JP7201948B2 - フルオロポリマーの製造方法、ポリテトラフルオロエチレン組成物及びポリテトラフルオロエチレン粉末 - Google Patents
フルオロポリマーの製造方法、ポリテトラフルオロエチレン組成物及びポリテトラフルオロエチレン粉末 Download PDFInfo
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Description
式 CH2=CR1z-L-R2z
R1zは、水素原子またはアルキル基を表す。Lは、単結合、-CO-O-*、-O-CO-*または-O-を表す。*はR2zとの結合位置を表す。R2zは、水素原子、アルキル基またはニトリル基を表す。
上記レドックス開始剤は、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム/亜硫酸アンモニウム、及び、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記組成物は、pHが5.0以上である水溶液であることが好ましい。
上記ポリテトラフルオロエチレンは、延伸可能なものであることが好ましい。
上記マンガン、臭素及びセリウムからなる群より選択される少なくとも1種の原子は、マンガンであることが好ましい。
本開示のポリテトラフルオロエチレン組成物は、上記マンガンの含有量が0.1質量%以下であることが好ましい。
条件(A):
ポリテトラフルオロエチレン粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピードは、20インチ/分とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むポリテトラフルオロエチレン押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを得る。次に、乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が1.5インチの間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで1000%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。
条件(X):
上記延伸ビードについて、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。
条件(B):
ポリテトラフルオロエチレン粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピードは、20インチ/分とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むポリテトラフルオロエチレン押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを得る。次に、乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が2.0インチの間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで100%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。
条件(X):
上記延伸ビードについて、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。
条件(A):
ポリテトラフルオロエチレン粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピードは、20インチ/分とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むポリテトラフルオロエチレン押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを得る。次に、乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が1.5インチの間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで1000%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。
条件(X):
上記延伸ビードについて、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。
条件(B):
ポリテトラフルオロエチレン粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピードは、20インチ/分とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むポリテトラフルオロエチレン押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを得る。次に、乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が2.0インチの間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで100%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。
条件(X):
上記延伸ビードについて、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。
当該「有機基」の例は、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
シアノ基、
ホルミル基、
RaO-、
RaCO-、
RaSO2-、
RaCOO-、
RaNRaCO-、
RaCONRa-、
RaOCO-、
RaOSO2-、及び、
RaNRbSO2-
(これらの式中、Raは、独立して、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、又は
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
Rbは、独立して、H又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基である)
を包含する。
上記有機基としては、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基が好ましい。
本明細書中、特に断りのない限り、「置換基」は、置換可能な基を意味する。当該「置換基」の例は、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、芳香族スルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、芳香族スルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、芳香族オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、芳香族スルフィニル基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、脂肪族オキシアミノ基、芳香族オキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシホスフィニル基、及び、ジ芳香族オキシホスフィニル基を包含する。
従来、フルオロポリマーを製造するための重合工程においては酸性を示す重合開始剤が使用されていたため、重合で使用される水性媒体のpHは4.0未満であった。本開示者等が鋭意検討したところ、意外なことに、重合に用いる水性媒体のpHを4.0以上にすることによって重合の安定性が向上し、分子量が高いフルオロポリマーを製造することができることが見出された。
本開示の第1の製造方法は、pHが4.0以上の水性媒体中でフルオロモノマーを重合する。上記pHは4.0以上であればよく、4.0超が好ましく、4.5以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、5.5以上が更により好ましく、6.0以上が殊更に好ましく、6.5以上が特に好ましく、7.0以上が特に好ましく、7.5以上が特に好ましく、8.0以上が特に好ましい。上記pHの上限値は特に限定されないが、例えば、13.0以下であってよい。重合槽の腐食の観点からは、12.0以下であることが好ましく、11.5以下であることがより好ましく、11.0以下であることがより好ましい。上記pHは、pHメーターにより測定することができる。
また、水性媒体に溶解させた時に酸性を示す重合開始剤を使用する場合でも、更に、水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物を加えることでpHを4.0以上に調整することもできる。上記アルカリ化合物としては、水に溶けて電離し、OH-を生じる化合物であればよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;アミン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。上記重合工程は、アルカリ化合物を水性媒体に添加する工程を含んでもよい。
例えば、上記重合工程において、ポリマー固形分濃度が3質量%以上である時に、水性媒体のpHが4.0以上であることが好ましい。言い換えると、本開示の第1の製造方法は、炭化水素系界面活性剤及び重合開始剤の存在下、水性媒体中でフルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得る重合工程を含み、上記水性媒体は、ポリマー固形分濃度が3質量%以上である時にpHが4.0以上であることが好ましい。上記水性媒体は、ポリマー固形分濃度が5質量%以上である時にpHが4.0以上であることがより好ましく、ポリマー固形分濃度が8質量%以上である時にpHが4.0以上であることが更に好ましく、ポリマー固形分濃度が10質量%以上である時にpHが4.0以上であることが更により好ましく、ポリマー固形分濃度が15質量%以上である時にpHが4.0以上であることが殊更に好ましく、ポリマー固形分濃度が18質量%以上である時にpHが4.0以上であることが特に好ましく、20質量%以上である時にpHが4.0以上であることがより好ましく、25質量%以上である時にpHが4.0以上であることが更に好ましい。
また、上記重合工程において、ポリマー固形分濃度が25質量%となった時点から重合終了まで水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることが好ましく、20質量%となった時点から重合終了まで水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることがより好ましく、18質量%となった時点から重合終了まで水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることが更に好ましく、15質量%となった時点から重合終了まで水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることが更により好ましく、10質量%となった時点から重合終了まで水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることが殊更に好ましく、8質量%となった時点から重合終了まで水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることが特に好ましく、5質量%となった時点から重合終了まで水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることがより好ましく、3質量%となった時点から重合終了まで水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることが更に好ましい。
また、上記重合工程において、ポリマー固形分濃度が15質量%未満である時に、水性媒体のpHが4.0以上であることも好ましい。上記重合工程において、ポリマー固形分濃度が3質量%以上、15質量%未満である時に、水性媒体のpHが4.0以上であることがより好ましく、5質量%以上、15質量%未満である時に、水性媒体のpHが4.0以上であることがより好ましく、8質量%以上、15質量%未満である時に、水性媒体のpHが4.0以上であることが更に好ましく、10質量%以上、15質量%未満である時に、水性媒体のpHが4.0以上であることが更により好ましい。
また、上記重合工程において、ポリマー固形分濃度が10質量%以上、15質量%までの間、水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることが好ましく、8質量%以上、15質量%までの間、水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることがより好ましく、5質量%以上、15質量%までの間、水性媒体のpHを4.0以上で維持するものであることが更に好ましい。
上記水性媒体のpHは、いずれの場合においても、4.0超が好ましく、4.5以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、5.5以上が更により好ましく、6.0以上が殊更に好ましく、6.5以上が特に好ましく、7.0以上がより好ましく、7.5以上が更に好ましく、8.0以上が更により好ましい。
上記重合工程において、ポリマー固形分濃度が10質量%(好ましくは8質量、より好ましくは5質量%、更に好ましくは3質量%、更により好ましくは重合開始)の時点から、ポリマー固形分濃度が15質量%の時点迄の60%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、更により好ましくは95%以上、殊更に好ましくは99%以上、特に好ましくは100%)の期間で水性媒体のpHが4.0以上であることが好ましい。
上記重合工程において、ポリマー固形分濃度が15質量%の時点から、ポリマー固形分濃度が18質量%(好ましくは20質量%、より好ましくは25質量%)の時点迄の60%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、更により好ましくは95%以上、殊更に好ましくは99%以上、特に好ましくは100%)の期間で水性媒体のpHが4.0以上であることが好ましい。
上記重合工程において、ポリマー固形分濃度が25質量%(好ましくは20質量、より好ましくは18質量%、更に好ましくは15質量%、更により好ましくは10質量%、殊更に好ましくは8質量%、特に好ましくは5質量%、より好ましくは3質量%、更に好ましくは重合開始)の時点から、重合終了時点迄の60%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、更により好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは100%)の期間で水性媒体のpHが4.0以上であることが好ましい。
上記水性媒体のpHは、いずれの場合においても、4.0超が好ましく、4.5以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、5.5以上が更により好ましく、6.0以上が殊更に好ましく、6.5以上が特に好ましく、7.0以上がより好ましく、7.5以上が更に好ましく、8.0以上が更により好ましい。
本開示者等が鋭意検討したところ、意外なことに、アニオン性の炭化水素系界面活性剤が、アニオン性の炭化水素系界面活性剤の塩を含むことによって重合の安定性が向上し、分子量が大きいフルオロポリマーを製造することができることが見出された。
上記アニオン性の炭化水素系界面活性剤については後述する。
上記アニオン性の炭化水素系界面活性剤が、該炭化水素系界面活性剤の塩を含むことは、導電率の測定により確認することができる。
本開示の第2の製造方法において、上記アニオン性の炭化水素系界面活性剤は、アニオン性の炭化水素系界面活性剤の塩の濃度が、アニオン性の炭化水素系界面活性剤の総質量に対して50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が更により好ましく、90質量%以上が殊更に好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
上記塩の割合は、溶液濃度と導電率により測定することができる。
本開示の第2の製造方法において、上記炭化水素系界面活性剤は、カルボン酸型の炭化水素系界面活性剤であることがより好ましい。
アニオン性の炭化水素系界面活性剤の塩において、酸の水素原子を置き換える陽イオン(但し、水素原子を除く)は、例えば、金属原子、NRy 4(Ryは、各々、同一でも異なっていてもよく、H又は有機基である)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウムである。上記RyはH又はアルキル基が好ましく、H又は炭素数1~10のアルキル基がより好ましく、H又は炭素数1~4のアルキル基が更に好ましい。
アニオン性の炭化水素系界面活性剤の塩における上記陽イオンとしては、金属原子、又は、NRy 4が好ましく、NRy 4がより好ましく、NH4が更に好ましい。
導電率は、温度の影響が大きく変化することから、恒温槽を用いて、サンプル液温を25℃に保ち、pHメーターのセルの温度も同じにしてから導電率を測定する。
実質的に有機酸の形態の上記炭化水素系界面活性剤の非存在下とは、有機酸の濃度が得られた水性分散液の質量に対して、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましく、0.05質量%以下が殊更好ましく、0.01質量%以下が特に好ましい。
本明細書中で「有機酸」とは、酸性を示す有機化合物を意味する。有機酸としては、-COOH基を有するカルボン酸や、-SO3H基を有するスルホン酸等が挙げられ、有機酸を含む水溶液のpHを調整するのが容易であるとの観点からカルボン酸が好ましい。
また、「有機酸の形態」とは、有機酸に含まれる酸性基(例えば、-COOH基、-SO3H基等)のHが遊離していない形態である。
本開示の第1の製造方法の場合、上記炭化水素系界面活性剤は、アニオン性の炭化水素系界面活性剤であることが好ましい。
なお、本明細書において、特に断りなく「本開示の製造方法」と記載する場合、第1の製造方法及び第2の製造方法の両方を含む。また、特に断りなく「上記重合工程」と記載する場合、第1の製造方法における重合工程と第2の製造方法における重合工程の両方を含む。
なお、重合は、反応器中の気体フルオロモノマーがフルオロポリマーになり、反応器中の圧力降下が起こる時に開始したということができる。米国特許第3,391,099号明細書(Punderson)には、重合プロセスの2つの別個の段階、まず、核形成部位としてのポリマー核の形成、および次に、確立された粒子の重合を含む成長段階からなる、水性媒体中のテトラフルオロエチレンの分散重合が開示されている。なお、重合は通常、重合されるモノマーと重合開始剤との両方が反応器に充填された時に開始される。また、本開示では、核形成部位の形成に関する添加剤を核形成剤とする。
上記炭化水素系界面活性剤は、例えば、固体(例えば、炭化水素系界面活性剤の粉末)の形態であってもよいし、液体の形態であってもよい。
上記組成物は、炭化水素系界面活性剤を含むものであればよく、炭化水素系界面活性剤のみからなるものであってもよいし、炭化水素系界面活性剤と液状媒体とを含む炭化水素系界面活性剤の溶液又は分散体であってもよい。従って、上記添加工程は、炭化水素系界面活性剤単体又は炭化水素系界面活性剤を含む組成物を重合開始後に添加する工程ということもできる。
炭化水素系界面活性剤は1種類に限定されず、2種類以上の混合物であってもよい。
上記液状媒体としては、水性媒体及び有機溶媒のいずれでもよく、水性媒体及び有機溶媒を組み合わせて用いてもよい。
上記組成物として具体的には、炭化水素系界面活性剤が水性媒体に溶解した水溶液、炭化水素系界面活性剤が水性媒体に分散した水性分散液等が挙げられる。
上記水溶液のpHは、6.0以上がより好ましく、6.5以上が更に好ましく、7.0以上が更により好ましく、7.5以上が殊更に好ましく、8.0以上が特に好ましい。また、pHの上限は特に限定されないが、12.0以下であってよく、また、11.0以下であってもよい。
アニオン性の炭化水素系界面活性剤及びカルボン酸型の炭化水素系界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、後述する炭化水素系界面活性剤の中で例示したアニオン性の炭化水素系界面活性剤及びカルボン酸型炭化水素系界面活性剤を好適に使用できる。
上記重合工程において、炭化水素系界面活性剤を連続的に添加する工程は、水性媒体中に形成されるフルオロポリマーの濃度が0.60質量%未満であるときに、炭化水素系界面活性剤を水性媒体中に添加し始めるものであることが好ましい。上記炭化水素系界面活性剤は、上記濃度が0.50質量%以下であるときに添加し始めることがより好ましく、0.36質量%以下であるときに添加し始めることが更に好ましく、0.30質量%以下であるときに添加し始めることが更により好ましく、0.20質量%以下であるときに添加し始めることが殊更に好ましく、0.10質量%以下であるときに添加し始めることが特に好ましく、重合開始とともに、添加し始めることが最も好ましい。上記濃度は、水性媒体及びフルオロポリマーの合計に対する濃度である。
なお、「水性媒体中に形成されるフルオロポリマーの濃度が0.60質量%未満であるときに、炭化水素系界面活性剤を水性媒体中に添加し始める」場合、フルオロポリマーの濃度が0.60質量%未満である時に、連続的に添加される炭化水素系界面活性剤の少なくとも一部が添加されればよく、0.60質量%以上になった後にも継続して添加されてよい。
上記工程を含むことによって、より平均一次粒子径が小さく、より安定性に優れる水性分散液を得ることができ、分子量がより高いフルオロポリマーを得ることができる。
なお、上記総量は、重合開始時の炭化水素系界面活性剤の量、重合開始後に添加される炭化水素系界面活性剤の合計量であり、重合終了後に添加される炭化水素系界面活性剤の量は含まれない。
例えば、重合温度が10~150℃であることが好ましい。重合温度は、30℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。
重合圧力は0.05~10MPaGであることが好ましい。重合圧力は、0.3MPaG以上がより好ましく、0.5MPaG以上が更に好ましい。また、5.0MPaG以下がより好ましく、3.0MPaG以下が更に好ましい。特に、PTFEの得量を向上させる観点からは、1.0MPaG以上が好ましく、1.2MPaG以上がより好ましく、1.5MPaG以上が更により好ましく、1.8MPaG以上が殊更に好ましく、2.0MPaG以上が特に好ましい。
上記重合開始剤としては、油溶性ラジカル重合開始剤、水溶性ラジカル重合開始剤又はレドックス開始剤を使用できる。
上記重合開始剤の濃度は、モノマーの種類、目的とするフルオロポリマーの分子量、反応速度によって適宜決定される。
重合開始剤の添加量は、特に限定はないが、重合速度が著しく低下しない程度の量(たとえば、数ppm対水濃度)以上を重合の初期に一括して、または逐次的に、または連続して添加すればよい。上限は、装置面から重合反応熱で除熱を行いながら、反応温度を上昇させてもよい範囲であり、より好ましい上限は、装置面から重合反応熱を除熱できる範囲である。
上記酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ジコハク酸パーオキサイド、ジグルタル酸パーオキサイド等の有機過酸化物;過マンガン酸、過マンガン酸アンモニウム、過マンガン酸のアルカリ金属塩(過マンガン酸カリウム等)、過マンガン酸のアルカリ土類金属塩等の過マンガン酸塩;三酢酸マンガン(C6H9MnO6);セリウム硝酸アンモニウム、セリウム硫酸アンモニウム等のセリウム(IV)塩;臭素酸、臭素酸アンモニウム、臭素酸のアルカリ金属塩、臭素酸のアルカリ土類金属塩等の臭素酸又はその塩等が挙げられる。
