JP3239467B2 - ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents

ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリエステル
組成物およびそれからなるフィルムに関する。さらに詳
しくは、耐摩耗性および耐スクラッチ性(傷が付きにく
い性質のことをいう)に優れたフィルムを得るのに適し
た熱可塑性ポリエステル組成物およびそれからなるフィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に熱可塑性ポリエステル、例えばポ
リエチレンテレフタレートは優れた力学特性、化学特性
を有しており、フィルム、繊維などの成形品として広く
用いられている。しかしながら、ポリエステルは成形品
に加工する際に、滑り性不足のため生産性が低下すると
いう問題があった。このような問題を改善する方法とし
て、従来よりポリエステル中に不活性粒子を分散せし
め、成形品の表面に凹凸を付与する方法が行われてい
る。例えば、特開昭52−86471号公報では比表面
積の規定された無機粒子、特開昭59−171623号
公報では0.1〜1μmの球形のコロイダルシリカを用
いる方法が提案されている。これらの方法は滑り性の問
題解決には有効であるが、成形品とした場合には耐摩耗
性、耐スクラッチ性を満足すべきレベルとすることがで
きない。
【0003】成形品、例えば磁気テープ用フィルムの耐
摩耗性が低い場合、磁気テープの製造工程中にフィルム
の摩耗粉が発生しやすくなり、磁性層を塗布する工程で
塗布抜けが生じ、その結果、磁気記録の抜け(ドロップ
・アウト)などを引き起こす。また、磁気テープを使用
する際は多くの場合、記録、再生機器などと接触しなが
ら走行させるため、接触時に生じる摩耗粉が磁性体上に
付着し、記録、再生時に磁気記録の抜け(ドロップ・ア
ウト)を生じる。そして成形品、例えば磁気テープ用フ
ィルムの耐スクラッチ性が低い場合、磁気テープの製造
工程中で異物が発生し、容易にフィルム表面上に傷を作
り、その結果、磁気記録の抜け(ドロップ・アウト)な
どを引き起こしたり、磁気テープ高速走行時にフィルム
表面に容易に傷を作る。すなわち、磁気テープ用フィル
ムは、磁気テープ製造工程中においてもまた磁気テープ
として使用する場合においても、滑り性とともに耐摩耗
性、耐スクラッチ性を有することが必要である。
【0004】従来からこれらの問題を解決すべく、特殊
な粒子を使用する方法や不活性粒子の表面処理の検討が
なされており、例えば、前者では特開昭62−1720
31号公報(シリコン粒子)、特開平2−129230
号公報(デルタ型酸化アルミニウム粒子)など、また後
者については特開昭63−221158号公報や特開昭
63−280763号公報(コロイダルシリカ粒子表面
をグリコール基で改質する)、特開昭63−31234
5号公報(コロイダルシリカ粒子表面をカップリング剤
で改質する)、特開昭62−235353号公報(炭酸
カルシウム粒子をリン化合物で表面処理する)などが提
案されているが、未だ耐摩耗性、耐スクラッチ性の改良
効果は不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記し
た従来技術の欠点を解消することにあり、特定の化合物
により表面処理した不活性粒子をポリエステルに配合せ
しめてフィルムを形成した場合、滑り性、耐摩耗性およ
び耐スクラッチ性に優れているフィルムを得ることがで
きる組成物、およびそれからなるフィルムを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、下記の化学式で示されるスルホン酸またはスルホン
酸金属塩基を有する化合物で表面処理された、平均粒子
径が0.005〜2.0μmの不活性粒子を0.01〜
10重量%含有することを特徴とするポリエステル組成
物およびそれからなるフィルムによって達成できる。
【化2】 (式中、Mは水素または一価の金属原子、Rは有機基、
Xは水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基
からなる群から選ばれる官能基、mは1または2、nは
自然数を示す。)
【0007】本発明における熱可塑性ポリエステルは、
フィルムを成形しうるものならどのようなものでもよ
く、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメ
チレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレート、ポリエチレン−1,2−ビス(2
−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシ
レートなどが好ましく挙げられるが、ポリエチレンテレ
フタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートが特に好ましい。
【0008】これらのポリエステルには、共重合成分と
してアジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル
酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸などのジカルボ
ン酸およびそのエステル形成性誘導体、ポリエチレング
リコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリ
コールなどのジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキ
シ)安息香酸などのオキシカルボン酸およびそのエステ
ル形成性誘導体などを共重合してもよい。
【0009】本発明における不活性粒子の種類は特に限
定されない。すなわち、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化
ジルコニウム、酸化アルミニウム、カオリナイト、タル
ク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、
硫化亜鉛などの無機粒子や、ジビニルベンゼン重合体、
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの有機高分子
粒子を挙げることができる。
【0010】これらの粒子の中でも、空隙率が50%以
上であると本発明の表面処理の効果が良く発現するため
好ましい。特に好ましくは70%以上である。このよう
な粒子としては、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウ
ム、酸化ケイ素、酸化チタンなどが挙げられる。このよ
うな粒子としては、例えば酸化ジルコニウム、酸化アル
ミニウム、酸化ケイ素、酸化チタンなどが挙げられる。
なかでも酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムが特に好
ましい。
【0011】酸化ジルコニウムは、例えばオキシ塩化ジ
ルコニウムから水酸化ジルコニウムを経て焼成して得る
方法や塩化ジルコニウムを気相火炎加水分解して得る方
法があり、また焼成温度などの条件により、非晶質のも
のから単斜晶、正方晶、立方晶あるいはそれらの混合し
たものなど種々の結晶系のものが得られる。特に水酸化
ジルコニウムを焼成して得られる単斜晶が50重量%以
上含まれる酸化ジルコニウムが好ましい。
【0012】また、酸化アルミニウムは、例えば塩化ア
ルミニウムに水素、酸素を吹き込んで気相中で加水分解
するとδ型酸化アルミニウムが、同じく塩化アルミニウ
ムに水蒸気を吹き込んで気相中で加水分解すると非晶質
酸化アルミニウムが、みょうばんの熱分解では、γ型酸
化アルミニウムが、みょうばんを炭酸塩中和後熱分解す
るとθ型やγ型、δ型酸化アルミニウムができ、アルミ
ニウムアルコキシドを加水分解して得られたベーマイト
を焼成するとθ型やγ型酸化アルミニウムができ、ま
た、アルミニウム金属ペレットを水中で火花放電させる
ことで得られたギブサイトを焼成することにより、η型
やθ型、γ型酸化アルミニウムを合成することが可能で
ある。
【0013】また、このようにして合成した活性アルミ
ナを1300℃以上の高温で焼成するといずれもα型酸
化アルミニウムを得ることができる。なお、α型酸化ア
ルミニウムはこのような方法のみならず、通常のバイヤ
ー法と呼ばれる方法によっても合成することができる。
【0014】主としてこのような結晶構造の決定は、こ
れらの合成方法の選択と焼成温度、時間などに左右され
る。特にアルミニウムアルコキシドを加水分解して得ら
れたベーマイトを焼成して合成した活性アルミナもしく
はさらに高温で焼成したα型酸化アルミニウムの中から
選ばれた一種または二種以上の結晶構造を持つ酸化アル
ミニウム粒子が好ましい。
【0015】本発明における不活性粒子の平均粒径は
0.005〜2.0μmであることが必要であり、好ま
しくは1.0μm以下である。平均粒径が2.0μmよ
り大きい場合、フィルムにした時の表面粗さが大きくな
り、磁気テープとした時の電気特性の低下につながり、
逆に0.005μmより小さい場合は、本発明の目的と
する効果が不十分となる。
【0016】本発明における不活性粒子の含有量は0.
01〜10重量%であることが必要であり、好ましくは
0.05〜5重量%である。含有量が0.01重量%未
満である場合、本発明の目的とする耐摩耗性、耐スクラ
ッチ性が発現せず、10重量%を越えて含有する場合に
は、粒子同士の凝集が生じ、粗大粒子がフィルムの表面
粗さを著しく低下させることになる。
【0017】本発明における不活性粒子は、下記の化学
式で示されるスルホン酸基を有する化合物で表面処理さ
れていることを特徴とする。
【化3】 (式中、Mは水素または一価の金属原子、Rは有機基、
Xは水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基
からなる群から選ばれる官能基、mは1または2、nは
自然数を示す。)
【0018】本発明におけるスルホン酸基を有する化合
物の特徴は、一分子内に不活性粒子表面と反応または吸
着し得る官能基と、ポリエステルまたはその重合反応段
階の低重合体とエステル交換反応、エステル化反応を生
じ得る官能基をそれぞれ一つづつ有することにある。従
って、単にスルホン酸金属塩基から選ばれる官能基のみ
を有する化合物あるいは、水酸基、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基から選ばれる官能基のみを有する
化合物では本発明の目的とする効果は得られない。なか
でも、スルホ安息香酸、スルホ安息香酸エチレングリコ
ールエステル、カルボキシメチルスルホン酸、カルボキ
シエチルスルホン酸が好ましい。
