JPH082958B2 - ポリエステルの製造法 - Google Patents

ポリエステルの製造法

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JPH082958B2
JPH082958B2 JP14730387A JP14730387A JPH082958B2 JP H082958 B2 JPH082958 B2 JP H082958B2 JP 14730387 A JP14730387 A JP 14730387A JP 14730387 A JP14730387 A JP 14730387A JP H082958 B2 JPH082958 B2 JP H082958B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は異物単独及び凝集粒子に起因する粗大突起が
著しく少なく、易滑性が高度に改良されたポリエステル
の製造法に関するものである。
〈従来の技術と発明が解決しようとする問題点〉 ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステ
ルは、その優れた機械的特性、電気的特性、耐薬品性及
び寸法安定性の点から磁気記録用、コンデンサー用、包
装用、製版用、電絶用、写真用等多くの分野で基材フィ
ルムとして用いられている。上記に示す基材としてポリ
エステルが用いられる場合、各用途に応じて、その要求
特性は異なるが、普遍的に要求される特性はフィルム取
り扱い時の作業性であり、これを改善するためにはフィ
ルムの滑り性、即ち摩擦係数を減じる必要がある。特に
近年著しい伸びを示すオーディオ、ビデオ、フロッピ
ー、コンピューター用等のベースフィルムのように、そ
のフィルム表面に磁性層を塗布し磁気記録媒体として用
いる場合、滑り性が悪いと磁性層塗布時に於けるコーテ
ィングロールとフィルム表面との摩擦による摩耗が激し
く、フィルム表面に擦り傷が発生しやすい。また磁性層
を塗布したフィルムを加工し製品とした後でも、リール
やカセット等からの引き出し、巻き上げ、その他の操作
の際に多くのガイド部、記録、再生ヘッド等の間に摩擦
及び摩耗が著しく生じ、ポリエステルフィルム表面の削
れによる白粉状物質が発生して磁気記録信号の欠落、即
ちドロップアウトの大きな原因となることが多い。
ポリエステルフィルムに要求されるこれらの特性を改
良するため、ポリエステルに対して不活性な微粒子を存
在させ、フィルム表面に凹凸を付与する方法が一般に採
用されている。
この方法は大きく二つに分けられる。その第一の方法
は析出法と呼ばれる方法であり、エステル交換反応ある
いはエステル化反応の前後にエチレングリコールに可溶
な金属化合物、例えばカルシウム化合物、リチウム化合
物等の一種以上を添加し、リン化合物等と反応させてポ
リエステルに不溶の微粒子として沈殿させる方法であ
る。
上記の析出法と対比される今一つの方法は添加法と呼
ばれる方法であり、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
グラファイト、カーボンブラック、カオリン、シリカ、
二酸化チタン等の不活性な無機粒子をポリエステル合成
時あるいは成形時に添加する方法である。しかしなが
ら、これら不活性無機粒子は通常天然鉱物を粉砕または
合成して得られるが、粗大粒子や凝集粒子の混在を避け
ることは非常に困難である。
ポリエステル中に粗大粒子や凝集粒子による大粒子が
混在すると、押出し工程でのフィルターの閉塞、製膜時
のフィルム破断が生じたり、またフィルム中にフィシュ
アイと呼ばれる微小欠陥のため、磁気テープに於けるド
ロップアウトやコンデンサーに於ける耐電圧不良等の問
題を生じる。
かかる目的に対し、不活性無機粒子を予め粉砕・分級
することにより粗大粒子を除去して用いる方法が提案さ
れている。例えば天然原石を粉砕した粉末、あるいは合
成して得られた粉末を更に乾式または湿式で粉砕処理を
行い、次いで乾式または湿式で分級処理を行い過処理
する方法が知られているが、かかる方法では粗大粒子や
凝集粒子による大粒子がある程度は除去されるが決して
十分ではなかった。
一方、シリカ粒子に関しては平均粒子径の異なる種々
の製品が市販されているが、該シリカ粒子をポリエステ
ルに配合したフィルムとなしても、前述したポリエステ
ルフィルムに要求される特性を満足することはできなか
った。即ち、シリカ粒子の如く粒子表面の活性が比較的
高く微細な粒子は、二次凝集を形成し易すく、分散性が
極めて悪いために重合中あるいは押出機中で凝集が起こ
り、ポリエステルフィルムとした際にフィルム表面の凹
凸が不均一となり、製品価値が低下する。
これらのポリエステル中へ配合する粒子は、その粒子
径が大きい程滑り性改良効果が大きくなるのが一般的で
