JPH04309523A - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物の製造方法

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JPH04309523A
JPH04309523A JP7519791A JP7519791A JPH04309523A JP H04309523 A JPH04309523 A JP H04309523A JP 7519791 A JP7519791 A JP 7519791A JP 7519791 A JP7519791 A JP 7519791A JP H04309523 A JPH04309523 A JP H04309523A
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JP
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glycol
particles
polyester
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JP7519791A
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Inventor
Toru Morita
融 森田
Akihiko Nagahama
長浜 昭彦
Tomoaki Ueda
智昭 上田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステルの製造方法
に関し、更に詳しくは二軸延伸フィルムにしたときに、
表面欠点が改良されたポリエステルフィルムを提供しう
る、不活性粒子を多量に含有させたポリエステル組成物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートで代表され
るポリエステルは、その優れた機械的、化学的特性の故
に、繊維・フィルムの用途で広く使用されている。特に
近年めざましい発展を遂げているオーディオテープ、ビ
デオテープ、コンピュータテープ、フロッピィディスク
などの磁気記録分野では、ポリエチレンテレフタレート
やポリエチレンナフタレートなどの二軸延伸フィルムが
好適に使用されている。
【0003】また、フィルムや繊維などの成型工程にお
ける工程通過性や、最終製品の取扱い性、作業性を向上
させるため、ポリエステル中に微粒子を存在させること
によって表面に微細な凹凸を形成せしめ、滑性を向上さ
せることが一般的に行なわれている。
【0004】このようなポリエステル中に微粒子を存在
させる方法においては、一般に粗大粒子・凝集粒子がポ
リエステル組成物中に存在しやすい。例えば、繊維用途
に適用する場合には断糸、毛羽の発生、また耐摩耗性の
低下といった問題を引き起こす。
【0005】またフィルム用、特に磁気記録用フィルム
やコンデンサーなどの用途においては、電気特性の悪化
、削れ物の発生などの問題を引き起こすこともよく知ら
れている。
【0006】かかる凝集粒子や粗大粒子による問題を解
決するため、使用する粒子の分散処理、分級、分散剤な
どの提案が多数行なわれている。例えば、特開昭54−
12098、特開昭55−9606号公報などでは微粒
子のエチレングリコールスラリを機械的に分散させる方
法、特開昭54−131694、特開昭60−7163
2、特開昭61−28522号公報などでは分散剤また
は表面処理剤を使用して粒子のポリマ中での分散性を改
良する方法が提案されている。また特開昭56−650
19号公報では、エステル交換反応が終了する以前に特
定の時間を要して不活性粒子を添加することによって、
分散性を改良する方法が提案されている。
【0007】さらに、特開昭59−17955、特開昭
60−112849、特開昭63−72729、特開昭
63−108037号公報などでは粒子径分布が特定の
範囲にある粒子を使用することにより粗大粒子の存在を
回避しようとする方法が提案されている。
【0008】かかる従来技術においては、粗大、凝集粒
子の防止に対して一応の改良効果は認められるものの、
その改良効果は不十分なものであった。例えば、磁気テ
ープ用途においては録画・録音済みの、いわゆるソフト
テープなどの需要が増加してきている。また再生装置の
高性能化に伴ない、電気特性向上の要求が大きくなり、
さらにソフトテープに録画・録音する際に高速ダビング
されるようになってきている。このため磁気テープフィ
ルムの粗大突起の減少、高速走行時のガイドピンなどと
の摩擦係数の低下、耐擦り傷性の向上、走行安定性が必
須となってきている。高速走行時の耐擦り傷性、走行安
定性、摩擦係数の低下はフィルム中の粒子濃度を高める
ことにより改良でき、そのためフィルム中に存在する粒
子濃度を増加させることが試みられている。しかしなが
ら、粒子を高濃度に含有させたフィルムを従来技術の方
法で製造した場合、フィルム中に存在する微量の粗大粒
