JPH0940850A - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物の製造方法

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JPH0940850A
JPH0940850A JP7190399A JP19039995A JPH0940850A JP H0940850 A JPH0940850 A JP H0940850A JP 7190399 A JP7190399 A JP 7190399A JP 19039995 A JP19039995 A JP 19039995A JP H0940850 A JPH0940850 A JP H0940850A
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JP
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aluminum oxide
oxide particles
polyester composition
polyester
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JP7190399A
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Inventor
Akio Odajima
昭夫 小田嶋
Gen Hayashi
玄 林
Hiromoto Okawa
博幹 大河
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二軸延伸フィルムや繊維に成型した場合、優
れた耐摩耗性を示し、特に磁気テープの支持体に用いた
場合、優れた耐摩耗性、耐久性を示すポリエステル組成
物を得る。 【解決手段】 結晶構造の異なる二種類以上の酸化アル
ミニウム粒子を併用し、リン化合物およびアンモニア又
は低級アミン化合物を添加して湿式分散処理してポリエ
ステル中に良好に分散し、耐摩耗性に優れたフィルムあ
るいは繊維およびその他の成形品を得るに適したポリエ
ステル組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル組成
物の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは酸化
アルミニウム粒子を特定の条件下でよく分散させ、ポリ
エステル中に良好に分散した状態で配合し、耐摩耗性に
優れたフィルムあるいは繊維を得るに適したポリエステ
ル組成物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエステル、例えばポリエチレ
ンテレフタレートは優れた力学特性を有しており、フィ
ルム、繊維などの成形品として広く用いられている。
【0003】通常、該ポリエステルは、成形品に易滑性
を付与する目的でポリエステル中に炭酸カルシウム、シ
リカ、アルミナなどの不活性粒子を含有せしめ、成形品
の表面に凹凸を付与する方法が行われている。このよう
な不活性粒子としては種々あるが、一般に不活性粒子は
グリコールやポリエステルとの親和性に欠け、スラリー
中やポリエステルの製造時に凝集してしまうという欠点
があることが知られている。ポリマ中に凝集粗大粒子が
存在すると紡糸時に糸切れの原因となったり、またガイ
ド、口金摩耗などの問題が生じ、フィルムにおいては、
粗大突起、フィッシュアイ等の欠点の原因となり、特に
磁気テープ用フィルムに適用する場合には、ドロップア
ウトやS/N比の低下を引き起こしたり、耐摩耗性に劣
るといった問題があった。
【0004】従来からこれらの問題を解決すべく、スラ
リー調整時の分散効率を上げ、スラリーの分散性を向上
する方法が提案されている(特開昭53−114894
号公報、特開昭53−124098号公報、特開昭53
−125495号公報など)。
【0005】しかしながら、これらの方法では、使用す
る分散媒と無機化合物粒子との親和性の問題からスラリ
ー中やポリマ中で再凝集し、粗大粒子の生成を抑制する
ことが十分ではなかった。
【0006】一方、表面処理剤を使用し、無機粒子のエ
チレングリコールスラリー中、ポリマ中での分散性向上
を図る方法が提案されている(特公昭45−32150
号公報、特公昭45−32151号公報、特開昭51−
68695号公報、特開昭54−131694号公報、
特開昭53−45396号公報、特開昭56−8842
6号公報、特開昭63−221158号公報、特開昭6
3−280763号公報)。
【0007】しかしながら、これらの方法では、重合反
