JP7098097B2 - 印刷方法、印刷装置、及び印刷物 - Google Patents
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Description
また、カラーインクを用いる場合は、一般的な画像に用いるカラーインクと共通化するため、記録媒体にカラーインクの下地として白色インクを印刷してカラーの発色を向上させている。
本発明の印刷方法は、吐出ヘッドを用いてインクを吐出するインク吐出工程を含み、インクとして、第1の白色顔料を含有する第1の白色インク、及び第2の白色顔料を含有する第2の白色インクを用い、第1の白色顔料の屈折率と第2の白色顔料の屈折率とが異なり、第1の白色顔料の屈折率RAと第2の白色顔料の屈折率RBとの屈折率差(RA-RB)が、絶対値で0.5以上であり、更に必要に応じてその他の工程を含む。
また、本発明においては、第1の白色顔料の屈折率と第2の白色顔料の屈折率とが異なり、第1の白色顔料の屈折率RAと第2の白色顔料の屈折率RBとの屈折率差(RA-RB)は、絶対値で0.5以上であり、1.0以上が好ましく、1.2以上がより好ましい。屈折率差(RA-RB)が絶対値で0.5以上であると、ハンター白色度が高くなり、耐擦過性に優れた印刷物が得られる。
本発明の印刷方法及び本発明の印刷装置は、白色度の観点から、下地等のベタ印刷に用いることが好ましい。
インク吐出工程は、吐出ヘッドを用いてインクを吐出する工程であり、インク吐出手段により実施される。
吐出ヘッドは、高速印刷及びインク吐出量制御の点から、ノズル列を複数有することが好ましい。
記録ヘッドのノズル中での凝集又は沈降を抑制し、良好な印刷物を得るために、再分散手段を用いることができる。再分散手段としては、機械力により白色顔料を分散媒中で分散する手段でよく、インク充填容器内のインク撹拌する機構、振とう機構、振動付与機構及びインクを循環させる機構が挙げられる。
第1の白色インクは、第1の白色顔料を含有し、有機溶剤、バインダーポリマー及び界面活性剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
第2の白色インクは、第2の白色顔料を含有し、有機溶剤、バインダーポリマー及び界面活性剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
吐出ヘッドとしてノズル列を複数有する吐出ヘッドを用い、第1の白色インク及び第2の白色インクは、各々、異なるノズル列から吐出することが、高速印刷及びインク吐出量制御の点から好ましい。また、第1の白色インク及び第2の白色インクを、各々、異なるノズル列から吐出して重ね打ちすることで、印刷物の白色度を高めることができる。
第1、第2の白色顔料としては、上記屈折率の関係を満たせば特に制限はなく、例えば、無機白色顔料、有機白色顔料を用いることができる。
無機白色顔料としては、最も多く用いられるルチル型酸化チタンや配向凝集した短冊状の粒子形態を有する表面処理されたルチル型酸化チタンが挙げられる。一般的な酸化チタンの屈折率は、2.3以上2.75以下である。
他の無機白色顔料としては、例えば、酸化亜鉛(屈折率:1.9以上2.0以下)、硫酸バリウム(屈折率:1.6以上1.7以下)、炭酸カルシウム(屈折率:1.49以上1.69以下)、水酸化アルミニウム(屈折率:1.57)、中空シリカ(屈折率:1.2以上1.25以下)などが挙げられる。
有機白色顔料としては、例えば、スチレン又はスチレン-アクリル系の中空ポリマー粒子(屈折率:1.2以上1.25以下)などが挙げられる。
第1の白色顔料及び第2の白色顔料のいずれか一方の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子であり、他方の白色顔料が、屈折率が2.3以上2.75以下の酸化チタンであることが、インク層の耐熱性確保及び耐擦過性の観点から好ましい。
第1、第2の白色顔料の屈折率は、株式会社アタゴ製のアッベ屈折計 型式AR-1TSORIDにより、測定した。
有機白色顔料の累積50%体積粒子径(D50)は、白色度の観点から、200nm以上が好ましく、300nm以上がより好ましい。また、有機白色顔料の累積50%体積粒子径(D50)は、保存安定性の観点から、1,000nm以下が好ましく、900nm以下がより好ましい。
無機白色顔料及び有機白色顔料の累積50%体積粒子径(D50)は、例えば、マイクロトラックUPA-EX150(Microtrac Inc.社)を使用して測定することができる。
なお、中空ポリマー粒子の中空率は以下の数式1により算出することができる。
第1、第2の白色顔料に、水、有機溶剤等の材料を混合して白色インクを得ることが可能である。また、第1、第2の白色顔料と、その他、水、分散剤等を混合して白色顔料分散体としたものに、水、有機溶剤等の材料を混合して白色インクを製造することも可能である。
前記白色顔料分散体は、水、白色顔料、顔料分散剤、必要に応じて、その他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いることが好ましい。
白色顔料分散体を調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、再分散性の観点から、白色分散体と、酸基含有ポリマー分散剤と溶媒と、必要に応じて添加剤とを混合して得られる混合物を分散機で分散して調製することが好ましい。
前記混合物を一度の分散で調製してもよいが、均一な分散体を得る観点から、予備分散した後、本分散して調製することもできる。
竹本油脂株式会社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。分散剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1、第2の白色顔料を分散させる酸基含有ポリマー分散剤は、前記白色顔料に吸着及び電荷反発、立体障害を利用して分散させ、分散安定性を保つものである。
酸基含有ポリマー分散剤としては、ガラス転移温度が0℃以上80℃以下、酸価が100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下、重量平均分子量が5,000以上50,000以下のアニオン性水溶性ポリマーを塩基性化合物で中和して得られるポリマー分散剤が好適に使用できる。
前記アニオン性水溶性ポリマーとしては、酸基が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有不飽和単量体(開環してカルボキシル基を与える酸無水物基含有不飽和単量体を含む)の1種又は2種以上と、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート又はアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート等のアルキルメタクリレート又はアクリレート(炭素原子数1~18のアルキルを有するメタクリレート又はアクリレートが好ましい)等から選択される不飽和単量体の1種又は2種以上を、上記のガラス転移温度0℃以上80℃以下、酸価100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下となるように選択し、重量平均分子量が5,000以上50,000以下となるように反応させて得られる共重合体が好ましく、スチレン系単量体等の芳香環を有する単量体成分が全単量体成分の0質量%以上50質量%以下となるように選択し、ガラス転移温度0℃以上60℃以下、酸価130mgKOH/g以上240mgKOH/g以下、重量平均分子量が8,000以上30,000以下となるように反応させて得られる共重合体がより好ましい。
また、アクリル酸、メタクリル酸系モノマーに由来する構成単位とアルキル基を含有してなるメタクリレートに由来する構成単位をからなるブロックコポリマーが好ましい。
また、アニオン性水溶性ポリマーのガラス転移温度が0℃未満の場合は、顔料分散粒子同士の融着が発生しやすくなり、保存安定性と吐出安定性が低下することがある。一方、ガラス転移温度が80℃を超えると、得られる印刷物の定着性が低下することがある。
酸基含有ポリマー分散剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、DISPERBYK-102、DISPERBYK-108、DISPERBYK-110、DISPERBYK-111、DISPERBYK-180、DISPERBYK-182、DISPERBYK-185、DISPERBYK-2015(いずれも、ビックケミー・ジャパン株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