【0019】スルホン酸基を有する化合物の不活性粒子
に対する好ましい処理量(添加量)は0.01〜20重
量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。0.0
1〜20重量%の範囲で処理した場合、本発明の目的と
する耐摩耗性や耐スクラッチ性が発現し、該化合物が不
活性粒子と十分な吸着または結合をした結果、ポリマの
耐熱性などを低下させることがないため好ましい。
【0020】不活性粒子を該化合物で表面処理する方法
としては特に限定されないが、例えば不活性粒子を水あ
るいはエチレングリコールなどの分散媒に分散したスラ
リーとしておき、そこへ該化合物またはその水溶液、エ
チレングリコール溶液などを添加すればよい。また、粒
子と該化合物の吸着または結合を促進するために、該化
合物添加スラリーを撹拌あるいは加熱、減圧条件下に保
持してもよい。本発明におけるスルホン酸基を有する化
合物は2種類以上を併用してもよい。該表面処理粒子の
ポリエステルへの配合にあたっては、重合反応系に直接
添加する方法以外にも、例えば粒子を溶融状態のポリエ
ステルへ練り込む方法などでも可能である。前者の重合
反応系に添加する際の添加時期は任意であるが、エステ
ル交換反応前から重縮合反応の減圧開始前までの間が好
ましい。後者の練り込みの場合は、粒子を乾燥してポリ
エステルに練り込む方法でもスラリー状態で減圧しなが
ら直接練り込む方法でも構わない。
【0021】本発明においては、本発明のスルホン酸ま
たはスルホン酸金属塩基を有する化合物で表面処理され
た不活性粒子以外に、本発明の目的を損わない範囲にお
いてフィルムとした時の滑り性を得るために、前記化合
物で表面処理されたもの以外の別の不活性粒子を添加し
ても構わない。
【0022】このような不活性粒子としては、例えば酸
化ケイ素、酸化チタン、カオリナイト、タルク、炭酸カ
ルシウムなどの無機粒子、ジビニルベンゼン重合体、ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体などの有機高分子粒
子、またはポリエステル反応中に析出させた内部粒子な
どが挙げられる。
【0023】該不活性粒子の平均粒径は、本発明の表面
処理された不活性粒子よりも大きいことが好ましく、
0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
【0024】また該不活性粒子の添加量はポリエステル
に対して0.005〜10重量%であることが好まし
い。
【0025】本発明のポリエステルフィルムは、例えば
次のような方法によって製造することができる。
【0026】重合反応で得られたポリエステルのペレッ
トを十分乾燥した後、ただちに押出機に供給する。この
ペレットを260〜350℃で溶融し、ダイよりシート
状に押出し、キャスティングロール上で冷却、固化させ
て未延伸フィルムを得る。次に、この未延伸フィルムを
二軸延伸するのが好ましい。延伸方法としては、逐次二
軸延伸法、同時二軸延伸法、あるいはこのように二軸に
延伸したフィルムを再度延伸する方法などを用いてもよ
い。ポリエステルの組成によるが、磁気記録媒体用フィ
ルムとして十分な弾性率を得るには最終的な延伸面積倍
率(縦倍率×横倍率)を6以上とすることが好ましい。
また、フィルムの熱収縮率を小さく保つため150〜2
60℃の温度範囲で0.1〜60秒程度の熱処理を行う
ことが好ましい。
【0027】本発明のフィルムは単層フィルムとして、
また積層フィルムとしてでも用いられる。積層フィルム
の場合、少なくとも一層を構成するフィルムとして本発
明のフィルムを用いると、フィルム表面の耐摩耗性、耐
スクラッチ性が良好となるので好ましい。フィルムの積
層方法としては、溶融共押出しなど公知の方法を用いる
ことができる。
【0028】積層フィルムにおける一層を構成する本発
明のフィルム(以下、積層部ともいう)の厚さは、含有
する粒子の平均粒径に対して0.1〜20倍にすること
がフィルム表面の均一性、易滑性が特に良好となり好ま
しい。また、積層部粒子の含有量は0.01〜10重量
部が好ましく、特に0.5〜5重量部が好ましい。
【0029】また単膜の場合と同様に、フィルムとした
時の滑り性を得るために、前記化合物で表面処理された
もの以外の別の不活性粒子を添加してもよい。このよう
な不活性粒子としては、例えば酸化ケイ素、酸化チタ
ン、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウムなどの無機
粒子、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体などの有機高分子粒子、またはポリエス
テル反応中に析出させた内部粒子などが挙げられる。
【0030】該不活性粒子の平均粒径は、本発明の表面
処理された不活性粒子よりも大きいことが好ましく、
0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳細に説明する。 (A)粒子特性 (1)平均粒径 粒子をポリエステルに配合せしめ、0.2μm厚みの超
薄切片にカッティング後、透過型電子顕微鏡で観察し、
凝集状態の二次粒子1,000個の数基準の円相当平均
径(μm)で評価した。
【0032】(B)ポリマ特性 (1)固有粘度 25℃でオルトクロロフェノール中、25℃で測定した
値である。