上記還元剤としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸等のジカルボン酸又はその塩;臭素酸又はその塩;ジイミン;等が挙げられる。ジカルボン酸又はその塩としては、シュウ酸又はその塩が好ましい。臭素酸又はその塩としては、臭素酸カリウムが好ましい。
より好ましくは、酸化剤が、過マンガン酸又はその塩、過硫酸塩、若しくは、臭素酸又はその塩であり、還元剤が、ジカルボン酸又はその塩である。
レドックス開始剤を用いる場合は、酸化剤又は還元剤のいずれかをあらかじめ重合槽に仕込み、ついでもう一方を連続的又は断続的に加えて重合を開始させてもよい。例えば、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウムを用いる場合、重合槽にシュウ酸アンモニウムを仕込み、そこへ過マンガン酸カリウムを連続的に添加することが好ましい。
なお、本明細書のレドックス開始剤において、「過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム」と記載した場合、過マンガン酸カリウムとシュウ酸アンモニウムとの組合せを意味する。他の化合物においても同じである。
上記レドックス開始剤としては、レドックス開始剤水溶液のpHを4.0以上とすることができる酸化剤又は還元剤を使用することが好ましい。上記レドックス開始剤水溶液とは、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、または、還元剤の0.50質量%濃度水溶液を意味する。
すなわち、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、及び、還元剤の0.50質量%濃度水溶液の少なくとも一方のpHが4.0以上であればよく、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、及び、還元剤の0.50質量%濃度水溶液の両方のpHが4.0以上であることが好ましい。
上記レドックス開始剤水溶液(酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、又は、還元剤の0.50質量%濃度水溶液)のpHは、それぞれ、5.0以上がより好ましく、5.5以上が更に好ましく、6.0以上が特に好ましい。
例えば、上記塩である酸化剤は、過硫酸塩、過マンガン酸塩、セリウム(IV)塩及び臭素酸塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、過マンガン酸塩が更に好ましく、過マンガン酸カリウムが特に好ましい。
また、上記塩である還元剤は、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩及び臭素酸塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、シュウ酸塩が更に好ましく、シュウ酸アンモニウムが特に好ましい。
また、上記重合工程でレドックス開始剤を用いることによって、水性分散液中に生成されるフルオロポリマーの粒子数を多くすることができる。また、フルオロポリマーの得量を高くすることもできる。
レドックス開始剤を使用する場合、重合初期に酸化剤と還元剤を一括で添加してもよいし、重合初期に還元剤を一括で添加し、酸化剤を連続して添加してもよいし、重合初期に酸化剤を一括で添加し、還元剤を連続して添加してもよいし、酸化剤と還元剤の両方を連続して添加してもよい。
重合開始剤としてレドックス開始剤を使用する場合、水性媒体に対して、酸化剤の添加量が5~10000ppmであることが好ましく、10~1000ppmであることがより好ましく、還元剤の添加量が5~10000ppmであることが好ましく、10~1000ppmであることがより好ましい。
また、上記重合工程でレドックス開始剤を用いる場合、重合温度は、100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましく、90℃以下が更に好ましい。また、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましい。
この場合、本開示の第1の製造方法において、上記重合工程は、炭化水素系界面活性剤(但し、非イオン性界面活性剤を除く)、核形成剤及び重合開始剤の存在下、pHが4.0以上の水性媒体中で、フルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得るものであってもよい。
本開示の第2の製造方法において、上記重合工程は、アニオン性の炭化水素系界面活性剤、核形成剤及び重合開始剤の存在下、水性媒体中で、フルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得るものであってもよい。
(-CFCF3-CF2-O-)n (1a)
(-CF2-CF2-CF2-O-)n (1b)
(-CF2-CF2-O-)n-(-CF2-O-)m (1c)
(-CF2-CFCF3-O-)n-(-CF2-O-)m (1d)
(式(1a)~(1d)中、m及びnは1以上の整数である。)
CF3-CF2-CF2-O(-CFCF3-CF2-O-)nCFCF3-COOH、CF3-CF2-CF2-O(-CF2-CF2-CF2-O-)n-CF2-CF2COOH、又は、
HOOC-CF2-O(-CF2-CF2-O-)n-(-CF2-O-)mCF2COOH
(式中、m及びnは前記と同じ。)
で表わされる化合物又はそれらの塩であることが好ましい。
R3z-O-A1-H (i)
(式中、R3zは、炭素数8~18の直鎖状若しくは分岐鎖状の1級又は2級アルキル基であり、A1は、ポリオキシアルキレン鎖である。)により表される化合物が挙げられる。
R3zの炭素数は10~16が好ましく、12~16がより好ましい。R3zの炭素数が18以下であると水性分散液の良好な分散安定性が得られやすい。またR3zの炭素数が18を超えると流動温度が高いため取扱い難い。R3zの炭素数が8より小さいと水性分散液の表面張力が高くなり、浸透性やぬれ性が低下しやすい。
水性分散液の粘度および安定性の点からは、オキシエチレン基の平均繰り返し数7~12およびオキシプロピレン基の平均繰り返し数0~2より構成されるポリオキシアルキレン鎖が好ましい。特にA1がオキシプロピレン基を平均して0.5~1.5有すると低起泡性が良好であり好ましい。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン性化合物としては、例えば、下記一般式(ii)
R4z-C6H4-O-A2-H (ii)
(式中、R4zは、炭素数4~12の直鎖状又は分岐鎖状の1級若しくは2級のアルキル基であり、A2は、ポリオキシアルキレン鎖である。)で示される化合物が挙げられる。記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系非イオン性化合物として具体的には、トライトン(登録商標)X-100(商品名、ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
ポリオール化合物の典型例としては、ポリオール単位として1個以上の糖単位を有する化合物が挙げられる。糖単位は、少なくとも1個の長鎖を含有するように変性されてもよい。少なくとも1つの長鎖部分を含有する好適なポリオール化合物としては、例えば、アルキルグリコシド、変性アルキルグリコシド、糖エステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。糖としては、単糖、オリゴ糖、及びソルビタンが挙げられるが、これらに限定されない。単糖としては、五炭糖及び六炭糖が挙げられる。単糖の典型例としては、リボース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、アラビノース、キシロースが挙げられる。オリゴ糖としては、2~10個の同一又は異なる単糖のオリゴマーが挙げられる。オリゴ糖の例としては、サッカロース、マルトース、ラクトース、ラフィノース、及びイソマルトースが挙げられるが、これらに限定されない。
糖系ポリオールは、1個の糖単位又は複数の糖単位を含有してもよい。1個の糖単位又は複数の糖単位は、上述のような長鎖部分で変性されてもよい。糖系ポリオール化合物の特定の例としては、グリコシド、糖エステル、ソルビタンエステル、並びにこれらの混合物及び組み合わせが挙げられる。
上記の式は、ピラノース形態のグルコースを示すアルキルポリグルコシドの特定の例を表すが、他の糖又は同じ糖であるが異なる鏡像異性体又はジアステレオマー形態である糖を用いてもよいことが理解される。
アルキルグルコシドは、例えば、グルコース、デンプン、又はn-ブチルグルコシドと脂肪族アルコールとの酸触媒反応によって入手可能であり、これからは、典型例に、様々なアルキルグルコシドの混合物が得られる(Alkylpolygylcoside,Rompp,Lexikon Chemie,Version 2.0,Stuttgart/New York,Georg Thieme Verlag,1999)。脂肪族アルコールの例としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール(ラウリルアルコール)、テトラデカノール、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、エイコサン酸、及びこれらの組み合わせ挙げられる。また、アルキルグルコシドは、Cognis GmbH,Dusseldorf,Germanyから商品名GLUCOPON又はDISPONILとして市販されている。
RaIxBry
(式中、xおよびyはそれぞれ0~2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、Raは炭素数1~16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1~3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物があげられる。臭素化合物又はヨウ素化合物を使用することによって、ヨウ素または臭素が重合体に導入され、架橋点として機能する。
上記フルオロモノマーとしては、テトラフルオロエチレン[TFE]、ヘキサフルオロプロピレン[HFP]、クロロトリフルオロエチレン[CTFE]、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン[VDF]、トリフルオロエチレン、フルオロアルキルビニルエーテル、フルオロアルキルエチレン、フルオロアルキルアリルエーテル、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン、一般式(100):CHX101=CX102Rf101(式中、X101およびX102は、一方がHであり、他方がFであり、Rf101は炭素数1~12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマー、フッ素化ビニルヘテロ環状体、及び、架橋部位を与えるモノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(110):CF2=CF-ORf111
(式中、Rf111は、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(120):CF2=CF-OCH2-Rf121
(式中、Rf121は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマー、
一般式(130):CF2=CFOCF2ORf131
(式中、Rf131は炭素数1~6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5~6の環式パーフルオロアルキル基、1~3個の酸素原子を含む炭素数2~6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(140):CF2=CFO(CF2CF(Y141)O)m(CF2)nF
(式中、Y141はフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1~4の整数である。nは1~4の整数である。)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(150):CF2=CF-O-(CF2CFY151-O)n-(CFY152)m-A151
(式中、Y151は、フッ素原子、塩素原子、-SO2F基又はパーフルオロアルキル基を表す。パーフルオロアルキル基は、エーテル性の酸素及び-SO2F基を含んでもよい。nは、0~3の整数を表す。n個のY151は、同一であってもよいし異なっていてもよい。Y152は、フッ素原子、塩素原子又は-SO2F基を表す。mは、1~5の整数を表す。m個のY152は、同一であってもよいし異なっていてもよい。A151は、-SO2X151、-COZ151又は-POZ152Z153を表す。X151は、F、Cl、Br、I、-OR151又は-NR152R153を表す。Z151、Z152及びZ153は、同一又は異なって、-NR154R155又は-OR156を表す。R151、R152、R153、R154、R155及びR156は、同一又は異なって、H、アンモニウム、アルカリ金属、フッ素原子を含んでも良いアルキル基、アリール基、若しくはスルホニル含有基を表す。)で表されるフルオロモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(110)で表されるフルオロモノマーとしては、更に、上記一般式(110)において、Rf111が炭素数4~9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基であるもの、Rf111が下記式:
一般式(160):CF2=CF-ORf161
(式中、Rf161は、炭素数1~10のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマーが好ましい。Rf161は、炭素数が1~5のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
一般式(170):CH2=CH-(CF2)n-X171
(式中、X171はH又はFであり、nは3~10の整数である。)で表されるフルオロアルキルエチレンが好ましく、CH2=CH-C4F9、及び、CH2=CH-C6F13からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
一般式(180):CF2=CF-CF2-ORf111
(式中、Rf111は、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるフルオロモノマーが挙げられる。
一般式(180):CX181 2=CX182-Rf 181CHR181X183
(式中、X181及びX182は、独立に、水素原子、フッ素原子又はCH3、Rf 181は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基又はパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、R181は、水素原子又はCH3、X183は、ヨウ素原子又は臭素原子である。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(190):CX191 2=CX192-Rf 191X193
(式中、X191及びX192は、独立に、水素原子、フッ素原子又はCH3、Rf 191は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基又はパーフルオロポリオキシアルキレン基、X193は、ヨウ素原子又は臭素原子である。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(200):CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2)n-X201
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、X201は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は、-CH2Iである。)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(210):CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)m(CF(CF3))n-X211
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、X211は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は-CH2OHである。)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(220):CR221R222=CR223-Z221-CR224=CR225R226
(式中、R221、R222、R223、R224、R225及びR226は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。Z221は、直鎖又は分岐状で酸素原子を有していてもよい、炭素数1~18のアルキレン基、炭素数3~18のシクロアルキレン基、少なくとも部分的にフッ素化している炭素数1~10のアルキレン基若しくはオキシアルキレン基、又は、
-(Q)p-CF2O-(CF2CF2O)m(CF2O)n-CF2-(Q)p-
(式中、Qはアルキレン基又はオキシアルキレン基である。pは0又は1である。m/nが0.2~5である。)で表され、分子量が500~10000である(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。)で表されるモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、グリセロールエステル、それらの誘導体。
上記アニオン性の炭化水素系界面活性剤としては、Rz-L-M(式中、Rzが、置換基を有してもよい炭素数1以上の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は、置換基を有してもよい炭素数3以上の環状のアルキル基であり、炭素数が3以上の場合は1価又は2価の複素環を含んでもよいし、環を形成していてもよい。Lが、-ArSO3 -、-SO3 -、-SO4-、-PO3 -又は-COO-であり、Mが、H、金属原子、NR5z 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウム、R5zは、H又は有機基、-ArSO3 -は、アリールスルホン酸塩である。)によって表されるアニオン性界面活性剤も挙げられる。R5zは、H又は炭素数1~10の有機基が好ましく、H又は炭素数1~4の有機基がより好ましい。具体的には、ラウリル酸、ラウリル硫酸(ドデシル硫酸)などに代表されるようなCH3-(CH2)n-L-M(式中、nが、6~17の整数である。LおよびMが、上記と同じ)によって表されるものが挙げられる。
Rzが、12~16個の炭素原子を有するアルキル基であり、L-Mが、硫酸塩であるものの混合物も使用できる。
上記アニオン性の炭化水素系界面活性剤としては、R6z(-L-M)2(式中、R6zが、置換基を有してもよい炭素数1以上の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又は、置換基を有してもよい炭素数3以上の環状のアルキレン基であり、炭素数が3以上の場合は1価又は2価の複素環を含んでもよいし、環を形成していてもよい。Lが、-ArSO3 -、-SO3 -、-SO4-、-PO3 -又は-COO-であり、Mが、H、金属原子、NR5z 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウム、R5zは、H又は有機基、-ArSO3 -は、アリールスルホン酸塩である。)によって表されるアニオン性界面活性剤も挙げられる。
上記アニオン性の炭化水素系界面活性剤としては、R7z(-L-M)3(式中、R7zが、置換基を有してもよい炭素数1以上の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキリジン基、又は、置換基を有してもよい炭素数3以上の環状のアルキリジン基であり、炭素数が3以上の場合は1価又は2価の複素環を含んでもよいし、環を形成していてもよい。Lが、-ArSO3 -、-SO3 -、-SO4-、-PO3 -又は-COO-であり、Mが、H、金属原子、NR5z 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウム、R5zはH又は有機基である。-ArSO3 -は、アリールスルホン酸塩である。)によって表されるアニオン性界面活性剤も挙げられる。
上記R5zはH又はアルキル基が好ましく、H又は炭素数1~10のアルキル基がより好ましく、H又は炭素数1~4のアルキル基が更に好ましい。
本明細書中、特に断りのない限り、「置換基」は、置換可能な基を意味する。当該「置換基」の例は、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、芳香族スルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、芳香族スルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、芳香族オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、芳香族スルフィニル基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、脂肪族オキシアミノ基、芳香族オキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシホスフィニル基、又は、ジ芳香族オキシホスフィニル基を包含する。
ヒドロカルビル基の炭素原子が、フッ素などのハロゲンによって置換され得る場合に、水素原子によって完全に置換されるという意味では、これらのシロキサン炭化水素系界面活性剤は、炭化水素系界面活性剤とみなすこともでき、すなわち、ヒドロカルビル基の炭素原子上の一価置換基は水素である。
このようなシロキサン炭化水素系界面活性剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサン-グラフト-(メタ)アクリル酸塩、ポリジメチルシロキサン-グラフト-ポリアクリレート塩およびポリジメチルシロキサングラフト化第4級アミンが挙げられる。
シロキサン炭化水素系界面活性剤の親水性部分の極性部分は、ポリエチレンオキシド(PEO)、および混合されたポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドポリエーテル(PEO/PPO)などのポリエーテル;単糖類および二糖類;およびピロリジノンなどの水溶性複素環によって形成される非イオン性基を含み得る。エチレンオキシド対プロピレンオキシド(EO/PO)の比率は、混合されたポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドポリエーテルにおいて変化され得る。
スルホサクシネート界面活性剤としては、スルホコハク酸ジイソデシルNa塩、(ClariantのEmulsogen(登録商標)SB10)、スルホコハク酸ジイソトリデシルNa塩(Cesapinia ChemicalsのPolirol(登録商標)TR/LNA)等が挙げられる。
R100-COOM (α)
(式中、R100は、1個以上の炭素原子を含有する1価の有機基である。Mは、H、金属原子、NR101 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウムであり、R101はH又は有機基であり、同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物(α)が挙げられる。R101の有機基としてはアルキル基が好ましい。R101としてはH又は炭素数1~10の有機基が好ましく、H又は炭素数1~4の有機基がより好ましく、H又は炭素数1~4のアルキル基が更に好ましい。