分散時の温度は、第1、第2の白色顔料分散体の低粘度化の観点から、10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、18℃以上が更に好ましい。また、分散時の温度は、35℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。
分散時間は、特に制限はなく、分散機に応じて適宜選択することができるが、第1、第2の白色顔料を十分に微細化する観点から、1時間以上が好ましく、100時間以上がより好ましい。
なお、第1又は第2白色インクにおいて、第1又は第2の白色顔料以外のインク組成については共通するので、以下にまとめて説明する。
有機溶剤を添加して、第1又は第2の白色顔料の分散安定性及び吐出安定性に優れた第1又は第2の白色インクとする。
非浸透性基材に濡れる白色インクにするため、有機溶剤として下記構造式(I)で示されるアミド化合物と、アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種とを含有することが好ましい。
白色顔料の分散安定性及び吐出安定性を確保する観点から、沸点が90℃以上250℃未満のアルカンジオール及びグリコールエーテルを含有することが好ましい。
前記多価アルコールとしては、エチレングリコール(沸点197℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)、1,2-ブタンジオール(沸点193℃)、1,2-ペンタンジオール(沸点206)、1,2-ヘキサンジオール(沸点223℃)等の1,2-アルカンジオール、ジエチレングリコール(沸点245℃)、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、1,3-プロパンジオール(沸点210℃)、1,3-ブタンジオール(沸点208℃)、1,4-ブタンジオール(沸点230℃)、3-メチル-1,3-ブタンジオール(沸点203℃)、1,5-ペンタンジオール(沸点242℃)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(沸点196℃)、1,2,6-ヘキサントリオール(沸点178℃)、1,2,4-ブタントリオール(沸点190℃)、1,2,3-ブタントリオール(沸点175℃)、ペトリオール(沸点216℃)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、上記と同様の観点から、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール等の炭素数2以上6以下のアルカンジオール、及び分子量500以上1,000以下のポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上が好ましく、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の炭素数3以上4以下の1,2-アルカンジオール、及び前記ポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上がより好ましい。
グリコールエーテルとしては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられるが、上記と同様の観点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基の炭素数は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましい。また、アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基の炭素数は、6以下が好ましく、4以下がより好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基は、直鎖及び分岐鎖が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールエチルエーテル(沸点136℃)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(沸点144℃)、エチレングリコールプロピルエーテル(沸点151℃)、エチレングリコールブチルエーテル(沸点171℃)、ジエチレングリコールメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールエチルエーテル(沸点202℃)、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル(沸点207℃)、ジエチレングリコールイソブチルエーテル(沸点220℃)、ジエチレングリコールブチルエーテル(沸点230℃)、トリエチレングリコールメチルエーテル(沸点248℃)、ジプロピレングリコールブチルエーテル(沸点231℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(沸点189℃)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(沸点243℃)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、及びジエチレングリコールブチルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、及びジエチレングリコールイソブチルエーテルから選ばれる1種以上がより好ましい。
その他の有機溶剤としては、水系インクに通常配合されるその他のアルコール、該アルコールのアルキルエーテル、グリコールエーテル、N-メチル-2-ピロリドン等の含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物などが挙げられる。
例えば、1,6-ヘキサンジオール(沸点250℃)、トリエチレングリコール(沸点285℃)、トリプロピレングリコール(沸点273℃)、ポリプロピレングリコール(沸点250℃以上)、グリセリン(沸点290℃)等を沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いることができる。
バインダーポリマーとしては、被印刷物への定着性の観点から、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-アクリル樹脂、及びウレタン系樹脂から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記バインダーポリマーは、ホモポリマーとして使用されても、コポリマーを使用して複合系ポリマーとして用いてもよく、単相構造型、コアシェル型、及びパワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
これらのバインダーポリマーの中でも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が、基材への接着性の観点から好ましい。
アクリル樹脂としては、例えば、不飽和カルボン酸類、単官能又は多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアノ化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独及び複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことでポリマーの特性を改質することもできる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン-アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマーなどが挙げられる。
なお、酸価は、樹脂1gを中和させるのに必要なKOHのmg量である。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上100,000以下が好ましく、2,000以上50,000以下がより好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することができる。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、-50℃以上200℃以下が好ましく、-50℃以上100℃以下がより好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応して得られる水溶性又は水分散性のポリウレタン樹脂が好適である。
ジオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ-3-メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステルジオール;ポリカプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール;ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールが好ましい。
低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルジオールの原料として使用される、グリコール、アルキレンオキシド低モル付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール又はそのアルキレンオキシド低モル付加物などが挙げられる。
鎖延長の際に使用されるポリアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂の形態については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エマルジョンタイプ、例えば、自己乳化エマルジョンや、自己安定化タイプなどが挙げられる。
特に、上記の化合物のうちカルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有するジオールを用いたり、低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加したり、酸性基を導入したウレタン樹脂、中でもカルボキシル基を有するものが好ましい。
更に、後述する架橋処理により、これらカルボキシル基等の官能基を架橋させるのが、光沢向上、耐擦性向上等の点から好ましい。
なお、酸価は、樹脂1gを中和させるのに必要なKOHのmg量である。
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、100以上200,000以下が好ましく、1,000以上50,000以下がより好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することができる。
ポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、-50℃以上200℃以下が好ましく、-50℃以上100℃以下がより好ましい。
バインダーポリマーの累積50%体積粒子径(D50)は、例えば、マイクロトラックUPA-EX150(Microtrac Inc.社)を用いて測定することができる。
バインダーポリマーの含有量は、基材への定着性の観点から、白色インク全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましい。
本発明で用いられる白色インクは、非浸透性基材に濡れるインクにする観点から、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤のいずれかを含有することが好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク粘度の上昇を抑制し、連続吐出性を向上させ良好な印刷物を得る観点から、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が特に好ましい。
前記ポリエーテル変性シロキサン化合物を界面活性剤として用いることにより、非浸透性基材に濡れるインクにも関わらず、インクヘッドのノズルプレートの撥インク層に濡れ難いインクとなり、インクのノズル付着による吐出不良を防ぎ、吐出安定性が向上する。
前記ポリエーテル変性シロキサン化合物としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、71ADDITIVE、74ADDITIVE、57ADDITIVE、8029ADDITIVE、8054ADDITIVE、8211ADDITIVE、8019ADDITIVE、8526ADDITIVE、FZ-2123、FZ-2191(いずれも、TORAY ダウ・コーニング株式会社製);TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4450、TSF4452、TSF4460(いずれも、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製);シルフェイスSAG002、シルフェイスSAG003、シルフェイスSAG005、シルフェイスSAG503A、シルフェイスSAG008、シルフェイスSJM003(いずれも、日信化学工業株式会社製);TEGO WetKL245、TEGO Wet 250、TEGO Wet 260、TEGO Wet 265、TEGO Wet 270、TEGO Wet 280(いずれも、エボニック社製);BYK-345,BYK-347,BYK-348,BYK-375,BYK-377(いずれも、ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、TEGO Wet 270(エボニック社製)、シルフェイスSAG503A(日信化学工業株式会社製)が好ましい。
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤以外の界面活性剤としては、非浸透性基材に対する濡れ性の点から、アセチレングリコール系界面活性剤が好適である。
アセチレングリコール系界面活性剤は、アセチレン結合を持つ界面活性剤であり、分子構造として非常に安定したグリコールであり、分子量も小さく、表面張力を大きく下げる効果があり、インクを基材に濡れさせる効果がある。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノールSE、サーフィノールSEF、サーフィノールDF110D、サーフィノールDF37、サーフィノールDF58、サーフィノールDF75、サーフィノールCT136、サーフィノール61、オルフィンPD-002W、オルフィンE1004、オルフィンE1010(いずれも、日信化学工業株式会社製)などが挙げられる。
非浸透性基材に濡れる界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤が好適である。
フッ素系界面活性剤は、分子内にフッ素含有基を持つ構造をしているので、表面張力を大きく下げる効果があり、インクを基材に濡れさせる効果がある。
フッ素系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、フタージェント100、フタージェント150、フタージェント212M、フタージェント400SW、フタージェント251(いずれも、株式会社ネオス製)、キャプストンFS-3100、キャプストンFS-10、キャプストンFS-30、キャプストンFS-60、キャプストンFS-65(いずれも、ケマーズ株式会社製)、ユニダインNS-9013、ユニダインDNS-403N(いずれも、ダイキン化学工業株式会社製)、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、DIC株式会社製)、ポリフォックスPF-151N(いずれも、オムノバ社製)などが挙げられる。
その他の成分としては、必要に応じて、水、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等の各種添加剤を添加することができる。
白色インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、白色インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
撹拌混合は、例えば、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、液流を用いたスタティックミキサー、超音波ホモミキサー、高速回転のミキサー型分散機等で行うことができる。
白色インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
白色インクの25℃での粘度は、印刷濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、4mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましい。
ここで、粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業株式会社製、RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
白色インクの静的表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
