JP2021161238A - インク、画像形成方法、画像形成装置、及び記録物 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機顔料が沈降しても再分散しやすく、かつ優れた保存安定性及び吐出安定性を有するインクの提供。【解決手段】水、有機溶剤、樹脂粒子、第1の無機顔料、及び第2の無機顔料を含有し、前記第1の無機顔料が粒状酸化チタンであり、前記第2の無機顔料が、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種であるインクである。【選択図】なし

Description

本発明は、インク、画像形成方法、画像形成装置、及び記録物に関する。
インクジェットプリンターを産業用途に使用する場合、記録媒体としては、紙に限定されず透明な記録媒体から着色された記録媒体まで幅広く用いられる。これらの記録媒体に白を表現する場合やカラーインクで着色する場合、記録媒体の透明性をインクで隠蔽したり、記録媒体の色をインクで十分に隠蔽したりする必要がある。このため、透明な記録媒体や着色された記録媒体を白色にするため白色インクが用いられている。また、カラーインクを用いる場合は、一般的な画像に用いるカラーインクと共通化するため、記録媒体にカラーインクの下地として白色インクを印字してカラーの発色を向上させている。
前記白色インク用の顔料としては、隠蔽力、着色力等に優れた白色顔料である二酸化チタンが広く用いられている。前記二酸化チタンを用いて高い隠蔽力を得るには可視光を散乱させるために、粒径が200nmから400nmの範囲に分散させる必要がある。しかし、前記二酸化チタンは、比重がインク媒体と比較して大きいために沈降しやすく、更に、水性インクやソルベントインクなどの低粘度インク中では沈降速度が速くなる。また、前記二酸化チタンが沈降すると最密充填構造を形成するために再分散させることは困難である。
そこで、前記課題を解決するため、例えば、二酸化チタンと糖を含むインクジェットインク(例えば、特許文献1参照)、二酸化チタンと親水性層状粘土鉱物を含むインクジェットインク(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
本発明は、無機顔料が沈降しても再分散しやすく、かつ優れた保存安定性及び吐出安定性を有するインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、水、有機溶剤、樹脂粒子、第1の無機顔料、及び第2の無機顔料を含有し、前記第1の無機顔料が粒状酸化チタンであり、前記第2の無機顔料が、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種である。
本発明によると、無機顔料が沈降しても再分散しやすく、かつ優れた保存安定性及び吐出安定性を有するインクを提供することができる。
図1は、画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、画像形成装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(インク)
本発明のインクは、水、有機溶剤、樹脂粒子、第1の無機顔料、及び第2の無機顔料を含有し、前記第1の無機顔料が粒状酸化チタンであり、前記第2の無機顔料が、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種であり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
従来技術では、二酸化チタンの再分散性を向上させるため、糖や親水性層状粘土鉱物を用いているが、二酸化チタンが沈降すると最密充填構造を形成するために再分散させることが困難であるという問題がある。
本発明においては、インク中に、第1の無機顔料として粒状酸化チタンと、第2の無機顔料として針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種とを含有することによって、粒状酸化チタンが沈降しても、該粒状酸化チタンの粒子間に、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン、又はシリカ粒子が入り込み、粒状酸化チタンの沈降時に最密充填構造を形成しにくくなり、ケーキングを抑制することができ、容易に再分散させることができる。
したがって、本発明によると、無機顔料が沈降しても再分散しやすく、かつ保存安定性、吐出安定性に優れるインクを提供することができる。
本発明のインクは、水、有機溶剤、樹脂粒子、第1の無機顔料として粒状酸化チタン、及び第2の無機顔料として針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種を含有する。
なお、インク及び記録物が本発明に該当するか否かを判断する方法は以下の通りである。インクからは、電子顕微鏡観察により第1及び第2の無機顔料の形状を確認することができ、エネルギー分散型X線分析(EDX)を用いることにより、元素分析を行い、第2の無機顔料の種類の特定を行うことが可能である。有機溶剤及び樹脂粒子に関しては、GC−MS等により分析を行い、特定することが可能である。同様に記録物からも、塗膜の断面観察を行うことにより、第1及び第2の無機顔料の形状を、EDXを用いることにより、元素分析を行い、第2の無機顔料の種類の特定を行うことが可能である。
<第1の無機顔料>
第1の無機顔料としては、粒状酸化チタンを用いる。本発明において、粒状酸化チタンとは、アスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が5未満である酸化チタンを意味する。
粒状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)は5未満であることが好ましく、1以上3以下がより好ましい。
粒状酸化チタンの個数平均一次粒子径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200nm以上400nm以下が好ましく、200nm以上300nm以下がより好ましい。個数平均一次粒子径が200nm以上であると、白色度を確保することができる。個数平均一次粒子径が400nm以下であると、吐出安定性に優れる。
前記個数平均一次粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、装置名:JEM−2100F)を用いて、3万倍視野での200個以上500個以下の一次粒子を挟む一定方向の2本の平行線の間隔にある一定方向径を測定して、上位5%及び下位5%の数値を除去し、残り90%の平均値を求め、その値を粒状酸化チタンの個数平均一次粒子径とする。
粒状酸化チタンのアスペクト比は、上記個数平均一次粒子径の測定と同様にして、複数個(200個)の粒状酸化チタンの長軸長さ及び短軸長さを電子顕微鏡観察により測定し、平均長軸長さ及び平均短軸長さを求め、アスペクト比を算出した。
このような粒状酸化チタンの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸法、塩素法などが挙げられる。また、酸化チタン粒子の表面処理についても特に限定されないが、酸化チタン粒子の高い光触媒活性を抑制するため、粒子表面をアルミナで処理したものが好ましい。