子や凝集粒子の影響でフィルム表面に粗大突起が多数生
成し、この結果、電気特性を大幅に低下させてしまうと
いう問題点を有していた。
【0009】またフィルムの薄膜化の要求も強く、特に
3μm未満の極薄フィルムが製造されるようになってき
た。さらに、これら極薄フィルムに粒子を多量に含有せ
しめ、滑り性や機械的特性を向上せしめる試みが行なわ
れているが、従来技術では粒子を多量に含有せしめたポ
リエステルを製造する場合に粒子が凝集してしまい、そ
の結果、フィルムなどに成形する際に濾圧が上昇したり
、フィルム表面に粗大な突起が形成されたり、さらには
フィルム破れが発生するなどの重大な問題点を有してい
ることが明らかになった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た従来技術の有していた問題点を解決することにある。 すなわち、本発明の目的は、反応系に添加した不活性粒
子の分散性に優れ、粗大粒子や凝集粒子の生成を抑制で
き、フィルムとして成形する際のフイルタの圧力上昇が
防止でき、さらに二軸延伸フィルムとしたときに粗大突
起がなく表面突起の均一性に優れるポリエステルの製造
方法を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的は
、芳香族ジカルボン酸エステルとグリコールとからポリ
エステルを製造するにあたり、エステル交換反応が実質
的に終了した後、該反応生成物にグリコールを酸成分に
対して0.5〜5.0倍モルを反応系外に実質的に留出
させることなく添加し、該反応系の温度を150〜20
0℃とせしめ、該反応温度範囲内でポリエステルに対し
不活性な粒子のグリコールスラリを添加することを特徴
とするポリエステルの製造方法によって達成することが
できる。
【0012】本発明における芳香族ジカルボン酸エステ
ルとは、例えばテレフタル酸ジメチル、ナフタレンジカ
ルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルが挙げられる
【0013】本発明におけるグリコールとは、エチレン
グリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、デカメチレングリコールなどのアルキレ
ングリコールあるいはシクロヘキサンジメタノールなど
の脂環族ジオールなどである。
【0014】もちろん本発明の製造方法では、芳香族ジ
カルボン酸とグリコールのほかに、イソフタル酸、アジ
ピン酸、ソジウムスルホイソフタル酸などの如き芳香族
ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸、オキシ安息香酸の
如きオキシカルボン酸、トリメチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、キシリレングリコールなどのグリコール成分、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ルなどのポリアルキレングリコール成分などを共重合成
分として用いてもよい。
【0015】本発明において芳香族ジカルボン酸のエス
テルとグリコールとからエステル交換反応により予備重
合体を生成し、グリコールおよびポリエステルに対し不
活性な粒子のグリコールスラリを添加した後、引き続き
高真空下または不活性気体流通下において重縮合反応を
せしめることによりポリエステルを製造する。
【0016】本発明におけるポリエステルに対し不活性
な粒子とは、ポリエステルの製造時、成型時または成型
後において、ポリエステル成分と反応し劣化を生じさせ
ない微粒子のことである。具体的には、天然品を粉砕・
分級したり、合成法で製造したシリカ、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア、セリア、酸化モリブデン、酸化タン
グステン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バ
リウム、酸化鉄、カオリン、カーボンなどの無機化合物
粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、架橋
ポリスチレン、ポリイミド粒子、エポキシ樹脂粒子など
の有機化合物粒子などを挙げることができる。
【0017】本発明で使用する粒子の好ましい平均径は
0.01〜3μm、より好ましくは0.03〜2μmで
ある。粒子径が0.01〜3μmであると、極薄フィル
ムを製造した場合でもフィルム破れが起きにくく、また
少なくとも片面に不活性粒子を多量に含有させた積層フ
ィルムであっても、均一なフィルム表面突起が形成でき
るため、電磁変換特性と易滑性の双方が満足できるフィ
ルムを得ることができる。
【0018】本発明で使用する粒子の粒子径の分布は均
一であることが好ましく、粒子径の分布を積算粒度分布
でとったときの積算10%時の粒子径d10と積算90
