)、SD−101A450(多孔質層の平均孔径:250nm)、GL−101A450(多孔質層の平均孔径:240nm)、GP501A450(多孔質層の平均孔径:250nm)、SP−101A450(多孔質層の平均孔径:210nm)、PT−101A420(多孔質層の平均孔径:240nm)、プロフェッショナルフォトペーパーPR−101(多孔質層の平均孔径:400nm)、プロフェッショナルフォトペーパーPR−201(多孔質層の平均孔径:380nm)(キヤノン株式会社製)、EJK−QTNA450(多孔質層の平均孔径:200nm)、EJK−EPNA450(多孔質層の平均孔径:210nm)、EJK−CPNA450(多孔質層の平均孔径:220nm)、EJK−RCA450(多孔質層の平均孔径:240nm)、EJK−CGNA450(多孔質層の平均孔径:190nm)、EJK−GANA450(多孔質層の平均孔径:180nm)、EJK−NANA450(多孔質層の平均孔径:170nm)、EJK−EGNA450(多孔質層の平均孔径:200nm)、EJK−QTA420(多孔質層の平均孔径:200nm)(エレコム株式会社製)、WPA455VA(多孔質層の平均孔径:200nm)、WPA450PRM(多孔質層の平均孔径:210nm)、G3A450A(多孔質層の平均孔径:220nm)、G3A450A(多孔質層の平均孔径:210nm)、WPA420HIC(多孔質層の平均孔径:280nm)(富士フイルム株式会社製)、KA420SCKR(多孔質層の平均孔径:240nm)、KA450PSKR(多孔質層の平均孔径:230nm)、KA450SLU(多孔質層の平均孔径:210nm)(セイコーエプソン株式会社製)、BP71GAA4(多孔質層の平均孔径:220nm)(ブラザー工業株式会社製)、ONQ3GEP9(多孔質層の平均孔径:80nm)(ILFORD社製)、ポスターペーパーSG(多孔質層の平均孔径:450nm)(ダイヤミック社製)、NIG−YG(多孔質層の平均孔径:300)(ニチエ株式会社製)などが挙げられる。
<印刷層>
前記印刷層は、銀粒子、及び最低造膜温度が50℃以上80℃以下である水不溶性樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記最低造膜温度が50℃以上80℃以下である水不溶性樹脂としては、本発明のインクにおける水不溶性樹脂と同様のものを用いることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
また、前記記録装置(印刷装置)は、表面に多孔質層を有する印刷媒体と、前記印刷媒体上にインクを付与して印刷層を設ける手段と、インクの付与量を調整する手段と、インクと、を有し、前記インクが、銀粒子と、最低造膜温度が50℃以上80℃以下である水不溶性樹脂と、を含有し、樹脂被覆手段を有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記印刷媒体としては、前記印刷物における印刷媒体と同様のものを用いることができる。
前記インクとしては、本発明のインクと同様のものを用いることができる。
前記樹脂被覆手段としては、前記樹脂を印刷媒体上に塗布する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
(インクと印刷媒体のセット)
前記インクと印刷媒体のセットは、銀粒子、樹脂粒子、及び水を含み、前記銀粒子の体積平均粒径が、3.0nm以上100nm以下であり、インク中に含まれる水不溶性樹脂の最低造膜温度が、50℃以上80℃以下であるインクと、多孔質からなる多孔質層を有し、前記多孔質層の平均厚みが1μm以上50μm以下である印刷媒体と、からなる。
前記インクとしては、本発明のインクと同様のものを用いることができる。
前記印刷媒体としては、本発明の印刷物における印刷媒体と同様のものを用いることができる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
なお、「銀粒子の体積平均粒径」、「樹脂粒子の体積平均粒径」、並びにインク及び樹脂分散液における水不溶性樹脂の「最低造膜温度」は、以下のようにして求めた。
(銀粒子の体積平均粒径、及び樹脂粒子の体積平均粒径)
前記銀粒子の体積平均粒径、及び前記樹脂粒子の体積平均粒径は、得られた銀粒子分散液、及び樹脂分散液を用いて、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)を用いて測定した。結果を下記表1又は表2に示す。
(樹脂分散液、又はインクにおける水不溶性樹脂の最低造膜温度)
樹脂分散液中、又はインク中における水不溶性樹脂のMFTの測定は以下のようにして行った。即ち、樹脂分散液又はインクを超遠心分離機(ベックマン・コールター株式会社製、Optima Max−XP)にかけ、上澄み液と、銀粒子を含む沈殿物に分離した。沈殿物を回収してテトラヒドロフラン100mL中にて、25℃で洗浄し、ろ過により銀粒子とろ液に分離する。遠心分離による上澄み液とろ液を合わせて、減圧乾燥機(株式会社カワタ製、製品名:デコ)を用いて、40℃、10mPaにて乾固させた。得られた乾固物と水を用いてスラリーを作製し、卓上分散器(株式会社常光製、装置名:ナノジェットパル JN5)にて十分に分散し、ろ過する。得られたろ物に水を加え、前記卓上分散器を用いて十分に分散した後、ロータリーエバポレーターにて固形分濃度が30質量%になるように濃縮することにより、インク中に含まれる水不溶性樹脂の水分散液を得た。得られた水分散液を最低造膜温度測定用サンプルとし、造膜温度試験装置(株式会社井元製作所製、装置名:TP−801)を用いて最低造膜温度を測定した。また、前記最低造膜温度は、常圧にて測定した。前記最低造膜温度は、10回測定して、その平均値から算出した。
(銀粒子分散液の調製例1)
<銀粒子分散液1の調製>