応時、表面処理剤の劣化によるポリマ品質の低下、異物
の生成、ポリマ中での粒子の再凝集が生じ必ずしも十分
な効果は得られていない。さらに、重合反応時、表面処
理剤の劣化によるポリマ品質の低下、粒子の再凝集を防
止し、ポリマ中での分散性を図る方法が提案されている
(特開昭63−312345号公報、特開昭62−23
5353号公報、特公平6−72180号公報)。
【0008】しかしながら、このような公知の方法をも
ってしても磁気テープのように繰り返し摩擦使用される
ような場合には、粒子の分散性不良に起因して粒子の脱
落を生じる。一方、フィルムの地肌を補強し粒子の脱落
を防止するために特殊な粒子を使用することが提案され
ており、中でも酸化アルミニウム粒子が耐摩耗性に対す
る効果が大きいことが、特開平2−129230号公報
(デルタ型酸化アルミニウム粒子)、特開平2−384
44号公報(酸化アルミニウム粒子)などで提案されて
いる。しかしながら、上記したこれらの方法では酸化ア
ルミニウム粒子の分散性が不十分であり、その結果とし
てフィルム、繊維などの成形品の耐摩耗性としても、い
まだ十分なものが得られていなかった。また、特開平4
−88016号公報には二種類以上の酸化アルミニウム
粒子を湿式分散処理する方法が提案されているが、混合
条件によっては、粒子特性が異なることもあり凝集が起
こりやすく該酸化アルミニウム粒子の分散性は不十分と
なり、その結果としてフィルム、繊維などの成形品の耐
摩耗性も十分でなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来技術の欠点を解消することにあり、特に二種以
上の酸化アルミニウム粒子を用いた際に生じていた特有
の再凝集の問題点を特定の分散条件を適用することによ
って解消し、ポリエステル中に良好に分散した状態で配
合し、耐摩耗性に優れたフィルムあるいは繊維を得るに
適したポリエステル組成物を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グ
リコールを主たるグリコール成分とするポリエステルを
製造するに際し、重合反応の完結するまでの任意の時点
で結晶構造の異なる少なくとも二種類以上の酸化アルミ
ニウム粒子を溶媒の存在下、リン化合物およびアンモニ
ア又は低級アミン化合物を添加して湿式分散処理したス
ラリーを添加することを特徴とする熱可塑性ポリエステ
ル組成物の製造方法によって達成できる。
【0011】
【発明実施の形態】本発明における二種以上の酸化アル
ミニウム粒子とは、従来よりよく知られているα型酸化
アルミニウム粒子、γ型、δ型、η型、θ型、κ型、χ
型などの活性酸化アルミニウム粒子、および非晶質の酸
化アルミニウム粒子から選ばれるものである。合成法に
関しては種々の方法が公知であり、例えば、塩化アルミ
ニウムに水素、酸素を吹き込んで気相中で加水分解する
とδ型酸化アルミニウムが、同じく塩化アルミニウムに
水蒸気を吹き込んで気相中で加水分解すると非晶質酸化
アルミニウムが、みょうばんの熱分解では、γ型酸化ア
ルミニウムが、みょうばんを炭酸塩中和後熱分解すると
θ型酸化アルミニウムができる。また、通常のバイヤー
法と呼ばれる方法では、α型酸化アルミニウムが生成
し、主としてこのような結晶構造の決定には、これらの
合成方法の選択と焼成温度、時間で左右される。
【0012】なお、このような各種の酸化アルミニウム
粒子の結晶構造は、通常のX線回折分析によって同定す
ることが可能である。
【0013】このような酸化アルミニウム粒子群の中で
もα型、γ型、δ型、θ型、などの活性酸化アルミニウ
ム粒子から結晶構造の異なる二種類以上の酸化アルミニ
ウム粒子を選択した場合、特に粒子の再凝集が生じ易い
ため本発明の分散方法による効果が大である。その組み
合わせは、任意であるが、例えば、δ型とγ型、δ型と
θ型、γ型とθ型、α型とδ型とθ型等である。
【0014】酸化アルミニウムの二次粒子を構成する一
次粒子は、BET法による比表面積が10m2 /g以上
のものがフィルムまたは繊維の耐摩耗性の点で好まし
く、更には、50m2 /g以上、300m2 /g以下が
好ましい。このような微細な粒子は非常に凝集しやす
く、一般にはスラリーおよびポリマ中で凝集した二次粒
子を形成している。このような凝集が進むと、程度によ
っては粗大な粒子となり、フィルムあるいは繊維に用い
る際には接触走行時にその部分が削られて脱落するとい
う欠点となり易い傾向にあるが、本発明により凝集が防
止できる。
【0015】更に、酸化アルミニウム粒子はBET法に
よる全細孔容積が0.2〜1.5ml/gのものがフィ
ルムまたは繊維の耐摩耗性の点で好ましく、更には、水
