JPH0764969B2 - 熱可塑性ポリエステル組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル組成物およびその製造方法

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JPH0764969B2
JPH0764969B2 JP20294390A JP20294390A JPH0764969B2 JP H0764969 B2 JPH0764969 B2 JP H0764969B2 JP 20294390 A JP20294390 A JP 20294390A JP 20294390 A JP20294390 A JP 20294390A JP H0764969 B2 JPH0764969 B2 JP H0764969B2
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敏弘 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱可塑性ポリエステル組成物およびその製造
方法に関するものであり、さらに詳しくは、結晶構造の
異なる二種以上の酸化アルミニウム粒子を配合した、フ
ィルムにした際の耐摩耗性に優れた熱可塑性ポリエステ
ル組成物およびフィルム、さらにこれを達成するために
微細な酸化アルミニウム粒子を特定の条件下でよく分散
させ、熱可塑性ポリエステル中に良好に分散した状態で
配合する熱可塑性ポリエステルの製造方法に関するもの
である。
[従来の技術] 一般に熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレ
フタレートは優れた力学特性を有しており、フィルム、
繊維などの成形品として広く用いられている。
通常、該ポリエステルに対しては、成形品に易滑性を付
与する目的で不活性粒子を含有せしめ、成形品の表面に
凹凸を付与することが行なわれている。このような不活
性粒子としては種々あるが、一般に不活性粒子は該ポリ
エステルとの親和性に欠け、耐摩耗性に劣るといった問
題があった。
従来からこの問題を解決すべく、表面処理の検討がなさ
れており、例えば、特開昭63-221158号公報や特開昭63-
280763号公報(コロイダルシリカ粒子表面をグリコール
基で改質する)、特開昭63-312345号公報(コロイダル
シリカ粒子表面をカップリング剤で改質する)、特開昭
62-235353号公報(炭酸カルシウム粒子をリン化合物で
表面処理する)ことなどが提案されている。
しかしながら、このような公知の方法をもってしても磁
気テープのように繰り返し摩擦使用されるような場合
は、やはり粒子の脱落を生じる。このため特殊な粒子を
使用することが最近提案されてきており、中でも酸化ア
ルミニウム粒子が耐摩耗性に対する効果が大きいこと
が、特開平2-129230号公報(デルタ型酸化アルミニウム
粒子)、特開平2-38444号公報(酸化アルミニウム粒
子)などで提案されている。
しかしながら、従来の方法では該酸化アルミニウム粒子
の分散性が不十分であり、その結果として、フィルム、
繊維などの成形品の耐摩耗性がいまだ不十分である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、前記した従来技術を解消することにあ
り、二種以上の酸化アルミニウム粒子をポリエステル中
に良好に分散した状態で配合し、耐摩耗性に優れたフィ
ルムを得ることにある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、下記の熱可塑性ポリエステル
組成物およびその製造方によって達成できる。
(1) 芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪
族グリコールを主たるグリコール成分とする熱可塑性ポ
リエステルと、結晶構造の異なる少なくとも二種類以上
の酸化アルミニウム粒子とを含有することを特徴とする
熱可塑性ポリエステル組成物。
(2) 酸化アルミニウム粒子の中の一種がγ型、δ
型、η型、θ型、κ型、χ型および非晶質よりなる群の
中から選ばれた酸化アルミニウム粒子であることを特徴
とする前記(1)項に記載の熱可塑性ポリエステル組成
物。
(3) 酸化アルミニウム粒子の中の一種がθ型の酸化
アルミニウム粒子であることを特徴とする前記(2)項
に記載の熱可塑性ポリエステル組成物。
(4) 前記(1)、(2)または(3)項に記載の熱
可塑性ポリエステル組成物からなるフィルム。
(5) 前記(1)、(2)または(3)項に記載の熱