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する分散剤ポリマー(ビッグケミージャパン株式会社製、「ディスパービック190」、溶媒:水、不揮発成分40質量%、酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)7.2g、及びコール酸(和光純薬工業株式会社製)1.8gを、イオン交換水100gに投入し、激しく撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業株式会社製)100gを水温が50℃を超えないように徐々に加えたのち、水温50℃のウォーターバス中で3時間加熱撹拌して反応液を得た。得られた反応液を、ガラスフィルタ(ADVANTEC社製、「GC−90」、平均孔径:0.8μm)にてろ過し、銀を15質量%含む銀粒子分散液を得た。この分散液について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子の粒径を確認したところ、一次粒子の体積平均粒径は15nmであった。
(銀粒子分散液の調製例2〜6)
<銀粒子分散液2〜6の調製>
前記銀粒子分散液の調製例1において、ジメチルアミノエタノールの加える速度と、水温を調節することにより、銀粒子の体積平均粒径を下記表1のように変更した以外は、前記銀粒子分散液の調製例1と同様にして、銀を15質量%含む銀粒子分散液2〜6を得た。
Figure 0006880686
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液1の調製>
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエステルポリオール(商品名:PTMG1000、三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)200.4g、2,2−ジメチロールプロピオン酸15.7g、イソホロンジイソシアネート48.0g、及び有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1gを、ジブチルスズジラウレート(DMTDL、東京化成工業株式会社製)0.06gを触媒として使用して反応させた。前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7gを供給し、更に反応を継続した。反応を合計6時間になるように行った後、メタノール1.4gを投入し、前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4g加えることにより、前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、次いで、水715.3gを加え、十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液1を得た。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例2)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液2の調製>
樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.12gにし、全反応時間を8時間に変更した以外は、樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液2を得た。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例3)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液3の調製>
樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.2gにし、全反応時間を8時間にした以外は、樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液3を得た。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例4)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液4の調製>
樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.03gにし、全反応時間を10時間にした以外は、樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液4を得た。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例5)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液5の調製>
樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.2gにし、反応時間を5時間にした以外は、樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液5を得た。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例6)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液6の調製>
樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.2gにし、反応時間を15時間にした以外は、樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液6を得た。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例7)
<ポリカーボネートウレタン樹脂分散液1の調製>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200))1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g(5.5モル)、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加、混合したものの中から、4,340gを抜き出して、強撹拌下にて、水5,400g、及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、脂環式ジイソシアネートに由来する構造を有するポリカーボネートウレタン樹脂分散液1を得た。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例8)