あるが、特にオーディオ、ビデオ、フロッピー、コンピ
ュター用のごとき精密用途では、粒子自体が大きいこ
と、また粗大粒子や凝集粒子による大粒子の混在がドロ
ップアウトの原因となり得るため、ポリエステル中に含
まれる粒子はできるだけ均一微細である必要がある。し
かしながら、このような相反する特性を同時に満足する
ことは非常に難かしいのが現状であった。
〈問題を解決するための手段〉 本発明者らは、オーディオ、ビデオ、フロッピー、コ
ンピュター用等の磁気記録媒体の分野で、小型化、長時
間化及び高画質化による超精密化が一段と促進されつつ
ある状況下に鑑みてポリエステルの製造法について鋭意
検討を重ねた結果、ある特定の実質的に非晶質の球状シ
リカ微粒子を含むポリエステルをいわゆる直接重合法で
製造すると、前述した粒子中の粗大粒子や凝集粒子によ
る粗大突起の低減はもとより、ポリエステル合成時の触
媒残渣、スケーリング等による粗大突起を低減し、今ま
で以上にフィルム表面の凹凸を均一微細化し、滑り性及
び耐摩耗性に優れかつドロップアウト等の欠陥が少な
く、またポリエステル合成時に於ける重合時間が短縮さ
れ、生産性が向上するという予期せぬ効果を見い出し本
発明に到達するに至った。
即ち、本発明の要旨は、テレフタル酸とエチレングリ
コールとのエステル化反応及び引き続く重縮合反応によ
るポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエス
テルを製造するに際し、初期重縮合反応が終了するまで
の任意の段階でアルコキシシランの加水分解反応及び縮
合反応により得られる平均粒子径が0.01〜3.0μmであ
って、下記式(1)で定義される〔d10/d90〕値が1.1
〜2.7の範囲にあり、かつ下記式(2)で定義される
〔φv〕値が0.4〜π/6の範囲にある、実質的に非晶質
の球状シリカ微粒子を生成ポリエステルに対し0.01〜5.
0重量%添加することを特徴とするポリエステルの製造
法に存する。
〔φv〕=V/D3 (2) (上記式(2)中でVは粒子体積(μm3)、Dは粒子の
投影面に於ける最大径(μm)を表わす。) 以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明にいうポリエステルとはテレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸の如き芳香族
ジカルボン酸成分とエチレングリコール、ジエチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ネイペンチルグ
リコール等の如きグリコール成分とを出発原料とし、無
触媒下で直接エステル化反応を行い、ついで重縮合反応
により得られる直接重合法ポリエステルである。芳香族
ジカルボン酸エステルとグリコール成分を出発原料と
し、酢酸カルシウム、酢酸リチウム、酢酸マンガン等の
グリコール成分に可溶の金属化合物をエステル交換触媒
としてエステル交換反応及び重縮合反応により得られる
エステル交換法ポリエステルは、エステル交換触媒とし
て用いた金属化合物が粗大突起の原因となり好ましくな
い。
かかるポリマーの具体例として、ポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート等があげ
られる。このポリマーはホモポリマーであっても、第3
成分を共重合させたものであっても構わない。いずれに
しても本発明に於てはエチレンテレフタレート単位及び
/又はエチレン−2,6−ナフタレート単位を80mol%以上
有するポリマーが好ましい。
本発明に於て用いられる球状シリカ微粒子は、アルコ
キシシランを出発原料としてアミン触媒を用い加水分解
反応及び縮合反応によって得られるものである。
本発明でいうアルコキシシラン化合物は(CnH2n+1O)4S
i(n=1〜8)の化学式で表わされる化合物であり、
具体的な化合物として、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブト
キシシラン等の化合物が好適に用いられる。加水分解反
応及び縮合反応触媒として、アンモニア水、トリメチル
アミン、テトラエチルアンモニア水溶液、尿素等を用い
ることができるが、好ましくはアンモニア水が用いられ
る。
球状シリカ微粒子は例えば以下の方法で合成される。
まずメタノール溶媒中にテトラメトキシシランを溶解
させた溶液(A)と、それとは別にメタノール溶媒中に
アンモニア水を溶解させた溶液(B)を作成する。両溶
液とも所定の温度、例えば20〜30℃に保持した後、溶液
(B)を激しく攪拌しつつ溶液(A)を添加する。
ついで上記の所定温度で数時間保持した後遠心分離
し、溶媒のアルコールで洗滌後、エチレングリコールに
分散せしめるか、または反応終了後のシリカ粒子の懸濁
