JP3017230B2 - ポリエステル組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、フィルムとして成型したときに耐スクラッ
チ性および走行性、表面特性が改良された、二軸延伸ポ
リエステルフィルムを製造しうるポリエステル組成物、
およびその製造方法に関する。
[従来の技術] ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレ
ートで代表されるポリエステルフィルムは、優れた力学
特性、耐候性、電気絶縁性、耐薬品性を有するため磁気
テープフィルム、コンデンサフィルム、写真フィルムな
どに広く利用されている。
これらポリエステルフィルムは、製造工程での工程通
過性や高次加工時の取扱い性、さらには最終製品の滑り
性や表面特性を改良するため、ポリエステル中に微粒子
を含有させ、フィルム表面に適度な凹凸を形成せしめる
方法が通常用いられている。
このような微粒子含有ポリエステルとして次の2通り
がある。
酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タル
ク、クレーなどの不活性無機粒子を含有せしめたポリエ
ステル組成物 ポリエステルの合成時に添加したアルカリ金属化合
物やアルカリ土類金属化合物、さらにはリン化合物を構
成成分の一部とする析出粒子を、重縮合反応系で生成せ
しめたポリエステル組成物 前記の組成物において、添加した粒子の微細均一化
を果たすには、天然無機粒子の場合、粉砕、分級などの
工程を経る必要があったり、また合成無機粒子の場合
は、合成時の条件で粒子径にバラツキが生じやすく、分
散、分級などを施した後に添加する必要があった。ま
た、このようにして得られた不活性無機粒子を重縮合反
応系に添加した場合、粒子同志が凝集しやすく、必ずし
も均一な粒子径を得ることが困難であった。さらには、
これら不活性無機粒子は基材であるポリエステルとの親
和性が好ましくないため、フィルムに成形したときにフ
ィルムから脱離しやすいという重大な問題を有してい
た。
一方、前記の微粒子を反応系で析出させて得られる
ポリエステル組成物は、析出粒子の構造が基材を構成す
るポリエステルの構造に近似しているため、ポリエステ
ルに対して親和性がよいものの、析出粒子の粒子径が反
応系のわずかな変動により不安定であり、得られるフィ
ルムの表面凹凸にバラツキが生じやすいという欠点を有
していた。
また、フィルムの易滑性と表面特性を改良するため
に、特公昭55−20496号公報には平均粒子径1.0〜10.0μ
mの無機粒子とポリエステル反応系で析出させた析出粒
子との組み合わせの例が開示されている。これらの方法
は、粒子径の大きな無機粒子によって単にフィルムの表
面凹凸および白粉の防止を目的とするものであったが、
現在は、さらに表面平滑性が要求され、この方法により
得られたものでは満足できない。また、特開昭59−2046
17号公報では、重縮合時に比表面積5m2/g以上の粒子状
物質の存在下で、アルカリ金属、アルカリ土類金属を構
成成分の一部とする粒子を析出せしめ、耐磨耗性を改良
する方法が開示されている。
しかしながら、これら二軸延伸ポリエステルフィルム
は、製造工程や加工工程、あるいは製品フィルムを磁気
テープとして用いる場合の記録時および記録の再生時
に、フィルムにスリ傷(スクラッチ)がつくことが問題
になっている。
特に近年、磁気テープ用途では高記録密度化や、耐高
速走行性の要請が著しく、フィルムの表面凹凸の均一化
と合わせて、高速走行させたときのフィルムの耐スクラ
ッチ性の改良が要求されている。しかしながら、従来公
知の方法によって得られたポリエステル組成物は、添加
した不活性無機粒子が基材ポリエステルとの親和性が不
十分であったり、得られるフィルムの表面凹凸の均一性
が不十分であったり、さらにはスクラッチ性が不満足な
ものであった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、フィルムの表面凹凸が均一で、かつ高速走
行させても耐スクラッチ性が改良された、二軸延伸ポリ
エステルフィルムを提供しうるポリエステル組成物、お
よびその製造方法を目的とする。さらに詳しくは、添加
した不活性無機粒子と基材ポリエステルとの親和性が良
好で、かつフィルムに成形したときの表面凹凸の均一性
が優れ、かつ高速走行させても耐スクラッチ性が改良さ
れた、二軸延伸ポリエステルフィルムを提供しうるポリ