界面活性能の観点から、R100の炭素数は2個以上が好ましく、3個以上がより好ましい。また、水溶性の観点から、R100の炭素数は、29個以下であることが好ましく、23個以下がより好ましい。
上記Mの金属原子としては、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)等が挙げられ、Na、K又はLiが好ましい。Mとしては、H、金属原子又はNR101 4が好ましく、H、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)又はNR101 4がより好ましく、H、Na、K、Li又はNH4が更に好ましく、Na、K又はNH4が更により好ましく、Na又はNH4が特に好ましく、NH4が最も好ましい。
具体的には、CH3-(CH2)n-COOM(式中、nが、2~28の整数である。Mは上記と同じ)によって表されるものが挙げられる。
上記カルボニル基を含まない炭化水素含有界面活性剤としては、例えば、下記式(A):
R103-COO-M (A)
(式中、R103は、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基又はアルケニレン基であり、これらはエーテル結合を含んでもよい。Mは、H、金属原子、NR101 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。R101は、同一又は異なって、H又は有機基である。)の化合物が好ましく例示される。
上記式(A)において、R103は、アルキル基又はアルケニル基(これらはエーテル基を含んでいてもよい)であることが好ましい。上記R103におけるアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。上記R103の炭素数は限定されないが、例えば、2~29である。
上記アルケニル基が直鎖状である場合、R103の炭素数は2~29であることが好ましく、9~23であることがより好ましい。上記アルケニル基が分岐状である場合、R103の炭素数は2~29であることが好ましく、3~29であることがより好ましく、9~23であることがさらに好ましい。
特に、ラウリン酸、ウンデカン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、及び、これらの塩からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ラウリン酸及びその塩がさらに好ましく、ラウリン酸の塩が特に好ましく、ラウリン酸ナトリウムまたはラウリン酸アンモニウムが最も好ましい。
上記塩としては、カルボキシル基の水素が上述した式Mの金属原子、NR101 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムであるものが挙げられるが特に限定されない。
RX-XX
(式中、RXは、カルボニル基(但し、カルボキシル基中のカルボニル基を除く)を1つ以上有する炭素数1~2000のフッ素非含有有機基であり、XXは、-OSO3XX1、-COOXX1又は-SO3XX1(XX1は、H、金属原子、NRX1 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウムであり、RX1はH又は有機基であり、同一でも異なっていてもよい。))で示される界面活性剤が好ましい。RXは、炭素数が500以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、50以下であることが更に好ましく、30以下であることが更により好ましい。RX1の有機基としてはアルキル基が好ましい。RX1としてはH又は炭素数1~10の有機基が好ましく、H又は炭素数1~4の有機基がより好ましく、H又は炭素数1~4のアルキル基が更に好ましい。
上記特定の炭化水素系界面活性剤としては、下記式(a):
上記アルキル基は、炭素数が3以上の場合、2つの炭素原子間にカルボニル基(-C(=O)-)を含んでもよい。また、上記アルキル基は、炭素数が2以上の場合、上記アルキル基の末端に上記カルボニル基を含むこともできる。すなわち、CH3-C(=O)-で示されるアセチル基等のアシル基も、上記アルキル基に含まれる。
また、上記アルキル基は、炭素数が3以上の場合は1価又は2価の複素環を含むこともできるし、環を形成することもできる。上記複素環としては、不飽和複素環が好ましく、含酸素不飽和複素環がより好ましく、例えば、フラン環等が挙げられる。R1aにおいて、2価の複素環が2つの炭素原子間に挿入されていてもよいし、2価の複素環が末端に位置して-C(=O)-と結合してもよいし、1価の複素環が上記アルキル基の末端に位置してもよい。
上記エステル結合を含む1価の有機基としては、式:-O-C(=O)-R101a(式中、R101aはアルキル基)で示される基が挙げられる。
上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
R2a及びR3aは、独立に、単結合又は炭素数1以上の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基又は炭素数3以上の環状のアルキレン基であることが好ましい。
R2a及びR3aを構成する上記アルキレン基は、カルボニル基を含まないことが好ましい。
上記エステル結合を含む1価の有機基としては、式:-O-C(=O)-R102a(式中、R102aはアルキル基)で示される基が挙げられる。
上記アルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキレン基であることが好ましい。
R1a、R2a及びR3aは、いずれか2つがお互いに結合して、環を形成してもよい。
Xaとしては、H、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)又はNR4a 4が好ましく、水に溶解しやすいことから、H、Na、K、Li又はNH4がより好ましく、水に更に溶解しやすいことから、Na、K又はNH4が更に好ましく、Na又はNH4が特に好ましく、除去が容易であることから、NH4が最も好ましい。XaがNH4であると、上記界面活性剤の水性媒体への溶解性が優れるとともに、PTFE中又は最終製品中に金属成分が残留しにくい。
R11aとしての上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子が官能基により置換されていてもよく、例えば、ヒドロキシ基(-OH)又はエステル結合を含む1価の有機基により置換されていてもよいが、如何なる官能基によっても置換されていないことが好ましい。
上記エステル結合を含む1価の有機基としては、式:-O-C(=O)-R103a(式中、R103aはアルキル基)で示される基が挙げられる。
R11aとしての上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
R12aとしての上記アルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状であってよい。
R12aとしての上記アルキレン基は、カルボニル基を含まないことが好ましい。R12aとしては、エチレン基(-C2H4-)又はプロピレン基(-C3H6-)がより好ましい。
R12aとしての上記アルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子が官能基により置換されていてもよく、例えば、ヒドロキシ基(-OH)又はエステル結合を含む1価の有機基により置換されていてもよいが、如何なる官能基によっても置換されていないことが好ましい。
上記エステル結合を含む1価の有機基としては、式:-O-C(=O)-R104a(式
中、R104aはアルキル基)で示される基が挙げられる。
R12aとしての上記アルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキレン基であることが好ましい。
上記アルキル基は、炭素数が3以上の場合は1価又は2価の複素環を含むこともできるし、環を形成することもできる。上記複素環としては、不飽和複素環が好ましく、含酸素不飽和複素環がより好ましく、例えば、フラン環等が挙げられる。R1bにおいて、2価の複素環が2つの炭素原子間に挿入されていてもよいし、2価の複素環が末端に位置して-C(=O)-と結合してもよいし、1価の複素環が上記アルキル基の末端に位置してもよい。
上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記アルキル基は、如何なる置換基も有していないことが好ましい。
上記アルキル基は、如何なる置換基も有していないことが好ましい。
上記アルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記アルキレン基は、如何なる置換基も有していないことが好ましい。
Xbとしては、H、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)又はNR5b 4が好ましく、水に溶解しやすいことから、H、Na、K、Li又はNH4がより好ましく、水に更に溶解しやすいことから、Na、K又はNH4が更に好ましく、Na又はNH4が特に好ましく、除去が容易であることから、NH4が最も好ましい。XbがNH4であると、上記界面活性剤の水性媒体への溶解性が優れるとともに、PTFE中又は最終製品中に金属成分が残留しにくい。
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
(CH3)3CC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
(CH3)2CHC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
(CH2)5CHC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OCH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)NHCH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2NHC(O)CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)OCH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OC(O)CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3H、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Li、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3K、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3NH4、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH(CH3)2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
(CH3)3CC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
(CH3)2CHC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
(CH2)5CHC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OCH2CH2OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)NHCH2CH2OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2NHC(O)CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)OCH2CH2OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OC(O)CH2CH2OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)OSO3Na、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3H、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Li、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3K、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3NH4、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OSO3Na等が挙げられる。
上記アルキル基は、炭素数が3以上の場合、2つの炭素原子間にカルボニル基(-C(=O)-)を含んでもよい。また、上記アルキル基は、炭素数が2以上の場合、上記アルキル基の末端に上記カルボニル基を含むこともできる。すなわち、CH3-C(=O)-で示されるアセチル基等のアシル基も、上記アルキル基に含まれる。
また、上記アルキル基は、炭素数が3以上の場合は1価又は2価の複素環を含むこともできるし、環を形成することもできる。上記複素環としては、不飽和複素環が好ましく、含酸素不飽和複素環がより好ましく、例えば、フラン環等が挙げられる。R1cにおいて、2価の複素環が2つの炭素原子間に挿入されていてもよいし、2価の複素環が末端に位置して-C(=O)-と結合してもよいし、1価の複素環が上記アルキル基の末端に位置してもよい。
上記エステル結合を含む1価の有機基としては、式:-O-C(=O)-R101c(式中、R101cはアルキル基)で示される基が挙げられる。
上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
R2c及びR3cは、独立に、単結合又は炭素数1以上の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又は炭素数3以上の環状のアルキレン基であることが好ましい。
R2c及びR3cを構成する上記アルキレン基は、カルボニル基を含まないことが好ましい。
上記エステル結合を含む1価の有機基としては、式:-O-C(=O)-R102c(式中、R102cはアルキル基)で示される基が挙げられる。
上記アルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキレン基であることが好ましい。
R1c、R2c及びR3cは、いずれか2つがお互いに結合して、環を形成してもよい。
Xcとしては、H、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)又はNR4c 4が好ましく、水に溶解しやすいことから、H、Na、K、Li又はNH4がより好ましく、水に更に溶解しやすいことから、Na、K又はNH4が更に好ましく、Na又はNH4が特に好ましく、除去が容易であることから、NH4が最も好ましい。XcがNH4であると、上記界面活性剤の水性媒体への溶解性が優れるとともに、PTFE中又は最終製品中に金属成分が残留しにくい。
R11cとしての上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子が官能基により置換されていてもよく、例えば、ヒドロキシ基(-OH)又はエステル結合を含む1価の有機基により置換されていてもよいが、如何なる官能基によっても置換されていないことが好ましい。
上記エステル結合を含む1価の有機基としては、式:-O-C(=O)-R103c(式中、R103cはアルキル基)で示される基が挙げられる。
R11cとしての上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
R12cとしての上記アルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状であってよい。
R12cとしての上記アルキレン基は、カルボニル基を含まないことが好ましい。R12cとしては、エチレン基(-C2H4-)又はプロピレン基(-C3H6-)がより好ましい。
R12cとしての上記アルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子が官能基により置換されていてもよく、例えば、ヒドロキシ基(-OH)又はエステル結合を含む1価の有機基により置換されていてもよいが、如何なる官能基によっても置換されていないことが好ましい。
上記エステル結合を含む1価の有機基としては、式:-O-C(=O)-R104c(式中、R104cはアルキル基)で示される基が挙げられる。
R12cとしての上記アルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキレン基であることが好ましい。
上記アルキル基は、炭素数が3以上の場合は1価又は2価の複素環を含むこともできるし、環を形成することもできる。上記複素環としては、不飽和複素環が好ましく、含酸素不飽和複素環がより好ましく、例えば、フラン環等が挙げられる。R1dにおいて、2価の複素環が2つの炭素原子間に挿入されていてもよいし、2価の複素環が末端に位置して-C(=O)-と結合してもよいし、1価の複素環が上記アルキル基の末端に位置してもよい。
上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記アルキル基は、如何なる置換基も有していないことが好ましい。
上記アルキル基は、如何なる置換基も有していないことが好ましい。
上記アルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記アルキレン基は、如何なる置換基も有していないことが好ましい。
Xdとしては、H、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)又はNR5d 4が好ましく、水に溶解しやすいことから、H、Na、K、Li又はNH4がより好ましく、水に更に溶解しやすいことから、Na、K又はNH4が更に好ましく、Na又はNH4が特に好ましく、除去が容易であることから、NH4が最も好ましい。XdがNH4であると、上記界面活性剤の水性媒体への溶解性が優れるとともに、PTFE中又は最終製品中に金属成分が残留しにくい。
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2COOK、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
(CH3)3CC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
(CH3)2CHC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
(CH2)5CHC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2CH2COONa、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2CH2COONa、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2CH2COONa、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OCH2CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)NHCH2COOK、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2NHC(O)CH2COOK、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)OCH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OC(O)CH2COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)COOH、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)COOLi、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)COONH4、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)COONa、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(CH3)2COOK、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
(CH3)3CC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
(CH3)2CHC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
(CH2)5CHC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)NHCH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2NHC(O)CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(O)OCH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OC(O)CH2SO3Na、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3H、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3K、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3Li、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2SO3NH4、
CH3C(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2C(CH3)2SO3Na
等が挙げられる。
また、Xは、各出現において同一又は異なって、2価の連結基、又は、結合手;
Aは、各出現において同一又は異なって、-COOM、-SO3M又は-OSO3M(Mは、H、金属原子、NR7 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウム、R7は、H又は有機基);
Yは、各出現において同一又は異なって、-S(=O)2-、-O-、-COO-、-OCO-、-CONR8-及び-NR8CO-からなる群より選択される2価の連結基、又は、結合手、R8はH又は有機基;
R6は、各出現において同一又は異なって、カルボニル基、エステル基、アミド基及びスルホニル基からなる群より選択される少なくとも1種を炭素-炭素原子間に含んでもよい炭素数1以上のアルキル基;
を表す。
R1~R5のうち、いずれか2つがお互いに結合して、環を形成してもよい。)で示される界面活性剤(以下、界面活性剤(1)ともいう)が挙げられる。
界面活性剤(1)について説明する。
上記アルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記アルキル基は、如何なる置換基も有していないことが好ましい。
R6がカルボニル基、エステル基、アミド基及びスルホニル基のいずれをも含まない場合は、Xはカルボニル基、エステル基、アミド基及びスルホニル基からなる群より選択される少なくとも1種を含む2価の連結基であることが好ましい。