<ポリカーボネートウレタン樹脂分散液2の調製>
樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例7において、ジブチルスズジラウリレートの含有量2.6gを2.0gにし、と反応時間を4時間にした以外は、樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例7と同様にして、固形分濃度が30質量%のポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含むポリカーボネートウレタン樹脂分散液2を得た。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製例9)
<アクリル樹脂分散液の調製>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g、及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム2gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20gにスチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸10gを撹拌化に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に6時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行った。得られた水性粒子を常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分濃度30質量%、pH8に調整し、アクリル樹脂粒子を含むアクリル樹脂分散液を得た。
Figure 0006880686
(実施例1)
銀粒子分散液1 33.4質量%、ポリエステルウレタン樹脂分散液1 0.3質量%、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール0.5質量%、1,2−プロパンジオール(沸点:188℃)26.0質量%、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(沸点:240℃)15.0質量%、防腐防黴剤として商品名:プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量%、及び合計が100質量%となるようにイオン交換水を残量添加して、混合撹拌した後、平均孔径が0.22μmポリプロピレンフィルター(商品名:PP013022、株式会社ワットマン製)にてろ過してインク1を得た。インク中の水不溶性樹脂の最低造膜温度は、74℃であった。
(実施例2〜15及び比較例1〜5)
実施例1において、組成を下記表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜15及び比較例1〜5のインクを得た。
Figure 0006880686
なお、前記表3中、PVAは、商品名:クラレポバール PVA124、株式会社クラレ製である。
次に、以下のようにして、「光沢度」、「フロップインデックス」、「耐擦過性」、及び「吐出安定性」を評価した。結果を下記表5に示す。
[印刷物の形成]
得られたインクを用いて、インクジェット用プリンタ(装置名:IPSIO GXe5500、株式会社リコー製)にて、25℃、下記表4に示す印刷媒体に対して印刷し、3cm四方の印刷物(ベタ画像)を得た。
Figure 0006880686
(光沢度)
乾燥後の印刷物の煽り角度20℃での光沢度を、精密光沢度計(装置名:GM−26DS、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定し、下記評価基準に基づいて、「光沢度」を評価した。なお、前記光沢度の値が、150未満(ランク4)であると、金属光沢を感じられなくなる。
−評価基準−
ランク1:700以上
ランク2:450以上700未満
ランク3:150以上450未満
ランク4:150未満
(フロップインデックス)
乾燥後の印字物のフロップ感を多角度測色計(装置名:BYK−mac I,ビックケミージャパン株式会社製)を用いて測定し、下記評価基準に基づいて、「フロップインデックス」を評価した。なお、前記フロップインデックスの値が4未満では人はフロップ感が感じられなくなる。
−評価基準−
ランク1:10以上
ランク2:8以上10未満
ランク3:4以上8未満
ランク4:4未満
(耐擦過性)
乾燥後の印刷物を学振型磨耗堅牢度試験機(装置名:AB−301、テスター産業株式会社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803に準拠)を取り付けた摩擦子(荷重:300g)にて10回擦り、その劣化具合を目視にて観察し、以下評価基準に基づいて、「耐擦過性」を評価した。なお、傷の数が5本以上あり、下地(被印刷物)の大部分が露出してしまっている(ランク4)は、印刷物の耐擦過性が十分でなく、使用に耐えないものとなる。
−評価基準−
ランク1:傷の数が3本未満であり、下地も見えない
ランク2:傷の数が3本以上5未満であり、下地も見えない
ランク3:傷の数が5本以上あり、下地(印刷物)が一部見える
ランク4:傷の数が5本以上あり、下地(印刷物)の大部分が露出している
(吐出安定性)
乾燥後の印刷物におけるノズル抜けの発生した数を目視にて確認し、下記評価基準に基づいて、「吐出安定性」を評価した。なお、ノズル抜けの数が10以上(ランク3)であると、印刷物にムラやスジが生じ、使用に耐えないものとなる。なお、使用したプリンタのノズル数は、192個である。
−評価基準−
ランク1:ノズル抜けの数が0以上4以下
ランク2:ノズル抜けの数が5以上9以下
ランク3:ノズル抜けの数が10以上
Figure 0006880686