エステル組成物、およびその製造方法に関する。
[問題点を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、(1)主たる繰り返し単位
が芳香族ジカルボキシレートからなるポリエステルおよ
び、ポリエステルに対して(A)リチウムおよびカルシ
ウムの少なくとも一種とリンを構成成分の一部とする析
出粒子を0.1〜3.0重量%、および(B)平均粒子径が10
〜300mμ、モース硬度が7.0以上の不活性無機粒子を0.0
1〜3.0重量%含有してなるポリエステル組成物、および
(2)芳香族ジカルボン酸またはそのエテル形成性誘導
体とグリコールとからポリエステルを製造するに際し
て、ポリエステルの固有粘度が0.3に到達する以前の段
階で、平均粒子径が10〜300mμ、モース硬度が7.0以上
の不活性無機粒子を0.01〜3.0重量%添加し、該不活性
無機粒子の存在下で、リチウムおよびカルシウムの少な
くとも一種とリンからなる粒子を析出せしめるポリエス
テルの製造方法によって達成できる。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環
式ジカルボン酸などで示されるジカルボン酸成分と、エ
チレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジ
メタノールなどのグリコール成分とから得られるポリエ
ステルであり、具体的にはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レートなどを挙げることができる。また、これらポリエ
ステルはホモポリマーであっても共重合ポリマーであっ
てもよく、共重合成分としては、上記したジカルボン酸
成分およびジオール成分を一種類以上使用することもで
きる。さらには、ポリエチレングリコール、ポリブチレ
ングリコールなどのポリアルキレングリコール、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、ヒドロキシエトキシ安息
香酸などのジカルボン酸なども使用することができる。
また、二種以上のポリエステルを配合してもよい。
本発明のポリエスエルの製造方法をポリエチレンテレ
フタレート(PET)を例にとり詳述する。
テレフタル酸とエチレングリコールとをエステル化反
応によって得た反応生成物を重縮合反応せしめる方法
(直重法)、およびテレフタル酸ジメチルとエチレング
リコールとをエステル交換反応によって得た反応生成物
を重縮合せしめる方法(エステル交換法)のいずれの方
法によっても得ることができる。最も好ましい製造方法
は、リチウムおよびカルシウムの少なくとも一種とリン
を構成成分の一部とする粒子が析出する以前の段階に、
平均粒子径が10〜300mμ、モース硬度が7.0以上の不活
性無機粒子を存在させておくのが好ましい。
さらに、具体的にPETの最も好ましい製造方法を詳述
する。
直重法の場合、テレフタル酸とエチレングリコール
とを240〜280℃で触媒の存在下または無触媒でエステル
化反応せしめ、反応率95%以上の反応生成物を得る。し
かる後、エチレングリコール可溶性のカルシウム化合
物、リチウム化合物、リン化合物および前記した不活性
無機粒子を添加した後、230〜300℃減圧下で重縮合反応
を行ないPETを得る。これら化合物の添加時期は、同時
に添加しても、いずれが先であってもかまわないが、好
ましくは、リチウム化合物を添加した後に不活性無機粒
子を添加するのが好ましい。前記した不活性無機粒子
は、カルシウム化合物、リチウム化合物、リン化合物に
由来する析出粒子が生成する以前の段階、すなわち固有
粘度が0.3に達する以前に添加される。固有粘度が0.3に
達した以降に不活性無機粒子を添加すると、不活性無機
粒子の分散性が低下する傾向がある。
エステル交換反応法の場合、テレフタル酸ジメチル
とエチレングリコールとを140〜240℃でエステル交換反
応せしめ、反応生成物を得る。エステル交換反応触媒と
して、カルシウム化合物、リチウム化合物の一部または
全量を用いることができ、他の金属化合物、例えばマグ
ネシウム化合物、マンガン化合物などを用いることもで
きる。さらに、エステル交換反応が実質的に終了した
後、再度カルシウム化合物、リチウム化合物を添加する
こともできる。リン化合物の添加時期は、エステル交換
反応に添加されるが、カルシウム化合物、リチウム化合
物をエステル交換反応後に添加する場合、その後に添加