%時の粒子径d90の比が1〜5、より好ましくは1〜
4である。d10とd90の比が1〜5であると、フィ
ルムの表面突起分布が均一になり、滑り性や電気特性の
点から好ましい。
【0019】粒子形状は、天然品は粉砕法のため不定形
をしているが、合成品は球状、多角形、ロゼッタ状、ま
た核となる粒子の表面に微細粒子の付着したコンペイ糖
状、いくつかの粒子が結合した繊維状粒子などがあり、
いずれの形状も使用することができる。また合成後粉砕
して不定形としたものであってもかまわない。一般に合
成法で製造した粒子は粒度分布が均一であり、例えばコ
ロイダルシリカやチタニヤ、球状炭酸カルシウム、架橋
ポリスチレン、シリコーン粒子などはd10とd90の
比が2以下となり特に好ましい。
【0020】本発明での不活性粒子の添加量に特に規制
はないが、ポリエステルに対し1〜30重量%、特に好
ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは3〜10重
量%と多量に添加する場合に特に有効である。
【0021】本発明の方法ではポリエステルに対し不活
性な粒子をグリコールスラリとして、エステル交換反応
が実質的に完結した後、重縮合開始前に添加される。
【0022】本発明のポリエステルに対し不活性な粒子
のグリコールスラリは、粒子をグリコールに対し3〜5
0重量%になるように調製し、高速分散機、超音波分散
機、ロールミル、サンドミルなどの分散機で分散処理を
行なって調製することができる。もちろん、コロイダル
シリカやコロイダルチタニアなどコロイド状態で存在し
うるものは濃度を調製するだけで使用することもできる
。またスラリ化した後、デカンテーション、濾過などの
方法で10μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好
ましくは3μm以上の粗大粒子は除去した後使用するこ
とが好ましい。
【0023】また、本発明はポリエステル対して不活性
な粒子を高濃度に添加するため、低濃度添加の場合に比
較して不活性な粒子が凝集しやすい。このため、反応系
に添加する以前にあらかじめスラリを加熱処理したり、
アルカリ金属化合物やアンモニウム化合物、リン化合物
などの凝集防止剤を共存させたりしてておくこともでき
る。またさらに、本発明のポリエステル対して不活性な
粒子のスラリ濃度は20重量%未満、さらに10重量%
未満が好ましい。
【0024】本発明の方法ではポリエステルに対し不活
性な粒子のグリコールスラリは、エステル交換反応が実
質的に終了した後、該反応生成物にグリコールを酸成分
に対して0.5〜5.0倍モルを反応系外に実施的に留
出させることなく添加し、該反応系の温度を150〜2
00℃とせしめ、引き続き該反応温度範囲内でポリエス
テルに対し不活性な粒子のグリコールスラリを添加する
ことが必須である。
【0025】本発明はエステル交換反応が実質的に終了
した後、ポリエステルに対して不活性な粒子を添加する
以前にグリコールを添加する必要があり、グリコールは
実質的に反応系外に留出させてはならない。この場合、
反応系を密閉にしておいてもよいし、留出するグリコー
ル蒸気を冷却器で冷却した後反応系に戻す方法であって
もよい。グリコールの添加時期がエステル交換反応が終
了する以前であると、エステル交換反応で発生するアル
コールとグリコールの分離が困難になり、精留塔の負荷
を増加させるだけでなく、省エネルギーの見地からも好
ましくない。
【0026】また、グリコールを添加した後グリコール
を反応系外に留出させると、添加したグリコールが引き
続き添加される不活性粒子の分散性に対して効果的に作
用しない。
【0027】さらに、グリコールの添加量が酸成分に対
して0.5倍モル未満の場合は、不活性な粒子の分散性
が不十分であり、5.0倍モル以上添加しても分散性の
改良効果が小さく、むしろグリコール添加量増加に伴な
う製造コストの増加を引き起こしたり、ポリエステルの
軟化点を低下させたりするため好ましくないまた、不活
性粒子を添加するときの反応系の温度が150℃未満で
あると、不活性粒子のスラリを添加した後にBHTが凝
固点以下になり、ペースト状または固化しやすくなる。 このため、不活性な粒子が不均一な分散になり、最終的
に得られるポリエステル中での分散性の低下を引き起こ
す。一方、反応系の温度が200℃を超えて添加すると
、不活性粒子が凝集しやすくなり、分散性が不十分なポ
リマになる。
【0028】本発明のポリエステルを製造するにあたり
、エステル交換反応触媒として、従来から公知のアルカ
リ金属化合物やアルカリ土類金属化合物およびマンガン
化合物などを用いることができる。また、目的に応じて
リン酸、亜リン酸またはそのエステルからなるリン化合
物を使用することもできる。重縮合反応触媒として、三
酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、有機チタン化合
物を用いることができる。
【0029】本発明のポリエステルは、固有粘度が0.
