JP3052331B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、不活性無機粒子の分散性が良好なポリエス
テルの製造方法に関するものである。
[従来の技術] ポリエチレンテレフタレートは、優れた力学特性、耐
熱性、耐候性、電気絶縁性、耐薬品性を有するため、磁
気テープ用フィルム、コンデンサ用フィルム、写真用フ
ィルムなどのフィルム分野や、衣料用、産業用などの繊
維分野で広く使用されている。これらフィルムや繊維
は、製造工程での工程通過性や高次加工時の取り扱い
性、さらには最終製品の滑り性、耐摩耗性、表面特性な
どを満足するため、表面に凹凸を形成せしめる方法が通
常用いられている。
フィルムや繊維の表面に凹凸を形成せしめる手段とし
て、酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タル
ク、クレーなどの不活性無機粒子を添加したり配合した
りする方法が一般的に知られている。
また、特に磁気テープ用途では高記録密度化の要請が
著しく、フィルム表面凹凸の均一化と合わせて、高速走
行させたときのフィルムの耐ケズレ性の改良が要求され
ている。これらの要求を満足させるには、ポリエステル
中に添加した不活性無機粒子が均一で微細であることが
必須条件である。
このため、不活性無機粒子の分散性を向上させるため
に、多くの提案がなされている。例えば、特公昭43-120
13号公報、特開昭54-131694号公報、特開昭62-149332号
公報などでは、物理的強制撹拌やpH調整、分散剤などに
よる分散方法が提案されている。
また、ポリエステルの製造は、ジカルボン酸低級エス
テルとグリコールとからエステル交換反応を行ない、次
いで重縮合反応を行なうエステル交換法、およびジカル
ボン酸とグリコールとからエステル化反応を行ない、次
いで重縮合反応を行なう直重法があることはよく知られ
ている。
近年、ポリエステル製造時の生産性の向上や製造コス
トを低減させるため、直重法が多用されている。しかし
ながら、前記の分散性を改良させた不活性無機粒子であ
っても、テレフタル酸(以下TPAという)、ナフタレン
ジカルボン酸(以下NDCAという)などの芳香族ジカルボ
ン酸と、エチレングリコール(以下EGという)などのグ
リコールからポリエステルを製造する直重法において、
重縮合反応系に添加すると不活性無機粒子が凝集しやす
く、分散性が低下するという問題点があった。この問題
を解決するため、例えば、特開昭54-100494号公報ではT
PAとEGからポリエステルを製造するに際して、第4級ア
ンモニウム塩を添加して二酸化チタンの分散性を改良す
る方法が提案されている。しかしながら、これらの方法
によって得られたポリエステルであっても、無機粒子の
分散性が満足する結果を得るに至っていないのが実情で
ある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、直重法において反応系に添加した平均
粒子径が0.5〜5.0μの不活性無機粒子の凝集を防止する
方法について検討した結果、反応系のカルボキシル末端
基濃度が80eq/106g以下の段階で不活性無機粒子を添加
することによって、不活性無機粒子の分散性が著しく改
良できることを見い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、不活性無機粒子の分散性
が良好なポリエステルを直重法により製造する方法を提
供するにある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、芳香族ジカルボン酸を主成
分とするカルボン酸とエチレングリコールを主成分とす
るグリコールからポリエステルを製造するに際して、エ
ステル化反応が実質的に終了した後、該ポリエステルの
酸成分に対して0.1〜1.0倍モルのエチレングリコールを
添加し、その後、該反応生成物のカルボキシル末端基濃
度が反応生成物106g当たり80eq以下である反応系に、
平均粒子径が0.5〜5.0μの不活性無機粒子を0.01〜3重
量%添加することを特徴とするポリエステルの製造方法
によって達成できる。
TPAまたはNDCAとEGとからエステル化反応によって、
ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレートおよびその
低縮合体(以下BHTという)、またはビス−β−ヒドロ
キシエチルナフタレートおよびその低縮合体(以下BHN
という)を得、次いでそれらを重縮合反応によってポリ