第3のインクとしては、上記第1、第2の白色インク以外のインクであり、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクから選択される少なくとも1種のインクとしては、上記第1、第2の白色インクにおける白色顔料の代わりに色材を用いた以外は、白色インクと同様の組成であるため、詳細な説明は省略する。
色材としては、特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、顔料として、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
カラー用としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35などが挙げられる。
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は、特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布してもよいし、インク像が形成された領域のみに塗布してもよい。
被印刷物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非浸透性基材が好適である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材を意味する。
カラーキャストコート紙としては、例えば、カラーグロリア黒<275g/m2>、カラーグロリア黒<310g/m2>、カラーグロリア ブラックA<326g/m2>(いずれも、五条製紙株式会社製);エスプリカラーブルー<320g/m2>、エスプリカラーグリーン<320g/m2>(いずれも、日本製紙株式会社製);ルミナカラーブラック<270g/m2>、ルミナカラーブラック<310g/m2>、ルミナカードブラック<330g/m2>(いずれも、王子エフテックス株式会社製);LKカラーブラック<350g/m2>、LKカラーブラック<430g/m2>、LKカラーブルー<350g/m2>、LKカラーブルー<430g/m2>(いずれも、三菱製紙株式会社製)などが挙げられる。
樹脂フィルムは、より好ましくはポリエステルフィルム及び延伸ポリプロピレンフィルムから選ばれる1種以上、更に好ましくはコロナ放電処理等の表面処理を行ったポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。
透明合成樹脂フィルムとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、ルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエチレンテレフタレート)、FE2001(フタムラ化学株式会社製、コロナ処理ポリエチレンテレフタレート)、FOS#60(フタムラ化学株式会社製、コロナ処理二軸延伸ポリプロピレンフィルム)、PVC80B P(リンテック株式会社製、ポリ塩化ビニル)、カイナスKEE70CA(リンテック株式会社製、ポリエチレン)、ユポSG90 PAT1(リンテック株式会社製、ポリプロピレン)、ボニールRX(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、ナイロン)などが挙げられる。
本発明の印刷装置は、インクを収容するインク収容部を有することが好ましい。
インク収容部としては、第1の白色インクを収容する第1のインク収容部、及び第2の白色インクを収容する第2のインク収容部を有することが好ましい。
更に、第3のインクを収容する第3のインク収容部を有することが好ましい。
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥工程、制御工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥手段、制御手段などが挙げられる。
乾燥手段としては、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
乾燥は、印刷前、印刷中、印刷後などに行うことができる。
本発明の印刷物は、第1の形態では、被印刷物と、該被印刷物上に、第1の白色顔料を含有する第1の白色インクで形成される第1の白色インク層と、第2の白色顔料を含有する第2の白色インクで形成される第2の白色インク層と、を有し、前記第1の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子であり、前記第2の白色顔料が、屈折率が2.3以上2.75以下である酸化チタンである。
第1の形態の印刷物によると、白色度が高く、耐擦過性及び耐熱性に優れた印刷物が得られる。
第2の形態の印刷物によると、白色度が高く、耐擦過性及び耐熱性に優れた印刷物が得られる。
前記被印刷物上に前記第1の白色インク層を有し、前記第1の白色インク層上に前記第2の白色インク層を有し、前記第2の白色インク層上に前記第3のインク層を有することが好ましい。
前記被印刷物としては、非浸透性基材であることが好ましい。
図4Aは、被印刷物101上に、第1の白色インク層102、第2の白色インク層103、第3のインク層104をこの順に有する印刷物である。
図4Bは、被印刷物101上に、第2の白色インク層103、第1の白色インク層102、第3のインク層104をこの順に有する印刷物である。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状などにすることができる。
図1は、第1の実施形態の印刷装置の一例を示す概略図である。この図1の印刷装置は、前処理液を塗布する前処理液塗布装置2と、ブラックインク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)、第1の白色インク(W1)、第2の白色インク(W2)を吐出するインク吐出ヘッド3と、後処理液を塗布する後処理液塗布装置4と、乾燥装置5と、被印刷物1を搬送する搬送ベルト6とを有する。
印刷装置は、図3に示すように複数のノズル列を有する吐出ヘッド134を有する。図3は4列のノズル列136を有する吐出ヘッド134の例であるが、ノズル列の数に制限はない。色毎に、吐出ヘッドを設けて1つのヘッドユニットとし、該ヘッドユニットを構成する吐出ヘッドのうち2つの吐出ヘッドを、各々、第1の白色インク(W1)、第2の白色インク(W2)を吐出する吐出ヘッドとしてもよい。また、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)、第1の白色インク(W1)、第2の白色インク(W2)の各色のインク滴を吐出する6列のノズル列を有する1つの吐出ヘッドとしてもよい。更に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4列のノズル列を有する吐出ヘッド及び、第1の白色インク(W1)、第2の白色インク(W2)の各色のインク滴を吐出する2列のノズル列を有する吐出ヘッドを用いたヘッドユニットとしてもよい。
図2は、第2の実施形態の印刷装置の一例を示す概略図である。この図2の印刷装置は、前処理液を塗布する前処理液塗布装置2と、第1の白色インク(W1)、第2の白色インク(W2)を吐出する白色インク吐出ヘッド13と、ブラックインク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)を吐出するカラーインク吐出ヘッド14と、後処理液を塗布する後処理液塗布装置4と、第1の乾燥装置11と、第2の乾燥装置12と、被印刷物1を搬送する搬送ベルト6とを有する。
次いで、カラーインク吐出ヘッド14下のカラー画像形成部15において、白色インク画像上にカラーインク吐出ヘッド14により、YMCKインクを吐出し、YMCKのカラー画像を形成する。その後、後処理液塗布装置4により後処理する。次いで、第2の乾燥装置12で乾燥することにより、本発明の印刷物が得られる。
<白色インク1の作製>
-配向凝集した短冊状の粒子形態を有する表面処理されたルチル型酸化チタンの合成-
160g/Lの炭酸ナトリウム溶液中に、TiO2として100g/Lの硫酸チタニルを含有する溶液を、液温が25℃の白色沈殿をろ過し、十分洗浄した。
洗浄したオルソチタン酸ケーキを200g/Lの希塩酸を用いてリパルプした後、同じ希塩酸によりpHを2に調整して10℃で3時間解膠を行った。
引き続き、液温が30℃を超えないように400g/Lの濃塩酸を添加してTiO2濃度100g/L、塩酸濃度80g/Lに調整した。
次に、この溶液を撹拌しながら加温し液温を30℃に合わせて1時間加水分解を行った後、更に95℃で3時間熟成を行い、ルチル型酸化チタンを合成した。
