JPH0714996B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH0714996B2
JPH0714996B2 JP59166761A JP16676184A JPH0714996B2 JP H0714996 B2 JPH0714996 B2 JP H0714996B2 JP 59166761 A JP59166761 A JP 59166761A JP 16676184 A JP16676184 A JP 16676184A JP H0714996 B2 JPH0714996 B2 JP H0714996B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明はポリエステル繊維、ポリエステルフィルム、あ
るいはポリエステル成形品に対する走行性、耐摩耗性、
表面特性の改良されたポリエステルの製造方法に関する
ものである。
[従来技術及びその問題点] 一般にポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート
はすぐれた力学特性、耐熱、耐候、電子絶縁,耐薬品性
を有するため、衣料用、産業用の繊維のほか、磁気テー
プ用フィルム、写真用フィルム、電絶、コンデンサー用
フィルム等のフィルム分野で広く使用されている。
ポリエステルをフィルム分野で使用する場合には溶融押
出、延伸、熱処理という成形工程での工程通過法、ある
いはフィルム成形に際しては巻き取り、裁断、磁性層な
どの表面塗布、電気部品への組込みの作業性、フィルム
製品の滑り、耐摩耗性、表面特性といった最終製品とし
ての価値から、微粒子含有ポリエステル蘇生物を製造
し、それによって表面に適度の凹凸を与えて表面易滑性
を付与し、製膜時のフィルム流れを容易にし、また表面
特性、耐摩耗性を改良することが通常行なわれている。
このような微粒子を含有しているポリエステル組成物と
しては 酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タル
ク、クレイ、有機ポリマ等の不活性、不溶性微粒子を添
加、配合して得たポリエステル組成物、 ポリエステルの合成系に添加されたアルカリ、アルカ
リ土類金属などの金属化合物、さらにリン化合物などを
構成成分の一部とする微粒子を重縮合反応工程中で析出
せしめて得たポリエステル組成物などが知られている。
しかしながら、このような公知の微粒子含有ポリエステ
ル組成物には次のような問題があり、特にフィルムに成
形した場合、その易滑性、耐摩耗性、表面状態、製膜性
等は満足なものではなかった。
即ち、前記の不溶性微粒子の添加法によって得られた
ポリエステル組成物では、添加粒子の微粒子化の困難さ
や、粒子同志の凝集に起因する粗大粒子が混在し、粒子
径が不均一である。
また、粗大粒子に起因する粗大突起が混在し、フィッシ
ュアイ、ドロップアウトなどの問題が発生したり、さら
には微粒子同志の凝集防止のため、添加する分散剤がし
ばしばこれらのポリエステルの耐熱性、電気特性を低下
させるなどの欠点を生じる。そのため、特開昭53−1254
95号公報では粒子を微分散させるため、特殊な攪拌翼を
用いて添加粒子を微分散させ、ポリエステル中に存在さ
せる例が開示されているが十分に目的を達成するには至
っていない。
一方前記のいわゆる微粒子の析出法によって得られた
粒子を含むポリエステル組成物は粒子含有量を多くする
と、析出粒子の粒径のコントロールが難しいために、粗
大粒子の混入は免れない。しかも粒子同士の凝集によっ
ても粗大粒子が増加するなどの問題が発生する。このよ
うに、微粒子の析出法にあっては、析出粒子の粒径をコ
ントロールして、粗大粒子がなく微細な粒子を均一にし
かも高濃度に生成させることは、非常に困難であった。
例えば特開昭53−4103号公報にはリチウム元素を含有す
る析出粒子の例が開示されているが先に述べた用途にお
いてはまだ十分な効果を示すには至らない。
特に近年、磁気テープ用途での伸びは著しくオーディオ
テープ、ビデオテープ、メモリーテープ等多くの用途に
用いられるようになり、要求される特性もますます高度
になってきている。また、小形化、高密度化のために磁
