JP4910515B2 - ポリエステル重縮合用触媒、その製造方法及び該触媒を用いたポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
また、ゲルマニウム化合物を触媒としたポリエステル樹脂においては、透明性や安全衛生性等の面では好適であるものの、ゲルマニウム化合物自体が極めて高価であり経済的不利が避けられない等の点から、ゲルマニウム化合物についても、使用量を低減化するか、それらに代わる重縮合用触媒の出現が強く望まれていた。
一方、チタン化合物は、安価で、安全衛生性等への懸念もないことから注目され、アンチモン化合物やゲルマニウム化合物の代わりに使用されるに至っているが、チタン化合物を触媒としたポリエステル樹脂は、特有の黄味を有し、更に、熱安定性が劣る等品質上の欠点があった。
そこで、チタン元素、マグネシウム元素、リン元素を同一の触媒溶液中に含有し、安定に使用できるポリエステル重縮合用触媒が望まれていた。
すなわち本発明の要旨は、一価アルコール、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物、及び下記一般式(I)により表されるアルコキシチタネートを混合して得られ、且つ下記1)〜3)を満たすことを特徴とする液状のポリエステル重縮合用触媒に存する。
2) 0.1≦T/P≦5 (モル比)
3) 0.01≦W1/W2≦15(重量比)
(ただし、T、M、Pはそれぞれ得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子のモル濃度(T)、アルカリ土類金属化合物由来のアルカリ土類金属原子のモル濃度(M)、及び酸性リン酸エステル化合物由来のリン原子のモル濃度(P)を表し、W1は得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子の重量濃度、及びW2は得られる重縮合用触媒中の一価アルコールの重量濃度を表す。)
2) 0.1≦T/P≦5 (モル比)
3) 0.01≦W1/W2≦15(重量比)
(ただし、T、M、Pはそれぞれ得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子のモル濃度(T)、アルカリ土類金属化合物由来のアルカリ土類金属原子のモル濃度(M)、及び酸性リン酸エステル化合物由来のリン原子のモル濃度(P)を表し、W1は得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子の重量濃度、及びW2は得られる重縮合用触媒中の一価アルコールの重量濃度を表す。)
なお、本明細書中、「ppm」や「%」は、「モルppm」、「モル%」等と特記する場合を除き、「重量ppm」、「重量%」を意味する。
本発明のポリエステル重縮合用触媒は一価アルコール、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物、及び下記一般式(I)により表されるアルコキシチタネートを混合して得られ、且つ下記1)〜3)を満たすことよりなる液状のポリエステル重縮合用触媒であり、該触媒は均一透明で粘度が低い溶液である。
2) 0.1≦T/P≦5 (モル比)
3) 0.01≦W1/W2≦15(重量比)
(ただし、T、M、Pはそれぞれ得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子のモル濃度(T)、アルカリ土類金属化合物由来のアルカリ土類金属原子のモル濃度(M)、及び酸性リン酸エステル化合物由来のリン原子のモル濃度(P)を表し、W1は得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子の重量濃度、及びW2は得られる重縮合用触媒中の一価アルコールの重量濃度を表す。)
アルコキシチタネートの具体例としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネートなどのテトラアルコキシチタネートが挙げられ、中でも、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートが好ましく、テトラ−n−ブチルチタネートが特に好ましい。
2) 0.1≦T/P≦5 (モル比)
3) 0.01≦W1/W2≦15 (重量比)
式1)のM/P(モル比)が3を超えると、液状触媒中で混合されるチタン化合物とアルカリ土類金属化合物が反応し不溶性の化合物を生成し易い傾向となる。また、M/Pが0.1未満であると触媒活性が低下する傾向となる。M/Pの下限は、0.2が好ましく、上限は2が好ましい。
また、液状触媒中のチタン原子の濃度は、通常1〜15重量%であり、好ましくは3〜12重量%である。