得られたルチル型酸化チタンの形状及び粒子径を透過型電子顕微鏡で観察したところ、棒状粒子が配向して束状に凝集した短冊状凝集粒子であって、見掛け平均長軸長250nm、見掛け平均短軸長60nm、見掛け平均軸比4.2、比表面積が75m2/gである凝集粒子が観察された。
得られたルチル型酸化チタン含有水懸濁液を加温して70℃に調整した。
次いで、酸化チタンに対しAl2O3換算で10質量%のアルミン酸ナトリウムを撹拌しながらゆっくりと添加し、1時間撹拌を行った後、100g/Lの希硫酸を添加してpHを8.0に調整した。
次に、酸化チタンに対して5質量%のステアリン酸ナトリウムを添加し、1時間撹拌を行った後、希硫酸によりpHを6.5に調整した。
ろ過、水洗後、乾燥機にて110℃で12時間乾燥して、配向凝集した短冊状の粒子形態を有する表面処理されたルチル型酸化チタン1を得た。
300mLのトールビーカーに、酸基含有ポリマー分散剤(DISPERBYK-2015、ビックケミー・ジャパン株式会社製、有効成分40質量%)30.0g、及びイオン交換水90.0gを投入し、混合溶解した。
次に、配向凝集した短冊状の粒子形態を有する表面処理されたルチル型酸化チタン-1を80.0g投入し、マグネチックスターラーでプレ分散を30分間行った。プレ分散後、超音波ホモジナイザー(US-300T、チップ直径7mm、日本精機製作所製)を用いて、120μAで1時間分散した後、400メッシュのナイロンメッシュで粗大粒子を除去し、累積50%体積粒子径(D50)252nm、屈折率:2.30の白色顔料分散体1(固形分濃度40質量%)を得た。
200mLビーカーに、プロピレングリコール15.0g、3-メトキシ-3-メチルブタノール2.5g、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール1.5g、界面活性剤(エンバイロジェムAD01、日信化学工業株式会社製)0.5g、及びポリエーテル変性シロキサン化合物(シルフェイスSAG503A、日信化学工業株式会社製)1.5gに投入し、マグネチックスターラーにより10分間混合溶解した。
次いで、バインダーポリマーとして、タケラック W-6110(三井化学株式会社製)7.5g、前記で得られた白色顔料分散体-1(固形分濃度40質量%)42.5g、及び合計100.0gとなるようにイオン交換水を投入し、マグネチックスターラーで20分間混合撹拌した。
得られた混合液を平均孔径5.0μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、白色インク1を得た。
<白色インク2の作製>
-白色顔料分散体2の調製-
300mLのトールビーカーに、酸基含有ポリマー分散剤(DISPERBYK-2015、ビックケミー・ジャパン株式会社製、有効成分40質量%)30.0g、及びイオン交換水90.0gを投入し、混合溶解した。
次に、表面処理されたルチル型酸化チタン(JR-806、累積50%体積粒子径(D50):250nm、テイカ株式会社製)80g投入し、マグネチックスターラーでプレ分散を30分間行った。
プレ分散後、超音波ホモジナイザー(US-300T、チップ直径7mm、日本精機製作所製)を用いて120μAで2時間分散後、400メッシュのナイロンメッシュで粗大粒子を除去し、累積50%体積粒子径(D50)265nm、屈折率:2.50の白色顔料分散体2(固形分濃度40質量%)を得た。
白色インクの調製例1において、白色顔料分散体1の代わりに、白色顔料分散体2を用いた以外、白色インクの調製例1と同様にして、白色インク2を得た。
<白色インク3の作製>
-白色顔料分散体3の調製-
300mLのトールビーカーに、酸基含有ポリマー分散剤(DISPERBYK-2015、ビックケミー・ジャパン株式会社製)30.0g、及びイオン交換水90.0gを投入し、混合溶解した。
次に、SiO2-A12Oで表面処理された硫酸バリウム(BARIASE B-34、累積50%体積粒子径(D50):300nm、堺化学工業株式会社製)80g投入し、マグネチックスターラーでプレ分散を30分間行った。
プレ分散後、超音波ホモジナイザー(US-300T、チップ直径7mm、日本精機製作所製)を用いて120μAで2時間分散後、400メッシュのナイロンメッシュで粗大粒子を除去し、累積50%体積粒子径(D50)315nm、屈折率:1.64の白色顔料分散体3(固形分濃度40質量%)を得た。
白色インクの調製例1において、白色顔料分散体1の代わりに、白色顔料分散体3を用いた以外、白色インクの調製例1と同様にして、白色インク3を得た。
<白色インク4の作製>
-白色顔料分散体4の調製-
300mLのトールビーカーに、酸基含有ポリマー分散剤(DISPERBYK-180、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アミン価:94mgKOH/g、有効成分81質量%)15g、及びイオン交換水105gを投入し、混合溶解した。
次に、ハイドロゲンジメチコンで表面処理された酸化亜鉛(XZ-300F-LP、累積50%体積粒子径(D50):250nm、堺工業株式会社製)80g投入し、マグネチックスターラーでプレ分散を30分間行った。
プレ分散後、超音波ホモジナイザー(US-300T、チップ直径7mm、日本精機製作所製)を用いて120μAで2時間分散後、400メッシュのナイロンメッシュで粗大粒子を除去し、累積50%体積粒子径(D50)255nm、屈折率:1.95の白色顔料分散体4(固形分濃度40質量%)を得た。
白色インクの調製例1において、白色顔料分散体1の代わりに、白色顔料分散体4を用いた以外は、白色インクの調製例1と同様にして、白色インク4を得た。
<白色インク5の作製>
-中空シリカ粒子Iの合成-
ガラスビーカー中でオレイン酸(東京化成工業株式会社製)23.0gを水2300g中に超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、US-300T、チップ直径7mm、100μA、30分間)を用いて十分に分散を行った。その後、ポリ容器に移して60分間撹拌させ、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS,東京化成工業株式会社製)21.0gとテトラメトキシシラン(TMOS,東京化成工業株式会社製)115.0gの混合液をゆっくりと滴下して、25℃にて24時間反応させ、オレイン酸表面にゾル-ゲル反応を利用してシリカ殻を形成させ、シリカコート粒子を得た。
次に、得られたシリカコート粒子の洗浄を行い、水に分散させた。更に、コア材料のオレイン酸を溶解させるために、テトラヒドロフラン(THF)を添加して12時間撹拌後、水洗浄を行い、濃縮させることにより、中空シリカ粒子Iの30質量%水分散物を得た。
なお、いずれの洗浄工程においても、シリカコート粒子又は中空シリカ粒子を乾燥させると凝集する恐れがあるため、液-液置換で行った。
前記中空シリカ粒子Iの30質量%水分散物100gに、酸基含有ポリマー分散剤(DISPERBYK-180、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アミン価:94mgKOH/g、有効成分81質量%)12.5g、及び水7.5gを加え十分撹拌した後、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、US-300T、チップ直径7mm、100μA、3分間)にて分散を行った。
得られた分散液を平均孔径10μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にてろ過を行って、累積50%体積粒子径(D50)200nm、シェル厚15nm、屈折率:1.22の白色顔料分散体5(中空シリカ粒子濃度:25質量%)を作製した。
200mLビーカーに、プロピレングリコール21.0g、3-メトキシ-3-メチルブタノール3.5g、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール1.5g、エンバイロジェムAD01(日信化学工業株式会社製)0.5g、及びシルフェイスSAG503A(日信化学工業株式会社製)1.5gに投入し、マグネチックスターラーで10分間混合溶解した。
次いで、バインダーポリマーとして、タケラック W-6110(三井化学株式会社製)7.5gと前記で得られた白色顔料分散体5(固形分濃度25質量%)を48.0g、及び合計100.0gとなるようにイオン交換水を投入し、マグネチックスターラーで20分間混合撹拌した。
得られた混合液を平均孔径5.0μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、白色インク5を得た。
<白色インク6の作製>
-中空シリカ粒子IIの合成-