可塑性ポリエステル組成物からなる磁気テープ用フィル
ム。
(6) 芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪
族グリコールを主たるグリコール成分とする熱可塑性ポ
リエステルを製造するに際し、重合反応の完結するまで
の任意の時点で結晶構造の異なる少なくとも二種以上の
酸化アルミニウム粒子を、溶媒の存在下湿式分散処理し
たスラリーを添加することを特徴とする熱可塑性ポリエ
ステル組成物の製造方法。
本発明における二種以上の結晶構造の酸化アルミニウム
粒子とは、従来よりよく知られているα型酸化アルミニ
ウム粒子、γ型、δ型、η型、θ型、κ型、χ型などの
活性酸化アルミニウム粒子、および非晶質の酸化アルミ
ニウム粒子から選ばれた少なくとも二種以上を意味す
る。
合成法に関しては種々の方法が公知であり、例えば、塩
化アルミニウムに水素、酸素を吹き込んで気相中で加水
分解するとδ型酸化アルミニウムが、同じく塩化アルミ
ニウムに水蒸気を吹き込んで気相中で加水分解すると非
晶質酸化アルミニウムが、みょうばんの熱分解では、γ
型酸化アルミニウムが、みょうばんを炭酸塩中和後熱分
解すると、γ型、θ型酸化アルミニウムが、アルミニウ
ムアルコキサイドを加水分解して得られた水酸化アルミ
ニウムを焼成することにより、γ型、δ型またはθ型の
酸化アルミニウムが、金属アルミニウムを水中火花放電
して得られた水酸化アルミニウムを焼成することによっ
てη型やθ型酸化アルミニウムができる。
また、通常のバイヤー法と呼ばれる方法では、α型酸化
アルミニウムが生成し、主としてこのような結晶構造の
決定には、これらの合成方法の選択と焼成温度、時間で
左右される。
この際、焼成温度、時間の選択によっては、焼きあがっ
た時点で二種以上の結晶構造が混在する場合もあり、本
願でいう二種以上の結晶構造の酸化アルミニウム粒子と
は、このような粒子もしくは単独の結晶構造の粒子を混
合した場合の両者を意味する。
なお、このような各種の酸化アルミニウム粒子の結晶構
造は、通常のX線回析によって同定することが可能であ
る。
このような酸化アルミニウム粒子群の中でもγ型、δ
型、η型、θ型、κ型、χ型などの活性酸化アルミニウ
ム粒子、および非晶質酸化アルミニウム粒子群の中から
結晶構造の異なる二種以上の酸化アルミニウム粒子を選
択するとさらに好ましい。さらには、少なくともθ型の
酸化アルミニウムを含んだ二種以上の酸化アルミニウム
が好ましい。
この際、全酸化アルミニウムのうち、θ型の酸化アルミ
ニウムの割合が50重量%以上、さらには70重量%以上あ
ることが好ましい。
α型を含有する場合には、α型の割合を30重量%以下の
少量とすることが好ましい。その組み合わせは任意でよ
いが、例えば、δ型とγ型、δ型とθ型、γ型とθ型、
γ型と非晶質、δ型と非晶質、δ型とγ型とθ型などが
挙げられるが、θ型とδ型、θ型とγ型、θ型とη型、
θ型とα型、θ型とγ型とα型、θ型とη型とα型、θ
型とδ型とα型などが好ましい。
粒子を構成する一次粒子径として、比表面積で代表させ
ると10m2/g以上が好ましく、さらには50m2/g以上が好ま
しい。さらには600m2/g以下が好ましい。
しかしながら、このような微細な粒子は非常に凝集しや
すく、一般にはスラリーおよびポリマ中で凝集した二次
粒子を形成している。このような凝集が進むと、程度に
よっては粗大な粒子となり、フィルムあるいは繊維に用
いる際には接触走行時に、その部分が削られて脱落する
という欠点となり好ましくない。
本発明では、結晶構造の異なる少なくとも二種以上の酸
化アルミニウム粒子を溶媒の存在下湿式分散処理するこ
とが好ましい。これによって、凝集して二次粒子を形成
しているものの、その二次粒子径は非常に微細であり、
粗大凝集塊もなく、よく分散された状態となる。なお、
ここでいう二次粒子径とは透過型電子顕微鏡で粒子を10
00個観察した際の円相当平均径である。
この際の混合比としては任意であるが、好ましくは全酸
化アルミニウム粒子100重量部の中で一種の酸化アルミ
ニウム粒子が5〜95重量部、さらには10〜90重量部が好
ましい。また、溶媒の存在下、湿式分散処理する際に
は、粘度も高くなるため、酸化アルミニウム粒子の濃度
としては1〜50wt%が好ましい。
この際の溶媒としては特に限定はないが、その後ポリエ
ステルに添加することを考えると、該ポリエステルの主
原料および共重合成分などのグリコール成分が好まし
い。具体的には、エチレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、ポリオキシアルキレングルコー