エチレンテレフタレート(以下PETという)またはポリ
エチレンナフタレート(以下PENという)を製造する直
重法はよく知られている。
しかしながら、このような直重法においては、反応系
に添加した不活性無機粒子が凝集しやすく、分散性の好
ましくないポリエステルになる。
本発明におけるポリエステルは、TPA、2,6-NDCAなど
の芳香族ジカルボン酸を主成分とするカルボン酸と、EG
を主成分とするグリコールとを重合して製造する方法、
いわゆる直重法で得られる。得られるポリエステルは、
具体的にはPET、2,6-PENを挙げることができる。また、
本発明におけるポリエステルの製造方法において、他の
ジカルボン酸成分やグリコール成分などを20モル%未満
の範囲で共重合してもよい。これら共重合成分として、
具体的にはジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバ
シン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ブタンジオール、
シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレングリコー
ル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヒドロキシエ
トキシ安息香酸などを挙げることができる。
本発明のポリエステルの製造方法をPETを例に詳述す
るが、PENの場合においても同様な方法によって得るこ
とができる。
第1工程:精留塔およびコンデンサを備えたエステル
化反応缶に、230〜280℃で溶融貯留したBHTに、TPAとEG
からなるスラリを連続的または間歇的に供給して、反応
系を230〜280℃で維持し、生成した水を反応系外へ留出
させる。規定量のスラリを供給した後、さらにエステル
化反応を続行して、実質的にエステル化反応を完結させ
BHTを得る。このときのEG/TPAのモル比は1.05〜1.5が好
ましく、さらに好ましくは1.10〜1.3である。1.05未満
の場合はエステル化反応時間が遅延し、1.5を超えると
ジエチレングリコールの副生により、ポリエステルの軟
化点が低下するため好ましくない。また、エステル化反
応温度が230℃未満の場合はエステル化反応時間が遅延
し、一方、280℃を超える場合はジエチレングリコール
の副生や、ポリエステルの色調悪化を引き起こし好まし
くない。また、エステル化反応時の系内の圧力は、大気
圧であってもよいし、微加圧状態であってもよい。
第2工程:第1工程で得られたBHTおよびその低重合
体の一部を重縮合缶に移行した後、アルカリ金属化合物
またはアルカリ土類金属化合物および重縮合触媒やリン
化合物の存在下に、230〜300℃、減圧度1mmHg以下で重
縮合反応を行ないPETを得る。
一般に工業的には、第1工程でのエステル化反応率は
90〜98%で実質的にエステル化反応を終了したものとみ
なし、該反応生成物を第2工程へ移行してPETを得てい
る。このようにして得た反応率が90〜98%のBHTに不活
性無機粒子を添加した場合、不活性無機粒子が凝集して
しまう。
仮に第1工程でエステル化反応率を98%以上に高めよ
うとすると、EGモル比を高めたり、反応温度を高めた
り、さらには反応時間を長くする必要がある。その結
果、ジエチレングリコールの副生を引き起こすばかりで
なく、生産性を低下させるため、工業的に採用すること
は困難である。本発明は、特許請求の範囲の要件を満た
す限り、バッチ重合プロセスであっても、連続重合プロ
セスであっても、いずれにも適用できる。
また、エステル化反応触媒として、アルカリ金属化合
物やアルカリ土類金属化合物、さらにはマンガン化合
物、コバルト化合物などをエステル化反応開始以前に添
加し、エステル化反応率を高めようとすると、前記した
金属化合物とTPAとの金属塩を生成するため、これらの
触媒残渣による異物が発生するため好ましくない。
本発明は、直重法において反応系のカルボキシル末端
基濃度が該反応物106g当たり80eq以下、より好ましく
は50eq以下の段階に不活性無機粒子を添加することによ
って、不活性無機粒子の凝集を防止し、分散性を著しく
改良でき、またジエチレングリコールの副生や触媒残渣
による異物の生成を抑制したポリマーを、工業的に生産
性よく得ることができる。
本発明の反応生成物のカルボキシル末端基濃度を反応
生成物106g当たり80eq以下とする方法として、次の方
法を用いる。
無触媒で実質的にエステル化反応を完結させたBHTを