粒状酸化チタンとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、テイカ社製の「JR−301」、「JR−403」、「JR−405」、「JR−600A」、「JR−605」、「JR−600E」、「JR−603」、「JR−701」、「JRNC」、「JR−800」、「JR−805」、「JR−806」;石原産業社製の「CR−50」、「CR−50−2」、「CR−57」、「CR−Super70」、「CR−58」、「CR−58−2」などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<第2の無機顔料>
第2の無機顔料としては、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン、又はシリカ粒子が用いられる。
針状酸化チタンとは、本発明においては、アスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が10以上である酸化チタンを意味する。
紡錘状酸化チタンとは、本発明においては、アスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が5以上10未満である酸化チタンを意味する。
針状酸化チタンと紡錘状酸化チタンとは、アスペクト比から判別することができる。
前記紡錘状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)は5以上10未満が好ましい。
前記針状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)は10以上が好ましい。
紡錘状酸化チタン及び針状酸化チタンのアスペクト比が上記数値範囲であると、第1の無機顔料としての粒状酸化チタンが沈降する際に最密充填構造の形成を抑制し、ケーキングしにくくなることによって、再分散性が向上する。また、優れた吐出安定性を確保することができる。
針状酸化チタン及び紡錘状酸化チタンのアスペクト比は、例えば、粒状酸化チタンのアスペクト比と同様に、複数個(200)の針状酸化チタン及び紡錘状酸化チタンについて長軸長さ及び短軸長さを電子顕微鏡観察により測定し、平均長軸長さ及び平均短軸長さを求め、アスペクト比を算出することにより測定することができる。
針状酸化チタンとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チタン工業社製の「ST−485SA15」などが挙げられる。
紡錘状酸化チタンとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チタン工業社製の「ST−457SA」、「ST−455」、「ST−450EC」、「STV−455」、「ST−455WS」などが挙げられる。
シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm以上100nm以下が好ましい。シリカ粒子の個数平均一次粒子径が20nm以上であると、再分散性が向上し、個数平均一次粒子径が100nm以下であると、吐出安定性を確保することができる。
シリカ粒子としては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、日産化学社製の「ST−S」、「ST−30」、「ST−50−T」、「ST−30L」、「ST−YL」、「ST−ZL」、「MP−1040」などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第1の無機顔料及び前記第2の無機顔料の合計含有量は、インク全量に対して、5質量%以上15質量%以下が好ましく、6質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記無機顔料の合計含有量が、5質量%以上であると、白色度を向上できる。前記無機顔料の合計含有量が15質量%以下であると、吐出安定性を確保することができる。
前記第1の無機顔料の含有量と前記第2の無機顔料の含有量との質量比(第1の無機顔料/第2の無機顔料)は、4以上10以下であることが好ましく、4以上8以下がより好ましい。上記質量比の範囲内であると、再分散性を向上することができる。
<樹脂粒子>
前記樹脂粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、記録媒体への定着性の観点から、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。
前記樹脂粒子としては、ホモポリマーとして使用されても、コポリマーを使用して複合系ポリマーとして用いてもよく、単相構造型、コアシェル型、及びパワーフィード型エマルジョンのいずれも使用できる。
前記樹脂粒子としては、ポリマー自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、ポリマー自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつポリマーにて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られたポリマー粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水にて反応させポリマーエマルジョンを得るため、容易に樹脂粒子を得ることができ、ポリマー構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
<<アクリル樹脂>>
アクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不飽和カルボン酸類、単官能又は多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアノ化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独及び複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことでポリマーの特性を改質することもできる。
前記不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸アミド単量体類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニルシアノ化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
前記ビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アリル化合物単量体類としては、例えば、アリルスルホン酸又はその塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマーなどが挙げられる。
アクリル樹脂の酸価は、10mgKOH/g〜300mgKOH/gが好ましく、20mgKOH/g〜200mgKOH/gがより好ましい。なお、酸価は、樹脂1gを中和させるのに必要なKOHのmg量である。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜10万が好ましく、2,000〜5万がより好ましい。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定することができる。
アクリル樹脂の好ましい具体例としては、グランドールPP−1000EF、ボンコート40−418EF、ボンコートCE−6270、ボンコートCG−6150、ボンコートCG−8400、ボンコートCG−8680、ボンコートDV−961、ボンコートEM−401、ボンコートPE−200(DIC株式会社製)、ポリゾールAM−200、ポリゾールM−17N、ポリゾールAM−610(昭和電工株式会社製)、X−436、QE−1042、HE−1335、RE−1075、JE−1056、JE−1113、KE−1148、XP8812(星光PMC株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<ポリウレタン樹脂>>
ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応して得られる水溶性又は水分散性のポリウレタン樹脂を使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変性物など)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ジオール化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドやテトラヒドロフラン等の複素環式エーテルを(共)重合させて得られるジオール化合物などが挙げられる。ジオール化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中では、ポリエーテル系、ポリエステル系及びポリカーボネート系が好ましい。
また、上記の他、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有するジオール化合物も使用でき、その具体例としては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸などが挙げられる。これらの中では、ジメチロールプロピオン酸が好ましい。これらのジオール化合物は、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂の合成に際しては、低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加してもよい。低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルジオールの原料として使用される、グリコール、アルキレンオキシド低モル付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、又はこれらのアルキレンオキシド低モル付加物などが挙げられる。また、このようにして得られたウレタンプレポリマーは、ジメチロールアルカン酸に由来する酸基を中和した後又は中和しながら水延長又はジ(トリ)アミンで鎖延長することができる。鎖延長の際に使用されるポリアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂としては、望ましくは、ジオール化合物としてポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のジオールを用いて得られるポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられる。ポリウレタン樹脂の形態も特に限定されない。代表的には、エマルジョンタイプ、例えば、自己乳化エマルジョンや、自己安定化タイプが挙げられる。特に、上記の化合物のうちカルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有するジオールを用いたり、低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加したり、酸性基を導入したウレタン樹脂、中でもカルボキシル基を有するものが望ましい。更に、架橋処理により、これらカルボキシル基等の官能基を架橋させあるのが、光沢向上、耐擦性向上等の点から望ましい。
ポリウレタン樹脂は、中和したものを使用することもできる。中和に使用する塩基としては、例えば、ブチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、アンモニア、水酸化ナトリウム等の無機塩基などが挙げられる。
ポリウレタン樹脂の酸価は、10mgKOH/g〜300mgKOH/gが好ましく、20mgKOH/g〜100mgKOH/gがより好ましい。なお、酸価は、樹脂1gを中和させるのに必要なKOHのmg量である。
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、100〜20万が好ましく、1000〜5万がより好ましい。ポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、−50℃〜200℃が好ましく、−50℃〜100℃がより好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、NeoRezR−960、NeoRez R−989、NeoRez R−9320、NeoRad NR−440(いずれも、楠本化成株式会社製)、ハイドランAP−30、ハイドランAPX−601、ハイドランSP−510、ハイドランSP−97(いずれも、DIC株式会社製)、スーパーフレックス130、スーパーフレックス150、スーパーフレックス150HS、スーパーフレックス170、スーパーフレックス210、スーパーフレックス300、スーパーフレックス420、スーパーフレックス420HS、スーパーフレックス470、スーパーフレックス740、スーパーフレックス820、スーパーフレックス830HS、スーパーフレックス860、スーパーフレックス870(いずれも、第一工業製薬株式会社製)、ユーコートUX−310、ユーコートUX−320、ユーコートUX−300、ユーコートUR−700、ユーコートUX−8100、ユーコートUX−2510、ユーコートUX−340、ユーコートUWS−145、パーマリンUA−150、パーマリンUA−200、パーマリンUA−350、パーマリンUA−368T、パーマリンUA−3945(いずれも、三洋化成株式会社製)、タケラックW−5030、タケラックW−6010、タケラックW−6020、タケラックW−6061、タケラックW−605、タケラックW−5661、タケラックW−6110(いずれも、三井化学株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダーポリマーの平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒子径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化したときに過剰な高粘度にならないためにもバインダーポリマーの平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。
なお、平均粒子径(D50)は、マイクロトラックUPA−EX150(Microtrac Inc.社)を使用して測定することができる。
インクに添加されるバインダーポリマーは、無機顔料分散体の固形分含有量の0.1倍以上3倍以下の添加が好ましい。具体的には、インク中、バインダーポリマーの含有量は、記録媒体への定着性の観点から、固形分量で、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましい。
<有機溶剤>
有機溶剤は、分散安定性及び吐出安定性を確保する観点から必要な成分であり、環境性の点から、水溶性有機溶剤が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、難浸透系基材及び非浸透系基材に濡れやすいという観点から、下記一般式(1)で示されるアミド化合物、アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
Figure 2021161238