ガラスビーカー中で非架橋アクリル樹脂粒子ファインスフェアFS-201(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製、スチレン-アクリル樹脂、粒子径0.5μm)23.0gを水2300g中に超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、US-300T、チップ直径7mm、100μA、30分間)を用いて十分に分散を行った。
その後、ポリ容器に移して60分間撹拌させ、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS,東京化成工業株式会社製)21.0gとテトラメトキシシラン(TMOS,東京化成工業株式会社製)115.0gの混合液をゆっくりと滴下して、25℃にて24時間反応させ、非架橋アクリル樹脂粒子表面にゾル-ゲル反応を利用してシリカ殻を形成させ、シリカコート粒子を得た。
次に、得られたシリカコート粒子の洗浄を行い、水に分散させた。更に、コア材料の非架橋アクリル樹脂粒子を溶解させるために、テトラヒドロフラン(THF)を添加して12時間撹拌後、水洗浄を行い、濃縮させることにより、中空シリカ粒子IIの30質量%水分散物を得た。
なお、いずれの洗浄工程においても、シリカコート粒子又は中空シリカ粒子を乾燥させると凝集する恐れがあるため、液-液置換で行った。
前記無機中空粒子IIの30質量%水分散物100gに、酸基含有ポリマー分散剤(DISPERBYK-180、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アミン価:94mgKOH/g、有効成分81質量%)12.5g、及び水7.5gを加え十分撹拌した後、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、US-300T、チップ直径7mm、100μA、3分間)にて分散を行った。
得られた分散液を平均孔径10μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にてろ過を行って、累積50%体積粒子径(D50)550nm、シェル厚35nm、屈折率:1.25の白色顔料分散体6(中空シリカ粒子濃度:25質量%)を作製した。
200mLビーカーに、プロピレングリコール21.0g、3-メトキシ-3-メチルブタノール3.5g、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール1.5g、エンバイロジェムAD01(日信化学工業株式会社製)0.5g、及びシルフェイスSAG503A(日信化学工業株式会社製)1.5gに投入し、マグネチックスターラーで10分間混合溶解した。
次いで、バインダーポリマーとして、タケラック W-6110(三井化学株式会社製)7.5gと前記で得られた白色顔料分散体6(固形分濃度25質量%)48.0g、及び合計100.0gとなるようにイオン交換水を投入し、マグネチックスターラーで20分間混合撹拌した。
得られた混合液を平均孔径5.0μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、白色インク6を得た。
<白色インク7の作製>
-白色顔料分散体7の調製-
--シード粒子の調製--
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水109.5g、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、商品名:F65)0.2g、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5gを投入した。
その一方で、メタクリル酸メチル90g、メタクリル酸10g、分子量調整剤としてオクチルチオグリコレート0.5g、乳化剤(花王株式会社製、商品名:F65)0.1g及び水40gを混合撹拌してモノマー混合物の水性分散体を調製した。
このモノマー混合物の水性分散体の20質量%を前記反応容器に投入し、反応容器内の液を撹拌しながら温度75℃まで昇温して1時間重合反応を行い、その後、温度を75℃に保ちながら残りのモノマー混合物の水性分散体を連続的に2時間かけて反応容器に添加し、更に、2時間熟成を行い、固形分40質量%、累積50%体積粒子径(D50)200nm、重量平均分子量70,000のシード粒子の水性分散体を得た。
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水186gを投入し、これに前記シード粒子の調製例で調製したシード粒子の水性分散体を固形分で10g(水性分散体で25g)、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5gを投入した。
その一方で、メタクリル酸メチル69.5g、メタクリル酸30g、ジビニルベンゼン0.5g(純度55%)、乳化剤(花王株式会社製、商品名:F65)0.1g、及び水40gを混合撹拌してモノマー混合物の水性分散体を調製した。
次に、反応容器内の液を撹拌しながら温度80℃まで昇温、保持し、上記モノマー混合物の水性分散体を反応容器に連続的に3時間かけて投入した。
その後、更に2時間熟成を行い、固形分31質量%、累積50%体積粒子径(D50)410nmのポリマー粒子A1の水性分散体を得た。
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水240gを投入し、これに前述のように調製したポリマー粒子A1の水性分散体を固形分で50g(水性分散体で161.3g)、スチレン20g、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.4gを投入した。
その一方で、スチレン79.5g、乳化剤(花王株式会社製、商品名:F65)0.1g、及び水40gを混合撹拌してモノマーの水性分散体を調製した。
次に、反応容器内の液を撹拌しながら温度80℃まで昇温、保持して30分間でスチレンの重合を行い、ポリマー粒子A1にスチレンが複合したポリマー粒子を得た。続けてこの反応容器内の液を撹拌しながら80℃に保持して上記モノマーの水性分散体を反応容器に連続的に4時間かけて投入した。
この際、モノマーの水性分散体を投入開始後2時間経過時に、アクリル酸0.5gを反応容器に一括投入してスチレンと共重合させた。
更に、上記モノマーの水性分散体をすべて反応容器に投入した直後に、ポリマー粒子A1の表層にスチレン、アクリル酸を重合・積層させたコアシェル状のポリマー粒子B1を得た。
すべてのモノマーの投入後、およそ15分間後に撹拌しながら25質量%水酸化アンモニウムを5質量部一括投入して、温度を90℃に上げ、2時間撹拌し熟成した。
25質量%水酸化アンモニウム投入直前の(b)の未反応モノマーの(b)全体に対する質量比率は3質量%であった。
その後、t-ブチルハイドロパーオキサイド0.3gとホルムアルデヒド樹脂0.1gを投入し、そのまま1時間撹拌放置して、固形分25質量%、累積50%体積粒子径(D50)850nm、シェル厚50nm、容積空孔率69%、屈折率:1.22の単一の空孔を有する球状の中空ポリマー粒子の白色顔料分散体7を得た。
200mLビーカーに、プロピレングリコール21.0g、3-メトキシ-3-メチルブタノール3.5g、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール1.5g、エンバイロジェムAD01(日信化学工業株式会社製)0.5g、及びシルフェイスSAG503A(日信化学工業株式会社製)1.5gに投入し、マグネチックスターラーで10分間混合溶解した。
次いで、バインダーポリマーとして、タケラック W-6110(三井化学株式会社製)7.5gと前記で得られた白色顔料分散体7(固形分濃度25質量%)を48.0g、及び合計100.0gとなるようにイオン交換水を投入し、マグネチックスターラーで20分間混合撹拌した。
得られた混合液を平均孔径5.0μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、白色インク7を得た。
<白色インク8の作製>
200mLビーカーに、プロピレングリコール21.0g、3-メトキシ-3-メチルブタノール3.5g、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール1.5g、エンバイロジェムAD01(日信化学工業株式会社製)0.5g、及びシルフェイスSAG503A(日信化学工業株式会社製)1.5gに投入し、マグネチックスターラーで10分間混合溶解した。
次いで、バインダーポリマーとして、タケラック W-6110(三井化学株式会社製)7.5g、中空ポリマー粒子「ULTRA-E」(ダウ・ケミカル社製、固形分濃度30質量%、累積50%体積粒子径(D50)424nm、シェル厚35nm、中空率58体積%、屈折率:1.23)を40.0g、及び合計100.0gとなるようにイオン交換水を投入し、マグネチックスターラーで20分間混合撹拌した。