本発明の液状のポリエステル重縮合用触媒の製造方法について説明する。本発明の液状触媒は、一価アルコール、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物及び上記一般式(I)により表されるアルコキシチタネートを混合することにより製造することができる。
本発明の液状触媒を効率的でかつ高性能に製造する代表的な方法として以下の2つの製造方法が挙げられる。
一価アルコール、上記一般式(I)により表されるアルコキシチタネート、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物を混合する工程(i)、並びに工程(i)で得られた混合物を蒸留し、一価アルコールの一部を除去する工程(ii)を有しており、かつ得られるポリエステル重縮合用触媒が上記1)〜3)を満たすことよりなる液状のポリエステル重縮合用触媒の製造方法。
一価アルコールとアルカリ土類金属化合物とを混合する工程(iii)、並びに工程(iii)で得られた混合物と上記一般式(I)により表されるアルコキシチタネート及び酸性リン酸エステル化合物とを混合する工程(iv)を有しており、かつ得られるポリエステル重縮合用触媒が上記1)〜3)を満足することよりなる液状のポリエステル重縮合用触媒の製造方法。
ここで、工程(iii)及びそれに続く工程(iv)の温度条件は、使用する触媒原料に応じ40℃以上、使用する一価アルコールの沸点以下の温度範囲で適宜選定される。
工程(iii)の反応は常圧下で実施され、加温することでより速やかに均一溶液を得ることができるので、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは40〜80℃にて反応させることが望ましい。5〜60分間で均一な透明溶液を得る。次に、工程(iii)で得られた混合溶液に該アルコキシチタネート、及び酸性リン酸エステル化合物を投入し撹拌混合して反応させる(工程(iv))。工程(iv)の反応条件は常圧下で実施され、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは40〜80℃にて反応させ、5〜60分で均一透明な触媒液を得る。
また、得られた液状触媒は空気中での取り扱いが可能だが、3ヶ月以上の長期保存の場合は窒素などの不活性ガス雰囲気下で保存することが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、本発明の前記ポリエステル重縮合用触媒を用いること以外は特に制限されず、基本的には、ポリエステル樹脂の慣用の製造方法を用いることが出来る。
以下にポリエステル樹脂の慣用の製造方法の一例として、ポリエチレンテフタレートの製造を例に本発明のポリエステル樹脂の製造方法を述べる。
なお、本発明のポリエステル重縮合用触媒は、製造するポリエステル樹脂の主原料のジオール成分であるエチレングリコール等の溶液として添加することもできる。
また、上記固相重縮合に先立って、不活性ガス雰囲気下又は水蒸気雰囲気下、あるいは水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、通常120〜200℃、好ましくは130〜190℃で1分〜4時間程度加熱してポリエステル樹脂粒状体表面を結晶化させることが好ましい。
しかし、酸化チタンを本発明の重縮合用液状触媒と混合して添加すると該重縮合用液状触媒の活性が低下する傾向となるので好ましくなく、重縮合用液状触媒と酸化チタンとは別々に添加するほうが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、これらの中空成型用プリフォームや成型容器に限られず、各種の成形体、フィルム、繊維等の成型用原料として有用であり、色調等の品質に優れた成型品となすことができる。
なお、以下の実施例において、ポリエステル重縮合用触媒のエタノール濃度の測定方法、ヘーズ及び粘度の測定方法は以下に示す通りである。
重縮合用触媒50mgをメタノール10mlに溶解したものをガスクロマトグラフィー測定試料とした。
ガスクロマトグラフィーの分析条件は以下の通りである。
装置:Agilent製 HP6890
検出器条件:200℃、FID
カラム:Agilent HP−INNOWAX 30m×0.25mmφ 膜厚0.5μm
キャリアー:ヘリウム 1ml/min
昇温条件:試料注入後40℃で2min保持、その後60℃まで5℃/minで昇温し、その後220℃まで10℃/minで昇温。
注入口条件:320℃、スプリット比1/50
試料注入量:2μL
内部標準物質:イソアミルアルコール
日本電色社製ヘーズメーター「NDH−300A」を用い、試料(液状触媒)を光路長10mmのセルに入れ、エタノールを対照サンプルとして23℃、50%RHで、全光線透過率[Tt(%)]、及び拡散透過率[Td(%)]を測定し、以下の式により算出した。
ヘーズ(%)=[Td/Tt]×100