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
前記炭素数が1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記構造式(1)で表される3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
Figure 2021161238
前記構造式(1)で表されるアミド化合物は、沸点が216℃と高く、温度23℃、相対湿度80%RH環境中の平衡水分量も39.2質量%と高く、しかも液粘度が25℃環境で1.48mPa・sと非常に低い。更に、有機溶剤及び水に非常に溶解し易いので、インクの低粘度化を可能とし、インクの水溶性有機溶剤として特に好ましい。
本発明のインクに用いられるアルカンジオール及びグリコールエーテルは、無機顔料1及び無機顔料2の分散安定性及び吐出安定性を確保する観点から、沸点90℃以上250℃未満のアルカンジオール及びグリコールエーテルを含有することが好ましい。
<<アルカンジオール>>
前記アルカンジオールとしては、例えば、エチレングリコール(沸点197℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)、1,2−ブタンジオール(沸点193℃)、1,2−ペンタンジオール(沸点206)、1,2−ヘキサンジオール(沸点223℃)等の1,2−アルカンジオール;ジエチレングリコール(沸点245℃)、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、1,4−ブタンジオール(沸点230℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点203℃)、1,5−ペンタンジオール(沸点242℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(沸点196℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(沸点178℃)、1,2,4−ブタントリオール(沸点190℃)、1,2,3−ブタントリオール(沸点175℃)、ペトリオール(沸点216℃)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、無機顔料1及び無機顔料2の分散安定性及び吐出安定性を確保する観点から、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール等の炭素数2以上6以下のアルカンジオール、及び分子量500〜1000のポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上が好ましく、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の炭素数3以上4以下の1,2−アルカンジオール、及び前記ポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上がより好ましい。
<<グリコールエーテル>>
グリコールエーテルの具体例としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、無機顔料1及び無機顔料2の分散安定性及び吐出安定性を確保する観点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、また、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基は、直鎖及び分岐鎖が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルの具体例としては、エチレングリコールエチルエーテル(沸点136℃)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(沸点144℃)、エチレングリコールプロピルエーテル(沸点151℃)、エチレングリコールブチルエーテル(沸点171℃)、ジエチレングリコールメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールエチルエーテル(沸点202℃)、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル(沸点207℃)、ジエチレングリコールイソブチルエーテル(沸点220℃)、ジエチレングリコールブチルエーテル(沸点230℃)、トリエチレングリコールメチルエーテル(沸点248℃)、ジプロピレングリコールブチルエーテル(沸点231℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(沸点189℃)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(沸点243℃)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、及びジエチレングリコールブチルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、及びジエチレングリコールイソブチルエーテルから選ばれる1種以上がより好ましい。
<<その他の水溶性有機溶剤>>
前記水溶性有機溶剤以外に、水系インクに通常配合されるその他のアルコール、該アルコールのアルキルエーテル、グリコールエーテル、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物などを含有することができる。
例えば、1,6−ヘキサンジオール(沸点250℃)、トリエチレングリコール(沸点285℃)、トリプロピレングリコール(沸点273℃)、ポリプロピレングリコール(沸点250℃以上)、グリセリン(沸点290℃)等を沸点が250℃以上の化合物と組み合わせて用いることができる。
インク中の前記有機溶剤の含有量は、難浸透系基材及び非浸透系基材に濡れやすく、かつ吐出安定性に優れるという観点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上80質量%以下がより好ましい。
また、難浸透系基材及び非浸透系基材に濡れやすく、かつ吐出安定性に優れるという観点から、インク中の有機溶剤全体に対し、前記一般式(I)で示されるアミド化合物の含有量は、好ましくは5質量%以上50質量%以下、更に好ましくは10質量%以上40質量%以下であり、アルカンジオールの含有量は、好ましくは5質量%以上90質量%以下、更に好ましくは10質量%以上80質量%以下であり、グリコールエーテルの含有量は、好ましくは5質量%以上50質量%以下、更に好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表される、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2021161238
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表し、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)のいずれかで表されるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2021161238
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
[一般式(F−2)]