するのが好ましい。不活性無機粒子の添加時期は特に規
制がないが、カルシウム化合物、リチウム化合物、リン
化合物に由来する析出粒子が生成する以前の段階、すな
わち固有粒度が0.3に達する以前に添加するのが好まし
い。固有粘度が0.3に達した以降に不活性無機粒子を添
加すると、不活性無機粒子の分散性が低下する傾向があ
る。上記した反応生成物は230〜300℃減圧下で重縮合反
応を行ないPETを得る。
かかる方法によって、カルシウム化合物、リチウム化
合物およびリン化合物の触媒残渣とする析出粒子を得る
ことができる。このように、モース硬度7.0以上の不活
性無機粒子の存在下で、リチウムおよびカルシウムとリ
ンを構成成分の一部とする析出粒子を生成せしめること
により、二種類の粒子が何らかの理由で相互作用を及ぼ
し、スクラッチ性を改良しているものと思われる。本発
明以外の不活性無機粒子、例えばタルク、カオリン、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカなど
を本発明の方法と同様に添加してもスクラッチ性の改良
を果たすことができない。
触媒残渣による析出粒子量は最終的に得られるポリエ
ステル組成物に対して、カルシウムおよびリチウムの少
なくとも一種類とリンを構成成分の一部とする析出粒子
を0.1〜3.0重量%生成せしめることができる。触媒残渣
による析出粒子量が0.1重量%未満の場合は、フィルム
として成形したときのフィルムの表面突起が不足し、易
滑性が損なわれる。一方、3.0重量%を超えた場合に
は、析出する粒子が凝集するためフィルムの平坦性が損
なわれる。
本発明で使用するリチウム化合物、カルシウム化合物
は、リチウム化合物、カルシウム化合物の水素化物、ア
ルコラート、ハロゲン化物、水酸化物、炭酸塩、カルボ
ン酸塩、硫酸塩などが挙げられる。具体的には、酢酸リ
チウム、塩化リチウム、水酸化リチウム、酢酸カルシウ
ム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。これらの金属
化合物の添加量は、ポリエステル組成物に対し、カルシ
ウム化合物およびリチウム化合物の合計量は0.1〜3.0重
量%、好ましくは0.2〜2.0重量%である。0.1重量%未
満の場合には、析出粒子量が少なくフィルムの易滑性が
不十分であり、3.0%重量を超えると、フィルムの平坦
性が損なわれる。
また、本発明で用いるリン化合物としては、リン酸、
亜リン酸、もしくはこれらのメチルエステル、エチルエ
ステル、フェニルエステル、さらには、これのハーフエ
ステルや、ホスホン酸、ホスフィン酸もしくはこれらの
エステルよりなる群から選ばれた一種類以上が挙げられ
るが、3価のリンと5価のリンを併用する場合が析出粒
子の微細均一性から特に好ましい。リン化合物の添加量
は前記した金属化合物の添加量と相対的に連動する。好
ましくは、(Ca+1/2Li)/Pのモル比が0.5〜5.0、特に
1.0〜3.0である。0.5未満の場合には不活性無機粒子が
凝集しやすく、5.0を超えると、触媒残渣による析出粒
子が凝集しやすくなり好ましくない。
さらに、本発明の組成物におけるモース硬度7.0以上
の不活性無機粒子として、Al2SiO5、ZrSiO4、BeSiO4、B
eAl2O4、Al2O3、ZrO2、SiCなどが挙げられる。これらの
化合物のうち、入手性や取扱い性および分散性さらに耐
スクラッチ性などから、Al2O3、ZrO2、SiCが好適に用い
られる。Al2O3の場合、結晶構造が異なるα,γ,δ型
のいずれを用いてももよいが、好ましくはγ型、δ型Al
2O3が耐スクラッチ性に対しても最も効果を奏する。こ
れら不活性無機粒子の平均径は、10〜300mμである。10
mμ未満の場合、耐スクラッチ性の改良効果が少なく、
熱安定性が低下するため好ましくない。このような現象
がおきる理由として、無機粒子が微細すぎることによ
り、無機粒子の一部が基材ポリエステルに対して可溶化
するためと考えられる。一方、300mμを超えた場合に
は、得られるフィルムの耐スクラッチ性の改良効果が不
十分であり好ましくない。ここで平均粒子径とは、遠心
沈降式粒度分布測定機で測定される、50vol%の点にあ
る粒子の相当直径を意味する。
また、本発明の組成物中の不活性無機粒子の含有量
は、0.01〜3.0重量%である。0.01重量%未満の場合、
耐スクラッチ性の改良効果が不十分であり、3.0重量%
を超えると、添加した不活性無機粒子が凝集したり、ポ