ル、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、5−ナトリウムスルホレンゾルシンなど
が挙げられる。
この際の分散処理としては、通常の撹拌処理、超音波処
理や媒体型の分散処理などが挙げられ、中でもサンドグ
ラインダーなどに代表される媒体型の分散処理が好まし
い。
このように結晶構造の異なる二種以上の酸化アルミニウ
ム粒子を併用して溶媒の存在下湿式分散処理すると非常
に分散性が良くなり、その二次粒子径は、熱可塑性ポリ
エステル組成物からの成形品の目的に応じて任意に選ぶ
こともできる。フィルムあるいは繊維に用いる際には、
あまり大きすぎると粗大な突起が成形品に発生するため
に、好ましくは5.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm
以下である。さらには、0.01μm以上が好ましい。
同様の理由で添加量も決定される。すなわち、フィルム
あるいは繊維に用いる際には、あまり添加量が多すぎる
と粗大な突起が成形品に発生するために、酸化アルミニ
ウム粒子の総添加量としては、熱可塑性ポリエステル10
0重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、さらには
0.05〜20重量部が好ましい。
なお、フィルムの耐摩耗性とは、フィルムと他の物質が
接触した際の削れ粉などが出るかどうかを意味してお
り、フィルムの表面が強いかどうかが重要である。
つまり、本願発明の二種以上の結晶構造を持つ酸化アル
ミニウム粒子がフィルムの表面近くにあることが重要で
あり、逆にいうとフィルムの厚み方向の中央部の組成は
何であっても構わないことにある。
従って二種以上の結晶構造を持つ酸化アルミニウム粒子
を均一に含有する単膜、あるいはこのような組成の層を
表層部に積層した積層フィルムのいずれでも構わない。
本発明における芳香族ジカルボン酸とは、具体的にはテ
レフタル酸、イソフタル酸、ナルタレン−2,6−ジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げ
られ、一方、本発明における脂肪族グリコールとは、具
体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、テトラメチレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ポリオキシアルキレングリコールなどが
挙げられる。
これらの芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールからな
る熱可塑性ポリエステルとは、具体的にはポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。なお、
該ポリエステルはホモポリエステルであっても、少量で
あれば共重合成分を含んだコポリエステルであってもよ
く、この際の共重合成分の例としては、アジピン酸、セ
バシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸な
どのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット
酸などの多価カルボン酸成分、およびテトラメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリオキシアルキレングリコール、p−キシリレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、5−
ナトリウムスルホレゾルシンなどのジオール成分が挙げ
られる。
このような熱可塑性ポリエステルの重合度としては、o
−クロロフェノールに溶解させて測定した極限粘度とし
て〔η〕が0.30以上が好ましい。また、熱可塑性ポリエ
ステル中のカルボキシル末端基としては20eq/t〜100eq/
tが好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて抗酸化剤
や製膜時、加工時の走行性や巻取性などを向上するため
に、公知の粒子などを添加してもよい。走行性や巻取性
など取扱性を向上するための粒子としては、例えば炭酸
カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭
酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リ
チウム、リン酸カリシウム、リン酸マグネシウム、酸化