得られた混合液を平均孔径5.0μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、インク8を得た。
各白色インクの粘度は、粘度計(RE-85L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
各白色インク中の白色顔料の累積50%体積粒子径(D50)は、マイクロトラックUPA-EX150(Microtrac Inc.社製)を用いて、25℃で測定した。
各白色インクにおける白色顔料の屈折率は、株式会社アタゴ製のアッベ屈折計 型式AR-1TSORIDにより、測定した。
各白色インクのpHは、pHメーター計(HM-30R型、TOA-DKK株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
各白色インクの静的表面張力は、自動表面張力計(DY-300、協和界面科学株式会社製)を用いて、25℃で測定した。
<印刷>
表3に示す実施例1~13及び比較例1~12について、FOS#60(フタムラ化学株式会社製、コロナ処理二軸延伸ポリプロピレンフィルム)のコロナ処理された表面に、下記の前処理液を塗布し、乾燥したフィルム上に、表3に記載の白色インクを下記の所定のインク付着量で印刷し、印刷物を得た。なお、印刷装置としては、図1に示す構成の印刷装置を用いた。
200mLビーカーに、下記の処方を投入し、30分間撹拌混合して前処理液を調製した。
[前処理液の処方]
・ノニオン系ポリエステルウレタンエマルション PUE-1370(株式会社村山化学研究所製、固形分濃度:47質量%):21.28g
・硫酸マグネシウム:10.00g
・1,2-プロパンジオール:20.00g
・グリセリン:10.00g
・ポリエーテル変性シロキサン(BYK-348、ビックケミー・ジャパン株式会社製、有効成分100%):0.20g
・イオン交換水:38.52g
FOS#60(フタムラ化学株式会社製、コロナ処理二軸延伸ポリプロピレンフィルム)のコロナ処理された表面に、線径0.05mmのワイヤーバーで前処理液の付着量が4.00g/m2になるように均一に塗布して、内部温度が80℃に設定した自然対流型乾燥機に入れ、2分間乾燥し、前処理液塗布フィルムを作製した。
前記前処理液塗布フィルム上に、第1の白色インク層の第1の白色インクの顔料固形分付着量が0.84g/m2になるように印刷し、更に、第2の白色インク層の第2の白色インクの顔料固形分付着量が0.84g/m2になるように印刷し、内部温度が80℃に設定した自然対流型乾燥機に入れ、2分間乾燥した。各白色インクの付着量調整は、吐出ヘッドの駆動電圧を変更して吐出量を調整した。吐出ヘッドとしては、図3に示すような、ノズル列を複数有する吐出ヘッドを用い、前記第1の白色インク及び前記第2の白色インクを、各々、異なるノズル列から吐出した。
第1の白色インク層と第2の白色インク層の両方を設ける実施例及び比較例については、上記付着量の半分のインク付着量で印刷し、積層した。第1の白色インク層のみ設ける比較例については、インク付着量は前述の通りとした。
前処理液塗布フィルム上へ印刷した印刷画像は、Microsoft Word2003(登録商標)により作成した60mm×180mmのベタ画像印刷し、印刷後、印刷物を内部温度が80℃に設定した自然対流型乾燥機に入れ、2分間乾燥後、1晩室温(25℃)放置を行って評価した。
なお、比較例1の酸化チタン単独画像部の断面SEM写真を図5に示した。比較例7の中空樹脂粒子単独画像部の断面SEM写真を図6に示した。実施例9の中空樹脂粒子層上に酸化チタン層を設けた画像部の断面SEM写真を図7に示した。表3及び図5~図7の結果から、実施例9のように中空樹脂粒子層上に酸化チタン層を形成すると、高いハンター白色度と、優れた耐擦過性及び耐熱性とを両立できることがわかった。
前記白インク印刷評価で得られた印刷物の下にルミナカラーブラック<310g/m2>(王子エフテックス株式会社製)を敷いた状態で、印刷した部分を分光測色濃度計(X-Rite eXact、X-Rite社製)を用いてL*、a*、及びb*を測定し、下記の計算式1からハンター白色度を算出し、以下の基準に基づき、白色度を評価した。なお、C以上の評価結果が実使用可能レベルである。
[計算式1]
ハンター白色度=100-[(100-L*)2+(a*2+b*2)]0.5
[評価基準]
A:ハンター白色度80以上
B:ハンター白色度77以上80未満
C:ハンター白色度74以上77未満
D:ハンター白色度71以上74未満
E:ハンター白色度71未満
白インク印刷評価で得られた印刷物を内部温度が100℃に設定した自然対流型乾燥機に入れ、2分間加熱後、室温(25℃)まで冷却してから、前記白色度評価と同様にして、ハンター白色度を測定した。
加熱前ハンター白色度と加熱後のハンター白色度を測定し、下記計算式2からハンター白色度低下量を算出し、下記の評価基準に基づき耐熱性の評価を行った。なお、B以上の評価結果が実使用可能レベルである。
[計算式2]
ハンター白色度低下量=加熱前ハンター白色度-加熱後ハンター白色度
[評価基準]
A:ハンター白色度低下量が2未満
B:ハンター白色度低下量が2以上5未満
C:ハンター白色度低下量が5以上
印刷画像の白色度評価で評価した印刷物を摩擦試験機(商品名:クロックメーター、株式会社東洋精機製作所製)にセッティングし、綿布で10往復擦り、擦られた画像部の擦過状態を目視で観察し、下記評価基準により、耐擦過性を評価した。なお、B以上の評価結果が実使用可能レベルである。
[評価基準]
A:擦過痕なし
B:極僅かに擦過痕あり
C:僅かに擦過痕あり
D:激しく擦過痕あり
<シアンインクの調製例1>
-表面改質シアン顔料分散体の調製-
SENSIJET SMART Cyan 3154BA(Pigment Blue 15:4表面処理分散体、顔料固形分14.5質量%、SENSIENT社製)顔料分散体1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調製することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
得られた改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた分散体について、累積50%体積粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA-EX150)により測定したところ、116nmであった。
撹拌機を備えた容器に、1,2-プロパンジオール20.00g、1,2-ブタンジオール20.00g、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール4.00g、及びポリエーテル変性シロキサン(BYK-348、ビックケミー・ジャパン株式会社製、有効成分100%)0.20gを入れ、30分間撹拌して均一にした。
次に、防カビ剤(Proxel GXL、アビシア社製)0.05g、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール0.20g、表面改質シアン顔料分散体を22.50g、ポリカポリウレタンエマルション(タケラックW-6110、三井化学株式会社製、有効固形分33.9質量%)を8.85g、及びイオン交換水を残量加え、全体を100gとして、60分間撹拌してインクを均一にした。
得られたインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、シアンインク1を作製した。
実施例1の白インク印刷サンプル上に、得られたシアンインク1をインク付着量9.89g/m2のべた印刷した画像を形成し、画像評価したところ、非常に鮮明なシアン画像が得られた。
<1> 吐出ヘッドを用いてインクを吐出するインク吐出工程を含み、
前記インクとして、第1の白色顔料を含有する第1の白色インク、及び第2の白色顔料を含有する第2の白色インクを用い、
前記第1の白色顔料の屈折率と前記第2の白色顔料の屈折率とが異なり、前記第1の白色顔料の屈折率RAと前記第2の白色顔料の屈折率RBとの屈折率差(RA-RB)が、絶対値で0.5以上であることを特徴とする印刷方法である。
<2> 前記吐出ヘッドとしてノズル列を複数有する吐出ヘッドを用い、前記第1の白色インク及び前記第2の白色インクを、各々、異なるノズル列から吐出する前記<1>に記載の印刷方法である。
<3> 前記第1の白色顔料及び前記第2の白色顔料のいずれか一方の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子である前記<1>から<2>のいずれかに記載の印刷方法である。