気テープ厚さを薄くする必要があり、フィルム表面の凹
凸をより均一微細にする要求が強まっている。
さらには粒子を含有しない、あるいは粒子含有量の少な
いポリエステルに配合してポリエステルフィルムを得、
該ポリエステルフィルムに良好な表面特性を付与し、易
滑性にすぐれた成形品とするために粗大粒子がなく、微
細な粒子を多量に含有する原料が要求されている。しか
しながら、これら粒子が微細であり、且つまたその粒子
量が多いほど粒子同志の凝集により粗大粒子の生成が起
りやすい。
[発明の目的] 本発明者らは前記実情に鑑み、均一微細な粒子を多量に
有し、フィルムに成形した場合、フィルムの耐摩耗性、
滑り性の向上に有効なポリエステルの製造方法について
検討し、本発明を完成した。
[発明の構成] 前記した本発明の目的はテレフタル酸もしくはそのエス
テル形成性誘導体とグリコールとのエステル交換もしく
はエステル化反応を行ない、引つづき重縮合反応を行な
ってポリエステルを製造するに際し、重縮合反応開始前
の任意の時点で、系に不溶な比表面積が5m2/g以上の粒
子状物質であって該粒子状物質に対し0.05〜2モル%の
一分子中に唯一個のリン原子を有するリン化合物を用い
て分散処理したものとアルカリ金属化合物およびアルカ
リ土類金属化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物
とを添加し、さらに重縮合反応時にアルカリ金属または
アルカリ土類金属の一種以上を構成成分の一部とする粒
子を析出させることを特徴とするポリエステルの製造方
法によって達成できる。
本発明におけるポエステルとは繊維、フィルム、その他
の成形品に成形しうるポリエチレンテレフタレートを主
体とするものであり、ホモポリエステルであっても、コ
ポリエステルであってもよく共重合する成分としては、
例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、
P−シクロヘキサンジメタノール、5−ナトリウムスル
ホレゾルシン等のジオール成分、アジピン酸、セバシン
酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカル
ボン酸等のジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等の多官能性ジカルボン酸成分、P−オキシエ
トキシカルボン酸成分が挙げられる。ジカルボン酸成分
がジカルボン酸の場合はグリコールとのエステル化反応
後、ジカルボン酸成分がジカルボン酸エステルの場合は
グリコールとのエステル交換反応後、得られるプレポリ
マを高温、減圧下にて重縮合反応せしめ、ポリエステル
とする。
本発明で使用する反応系に不溶な粒子状物質はその種類
によって、重縮合反応時に析出するアルカリ金属および
/またはアルカリ土類金属ならびにリン化合物を構成成
分とする粒子の量、粒子径に影響を与える。本発明の目
的とする微細で均一な粒子を多量に含有するポリエステ
ルを得るに効果の大きい反応系に不溶な粒子状物質とし
て、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミ
ニウム、タルク、二酸化チタン、雲母、リン酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどの無機粒子や架橋ポリエステルな
どの架橋性樹脂粉末、テフロン粉末等の有機微粒子粉末
が挙げられる。
また、上記粒子状物質の中で好適に使用できるのは二酸
化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸
カルシウム、ケイ酸アルミニウム粒子などである。
本発明においては、析出粒子の生成は、反応系に不溶な
粒子状物質の存在下で行なう必要があり、その場合にの
み析出粒子を微細で均一、かつ大量に生成させることが
できるのである。この理由は明確ではないが、析出粒子
の生成時点で、微細な粒子状物質がいわゆる核として働
き、析出粒子の生成が促進されるため、個々の粒子状物
質の表面近傍で一斉にかつ急速に析出粒子が形成され、
その結果、微細で均一な析出粒子を大量に発生させるこ
とができるものと推定される。