4〜1.0、好適には0.45〜0.7のポリエステル
であり、例えばアルキレンテレフタレートまたはアルキ
レンナフタレートを主たる構成成分とするものが好まし
く用いられる。なかでもポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
【0030】また、本発明のポリエステルには紫外線吸
収剤、帯電防止剤などを含有してもかまわない。本発明
の方法で得られたポリエステルは、繊維・フィルム用途
において有効であるが、極薄フィルムや積層フィルムと
して用いた場合、粗大突起が少なく、かつ耐擦傷性・走
行安定性が極めて良好であるため特に好ましい。
【0031】さらに、本発明のポリエステルは他のポリ
エステルに配合する、いわゆるマスタポリマとして使用
することもできる。
【0032】
【実施例】以下、実施例で本発明を詳述する。実施例中
の部とは重量部を示し、各特性は次の方法に従って測定
した。
【0033】A.不活性粒子のスラリ中での平均粒子径
粒子スラリを作成し、遠心沈降式粒度測定装置(堀場製
作所製、CAPA700)または電子顕微鏡を用いて測
定した。
【0034】B.不活性粒子のポリマ中での平均粒子径
粒子を含有したポリマを厚さ1μm以下にスライスした
後、透過型電子顕微鏡を用いて測定した。
【0035】C.ポリマ固有粘度 オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した
【0036】D.ポリマ軟化点 ペネトロメータで測定した。
【0037】E.ポリマの濾圧上昇評価5μmフィルタ
を装着した押出機でポリマを押し出して、押し出し量と
濾圧の関係から単位濾過面積あたりの濾圧曲線を作成し
、ポリマ組成物100g通過時の濾圧上昇(kg/cm
2 /ポリマ100g/フィルタ1cm2 )から次の
ように判定した。
【0038】濾圧上昇が2kg/cm2 未満    
            1級 2kg/cm2 以上5kg/cm2 未満    2
級5kg/cm2 以上10kg/cm2 未満  3
級10kg/cm2 以上             
       4級2級以上で実用に供することができ
る。
【0039】実施例1 平均粒子径0.18μmのコロイダルシリカ10部をE
G90部に分散したスラリを目開き絶対1μmのフィル
タ(ポール社、U010)で濾過し、スラリ濃度10重
量%コロイダルシリカのEGスラリを得た。
【0040】ジメチルテレフタレート90部とEG57
部の混合物に酢酸マグネシウム・4水塩0.05部を添
加し、150℃から徐々に昇温し、生成するメタノール
を留出させながらエステル交換反応を行なった。反応が
開始してから4時間経過し、反応系の温度が230℃に
なった時点で反応率が99.5%のBHTを得た。その
後、エステル交換反応缶での発生蒸気全量が缶内へ還流
(全還流)するようにした。該BHTにEG90部(E
Gモル比3.1)を添加した後、前記したコロイダルシ
リカのEGスラリ100部(コロイダルシリカ固形分と
して10%)を10分要して添加した。コロイダルシリ
カのEGスラリを添加するときの反応系内の温度は17
0℃であった。その後、発生蒸気全量が反応系外に全量
留出(全留出)するようにして230℃まで昇温し、過
剰のEGを留出させた。次いで得られた反応物にリン酸
トリメチル0.03部、三酸化アンチモン0.03部を
添加した。その後、常法によって重縮合反応を行ない、
固有粘度0.610のポリエチレンテレフタレートを得
た。ポリマ中のSiO2 含有量は10%であった。ま
た、ポリマ中粒子の平均径は0.18μmであり、単一
分散を有したポリマであった。このポリマを用いて濾過
性テストを行なった結果は、濾圧上昇が0.8kg/c
m2 であり、良好な濾過特性を有していた。
【0041】実施例2〜3、比較実施例1〜2実施例1
においてコロイダルシリカを添加する前に添加するEG
の添加量を変えた以外は、実施例1と全く同様にしてポ
リエチレンテレフタレートを得た。ポリマ特性を表1に
示した。追添加したEGのモル比が本発明の範囲に満た
ない場合には(比較実施例1)、コロイダルシリカが凝
集し分散性が好ましくなく、本発明の範囲を超えた場合
には(比較実施例2)、軟化点の低いポリマであった。
【0042】
【表1】
【0043】実施例4 ジメチルテレフタレート90部とエチレングリコール5
7部の混合物に酢酸マグネシウム・4水塩0.04部を
添加し、150℃から徐々に昇温し生成するメタノール
を留出させながらエステル交換反応を行なった。反応が
開始してから4時間経過し、反応系の温度が230℃に