上記金属原子としては、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)等が挙げられ、Na、K又はLiが好ましい。
一般式:-R10-CO-R11で示される基、
一般式:-R10-COO-R11で示される基、
一般式:-R11で示される基、
一般式:-R10-NR8CO-R11で示される基、又は、
一般式:-R10-CONR8-R11で示される基、
(式中、R8はH又は有機基を表す。R10はアルキレン基、R11は置換基を有してもよいアルキル基)が好ましい。
R6としては、一般式:-R10-CO-R11で示される基がより好ましい。
基が更に好ましく、Hが更により好ましい。
-COOM、
-R12COOM、
-SO3M、
-OSO3M、
-R12SO3M、
-R12OSO3M、
-OCO-R12-COOM、
-OCO-R12-SO3M、
-OCO-R12-OSO3M
-COO-R12-COOM、
-COO-R12-SO3M、
-COO-R12-OSO3M、
-CONR8-R12-COOM、
-CONR8-R12-SO3M、
-CONR8-R12-OSO3M、
-NR8CO-R12-COOM、
-NR8CO-R12-SO3M、
-NR8CO-R12-OSO3M、
-OS(=O)2-R12-COOM、
-OS(=O)2-R12-SO3M、又は
-OS(=O)2-R12-OSO3M
(式中、R8及びMは、上記のとおり。R12はC1-10のアルキレン基。)が好ましい。
上記R12のアルキレン基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキレン基であることが好ましい。
一般式:-R10-CO-R11で示される基、
一般式:-OCO-R10-CO-R11で示される基、
一般式:-COO-R10-CO-R11で示される基、
一般式:-OCO-R10-COO-R11で示される基、
一般式:-COO-R11で示される基、
一般式:-NR8CO-R10-CO-R11で示される基、又は、
一般式:-CONR8-R10-NR8CO-R11で示される基
(式中、R8、R10及びR11は上記のとおり。)が好ましい。
上記R4及びR5のアルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記R3のアルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記R2のアルキル基は、炭素原子に結合した水素原子の75%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、50%以下がハロゲン原子により置換されていてもよく、25%以下がハロゲン原子により置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含まない非ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
XAは、各出現において同一又は異なって、2価の炭化水素基、又は、結合手;
Aは、各出現において同一又は異なって、-COOM(Mは、H、金属原子、NR7 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウム、R7は、H又は有機基);
R1A~R5Aのうち、いずれか2つがお互いに結合して、環を形成してもよい。)で示される界面活性剤(1-0A)等も挙げられる。
式中、XAにおいて、2価の炭化水素基の炭素数は1~50であることが好ましく、5~20であることがより好ましい。上記2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アルカンジイル基等が挙げられ、アルキレン基が好ましい。
また、一般式(1-0A)で表される脂肪族型のカルボン酸型炭化水素系界面活性剤は2鎖2親水基型合成界面活性剤であってもよく、例えば、ジェミニ型界面活性剤として、ジェミニサ-フ(中京油脂株式会社)、Gemsurf α142(炭素数12 ラウリル基)、Gemsurf α102(炭素数10)、Gemsurf α182(炭素数14)等が挙げられる。
上記ラジカル処理とは、上記炭化水素系界面活性剤にラジカルを発生させる処理であればよく、例えば、反応器に、脱イオン水、炭化水素系界面活性剤を加え、反応器を密閉し、系内を窒素で置換し、反応器を昇温・昇圧した後、重合開始剤を仕込み、一定時間撹拌した後、反応器を大気圧になるまで脱圧を行い、冷却を行う処理である。上記酸化処理とは、炭化水素系界面活性剤に酸化剤を添加させる処理である。酸化剤としては、例えば、酸素、オゾン、過酸化水素水、酸化マンガン(IV)、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム、硝酸、二酸化硫黄などが挙げられる。ラジカル処理または酸化処理を促進するために、ラジカル処理または酸化処理をpHが調整された水溶液中で行ってもよい。ラジカル処理または酸化処理を行うための水溶液のpHは7未満であることが好ましく、たとえば、硫酸、硝酸、塩酸などを用いて、水溶液のpHを調整できる。
カルボン酸型炭化水素系界面活性剤としては、脂肪族型のカルボン酸型炭化水素系界面活性剤であってもよいし、脂肪族型以外のカルボン酸型炭化水素系であってもよい。
なお、本明細書では、「脂肪族型のカルボン酸型炭化水素系界面活性剤」とは、カルボニル基(但し、カルボキシル基及びエステル基中のカルボニル基を除く)を含まないカルボン酸型の炭化水素系界面活性剤を意味する。
なお、上記エステル基は、-COO-又は-OCO-で示される基を意味する。
上記化合物(α)には、上述した式:R102-COOM(式中、R102及びMは上記と同じ。)によって表されるアニオン性の炭化水素系界面活性剤(好ましくは、式(A)で表される化合物)だけでなく、上述した式:Rz-L-M(式中、Rz、L及びMは上記と同じ)によって表されるアニオン性界面活性剤、上記界面活性剤(c)及び上記界面活性剤(d)のうち、カルボキシル基(-COOH)又はカルボキシル基の水素原子が無機陽イオン(例えば、金属原子、アンモニウム等)で置換された基を有するもの等も含まれる。
特に、ラウリン酸、ウンデカン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、及び、これらの塩、並びに、これらの化合物にラジカル処理または酸化処理を行ったものからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ラウリン酸及びその塩、並びに、これらの化合物にラジカル処理または酸化処理を行ったものからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ラウリン酸の塩及びこれにラジカル処理または酸化処理を行ったものからなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましく、ラウリン酸ナトリウム及びこれにラジカル処理または酸化処理を行ったものからなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましい。上記塩としては、カルボキシル基の水素が上述した式Mの金属原子、NR101 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムであるものが挙げられるが特に限定されない。
従来、フルオロポリマーの重合には含フッ素界面活性剤が使用されてきたが、本開示の製造方法は、含フッ素界面活性剤を使用しなくても高分子量のフルオロポリマーを得ることができる。
本明細書において「実質的に含フッ素界面活性剤の非存在下に」とは、水性媒体に対して含フッ素界面活性剤が10ppm以下であることを意味し、好ましくは1ppm以下であり、より好ましくは100ppb以下であり、更に好ましくは10ppb以下であり、更により好ましくは1ppb以下である。
上記アニオン性含フッ素界面活性剤は、例えば、アニオン性基を除く部分の総炭素数が20以下のフッ素原子を含む界面活性剤であってよい。
なお、上記「アニオン性部分」は、上記含フッ素界面活性剤のカチオンを除く部分を意味する。例えば、後述する式(I)で表されるF(CF2)n1COOMの場合には、「F(CF2)n1COO」の部分である。
上記LogPOWは、カラム;TOSOH ODS-120Tカラム(φ4.6mm×250mm、東ソー(株)製)、溶離液;アセトニトリル/0.6質量%HClO4水=1/1(vol/vol%)、流速;1.0ml/分、サンプル量;300μL、カラム温度;40℃、検出光;UV210nmの条件で、既知のオクタノール/水分配係数を有する標準物質(ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸及びデカン酸)についてHPLCを行い、各溶出時間と既知のオクタノール/水分配係数との検量線を作成し、この検量線に基づき、試料液におけるHPLCの溶出時間から算出する。
Xn0-Rfn0-Y0 (N0)
(式中、Xn0は、H、Cl又は及びFである。Rfn0は、炭素数3~20で、鎖状、分枝鎖状または環状で、一部または全てのHがFにより置換されたアルキレン基であり、該アルキレン基は1つ以上のエーテル結合を含んでもよく、一部のHがClにより置換されていてもよい。Y0はアニオン性基である。)で表される化合物が挙げられる。
Y0のアニオン性基は、-COOM、-SO2M、又は、-SO3Mであってよく、-COOM、又は、-SO3Mであってよい。
Mは、H、金属原子、NR8y 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウムであり、R8yは、H又は有機基である。
上記金属原子としては、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)等が挙げられ、例えば、Na、K又はLiである。
R8yにおける有機基としてはアルキル基が好ましい。
R8yとしては、H又はC1-10の有機基であってよく、H又はC1-4の有機基であってよく、H又はC1-4のアルキル基であってよい。
Mは、H、金属原子又はNR8y 4であってよく、H、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)又はNR8y 4であってよく、H、Na、K、Li又はNH4であってよい。
上記Rfn0は、Hの50%以上がフッ素に置換されているものであってよい。
下記一般式(N1):
Xn0-(CF2)m1-Y0 (N1)
(式中、Xn0は、H、Cl及びFであり、m1は3~15の整数であり、Y0は、上記定義したものである。)で表される化合物、下記一般式(N2):
Rfn1-O-(CF(CF3)CF2O)m2CFXn1-Y0 (N2)
(式中、Rfn1は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基であり、m2は、0~3の整数であり、Xn1は、F又はCF3であり、Y0は、上記定義したものである。)で表される化合物、下記一般式(N3):
Rfn2(CH2)m3-(Rfn3)q-Y0 (N3)
(式中、Rfn2は、炭素数1~13のエーテル結合を含み得る、部分または完全フッ素化されたアルキル基であり、m3は、1~3の整数であり、Rfn3は、直鎖状又は分岐状の炭素数1~3のパーフルオロアルキレン基であり、qは0又は1であり、Y0は、上記定義したものである。)で表される化合物、下記一般式(N4):
Rfn4-O-(CYn1Yn2)pCF2-Y0 (N4)
(式中、Rfn4は、炭素数1~12のエーテル結合を含み得る直鎖状または分枝鎖状の部分または完全フッ素化されたアルキル基であり、Yn1及びYn2は、同一若しくは異なって、H又はFであり、pは0又は1であり、Y0は、上記定義したものである。)で表される化合物、及び、下記一般式(N5):
F(CF2)n1COOM (I)
(式中、n1は、3~14の整数であり、Mは、H、金属原子、NR8y 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウムであり、R8yは、H又は有機基である。)で表されるものである。
H(CF2)n2COOM (II)
(式中、n2は、4~15の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Rf1-O-(CF(CF3)CF2O)n3CF(CF3)COOM (III)
(式中、Rf1は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基であり、n3は、0~3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Rf2(CH2)n4Rf3COOM (IV)
(式中、Rf2は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基であり、Rf3は、直鎖状又は分岐状の炭素数1~3のパーフルオロアルキレン基、n4は、1~3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Rf4-O-CY1Y2CF2-COOM (V)
(式中、Rf4は、炭素数1~12のエーテル結合を含み得る直鎖状または分枝鎖状の部分または完全フッ素化されたアルキル基であり、Y1及びY2は、同一若しくは異なって、H又はFであり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
F(CF2)n5SO3M (VI)
(式中、n5は、3~14の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
H(CF2)n6SO3M (VII)
(式中、n6は、4~14の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Rf5(CH2)n7SO3M (VIII)
(式中、Rf5は、炭素数1~13のパーフルオロアルキル基であり、n7は、1~3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Rf6(CH2)n8COOM (IX)
(式中、Rf6は、炭素数1~13のエーテル結合を含み得る直鎖状または分岐鎖状の部分または完全フッ素化されたアルキル基であり、n8は、1~3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Rf7-O-Rf8-O-CF2-COOM (X)
(式中、Rf7は、炭素数1~6のエーテル結合を含み得る直鎖状または分枝鎖状の部分または完全フッ素化されたアルキル基であり、Rf8は、炭素数1~6の直鎖状または分枝鎖状の部分または完全フッ素化されたアルキル基であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Rf9-O-CY1Y2CF2-SO3M (XI)
(式中、Rf9は、炭素数1~12のエーテル結合を含み得る直鎖状または分枝鎖状であって、塩素を含んでもよい、部分または完全フッ素化されたアルキル基であり、Y1及びY2は、同一若しくは異なって、H又はFであり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Y0は、-COOM、-SO2M、又は、-SO3Mであってよく、-SO3M、又は、COOMであってよい(式中、Mは上記定義したものである。)。
Lとしては、例えば、単結合、炭素数1~10のエーテル結合を含みうる部分又は完全フッ素化されたアルキレン基が挙げられる。
Rf11-O-(CF2CF(CF3)O)n9(CF2O)n10CF2COOM (XIII)
(式中、Rf11は、塩素を含む炭素数1~5のフルオロアルキル基であり、n9は、0~3の整数であり、n10は、0~3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。化合物(XIII)としては、CF2ClO(CF2CF(CF3)O)n9(CF2O)n10CF2COONH4(平均分子量750の混合物、式中、n9およびn10は上記定義したものである。)が挙げられる。
本開示の製造方法は、フルオロポリマー水性分散液を得るものであってもよい。本開示の製造方法で得られるフルオロポリマー水性分散液は、重合工程で得られる水性分散液そのままであってもよいし、重合工程で得られる水性分散液を処理したものであってもよい。
本開示の製造方法は、重合工程で得られたフルオロポリマー水性分散液に水を添加して希釈する工程を含んでもよい。例えば、上記希釈により、上記固形分濃度が10.0~25.0質量%になるように希釈することができる。
未凝析分を少なくする観点から、上記固形分濃度は10.0~25.0質量%であることも好ましく、10.0~22.0質量%が好ましく、10.0~20.0質量%がより好ましい。
なお、上記重合工程で得られるフルオロポリマー水性分散液中のフルオロポリマー固形分濃度は、およそ8~45質量%であるので、フルオロポリマー固形分濃度が高い場合は、水等の希釈溶媒を添加して8~25質量%に調整してもよい。また、乳化重合後のフルオロポリマー水性分散液中のフルオロポリマー固形分濃度が8~25質量%である場合は、フルオロポリマー水性分散液を、そのままフルオロポリマー水性分散液として用いることができる。
フルオロポリマー粉末の平均粒子径(平均二次粒子径)を調整するために、凝析用フルオロポリマー水性分散液の温度を3~80℃にすることも好ましい。
上記含フッ素界面活性剤量は、公知な方法で定量できる。例えば、LC/MS/MS分析にて定量することが出来る。まず、得られた水性分散液をメタノールの有機溶剤に抽出し、抽出液をLC/MS/MSスペクトルから、分子量情報を抜出し、候補となる界面活性剤の構造式との一致を確認する。
その後、確認された界面活性剤を5水準以上の濃度の水溶液を作成し、それぞれの濃度のLC/MS/MS分析を行ない、エリア面積との検量線を作成する。
得られた水性分散液をメタノールにてソックスレー抽出を行ない、抽出液をLC/MS/MS分析を行なうことで定量測定することが出来る。
すなわち、含フッ素界面活性剤の含有量は、例えば、LC/MS/MS分析にて定量することができる。まず、水性分散液にメタノールを加え、抽出を行ない、得られた抽出液をLC/MS/MS分析する。さらに抽出効率を高めるために、ソックスレー抽出、超音波処理等による処理を行ってもよい。得られたLC/MS/MSスペクトルから、分子量情報を抜出し、候補となる含フッ素界面活性剤の構造式との一致を確認する。その後、確認された含フッ素界面活性剤の5水準以上の含有量の水溶液を作製し、それぞれの含有量の水溶液のLC/MS/MS分析を行ない、含有量と、その含有量に対するエリア面積と関係をプロットし、検量線を描く。そして、検量線を用いて、抽出液中の含フッ素界面活性剤のLC/MS/MSクロマトグラムのエリア面積を、含フッ素界面活性剤の含有量に換算することができる。
上記含フッ素界面活性剤としては、上述した本開示の製造方法において例示したものと同じである。例えば、アニオン性基を除く部分の総炭素数が20以下のフッ素原子を含む界面活性剤であってよく、アニオン性部分の分子量が800以下のフッ素を含む界面活性剤であってよく、LogPOWが3.5以下の含フッ素界面活性剤であってよい。
上記アニオン性含フッ素界面活性剤としては、上記一般式(N0)で表される化合物が挙げられ、具体的には、一般式(N1)で表される化合物、一般式(N2)で表される化合物、一般式(N3)で表される化合物、一般式(N4)で表される化合物、及び、一般式(N5)で表される化合物が挙げられる。より具体的には、一般式(I)で表されるパーフルオロカルボン酸(I)、一般式(II)で表されるω-Hパーフルオロカルボン酸(II)、一般式(III)で表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)、一般式(IV)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)、一般式(V)で表されるパーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)、一般式(VI)で表されるパーフルオロアルキルスルホン酸(VI)、一般式(VII)で表されるω-Hパーフルオロスルホン酸(VII)、一般式(VIII)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VIII)、一般式(IX)で表されるアルキルアルキレンカルボン酸(IX)、一般式(X)で表されるフルオロカルボン酸(X)、一般式(XI)で表されるアルコキシフルオロスルホン酸(XI)、一般式(XII)で表される化合物(XII)、一般式(XIII)で表される化合物(XIII)等が挙げられる。
上記平均一次粒子径は、動的光散乱法により測定することが出来る。上記平均一次粒子径は、フルオロポリマー固形分濃度約1.0質量%に調整したフルオロポリマー水性分散液を作成し、動的光散乱法を使用して25℃、溶媒(水)の屈折率は1.3328、溶媒(水)の粘度は0.8878mPa・s、積算70回にて測定できる。動的光散乱法としては、例えばELSZ-1000S(大塚電子株式会社製)が使用できる。
上記フルオロポリマー水性分散液における炭化水素系界面活性剤の含有量の下限値は、フルオロポリマーに対して10ppbであることが好ましく、100ppbであることがより好ましく、1ppmであることが更に好ましく、10ppmであることが更により好ましく、50ppmであることが特に好ましい。上限値は、フルオロポリマーに対して100000ppmであることが好ましく、50000ppmであることがより好ましく、10000ppmであることが更に好ましく、5000ppmであることが更に好ましい。
フルオロポリマー水性分散液における炭化水素系界面活性剤の含有量は、たとえば、フルオロポリマー水性分散液を、高速遠心分離機を用いて遠心分離し、得られた上澄み水を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析装置で測定することにより求めることができる。
上記非イオン性界面活性剤は、特に限定されるものではないが、上述した核形成剤として記載したものを用いることができる。
上記陰イオン交換樹脂は、特に限定されるものではないが、公知のものを用いることができる。また、上記陰イオン交換樹脂と接触させる方法は、公知の方法を用いることができる。
上記フルオロポリマー水性分散液は、上記重合工程により得られた水性分散液に工程(A)を行ない、工程(A)で得られた水性分散液に工程(B)を行なって製造することができる。また、工程(A)を行なわずに、工程(B)を行ない製造することもできる。また、工程(A)及び工程(B)を繰り返し行うこともできるし、組み合わせることも可能である。
上記分散安定剤としては、上記非イオン性界面活性剤や、その他の各種の界面活性剤を添加してもよい。
上記非イオン性界面活性剤としては、上述した核形成剤として例示した非イオン性界面活性剤と同じであり、上述した非イオン性界面活性剤を適宜採用できる。上記非イオン性界面活性剤は、芳香族部分を含まないことが好ましい。
また、非イオン性界面活性剤の曇点は、水への界面活性剤の溶解性の尺度である。本開示の水性分散液中で使用される界面活性剤は、曇点約30℃~約90℃、好ましくは約35℃~約85℃を有する。
上記フルオロポリマー水性分散液に対して凝集を行う場合、通常、ポリマーラテックス等の重合により得た水性分散液を、水を用いて10~25質量%のポリマー濃度になるように希釈し、場合によっては、pHを酸性、中性又はアルカリ性に調整した後、撹拌機付きの容器中で反応中の撹拌よりも激しく撹拌して行う。上記凝集は、メタノール、アセトン等の水溶性有機化合物、硝酸カリウム、炭酸アンモニウム等の無機塩や、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸等を凝析剤として添加しながら撹拌を行ってもよい。上記凝集は、また、インラインミキサー等を使用して連続的に行ってもよい。
上記凝析前や凝析中に、着色のための顔料や機械的性質を改良するための各種充填剤を添加することにより、顔料や充填剤が均一に混合した顔料入り又は充填剤入りのフルオロポリマーの粉末を得ることもできる。