反応系に不溶な粒子状物質のBET法による比表面積は5m2
/g以上であるが、好ましくは30m2/g以上、1000m2/g以
下、特に好ましくは80m2/g以上、800m2/g以下である。
反応系に不溶な粒子状物質の比表面積が5m2/g未満の場
合には、上記した核剤効果が十分発現せず、析出生成す
る析出粒子が微細、均一にならず、また粗大粒子も発生
する結果となる。また、不活性な粒子の使用量はポリエ
ステルを構成する全酸成分に対し、0.005〜2.0重量%が
好ましく、より好ましくは0.01〜1.0重量%の範囲であ
る。
前記粒子状物質の分散処理に用いられるリン化合物は一
分子中に唯一個のリン原子を有するリン化合物である。
具体的には、リン酸、亜リン酸、リン酸のモノ、ジある
いはトリエステル(メチルアシッドホスフェート、エチ
ルアシッドホスフェート、トリメチルホスフェートな
ど)、あるいはホスホン酸、ホスホネート(フェニルホ
スホン酸、ジメチルフェニルホスホネートなど)などの
化合物の一種または二種以上の混合物であり、好ましく
はリン酸、亜リン酸が挙げられる。
リン化合物の使用量は前記粒子状物質に対して0.05〜2
モル%の範囲にする必要があり、好ましくは0.3〜1.5モ
ル%、特に好ましくは0.5〜1.0モル%の範囲である。
0.05モル%未満では粒子状物質に対する十分な分散効果
が得られず、2モル%より多くしても、もはやそれ以上
の効果は期待できない。
前記粒子状物質のリン化合物による分散処理は媒体中で
行なうのが好ましく、反応系に添加された後の反応面か
ら考えて、エチレングリコール中で行ない、エチレング
リコールスラリーとして調整するのが好ましい。エチレ
ングリコールスラリーは従来公知の調整方法、例えば、
特開昭53−125495号公報に開示された特殊攪拌翼を用い
て微分散する等の方法が用いられる。この場合、粒子状
物質のエチレングリコールスラリーと、リン化合物のエ
チレングリコール溶液を別々に調整した後、混合して分
散処理する方法、またリン化合物のエチレングリコール
溶液中に、粒子状物質を投入して微分散する方法、さら
にエチレングリコール中に粒子状物質とリン化合物を同
時に投入して微分散する方法等、任意の方法によって、
ポリエステル重縮合系内に添加する以前に分散処理して
おくことが必要である。
前記リン化合物を用いて分散処理された粒子状物質のエ
チレングリコールスラリーの反応系に添加する時期は、
重縮合反応開始前の任意の時期でよいが、エステル交換
反応を経て重縮合反応を行なう場合には、リン化合物を
含むスラリーであるため、エステル交換反応が実質的に
終了した後が好ましい。
本発明で使用する析出粒子生成のためのアルカル金属、
アルカリ土類金属化合物はアルカリ金属、アルカリ土類
金属の水素化物、アルコラート、塩素化物、水酸化物、
炭酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
具体的には酢酸リチウム、塩化リチウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられ
る。中でもカルシウム、リチウムの水酸化物、脂肪族カ
ルボン酸塩が析出粒子を多量に生成し、副反応を抑制
し、且つ後処理の容易さから好ましく用いられる。これ
ら金属化合物の使用量はポリエステルを構成する全酸成
分に対し、好ましくは0.01〜2重量%で、重縮合反応開
始前の任意の時点、特に好ましくはエステル交換反応又
はエステル化反応が実質的に終了した後、重縮合反応開
始までの時点で添加する。
また本発明では析出粒子生成のためにリン化合物を適用
するのが望ましい。リン化合物としてはリン酸、亜リン
酸、もしくはこれらのメチルエステル、またはエチルエ
ステル、フェニルエステル、さらにはこれらのハーフエ
ステルやホスホン酸、ホスフィン酸、もしくはこれらの
エステルよりなる群から選ばれた一種以上が挙げられ
る。リン化合物の使用量は、使用する金属化合物の量に
も関係するが、ポリエステルを構成する全酸成分に対
し、好ましくは0.001〜2重量%、更に好ましくは0.01
〜2重量%である。添加時期としてはエステル化、ある
いはエステル交換反応終了後が好ましく、重縮合反応開