2n+−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH−C2m+1でmは4〜6の整数、又はC2P+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N、及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
インクジェット記録方法によるインク付着量は、1.5g/m〜25g/mが好ましい。前記インク付着量が、1.5g/m以上であると、十分な画像濃度を得ることができ、25g/m以下であると、十分な定着性が得られる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、本発明のインクを刺激印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含む。
本発明の画像形成装置は、本発明のインクを収容したインク収容部と、
前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
インクを刺激印加し、前記インクを飛翔させる方法(インク吐出方法)としては、インクを熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種の刺激で印加し、前記インクを飛翔させる方法が挙げられ、サーマル式又はピエゾ式の記録ヘッドを用いてインクを吐出する方法が好ましく、本発明においては、インクを充填した容器を、インクジェット記録装置に装着し、ピエゾ式の記録ヘッドを用いてインクを吐出して記録媒体に記録する方法がより好ましい。
記録ヘッドのノズル中での凝集又は沈降を抑制し、良好な記録物を得るために、再分散手段を用いることができる。再分散手段としては、機械力により顔料を分散媒中で分散する手段でよく、インク充填容器内のインク撹拌する機構、振とう機構、振動付与機構及びインクを循環させる機構が挙げられる。
本発明の画像形成方法は、白色度の観点から下地等のベタ印刷に適用することが好まし
い。
記録媒体に特に制限はないが、段ボール紙、板紙、カラーキャストコート紙、樹脂フィルム等が挙げられ、好ましくはカラーキャストコート紙及び樹脂フィルムが挙げられる。中でも本発明の画像形成方法は、非浸透系基材を用いた場合にその効果を良好に享受することができる。前記非浸透系基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
カラーキャストコート紙としては、例えば、カラーグロリア黒(275g/m)、カラーグロリア黒(310g/m)、カラーグロリアブラックA(326g/m)(いずれも、五条製紙株式会社製);エスプリカラーブルー(320g/m)、エスプリカラーグリーン(320g/m)(いずれも、日本製紙株式会社製);ルミナカラーブラック(270g/m)、ルミナカラーブラック(310g/m)、ルミナカードブラック(330g/m)(いずれも、王子エフテックス株式会社製);LKカラーブラック(350g/m)、LKカラーブラック(430g/m)、LKカラーブルー(350g/m)、LKカラーブルー(430g/m)(いずれも、三菱製紙株式会社製)などが挙げられる。
また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルムであってもよい。樹脂フィルムは、より好ましくはポリエステルフィルム及び延伸ポリプロピレンフィルムから選ばれる1種以上、更に好ましくはコロナ放電処理等の表面処理を行ったポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。
透明合成樹脂フィルムの市販品としては、ルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエチレンテレフタレート)、FE2001(フタムラ化学株式会社製、コロナ処理ポリエチレンテレフタレート)、FOS#60(フタムラ化学株式会社製、コロナ処理二軸延伸ポリプロピレンフィルム)、PVC80BP(リンテック株式会社製、ポリ塩化ビニル)、カイナスKEE70CA(リンテック株式会社製、ポリエチレン)、ユポSG90 PAT1(リンテック株式会社製、ポリプロピレン)、ボニールRX(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、ナイロン)などが挙げられる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、本発明のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の画像形成装置は、本発明のインクを収容したインク収容部と、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明に用いるインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置及び記録方法とは、記録媒体に対して本発明の先塗り液やインクを付着させることが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、先塗り液を付着させ装置、及びインクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置及び記録方法において、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置及び記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
(記録物)
本発明の記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明の記録物は、記録媒体と、該記録媒体上に印刷層とを有する記録物であって、
前記印刷層は樹脂、第1の無機顔料、及び第2の無機顔料を含有し、
前記第1の無機顔料が粒状酸化チタンであり、
前記第2の無機顔料が、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種である。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<粒状酸化チタン、シリカ粒子の個数平均一次粒子径>
粒状酸化チタン及びシリカ粒子の個数平均一次粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、装置名:JEM−2100F)を用いて、3万倍視野での200個以上500個以下の一次粒子を挟む一定方向の2本の平行線の間隔にある一定方向径を測定して、上位5%及び下位5%の数値を除去し、残り90%の平均値を求め、その値を粒状酸化チタン及びシリカ粒子の個数平均一次粒子径とした。
<粒状酸化チタン、針状酸化チタン、及び紡錘状酸化チタンのアスペクト比の測定方法>
粒状酸化チタン、針状酸化チタン、及び紡錘状酸化チタンのアスペクト比は、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、装置名:JEM−2100F)を用いて、3万倍視野での200個の酸化チタンの長軸長さ及び短軸長さを測定し、平均長軸長さ及び平均短軸長さを求め、アスペクト比を算出した。
<針状酸化チタン及び紡錘状酸化チタンの平均結晶子径の測定方法>
X線回折装置(Rigaku RINT−2200V)を用いた各サンプルのCuKα線によるXRD分析を行い、結晶構造解析から、針状酸化チタン及び紡錘状酸化チタンの平均結晶子径を算出した。
(樹脂分散液の調製例1)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液1の調製>