ケイ素、酸化チタン、フッ化リチウム、シュウ酸カルシ
ウム、Ca、Ba、Zn、Mnなどのテレフタル酸塩などから選
ばれた一種以上の金属化合物、およびジビニルベンゼ
ン、スチレン、アクリル酸やメタクリル酸またはそのア
ルキルエステルなどのビニル系モノマの単独または共重
合などから得られる架橋性高分子の粒子、フェノール、
ユリアの各粒子を挙げることができる。
上記した結晶構造の異なる二種以上の酸化アルミニウム
粒子を併用して溶媒の存在下湿式分散処理したスラリー
を、該熱可塑性ポリエステルの重合反応系に添加する際
の添加時期としては重合反応の完結するまでの間の任意
の時期であるが、エステル交換反応前から重縮合反応の
減圧開始前までの間が好ましい。
[実施例] 次に、本発明を実施例および比較例により具体的に説明
する。
(1) 酸化アルミニウム粒子の比表面積の評価 通常のB.E.T.法に従って測定(m2/g)した。
(2) 酸化アルミニウム粒子の二次粒子径の評価 酸化アルミニウム粒子をポリエステル中に配合せしめ、
0.2μm厚みの超薄切片にカッティング後、透過型電子
顕微鏡で観察し、凝集状態の二次粒子1000個の面積平均
径(μm)で評価した。
(3) 耐摩耗性の評価 得られたポリエステル組成物を実施例に示す方法で二軸
延伸フィルムとし、細幅にスリットしたテープ状ロール
をステンレス鋼SUS-304製ガイドロールに一定張力で高
速、長時間こすりつけ、ガイドロール表面に発生する白
粉量によって次のようにランク付けし、1級を合格とし
た。
1級……白粉の発生まったくなし 2級……白粉の発生少しあり 3級……白粉の発生かなり多い (4) 表面凹凸の評価 得られたポリエステル組成物を通常の方法で二軸延伸フ
ィルムとし、JIS B−0601に準じ、サーフコム表面粗さ
計を用い、針径2μm、荷重70mg、測定基準長0.25mm、
カットオフ0.08mmの条件下で中心線平均粗さ(Ra)を測
定した。
実施例1 B.E.T.比表面積108m2/gのδ型酸化アルミニウム粒子5
重量部、B.E.T.比表面積125m2/gのγ型酸化アルミニウ
ム粒子5重量部、エチレングリコール90重量部を混合し
てサンドグラインダーを用いて分散処理し、δ型酸化ア
ルミニウム粒子/γ型酸化アルミニウム粒子/エチレン
グリコールスラリー(A)100重量部を得た。
他方、ジメチルテレフタレート100重量部、エチレング
リコール64重量部に触媒として酢酸マグネシウム0.05重
量部を加えてエステル交換反応を行なった後、反応生成
物に先に調製したスラリー(A)5重量部と触媒の酸化
アンチモン0.03重量部および耐熱安定剤としてトリメチ
ルホスフェート0.03重量部を加え、重縮合反応を行な
い、極限粘度0.621のポリエチレンテレフタレート組成
物を得た。透過型電子顕微鏡による二次粒子径は、0.13
μmであった。
このポリエチレンテレフタレート組成物を290℃で溶融
押し出しし、その後90℃で縦横それぞれ3倍に延伸し、
さらにその後220℃で15秒間熱処理し、厚さ15μmのポ
リエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを得た。
このフィルムを評価したところ、Ra=0.010μm、耐摩
耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常に優れたフィルム
であった。
実施例2〜6 ポリエチレンテレフタレート組成物中の酸化アルミニウ
ム粒子の種類、比表面積、二次粒子径、添加量および混
合比を変更し、実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得た。
これらのフィルムの評価結果を表1に示したが、耐摩耗
性に非常に優れたフィルムであった。
実施例7 B.E.T.比表面積98m2/gのδ型酸化アルミニウム粒子5重
量部、B.E.T.比表面積120m2/gのγ型酸化アルミニウム
粒子3重量部、B.E.T.比表面積133m2/gのθ型酸化アル
ミニウム粒子2重量部、エチレングリコール90重量部を
混合してサンドグラインダーを用いて分散処理し、δ型
酸化アルミニウム粒子/γ型酸化アルミニウム粒子/θ
型酸化アルミニウム粒子/エチレングリコールスラリー
(B)100重量部を得た。
他方、ジメチルテレフタレート100重量部、エチレング
リコール64重量部に触媒として酢酸マグネシウム0.05重
量部を加えてエステル交換反応を行なった後、反応生成
物に先に調製したスラリー(B)5重量部と触媒の酸化
アンチモン0.03重量部および耐熱安定剤としてトリメチ