始前の任意の時点で添加する。
また、本発明における反応系に不溶な粒子状物質と反応
系で析出する析出粒子の割合が重量比で0.1〜50が好ま
しく、より好ましくは0.3〜30、さらに好ましくは0.5〜
10である。
なお、析出粒子の測定は次の方法により定量した。
(析出粒子の定量法) ポリマ組成物またはフィルム約300gを採取し、これにO
−クロルフェノール2.7Kgを加えて撹拌しつつ100℃まで
昇温し、昇温後さらに1時間そのまま放置してポリマ部
分を溶解させる。
ただし、この条件では高度に結晶化している場合など十
分ポリマ部分が溶解しない場合には一旦ポリマ組成物を
溶解してから急冷したものを試料として上記溶解条件で
行なうことができる。次いで、分離用超遠心機40p型
(日立製作所製)にローターRp法にローターRp30を装備
し、セル1個当り上記溶液30ccを注入後、ローターを45
00rpmにて回転させ、回転異常のないことを確認後、ロ
ーター中を真空して粒子の遠心分離を行なう。
分離の完了はほば40分後であるが、この確認は分離後の
液の375ミリミクロンにおける光線透過率が分離前のそ
れに比し、高い値の一定値になることで行なう。
分離後、上澄液を傾斜法で除去し、分離粒子を得る。分
離粒子には分離不十分の理由によるポリマ部分の混入が
あり得るので、採取した該粒子に常温のO−クロルフェ
ノールを加え、ほぼ均一に懸濁後、再び遠心分離機処理
を行なう。この操作は後述の粒子を乾燥後粒子部分を走
査型差動熱量分析にて、ポリマに相当する融解ピークが
検出できなくなるまで繰り返す必要がある。最後にこの
ようにして得た分離粒子を120℃、16時間真空乾燥して
秤量し、該量からポリエステル反応系に添加した粒子状
物質の添加量を該量から除いて析出粒子量とした。
また本発明において、エステル化反応またはエステル交
換反応には触媒適量のリチウム、ナトリウム、カリウム
などのアルカリ金属類、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属および
亜鉛、マンガンの水素化物、アルコラート、塩素化物お
よびモノカルボン酸のグリコール可溶性塩が触媒として
好ましく使用される。特に好ましいものとして酢酸ナト
リウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸亜
鉛、酢酸マンガン、塩化マンガンなどがある。
また、芳香族ジカルボン酸のビスヒドロキシアルキルエ
ステルの重縮合に使用される代表的な触媒は、グリコー
ルに可溶なアンチモンあるいはゲルマニウム化合物で、
具体的には三酸化アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、
オキシ塩化アンチモン、酸化ゲルマニウムなどが好まし
く用いられる。
[発明の効果] 本発明のポリエステルは均一、微細な析出粒子を多量に
含有し、しかも従来の析出粒子生成法や添加法によって
得たポリエステルに比べ粗大粒子が極めて少ないという
特徴を持っている。
さらに本発明の粒子はポリエステルとの馴じみ性もよ
く、該ポリエステルから繊維やフィルムを製造する場
合、従来のものでは達成できなかった下記のような効果
が発揮される。
繊維およびフイルムへの溶融成形過程でフィルター
の目詰りが少なく、後加工工程での作業性のよいフィル
ムが得られる。
膜厚3ミクロン以下の極めて薄いフィルムに成形加
工しても均一微細な析出粒子と反応系に不溶な粒子状物
質とからなる粒子が多数含まれているため、フィルム−
フィルム間あるいはフィルム−金属間、フィルム−フェ
ルト間のブロッキング現象がなく、極めて易滑性に優れ
ると共に、表面特性の良好なしかも粒子の脱落の少くな
い耐摩耗性に優れたポリエステルフィルムが得られる。
また均一微細な粒子を多量に含めため希釈して使用
することができ、この場合もフィルムフィッシュアィが
なく、特に磁気テープ用途では再生時のドロップアウ
ト、画像ムラ、音飛びなどがなく極めて有用である。
本発明によって得られるポリエステルはマルチフィラメ
ント、ステープルなどの繊維、無配向、一軸配向、二軸
配向のフィルムのみでなく、モノフィラメント、プラス