リエステルの熱安定性が低下するため好ましくない。こ
れら不活性無機粒子の反応系への添加方法は、エチレン
グリコールのスラリが好ましい。スラリを調製するに際
して、例えば特開昭61−23623号公報で提案した方法
や、公知のサンドグラインダなどの湿式媒体法による分
散処理、さらには超音波などによる分散処理を施した後
に重縮合反応系に添加するのが好ましい。これら機械的
分散処理に加え、分散剤による処理やスーパデカンタな
どによる分級処理を施した後に添加することもできる。
本発明はフィルム表面の平坦性と耐スクラッチ性を改
良することを目的とするが、得られるフィルムの易滑性
を得るために、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化チタン、シリカなどを併用することが
できる。これら不活性無機粒子の平均粒子径は0.2〜5.0
μ、添加量は、本発明の不活性無機粒子の添加量の範囲
を超えないようにするのが好ましい。
また、本発明に用いる重縮合触媒は、グリコール可溶
性のアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化
合物などを用いることができる。
[実 施 例] 以下、実施例で本発明を詳述する。実施例中の部とは
重量部を示す。各特性値の測定は、次の方法に従って行
なった。
(A)ポリマーの固有粘度 O−クロロフェノールを溶媒として、25℃で測定し
た。
(B)平均表面粗さ(Ra) JIS−B−0601に規定された方法に従って、触媒式表
面粗さ計を用いて、カットオフ0.08mm、測定長4mmとし
て測定した。
(C)ポリマーの熱安定性 ポリマーをN2雰囲気下300℃で60分間熱処理し、処理
前後の固有粘度を測定し、ΔIV値で示した。
(D)スクラッチ性評価 1/2インチにスリットしたテープを高速型テープ走行
性試験機を使用して、繰り返し走行させる(走行速度80
0m/分、走行回数5バス)。このときフィルムに入った
傷を顕微鏡を用い、幅方向に任意に10ヶ所観察し、一幅
あたりの傷個数を求め、次の4段階で評価し、2級以上
を合格とした。
全く傷がない 1級 傷が1〜3個 2級 傷が4〜10個 3級 傷が11個以上 4級 (E)摩擦係数 スリップテスタを用い、ASTM−D−1894B法に従って
測定し、静摩擦係数を用いた。数値が小さいほど滑り性
が良好である。
(F)ポリマー中粒子の分離方法 特開昭51−112860号公報で開示した方法(内部粒子分
離法)に従って粒子分離を行ない、総分離粒子量から不
活性無機粒子含有量(原子吸光法で測定)を減じた重量
を析出粒子量とした。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール64
部、酢酸カルシウム0.1部とを触媒として、常法によっ
てエステル交換反応を行なった。該生成物に、酢酸イチ
ウム0.2部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、ト
リメチルホスヘート0.15部、亜リン酸0.02部を添加し
た。さらに、エチレングリコールに8%のスラリとした
平均粒子径20mμのδ型Al2O3(モース硬度9)を0.2
部、平均粒子径1.1μの重質CaCO3を0.02部を添加した
後、重縮合反応槽に移行し、常法によって固有粘度0.61
5のポリマーを得た(ポリマーA)。得られたポリマー
中の析出粒子量は0.53%であった。次いで、得られたポ
リマーを290℃で押出機により溶融シートを押し出し、
キャステングドラムで急冷し、未延伸シートを得た。引
き続き98℃で縦および横方向に各々3.5倍に延伸し、230
℃で3秒間熱固定し、25μの二軸延伸フィルムを得た。
ポリマー特性とフィルム特性は表−1に示すとおり、R
a、スクラッチ性の良好な二軸延伸フィルムであった。
実施例2 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール64
部、酢酸マンガン0.05部とを触媒として、常法によって
エステル交換反応を行ない、その生成物に三酸化アンチ
モン0.03部を添加した後、トリメチルホスヘート0.03部
を添加した。さらに、エチレングリコールに8%のスラ
リとした平均粒子径20mμのδ型Al2O3を1.0部、平均粒
子径1.1μの重質CaCO3を0.10部添加した後、重縮合反応
槽に移行し、常法によって固有粘度0.620のポリマーを
