JP3521087B2 - 熱可塑性ポリエステルフィルム - Google Patents

熱可塑性ポリエステルフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリエステル
ィルムに関するものであり、さらに詳しくは、特定の結
晶構造を有する酸化ジルコニウム粒子を熱可塑性ポリエ
ステルに配合した耐摩耗性および熱安定性に優れた熱
塑性ポリエステルフィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に熱可塑性ポリエステル、例えばポ
リエチレンテレフタレートは優れた力学特性を有してお
り、フィルム、繊維などの成形品として広く用いられて
いる。通常、該ポリエステルは、成形品に易滑性を付与
する目的でポリエステル中に不活性粒子を含有せしめ、
成形品の表面に凹凸を付与する方法が行なわれている。
このような不活性粒子としては種々あるが、一般に不活
性粒子は該ポリエステルとの親和性に欠け、耐摩耗性に
劣るといった問題があった。 【0003】従来からの問題を解決すべく、不活性粒子
の表面処理や特殊な粒子の使用の検討がなされており、
例えば、特開昭63−221158号公報や特開昭63
−280763号公報(コロイダルシリカ粒子表面をグ
リコール基で改質する)、特開昭63−312345号
公報(コロイダルシリカ粒子表面をカップリング剤で改
質する)、特開昭62−235353号公報(炭酸カル
シウム粒子をリン化合物で表面処理する)、特開昭62
−172031号公報(シリコン粒子)、特開平2−1
29230号公報(デルタ型酸化アルミニウム粒子)な
どが提案されているが、いまだ不十分である。しかも、
粒子の種類によっては、そこに含まれる不純物や同伴す
る表面処理剤あるいは表面の吸着水などのために、得ら
れたポリエステルの熱安定性が著しく損なわれる場合が
ある。 【0004】ポリマの熱安定性が低下すると、ポリマ中
にゲル状異物や金属化合物に由来する粗大な粒子が生成
し、フィルムや繊維としたときに、その品質に悪影響を
及ぼす。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した従来
技術の問題点を解決し、耐摩耗性および熱安定性に優れ
た熱可塑性ポリエステルフィルムを提供することにあ
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、熱可塑性ポリエステルと立方晶が50wt%以上で
ある酸化ジルコニウム粒子とからなる熱可塑性ポリエス
テルフィルムによって達成できる。 【0007】本発明における熱可塑性ポリエステルとし
ては、フィルムあるいは繊維を成形しうるものならどの
様なものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘ
キシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン
−1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボキシレートなどが好ましく挙げられる
が、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが特に好まし
い。 【0008】これらのポリエステルには、共重合成分と
して、アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル
酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸などのジカルボ
ン酸およびそのエステル形成性誘導体、ポリエチレング
リコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリ
コールなどのジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキ
シ)安息香酸などのオキシカルボン酸およびそのエステ
ル形成性誘導体などを共重合してもかまわない。 【0009】本発明における酸化ジルコニウム粒子は、
通常、自然界に多く存在するジルコニウム鉱石、すなわ
ちジルコンやバデライトなどから得ることができる。そ
の製法は、例えば上述のジルコンあるいはバデライト鉱
石を溶融し、不純物を飛散除去させる乾式法や、鉱石を
アルカリに溶解し、不純物を除去後、焼成する湿式法な
どにより得られる。 【0010】このようにして得られる酸化ジルコニウム
粒子は、製造条件により種々の形態をとり、単斜晶、正
方晶、立方晶、菱面体結晶、斜方晶およびこれらの結晶
相が混在するものなどが知られている。また一般には、
安定化剤として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
酸化イットリウムなどを含む酸化ジルコニウム粒子も使
用されている。 【0011】本発明における酸化ジルコニウム粒子は、
その結晶構造が立方晶のものである。 【0012】このような酸化ジルコニウム粒子の結晶構
造は、X線回折法において、回折X線の現われる回折角
2θの値から同定できる。一つの結晶構造に対して、標
準となる2θ値の組は複数知られているが、立方晶の場
合の主な2θ値は、30.5、35.2、50.7、6
0.3、63.2、74.7、82.7、85.6
(度)などである。 【0013】このような酸化ジルコニウム粒子は、例え
ば上述の製造方法のうちの湿式法において、焼成温度
約2300℃から2700℃とすることにより得られ
る。 【0014】ポリエステルとして耐熱性が良好であるた
めには、立方晶以外の結晶構造の混在量が50wt%未
満が好ましく、特に好ましくは30wt%未満である。 【0015】本発明で使用する酸化ジルコニウム粒子の
添加量としては、熱可塑性ポリエステル100重量部に
対して、0.01〜30重量部が好ましく、0.05〜
10重量部が特に好ましい。 【0016】本発明で使用する酸化ジルコニウム粒子の
平均径は、成形時、例えばフィルム製造時にフィルム破
れが少なく、またフィルム表面粗さが小さく、電気特性
が良好な0.005〜3μm、特に0.005〜0.3
μmが好ましい。 【0017】本発明の熱可塑性ポリエステルフィルム
は、例えば酸化ジルコニウム粒子を目的とするポリエス
テルの出発原料であるグリコール溶媒で混合撹拌して分
散スラリーとし、熱可塑性ポリエステルの反応系に添加