チック用として好ましく用いることが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を詳述する。
なお、得られたポリエステルの各特性値の測定は次の方
法に従って行なった。
(A)ポリマ中の粒子の粒度ランク ポリマ20mgを2まいのカバーグラス間にはさみ280℃で
溶融プレス、冷却後、顕微鏡観察し、平均粒子径から次
のようにランク付けしている。
A:粒径1.0ミクロン未満 B:粒径1.0ミクロン以上3ミクロン未満 C:粒径3ミクロン以上5ミクロン未満 D:粒径5ミクロン以上 (B)ポリマ中の粒子の粒子分散性 ポリマ20mgを2まいのカバーグラス間にはさみ280℃で
溶融プレス、冷却後、顕微鏡観察し、1mm2に存在する3
ミクロン以上の粗大粒子数から次のような判定で表示し
ている。
1級:3ミクロンを越える粗大粒子が10個/mm2未満存在す
る。
2級:3ミクロンを越える粗大粒子が10〜30個/mm2存在す
る。
3級:3ミクロンを越える粗大粒子が30個/mm2を越えて存
在する。
(C)ポリマの極限粘度 O−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定した値
である。
(D)フィルム特性 a)フィルムの摩擦係数 スリップテスターを用いASTM−D−1894B法に従って測
定する。なお、フィルムの易滑性の目安としては静摩擦
係数を用いた。
b)フィルム表面を触針式粗さ計により、観測し、得ら
れた表面凹凸の最高部と最低部の差をミクロン単位で表
わす。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール7
0重量部とから酢酸カルシウム0.09重量部を触媒として
常法により、エステル交換反応を行ない、その生成物に
三酸化アンチモン0.03重量部、酢酸リチウム0.3重量
部、リン酸トリメチル0.2重量部および予め粒子に対し
て0.5モル%の亜リン酸を用いて10重量%濃度のエチレ
ングリコールスラリーとしてよく微分散された二酸化ケ
イ素(比表面積200m2/g)0.2重量部を添加し、常法によ
り重合して、極限粘度0.618のポリマを得た。ポリマ中
の粒子の分散性は1級で、かつ粒度はAランクであり、
極めて良好なものであった。
比較実施例1 実施例1においてエステル交換反応終了後、その生成物
に酢酸リチウム、0.3重量部、リン酸トリメチル0.2重量
部、三酸化アンチモン0.03重量部のみ添加して反応する
以外は実施例1と同様にして極限粘度0.609のポリマを
得た。ポリマ中の粒子の分散性は3級で、かつ粒度はC
ランクであり好ましいものではなかった。
実施例2〜7および比較実施例2〜5 分散剤として使用するリン化合物の種類、量ならびに不
活性物質粒子の種類を変更して反応する以外は不活性物
質粒子の添加量、析出粒子源などを実施例1と同様にし
てポリエステル組成物を得た。添加粒子種、ポリマ中の
粒子の粒度および分散性を表1に示す。
比較実施例6 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール7
0重量部とからカルシウム0.09重量部を触媒として常法
により、エステル交換反応を行ない、その生成物に三酸
化アンチモン0.03重量部、酢酸リチウム0.3重量部、リ
ン酸トリメチル0.2重量部を添加し、常法により、重合
して目標粘度のトルク値に到達せしめた。次いで、系内
を常圧に戻し、予め10重量%濃度のエチレングリコール
スラリーとしてよく微分散された二酸化ケイ素(比表面
積200m2/g)0.2重量部を添加し、徐々に減圧状態としな
がら、エチレングリコールを留出除去せしめ、ポリマ中
に二酸化ケイ素を分散混合し、最終的に極限粘度0.602
のポリマを得た。ポリマ中の粒度はAとCランクの二重
分布となり、分散性も3級で好ましいものではなかっ
た。
実施例8 実施例1においてエステル交換反応終了後、その生成物
に酢酸リチウム0.06重量部、亜リン酸0.03重量部および
予め粒子に対して0.5モル%の亜リン酸を用いて10重量
%濃度のエチレングリコールスラリーとしてよく微分散
された二酸化ケイ素(比表面積250m2/g)0.05重量部添
加して反応する以外は実施例1と同様にして極限粘度0.