前記表5に示す結果から、銀粒子の体積平均粒径を3.0nm以上100nm以下とし、インク中の水不溶性樹脂の最低造膜温度を50℃以上80℃以下とすることにより、多孔質層を有する印刷媒体に対して、高い光沢度と耐擦過性とを両立でき、また、吐出安定性に優れるインクを提供できたことが分かる。
また、実施例におけるインクを用いた印刷物は、すべて自然な金属光沢を有していた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 銀粒子、樹脂粒子、及び水を含み、
前記銀粒子の体積平均粒径が、3.0nm以上100nm以下であり、
インク中に含まれる水不溶性樹脂の最低造膜温度が、50℃以上80℃以下であることを特徴とするインクである。
<2> 前記樹脂粒子の体積平均粒径が、10nm以上30nm以下である前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記樹脂粒子が、ポリウレタン樹脂粒子である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記ポリウレタン樹脂粒子が、ポリオールを用いて合成されたポリウレタン樹脂粒子であり、
前記ポリオールが、ポリエステルポリオールである前記<3>に記載のインクである。
<5> 前記銀粒子の体積平均粒径が、3.0nm以上100nm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記銀粒子の体積平均粒径が、15nm以上60nm以下である前記<5>に記載のインクである。
<7> 前記銀粒子の含有量が、1.0質量%以上15.0質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記銀粒子の含有量が、2.5質量%以上10質量%以下である前記<7>に記載のインクである。
<9> 前記インク中の水不溶性樹脂の最低造膜温度が、50℃以上74℃以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記樹脂粒子の含有量が、0.01質量%以上5.0質量%以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 有機溶剤をさらに含有する前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 印刷媒体と、前記印刷媒体上に印刷層と、を有する印刷物において、
前記印刷媒体が、多孔質からなる多孔質層を有し、前記多孔質層の平均厚みが1μm以上50μm以下であり、
前記印刷層が、銀粒子、及び最低造膜温度が50℃以上80℃以下である水不溶性樹脂を含むことを特徴とする印刷物である。
<13> 前記多孔質層における前記多孔質の平均孔径が、100nm以上400nm以下である前記<12>に記載の印刷物である。
<14> 前記多孔質層が、シリカ、及びアルミナを含む前記<12>から<13>のいずれかに記載の印刷物である。
<15> 前記多孔質層が、シリカである前記<14>に記載の印刷物である。
<16> 前記最低造膜温度が50℃以上80℃以下である水不溶性樹脂が、ポリウレタン樹脂である前記<12>から<15>のいずれかに記載の印刷物である。
<17> 前記水不溶性樹脂の最低造膜温度が、50℃以上74℃以下である前記<16>に記載の印刷物である。
<18> 銀粒子、樹脂粒子、及び水を含み、前記銀粒子の体積平均粒径が、3.0nm以上100nm以下であり、インク中に含まれる水不溶性樹脂の最低造膜温度が、50℃以上80℃以下であるインクと、多孔質からなる多孔質層を有し、前記多孔質層の平均厚みが1μm以上50μm以下である印刷媒体と、からなることを特徴とするインクと印刷媒体のセットである。
<19> 前記インク中の樹脂粒子の体積平均粒径が、10nm以上30nm以下である前記<18>に記載のインクと印刷媒体のセットである。
<20> 前記樹脂粒子が、ポリウレタン樹脂粒子である前記<18>から<19>のいずれかに記載のインクと印刷媒体のセットである。
前記<1>から<11>のいずれかに記載のインク、前記<12>から<17>のいずれかに記載の印刷物、及び前記<18>から<20>のいずれかにインクと印刷媒体のセットは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2005−036079号公報 特開2011−052041号公報 特開2014−074127号公報 特許第4165860号公報 特許第5000188号公報

Claims (4)

  1. 銀粒子、不溶の樹脂成分を含む樹脂、及び水を含み、
    前記銀粒子の体積平均粒径が、3.0nm以上100nm以下であり、
    前記不溶の樹脂成分は、前記樹脂1gに水100mLを加えて2時間撹拌した場合に不溶の樹脂成分であり、
    前記不溶の樹脂成分の最低造膜温度が、50℃以上80℃以下であり、
    更に、前記不溶の樹脂成分がポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、アクリル樹脂のいずれかを有することを特徴とするインク。
  2. 印刷媒体と、前記印刷媒体上に印刷層と、を有する印刷物において、
    前記印刷媒体が、多孔質からなる多孔質層を有し、前記多孔質層の平均厚みが1μm以上50μm以下であり、
    前記印刷層が、銀粒子、及び樹脂を含み、
    前記樹脂は、不溶の樹脂成分を含む樹脂であり、
    前記不溶の樹脂成分は、前記樹脂1gに水100mLを加えて2時間撹拌した場合に不溶の樹脂成分であり、
    前記不溶の樹脂成分の最低造膜温度が、50℃以上80℃以下であり、
    更に、前記不溶の樹脂成分がポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、アクリル樹脂のいずれかを含むことを特徴とする印刷物。
  3. 前記多孔質層における前記多孔質の平均孔径が、100nm以上400nm以下である請求項2に記載の印刷物。
  4. 前記多孔質層が、シリカ、及びアルミナを含む請求項2から3のいずれかに記載の印刷物。
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