した熱可塑性ポリエステル組成物を成形する製造方法な
どで得ることができる。なお、この際の処理方法が撹拌
によらずとも、例えば超音波などによっても構わなく、
またサンドグラインダなどの媒体型ミルを用いても構わ
ない。 【0018】ポリエステルへの配合にあたっては、上記
した重合反応系に直接添加する方法以外にも、例えば酸
化ジルコニウム粒子を溶融状態のポリエステルへ練り込
む方法などでも可能である。前者の重合反応系に添加す
る際の添加時期は任意であるが、エステル交換反応前か
ら重縮合反応の減圧開始前までの間が好ましい。後者の
練り込みの場合は、粒子を乾燥してポリエステルに練り
込む方法でも、スラリ状態で減圧しながら直接練り込む
方法でも構わない。 【0019】 【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の物性は次の様にして測定し
た。 【0020】(1) 酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径 酸化ジルコニウム粒子をポリエステルに配合せしめ、
0.2μm厚みの超薄切片にカッティング後、透過型電
子顕微鏡で観察し、粒子1000個の面積平均径(μ
m)で評価した。 【0021】(2) 酸化ジルコニウム粒子の結晶構造 X線回折測定(広角X線回折法)により分析した。X線
発生装置は理学電機社製RU−200Bを使用し、X線
源はCuKα線とした。ゴニオメーターは理学電機社製
2155D型、計数記録装置は理学電機社製RAD−B
型を使用した。得られた回折パターンを、JCPDS標
準データを基準として解析し、結晶構造を決定した。 【0022】(3) ポリマーの固有粘度 O−クロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。 【0023】(4) ポリマーの熱安定性 ポリエステルを300℃、N2 ガス雰囲気下で溶融、保
持し、溶解開始後8分および68分時点の固有粘度を測
定し、その差をΔIVで示した。ΔIVが小さいほど熱
安定性が優れている。ΔIVが0.100未満を合格と
した。 【0024】(5) 耐摩耗性 得られたポリエステル組成物を実施例に示す方法で二軸
延伸フィルムとし、細幅にスリットしたテープ状ロール
を、ステンレス鋼SUS−304製ガイドロールに一定
張力で高速、長時間こすりつけ、ガイドロール表面に発
生する白粉量によって次のようにランク付けし、2級以
上を合格とした。 1級………白粉発生まったくなし 2級………白粉発生がわずかに見られる 3級………白粉発生が見られる 4級………白粉発生がかなり多い 【0025】(6) 表面凹凸 得られたポリエステル組成物を通常の方法で二軸延伸フ
ィルムとし、JISB−0601に準じ、サーフコム表
面粗さ計を用い、針径2μm、荷重70mg、測定基準
長0.25mm、カットオフ0.08mmの条件下で中
心線平均粗さ(Ra)を測定した。 【0026】実施例1 結晶構造が立方晶である酸化ジルコニウム粒子を10重
量部、エチレングリコール90重量部を混合して、常温
下1時間ディゾルバーで撹拌処理し、酸化ジルコニウム
/エチレングルコールスラリー(A)を得た。 【0027】他方、ジメチルテレフタレート100重量
部、エチレングリコール64重量部に触媒として酢酸マ
グネシウム0.06重量部を加えてエステル交換反応を
行なった後、反応生成物に先に調製したスラリー(A)
2重量部と触媒の酸化アンチモン0.03重量部、およ
び耐熱安定剤としてトリメチルホスフェート0.03重
量部を加え、重縮合反応を行ない、固有粘度0.620
のポリエチレンテレフタレート組成物を得た。このポエ
チレンテレフタレートの耐熱性を調べたところ、ΔIV
=0.085と良好な耐熱性を示した。また透過電子顕
微鏡による平均粒子径は0.20μmであった。 【0028】このポリエテレンテレフタレート組成物を
290℃で溶融押し出しし、その後90℃で縦横それぞ
れ3倍延伸し、さらにその後220℃で15秒熱処理
し、厚さ15μmのポリエチレンテレフタレート二軸延
伸フィルムを得た。このフィルムを評価したところ、R
a=0.012μm、耐摩耗性評価1級であり、耐摩耗
性に非常に優れたフィルムであった。 【0029】図1に、実施例1で使用した酸化ジルコニ
ウム粒子のX線回折パターンを示した。 【0030】実施例2〜4 結晶構造が立方晶が50重量%以上である酸化ジルコニ
ウム粒子を用い、粒子径、添加量を変える以外は、実施
例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートを重合
し、さらにその二軸延伸フィルムを得た。 【0031】表1、2に、添加粒子の粒子径、添加量、
固有粘度、ポリマの耐熱性、フィルムの表面粗さ、耐摩
耗性評価結果を示した。得られたポリマおよびフィルム
は良好な耐熱性および耐摩耗性を有していることがわか
る。 【0032】比較例1〜 結晶構造が立方晶が50重量%未満の酸化ジルコニウム
または酸化ジルコニウム粒子以外の粒子を用いる以外
は、実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート
を重合し、ポリマの耐熱性、さらにフィルムの表面粗
さ、耐摩耗性を調べた。結果を表3、4に示した。この
表からわかるように耐熱性および耐摩耗性を同時に満足
するものは得られなかった。 【0033】 【表1】【表2】【表3】【表4】【0034】 【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリエステルフィルム
は、耐熱性に優れ、さらに、耐摩耗性に有効に効果を発
揮するが、特に繰り返し摩擦使用される磁気テープに好
適である。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例1で使用した酸化ジルコニウム粒子のX
線回折パターンを示す。 【図2】比較例4で使用した酸化ジルコニウム粒子のX
線回折パターンを示す。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 熱可塑性ポリエステルと立方晶が50w
    t%以上である酸化ジルコニウム粒子とからなる熱可塑
    性ポリエステルフィルム
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