例えば、フルオロポリマーがPTFEである場合、粉末同士の、特に高温での摩擦は、一般にファインパウダー型のPTFEに好ましくない影響を与える。これは、この種のPTFEからなる粒子が小さな剪断力によっても簡単にフィブリル化して、元の安定な粒子構造の状態を失う性質を持っているからである。上記乾燥は、10~300℃(より好適には10~250℃)、好ましくは100~300℃(より好適には100~250℃)の乾燥温度で行うことができる。
本明細書において、フィブリル化性の有無は、TFEの乳化重合体から作られた粉末(ファインパウダー)である「高分子量PTFE粉末」を成形する代表的な方法である「ペースト押出し」で判断できる。通常、ペースト押出しが可能であるのは、高分子量PTFE粉末がフィブリル化性を有するからである。ペースト押出しで得られた未焼成の成形物に実質的な強度や伸びがない場合、例えば伸びが0%で引っ張ると切れるような場合はフィブリル化性がないとみなすことができる。
上記炭化水素系界面活性剤量は、例えば、粉末を、水/メタノール混合水溶液(1/1vol)にて抽出し、エバポレーターを用いて得られた抽出液からメタノールを除去し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析装置で測定することにより求めることができる。
上記含フッ素界面活性剤量は、公知な方法で定量できる。例えば、LC/MS/MS分析にて定量することが出来る。まず、得られた粉末をメタノールの有機溶剤に抽出し、抽出液をLC/MS/MSスペクトルから、分子量情報を抜出し、候補となる界面活性剤の構造式との一致を確認する。
その後、確認された界面活性剤を5水準以上の濃度の水溶液を作成し、それぞれの濃度のLC/MS/MS分析を行ない、エリア面積との検量線を作成する。
得られた粉末をメタノールにてソックスレー抽出を行ない、抽出液をLC/MS/MS分析を行なうことで定量測定することが出来る。
すなわち、含フッ素界面活性剤の含有量は、例えば、LC/MS/MS分析にて定量することができる。まず、メタノールに得られた粉末を加え、抽出を行ない、得られた抽出液をLC/MS/MS分析する。さらに抽出効率を高めるために、ソックスレー抽出、超音波処理等による処理を行ってもよい。得られたLC/MS/MSスペクトルから、分子量情報を抜出し、候補となる含フッ素界面活性剤の構造式との一致を確認する。その後、確認された含フッ素界面活性剤の5水準以上の含有量の水溶液を作製し、それぞれの含有量の水溶液のLC/MS/MS分析を行ない、含有量と、その含有量に対するエリア面積と関係をプロットし、検量線を描く。そして、検量線を用いて、抽出液中の含フッ素界面活性剤のLC/MS/MSクロマトグラムのエリア面積を、含フッ素界面活性剤の含有量に換算することができる。
上記含フッ素界面活性剤としては、上述した製造方法において例示したものと同じである。例えば、アニオン性基を除く部分の総炭素数が20以下のフッ素原子を含む界面活性剤であってよく、アニオン性部分の分子量が800以下のフッ素を含む界面活性剤であってよく、LogPOWが3.5以下の含フッ素界面活性剤であってよい。
上記アニオン性含フッ素界面活性剤としては、上記一般式(N0)で表される化合物が挙げられ、具体的には、一般式(N1)で表される化合物、一般式(N2)で表される化合物、一般式(N3)で表される化合物、一般式(N4)で表される化合物、及び、一般式(N5)で表される化合物が挙げられる。より具体的には、一般式(I)で表されるパーフルオロカルボン酸(I)、一般式(II)で表されるω-Hパーフルオロカルボン酸(II)、一般式(III)で表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)、一般式(IV)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)、一般式(V)で表されるパーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)、一般式(VI)で表されるパーフルオロアルキルスルホン酸(VI)、一般式(VII)で表されるω-Hパーフルオロスルホン酸(VII)、一般式(VIII)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VIII)、一般式(IX)で表されるアルキルアルキレンカルボン酸(IX)、一般式(X)で表されるフルオロカルボン酸(X)、一般式(XI)で表されるアルコキシフルオロスルホン酸(XI)、一般式(XII)で表される化合物(XII)、及び、一般式(XIII)で表される化合物(XIII)等が挙げられる。
上記排水中の未凝集の上記フルオロポリマー濃度は、生産性の観点から低いことが好ましく、0.4質量%未満がより好ましく、0.3質量%未満が特に好ましい。
(式)
フッ素置換率(%)=(フルオロポリマーを構成する炭素原子に結合するフッ素原子の個数)/((フルオロポリマーを構成する炭素原子に結合する水素原子の個数)+(フルオロポリマーを構成する炭素原子に結合するフッ素原子及び塩素原子の個数))×100
コア:TFE単独重合体 シェル:TFE単独重合体
コア:変性PTFE シェル:TFE単独重合体
コア:変性PTFE シェル:変性PTFE
コア:TFE単独重合体 シェル:変性PTFE
コア:低分子量PTFE シェル:高分子量PTFE
コア:高分子量PTFE シェル:低分子量PTFE
本開示の製造方法において、TFEの重合は、通常、重合温度10~150℃、重合圧力0.05~5MPaGにて行われる。例えば、重合温度は、30℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。また、重合圧力は、0.3MPaG以上がより好ましく、0.5MPaG以上が更に好ましく、また、5.0MPaG以下がより好ましく、3.0MPaG以下が更に好ましい。特に、フルオロポリマーの得量を向上させる観点からは、1.0MPaG以上が好ましく、1.2MPaG以上がより好ましく、1.5MPaG以上が更に好ましく、2.0MPaG以上がより好ましい。
本明細書において、上記変性モノマー単位とは、PTFEの分子構造の一部分であって変性モノマーに由来する部分を意味する。
また、PTFEを構成する各単量体単位の含有量は、重合に用いた変性モノマーの添加量から計算により求めることもできる。
CH2=CRQ1-LRQ2
(式中、RQ1は、水素原子またはアルキル基を表す。Lは、単結合、-CO-O-*、-O-CO-*または-O-を表す。*はRQ2との結合位置を表す。RQ2は、水素原子、アルキル基またはニトリル基を表す。)で表されるモノマーが挙げられる。
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
一般式:CF2=CF-CF2-ORf
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるフルオロモノマーが挙げられる。
CH2=CH-Rf1 (3a)
(式中、Rf1は炭素数が1~10のパーフルオロアルキル基である。)
CF2=CF-O-Rf2 (3b)
(式中、Rf2は炭素数が1~2のパーフルオロアルキル基である。)
CF2=CF-O-(CF2)nCF=CF2 (3c)
(式中、nは1又は2である。)
より好ましくは、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン、及び、(パーフルオロオクチル)エチレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことである。
上記ヘキサフルオロプロピレン単位、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位及び(パーフルオロアルキル)エチレン単位の合計量は、PTFEの全重合単位に対して、0.00001~1質量%の範囲であることが好ましい。上記合計量の下限としては、0.0001質量%がより好ましく、0.0005質量%がより好ましく、0.001質量%が更に好ましい。上限としては、0.50質量%がより好ましく、0.40質量%が更に好ましく、0.30質量%が更により好ましく、0.10質量%が殊更に好ましく、0.08質量%が特に好ましく、0.05質量%が特に好ましく、0.01質量%が特に好ましい。
上記変性モノマー(A)の使用量は、上記範囲であればよいが、例えば、上限を5000ppmとすることができる。また、上記製造方法では、反応中または反応後の水性分散液の安定性を向上させるために、反応途中で変性モノマー(A)を系中に追加してもよい。
R7yにおける有機基としてはアルキル基が好ましい。R7yとしては、H又はC1-10の有機基が好ましく、H又はC1-4の有機基がより好ましく、H又はC1-4のアルキル基が更に好ましい。
上記金属原子としては、1、2価の金属原子が挙げられ、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)等が挙げられ、Na、K又はLiが好ましい。
CXeXg=CXfR-
(式中、Xe、Xf及びXgは、それぞれ独立して、F、Cl、H、CF3、CF2H、CFH2、又は、CH3であり;Rは連結基である。)で示すことができる。Rの連結基としては後述するRaとしての連結基が挙げられる。好ましくは-CH=CH2、-CF=CH2、-CH=CF2、-CF=CF2、-CH2-CH=CH2、-CF2-CF=CH2、-CF2-CF=CF2、-(C=O)-CH=CH2、-(C=O)-CF=CH2、-(C=O)-CH=CF2、-(C=O)-CF=CF2、-(C=O)-C(CH3)=CH2、-(C=O)-C(CF3)=CH2、-(C=O)-C(CH3)=CF2、-(C=O)-C(CF3)=CF2、-O-CH2-CH=CH2、-O-CF2-CF=CH2、-O-CH2-CH=CF2、-O-CF2-CF=CF2等の不飽和結合を有する基が挙げられる。
CXiXk=CXjRa-(CZ1Z2)k-Y3 (4)
(式中、Xi、Xj及びXkは、それぞれ独立して、F、Cl、H又はCF3であり;Y3は、親水基であり;Raは連結基であり;Z1及びZ2は、それぞれ独立して、H、F又はCF3であり、kは0又は1である)で表される化合物が好ましい。
上記親水基としては、例えば、-NH2、-PO3M、-P(O)(OM)2、-OPO3M、-OP(O)(OM)2、-SO3M、-OSO3M、-COOM(各式において、Mは、H、金属原子、NR7y 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウム、R7yは、H又は有機基であり、同一でも異なっていてもよい。いずれか2つがお互いに結合して、環を形成してもよい。)が挙げられる。上記親水基としては、なかでも、-SO3M又は-COOMが好ましい。R7yにおける有機基としてはアルキル基が好ましい。R7yとしては、H又はC1-10の有機基が好ましく、H又はC1-4の有機基がより好ましく、H又はC1-4のアルキル基が更に好ましい。上記金属原子としては、1、2価の金属原子が挙げられ、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)等が挙げられ、Na、K又はLiが好ましい。
上記変性モノマー(A)を用いることによって、より平均一次粒子径が小さく、より安定性に優れる水性分散液を得ることができる。また、一次粒子のアスペクト比をより小さくすることもできる。
上記連結基は、鎖状又は分岐状、環状又は非環状構造、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよく、所望により硫黄、酸素、及び窒素からなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、所望によりエステル、アミド、スルホンアミド、カルボニル、カーボネート、ウレタン、尿素及びカルバメートからなる群から選択される1つ以上の官能基を含んでよい。上記連結基は、炭素原子を含まず、酸素、硫黄又は窒素等のカテナリーヘテロ原子であってもよい。
Raが2価の有機基である場合、炭素原子に結合する水素原子は、フッ素以外のハロゲン、例えば塩素等で置き換えられてもよく、二重結合を含んでも含まなくてもよい。また、Raは、鎖状及び分岐状のいずれでもよく、環状及び非環状のいずれでもよい。また、Raは、官能基(例えば、エステル、エーテル、ケトン、アミン、ハロゲン化物等)を含んでもよい。
Raはまた、非フッ素の2価の有機基であってもよいし、部分フッ素化又は過フッ素化された2価の有機基であってもよい。
Raとしては、例えば、炭素原子にフッ素原子が結合していない炭化水素基、炭素原子に結合する水素原子の一部がフッ素原子で置換された炭化水素基、炭素原子に結合する水素原子の全てがフッ素原子で置換された炭化水素基、-(C=O)-、-(C=O)-O-、又は、-(C=O)-を含有する炭化水素基であってもよく、これらは酸素原子を含んでいてもよく、二重結合を含んでいてもよく、官能基を含んでいてもよい。
Raとして好ましくは、-(CH2)a-、-(CF2)a-、-O-(CF2)a-、-(CF2)a-O-(CF2)b-、-O(CF2)a-O-(CF2)b-、-(CF2)a-[O-(CF2)b]c-、-O(CF2)a-[O-(CF2)b]c-、-[(CF2)a-O]b-[(CF2)c-O]d-、-O[(CF2)a-O]b-[(CF2)c-O]d-、-O-[CF2CF(CF3)O]a-(CF2)b-、-(C=O)-、-(C=O)-O-、-(C=O)-(CH2)a-、-(C=O)-(CF2)a-、-(C=O)-O-(CH2)a-、-(C=O)-O-(CF2)a-、-(C=O)-[(CH2)a-O]b-、-(C=O)-[(CF2)a-O]b-、-(C=O)-O[(CH2)a-O]b-、-(C=O)-O[(CF2)a-O]b-、-(C=O)-O[(CH2)a-O]b-(CH2)c-、-(C=O)-O[(CF2)a-O]b-(CF2)c-、-(C=O)-(CH2)a-O-(CH2)b-、-(C=O)-(CF2)a-O-(CF2)b-、-(C=O)-O-(CH2)a-O-(CH2)b-、-(C=O)-O-(CF2)a-O-(CF2)b-、-(C=O)-O-C6H4-、及び、これらの組み合わせから選択される少なくとも1種である。
式中、a、b、c及びdは独立して少なくとも1以上である。a、b、c及びdは独立して、2以上であってよく、3以上であってよく、4以上であってよく、10以上であってよく、20以上であってよい。a、b、c及びdの上限は、例えば、100である。
上記式中、nは1~10の整数である。
上記式中、nは1~10の整数である。
-(C=O)h-(O)i-CF2-O-(CX6 2)e-{O-CF(CF3)}f-(O)g- (r1)
(式中、X6はそれぞれ独立してH、F又はCF3であり、eは0~3の整数であり、fは0~3の整数であり、gは0又は1であり、hは0又は1であり、iは0又は1である)で表される2価の基が好ましく、下記一般式(r2):
-(C=O)h-(O)i-CF2-O-(CX7 2)e-(O)g- (r2)(式中、X7はそれぞれ独立してH、F又はCF3であり、eは0~3の整数であり、gは0又は1であり、hは0又は1であり、iは0又は1である。)で表される2価の基も好ましい。
-(C=O)h-(O)i-CF2-O-(CX6 2)e-{O-CF(CF3)}f-(O)g-CZ1Z2- (t1)
(式中、X6はそれぞれ独立してH、F又はCF3であり、eは0~3の整数であり、fは0~3の整数であり、gは0又は1であり、hは0又は1であり、iは0又は1であり、Z1及びZ2は、それぞれ独立して、F又はCF3である)で表される2価の基も好ましく、式(t1)において、Z1及びZ2は、一方がFで他方がCF3であることがより好ましい。
また、上記一般式(4)において、-Ra-(CZ1Z2)k-としては、下記式(t2):
-(C=O)h-(O)i-CF2-O-(CX7 2)e-(O)g-CZ1Z2- (t2)
(式中、X7はそれぞれ独立してH、F又はCF3であり、eは0~3の整数であり、gは0又は1であり、hは0又は1であり、iは0又は1であり、Z1及びZ2は、それぞれ独立して、F又はCF3である)で表される2価の基も好ましく、式(t2)において、Z1及びZ2は、一方がFで他方がCF3であることがより好ましい。
CF2=CF-O-Rf0-Y3 (4a)
(式中、Y3は親水基であり、Rf0は、過フッ素化されており、鎖状又は分岐状、環状又は非環状構造、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってもよく、硫黄、酸素、及び窒素からなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意追加的に含有する過フッ素化二価連結基である。)
CH2=CH-O-Rf0-Y3 (4b)
(式中、Y3は親水基であり、Rf0は式(4a)で定義される過フッ素化二価連結基である。)
CX2=CY(-CZ2-O-Rf-Y3) (5)
(式中、Xは、同一又は異なって、-H又は-Fであり、Yは-H、-F、アルキル基又は含フッ素アルキル基であり、Zは、同一又は異なって、-H、-F、アルキル基又は含フッ素アルキル基である。Rfは炭素数1~40の含フッ素アルキレン基、又は、炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基である。Y3は、前記と同じである。)で表される単量体、下記一般式(6):
CX2=CY(-O-Rf-Y3) (6)
(式中、Xは、同一又は異なって、-H又は-Fであり、Yは-H、-F、アルキル基又は含フッ素アルキル基であり、Rfは炭素数1~40の含フッ素アルキレン基、又は、炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基である。Y3は、前記と同じである。)で表される単量体、及び、下記一般式(7):
CX2=CY(-Rf-Y3) (7)
(式中、Xは、同一又は異なって、-H又は-Fであり、Yは-H、-F、アルキル基又は含フッ素アルキル基であり、Rfは炭素数1~40の含フッ素アルキレン基、又は、炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基である。Y3は、前記と同じである。)で表される単量体、からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
なお、上記炭素数2~100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基は、酸素原子が末端である構造を含まず、炭素炭素間にエーテル結合を含んでいるアルキレン基である。
上記アルキル基は、フッ素原子を含有しないアルキル基であり、炭素数は1以上であればよい。上記アルキル基の炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
上記含フッ素アルキル基は、フッ素原子を少なくとも1つ含有するアルキル基であり、炭素数は1以上であればよい。上記含フッ素アルキル基の炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
上記Yとしては、-H、-F又は-CF3が好ましく、-Fがより好ましい。
上記アルキル基は、フッ素原子を含有しないアルキル基であり、炭素数は1以上であればよい。上記アルキル基の炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
上記含フッ素アルキル基は、フッ素原子を少なくとも1つ含有するアルキル基であり、炭素数は1以上であればよい。上記含フッ素アルキル基の炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
上記Zとしては、-H、-F又は-CF3が好ましく、-Fがより好ましい。
上記含フッ素アルキレン基の炭素数は2以上が好ましい。また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。上記含フッ素アルキレン基としては、-CF2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CF2CH2-、-CF2CF2CH2-、-CF(CF3)-、-CF(CF3)CF2-、-CF(CF3)CH2-等が挙げられる。上記含フッ素アルキレン基は、パーフルオロアルキレン基であることが好ましい。
エーテル結合を有する含フッ素アルキレン基としては、例えば、下記式:
上記エーテル結合を有する含フッ素アルキレン基として具体的には、-CF(CF3)CF2-O-CF(CF3)-、-(CF(CF3)CF2-O)n-CF(CF3)-(式中、nは1~10の整数)、-CF(CF3)CF2-O-CF(CF3)CH2-、-(CF(CF3)CF2-O)n-CF(CF3)CH2-(式中、nは1~10の整数)、-CH2CF2CF2O-CH2CF2CH2-、-CF2CF2CF2O-CF2CF2-、-CF2CF2CF2O-CF2CF2CH2-、-CF2CF2O-CF2-、-CF2CF2O-CF2CH2-等が挙げられる。上記エーテル結合を有する含フッ素アルキレン基は、パーフルオロアルキレン基であることが好ましい。
R7yにおける有機基としてはアルキル基が好ましい。
R7yとしては、H又はC1-10の有機基が好ましく、H又はC1-4の有機基がより好ましく、H又はC1-4のアルキル基が更に好ましい。
上記金属原子としては、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)等が挙げられ、Na、K又はLiが好ましい。
上記Mとしては、-H、金属原子又は-NR7y 4が好ましく、-H、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)又は-NR7y 4がより好ましく、-H、-Na、-K、-Li又は-NH4が更に好ましく、-Na、-K又は-NH4が更により好ましく、-Na又は-NH4が特に好ましく、-NH4が最も好ましい。
上記Y3としては、-COOM又は-SO3Mが好ましく、-COOMがより好ましい。
は、下記一般式(5a)で表される単量体(5a)であることが好ましい。
CH2=CF(-CF2-O-Rf-Y3) (5a)
(式中、Rf及びY3は前記と同じ。)
CX2 2=CFCF2-O-(CF(CF3)CF2O)n5-CF(CF3)-Y3 (5b)
(式中、各X2は、同一であり、F又はHを表す。n5は、0又は1~10の整数を表し、Y3は、前記定義と同じ。)
(式中、Rf及びY3は上記と同じ)
上記アルキル基は、フッ素原子を含有しないアルキル基であり、炭素数は1以上であればよい。上記アルキル基の炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
上記含フッ素アルキル基は、フッ素原子を少なくとも1つ含有するアルキル基であり、炭素数は1以上であればよい。上記含フッ素アルキル基の炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
上記Yとしては、-H、-F又は-CF3が好ましく、-Fがより好ましい。
上記含フッ素アルキレン基の炭素数は2以上が好ましい。また、含フッ素アルキレン基の炭素数は、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。上記含フッ素アルキレン基としては、-CF2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-、-CF2CH2-、-CF2CF2CH2-、-CF(CF3)-、-CF(CF3)CF2-、-CF(CF3)CH2-等が挙げられる。上記含フッ素アルキレン基は、パーフルオロアルキレン基であることが好ましい。
R7の有機基としてはアルキル基が好ましい。R7としては、H又はC1-10の有機基が好ましく、H又はC1-4の有機基がより好ましく、H又はC1-4のアルキル基が更に好ましい。
上記金属原子としては、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)等が挙げられ、Na、K又はLiが好ましい。
上記Mとしては、-H、金属原子又は-NR7 4が好ましく、-H、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)又は-NR7 4がより好ましく、-H、-Na、-K、-Li又は-NH4が更に好ましく、-Na、-K又は-NH4が更により好ましく、-Na又は-NH4が特に好ましく、-NH4が最も好ましい。