ルホスフェート0.03重量部を加え、重縮合反応を行な
い、極限粘度0.618のポリエチレンテレフタレート組成
物を得た。透過型電子顕微鏡による二次粒子径は0.12μ
mであった。
このポリエチレンテレフタレート組成物を290℃で溶融
押し出しし、その後90℃で縦横それぞれ3倍延伸し、さ
らにその後220℃で15秒間熱処理し、厚さ15μmのポリ
エチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを得た。
このフィルムを評価したところ、Ra=0.010μm、耐摩
耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常に優れたフィルム
であった。
実施例8 B.E.T.比表面積91m2/gのθ型酸化アルミニウム粒子9重
量部、B.E.T.比表面積24m2/gのα型酸化アルミニウム粒
子1重量部、エチレングリコール90重量部を混合してサ
ンドグラインダーを用いて分散処理し、θ型酸化アルミ
ニウム粒子/α型酸化アルミニウム粒子/エチレングリ
コールスラリー(A)100重量部を得た。
平均粒子径0.63μmのカルサイト型炭酸カルシウム粒子
10重量部、エチレングリコール90重量部と混合してサン
ドグラインダーを用いて分散処理し、その後、ろ過精度
が絶対5μmのフィルターでろ過し、カルサイト型炭酸
カルシウム粒子/エチレングリコールスラリー(B)10
0重量部を得た。
他方、ジメチルテレフタレート100重量部、エチレング
リコール64重量部に触媒として酢酸マグネシウム0.05重
量部を加えてエステル交換反応を行なった後、反応生成
物に先に調製したスラリー(A)3重量部を添加し、5
分間撹拌した後、先に調製したスラリー(B)2.5重量
部と触媒の酸化アンチモン0.03重量部および耐熱安定剤
としてトリメチルホスフェート0.03重量部を加え、重縮
合反応を行ない、極限粘度0.623のポリエチレンテレフ
タレート組成物を得た。
このポリエチレンテレフタレート組成物を290℃で溶融
押し出しし、その後90℃で縦横それぞれ3倍に延伸し、
さらにその後220℃で15秒間熱処理し、厚さ15μmのポ
リエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを得た。成
形性は良好であった。
このフィルムを評価したところ、Ra=0.018μm、耐摩
耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常に優れたフィルム
であった。
実施例9 粒子径0.45μmの球状有機粒子(ジビニルベンゼン/ビ
ニルベンゼン=80/20共重合体)10重量部/水90重量部
のスラリーを、ベント付二軸混練機を用いてポリエチレ
ンテレフタレートの溶融混練時に添加し、最終的に上記
した球状有機粒子の含有量が1重量%になるポリエチレ
ンテレフタレート組成物を得た。
次に、実施例3で得られたポリエチレンテレフタレート
組成物80重量部とこのポリエチレンテレフタレート組成
物20重量部とを290℃で溶融混合押し出しし、その後90
℃で縦横それぞれ3倍延伸し、さらにその後220℃で15
秒間熱処理し、厚さ15μmのポリエチレンテレフタレー
ト二軸延伸フィルムを得た。成形性は良好であった。
このフィルムを評価したところ、Ra=0.019μm、耐摩
耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常に優れたフィルム
であった。
実施例10 粒子を含まないポリエチレンテレフタレートと実施例3
のポリマを用いて溶融共押し出しし、粒子を含まないポ
リエチレンテレフタレートの両側に厚さ1μmの実施例
3のポリマを積層した厚み14μmの二軸配向積層フィル
ムを得た。
このフィルムを評価したところ、Ra=0.010μm、耐摩
耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常に優れたフィルム
であった。
実施例11 実施例3のポリマのかわりに実施例8のポリマを使用す
る以外は、実施例10と同様にして二軸配向積層フィルム
を得た。
このフィルムを評価したところ、Ra=0.018μm、耐摩
耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常に優れたフィルム
であった。
実施例12 粒子を含まないポリエチレンテレフタレートと実施例3
のポリマおよび実施例9のポリマを用いて溶融共押し出
しし、粒子を含まないポリエチレンテレフタレートの両
側に厚さ1.5μmの実施例9のポリマを積層し、さらに