なった時点で反応率が99.4%のBHTを得た。その
後、エステル交換反応缶での発生蒸気全量が缶内へ還流
(全還流)するようにした。該BHTにエチレングリコ
ール70部(モル比2.4)を添加した後、平均粒子径
0.30μmのコロイダル炭酸カルシウム10部をEG
90部に分散した後、目開き絶対3μmのフィルタ(ポ
ール社、U030)で濾過したスラリを10分要して添
加した。コロイダル炭酸カルシウムスラリを添加すると
きの反応系内の温度は170℃であった。その後、発生
蒸気全量が反応系外に全量留出(全留出)するようにし
て230℃まで昇温し、過剰のエチレングリコールを留
出させた。次いで得られた反応物にリン酸トリメチル0
.03部、三酸化アンチモン0.03部を添加した。 その後、常法によって重縮合反応を行ない、固有粘度0
.613のポリエチレンテレフタレートを得た。ポリマ
中のCaCO3 含有量は10%であった。また、ポリ
マ中粒子の平均径は0.30μmであり、単一分散を有
したポリマであった。このポリマを用いて濾過性テスト
を行なった結果は、濾圧上昇が1.2kg/cm2 で
あり、良好な濾過特性を有していた。
【0044】比較実施例3 実施例4と同様にしてエステル交換反応を行なった。エ
ステル交換反応が終了した後、発生蒸気全量が反応系外
に全量留出(全留出)するようにした。その後、該BH
Tにエチレングリコール70部(モル比2.4)を添加
した。15分経過した後、実施例4と同様にしてコロイ
ダル炭酸カルシウムスラリを添加した。コロイダル炭酸
カルシウムスラリを添加するときの反応系の温度は23
0℃であった。その後、実施例4と同様にしてリン化合
物、アンチモン化合物を添加した後、重縮合反応を行な
い、固有粘度0.611、軟化点261.0のポリエチ
レンテレフタレートを得た。ポリマ中のCaCO3 含
有量は10%であった。また、ポリマ中粒子の平均径は
0.85μmであり、CaCO3 が凝集して分散性が
好ましくないポリマであった。このポリマを用いて濾過
性テストを行なった結果は、濾圧上昇が4級であり、濾
過特性が不良であった。
【0045】比較実施例4 実施例4と同様にしてエステル交換反応を行なった。エ
ステル交換反応が終了した後、発生蒸気全量が缶内へ還
流(全還流)するようにした。その後、該BHTにエチ
レングリコール120部(モル比4.2)を添加した直
後、実施例4と同様にしてコロイダル炭酸カルシウムス
ラリを添加した。コロイダル炭酸カルシウムスラリを添
加するときの反応系の温度は140℃であった。コロイ
ダル炭酸カルシウムスラリの添加直後、BHTがペース
ト状になった。スラリの添加が終了した後、発生蒸気全
量が反応系外に全量留出(全留出)するようにし、缶内
温度を230℃に回復させた。その後、実施例4と同様
にしてリン化合物、アンチモン化合物を添加した後、重
縮合反応を行ない、固有粘度0.610、軟化点260
.9のポリエチレンテレフタレートを得た。ポリマ中の
CaCO3 含有量は10%であった。また、ポリマ中
粒子の平均径は0.95μmであった。このポリマを用
いて濾過性テストを行なった結果は、濾圧上昇が4級で
あり、濾過特性が不良であった。
【0046】実施例5 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル90部とEG
45部の混合物に酢酸マンガン・4水塩0.05部を添
加し、150℃から徐々に昇温し、生成するメタノール
を留出させながらエステル交換反応を行なった。反応が
開始してから4時間経過し、反応系の温度が240℃に
なった時点で反応率が99.7%のビス−β−ヒドロキ
シエチルナフタレート(BHNという)を得た。その後
、エステル交換反応缶での発生蒸気全量が缶内へ還流(
全還流)するようにした。該BHNにEG80部(EG
モル比3.5)を添加した後、平均粒子径0.30μm
のコロイダルシリカ10部をEG90部に分散させたス
ラリを目開き絶対1μmのフィルタ(ポール社、U01
0)で濾過した後、10分要して添加した。コロイダル
シリカのEGスラリを添加するときの反応系内の温度は
180℃であった。その後、発生蒸気全量が反応系外に
全量留出(全留出)するようにして230℃まで昇温し
、過剰のEGを留出させた。次いで得られた反応物にリ
ン酸トリメチル0.03部、三酸化アンチモン0.03
部を添加した。その後、常法によって重縮合反応を行な
い、固有粘度0.613,軟化点272.5のポリエチ
レンナフタレートを得た。ポリマ中のSiO2 含有量
は10%であった。また、ポリマ中粒子の平均径は0.