上記Y3としては、-COOM又は-SO3Mが好ましく、-COOMがより好ましい。
CF2=CF-O-(CF2)n1-Y3 (6a)
(式中、n1は、1~10の整数を表し、Y3は、前記定義と同じ。)
CF2=CF-O-(CF2C(CF3)F)n2-Y3 (6b)
(式中、n2は、1~5の整数を表し、Y3は、前記定義と同じ。)
CF2=CF-O-(CFX1)n3-Y3 (6c)
(式中、X1は、F又はCF3を表し、n3は、1~10の整数を表し、Y3は、前記定義と同じ。)
CF2=CF-O-(CF2CFX1O)n4-(CF2)n6-Y3 (6d)
(式中、n4は、1~10の整数を表し、n6は、1~3の整数を表し、Y3及びX1は、前記定義と同じ。)
CF2=CF-O-(CF2CF2CFX1O)n5-CF2CF2CF2-Y3 (6e)
(式中、n5は、0~10の整数を表し、Y3及びX1は、前記定義と同じ。)
CF2=CF-(CF2)n1-Y3 (7a)
(式中、n1は、1~10の整数を表し、Y3は、前記定義と同じ。)で表される単量体、及び、下記一般式(7b):
CF2=CF-(CF2C(CF3)F)n2-Y3 (7b)
(式中、n2は、1~5の整数を表し、Y3は、前記定義と同じ。)で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記Y3は、-SO3M又は-COOMが好ましく、Mは、H、金属原子、NR7 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム又は置換基を有していてもよいホスホニウムであることが好ましい。上記R7は、H又は有機基を表す。
上記式(7a)で表される単量体としては、例えば、CF2=CFCF2COOM(式中、Mは上記定義と同じ。)が挙げられる。
コアシェル構造を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば、TFE単独重合体のコア部と変性PTFEのシェル部とを含むコアシェル構造、変性PTFEのコア部とTFE単独重合体のシェル部とを含むコアシェル構造、変性PTFEのコア部と、該コア部を構成する変性PTFEとは異なる単量体組成を有する変性PTFEのシェル部とを含むコアシェル構造が挙げられる。
上記コアシェル構造のPTFEは、例えば、先ずTFE及び必要に応じて変性モノマーを重合してコア部(TFE単独重合体又は変性PTFE)を製造し、次いで、TFE及び必要に応じて変性モノマーを重合してシェル部(TFE単独重合体又は変性PTFE)を製造することによって得ることができる。
上記シェル部は、PTFE一次粒子表面から粒子内部への所定の厚みを構成している部分を意味し、コア部は、シェル部の内部を構成している部分を意味する。
上記平均一次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。上記平均一次粒子径は、固形分濃度約1.0質量%に調整したPTFE水性分散液を作成し、動的光散乱法を使用して、25℃、溶媒(水)の屈折率は1.3328、溶媒(水)の粘度は0.8878mPa・s、積算70回にて測定できる。動的光散乱法としては、例えばELSZ-1000S(大塚電子株式会社製)が使用できる。
水性分散液中で測定する場合は、上記アスペクト比は、固形分濃度が約1質量%となるように希釈したPTFE水性分散液を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、無作為に抽出した400個以上の粒子について画像処理を行い、その長径と短径の比の平均より求める。粉末で測定する場合、上記アスペクト比は、PTFE粉末に電子線を照射後、フッ素系界面活性剤水溶液に添加して、超音波にて再分散させることで、PTFE水性分散液を得ることが出来る。このPTFE水性分散液から上記水性分散液で測定する方法と同じ方法でアスペクト比を求める。
PTFE粉末100gに、潤滑剤(商品名:アイソパーH(登録商標)、エクソン社製)21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビード(beading;押出成形体)を得る。押出スピード、すなわち、ラムスピードは、20インチ/分(51cm/分)とする。押出圧力は、ペースト押出において押出負荷が平衡状態になった時の負荷を測定し、ペースト押出に用いたシリンダーの断面積で除した値である。
300℃以上の温度に加熱した履歴のない粉末約10mgを精秤し、専用のアルミパンに収納してTG/DTA(示差熱熱重量同時測定装置)を用いて測定する。ピーク温度は、アルミパンを大気雰囲気下、25℃から600℃までの温度範囲を10℃/分の条件で昇温させ、示差熱(DTA)曲線の極大値に対応する温度とした。
上記非溶融二次加工性とは、ASTM D 1238及びD 2116に準拠して、結晶化融点より高い温度でメルトフローレートを測定できない性質、すなわち溶融温度領域でも容易に流動しない性質を意味する。
上記炭化水素系界面活性剤の使用量の下限は、水性媒体に対して、好ましくは0.0001質量%、より好ましくは0.001質量%、更に好ましくは0.01質量%、特に好ましくは0.1質量%である。上記界面活性剤の使用量の上限は、水性媒体に対して、好ましくは10質量%、より好ましくは5質量%、更に好ましくは3質量%、特に好ましくは2質量%である。
上記重合開始剤としてより好適には、上述した油溶性ラジカル重合開始剤、水溶性ラジカル重合開始剤又はレドックス開始剤を使用でき、特にレドックス開始剤が好ましい。レドックス開始剤としては、上述した全ての態様を採用し得る。
上記レドックス開始剤としては、レドックス開始剤水溶液のpHを4.0以上とすることができる酸化剤又は還元剤を使用することが好ましい。上記レドックス開始剤水溶液とは、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、または、還元剤の0.50質量%濃度水溶液を意味する。
すなわち、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、及び、還元剤の0.50質量%濃度水溶液の少なくとも一方のpHが4.0以上であればよく、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、及び、還元剤の0.50質量%濃度水溶液の両方のpHが4.0以上であることが好ましい。
上記レドックス開始剤水溶液(酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、又は、還元剤の0.50質量%濃度水溶液)のpHは、それぞれ、5.0以上がより好ましく、5.5以上が更に好ましく、6.0以上が特に好ましい。
上記レドックス開始剤は特に、塩である酸化剤と塩である還元剤との組み合わせであることが好ましい。
例えば、上記塩である酸化剤は、過硫酸塩、過マンガン酸塩、セリウム(IV)塩及び臭素酸塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、過マンガン酸塩が更に好ましく、過マンガン酸カリウムが特に好ましい。
また、上記塩である還元剤はシュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩及び臭素酸塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、シュウ酸塩が更に好ましく、シュウ酸アンモニウムが特に好ましい。
上記レドックス開始剤として具体的には、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム/亜硫酸アンモニウム、三酢酸マンガン/シュウ酸アンモニウム、及び、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム/亜硫酸アンモニウム、及び、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記のように上記工程(I)で前記粒子を得て、その後、工程(I)で得られた粒子を含む水性媒体中でTFEを重合することによって、PTFEの粒子数を増加させ、得量を大きくすることができる。
例えば、本開示の第1の製造方法においてPTFEを製造する場合、上記重合工程は、炭化水素系界面活性剤及び重合開始剤の存在下、pHが4.0以上の水性媒体中で、TFEを重合して、TFEに基づく重合単位を含む粒子を得る工程(Ia)、及び、工程(Ia)で得られた粒子を含む水性媒体中でTFEを重合してPTFEを得る工程(IIa)を含む工程であることも好ましい。
本開示の第2の製造方法においてPTFEを製造する場合、上記重合工程は、アニオン性の炭化水素系界面活性剤及び重合開始剤の存在下、水性媒体中で、TFEを重合して、TFEに基づく重合単位を含む粒子を得る工程(Ib)、及び、工程(Ib)で得られた粒子を含む水性媒体中でTFEを重合してPTFEを得る工程(IIb)を含む工程であることも好ましい。
また、工程(I)で得られた粒子を含む水性分散液を希釈又は濃縮して工程(II)を行ってもよい。上記希釈又は濃縮は、反応器中でそのまま行ってもよいし、工程(I)で得られた粒子を含む水性分散液を反応器から回収して行ってもよい。従って、上記重合工程が、上記工程(I)の後、上記工程(II)の前に、更に、工程(I)で得られた粒子を含む水性分散液を回収する工程を含んでもよい。
また、工程(I)の後、工程(II)の前に、工程(I)で得られた粒子を含む水性分散液を50℃未満、30℃未満又は10℃未満にする工程を含んでもよい。
工程(I)と工程(II)とを連続的に行う場合、工程(I)の後、一旦攪拌を停止し、その後、攪拌を再開させて引き続き工程(II)を行なうことができる。
また、工程(I)と工程(II)とを連続的に行う場合、工程(I)の後、場合によって攪拌を停止し、反応器内の圧力を変化させて、攪拌を再開させて、引き続き工程(II)を行なうことができる。
また、反応器のモノマー組成比を変えるために、工程(I)の後に、反応器の圧力を大気圧まで脱圧し、反応器に各々のモノマーを仕込んだのちに、引き続き工程(II)を行ってもよい。工程(I)の後、重合温度を変えて、引き続き工程(II)を行なうことができる。
工程(I)と工程(II)とを連続的に行う場合、工程(I)でレドックス開始剤の仕込みを止めた後に、工程(II)の重合開始剤を仕込むことで連続的に製造することができる。レドックス開始剤としては、上述したものが挙げられる。
例えば、重合温度が10~150℃であることが好ましい。重合温度は、30℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。
また、重合圧力が0.05~10MPaGであることが好ましい。重合圧力は、0.3MPaG以上がより好ましく、0.5MPaG以上が更に好ましく、また、5.0MPaG以下がより好ましく、3.0MPaG以下が更に好ましい。
特に、得量を向上させる観点からは、1.0MPaG以上が好ましく、2.0MPaG以上がより好ましい。
上記工程(I)は、炭化水素系界面活性剤の存在下で行う。
上記工程(I)は、炭化水素系界面活性剤の量が、水性媒体に対して0.0001~15質量%であることが好ましい。より好ましい下限は0.001質量%であり、より好ましい上限は1質量%である。0.0001質量%未満であると、分散力が不充分となるおそれがあり、15質量%を超えると、添加量に見合った効果が得られない。上記炭化水素系界面活性剤の添加量は、使用するモノマーの種類、目的とするPTFEの分子量等によって適宜決定される。
上記炭化水素系界面活性剤は、重合開始前に一括して反応容器中に添加してもよいし、重合開始後に一括して添加してもよいし、重合中に複数回に分割して添加してもよいし、また、重合中に連続的に添加してもよい。
また、上記工程(I)では、上述した重合工程として記載した条件を全て採用できる。
上記変性PTFEは、変性モノマーに基づく重合単位(以下「変性モノマー単位」とも記載する)が0.00001~1.0質量%の範囲であることが好ましい。変性モノマー単位の下限としては、0.0001質量%がより好ましく、0.0005質量%がより好ましく、0.001質量%が更に好ましい。変性モノマー単位の上限としては、0.90質量%が好ましく、0.50質量%がより好ましく、0.40質量%が更に好ましく、0.30質量%が更により好ましく、0.10質量%が殊更に好ましく、0.08質量%が特に好ましく、0.05質量%が特に好ましく、0.01質量%が最も好ましい。
上記平均一次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。上記平均一次粒子径は、固形分濃度約1.0質量%に調整したPTFE水性分散液を作成し、動的光散乱法を使用して、25℃、溶媒(水)の屈折率は1.3328、溶媒(水)の粘度は0.8878mPa・s、積算70回にて測定できる。動的光散乱法としては、例えばELSZ-1000S(大塚電子株式会社製)が使用できる。
上記工程(II)における水性媒体は、工程(I)で得られた上記粒子を含む水性分散液に含まれる水性媒体を含むことが好ましい。上記粒子を含む水性分散液に含まれる水性媒体に加えて、他の水性媒体を加えてもよい。
例えば、重合温度が10~150℃であることが好ましい。重合温度は、30℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。
また、重合圧力が0.05~10MPaGであることが好ましい。重合圧力は、0.3MPaG以上がより好ましく、0.5MPaG以上が更に好ましく、また、5.0MPaG以下がより好ましく、3.0MPaG以下が更に好ましい。
特に、得量を向上させる観点からは、1.0MPaG以上が好ましく、2.0MPaG以上がより好ましい。
上記工程(II)は、炭化水素系界面活性剤の存在下、上記粒子を含む水性媒体中でTFEを重合する工程であることが好ましい。
上記炭化水素系界面活性剤は、重合開始前に一括して反応容器中に添加してもよいし、重合開始後に一括して添加してもよいし、重合中に複数回に分割して添加してもよいし、また、重合中に連続的に添加してもよい。
また、一次粒子のアスペクト比をより小さくすることもできる。
上記工程を含むことによって、より平均一次粒子径が小さく、より安定性に優れる水性分散液を得ることができ、分子量がより高いPTFEを得ることができる。
また、上記炭化水素系界面活性剤としてはカルボン酸型の炭化水素系界面活性剤が好ましく、カルボン酸型の炭化水素系界面活性剤としては、カルボン酸、または、カルボン酸塩がより好ましい。カルボン酸型の炭化水素系乳化剤は、具体的には、上記界面活性剤(1)、上述した式:R6z(-L-M)2によって表されるアニオン性界面活性剤、及び、上述した式:R7z(-L-M)3によって表されるアニオン性界面活性剤のうち、カルボキシル基(-COOH)又はカルボキシル基の水素原子が無機陽イオン(例えば、金属原子、アンモニウム等)で置換された基を有するもの、上記化合物(α)、上記界面活性剤(1-0A)、並びに、これらの界面活性剤にラジカル処理または酸化処理を行ったものからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記カルボン酸型の炭化水素系界面活性剤は、1種で用いてもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
上記カルボン酸型の炭化水素系界面活性剤は、上記化合物(α)が好ましく、上記式(A)で表される化合物、上記式(c)においてAcが-COOXcである化合物、上記式(d)においてAdが-COOXdである化合物、上記式(1)においてAが-COOMである化合物、上記式(1-0A)においてAが-COOMである化合物、並びに、これらの化合物にラジカル処理または酸化処理を行ったものからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、上記式(A)で表される化合物及び該化合物にラジカル処理または酸化処理を行ったものからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。
特に、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、及び、これらの塩、並びに、これらの化合物にラジカル処理または酸化処理を行ったものからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。上記塩としては、カルボキシル基の水素が上述した式Mの金属原子、NR101 4、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムであるものが挙げられるが特に限定されない。
上記重合開始剤としては、上記重合温度範囲でラジカルを発生しうるものであれば特に限定されず、公知の油溶性及び/又は水溶性の重合開始剤を使用することができる。更に、還元剤等と組み合わせてレドックスとして重合を開始することもできる。上記重合開始剤の濃度は、モノマーの種類、目的とするPTFEの分子量、反応速度によって適宜決定される。
上記重合開始剤としては、上記重合温度範囲でラジカルを発生しうるものであれば特に限定されず、公知の油溶性及び/又は水溶性の重合開始剤を使用することができる。更に、還元剤等と組み合わせてレドックスとして重合を開始することもできる。
上記重合開始剤としてより好適には、上述した油溶性ラジカル重合開始剤、水溶性ラジカル重合開始剤又はレドックス開始剤を使用でき、特にレドックス開始剤が好ましい。レドックス開始剤としては、上述した全ての態様を採用し得る。
上記レドックス開始剤としては、レドックス開始剤水溶液のpHを4.0以上とすることができる酸化剤又は還元剤を使用することが好ましい。上記レドックス開始剤水溶液とは、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、または、還元剤の0.50質量%濃度水溶液を意味する。
すなわち、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、及び、還元剤の0.50質量%濃度水溶液の少なくとも一方のpHが4.0以上であればよく、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、及び、還元剤の0.50質量%濃度水溶液の両方のpHが4.0以上であることが好ましい。
上記レドックス開始剤水溶液(酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、又は、還元剤の0.50質量%濃度水溶液)のpHは、それぞれ、5.0以上がより好ましく、5.5以上が更に好ましく、6.0以上が特に好ましい。
上記レドックス開始剤は特に、塩である酸化剤と塩である還元剤との組み合わせであることが好ましい。
例えば、上記塩である酸化剤は、過硫酸塩、過マンガン酸塩、セリウム(IV)塩及び臭素酸塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、過マンガン酸塩が更に好ましく、過マンガン酸カリウムが特に好ましい。
また、上記塩である還元剤はシュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩及び臭素酸塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、シュウ酸塩が更に好ましく、シュウ酸アンモニウムが特に好ましい。
上記レドックス開始剤として具体的には、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム/亜硫酸アンモニウム、三酢酸マンガン/シュウ酸アンモニウム、及び、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム/亜硫酸アンモニウム、及び、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また添加剤用途として、電極の活物質の脱落を抑える結着剤、バインダー用途、ドリップ防止剤などのコンパウンド用途、土砂や埃等の舞い立ちを防止する塵埃抑制処理用途等に用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルアリールサルフェート及びそれらの塩;脂肪族(カルボン)酸及びその塩;リン酸アルキルエステル、リン酸アルキルアリールエステル又はそれらの塩;等が挙げられるが、中でも、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、脂肪族カルボン酸またはそれらの塩が好ましい。
アルキルサルフェートまたはその塩としては、ラウリル硫酸アンモニウム、またはラウリル硫酸ナトリウム等が好ましい。
脂肪族カルボン酸またはその塩としては、コハク酸、デカン酸、ウンデカン酸、ウンデセン酸、ラウリン酸、ハイドロドデカン酸、またはそれらの塩が好ましい。
アニオン性界面活性剤の添加量の下限としては、50ppm以上がより好ましく、100ppm以上が更に好ましい。添加量が少なすぎると、粘度調整効果が乏しい。
アニオン性界面活性剤の添加量の上限としては、3000ppm以下がより好ましく、2000ppm以下が更に好ましい。添加量が多すぎると水性分散液の機械的安定性、貯蔵安定性が損なわれることがある。
上記水性分散液のpHを調整する目的で、アンモニア水などのpH調整剤を配合することもできる。
上記その他の水溶性高分子化合物としては特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキサイド(分散安定剤)、ポリエチレングリコール(分散安定剤)、ポリビニルピロリドン(分散安定剤)、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。更に、イソチアゾロン系、アゾール系、プロノポール、クロロタロニル、メチルスルホニルテトラクロルピロジン、カルベンタジム、フルオロフォルベット、二酢酸ナトリウム、ジヨードメチルパラトリルスルホンなどの防腐剤を含有してもよい。
上記PTFEの水性分散液は、例えば、国際公開第2007/004250号に記載の塵埃抑制処理剤組成物に好適に用いることができ、国際公開第2007/000812号に記載の塵埃抑制処理方法にも好適に用いることができる。
高分子量PTFEを製造する場合、重合温度は、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましい。重合圧力は、0.5MPaG以上が好ましく、0.7MPaG以上が好ましく、1.0MPaG以上が好ましく、また、5.0MPaG以下が好ましく、4.0MPaG以下がより好ましく、3.0MPaG以下が更に好ましい。
好ましくは、シート状または棒状のペースト押出物を押出方向にロール延伸することで、一軸延伸膜を得ることができる。
更に、テンター等により幅方向に延伸して、二軸延伸膜も得ることができる。
延伸前に半焼成処理を行うことも好ましい。
また、繊維分野、医療分野、エレクトロケミカル分野、シール材分野、空気濾過分野、換気/内圧調整分野、液濾過分野、一般消費材分野等で使用する製品の素材としても有用である。
以下に、具体的な用途を例示する。
誘電材料プリプレグ、EMI遮蔽材料、伝熱材料等。より詳細には、プリント配線基板、電磁遮蔽シールド材、絶縁伝熱材料、絶縁材料等。
シール材分野
ガスケット、パッキン、ポンプダイアフラム、ポンプチューブ、航空機用シール材等。
ULPAフィルター(半導体製造用)、HEPAフィルター(病院・半導体製造用)、円筒カートリッジフィルター(産業用)、バグフィルター(産業用)、耐熱バグフィルタ-(排ガス処理用)、耐熱プリーツフィルター(排ガス処理用)、SINBRANフィルター(産業用)、触媒フィルター(排ガス処理用)、吸着剤付フィルター(HDD組込み)、吸着剤付ベントフィルター(HDD組込み用)、ベントフィルター(HDD組込み用他)、掃除機用フィルター(掃除機用)、汎用複層フェルト材、GT用カートリッジフィルター(GT向け互換品用)、クーリングフィルター(電子機器筐体用)等。
凍結乾燥用の容器等の凍結乾燥用材料、電子回路やランプ向けの自動車用換気材料、容器キャップ向け等の容器用途、タブレット端末や携帯電話端末等の小型端末を含む電子機器向け等の保護換気用途、医療用換気用途等。