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエステルポリオール(商品名:PTMG1,000、三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)200.4g、2,2−ジメチロールプロピオン酸15.7g、イソホロンジイソシアネート48.0g、及び有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1gを、ジブチルスズジラウリレート(DMTDL、東京化成工業株式会社製)0.06gを触媒として使用して反応させた。前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7gを供給し、更に反応を継続した。反応を合計6時間になるように行った後、メタノール1.4gを投入し、前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4g加えることにより、前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和した。次いで、水715.3gを加え、十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液1を得た。
(樹脂分散液の調製例2)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液2の調製>
樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.12gにし、全反応時間6時間を8時間に変更した以外は、樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液2を得た。
(樹脂分散液の調製例3)
<ポリカーボネートウレタン樹脂分散液の調製>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200))1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g(5.5モル)、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加し、混合したものの中から、4,340gを抜き出して、強撹拌下にて、水5,400g、及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、脂環式ジイソシアネートに由来する構造を有するポリカーボネートウレタン樹脂分散液1を得た。
(樹脂分散液の調製例4)
<アクリル樹脂分散液の調製>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g、及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム2gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20gにスチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸10gを撹拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に6時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行った。
得られた水性粒子を常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分濃度30質量%、pH8に調整し、アクリル樹脂粒子を含むアクリル樹脂分散液を得た。
(酸化チタン分散液の調製例1)
<酸化チタン分散液1の調製>
粒状二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JR−403」、個数平均一次粒子径250nm、アスペクト比2、表面処理:Al,Si)20g、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5g、水75gを混合し、ビーズミル(装置名:リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)を用いて、ジルコニアビーズ(直径:0.3mm)を充填率60%、8m/sにて5分間分散させ、平均孔径5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にて濾過を行って、[酸化チタン分散液1](二酸化チタン粒子濃度:20質量%)を得た。
(酸化チタン分散液の調製例2)
<酸化チタン分散液2の調製>
酸化チタン分散液の調製例1において、粒状二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JR−403」、個数平均一次粒子径250nm、アスペクト比2、表面処理:Al,Si)を、粒状二酸化チタン(商品名:JR−405、テイカ株式会社製、個数平均一次粒子径210nm、アスペクト比2、表面処理:Al)に変更した以外は、酸化チタン分散液の調製例1と同様にして、[酸化チタン分散液2](二酸化チタン粒子濃度:20質量%)を得た。
(酸化チタン分散液の調製例3)
<酸化チタン分散液3の調製>
酸化チタン分散液の調製例1において、粒状二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JR−403」、個数平均一次粒子径250nm、アスペクト比2、表面処理:Al,Si)を、粒状二酸化チタン(商品名:JR−603、テイカ株式会社製、個数平均一次粒子径300nm、アスペクト比3、表面処理:Zr)に変更した以外は、酸化チタン分散液の調製例1と同様にして、[酸化チタン分散液3](二酸化チタン粒子濃度:20質量%)を得た。
(酸化チタン分散液の調製例4)
<酸化チタン分散液4の調製>
酸化チタン分散液の調製例1において、粒状二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JR−403」、個数平均一次粒子径250nm、アスペクト比2、表面処理:Al,Si)を、針状二酸化チタン(商品名:ST−485SA15、チタン工業株式会社製、平均結晶子径8nm、アスペクト比10、表面処理:水酸化アルミニウム、ステアリン酸)に変更した以外は、酸化チタン分散液の調製例1と同様にして、[酸化チタン分散液4](二酸化チタン粒子濃度:20質量%)を得た。
(酸化チタン分散液の調製例5)
<酸化チタン分散液5の調製>
酸化チタン分散液の調製例1において、粒状二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JR−403」、個数平均一次粒子径250nm、アスペクト比2、表面処理:Al,Si)を、紡錘状二酸化チタン(商品名:ST−457SA、チタン工業株式会社製、平均結晶子径10nm、アスペクト比5、表面処理:水酸化アルミニウム、ステアリン酸)に変更した以外は、酸化チタン分散液の調製例1と同様にして、[酸化チタン分散液5](二酸化チタン粒子濃度:20質量%)を得た。
(酸化チタン分散液の調製例6)
<酸化チタン分散液6の作製>
酸化チタン分散液の調製例1において、粒状二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JR−403」、個数平均一次粒子径250nm、アスペクト比2、表面処理:Al,Si)を、紡錘状二酸化チタン(商品名:STV−455、チタン工業株式会社製、平均結晶子径15nm、アスペクト比8、表面処理:水酸化アルミニウム、ステアリン酸)に変更した以外は、酸化チタン分散液の調製例1と同様にして、[酸化チタン分散液6](二酸化チタン粒子濃度:20質量%)を得た。