銀およびヘリウム置換法による空隙率が60%以上であ
ることが好ましい。この理由は、酸化アルミニウムに細
孔が存在したり、空隙が存在するとポリエステルとの親
和性が良くなるために、粒子間の凝集が起こりにくくな
るためと思われる。
【0016】本発明では、結晶構造の異なる少なくとも
二種類以上の酸化アルミニウム粒子を、溶媒の存在下、
リン化合物およびアンモニア又は低級アミン化合物を添
加して湿式分散処理される。これによって、粒子の均一
分散が可能であり凝集して二次粒子を形成したとしても
その二次粒子径は非常に微細であり、粗大凝集塊もな
く、よく分散された状態となる。なお、ここでいう二次
粒子径とは透過型電子顕微鏡で粒子を1000個観察し
た際の円相当平均径である。
【0017】この際の酸化アルミニウム粒子の混合比と
しては、全酸化アルミニウム粒子100重量部の中でそ
れぞれの酸化アルミニウム粒子が10重量部以上、更に
は20重量部以上であることが好ましい。各酸化アルミ
ニウム粒子の混合比が上記に満たない場合は、酸化アル
ミニウム粒子の分散が不十分となったり、スラリーおよ
びポリマ中で凝集し、工程通過性の低下や粗大粒子生成
の原因となり好ましくない。
【0018】リン化合物およびアンモニア又は低級アミ
ン化合物の酸化アルミニウム粒子に対する添加量は、そ
れぞれ0.5〜10wt%が好ましく、更には、1〜5
wt%が好ましい。また、溶媒の存在下湿式分散処理す
る際には、スラリーの粘度が高くなりすぎないよう適度
な粘度とするため、酸化アルミニウム粒子の全濃度とし
ては1〜50wt%が好ましく、更には、3〜30wt
%が好ましい。この際の溶媒としては、特に限定はない
が、その後ポリエステルに添加することを考えると該ポ
リエステルの主原料および共重合成分などのグリコール
成分が好ましい。具体的には、エチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシアルキ
レングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、5−ナトリウムスルホレ
ゾルシン等が挙げられる。この際の分散処理としては、
通常の撹拌処理、超音波処理や媒体型の分散処理などが
挙げられ、中でも、サンドグラインダーなどに代表され
る媒体型の分散処理が分散効率もよく好ましい。
【0019】このように結晶構造の異なる二種類以上の
酸化アルミニウム粒子を併用する場合、溶媒の存在下、
リン化合物およびアンモニア又は低級アミン化合物を用
いて湿式分散処理すると非常に分散性が良くなるため、
その二次粒子径を、ポリエステル組成物からの成形品の
目的に応じて任意に設定し制御することができる。ポリ
エステル組成物をフィルムあるいは繊維に用いる際に
は、あまり大きすぎると粗大な突起が成形品に発生する
ために、二次粒子径は5.0μm以下が好ましく、3.
0μm以下がより好ましい。また、0.01μm以上で
あることが製品の走行性向上の面で好ましい。同様の理
由で添加量も決定される。すなわち、ポリエステル組成
物をフィルムあるいは繊維に用いる際には、あまり添加
量が多すぎると粗大な突起が成形品に発生したり作業性
が低下するために、また添加量が少なすぎると十分な耐
摩耗性が得られないために、酸化アルミニウム粒子の総
添加量としては、ポリエステル100重量部に対して
0.01〜30重量部が好ましく、さらには0.05〜
20重量部が好ましい。
【0020】本発明では、分散剤としてリン化合物およ
びアンモニア又は低級アミン化合物が用いられる。リン
化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸および
これらの部分エステル化合物が好ましく、具体的には、
リン酸、亜リン酸、リン酸モノエチルエステル、リン酸
メチルエチルエステル、メチルホスホン酸、フェニルホ
スホン酸等を挙げることができる。なかでもリン酸、亜
リン酸、酸性リン酸エステルが取り扱いが容易である点
で好ましい。もちろんこれらのリン化合物の2種以上を
併用してもかまわない。アンモニア又は、低級アミン化
合物としては、一般式R1 2 3 N又はR1 2 3
4 NX(式中R1 〜R4 は、水素基又はC5以下の低
級アルキル基、Xは水酸基、ハロゲン等の対イオンを示
す)で示される1〜4級アミン化合物が使用され、具体
的には、アンモニア、メチルエチルアミン、トリエチル
アミン、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、
ジメチルプロピルアミン等を挙げることができる。特に
好ましいアミン化合物としては、第3級アミン、第4級