<4> 前記第1の白色顔料及び前記第2の白色顔料のいずれか一方の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子であり、他方の白色顔料が、屈折率が2.3以上2.75以下の酸化チタンである前記<1>から<3>のいずれかに記載の印刷方法である。
<5> 前記第1の白色インクにより第1の白色インク層を形成し、
前記第1の白色インク層上に、前記第2の白色インクにより第2の白色インク層を形成する前記<1>から<4>のいずれかに記載の印刷方法である。
<6> 前記第2の白色インク層上に、白色インク以外の第3のインクにより第3のインク層を形成する前記<5>に記載の印刷方法である。
<7> 前記第3のインクが、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクから選択される少なくとも1種である前記<6>に記載の印刷方法である。
<8> 吐出ヘッドを用いてインクを吐出するインク吐出手段を有し、
前記インクが、第1の白色顔料を含有する第1の白色インク、及び第2の白色顔料を含有する第2の白色インクであり、
前記第1の白色顔料の屈折率と前記第2の白色顔料の屈折率とが異なり、前記第1の白色顔料の屈折率RAと前記第2の白色顔料の屈折率RBとの屈折率差(RA-RB)が、絶対値で0.5以上であることを特徴とする印刷装置である。
<9> 更にインクを収容するインク収容部を有し、
前記インク収容部が、前記第1の白色インクを収容する第1のインク収容部、及び前記第2の白色インクを収容する第2のインク収容部を有する前記<8>に記載の印刷装置である。
<10> 前記吐出ヘッドがノズル列を複数有し、前記第1の白色インク及び前記第2の白色インクを、各々、異なるノズル列から吐出する前記<8>から<9>のいずれかに記載の印刷装置である。
<11> 前記第1の白色顔料及び前記第2の白色顔料のいずれか一方の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子である前記<8>から<10>のいずれかに記載の印刷装置である。
<12> 前記第1の白色顔料及び前記第2の白色顔料のいずれか一方の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子であり、他方の白色顔料が、屈折率が2.3以上2.75以下の酸化チタンである前記<8>から<11>のいずれかに記載の印刷装置である。
<13> 前記第1の白色インクにより第1の白色インク層を形成し、
前記第1の白色インク層上に、前記第2の白色インクにより第2の白色インク層を形成する前記<8>から<12>のいずれかに記載の印刷装置である。
<14> 前記第2の白色インク層上に、白色インク以外の第3のインクにより第3のインク層を形成する前記<13>に記載の印刷装置である。
<15> 前記第3のインクが、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクから選択される少なくとも1種である前記<14>に記載の印刷装置である。
<16> 被印刷物と、該被印刷物上に、第1の白色顔料を含有する第1の白色インクで形成される第1の白色インク層と、第2の白色顔料を含有する第2の白色インクで形成される第2の白色インク層と、
を有し、
前記第1の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子であり、
前記第2の白色顔料が、屈折率が2.3以上2.75以下である酸化チタンであることを特徴とする印刷物である。
<17> 被印刷物と、該被印刷物上に、第1の白色顔料を含有する第1の白色インクで形成される第1の白色インク層と、第2の白色顔料を含有する第2の白色インクで形成される第2の白色インク層と、
を有し、
前記第1の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子であり、
前記第1の白色顔料の屈折率RAと前記第2の白色顔料の屈折率RBとの屈折率差(RA-RB)が、絶対値で0.5以上であることを特徴とする印刷物である。
<18> 更に、白色インク以外の第3のインクにより形成される第3のインク層を有する前記<16>から<17>のいずれかに記載の印刷物である。
<19> 前記被印刷物上に前記第1の白色インク層を有し、前記第1の白色インク層上に前記第2の白色インク層を有し、前記第2の白色インク層上に前記第3のインク層を有する前記<18>に記載の印刷物である。
<20> 前記被印刷物が、非浸透性基材である前記<16>から<19>のいずれかに記載の印刷物である。
2 前処理液塗布装置
3 インク吐出ヘッド
4 後処理液塗布装置
5 乾燥装置
6 搬送ベルト
Claims (14)
- 被印刷物上に、第1の白色顔料を含有する第1の白色インクで第1の白色インク層を吐出ヘッドを用いて形成する第1の白色インク層形成工程と、
前記第1の白色インク層上に、第2の白色顔料を含有する第2の白色インクで第2の白色インク層を吐出ヘッドを用いて形成する第2の白色インク層形成工程と、
を含み、
前記第1の白色顔料が、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子であり、
前記第2の白色顔料が、屈折率が2.3以上2.75以下である酸化チタンであることを特徴とする印刷方法。 - 前記吐出ヘッドとしてノズル列を複数有する吐出ヘッドを用い、前記第1の白色インク及び前記第2の白色インクを、各々、異なるノズル列から吐出する請求項1に記載の印刷方法。
- 前記第1の白色顔料の屈折率R A と前記第2の白色顔料の屈折率R B との屈折率差(R A -R B )が、絶対値で0.5以上である請求項1から2のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記中空ポリマーが、スチレン又はスチレン-アクリル系の中空ポリマーである請求項1から3のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記酸化チタンがルチル型酸化チタン又は配向凝集した短冊状の粒子形態を有する表面処理されたルチル型酸化チタンである請求項1から4のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記第2の白色インク層上に、白色インク以外の第3のインクにより第3のインク層を形成する第3のインク層形成工程を含む請求項1から5のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記第3のインクが、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクから選択される少なくとも1種である請求項6に記載の印刷方法。
- 吐出ヘッドを用いてインクを吐出するインク吐出手段を有し、
前記インクが、屈折率が1.2以上1.3以下である中空ポリマー粒子又は中空シリカ粒子を含有する第1の白色インク、及び屈折率が2.3以上2.75以下である酸化チタンを含有する第2の白色インクであり、
被印刷物上に、前記第1の白色インクで形成される第1の白色インク層と、前記第1の白色インク層上に、前記第2の白色インクで形成される第2の白色インク層とを有することを特徴とする印刷装置。 - 更にインクを収容するインク収容部を有し、
前記インク収容部が、前記第1の白色インクを収容する第1のインク収容部、及び前記第2の白色インクを収容する第2のインク収容部を有する請求項8に記載の印刷装置。 - 前記被印刷物が、非浸透性基材である請求項1から7のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記中空ポリマーが、スチレン又はスチレン-アクリル系の中空ポリマーである請求項8から9のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記酸化チタンがルチル型酸化チタン又は配向凝集した短冊状の粒子形態を有する表面処理されたルチル型酸化チタンである請求項8から9及び11のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記第2の白色インク層上に、白色インク以外の第3のインクにより第3のインク層を有する請求項8から9及び11から12のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記第3のインクが、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクから選択される少なくとも1種である請求項13に記載の印刷装置。
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