(シリカ分散液1〜3)
シリカ分散液1〜3は、以下の市販品を用いた。
・[シリカ分散液1](日産化学社製、製品名「ST−30」、球状、個数平均一次粒子径12nm、シリカ粒子濃度:30質量%)
・[シリカ分散液2](日産化学社製、製品名「ST−30L」、球状、個数平均一次粒子径45nm、シリカ粒子濃度:30質量%)
・[シリカ分散液3](日産化学社製、製品名「MP−1040」、球状、個数平均一次粒子径100nm、シリカ粒子濃度:40質量%)
Figure 2021161238
(実施例1〜13及び比較例1〜6)
−インクの作製−
下記表2〜表5に示す組成及び含有量を常法により調製し、平均孔径5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にて濾過を行い、インク1〜19を作製した。なお、インク中の樹脂粒子の含有量は固形分に換算した値である。
Figure 2021161238
Figure 2021161238
Figure 2021161238
Figure 2021161238
表2〜表5のインクにおいて、用いた材料の詳細については、下記の通りである。
−有機溶剤−
・1,2−プロパンジオール(沸点188℃)
・1,2−ブタンジオール(沸点195℃)
・1,5−ペンタンジオール(沸点242℃)
・1,6−ヘキサンジオール(沸点223℃)
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点174℃)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点204℃)
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点196℃)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)
・一般式(1)のアミド化合物:下記構造式(1)で表されるアミド化合物(出光興産株式会社製、エクアミドM100、沸点216℃)
Figure 2021161238
−添加剤−
・フッ素系界面活性剤(Chemours社製、Capstone FS−34)
・シリコーン系界面活性剤(BYK社製、BYK−345)
・消泡剤:エンバイロジェムAD01(エアープロダクツ社製)
・防腐防黴剤:プロキセルLV(アビシア社製)
・pH調整剤:1NのNaOH
−糖類−
インク16の糖類は、単糖はグルコースを、二糖はマルトースを、三糖はマルトトリオースを用い、それぞれの割合は単糖20%、二糖25%、三糖55%とした。
−粘土鉱物−
インク17の粘土鉱物は、ルーセンタイトSWF(平均粒径:0.02μm、アスペクト比1:250、コープケミカル社製)を用いた。
次に、実施例1〜13及び比較例1〜6に用いる無機顔料の性状を以下の表6に示した。
Figure 2021161238
<記録条件>
インクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)の外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付け、記録ヘッドを含めたインク供給経路に純水(洗浄液)を通液することで洗浄し、洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液して洗浄液を装置から抜ききって評価用印刷装置とした。
また、調製したインクを5Pa〜10Paの減圧条件で30分間撹拌することで評価インク中の気体を脱気し、インクカートリッジに充填し評価用インクカートリッジとした。充填動作を行わせ、全ノズルに評価インクが充填され異常画像が出ないことを確認し、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモードを選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印刷モードとした。この印刷モードでベタ画像の記録媒体上へのインク付着量が15g/mとなるようにヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。
<隠蔽性の評価>
−画像の明度評価−
実施例1〜13及び比較例1〜6で用いた各インクを前記インクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)に充填し、マイペーパー(株式会社リコー製、PPC普通紙)上に両面テープで固定したPETフィルムに対して、Microsoft Word2003(Microsoft社製)にて作成した50cm×50cmのベタ画像を印刷した後、80℃で5分間乾燥させた。
この印刷したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印刷した部分を、分光測色濃度計(X−Rite939、X−Rite社製)を用いて、明度(L)を測定した。判定は以下の基準にて行い、Bまでを許容範囲とした。なお、参考として、黒紙の上に未印字のPETフィルムを敷いた状態で測定したL値は28であった。結果を表7に示した。
[評価基準]
A:L値が65以上
B:L値が60以上65未満
C:L値が60未満
<耐アルコール性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜6で用いた各インクを用いて得られたベタ画像に対し、エタノール溶液に浸漬した黒色綿棒で10回擦った。判定は以下の基準にて行い、Bまでを許容範囲とした。結果を表7に示した。
[評価基準]
A:40%エタノール溶液に浸漬した綿棒で擦っても綿棒に色がつかない
B:40%エタノール溶液に浸漬した綿棒で擦ると綿棒に色がつくが、30%エタノール溶液に浸漬した綿棒で擦っても綿棒に色がつかない
C:30%エタノール溶液に浸漬した綿棒で擦ると綿棒に色がつくが、20%エタノール溶液に浸漬した綿棒で擦っても綿棒に色がつかない
D:20%エタノール溶液に浸漬した綿棒で擦ると綿棒に色がつく
<再分散性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜6で用いた各インクを、100mLスクリュー管ビンに各80mL入れた後に密栓し、室温25℃、湿度50%RHの環境下に30日間静置し、上下に30cmの幅で10往復振り、スクリュー管瓶内のインク上澄みを3mL分取した。
上記で得られた実施例1〜13及び比較例1〜6の分取サンプル1gにイオン交換水を加えて5000倍に希釈した。次に、分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3100)を用いて、希釈した各インクの波長500nmにおける吸光度を測定した。このようにして得られた各インクの吸光度と、上記の調整直後の各インクの吸光度を比較して、下記式(1)より吸光度の回復率を求め、以下の基準で評価した。なお、B′までを許容範囲とした。結果を表7に示した。
吸光度の回復率(%)=100×(静置後の吸光度)/(調製直後の吸光度)・・・(1)
[評価基準]
A:回復率が90%以上
B:回復率が85%以上90%未満
B′:回復率が80%以上85%未満
C:回復率が70%以上80%未満
D:回復率が70%未満
<保存安定性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜6で用いた各インクを密閉容器に入れ、70℃の恒温槽で2週間静置し、保存前後の粘度変化率を下記式から求め、各インクの保存安定性を評価した。なお、判定は以下の基準にて行い、Bまでを許容範囲とした。