アンモニウム化合物であり、具体的にはトリエチルアミ
ン、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドであ
る。アルキル基の炭素数が6以上であると重合時ポリマ
の着色等の問題が生じ好ましくない。リン化合物とアン
モニアまたは低級アミン化合物の添加は、スラリー調整
時に別々に又は同時に添加してもかまわないし、前もっ
て適当な溶媒中で混合し、あるいは予めリン化合物と第
4級アンモニウム化合物を反応させてテトラエチルアン
モニウムリン酸塩として添加する方法も好適である。好
ましいリン化合物/アンモニアまたはアミン化合物のモ
ル比は5/1〜1/5であり、より好ましくは2/1〜
1/4、最も好ましくは1/1〜1/3である。モル比
を上記範囲とすると分散効果が十分得られ、ポリマ中で
の再凝集防止の効果が高い。また、反応化合物を添加す
る場合の添加量は、0.5〜5wt%とすると同様に分
散効果が十分得られ、ポリマ中での再凝集防止の効果が
高い。
【0021】該スラリーをポリエステルの重合反応系に
添加する際の添加時期としてはポリエステルの重合反応
の完結するまでの間の任意の時期であるが、エステル交
換反応前から重縮合反応の減圧開始前までの間が粒子分
散性の点で好ましい。
【0022】本発明における芳香族ジカルボン酸成分と
しては、具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸等およびこれらのエステル形成性誘導体が
挙げられる。一方、本発明における脂肪族グリコール成
分としては、具体的にはエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシアルキレン
グリコール等およびこれらのエステル形成性誘導体が挙
げられる。これらの芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコ
ールからなるポリエステルとは、具体的にはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。な
お、該ポリエステルはホモポリエステルであっても少量
であれば共重合成分を含んだコポリエステルであっても
よく、この際の共重合成分の例としては、アジピン酸、
セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−
2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸等のジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等の多価カルボン酸成分、およびテトラメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ポリオキシアルキレングリコール、p−キシリレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
5−ナトリウムスルホレゾルシン等のジオール成分が挙
げられる。
【0023】このようなポリエステルの重合度としては
o−クロルフェノールに溶解させて測定した極限粘度と
して[η]が0.30以上が好ましい。またポリエステ
ル中のカルボキシル末端基としては20eq/t〜10
0eq/tが好ましい。なお必要に応じて抗酸化剤など
を添加しても構わない。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明に用いた各特性の測定方法は次のとお
りである。
【0025】(1)酸化アルミニウム粒子の比表面積の
評価 通常のB.E.T.法に従って測定(m2 /g)した。
【0026】(2)酸化アルミニウム粒子の二次粒子径
の評価 酸化アルミニウム粒子をポリエステル中に配合せしめ、
0.2μm厚みの超薄切片にカッティング後、透過型電
子顕微鏡で観察し、凝集状態の二次粒子1000個の面
積平均径(μm)で評価した。
【0027】(3)酸化アルミニウム粒子の全細孔容積
の評価 通常のB.E.T.法に従って測定(ml/g)した。
【0028】(4)酸化アルミニウム粒子の空隙率の評
価 通常の水銀およびヘルウム置換法に従って測定(%)し
た。
【0029】(5)耐摩耗性の評価 得られたポリエステル組成物を実施例に示す方法で二軸
延伸フィルムとし細幅にスリットしたテープ状ロールを
ステンレス鋼SUS−304製ガイドロールに200g
/1/ 2inch一定張力(200g/1/ 2inc
h)で高速(250m/min)、長さ200mこすり
つけ、ガイドロール表面に発生する白粉量によって、次
のようにランク付けし、2級までを合格とした。