東機産業社製粘度計「TVB−10R」を用い、試料(液状触媒)を500mlビーカーに入れ、試料の温度40℃にて、No.25ロータを用いてロータ回転数100rpmにて粘度を測定した。
凍結粉砕したポリエステル樹脂試料0.25gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として、濃度(c)を1.0g/dlとして、110℃で30分間溶解させた。得られた溶液につきウベローデ型毛細粘度管を用いて、30℃で、原液(溶媒)との相対粘度(ηrel )を測定し、この相対粘度(ηrel )−1から求めた比粘度(ηsp)と濃度(c)との比(ηsp/c)を求めた。同様にして、濃度(c)を0.5g/dl、0.2g/dl、0.1g/dlとしたときについてもそれぞれの比(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃度(c)を0に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘度(η)(dl/g)として求めた。
ポリエステル樹脂チップを粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。又、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料を用いずに同様の操作を実施し、以下の式(イ)によって酸価を算出した。
[ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリムのベンジルアルコール溶液の量(ml)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(ml)、Wは、ポリエステル樹脂の試料の量(g)、fは、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価である。]
力価(f)=0.1Nの塩酸の力価×0.1Nの塩酸の採取量(ml)/0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の滴定量(ml) (ロ)
(実施例1)
スターラー用撹拌子を入れた100ml三角フラスコ中に酢酸マグネシウム・四水和物4.42g、エタノール20.20gを仕込み、室温、常圧で30分間、混合・攪拌して均一な透明溶液を得た。次にエチルアシッドホスフェート3.42g(商品名:JP502、城北化学社製、モノエステル体とジエステル体の重量比45:55)を仕込み(M/P(モル比)=0.85)、室温、常圧で10分間混合・攪拌した。次にテトラ-n-ブチルチタネート7.13g(T/P(モル比)=0.86)を混合液に滴下してさらに10分間混合・攪拌して均一な透明溶液を得た。得られた溶液を300mlナス型フラスコに移してエバポレーターにセットし、60℃、11kPaAの条件でエタノールの一部を蒸留除去して均一透明な触媒液を得た。
触媒液の収量は17.14g、触媒液中のTi濃度は5.9wt%、エタノール濃度は13.1wt%(W1/W2=0.45)であり、触媒液のヘーズは1.7%、液温40℃での粘度は0.080Pa・sであった。
スターラー用撹拌子を入れた100ml三角フラスコに酢酸マグネシウム・四水和物4.42g、エタノール2.62gを仕込み、常圧下、60℃のオイルバス中で加温しながら30分間、混合・攪拌して少し白濁のある溶液を得た。この溶液を60℃のオイルバス中で加温しながら、テトラ-n-ブチルチタネート7.13gを滴下して10分間混合・攪拌して均一透明溶液を得た。次にエチルアシッドホスフェート3.42gを該溶液に仕込み(M/P=0.85、T/P=0.86)、さらに10分間60℃オイルバス中で加温 しながら混合・攪拌して均一透明な触媒液を得た。
触媒液の収量は17.59g、触媒液中のTi濃度は5.7wt%、エタノール濃度は14.9wt%(W1/W2=0.38)であり、触媒液のヘーズは2.0%、液温40℃での粘度は0.067Pa・sであった。
スターラー用撹拌子を入れた100ml三角フラスコに酢酸マグネシウム・四水和物4.42gを仕込み、常圧下、90℃のオイルバス中で加温しながら30分間、攪拌して酢酸マグネシウムが一部融解した固体/液体の混合物を得た。この混合物にテトラ-n-ブチルチタネート7.13gを滴下し、さらにエチルアシッドホスフェート3.42g(Mg/P=0.85、T/P=0.86)を仕込んで60分間、加温及び攪拌を継続したが、混合物は固体/液体の混合物のままで均一液状とならず、ヘーズ、粘度の測定は実施できなかった。
スターラー用撹拌子を入れた100ml三角フラスコに酢酸マグネシウム・四水和物1.40g、エチレングリコール1.21g、水0.22gを仕込み、室温、常圧下で30分間、混合・攪拌して均一な透明溶液を得た。さらに乳酸の90wt%水溶液0.44gを加えて混合・攪拌して均一な透明溶液を得た後、生成溶液中のTiメタル濃度が5.9wt%となるように秤量した重量のテトラ-n-ブチルチタネート2.42gを加えたところ、直ぐに白濁・固化し均一液状とならずヘーズ、粘度の測定は実施できなかった。
