JP7188146B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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また、特許文献1では、微粒子含有スラリーのポリエステル製造工程への添加時期は、エステル化反応のエステル化率が91%以上進行した時点から重縮合反応初期の間で任意に選択できるとされている。
すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
本発明のポリエステルの製造方法で製造するポリエステル(以下、「本発明のポリエステル」と称す場合がある。)は、「主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート単位であるポリエステル」である。すなわち、TPAを主成分とするジカルボン酸成分とEGを主成分とするジオール成分とのエステル化反応を経て重縮合反応を行うことにより得られるポリエステルである。ここで、主たる繰り返し単位とはポリエステルを構成する全繰り返し単位のうちの50%以上を占める繰り返し単位をさし、この割合は好ましくは80%以上である。
即ち、本発明のポリエステルは、全繰り返し単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位であることが好ましい。
従って、本発明のポリエステルは、原料ジカルボン酸成分全量のうち、TPA成分の割合が80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることが更に好ましく、99~100モル%であることが特に好ましい。
また、原料ジオール成分の全量のうち、EGの割合が80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることが更に好ましく、99~100モル%であることが特に好ましい。
本発明のポリエステルの製造には、必要に応じて、エステル交換触媒を用いてもよい。
エステル交換触媒としては、例えば、三酸化二アンチモン等のアンチモン化合物;二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物;テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等のチタン化合物;ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸等のスズ化合物;酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等のマグネシウム化合物、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、カルシウムアルコキサイド、燐酸水素カルシウム等のカルシウム化合物等が挙げられる。中でも、反応効率が良好であることよりゲルマニウム化合物が好ましい。ゲルマニウム化合物として二酸化ゲルマニウムがより好ましい。尚、これらの触媒は、単独でも2種以上混合して使用することもできる。
本発明のポリエステルは、エステル化反応工程及び重縮合反応工程を有する限り、公知の製造装置及び製造条件により製造することができる。例えば、エステル化反応槽に、TPA等のジカルボン酸成分とEG等のジオール成分と必要に応じてエステル交換触媒を投入し、温度150℃~280℃、好ましくは150℃~250℃、圧力0kPaG(Gはゲージ圧)~200kPaG、好ましくは0kPaG~150kPaGの条件下で反応させてオリゴマーを得る。
具体的には、重縮合反応槽における反応温度を、通常220℃~300℃、好ましくは220℃~295℃の範囲で漸次昇温し、また漸次減圧し通常最終圧力を1.3kPa~0.013kPa、好ましくは0.65kPa~0.065kPaとし、重縮合反応が終了した後にこのポリエステルを重縮合反応槽から吐出し、常法によりペレット化する。
本発明で用いる無機粒子は、重縮合反応中に溶解せず、ある程度の硬度があれば特に限定されないが、例えば、シリカ粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、硫酸バリウム粒子、フッ化リチウム粒子、カオリン粒子、酸化鉄粒子等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、エステル化反応槽から排出されたオリゴマーと無機粒子含有グリコールスラリーとを混合したのち、重縮合反応を行う。
エステル化反応槽から排出されたオリゴマーと無機粒子含有グリコールスラリーとの混合方法としては、移送配管中のオリゴマーに無機粒子含有グリコールスラリーを添加することが好ましい。この場合、例えば移送配管の内部に無機粒子含有グリコールスラリーの添加口(細い配管など)を設け、高流速で無機粒子含有グリコールスラリーを添加することが好ましい。かかる方法を採用することにより、無機粒子含有グリコールスラリーの優れた分散状態をポリエステル中でも高度に維持することができ、無機粒子含有グリコールスラリー中よりもポリエステル中での分散性をより優れたものとすることができる場合もある。この分散性の効果は、無機粒子含有グリコールスラリー及び無機粒子含有ポリエステル、それぞれにおける無機粒子の平均粒径及び粒度分布値を比較することで確認することができる。
本発明のポリエステルの固有粘度は0.40dL/g以上1.50dL/g以下であることが好ましく、より好ましくは0.45dL/g以上1.40dL/g以下、更に好ましくは0.48dL/g以上1.30dL/g以下である。固有粘度が上記範囲内であると生産性を悪化させずに、成形加工性に優れたポリエステルとすることが可能となる。
ポリエステルの固有粘度は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される。