得た(ポリマーB)。また、実施例1においてδ型Al2O
3とCaCO3を添加しなかったほかは、実施例1と同様にし
て固有粘度0.610のポリマーを得た(ポリマーC)。ポ
リマーBを20部、ポリマーCを80部を混合した後、実施
例1と同様にして25μの二軸延伸フィルムを得た。ポリ
マー特性とフィルム特性を表−1に示す。
比較実施例1 ポリマーCのみで得た二軸延伸フィルムのスクラッチ
性は4級であるばかりでなく、Raも0.025μで実施例1
と比べ表面の平坦性が不良であった。
実施例3〜6、比較実施例2〜5 Al2O3の種類、平均粒子径および添加量を各々変えた
以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得、その後、
二軸延伸フィルムを得た。結果を表−1に示す。添加量
が本発明の範囲を外れた場合には、スクラッチ性が好ま
しくなかったり、熱安定性の好ましくない結果であった
(比較実施例2、3)。また、平均粒子径が本発明の範
囲を外れた場合でも、スクラッチ性が好ましくなかった
り、熱安定性やδAl2O3の分散の好ましくない結果であ
った(比較実施例4、5)。
実施例7、8、比較実施例6、7 実施例1において、添加するカルシウム、リチウム、
リン化合物の添加量を変えたほかは、実施例1と同様に
して析出粒子量が異なるポリマーを得た。そのポリマー
を用いて、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得
た。析出粒子量が本発明の範囲を外れた場合には、易滑
性が不足したり、表面の平坦性が不満足な効果であっ
た。
実施例8、9、比較実施例8〜11 実施例1で用いたδAl2O3に代えて、添加する不活性
無機粒子の種類を変更した以外は、実施例1と同様にし
て重縮合および製膜して二軸延伸フィルムを得た。
SiC(モース硬度8.0)を用いた場合にはスクラッチ性
が1級、ZrO2(モース硬度7.5)を用いた場合はスクラ
ッチ性が2級であった。
一方、コロイダルシリカ(モース硬度5.5)、CaCO
3(モース硬度3.0)、TiO2(モース硬度3.0)、BaSO
4(モース硬度3.5)を用いた場合は、いずれもスクラッ
チが4級で好ましくない結果であった。
[発明の効果] 本発明のポリエステル組成物は、配合されている特定
の析出粒子と不活性無機粒子が、ポリエステルとの親和
性良好であり、さらにフィルムに成形した場合、表面凹
凸が均一で、高速走行させても耐スクラッチ性が良好で
ある。
また、本発明のポリエステル組成物の製造方法によっ
て、前記のような優れたポリエステル組成物を有効に製
造することができる。
本発明で得られるポリエステル組成物は、磁気テー
プ、特に高記録密度化や耐高速走行性が要請される磁気
テープに適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−41355(JP,A) 特開 昭52−78954(JP,A) 特開 昭63−230741(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/02 - 67/03 C08G 63/78 C08K 5/51 C08K 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主たる繰り返し単位が芳香族ジカルボキシ
    レートからなるポリエステルおよび、ポリエステルに対
    して、(A)リチウムおよびカルシウムの少なくとも一
    種とリンを構成成分の一部とする析出粒子を0.1〜3.0重
    量%、および(B)平均粒子径が10〜300mμ、モース硬
    度が7.0以上の不活性無機粒子を0.01〜3.0重量%含有し
    てなるポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形
    成性誘導体とグリコールとからポリエステルを製造する
    に際して、ポリエステルの固有粘度が0.3に到達する以
    前の段階で、平均粒子径が10〜300mμ、モース硬度が7.
    0以上の不活性無機粒子を0.01〜3.0重量%添加し、該不
    活性無機粒子の存在下で、リチウムおよびカルシウムの
    少なくとも一種とリンからなる粒子を析出せしめること
    を特徴とするポリエステルの製造方法。
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