その両側に厚み0.5μmの実施例3のポリマを積層した
厚み15μmの二軸配向積層フィルムを得た。
このフィルムを評価したところ、Ra=0.018μm、耐摩
耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常に優れたフィルム
であった。
比較実施例1 B.E.T.比表面積108m2/gのδ型酸化アルミニウム粒子10
重量部、エチレングリコール90重量部を混合してサンド
グラインダーを用いて分散処理し、δ型酸化アルミニウ
ム粒子/エチレングリコールスラリー(C)100重量部
を得た。
他方、ジメチルテレフタレート100重量部、エチレング
リコール64重量部に触媒として酢酸マグネシウム0.05重
量部を加えてエステル交換反応を行なった後、反応生成
物に先に調製したスラリー(C)5重量部と触媒の酸化
アンチモン0.03重量部および耐熱安定剤としてトリメチ
ルホスフェート0.03重量部を加え、重縮合反応を行な
い、極限粘度0.619のポリエチレンテレフタレート組成
物を得た。透過型電子顕微鏡による二次粒子径は、0.18
μmであった。
このポリエチレンテレフタレート組成物を290℃で溶融
押し出しし、その後90℃で縦横それぞれ3倍に延伸し、
さらにその後220℃で15秒間熱処理し、厚さ15μmのポ
リエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを得た。
このフィルムを評価したところ、Ra=0.011μm、耐摩
耗性評価2級であり、必ずしも耐摩耗性が満足できるフ
ィルムではなかった。
比較実施例3〜5 ポリエチレンテレフタレート中の酸化アルミニウム粒子
の種類、比表面積、二次粒子径および添加量を変更し、
比較実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得た。
これらのフィルムの評価結果を表2に示したが、耐摩耗
性が満足できるフィルムではなかった。
[発明の効果] 本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、極微細な結
晶構造の異なる二種以上の酸化アルミニウム粒子が良好
に分散した状態で配合されており、これによって耐摩耗
性に優れた、特に繰り返し摩擦使用される磁気テープに
好ましく用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D01F 6/62 C08L 67:02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、
    脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とする熱可塑
    性ポリエステルと、結晶構造の異なる少なくとも二種類
    以上の酸化アルミニウム粒子とを含有することを特徴と
    する熱可塑性ポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】酸化アルミニウム粒子の中の一種がγ型、
    δ型、η型、θ型、κ型、χ型および非晶質よりなる群
    の中から選ばれた酸化アルミニウム粒子であることを特
    徴とする請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル組成
    物。
  3. 【請求項3】酸化アルミニウム粒子の中の一種がθ型の
    酸化アルミニウム粒子であることを特徴とする請求項2
    に記載の熱可塑性ポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3に記載の熱可塑性ポ
    リエステル組成物からなるフィルム。
  5. 【請求項5】請求項1、2または3に記載の熱可塑性ポ
    リエステル組成物からなる磁気テープ用フィルム。
  6. 【請求項6】芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、
    脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とする熱可塑
    性ポリエステルを製造するに際し、重合反応の完結する
    までの任意の時点で結晶構造の異なる少なくとも二種以
    上の酸化アルミニウム粒子を、溶媒の存在下湿式分散処
    理したスラリーを添加することを特徴とする熱可塑性ポ
    リエステル組成物の製造方法。
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