半導体液ろ過フィルター(半導体製造用)、親水性PTFEフィルター(半導体製造用)、化学薬品向けフィルター(薬液処理用)、純水製造ライン用フィルター(純水製造用)、逆洗型液ろ過フィルター(産業排水処理用)等。
衣類、ケーブルガイド(バイク向け可動ワイヤ)、バイク用衣服、キャストライナー(医療サポーター)、掃除機フィルター、バグパイプ(楽器)、ケーブル(ギター用信号ケーブル等)、弦(弦楽器用)等。
PTFE繊維(繊維材料)、ミシン糸(テキスタイル)、織糸(テキスタイル)、ロープ等。
体内埋設物(延伸品)、人工血管、カテーテル、一般手術(組織補強材料)、頭頸部製品(硬膜代替)、口内健康(組織再生医療)、整形外科(包帯)等。
低分子量PTFEは、重合により製造しても良いし、重合で得られた高分子量PTFEを公知の方法(熱分解、放射線照射分解等)で低分子量化して製造することもできる。
低分子量PTFEを製造する場合、重合温度は、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましい。重合圧力は、0.3MPaG以上が好ましく、0.4MPaG以上が好ましく、0.5MPaG以上が好ましく、また、5.0MPaG以下が好ましく、4.0MPaG以下がより好ましく、3.0MPaG以下が更に好ましい。
上記ピーク温度は、300℃以上の温度に加熱した履歴のない粉末約10mgを精秤し、専用のアルミパンに収納してTG/DTA(示差熱熱重量同時測定装置)を用いて測定する。ピーク温度は、アルミパンを大気雰囲気下、25℃から600℃までの温度範囲を10℃/分の条件で昇温させ、示差熱(DTA)曲線の極大値に対応する温度とした。
(1)本開示の製造方法において、FEPの重合は、重合温度10~150℃、重合圧力0.3~6.0MpaGにて行うことが好ましい。
上記ETFEのシートにおける添加剤の含有量は、ETFEのシートの総質量に対し、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
また、膜構造建築物の膜材だけではなく、たとえば、屋外使用板材(防音壁、防風フェンス、越波柵、車庫天蓋、ショッピングモール、歩行路壁、屋根材)、ガラス飛散防止フィルム、耐熱・耐水シート、建材等(テント倉庫のテント材、日よけ用膜材、明かり取り用の部分屋根材、ガラスに替わる窓材、防炎仕切り用膜材、カーテン、外壁補強、防水膜、防煙膜、不燃透明仕切り、道路補強、インテリア(照明、壁面、ブランド等)、エクステリア(テント、看板等)等)、生活レジャー用品(釣りざお、ラケット、ゴルフクラブ、映写幕等)、自動車用材料(幌、制振材、ボディ等)、航空機材料、船舶材料、家電外装、タンク、容器内壁、フィルタ、工事用膜材、電子材料(プリント基板、配線基板、絶縁膜、離型膜等)、太陽電池モジュールの表面材料、太陽熱発電用のミラー保護材、ソーラー温水器の表面材等に有用である。
上述した一般式(150):CF2=CF-O-(CF2CFY151-O)n-(CFY152)m-A151
で表されるフルオロモノマーを挙げることができる。電解質ポリマー前駆体の好ましい単量体組成(モル%)は、TFE:ビニルエーテル=(50~99):(50~1)であり、より好ましくは、TFE:ビニルエーテル=(50~93):(50~7)である。
また、電解質ポリマー前駆体の分散状態を維持したまま、アルカリ溶液による加水分解を施すことにより電解質ポリマー分散液を得ることができる。
引き続き、加圧容器内で、120℃以上に加熱することで、例えば、水/アルコール混合溶媒に溶解させ、溶液状態にすることが出来る。
このようにして得られた溶液は、例えば電極のバインダーとして使用したり、種々の添加剤と複合してキャスト製膜し、例えば防汚塗膜や有機アクチュエーター等に使用することができる。
本開示の製造方法において、TFE/VDF共重合体の重合温度としては特に限定されず、0~100℃であってよい。重合圧力は、重合温度等の他の重合条件に応じて適宜定められるが、通常、0~9.8MPaGであってよい。
式: CX11X12=CX13(CX14X15)n11X16
(式中、X11~X16は同一又は異なってH、F又はClを表し、n11は0~8の整数を表す。但し、TFE及びVDFを除く。)で示されるモノマー、又は、
式: CX21X22=CX23-O(CX24X25)n21X26
(式中、X21~X26は同一又は異なってH、F又はClを表し、n21は0~8の整数を表す。)で示されるモノマーが好ましい。
本開示の製造方法において、上記フッ素ゴムの重合は、攪拌機を備えた耐圧の反応容器に純水及び上記炭化水素系界面活性剤を仕込み、脱酸素後、モノマーを仕込み、所定の温度にし、重合開始剤を添加して、反応を開始する。反応の進行とともに圧力が低下するので、初期圧力を維持するように、追加のモノマーを連続的又は間欠的に追加供給する。所定量のモノマーを供給した時点で、供給を停止し、反応容器内のモノマーをパージし、温度を室温に戻して反応を終了する。この場合、ポリマーラテックスを連続的に反応容器より取り出すことができる。
上記重合開始剤としてより好適には、上述した油溶性ラジカル重合開始剤、水溶性ラジカル重合開始剤又はレドックス開始剤を使用でき、特にレドックス開始剤が好ましい。レドックス開始剤としては、上述した全ての態様を採用し得る。
上記レドックス開始剤としては、特に、過マンガン酸カリウム/シュウ酸、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、三酢酸マンガン/シュウ酸、三酢酸マンガン/シュウ酸アンモニウム、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウム等の組合せが挙げられる。
上記レドックス開始剤としては、レドックス開始剤水溶液のpHを4.0以上とすることができる酸化剤又は還元剤を使用することが好ましい。上記レドックス開始剤水溶液とは、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、または、還元剤の0.50質量%濃度水溶液を意味する。
すなわち、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、及び、還元剤の0.50質量%濃度水溶液の少なくとも一方のpHが4.0以上であればよく、酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、及び、還元剤の0.50質量%濃度水溶液の両方のpHが4.0以上であることが好ましい。
上記レドックス開始剤水溶液(酸化剤の0.50質量%濃度水溶液、又は、還元剤の0.50質量%濃度水溶液)のpHは、それぞれ、5.0以上がより好ましく、5.5以上が更に好ましく、6.0以上が特に好ましい。
上記レドックス開始剤は特に、塩である酸化剤と塩である還元剤との組み合わせであることが好ましい。
例えば、上記塩である酸化剤は、過硫酸塩、過マンガン酸塩、セリウム(IV)塩及び臭素酸塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、過マンガン酸塩が更に好ましく、過マンガン酸カリウムが特に好ましい。
また、上記塩である還元剤はシュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩及び臭素酸塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、シュウ酸塩が更に好ましく、シュウ酸アンモニウムが特に好ましい。
上記レドックス開始剤として具体的には、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム/亜硫酸アンモニウム、三酢酸マンガン/シュウ酸アンモニウム、及び、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム/亜硫酸アンモニウム、及び、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本開示のPTFE組成物は、上記レドックス開始剤の酸化剤として、過マンガン酸塩、臭素酸塩等のマンガン又は臭素を含む化合物を使用することで得られたものがより好ましく、過マンガン酸塩等のマンガンを含む化合物を使用することで得られたものが更に好ましい。
上記平均一次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。上記平均一次粒子径は、固形分濃度約1.0質量%に調整したPTFE水性分散液を作成し、動的光散乱法を使用して、25℃、溶媒(水)の屈折率は1.3328、溶媒(水)の粘度は0.8878mPa・s、積算70回にて測定できる。動的光散乱法としては、例えばELSZ-1000S(大塚電子株式会社製)が使用できる。
このようなPTFEは、乳化重合で得ることができ、懸濁重合で得られるPTFEとは区別される。
上記ヘキサフルオロプロピレン単位、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位及び(パーフルオロアルキル)エチレン単位の合計量は、PTFEに対して、0.00001~1質量%の範囲であることが好ましい。上記合計量の下限としては、0.0001質量%がより好ましく、0.001質量%が更に好ましい。上限としては、0.50質量%がより好ましく、0.40質量%が更に好ましく、0.30質量%が更により好ましく、0.10質量%が殊更に好ましく、0.05質量%が特に好ましく、0.01質量%が最も好ましい。
条件(A):
PTFE粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビード(beading;押出成形体)を得る。押出スピード、すなわち、ラムスピードは、20インチ/分(51cm/分)とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むPTFE押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたPTFE押出ビードを得る。次に、乾燥されたPTFE押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が1.5インチ(38mm)の間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで1000%/秒で離し、ストレッチ試験(延伸試験)を実施して延伸ビードを得る。このストレッチ方法は、押出スピード(84cm/分でなく51cm/分)が異なることを除いて、本質的に米国特許第4,576,869号明細書に開示された方法に従う。『ストレッチ』とは、延伸による長さの増加であり、通常元の長さに対する比率として表される。
条件(X):
上記延伸ビード(ビードをストレッチすることによって作製されたもの)について、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。
上記潤滑剤としては、イソパラフィン炭化水素100%からなり、初留点180℃、乾点188℃、引火点54℃、密度(15℃)0.758g/cm3、KB(カウリ・ブタノール値)26、アニリン点85℃、芳香族含有量<0.01質量%である潤滑剤を使用することができ、このような潤滑剤として具体的にはエクソン社製のアイソパーH(登録商標)を使用できる。
上記の熱処理の後、条件(A)で作製された延伸体について、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。
条件(B):
PTFE粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビード(beading;押出成形体)を得る。押出スピード、すなわち、ラムスピードは、20インチ/分(51cm/分)とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むPTFE押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたPTFE押出ビードを得る。次に、乾燥されたPTFE押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が2.0インチ(51mm)の間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで100%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。このストレッチ方法は、押出スピード(84cm/分でなく51cm/分)が異なることを除いて、本質的に米国特許第4,576,869号明細書に開示された方法に従う。『ストレッチ』とは、延伸による長さの増加であり、通常元の長さに対する比率として表される。
条件(X):
上記延伸ビード(ビードをストレッチすることによって作製されたもの)について、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。
上記潤滑剤としては、イソパラフィン炭化水素100%からなり、初留点180℃、乾点188℃、引火点54℃、密度(15℃)0.758g/cm3、KB(カウリ・ブタノール値)26、アニリン点85℃、芳香族含有量<0.01質量%である潤滑剤を使用することができ、このような潤滑剤として具体的にはエクソン社製のアイソパーH(登録商標)を使用できる。
上記水性媒体の量は、150℃、60分の条件で乾燥した時の重量減少によって求めることができる。
上記熱処理は、本開示の第1~4のPTFE粉末を乾燥するものであってよい。例えば、本開示の第1~4のPTFE粉末が、PTFEの湿潤粉末である場合、該湿潤粉末中に含まれる水分を乾燥させるものであってよい。
本開示の第5~10のPTFE粉末は、PTFEが99.0質量%以上であり、PTFE以外の成分が1.0質量%以下であることが好ましく、PTFEが99.5質量%以上であり、PTFE以外の成分が0.5質量%以下であることがより好ましく、PTFEが99.9質量%以上であり、PTFE以外の成分が0.1質量%以下であることが更に好ましく、PTFEが実質的に100.0質量%であることが特に好ましい。
PTFE粉末100gに、潤滑剤(商品名:アイソパーH(登録商標)、エクソン社製)21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビード(beading;押出成形体)を得る。押出スピード、すなわち、ラムスピードは、20インチ/分(51cm/分)とする。押出圧力は、ペースト押出において押出負荷が平衡状態になった時の負荷を測定し、ペースト押出に用いたシリンダーの断面積で除した値である。
PTFEの粉末100gに、潤滑剤(商品名:アイソパーH(登録商標)、エクソン社製)21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピード、すなわち、ラムスピードは、20インチ/分(51cm/分)とする。ペースト押出により得られたビードを230℃で30分加熱することにより、潤滑剤をビードから除去する。次に、ビード(押出成形体)を適当な長さに切断し、クランプ間隔が1.5インチ(38mm)の間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを所望のストレッチ(総ストレッチ)に相当する分離距離となるまで所望の速度(ストレッチ速度)で離し、ストレッチ試験を実施する。このストレッチ方法は、押出スピード(84cm/分でなく51cm/分)が異なることを除いて、本質的に米国特許第4,576,869号明細書に開示された方法に従う。『ストレッチ』とは、延伸による長さの増加であり、通常元の長さとに対する比率として表される。上記作製方法において、上記ストレッチ速度は、1000%/秒であり、上記総ストレッチは2400%である。このストレッチ試験で切断せずに、均一な外観を持つ延伸ビードが得られることを意味する。
上記条件(A)で作製された延伸体(延伸ビード)の両方の末端を固定具につなげ、ぴんと張られた全長8インチ(20cm)のビードサンプルとする。オーブンを390℃に保ち、オーブン側部にある(覆われた)スリットを通して固定具をオーブン中に挿入する。オーブンに挿入した時点からビードサンプルが破断するまでに要する時間を応力緩和時間とする。
300℃以上の温度に加熱した履歴のないPTFEの粉末約10mgを精秤し、専用のアルミパンに収納してTG/DTA(示差熱熱重量同時測定装置)を用いて測定する。0.1%質量減少温度は、アルミパンを大気雰囲気下、25℃から600℃までの温度範囲を10℃/分の条件で昇温させ、0.1mass%の重量減少した点に対応する温度とした。
300℃以上の温度に加熱した履歴のないPTFEの粉末約10mgを精秤し、専用のアルミパンに収納してTG/DTA(示差熱熱重量同時測定装置)を用いて測定する。1.0%質量減少温度は、アルミパンを大気雰囲気下、25℃から600℃までの温度範囲を10℃/分の条件で昇温させ、1.0mass%の重量減少した点に対応する温度とした。
また、99.0質量%以上のTFEに基づく重合単位と、1.0質量%以下の変性モノマーに基づく重合単位を含む変性PTFEであることが好ましい。特に、上記変性モノマーは、TFEとの反応性の観点からは、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及び(パーフルオロアルキル)エチレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。より好ましくは、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン、及び、(パーフルオロオクチル)エチレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことである。
上記ヘキサフルオロプロピレン単位、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位及び(パーフルオロアルキル)エチレン単位の合計量は、PTFEに対して、0.00001~1質量%の範囲であることが好ましい。上記合計量の下限としては、0.0001質量%がより好ましく、0.001質量%が更に好ましく、上限としては、0.50質量%がより好ましく、0.40質量%が更に好ましく、0.30質量%が更により好ましく、0.10質量%が殊更に好ましく、0.05質量%が特に好ましく、0.01質量%が最も好ましい。
上記含フッ素界面活性剤量は、公知な方法で定量できる。例えば、LC/MS/MS分析にて定量することが出来る。まず、得られた粉末をメタノールの有機溶剤に抽出し、抽出液をLC/MS/MSスペクトルから、分子量情報を抜出し、候補となる界面活性剤の構造式との一致を確認する。
その後、確認された界面活性剤を5水準以上の濃度の水溶液を作成し、それぞれの濃度のLC/MS/MS分析を行ない、エリア面積との検量線を作成する。
得られた粉末をメタノールにてソックスレー抽出を行ない、抽出液をLC/MS/MS分析を行なうことで定量測定することが出来る。
すなわち、含フッ素界面活性剤の含有量は、例えば、LC/MS/MS分析にて定量することができる。まず、メタノールに得られた粉末を加え、抽出を行ない、得られた抽出液をLC/MS/MS分析する。さらに抽出効率を高めるために、ソックスレー抽出、超音波処理等による処理を行ってもよい。得られたLC/MS/MSスペクトルから、分子量情報を抜出し、候補となる含フッ素界面活性剤の構造式との一致を確認する。その後、確認された含フッ素界面活性剤の5水準以上の含有量の水溶液を作製し、それぞれの含有量の水溶液のLC/MS/MS分析を行ない、含有量と、その含有量に対するエリア面積と関係をプロットし、検量線を描く。そして、検量線を用いて、抽出液中の含フッ素界面活性剤のLC/MS/MSクロマトグラムのエリア面積を、含フッ素界面活性剤の含有量に換算することができる。
上記含フッ素界面活性剤としては、上述した製造方法において例示したものと同じである。例えば、アニオン性基を除く部分の総炭素数が20以下のフッ素原子を含む界面活性剤であってよく、アニオン性部分の分子量が800以下のフッ素を含む界面活性剤であってよく、LogPOWが3.5以下の含フッ素界面活性剤であってよい。
上記アニオン性含フッ素界面活性剤としては、上記一般式(N0)で表される化合物が挙げられ、具体的には、一般式(N1)で表される化合物、一般式(N2)で表される化合物、一般式(N3)で表される化合物、一般式(N4)で表される化合物、及び、一般式(N5)で表される化合物が挙げられる。より具体的には、一般式(I)で表されるパーフルオロカルボン酸(I)、一般式(II)で表されるω-Hパーフルオロカルボン酸(II)、一般式(III)で表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)、一般式(IV)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)、一般式(V)で表されるパーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)、一般式(VI)で表されるパーフルオロアルキルスルホン酸(VI)、一般式(VII)で表されるω-Hパーフルオロスルホン酸(VII)、一般式(VIII)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VIII)、一般式(IX)で表されるアルキルアルキレンカルボン酸(IX)、一般式(X)で表されるフルオロカルボン酸(X)、一般式(XI)で表されるアルコキシフルオロスルホン酸(XI)、一般式(XII)で表される化合物(XII)、及び、一般式(XIII)で表される化合物(XIII)などが挙げられる。
本開示の第1及び2のPTFE延伸体におけるPTFEとしては、上述した本開示の製造方法において記載したPTFEの特徴を全て採用できる。特に、高分子量のPTFEであることが好ましい。また、99.0質量%以上のTFEに基づく重合単位と、1.0質量%以下の変性モノマーに基づく重合単位を含む変性PTFEであることが好ましい。特に、上記変性モノマーは、TFEとの反応性の観点からは、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及び(パーフルオロアルキル)エチレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。より好ましくは、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロヘキシル)エチレン、及び、(パーフルオロオクチル)エチレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことである。上記ヘキサフルオロプロピレン単位、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位及び(パーフルオロアルキル)エチレン単位の合計量は、PTFEに対して、0.00001~1質量%の範囲であることが好ましい。上記合計量の下限としては、0.0001質量%がより好ましく、0.001質量%が更に好ましく。上限としては、0.50質量%がより好ましく、0.40質量%が更に好ましく、0.30質量%が更により好ましく、0.10質量%が殊更に好ましく、0.05質量%が特に好ましく、0.01質量%が最も好ましい。
上記含フッ素界面活性剤量は、公知な方法で定量できる。例えば、LC/MS/MS分析にて定量することが出来る。まず、得られた微細化された延伸体をメタノールの有機溶剤に抽出し、抽出液をLC/MS/MSスペクトルから、分子量情報を抜出し、候補となる界面活性剤の構造式との一致を確認する。
その後、確認された界面活性剤を5水準以上の濃度の水溶液を作成し、それぞれの濃度のLC/MS/MS分析を行ない、エリア面積との検量線を作成する。
得られた微細化された延伸体をメタノールにてソックスレー抽出を行ない、抽出液をLC/MS分析を行なうことで定量測定することが出来る。
すなわち、含フッ素界面活性剤の含有量は、例えば、LC/MS/MS分析にて定量することができる。まず、メタノールに得られた微細化された延伸体を加え、抽出を行ない、得られた抽出液をLC/MS/MS分析する。さらに抽出効率を高めるために、ソックスレー抽出、超音波処理等による処理を行ってもよい。得られたLC/MS/MSスペクトルから、分子量情報を抜出し、候補となる含フッ素界面活性剤の構造式との一致を確認する。その後、確認された含フッ素界面活性剤の5水準以上の含有量の水溶液を作製し、それぞれの含有量の水溶液のLC/MS/MS分析を行ない、含有量と、その含有量に対するエリア面積と関係をプロットし、検量線を描く。そして、検量線を用いて、抽出液中の含フッ素界面活性剤のLC/MS/MSクロマトグラムのエリア面積を、含フッ素界面活性剤の含有量に換算することができる。