【0030】1級……………白粉の発生まったくなし 2級……………白粉の発生少しあり 3級……………白粉の発生かやや多い 4級……………白粉の発生かなり多い
【0031】(4)表面凹凸の評価 得られたポリエステル組成物を公知の方法で二軸延伸フ
ィルムとし、JISB0601に準じサーフコム表面粗
さ計を用い、針径2μm、荷重70mg、測定基準長
0.25mm、カットオフ0.08mmの条件下で中心
線平均粗さ(Ra)を測定した。
【0032】実施例1 B.E.T.比表面積100m2 /gのδ型酸化アルミ
ニウム粒子4重量部、B.E.T.比表面積85m2
gのθ型酸化アルミニウム粒子6重量部、エチレングリ
コール90重量部、全酸化アルミニウム粒子に対してテ
トラエチルアンモニウムリン酸塩5Wt%を添加し、混
合してサンドグラインダーを用いて分散処理し、δ型酸
化アルミニウム粒子/θ型酸化アルミニウム粒子/エチ
レングリコールスラリー(A)100重量部を得た。
【0033】他方、ジメチルテレフタレート100重量
部、エチレングリコール64重量部に触媒として酢酸マ
ンガン0.04重量部を加えてエステル交換反応を行っ
た後、反応生成物に先に調製したスラリー(A)5重量
部と触媒の酸化アンチモン0.03重量部および耐熱安
定剤としてトリメチルホスフェート0.03重量部を加
え、重縮合反応を行い、極限粘度0.617のポリエチ
レンテレフタレート組成物を得た。透過型電子顕微鏡に
よる酸化アルミニウム粒子の二次粒子径は、0.14μ
mであった。
【0034】このポリエチレンテレフタレート組成物を
290℃で溶融押し出しし、その後90℃で縦横それぞ
れ3倍延伸し、さらにその後220℃で15秒熱処理
し、厚さ15μmのポリエチレンテレフタレート二軸延
伸フィルムを得た。
【0035】このフィルムを評価したところRa=0.
011μm、耐摩耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常
に優れたフィルムであった。
【0036】実施例2〜5 ポリエチレンテレフタレート組成物中の酸化アルミニウ
ム粒子の種類、比表面積、二次粒子径、添加量および混
合比を変更し、実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得た。これらのフィルムの評価結果を
表1に示したが、耐摩耗性に非常に優れたフィルムであ
った。
【0037】実施例6 B.E.T.比表面積98m2 /gのδ型酸化アルミニ
ウム粒子5重量部、B.E.T.比表面積120m2
gのγ型酸化アルミニウム粒子3重量部、B.E.T.
比表面積85m2 /gのθ型酸化アルミニウム粒子2重
量部を混合する以外は実施例1と同様の方法で分散処理
し、δ型酸化アルミニウム粒子/γ型酸化アルミニウム
粒子/θ型酸化アルミニウム粒子/エチレングリコール
スラリー(B)100重量部を得た。
【0038】該エチレングリコールスラリー(B)を実
施例1と同様の方法でポリエステル重縮合反応系に添加
し、重縮合反応を行い、固有粘度0.618のポリエチ
レンテレフタレート組成物を得た。透過型電子顕微鏡に
よる二次粒子径は、0.14μmであった。該ポリエチ
レンテレフタレート組成物を用いて実施例1と同様の方
法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0039】このフィルムを評価したところRa=0.
010μm、耐摩耗性評価1級であり、耐摩耗性に非常
に優れたフィルムであった。
【0040】比較実施例1 B.E.T.比表面積100m2 /gのδ型酸化アルミ
ニウム粒子10重量部、エチレングリコール90重量部
を混合してサンドグラインダーを用いて分散処理し、δ
型酸化アルミニウム粒子/エチレングリコールスラリー
(C)100重量部を得た。
【0041】他方、ジメチルテレフタレート100重量
部、エチレングリコール64重量部に触媒として酢酸マ
ンガン0.04重量部を加えてエステル交換反応を行っ
た後、反応生成物に先に調製したスラリー(C)5重量
部と触媒の酸化アンチモン0.03重量部および耐熱安
定剤としてトリメチルホスフェート0.03重量部を加
え、重縮合反応を行い、固有粘度0.619のポリエチ
レンテレフタレート組成物を得た。透過型電子顕微鏡に
よる二次粒子径は、0.18μmであった。
【0042】このポリエチレンテレフタレート組成物を
290℃で溶融押し出し、その後90℃で縦横それぞれ
3倍延伸し、さらにその後220℃で15秒熱処理し、
厚さ15μmのポリエチレンテレフタレート二軸延伸フ
ィルムを得た。
【0043】このフィルムを評価したところRa=0.