重縮合反応缶に移行した後、酸成分1モルに対して0.1
〜1.0倍モルのEGを添加し、系内を230〜270℃で10〜60
分保持することによって達成できる。また、アルカリ金
属化合物を酸成分100重量部に対して0.005〜1.0重量
部、より好ましくは0.01〜0.5重量部共存させておくの
がエステル化反応を促進させるため好ましい。アルカリ
金属化合物の添加時期は、上記EGの添加と同時であって
もよいし、いずれが先であってもかまわないが、より好
ましくは上記EGを添加すると同時か、それ以前に添加さ
れる。もちろん、実施例1で示されるように、添加され
るEGそのものが、アルカリ金属化合物を含有した状態で
添加されても構わない。また、アルカリ金属化合物の添
加形態は、EGのスラリもしくは溶液として添加するのが
好ましい。
アルカリ金属化合物として、グリコール可溶性のリチ
ウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物が挙げ
られる。具体的には、水素化物、アルコラート、ハロゲ
ン化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩など
であり、さらに具体的には、酢酸リチウム、塩化リチウ
ム、水酸化リチウム、塩化ナトリウム、酢酸カリウム、
カリウムグリコラート、酢酸カリウムなどが挙げられ
る。これらアルカリ金属化合物のうち、リチウム化合
物、カリウム化合物がカルボキシル末端基濃度の低減効
果に優れているため、最も好ましい。
また、系内の温度が230℃未満であったり、保持時間
が10分未満の場合は、カルボキシル末端基濃度の低減効
果が少なく、系内の温度が270℃を超えたり、保持時間
が60分を超えると生産性を低下させたり、ジエチレング
リコールが副生するため好ましくない。また、反応系を
保持する際の雰囲気は不活性ガス雰囲気下が好ましい。
不活性無機粒子を添加する際の反応生成物の固有粘度
は0.3未満が好ましい。固有粘度が0.3を超えると、不活
性無機粒子の分散性が好ましくないポリエステルにな
る。
かくして、カルボキシル末端基濃度が80eq/106g以下
に低減させた反応生成物に不活性無機粒子を添加するこ
とによって、分散性が改良されたポリエステルを得るこ
とができる。
本発明で使用する不活性無機粒子は、平均粒子径が0.
5〜5.0μ、添加量は最終的に得られるポリエステルに対
し0.01〜3重量%である。
本発明でいう不活性無機粒子の平均粒子径とは、遠心
沈降式粒度分布測定機(例えば堀場式CAPA700など)で
測定した50vol%の点にあたる粒子の相当直径を意味す
る。
平均粒子径が0.5μ未満の場合は、フィルムとして成
形したときの滑り性が不十分になる。5μを超えると表
面の平坦性が損なわれるばかりでなく、耐ケズレ性が好
ましくない。また、添加量が0.01重量%未満の場合で
は、滑り性が不十分である。3重量%を超えると不活性
無機粒子が凝集し易い。
本発明の不活性無機粒子として、CaCO3、SiO2、BaS
O3、Al23、TiO2などが挙げられる。これらのうち、特
に本発明の効果を奏する不活性無機粒子として、SiO2
CaCO3などが挙げられる。これらSiO2、CaCO3は合成品で
あっても良いし、天然品を粉砕後分級したものであって
も良い。前記した不活性無機粒子は一種類を添加しても
よいが、フィルムや繊維の表面に微細凸起を形成する粒
子と、滑り性を付与するための比較的大きな凸起を形成
する二種類の粒子径の不活性無機粒子を適宜組み合わせ
て用いることもできる。
これら不活性無機粒子の反応系への添加形態は、エチ
レングリコールのスラリが好ましい。スラリを調製する
に際して、湿式媒体分散法や超音波分散法などの機械的
分散処理のほか、公知の分散剤による分散処理、さらに
はスーパデカンタなどによる分級処理を施した後に添加
することもできる。
本発明では、これら不活性無機粒子のほかにグリコー
ル可溶性のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合
物、マンガン化合物、さらにはリン化合物を添加するこ
とができる。
グリコール可溶性のアルカリ金属化合物、アルカリ土
類金属化合物、マンガン化合物として、水素化物、アル
コラート、ハロゲン化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン
酸塩、硫酸塩などが挙げられる。具体的には、酢酸リチ
ウム、塩化リチウム、水酸化リチウム、塩化ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウ
ム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、マグネシウ
ムグリコラート、酢酸マンガンなどが挙げられる。これ
ら金属化合物の添加量は、ポリエステルに対して0.005
〜1.0重量%添加することができ、2種類以上併用して
もよい。
またリン化合物として、リン酸、亜リン酸、もしくは
これらのメチルエステル、エチルエステル、フェニルエ
ステル、さらにはこれらのハーフエステルや、ホスホン
酸、ホスフィン酸、もしくはこれらのエステルよりなる
群が挙げられる。これらリン化合物の添加量は、ポリエ
ステルに対して0.005〜1.0重量%添加することができ、
2種類以上併用してもよい。
また本発明では、重縮合反応触媒としてグリコール可
溶性の三酸化アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、
チタン化合物などを用いることができる。
本発明で得たポリエステルは、他のポリエステルに希
釈すること無く使用することができるし、配合用ポリエ
ステル(マスタポリマ)として使用することもできる。
[実施例] 以下、実施例で本発明を詳述する。実施例中の部とは
重量部を示し、各特性は次の方法に従って測定した。
(A) ポリマーの固有粘度 O−クロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(B) 溶液ヘイズ ポリエステル100mgをフェノール/四塩化炭素(6/4重
量比)の混合溶媒10mlに溶解し、ASTM−D−1003-52に
より測定した。
(C) 無機粒子の分散性 粗大粒子の存在状態を調べ、無機粒子の凝集の程度を
評価した。
ポリマー10mgを2枚のカバーグラス間にはさみ、290℃
で溶融プレスし、急冷した後、顕微鏡観察した。10μ以
上の粒子を粗大粒子として次の判定を行ない、2級まで
を合格とした。
粗大粒子が0〜5ヶ/mg 1級 粗大粒子が6〜10ヶ/mg 2級 粗大粒子が11〜20ヶ/mg 3級 粗大粒子が11〜30ヶ/mg 4級 粗大粒子が31ヶ/mg以上 5級 (D) 製膜方法とフィルムの特性評価 (a) 製膜方法 各々の実施例で得た不活性無機粒子含有ポリエステル
と実質的に粒子を含有していないポリエステルを配合
し、不活性無機粒子含有量を0.2重量%とした。ただ
し、不活性無機粒子含有量が0.2重量%未満の場合は実
施例のポリエステルのみを用いた。該ポリエステルを減
圧乾燥した後、290℃で押出機から溶融シートを押し出
し、キャステングドラムで急冷し、未延伸シートを得
た。引き続き98℃で縦横方向に各々3.5倍延伸した後、2
30℃で3秒間熱固定し、25μの二軸延伸フィルムを得
た。
(b) 静摩擦係数 (a)で得た二軸延伸フィルムをスリップテスタを用
い、ASTM−D−1894B法に従って静摩擦係数を測定し
た。
(c) 平均表面粗さ(Ra) JIS−B−0601に規定された方法にしたがって、触針
式表面粗さ系を用いてカットオフ0.08mm、測定長4mmと
して測定した。
実施例1 エステル化反応缶にEG/TPA(モル比1.15)から得られ
たBHTを250℃で溶融貯留した反応系に、TPA86.5部、EG3
7.2部(モル比1.15)を混練して得たスラリを3.5時間を
要して連続的に供給した。供給開始時点から反応系を25
0℃で維持し、エステル化反応を行ない、生成する水は
精留塔頂から留出させた。スラリ供給が終了した後、エ
ステル化反応温度を255℃に昇温し、さらに1.0時間エス
テル化反応を続け、COOH濃度が210eq/106g/のBHTを得
た。
次いで、BHT104.8部(PET100部相当)を重縮合缶に移
行した後、酢酸リチウム0.1部とEG10部(添加EG/酸成分
モル比0.31)からなる溶液を添加した後、トリメチルホ
スフェート0.03部と三酸化アンチモン0.03部を添加し
た。引き続き反応系を20分保持した後、1.2μの合成CaC
O3とEG5部のスラリを添加した。CaCO3を添加する直前の
COOH濃度は36eq/106gであった。その後、常法によって
3時間の重縮合反応を行ない、固有粘度0.615のPETを得
た。生成ポリエステルの溶液ヘイズは14.0%であり、分
散性が良好であった。
次いで、該PETを配合し二軸延伸フィルムを得た。ポ
リマー特性およびフィルム特性ともに良好な結果を得
た。
実施例2〜5、比較実施例1〜3 実施例1において、保持時間および添加EG/酸成分モ