スターラー用撹拌子を入れた2L三口フラスコにエチレングリコール919gと無水トリメリット酸80gを入れて混合攪拌した中に、テトラ-n-ブチルチタネート71gを5分間かけて添加し、透明なチタン化合物を含むエチレングリコール溶液を得た(これを溶液Aとする)。
別のスターラー用撹拌子を入れた2L三口フラスコにエチレングリコール400gと酢酸マグネシウム・四水和物28.3gを添加し、攪拌しつつオイルバス中で100℃まで加熱し均一溶液とした(これを溶液Bとする)。
更に別のスターラー用撹拌子を入れた2L三口フラスコにエチレングリコール272gを入れて、攪拌しながら160℃まで加熱した。その温度に達した時点で、トリメチルホスフェートを18.2g添加し、加熱混合攪拌して溶解し、透明な溶液を得た(これを溶液Cとする)。
(実施例3)
[重縮合反応用触媒]
実施例1で得られたチタン元素、マグネシウム元素、リン元素を含む均一なポリエステル重縮合用触媒溶液を用いて重縮合反応を行った。
テレフタル酸ジメチル2012kg(10.4×103モル)とエチレングリコール1286(20.7×103)とをエステル化反応槽に供給して溶解後、エチレングリコールに溶解させた酢酸カルシウムを、カルシウム原子として0.20kg(エステル交換反応により得られる生成物に対して100ppm)となるように添加し、220℃に保持しつつ、生成するメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応が終了した後、このエステル化反応槽に、テレフタル酸1721kg(10.4×103モル)とエチレングリコール772kg(12.4×103モル)とをスラリー調製槽で攪拌・混合して得られたスラリーを3時間かけて連続的に移送し、常圧下、250℃でエステル化反応を行い、移送開始から4時間反応を行った後に、反応液の50%を系外へ抜き出した。
このようにして、実質的にエステル交換触媒成分を含有しないテレフタル酸とエチレングリコールからなるエステル化反応生成物を製造した。このエステル化反応生成物を、エステル化反応槽から重縮合反応槽に移送する途中で抜き出し、大気下で冷却・固化することにより、以下の実施例で使用する原料オリゴマーを得た。この原料オリゴマーの製造に用いられたエチレングリコールのテレフタル酸に対するモル比は、最終的に1.2となり、得られた原料オリゴマーの数平均分子量(Mn)は2280であった。
前記原料オリゴマーのうち、104gをトルクメータ付属攪拌装置付き重縮合反応器に移して、系内を窒素で置換した後、オイルバス(260℃一定)中でオリゴマーの溶解を行った。以下、オリゴマー溶解開始時間を0時間として時間を表記する。
60分後にオリゴマーが完全に溶解していることを確認した後、50rpmで攪拌下70分後に、生成ポリエステル樹脂中のチタン原子、マグネシウム原子、リン原子の濃度がそれぞれ4ppm、2ppm、3ppmとなるように上記実施例1で調製した触媒溶液をエチレングリコールに希釈して3ml添加した。80分後に減圧を開始し、140分後に0.27kPaAまで減圧した。減圧操作は圧力の対数値が時間に逆比例するように行った。重縮合温度は、80分から160分の間に260℃から280℃まで一定速度で昇温した。ポリエステル樹脂の到達固有粘度が0.50〜0.60(dl/g)の範囲に入るように、230分間、溶融重縮合反応を行った。なお、重縮合開始時間は減圧開始時間とした。
実施例2で得られたチタン元素、マグネシウム元素、リン元素を含む均一なポリエステル重縮合用触媒溶液を用いた他は、実施例3と同様の方法で200分間溶融重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂の固有粘度は0.567dl/g、酸価は22.3(当量/トン)であった。
さらに、実施例3と同様の方法で得られたポリエステル樹脂の固相重縮合を10時間実施した。得られたポリエステル樹脂の固有粘度は0.718dl/gであった。
Claims (9)
- 一価アルコール、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物、及び下記一般式(I)により表されるアルコキシチタネートを混合して得られ、且つ下記1)〜3)を満たすことを特徴とする液状のポリエステル重縮合用触媒。
[式(I)中、R1、R2、R3及びR4は各々が炭素数2〜5のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
1) 0.1≦M/P≦3 (モル比)
2) 0.1≦T/P≦5 (モル比)
3) 0.01≦W1/W2≦15(重量比)