30μmであり、単一分散を有したポリマであった。こ
のポリマを用いて濾過性テストを行なった結果は、濾圧
上昇が1.3kg/cm2 であり、良好な濾過特性を
有していた。
【0047】比較実施例5 ジメチルテレフタレート90部とEG44部の混合物に
酢酸マグネシウム・4水塩0.05部を添加し、150
℃から徐々に昇温し、生成するメタノールを留出させな
がらエステル交換反応を行なった。反応が開始してから
30分後に5部のメタノールが留出した。このときの温
度は160℃であった。この時点で平均粒子径0.10
μmのコロイダルシリカ10部をEG90部に分散させ
たスラリを目開き絶対1μmのフィルタ(ポール社、U
010)で濾過した後、60分を要して反応系へ添加し
た。そしてさらに昇温し、理論量のメタノール留出させ
た。コロイダルシリカ添加後に生成したメタノール中に
EGが混入したため、円滑に昇温ができず、反応終了ま
で5.5時間要した。反応終了後、さらに230℃まで
昇温し過剰のEGを留出させた。次いで得られた反応物
にリン酸トリメチル0.03部、三酸化アンチモン0.
03部を添加した後、常法によって重縮合反応を行ない
、固有粘度0.613のポリエチレンテレフタレートを
得た。ポリマ中のSiO2 含有量は10%であった。 また、ポリマ中粒子の平均径は0.28μmであり、多
数の凝集が見られた。このポリマを用いて濾過性テスト
を行なった結果は、濾圧上昇が4級であり、濾過特性が
不良であった。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法で得られるポリエステル組
成物は、ポリマ中に粒子を多量に含有していても粗大粒
子や凝集粒子が少なく、特に極薄フィルムや極細繊維を
製造する際に用いるフイルタの濾圧の上昇が少なく、ま
た糸切れやフィルム破れの発生がなく、製糸や製膜を生
産性よくできる。
【0049】また、フィルムとして用いる場合も以下の
ような効果を奏する。
【0050】■  磁気記録用途や電気絶縁用途などの
ベースフィルムに使用したとき、良好な滑り性を有し、
かつ電気特性の低下が少ないフィルムを得ることができ
る。
【0051】■  製品に成型する場合や製品として使
用する場合、擦過に対して抵抗力の大きなフィルムを製
造でき、削れ物の発生を抑制することができる。
【0052】■  特に3μm厚さ以下の極薄フィルム
を製造するとき一般に滑り性が低下するが、本発明の方
法によって得られたポリエステルは滑り性の低下が少な
く、良好な滑り性を有する極薄フィルムやこの極薄フィ
ルムと他のフィルムとの複合フィルムを得ることができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸エステルとグリコール
    とからポリエステルを製造するにあたり、エステル交換
    反応が実質的に終了した後、該反応生成物にグリコール
    を酸成分に対して0.5〜5.0倍モルを反応系外に実
    質的に留出させることなく添加し、該反応系の温度を1
    50〜200℃とせしめ、該反応温度範囲内において、
    ポリエステルに対し不活性な粒子のグリコールスラリを
    添加することを特徴とするポリエステルの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6323271B1 (en) 1998-11-03 2001-11-27 Arteva North America S.A.R.L. Polyester resins containing silica and having reduced stickiness
JP2012188769A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Nippon Ester Co Ltd ポリエステル芯鞘複合糸
JP2016079278A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 株式会社アドマテックス 無機フィラー及びその製造方法、樹脂組成物、及び成形品

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JP2016079278A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 株式会社アドマテックス 無機フィラー及びその製造方法、樹脂組成物、及び成形品

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