コーンプレート型回転粘度計(装置名:VISCOMETER TV−22、東機産業株式会社製)を用いて、恒温循環水の温度が25℃、回転数が50rpm、及びせん断速度が191.4sec-1の条件で、保存前後の粘度の測定を行った。結果を表7に示した。
Figure 2021161238
[評価基準]
A:粘度変化率が±5%以内である。
B:粘度変化率が±5%を超え、±10%以内である。
C:粘度変化率が±10%を超える。
<吐出安定性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜6で用いた各インクを、インク吐出装置(装置名:RICOH Pro L4160、株式会社リコー製)に充填し、ヘッドのキャッピングを外した状態で、温度25℃、相対湿度15%の環境下で1時間静置した後、主走査方向に170mm、副走査方向にノズルch幅であり、ヘッド全chを使った1パスノーインターレースのベタ画像を作成した。また、不吐出、及び噴射乱れの有無を目視にて観察し、吐出安定性を評価した。なお、B′までを許容範囲とした。結果を表7に示した。
[評価基準]
A:不吐出、噴射乱れが認められない
B:不吐出は認められないが、若干の噴射乱れが認められ、白筋、黒筋が発生する
B′:10ch未満のノズルで、不吐出が認められるが、許容範囲である
C:10ch以上のノズルで、不吐出が認められる
Figure 2021161238
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 水、有機溶剤、樹脂粒子、第1の無機顔料、及び第2の無機顔料を含有し、
前記第1の無機顔料が粒状酸化チタンであり、
前記第2の無機顔料が、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種であることを特徴とするインクである。
<2> 前記第2の無機顔料が針状酸化チタン及び前記紡錘状酸化チタンの少なくともいずれかを含有する、前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記粒状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が5未満であり、
前記紡錘状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が5以上10未満であり、
前記針状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が10以上である、前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記第2の無機顔料がシリカ粒子を含有する、前記<1>に記載のインクである。
<5> 前記シリカ粒子の個数平均一次粒子径が10nm以上100nm以下である、前記<4>に記載のインクである。
<6> 前記第1の無機顔料の含有量と前記第2の無機顔料の含有量との質量比(第1の無機顔料/第2の無機顔料)が4以上10以下である、前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記樹脂粒子が、アクリル樹脂粒子及びウレタン樹脂粒子の少なくともいずれかである、前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記有機溶剤が水溶性有機溶剤であり、前記水溶性有機溶剤が下記一般式(1)で示されるアミド化合物、アルカンジオール、及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
Figure 2021161238
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<10> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクを収容したインク収容部と、
前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
<11> 記録媒体と、該記録媒体上に印刷層とを有する記録物であって、
前記印刷層は樹脂、第1の無機顔料、及び第2の無機顔料を含有し、
前記第1の無機顔料が粒状酸化チタンであり、
前記第2の無機顔料が、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種であることを特徴とする記録物である。
前記<1>から<8>のいずれかに記載のインク、前記<9>に記載の画像形成方法、前記<10>に記載の画像形成装置、及び前記<11>に記載の記録物によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特許第5672982号公報 特開2014−185235号公報

Claims (11)

  1. 水、有機溶剤、樹脂粒子、第1の無機顔料、及び第2の無機顔料を含有し、
    前記第1の無機顔料が粒状酸化チタンであり、
    前記第2の無機顔料が、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種であることを特徴とするインク。
  2. 前記第2の無機顔料が針状酸化チタン及び前記紡錘状酸化チタンの少なくともいずれかを含有する、請求項1に記載のインク。
  3. 前記粒状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が5未満であり、
    前記紡錘状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が5以上10未満であり、
    前記針状酸化チタンのアスペクト比(平均短軸長さ/平均長軸長さ)が10以上である、請求項1から2のいずれかに記載のインク。
  4. 前記第2の無機顔料がシリカ粒子を含有する、請求項1に記載のインク。
  5. 前記シリカ粒子の個数平均一次粒子径が10nm以上100nm以下である、請求項4に記載のインク。
  6. 前記第1の無機顔料の含有量と前記第2の無機顔料の含有量との質量比(第1の無機顔料/第2の無機顔料)が4以上10以下である、請求項1から5のいずれかに記載のインク。
  7. 前記樹脂粒子が、アクリル樹脂粒子及びウレタン樹脂粒子の少なくともいずれかである、請求項1から6のいずれかに記載のインク。
  8. 前記有機溶剤が水溶性有機溶剤であり、前記水溶性有機溶剤が下記一般式(1)で示されるアミド化合物、アルカンジオール、及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、請求項1から7のいずれかに記載のインク。
    Figure 2021161238
    ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載のインクを収容したインク収容部と、
    前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  11. 記録媒体と、該記録媒体上に印刷層とを有する記録物であって、
    前記印刷層は樹脂、第1の無機顔料、及び第2の無機顔料を含有し、
    前記第1の無機顔料が粒状酸化チタンであり、
    前記第2の無機顔料が、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン及びシリカ粒子から選択される少なくとも1種であることを特徴とする記録物。

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