(ただし、T、M、Pはそれぞれ得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子のモル濃度(T)、アルカリ土類金属化合物由来のアルカリ土類金属原子のモル濃度(M)、及び酸性リン酸エステル化合物由来のリン原子のモル濃度(P)を表し、W1は得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子の重量濃度、及びW2は得られる重縮合用触媒中の一価アルコールの重量濃度を表す。) - 液状のポリエステル重縮合用触媒のヘーズが、20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の液状のポリエステル重縮合用触媒。
- 液状のポリエステル重縮合用触媒の粘度が6Pa・s以下であり、かつ該重縮合用触媒中のチタン原子の濃度が1〜15重量%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状のポリエステル重縮合用触媒。
- ポリエステル重縮合用触媒の製造方法であって、一価アルコール、下記一般式(I)により表されるアルコキシチタネート、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物を混合する工程(i)、並びに工程(i)で得られた混合物を蒸留し、一価アルコールの一部を除去する工程(ii)を有しており、かつ得られるポリエステル重縮合用触媒が下記1)〜3)を満たすことを特徴とする液状のポリエステル重縮合用触媒の製造方法。
[式(I)中、R1、R2、R3及びR4は各々が炭素数2〜5のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
1) 0.1≦M/P≦3 (モル比)
2) 0.1≦T/P≦5 (モル比)
3) 0.01≦W1/W2≦15(重量比)
(ただし、T、M、Pはそれぞれ得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子のモル濃度(T)、アルカリ土類金属化合物由来のアルカリ土類金属原子のモル濃度(M)、及び酸性リン酸エステル化合物由来のリン原子のモル濃度(P)を表し、W1は得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子の重量濃度、及びW2は得られる重縮合用触媒中の一価アルコールの重量濃度を表す。) - ポリエステル重縮合用触媒の製造方法であって、一価アルコールとアルカリ土類金属化合物とを混合する工程(iii)、並びに工程(iii)で得られた混合物と下記一般式(I)により表されるアルコキシチタネート及び酸性リン酸エステル化合物とを混合する工程(iv)を有しており、かつ得られるポリエステル重縮合用触媒が下記1)〜3)を満たすことを特徴とする液状のポリエステル重縮合用触媒の製造方法。
[式(I)中、R1、R2、R3及びR4は各々が炭素数2〜5のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
1) 0.1≦M/P≦3 (モル比)
2) 0.1≦T/P≦5 (モル比)
3) 0.01≦W1/W2≦15(重量比)
(ただし、T、M、Pはそれぞれ得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子のモル濃度(T)、アルカリ土類金属化合物由来のアルカリ土類金属原子のモル濃度(M)、及び酸性リン酸エステル化合物由来のリン原子のモル濃度(P)を表し、W1は得られる重縮合用触媒中のアルコキシチタネート由来のチタン原子の重量濃度、及びW2は得られる重縮合用触媒中の一価アルコールの重量濃度を表す。) - 工程(iii)及び/又は工程(iv)を40℃以上、使用する一価アルコールの沸点以下で行うことを特徴とする請求項5に記載の液状のポリエステル重縮合用触媒の製造方法。
- 請求項4乃至6の何れか1項に記載の製造方法によって得られる液状のポリエステル重縮合用触媒。
- ジカルボン酸成分とジオール成分とから重縮合反応によりポリエステル樹脂を製造する方法であって、重縮合反応触媒として、請求項1、2、3及び7の何れか1項に記載のポリエステル重縮合用触媒を用いることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
- ジカルボン酸成分がテレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主成分とし、ジオール成分がエチレングリコールを主成分とすることを特徴とする請求項8に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
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