011μm、耐摩耗性評価3級であり、必ずしも耐摩耗
性が満足できるフィルムではなかった。
【0044】比較実施例2〜5 ポリエチレンテレフタレート中の酸化アルミニウム粒子
の種類、比表面積、二次粒子径および添加量を変更し、
比較実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得た。これらのフィルムの評価結果を表2に示し
たが、耐摩耗性が満足できるフィルムではなかった。
【0045】比較実施例6 比較実施例1において、分散剤として水酸化テトラエチ
ルアンモニウムを用いる以外は同様にして、極限粘度
0.616のポリエチレンテレフタレート組成物を得
た。透過型電子顕微鏡による二次粒径は0.22μmで
あった。該ポリエチレンテレフタレート組成物を用いて
比較実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得た。このフィルムを評価したところRa=0.
013μm、耐摩耗性評価3級であり、耐摩耗性におい
て満足できるフィルムではなかった。
【0046】比較実施例7 比較実施例2において、分散剤としてヘキサメタリン酸
ソーダを用いる以外は同様にして、表3に記載の様に固
有粘度0.616のポリエチレンテレフタレート組成物
を得た。透過型電子顕微鏡による二次粒子径は、0.2
2μmであった。該ポリエチレンテレフタレート組成物
を用いて比較実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエス
テルフィルムを得た。このフィルムを評価したところR
a=0.013μm、耐摩耗性評価3級であり、耐摩耗
性において満足できるフィルムではなかった。
【0047】実施例7〜10 ポリエチレンテレフタレート中の酸化アルミニウム粒子
の種類、比表面積、二次粒子径および添加量を変更し、
実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィルム
を得た。これらのフィルムの評価結果を表1に示した。
耐摩耗性に優れ、合格範囲のフィルムであった。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物の製造方法
は、結晶構造の異なる特に極微細な二種類以上の酸化ア
ルミニウム粒子を併用し、リン化合物およびアンモニア
又は低級アミン化合物を添加して湿式分散処理して分散
させ、スラリー中に良好に分散した状態でポリエステル
重合反応系に添加されるため、これによって得られたポ
リエステル組成物は、耐摩耗性に優れたフィルムあるい
は繊維およびその他の成形品を得るに適しており、特に
繰り返し摩擦使用される磁気テープに好ましく用いるこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分と
    し、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポ
    リエステルを製造するに際し、重合反応の完結するまで
    の任意の時点で結晶構造の異なる少なくとも二種類以上
    の酸化アルミニウム粒子を溶媒の存在下、リン化合物お
    よびアンモニア又は低級アミン化合物を添加して湿式分
    散処理したスラリーを添加することを特徴とするポリエ
    ステル組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化アルミニウム粒子がα型、γ型、δ
    型、およびθ型よりなる群から選ばれた二種以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のポリエステル組成物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化アルミニウム粒子がδ型およびθ型
    から選ばれた二種以上であることを特徴とする請求項2
    記載のポリエステル組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化アルミニウム粒子のB.E.T.法
    による比表面積が50〜300m2 /gであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル
    組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化アルミニウム粒子のB.E.T.法
    による全細孔容積が0.2〜1.5ml/gであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエス
    テル組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化アルミニウム粒子の水銀およびヘリ
    ウム置換法による空隙率が60%以上であることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル組
    成物の製造方法。
  7. 【請求項7】リン化合物およびアンモニア又は低級アミ
    ン化合物がスラリー中で第4級アンモニウムーリン酸塩
    または、第3級アミンーリン酸塩を形成していることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステ
    ル組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9267007B2 (en) 2005-09-16 2016-02-23 Grupo Petrotemex, S.A. De C.V. Method for addition of additives into a polymer melt

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