上記含フッ素界面活性剤としては、上述した本開示の製造方法において例示したものと同じである。例えば、アニオン性基を除く部分の総炭素数が20以下のフッ素原子を含む界面活性剤であってよく、アニオン性部分の分子量が800以下のフッ素を含む界面活性剤であってよく、LogPOWが3.5以下の含フッ素界面活性剤であってよい。
上記アニオン性含フッ素界面活性剤としては、上記一般式(N0)で表される化合物が挙げられ、具体的には、一般式(N1)で表される化合物、一般式(N2)で表される化合物、一般式(N3)で表される化合物、一般式(N4)で表される化合物、及び、一般式(N5)で表される化合物が挙げられる。より具体的には、一般式(I)で表されるパーフルオロカルボン酸(I)、一般式(II)で表されるω-Hパーフルオロカルボン酸(II)、一般式(III)で表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)、一般式(IV)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)、一般式(V)で表されるパーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)、一般式(VI)で表されるパーフルオロアルキルスルホン酸(VI)、一般式(VII)で表されるω-Hパーフルオロスルホン酸(VII)、一般式(VIII)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VIII)、一般式(IX)で表されるアルキルアルキレンカルボン酸(IX)、一般式(X)で表されるフルオロカルボン酸(X)、一般式(XI)で表されるアルコキシフルオロスルホン酸(XI)、一般式(XII)で表される化合物(XII)、及び、一般式(XIII)で表される化合物(XIII)等が挙げられる。
上記延伸体を、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、上記延伸体が破断した時の強度を破断強度とする。
上記延伸体の両方の末端を固定具につなげ、ぴんと張られた全長8インチ(20cm)のビードサンプルとする。オーブンを390℃に保ち、オーブン側部にある(覆われた)スリットを通して固定具をオーブン中に挿入する。オーブンに挿入した時点からビードサンプルが破断するまでに要する時間を応力緩和時間とする。
上記ピーク温度は、延伸体について示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
延伸体の空孔率は、見掛け密度ρを用いて下記式から算出することができる。
空孔率(%)=[(2.2-ρ)/2.2]×100
上記式中、2.2はPTFEの真密度(g/cm3)である。
上記延伸体の密度ρは、延伸体が膜またはシート状の場合、特定の大きさにカットした試料の質量を精密天秤にて測定し、測定した資料の質量及び膜厚みから、以下の式により試料の密度を計算する。
ρ=M/(4.0×12.0×t)
ρ=密度(膜密度)(g/cm3)
M=質量(g)
t=膜厚み(cm)
3か所について上記測定および計算を行い、それらの平均値を膜密度とする。
膜厚みは、膜厚計を使用し、延伸体を5枚重ねて全体の膜厚みを測定し、その値を5で割った数値を1枚の膜厚みとする。
延伸体が円柱状の場合、上記延伸体の密度ρは、一定の長さにカットした試料の質量を精密天秤にて測定し、測定した試料の質量及び外径から、以下の式により試料の密度を計算する。
ρ=M/(r×r×π)×L
ρ=密度(g/cm3)
M=質量(g)
r=半径(cm)
L=長さ(cm)
π=円周率
延伸体の外径はレーザ式変位センサを使用して測定する。半径はその値を2で割った数値とする。
3か所について上記測定および計算を行い、それらの平均値を密度とする。
pH値は、25℃で、HORIBA pH/ION METER F-72で測定した値を採用した。
PTFE水性分散液(フルオロポリマー水性分散液)1gを、送風乾燥機中で150℃、60分の条件で乾燥し、水性分散液の質量(1g)に対する、加熱残分の質量の割合を百分率で表した値を採用した。
得られたPTFE水性分散液を、高速遠心分離機を用いて遠心分離し、得られた上澄み水を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析装置で測定し、PTFE水性分散液におけるラウリン酸アンモニウムの含有量を求めた。用いた装置は以下の通りである。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析装置本体:Waters製 Allianceセパレーションモジュール2695
検出器:Waters製 Waters2487検出器
動的光散乱法により測定される。得られたPTFE粉末を用いて、固形分濃度を約1.0質量%に調整したPTFE粉末の水性分散液を作成し、ELSZ-1000S(大塚電子株式会社製)を使用して25℃、積算70回にて測定した。溶媒(水)の屈折率は1.3328、溶媒(水)の粘度は0.8878mPa・sとした。
ASTM D 4895-89に準拠して成形されたサンプルを用い、ASTM D 792に準拠した水置換法により測定した。
ASTM D 4895-89に準拠して測定した。
HFP含有量は、PTFE粉末をプレス成形することで、薄膜ディスクを作成して測定した赤外線吸光度から求めた。982cm-1における吸光度/935cm-1における吸光度の比に0.3を乗じて求めた。
得られたPTFE粉末100gに、潤滑剤(商品名:アイソパーH(登録商標)、エクソン社製)21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビード(beading;押出成形体)を得る。押出スピード、すなわち、ラムスピードは、20インチ/分(51cm/分)とする。押出圧力は、ペースト押出において押出負荷が平衡状態になった時の負荷を測定し、ペースト押出に用いたシリンダーの断面積で除した値とした。
上記のペースト押出しにより得られたビードを230℃で30分加熱することにより、潤滑剤をビードから除去する。次に、ビード(押出成形体)を適当な長さに切断し、クランプ間隔が1.5インチ(38mm)となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを所望のストレッチ(総ストレッチ)に相当する分離距離となるまで所望の速度(ストレッチ速度)で離し、ストレッチ試験を実施する。このストレッチ方法は、押出スピード(84cm/分でなく51cm/分)が異なることを除いて、本質的に米国特許第4,576,869号明細書に開示された方法に従う。『ストレッチ』とは、延伸による長さの増加であり、通常元の長さに対する比率として表される。上記作製方法において、上記ストレッチ速度は、1000%/秒であり、上記総ストレッチは2400%である。このようにして延伸ビードを得る。
上記延伸試験で得られた延伸ビード(ビードをストレッチすることによって作製されたもの)について、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度Aとして測定した。
上記延伸試験でクランプ間隔を2.0インチ(51mm)、及び、ストレッチ速度が100%/秒に変更する以外は同じ方法で得られた延伸ビードについて、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度Bとして測定した。
上記延伸試験で得られた延伸ビードの両方の末端を固定具につなげ、ぴんと張られた全長8インチ(20cm)のビードサンプルとする。オーブンを390℃に保ち、オーブン側部にある(覆われた)スリットを通して固定具をオーブン中に挿入する。オーブンに挿入した時点からビードサンプルが破断するまでに要する時間を応力緩和時間として測定した。
実施例により得られたPTFE粉末について、TG/DTA(示差熱熱重量同時測定装置)を用いて、昇温速度10℃/分の条件にて融解熱曲線を描き、上記融解熱曲線に現れる吸熱ピークの極大値に対応する温度とした。
得られた湿潤PTFE粉末を285℃で18時間乾燥し、PTFE粉末を得た。得られたPTFE粉末を上記押出圧力の測定方法と同じ方法で押出を行ない、ビードを得た。得られたビードを上記延伸試験と同じ方法で延伸ビードを得た。得られた延伸ビードについて、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度Cとして測定した。
得られた湿潤PTFE粉末を285℃で18時間乾燥し、PTFE粉末を得た。得られたPTFE粉末を上記押出圧力の測定方法と同じ方法で押出を行ない、ビードを得た。延伸試験でクランプ間隔を2.0インチ(51mm)、及び、ストレッチ速度を100%/秒に変更する以外は上記破断強度Cの測定と同じ方法で延伸ビードを得た。得られた延伸ビードについて、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度Dとして測定した。
得られたPTFE粉末約5gを白金皿に採取し、電気炉で600℃にて、1時間保って加熱分解した。得られた残渣に高純度濃塩酸を約2ml加えて加熱し溶解させ、試料溶液を得た。得られた試料溶液に希塩酸30mlを加えウォーターバス上で加熱濃縮し、約20mlの溶液を得た。得られた溶液について誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)を用いて定量分析し、PTFE粉末におけるマンガンの含有量を求めた。
16gの脱イオン水に0.273gのラウリン酸を入れて攪拌しながら2.77gのアンモニア2.8%水溶液を徐々に加えて水溶液Aを得た。
100gの脱イオン水に10gのラウリン酸を入れて攪拌しながら25gのアンモニア10%水溶液を徐々に加えて水溶液Bを得た。このときのpHは、9.6を示した。
内容積3LのSUS製の撹拌機付き反応器に1748gの脱イオン水、90gのパラフィンワックス、19.0gの水溶液A、0.5gのシュウ酸アンモニウムを加えた。この時の水性媒体のpHは9.0であった。反応器を密閉し、系内を窒素で置換を行ない、酸素を取り除いた。反応器を70℃に昇温し、2.0gのHFPを加え、さらに、TFEにて昇圧し、2.70MPaGとした。重合開始剤として、0.5質量%の過マンガン酸カリウム水溶液を反応器に連続的に仕込むことで反応を行なった。反応圧を2.70MPaG一定となるようにTFEを仕込んだ。80gのTFEを仕込んだ時に撹拌を停止し、反応圧が大気圧になるまで脱圧を行なった。直ちに、反応器にTFEを充填し、反応圧を2.70MPaGとし、撹拌を再開して、反応を継続した。
水溶液Bを直ちに反応器に連続的に仕込み始めた。590gのTFEを仕込んだ時に、撹拌を停止し、反応器を大気圧になるまで脱圧を行なった。反応終了までに72.4gの過マンガン酸カリウム水溶液と30gの水溶液Bを仕込んだ。水性分散液を反応器から取り出し、冷却後、パラフィンワックスを分離し、PTFE水性分散液を得た。得られたPTFE水性分散液のpHは8.3であった。
得られたPTFE水性分散液を、10%濃度に水で希釈した後、高速撹拌条件下で、凝固させ、水と分離して、湿潤PTFE粉末を得た。得られた湿潤PTFE粉末を240℃で18時間乾燥した。得られたPTFE粉末の物性を下記表1、2に示す。
実施例1と同様にして反応を行ない、680gのTFEを仕込んだ時に攪拌を停止した。反応終了までに56.0gの過マンガン酸カリウム水溶液と26.2gの水溶液Bを仕込んだ。得られたPTFE水性分散液のpHは8.8であった。
実施例1と同様にして凝固・乾燥した。得られたPTFE粉末の物性を下記表1、2に示す。
100gの脱イオン水に、9.9gのラウリン酸を入れて攪拌しながら、14gのアンモニア10%水溶液を仕込んで水溶液Cを得た。この時のpHは9.5であった。
水溶液Aの代わりに0.273gのラウリン酸を使用したこと以外は実施例1と同様に反応器に仕込んだ。この時の水性媒体のpHは6.7であった。
その後、実施例1と同様にして反応を行なった。反応途中で水溶液Bの代わりに水溶液Cを反応器に連続的に仕込む以外は同様に反応を継続した。800gのTFEを仕込んだ時に攪拌を停止し、実施例1と同様な操作を行なった。反応終了までに52.2gの過マンガン酸カリウム水溶液と25.5gの水溶液Cを仕込んだ。
得られたPTFE水性分散液のpHは8.2であった。また、得られたPTFE水性分散液におけるラウリン酸アンモニウムの含有量は55.5ppmであった。得られたPTFE水性分散液を、実施例1と同様にして凝固・乾燥した。得られたPTFE粉末における、マンガンの含有量は、24.3ppmであった。得られたPTFE粉末の物性を下記表1、2に示す。
16gの脱イオン水に0.273gのミリスチン酸を入れて攪拌しながら2.77gのアンモニア2.8%水溶液を徐々に加えて水溶液Dを得た。
94gの脱イオン水に4.3gのラウリン酸を入れて攪拌しながら、8.8gのアンモニア10%水溶液を徐々に加えて水溶液Eを得た。
内容積3LのSUS製の撹拌機付き反応器に1728gの脱イオン水、90gのパラフィンワックス、19.0gの水溶液D、0.5gのシュウ酸アンモニウムを加えた。この時の水性媒体のpHは10.0であった。反応器を密閉し、系内を窒素で置換を行ない、酸素を取り除いた。反応器を70℃に昇温し、1.8gのHFPを加え、さらに、TFEにて昇圧し、2.70MPaGとした。重合開始剤として、0.5質量%の過マンガン酸カリウム水溶液を反応器に連続的に仕込むことで反応を行なった。反応圧を2.70MPaG一定となるようにTFEを仕込んだ。65gのTFEを仕込んだ時に撹拌を停止し、反応圧が大気圧になるまで脱圧を行なった。直ちに、反応器にTFEを充填し、反応圧を2.70MPaGとし、撹拌を再開して、反応を継続した。
水溶液Eを直ちに反応器に連続的に仕込み始めた。380gのTFEを仕込んだ時に、撹拌を停止し、反応器を大気圧になるまで脱圧を行なった。反応終了までに52.0gの過マンガン酸カリウム水溶液と20gの水溶液Eを仕込んだ。水性分散液を反応器から取り出し、冷却後、パラフィンワックスを分離し、PTFE水性分散液を得た。得られたPTFE水性分散液のpHは9.8であった。
得られたPTFE水性分散液を、13%濃度に水で希釈した後、高速撹拌条件下で、凝固させ、水と分離して、湿潤PTFE粉末を得た。得られた湿潤PTFE粉末を210℃で18時間乾燥した。得られたPTFE粉末の物性を下記表1に示す。
16gの脱イオン水に0.179gのウンデカン酸を入れて攪拌しながら1.89gのアンモニア2.8%水溶液を徐々に加えて水溶液Fを得た。
水溶液Dの代わりに、18.0gの水溶液Fを使用したこと以外は実施例4と同様に反応器に仕込んだ。この時の水性媒体のpHは9.8であった。
その後、実施例4と同様にして反応を行なった。反応途中で水溶液Bの代わりに水溶液Cを反応器に連続的に仕込む以外は同様に反応を継続した。反応途中で水溶液Eの代わりに水溶液Cを反応器に連続的に仕込む以外は同様に反応を継続した。770gのTFEを仕込んだ時に攪拌を停止し、実施例4と同様な操作を行なった。反応終了までに53.0gの過マンガン酸カリウム水溶液と25.0gの水溶液Cを仕込んだ。
得られたPTFE水性分散液のpHは9.5であった。得られたPTFE水性分散液を、実施例1と同様にして凝固・乾燥した。得られたPTFE粉末の物性を下記表1、2に示す。
Claims (18)
- 炭化水素系界面活性剤及び重合開始剤の存在下、pHが4.0以上の水性媒体中で、フルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得る重合工程を含み、前記炭化水素系界面活性剤はカルボン酸型であり、前記重合開始剤がレドックス開始剤であることを特徴とするフルオロポリマーの製造方法。
- アニオン性の炭化水素系界面活性剤及び重合開始剤の存在下、水性媒体中で、フルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得る重合工程を含み、前記炭化水素系界面活性剤が、前記炭化水素系界面活性剤の塩を含み、前記炭化水素系界面活性剤はカルボン酸型であり、前記重合開始剤がレドックス開始剤であることを特徴とするフルオロポリマーの製造方法。
- 前記重合工程は、実質的に有機酸の形態の前記炭化水素系界面活性剤の非存在下で重合する請求項1又は2記載の製造方法。
- 前記レドックス開始剤は、塩である酸化剤と塩である還元剤との組合せである請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記レドックス開始剤は、過マンガン酸カリウム/シュウ酸アンモニウム、臭素酸カリウム/亜硫酸アンモニウム、及び、セリウム硝酸アンモニウム/シュウ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記重合工程は、前記炭化水素系界面活性剤を含む組成物を重合開始後に添加する添加工程を含む請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記組成物は、pHが5.0以上である水溶液である請求項6記載の製造方法。
- 前記組成物に含まれる前記炭化水素系界面活性剤はカルボン酸型である請求項6又は7記載の製造方法。
- 前記重合工程は、実質的に含フッ素界面活性剤の非存在下にフルオロモノマーを重合する請求項1~8のいずれかに記載の製造方法。
- 前記フルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンである請求項1~9のいずれかに記載の製造方法。
- 前記ポリテトラフルオロエチレンは、延伸可能なものである請求項10記載の製造方法。
- ポリテトラフルオロエチレン、及び、
マンガン、臭素及びセリウムからなる群より選択される少なくとも1種の原子を含み、
実質的に含フッ素界面活性剤を含まない
ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン組成物。 - 前記マンガン、臭素及びセリウムからなる群より選択される少なくとも1種の原子は、マンガンである請求項12記載のポリテトラフルオロエチレン組成物。
- 前記マンガンの含有量が0.1質量%以下である請求項12又は13記載のポリテトラフルオロエチレン組成物。
- 240℃の温度で熱処理し、下記条件(A)で作製した延伸ビードの下記条件(X)で測定した破断強度が29.0N以上であり、
実質的に含フッ素界面活性剤を含まない
ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン粉末。
条件(A):
ポリテトラフルオロエチレン粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピードは、20インチ/分とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むポリテトラフルオロエチレン押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを得る。次に、乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が1.5インチの間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで1000%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。
条件(X):
前記延伸ビードについて、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。 - 240℃の温度で熱処理し、下記条件(B)で作製した延伸ビードの下記条件(X)で測定した破断強度が22.0N以上であり、
実質的に含フッ素界面活性剤を含まない
ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン粉末。
条件(B):
ポリテトラフルオロエチレン粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピードは、20インチ/分とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むポリテトラフルオロエチレン押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを得る。次に、乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が2.0インチの間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで100%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。
条件(X):
前記延伸ビードについて、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。 - 下記条件(A)で作製した延伸ビードの下記条件(X)で測定した破断強度が34.0N以上であり、
実質的に含フッ素界面活性剤を含まない
ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン粉末。
条件(A):
ポリテトラフルオロエチレン粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピードは、20インチ/分とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むポリテトラフルオロエチレン押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを得る。次に、乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が1.5インチの間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで1000%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。
条件(X):
前記延伸ビードについて、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。 - 下記条件(B)で作製した延伸ビードの下記条件(X)で測定した破断強度が29.0N以上であり、
実質的に含フッ素界面活性剤を含まない
ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン粉末。
条件(B):
ポリテトラフルオロエチレン粉末100gに、潤滑剤21.7gを添加し、室温にてガラスビン中で3分間混合する。次いで、ガラスビンを、押出前少なくとも1時間、室温(25℃)に放置し、潤滑化樹脂を得る。潤滑化樹脂をオリフィス(直径2.5mm、ランド長11mm、導入角30°)を通して、室温で100:1の減速比でペースト押出し、均一なビードを得る。押出スピードは、20インチ/分とする。
上記のペースト押出により得られた潤滑剤を含むポリテトラフルオロエチレン押出ビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤をビードから除去することで乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを得る。次に、乾燥されたポリテトラフルオロエチレン押出ビードを適当な長さに切断し、クランプ間隔が2.0インチの間隔となるよう、各末端をクランプに固定し、空気循環炉中で300℃に加熱する。次いでクランプを2400%に相当する分離距離となるまで100%/秒で離し、ストレッチ試験を実施して延伸ビードを得る。
条件(X):
前記延伸ビードについて、5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、25℃で300mm/分の速度で引っ張り試験を行い、破断した時の強度を破断強度とする。
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