液にエチレングリコールを加えた後蒸留を行って過剰の
アンモニア、アルコール及び水を除去する方法を行って
も良い。いずれにしても、本発明の球状シリカ微粒子は
最終的にエチレングリコールスラリーとして調製するこ
とが好ましい。
上記の如く調製されたエチレングリコール中の球状シ
リカ微粒子の濃度は、40重量%未満であることが好まし
く、更に好ましくは0.5重量%以上、20重量%未満であ
る。該濃度が40重量%未満であれば、エチレングリコー
ルスラリー中での凝集及び重縮合反応中に添加した際の
凝集粒子の生成は実用上ほとんど問題がない。エチレン
グリコール中の球状シリカ微粒子の濃度が40重量%を超
えるとエチレングリコールスラリー中での凝集及び重縮
合反応中に添加した際の凝集の生成が大きくなり好まし
くない。
本発明に於けるアルコキシシランの加水分解反応及び
縮合反応によって得られた球状シリカ微粒子の特徴は、
その形状が球状でかつ粒子径が極めて揃っている点にあ
る。即ち該粒子の粒度分布を電子顕微鏡写真により求
め、それぞれの粒径の個数を積算し、積算個数の10%及
び90%を示すそれぞれの粒径をd10,d90とした前記
(1)式で表わされる〔d10/d90〕の値が1.1〜2.7の範
囲であることが必要であり、好ましくは1.1〜2.3の範囲
である。〔d10/d90〕の値が2.7を超えると粒度分布が
幅の広いものとなり、フィルムにした場合の表面粗度の
制御が困難となったり、粗大粒子の生成が増すため好ま
しくない。また〔d10/d90〕の値が1.1未満の粒度分布
を有した粒子を工業的に得ることは実際上極めて困難で
ある。
本発明でいう球状シリカ微粒子は、実質的に該粒子の
形状が球状のものであり、体積形成状係数〔φv〕が0.
4〜π/6の範囲にあることが必要である。〔φv〕値が
π/6に近づくほど球形に近づき、〔φv〕値が0.4〜π/
6の範囲にあれば実質的に球形とみなせる。
本発明に於て、ポリエステル中に添加される球状シリ
カ微粒子の平均粒子径は0.01〜3.0μmである必要があ
り、更には0.05〜2.0μmであることが好ましい。0.01
μm未満ではフィルムとした際の表面特性及び易滑性の
改良効果が十分ではない。また3.0μmを超えるとフィ
ルムとした際の表面粗度が大きくなり過ぎたり、ドロッ
プアウトの原因となる大粒子の混在が増し、フィルム品
質を低下させるため好ましくない。
またポリエステル中への該微粒子の含有量は0.01〜5.
0重量%とする必要があり、更には0.05〜2.0重量%であ
ることが好ましい。該微粒子の含有量が0.01重量%未満
では、フィルムとした際の滑り性及び耐摩耗性の改良効
果が不十分であり、また5.0重量%を超えるとフィルム
とした際の表面粗度が大きくなり過ぎたり、ドロップア
ウトの原因となる凝集粒子の生成が増加するので好まし
くない。
前述した如く、ポリエステルに配合する粒子として本
発明で特定する球状シリカ微粒子を用いると、他の多く
の添加粒子と異なり均一微細な表面を有するフィルムを
得ることができるが、この場合エステル交換法を経由す
るポリエステルを用いると、該ポリマー中に存在するエ
ステル交換反応触媒に基づく析出粒子を介在して、しば
しば球状シリカ微粒子同志が凝集し、粗大粒子を形成す
る。またエステル交換触媒そのものが粗大粒子となって
沈殿したり、また長時間の運転の間にシケーリング物が
生じる等の不都合が生じる。このように本発明で特定し
た球状シリカ微粒子の特徴を効果的に発揮せしめるに
は、いわゆる直接重合法と呼ばれる製造法を採用するこ
とが必須条件である。なお全く予期せざることに、球状
シリカ微粒子を用いた系は重縮合時間が短縮され、生産
性が向上するという好ましい効果も同時に得られた。
本発明で用いる球状シリカ微粒子は、エチレングリコ
ール等のグリコール中での分散性に優れているため特殊
な分散処理を必要とせず、しかも該微粒子は粒度分布が
尖鋭で粗大粒子が極めて少ないため、過処理工程での
フィルター通過性も極めて優れている。
ポリエステル製造時に於ける該微粒子の添加方法は、
初期重縮合反応が終了するまでの段階で添加する必要が
あり、更にはエステル化反応終了後、初期重縮合反応が
終了するまでに添加することが好ましい。
本発明に於けるポリエステルの製造法は公知の方法を
採用できる。エステル化条件として例えば、テレフタ
ル酸とエチレングリコールとを直接反応させる方法ビ
ス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートまたはそ
のオリゴマーの存在下でテレフタル酸とエチレングリコ
ールとを反応させる方法等のいずれをも採用し得るが、
反応を常圧ないし比較的低い圧力条件下で円滑に進める
ためにはの方法が好ましい。重縮合条件として、例え