【0033】(C)フィルム特性 (1)表面粗さRa(μm) JIS B−0601に準じサーフコム表面粗さ計を用
い、針径2μm、荷重70mg、測定基準長0.25m
m、カットオフ0.08mm条件下で測定した中心線平
均粗さを採用した。
【0034】(2)耐摩耗性 フィルムを細幅にスリットしたテープ状ロールを、ステ
ンレス鋼SUS−304製ガイドロールに一定張力で高
速、長時間擦り付け、ガイドロール表面に発生する白粉
量によって次のようにランク付けした。 A級……白粉発生まったくなし。 B級……白粉発生少量あり。 C級……白粉発生やや多量あり。 D級……白粉発生多量あり。
【0035】(3)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のを、テープ走行性試験機を使用してガイドピン(表面
粗さ:Raで0.1μm)上を走行させる。(走行速度
1,000m/分、走行回数15パス、巻き付け角60
°、走行張力65g)。この時、フィルムに入った傷を
顕微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あた
り2本未満はA級、2本以上3本未満はB級、3本以上
10本未満はC級、10本以上はD級とした。
【0036】実施例1 酸化ジルコニウム粒子(単斜晶)を10重量部、エチレ
ングリコール90重量部およびスルホ安息香酸0.2重
量部を混合して常温下1時間ディゾルバーで撹拌処理
し、表面処理酸化ジルコニウム粒子/エチレングリコー
ルスラリー(A)を得た。また、炭酸カルシウム粒子の
10重量%エチレングリコールスラリーを同様に撹拌処
理して調整した。
【0037】他方、ジメチルテレフタレート100重量
部、エレチングリコール64重量部に、触媒として酢酸
マグネシウム0.06重量部を加えてエステル交換反応
を行った後、反応生成物に先に調製したスラリー(A)
4重量部および炭酸カルシウムのスラリー4重量部を、
触媒の三酸化アンチモン0.03重量部、および耐熱安
定剤としてトリメチルホスフェート0.03重量部を加
え重縮合反応を行い、固有粘度0.615のポリエチレ
ンテレフタレートを得た。透過型電子顕微鏡による平均
粒径は0.25μmであった。このポリエチレンテレフ
タレート組成物を290℃で溶融、押出しし、その後、
90℃で縦横それぞれ3倍延伸し、さらにその後、22
0℃で15秒間熱処理し、厚さ15μmのポリエチレン
テレフタレート二軸延伸フィルムを得た。このフィルム
を評価したところ、Ra=0.013μm、耐摩耗性評
価A級、耐スクラッチ性A級であり、耐摩耗性および耐
スクラッチ性に非常に優れたフィルムであった。
【0038】実施例2〜5 ポリエチレンテレフタレート組成物中の表面処理粒子の
粒子種、平均粒径、添加量などを変更し、実施例1と同
様の方法で二軸延伸ポリエステルフィルム得た。これら
のフィルムの評価結果を表1に示した。これらのフィル
ムが良好な耐摩耗性および耐スクラッチ性を有している
ことがわかる。
【0039】実施例6 粒子を添加しない以外は、全く実施例1と同様にしてポ
リエチレンテレフタレート組成物(X)を得た。実施例
1で粒子をアルコキシド法酸化アルミニウムにする以外
は全く同様にしてポリエチレンテレフタレート組成物
(Y)を得た。このYを(X)の上に溶融共押出しして
積層未延伸フィルムを得た。この時の押出し温度は29
0℃とした。その後、90℃で縦横にそれぞれ3倍延伸
し、さらにその後、220℃で20秒間熱処理し、積層
二軸延伸フィルムを得た。
【0040】(X)、(Y)各層の厚みは、それぞれ8
μm、0.5μmであった。このフィルムを評価したと
ころ、表1に示すようにRa=1.014μm、耐摩耗
性評価1級であり、耐摩耗性に非常に優れたフィルムで
あった。
【0041】比較例1〜3 表面処理剤の有無、平均粒径、粒子含有量を変更し、実
施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。これらのフィルムの評価結果を表2に示した。こ
れらのフィルムは、耐摩耗性、耐スクラッチ性をともに
満足できるフィルムではなかった。
【0042】
【表1】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物は、特定の
化合物により表面処理された不活性粒子を含有し、フィ
ルムとした場合、耐摩耗性に優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/03

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化学式で示されるスルホン酸また
    はスルホン酸金属塩基を有する化合物で表面処理され
    た、平均粒径が0.005〜2.0μmの不活性粒子を
    0.01〜10重量%含有することを特徴とするポリエ
    ステル組成物。 【化1】 (式中、Mは水素または一価の金属原子、Rは有機基、
    Xは水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基
    からなる群から選ばれる官能基、mは1または2、nは
    自然数を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル組成物から
    なることを特徴とするフィルム。
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