無機粒子の含有量が上記下限以上であれば、無機粒子を添加したことによる成形品の表面滑性向上効果を十分に得ることができ、上記上限以下であれば、例えばフィルムとした場合の透明性や光沢度を損なうことがない。
本発明により製造される無機粒子含有ポリエステルは、無機粒子による表面滑性向上効果から、特にフィルム用途に好適であり、各種飲食品等の包装フィルムや各種機器類の保護フィルム等として好適に用いることができる。
以下において、製造されたポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある)、用いた無機粒子の物性値や特性値は、次のようにして測定、評価した。
試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(質量比1/1)の混合溶媒約25mLに、濃度が1.00g/dLとなるように溶解させた後、30℃まで冷却し、30℃において全自動溶液粘度計(センテック社製、「DT553」)にて、試料溶液の落下速度、溶媒のみの落下秒数それぞれを測定し、以下の式により、固有粘度(IV)を算出した。
IV=((1+4KHηsp)0.5-1)/(2KHC)
ここで、 ηsp=η/η0-1 であり、ηは試料溶液の落下秒数、η0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。なお試料の溶解条件は、110℃で30分間とした。
日機装社製 レーザー回折式粒度分布測定装置(MT-3000II)を用いて測定した。
この場合、等価球形分布における積算体積分率50%の点の直径d50を平均粒径とした。また同時に小粒子側から積算して体積分率10%の点の直径d10と、体積分率90%の点の直径d90の比、d90/d10を粒度分布の指標(粒度分布値)とした。この値は1より大きいが、1に近づくほど粒度分布はシャープとなる。
3.2gの無機粒子含有PETに160mlのフェノール-テトラクロロエタン混合溶媒(混合質量比:2/3)を加えた後、130℃で加熱しながら30分撹拌して混合溶媒中に無機粒子含有PETを溶解させた。該混合溶媒を室温まで冷却した後、日機装社製 レーザー回折式粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA)を用いて、上記(2)の無機粒子含有グリコールスラリー中の無機粒子の場合と同様にして、平均粒径及び粒度分布値を求めた。
TPA 120質量部及びEG 51.5質量部(仕込みEG/TPAモル比=1.15)を、撹拌装置、昇温装置及び留出液分離塔を備えたエステル化反応槽に仕込み、250℃に加熱してTPAを溶融させた。次いで、三酸化アンチモンを、得られるPET100質量部に対し0.02質量部添加されるように三酸化アンチモンのEG溶液を添加した。このEG溶液のEG量はごくわずかであり、原料EGとして無視し得る量である。その後、常圧下で4時間撹拌保持すると共に水を留去しながらエステル反応を行ない、実質的にエステル反応を終了してオリゴマーを得た。
次いで、得られたオリゴマーをエステル化反応槽から移送配管を通じて重縮合反応槽へ移送する間に、該無機粒子含有グリコールスラリーを該移送配管中のオリゴマーに、得られるポリエステル樹脂分に対して無機粒子濃度が1.0質量%となるように添加した。この添加時間は5分間であった。
得られた無機粒子含有PET中の無機粒子の平均粒径と粒度分布値を測定し、結果を表1に示した。
実施例1において、エステル化反応槽への仕込みEG/TPAモル比を1.11に変更した以外は、実施例1と同様にして無機粒子含有PETを得、同様に無機粒子分散性の評価を行い、結果を表1に示した。
この比較例1は、仕込みEG/TPAモル比が本発明の規定値より低いため、無機粒子含有PET中の無機粒子の平均粒径及び粒度分布値が実施例1に比べ劣っていた。
実施例1において、エステル化反応槽へのEG/TPA仕込みモル比を1.20とし、無機粒子含有グリコールスラリーの無機粒子濃度を20質量%に変更し(ポリエステル樹脂成分に対する無機粒子添加濃度は実施例1と同じ)、無機粒子含有グリコールスラリーの添加先を移送配管ではなく、エステル化反応槽とした以外は、実施例1と同様にして無機粒子含有PETを得、同様に無機粒子分散性の評価を行い、結果を表1に示した。
この比較例2では、無機粒子含有グリコールスラリーの添加場所が移送配管中のオリゴマーではなく、エステル化反応槽であるため、無機粒子含有PET中の無機粒子の平均粒径及び粒度分布値が実施例1に比べ著しく劣っていた。
一方、比較例1および2は、本発明の要件のいずれかを欠いており、無機粒子含有PET中の無機粒子の平均粒径及び粒度分布値は実施例1に比べ劣っていた。
これらの結果より、本発明によれば、無機粒子をポリエステル中に均一に分散させた無機粒子含有ポリエステルを生産性良く得ることができることが分かる。
Claims (1)
- エステル化反応工程と、該エステル化反応工程で得られたオリゴマーの重縮合反応工程とを有し、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート単位であるポリエステルを製造する方法において、
該オリゴマーの製造に用いるテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比が1.14~1.30であり、
該オリゴマーと無機粒子含有グリコールスラリーとを混合した後、重縮合反応を行う方法であって、
該無機粒子含有グリコールスラリー中の該無機粒子の平均粒径(d50)が0.02~5.0μmでありかつ粒度分布値(d90/d10)が1.1~3.0である、ポリエステルの製造方法であって、
エステル化反応槽で前記エステル化反応工程を行い、重縮合反応槽で前記重縮合反応工程を行う方法であって、前記無機粒子含有グリコールスラリーを該エステル化反応槽から該重縮合反応槽へ前記オリゴマーを移送する配管中の該オリゴマーに添加する、ポリエステルの製造方法。
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