ル比を変えてCaCO3を添加する時点のCOOH濃度の異なるB
HTを得たほかは、実施例1と同様にしてPETを得た。結
果を表−1に示す。
CaCO3を添加する時点のCOOH末端濃度が本発明の範囲
を越囲を超えた場合は、粒子分散性の好ましくないPET
になる(比較実施例1〜3)。
実施例6〜9 実施例1の合成CaCO3に替えて天然CaCO3を用いたほか
は、実施例1と同様にしてPETを得た。CaCO3の分散性は
良好な結果を得た。該PETを配合して得られた二軸延伸
フィルムの易滑性および表面粗さも満足する結果であっ
た。
比較実施例4〜7 天然CaCO3の粒子径および添加量を変えたほかは、実
施例6と同様にして重縮合反応を行ない、引き続き二軸
延伸フィルムを得た。粒子径が本発明の範囲に満たない
場合は易滑性が不十分であった(比較実施例4)。一
方、粒子径が本発明の範囲を超えた場合は粗大粒子が混
入し、表面平坦性の好ましくない二軸延伸フィルムであ
った(比較実施例5)。
また、添加量が本発明の範囲に満たない場合は易滑性
が不十分であった(比較実施例6)。一方、添加量が本
発明の範囲を超えた場合は粒子の分散性が不十分であ
り、表面平坦性の好ましくない二軸延伸フィルムであっ
た(比較実施例7)。
実施例10〜12、比較実施例8、9 実施例1で添加した合成CaCO3に替えて合成球状シリ
カを用い、合成球状シリカを添加する時点の反応系のCO
OH末端基濃度を変えた。条件と結果を表−1に示す。
表−1で示した条件以外は実施例1と同様にしてPET
を得た後、二軸延伸フィルムを作成した。COOH末端基濃
度が高い反応系に合成球状シリカを添加すると、粒子の
分散性が好ましくないPETになる。
実施例13 エステル化反応缶にNDCA/EG(モル比1.35)から得ら
れたBHNを250℃で溶融貯留した反応系に、NDCA89.3、EG
34.6部(モル比1.35)を混練して得たスラリを3.5時間
を要して連続的に供給した。供給開始時点から反応系を
250℃で維持し、エステル化反応を行ない、生成する水
は精留塔頂から留出させた。スラリ供給が終了した後、
エステル化反応温度を255℃に昇温し、さらに1.0時間エ
ステル化反応を続け、COOH濃度が160eq/106g/のBHNを得
た。
次いで、BHN109.0部(PEN100部相当)を重縮合缶に移
行した後、酢酸カリウム0.10部とEG1.0部からなる溶液
を添加した後、さらにEG4.0部(合計投入EGモル比0.2
0)を添加した。引き続き、亜リン酸0.025部と三酸化ア
ンチモン0.03部を添加した。さらに、引き続き反応系を
20分保持した後、0.7μの合成球状シリカ1.0部とEG10部
のスラリを添加した。合成球状シリカを添加時点のBHN
のカルボキシル末端基濃度は35eq/106gであった。その
後、常法によって3時間の重縮合反応を行ない、固有粘
度0.630のポリエステルを得た。生成ポリエステルの溶
液ヘイズは30.9%であり、合成球状シリカの分散性は良
好であった。
[発明の効果] 本発明の方法で得られたポリエステルは次の特性を有
しているため、フィルムや繊維を得るためのポリエステ
ルとして極めて有用である。
直重法で不活性無機粒子の分散性が改良できるた
め、不活性無機粒子含有ポリエステルを経済的に生産す
ることができる。
不活性無機粒子が微細で均一であり、磁気記録媒体
用フィルムとして用いたときの平坦性が改良されるた
め、電磁変換特性の優れたフィルムを得ることができ
る。
表面に適度な突起を有しているため易滑性が改良さ
れ、フィルムや繊維として用いたときに高速走行性を改
良することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/78 - 63/87

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸を主成分とするカルボ
    ン酸とエチレングリコールを主成分とするグリコールか
    らポリエステルを製造するに際して、エステル化反応が
    実質的に終了した後、該ポリエステルの酸成分に対して
    0.1〜1.0倍モルのエチレングリコールを添加し、その
    後、該反応生成物のカルボキシル末端基濃度が反応生成
    物106g当たり80eq以下である反応系に、平均粒子径0.5
    〜5.0μの不活性粒子を0.01〜3重量%添加することを
    特徴とするポリエステルの製造方法。
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