JP2731949B2 - 絹雲母含有ポリエステル組成物及びその製造法 - Google Patents

絹雲母含有ポリエステル組成物及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は雲母が良好な鱗片状粒子の分散状態で含有さ
れている絹雲母含有ポリエステル組成物及びその製造法
に関する。
〔従来の技術〕
ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆえに衣
料用及び産業用繊維をはじめフイルム、樹脂成形品、そ
の他の分野に広く使用されている。
雲母を含有したポリエステルは、繊維分野では遠赤外
線放射特性を有するポリエステル繊維として、樹脂分野
では弾性率等の力学特性を改良したポリエステル樹脂と
して、またフイルム用ではガスバリヤー性を改良した包
装用ポリエステルフイルムとして各々用いることが提案
されている。
しかしながら雲母をポリエステルに含有させる場合、
ポリエステル中での雲母粒子の分散性は一般にあまり良
くなく、例えば繊維として使用する場合、製糸工程での
安定性が極めて低下し、紡糸圧力の上昇や断糸、毛羽等
の欠陥が多発するなどの欠点を有していた。
従来、雲母をポリエステルに含有させるには、適当な
混練機を用いて常圧でポリエステルの融点以上の温度で
混合するのが一般的であった。このような方法が採られ
るのは、操作が簡便であるためであり、得られるポリエ
ステル組成物中での雲母の粒子の分散状態は混合方法の
相違によってはほとんど影響されないものと考えられて
いたからである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、雲母がポリエステル中で粒子として良好な
分散状態にあり、繊維やフイルム、樹脂成形品等への溶
融賦形工程での安定性に優れた絹雲母含有ポリエステル
組成物及びその製造法を提供することを目的とするもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の第1の要旨は、最大長さ10μm、厚さ0.05〜
0.8μmの鱗片状粒子である絹雲母、及び分散剤が含有
された絹雲母含有ポリエステル組成物を主要な構成とす
る。
また、本発明の第2の要旨は、雲母含有ポリエステル
を製造するに際し、エステル化反応またはエステル交換
反応が終了する以前の段階で最大長さ10μm、厚さ0.05
〜0.8μmの鱗片状粒子である絹雲母、及び分散剤を反
応系に添加することを特徴とする絹雲母含有ポリエステ
ル組成物の製造法にある。
本発明においては生成ポリエステル中の絹雲母の含有
量は0.5〜25重量%、好ましくは1〜15重量%である。
含有量が25重量%を超えると組成物の溶融賦形工程にお
ける安定性が著しく低下する。また0.5重量%未満であ
ると、溶融賦形によって得られた繊維、フイルムあるい
は樹脂成形品が有する遠赤外線放射特性、ガスバリヤー
特性、力学特性の効果がない。
本発明において使用する絹雲母とは二酸化ケイ素及び
酸化アルミニウムを主成分とする絹雲母である。また、
本発明において使用する分散剤は、絹雲母の一次粒子の
隙間に浸透し粒子の表面に配向吸着することによって粒
子表面の性質を変える界面活性剤あるいは電気2重層の
形成によって保護コロイド作用を有する無機電解質や高
分子化合物である。具体的には非イオン界面活性剤のメ
タリン酸カリウム、アニオン界面活性剤のドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリ
ウム、無機電解質のリン酸水素カリウム、及び高分子化
合物の両末端封止分子量20000ポリエチレングリコール
を分散剤として使用するのが好ましい。分散剤の含有量
は0.5〜2重量%(対雲母)であり、2重量%を超える
とポリエステルポリマーの酸価が高くなり、重縮合反応
中に熱分解が起こりやすくなる。逆に0.5重量%未満で
あると分散性の効果が極めて低減してしまう。
本発明におけるポリエステルは、テレフタル酸または
そのエステル形成性誘導体をジカルボン酸成分とし、エ
チレングリコール、1.4−ブタンジオールから選ばれた
少なくとも1種のグリコールまたはそのエステル形成性
誘導体をグリコール成分とするポリエステルが代表的な
ものであるが、ジカルボン酸成分の一部を他のジカルボ
ン酸成分で置き換えてもよく、またグリコール成分の一
部を他のグリコール成分で置き換えてもよい。
他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルスルホン酸カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
1.4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸類
またはそのエステル及びp−オキシ安息香酸、p−β−
オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸類または
そのエステル等があげられる。
また、他のグリコール成分としては、炭素数2〜10の
アルキレングリコール、1.4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、1.4−ビス(β−オキ
シエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールAのビスグリコ
ールエーテルポリアルキレングリコール等があげられ
る。
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲で、ト
リメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセ
リン等のポリオール、モノハイドリックポリアルキレン
オキサイド、フェニル酢酸等の重合停止剤を用いても差
支えない。
かかるポリエステルは公知の任意の方法で合成でき
る。例えばポリエチレンテレフタレートについて説明す
れ、テレフタル酸とエチレングリコールを直接エステル
化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタ
ル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを
エステル交換反応させるか、またはテレフタル酸にエチ
レンオキサイドを付加反応させるかしてテレフタル酸の
グリコールエステル及びまたはその低重合体を合成し、
次いで常法により重縮合させる方法が一般的である。
本発明においてはポリエステルの合成過程での絹雲
母、及び分散剤の添加は、ポリエステルのエステル化反
応またはエステル交換反応が終了する以前の段階で行う
必要がある。具体的な添加時期としては、ポリエステル
の原料仕込段階、エステル化またはエステル交換の反応
中、あるいは反応後期等をあげることができる。反応系
への絹雲母、及び分散剤の添加をエステル化反応または
エステル交換反応が終了する以後の段階で行うと得られ
たポリエステル中での絹雲母粒子の分散状態は不良とな
る。その結果、ポリエステルの溶融賦形時における安定
性が極めて低下してしまう。
本発明においては、絹雲母は粉体のままで添加しても
よく、またエチレングリコール等に分散させてスラリー
状で添加してもよい。
更に本発明を実施するにあたっては、公知の触媒、酸
化防止剤、着色防止剤、紫外線安定剤、エーテル結合副
生防止剤、易滑剤、離型剤、分離助剤、難燃剤等を適宜
使用することができる。
また本発明により得られる絹雲母含有ポリエステル組
成物は、このポリエステル組成物単独で溶融賦形に供し
てもよいし、また適宜他のポリマーをブレンドするかま
たは併用して溶融賦形しても差し支えない。
〔発明の効果〕
本発明により製造される絹雲母含有ポリエステル組成
物は、絹雲母が最大長さ10μm、厚さ0.05〜0.8μmの
良好な鱗片状粒子の分散状態でポリエステル中に含有さ
れ、このポリエステルを繊維、フイルム、樹脂成形品等
に溶融賦形する際の安定性に極めて優れており、その結
果遠赤外線放射効果やガスバリヤー性、力学特性の改良
効果等雲母が本来有している優れた効果をポリエステル
の物性を損うことなく発揮させることができる。
〔実施例〕 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例中の部及び%は各々重量部及び重量%
を意味する。
得られたポリエステルの溶融賦形安定性は、ポリエス
テルを常法によりチップ化、乾燥し、孔径0.3mmの円形
紡糸孔を24個有する紡糸口金を通して、285℃にて溶融
紡糸テストを行うことにより判定し、良好を○、やや良
好を△、不良を×で表示する。
実施例1〜5 テレフタル酸100部、エチレングリコール70部、斐川
マイカZ-20(斐川礦業製雲母)6.1部、第1表に示す分
散剤1部(対雲母)、水酸化ナトリウム0.012部をエス
テル化槽に仕込み4kg/cm2の加圧下、260℃にてエステル
化反応を行った。引き続き得られた反応生成物にトリメ
チルホスファイト及び三酸化アンチモンを生成ポリエス
テルに対して実質上0.01%及び0.04%となるよう各々エ
チレングリコール分散液として加え重合槽に移し、高真
空下285℃にて所定時間重合反応を行い、ポリエステル
ポリマーを得た。
得られたポリエステル中での雲母の分散粒子の大きさ
及びポリエステルの溶融賦形安定性を第1表に示した。
なお、比較例1〜4として分散剤を使用せず、雲母の
添加時期を変えた以外は実施例と同様に実施して得たポ
リエステルについても第1表に併記した。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−52346(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最大長さ10μm、厚さ0.05〜0.8μmの鱗
    片状粒子である絹雲母、及び分散剤が含有された絹雲母
    含有ポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】ポリエステルに対する絹雲母含有量が0.5
    〜25重量%である特許請求の範囲第1項記載の絹雲母含
    有ポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】絹雲母に対する分散剤の含有量が0.5〜2
    重量%である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の絹
    雲母含有ポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】分散剤が、非イオン界面活性剤、アニオン
    界面活性剤、リン酸系無機電解質、ポリエチレングリコ
    ールから選ばれる少なくとも1種である特許請求の範囲
    第1項〜第3項のいずれか1項に記載の絹雲母含有ポリ
    エステル組成物。
  5. 【請求項5】雲母含有ポリエステルを製造するに際し、
    エステル化反応またはエステル交換反応が終了する以前
    の段階で最大長さ10μm、厚さ0.05〜0.8μmの鱗片状
    粒子である絹雲母、及び分散剤を反応系に添加すること
    を特徴とする絹雲母含有ポリエステル組成物の製造法。
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