617のポリマを得た。ポリマ中の粒度はAランク、粒子
分散性は1級であり、極めて好ましいものであった。
実施例9 実施例1で得たポリエステル組成物を常法により、290
℃でシート化し、2軸延伸機により、縦延伸倍率3.3
倍、横延伸倍率3.4倍で延伸した後、215℃で熱処理して
厚さ12ミクロンのフィルムを得た。製膜時における作業
安定性は良好で膜破れ等のトラブルはなかった。得られ
たフィルムの摩擦係数は0.66、フィルム表面の平均粗さ
0.027ミクロン、フィルム表面最大粗さ0.28であり、良
好であった。
比較実施例7 比較実施例1で得たポリエステル組成物を用いる以外は
実施例8と同様にして厚さ12ミクロンのフィルムを得
た。得られたフィルム表面の平均粗さは0.039ミクロ
ン、フィルム表面の最大粗さは0.41ミクロンであり、フ
ィルム表面性において好ましいものではなかった。
実施例10 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール7
0重量部とから酢酸マンガン0.035重量部を触媒として常
法によりエステル交換反応を行ない、その生成物に三酸
化アンチモン0.03重量部、リン酸トリメチル0.025重量
部を添加し、常法により重合して極限粘度0.620のポリ
マを得た。該ポリマ75重量部と実施例1で得たポリマ25
重量部の混合割合で混合した後、実施例4と同様な方法
で厚さ12ミクロンのフィルムを得た。フィルムの摩擦係
数0.86、フィルム表面の平均粗さ0.019ミクロン、フィ
ルム表面最大粗さ0.20ミクロンであり、良好であった。
実施例11 撹拌装置、分縮器、原料仕込み口を設けたエステル化反
応容器にエステル化反応生成物を仕込み250℃で窒素ガ
ス存在下、加熱溶解した。該反応容器にテレフタル酸に
対するエチレングリコールのモル比を1.20に調整したテ
レフタル酸のエチレングリコールを連続的に供給して水
を留出せしめエステル化反応を実施した。
該エステル化生成物105重量部(エチレンテレフタレー
トユニット100重量部に相当)を重縮合反応装置に仕込
み、250℃に維持し、酢酸カルシウム0.05重量部、酢酸
リチウム0.10重量部、リン酸トリメチル0.15重量部、三
酸化アンチモン0.03重量部、予め粒子に対して0.5モル
%のリン酸を用いて10重量%濃度のエチレングリコール
スラリーとしてよく微分散された二酸化ケイ素(比表面
積200m2/g)0.10重量部を添加し、系内を徐々に減圧に
して重縮合反応を行なった。最終的に0.7mmHg、290℃で
約4時間反応を行なった。得られたポリマの極限粘度は
0.618、ポリマ中の粒度はAランク、粒子分散性は1級
であり、良好であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−57432(JP,A) 特公 昭55−20496(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テルフタル酸もしくはそのエステル形成性
    誘導体とグリコールとのエステル交換もしくはエステル
    化反応を行ない、引き続き重縮合反応を行なってポリエ
    ステルを製造するに際し、重縮合反応開始前の任意の時
    点で、系に不溶な比表面積が5m2/g以上の粒子物質であ
    って、該粒子状物質に対し0.05〜2モル%の一分子中に
    唯一個のリン原子を有するリン化合物を用いて分散処理
    したものと、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金
    属化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物とを添加
    し、さらに重縮合反応時にアルカリ金属またはアルカリ
    土類金属の一種以上を構成成分の一部とする粒子を析出
    させることを特徴とするポリエステルの製造方法。
JP59166761A 1984-08-09 1984-08-09 ポリエステルの製造方法 Expired - Lifetime JPH0714996B2 (ja)

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