ば触媒としてアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、
チタン化合物等の一種以上を用い、260〜300℃程度に加
熱し、減圧下でエチレングリコールを留去させることに
より反応を進行させる。またフィルム化に際しては公知
の製膜方法、例えば270〜300℃でポリエステルチップを
フィルム状に溶融押出し後、縦及び横に逐時二軸延伸あ
るいは同時二軸延伸し、160〜240℃で熱処理する等の方
法(例えば特公昭30-5639号公報記載の方法)を採用す
ることができる。
本発明に於けるポリエステルは、例えば磁気テープ、
フロッピーディスクを始めとする磁気記録媒体用ベース
フィルム、またコンデンサー用、写真製版用、電絶用、
感熱転写用、包装用、転写マーク用、金銀糸用等種々の
分野のベースフィルム用の原料として極めて有用であ
る。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限
定されるものではない。
なお実施例に於ける種々の諸物性及び特性は以下の如
く測定されたものであり、また定義される。また実施例
中「部」及び「%」は特記しない限り、それぞれ「重量
部」及び「重量%」を意味する。
(1) 平均粒子径 電子顕微鏡による写真法で約1000個の粒子径を測定
し、等価球径分布に於ける積算(重量基準)50%の値を
用いる。
(2) 粒度分布 電子顕微鏡による写真法で約1000個の粒子径を測定
し、各々の粒径に於ける個数を積算して総数が10%時の
粒子径をd10とし、90%時の粒子径をd90として、その比
〔d10/d90〕の値で粒度分布の尖鋭さを示した。
(3) 極限粘度η ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/5
0(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、30℃で測定す
る。
(4) フィルムの表面粗度 JIB B 0601-1976 記載の方法により測定した。測定
には小坂研究所製表面粗さ測定機モデルSE-3Fを用い、
触針径2μm、触針荷重30mg、カツトオフ値0.08mm、測
定長さは2.5mmの条件で測定した中心線平均粗さ(Ra)
で表示する。
(5) フイルムの滑り性 摩擦係数で代表し、摩擦係数はASTM D−1894に準じて
テープ状のサンプルで測定できるよう改良した方法で行
った。サンプルの大きさは幅15mm、長さ150mmで、引張
速度は20mm/minとし、測定測定21±2℃、湿度65±5%
の雰囲気下で測定を行った。
(6) 摩耗性(白粉の評価) 第1図に示す走行系でフィルムを500m長にわたって走
行させ、(I)で示した6mmφの硬質クロム固定ピンに
付着した摩耗量を目視により次の4段階で評価した。
全く付着しない ◎ 若干付着する ○ 付着量が多い △ 全面に付着する × (7) 粗大突起数 フィルム表面にアルミニウムを蒸着し、干渉顕微鏡を
用い、二光束法にて測定した。測定波長0.54μmで2次
以上の干渉縞を示す突起個数を25cm3当りに換算して示
した。
(8) 総合評価 前述した評価結果より、磁気記録媒体用ベースフィル
ム等への実用化の可否を判定した。
実用化可 ◎ ○ 実用化否 △ × 実施例1 (球状シリカ粒子の合成方法) テトラメチルシラン30.4gを400gのメタノールに溶解
し、20℃に保持した(A液)。一方メタノール900gに水
110gを加え、28%アンモニア水243gを加えて混合し、20
℃に保持した(B液)。ついでB液に攪拌装置を取り付
け攪拌しながらA液を添加した。添加後直ちに加水分解
反応及び縮合反応が起こり、反応系内が白濁した。A液
を添加後更に2時間攪拌保持した後、エチレングリコー
ル103を加え、減圧下で加熱して過剰の水、メタノール
及びアンモニアを留去せしめて、10%濃度の球状シリカ
微粒子を含有するエチレングリコールスラリーを得た。
該エチレングリコールスラリーを乾燥後、電子顕微鏡
により写真を撮影し、平均粒子径及び粒度分布〔d10/d
90〕値を求めた。平均粒子径は0.30μ、〔d10/d90〕値
は1.55であり極めて粒子径の揃った均一な球状の粒子で
あった。該スラリーを粒径3μm以上の粒子を除去する
過精度を有するフィルターを用いて過処理を行った
ところ、フィルターの通過性は極めて良好であった。
(ポリエステルの製造) ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートオリ
ゴマー100部の存在下、テレフタル酸87部とエチレング
リコール42部とを常圧下260℃で反応させてエステル化
反応を行った。反応開始4時間後、エステル化率97%の
ポリエステルオリゴマーが得られた。ついで平均粒子径
0.30μm〔d10/d90〕値1.55の球状シリカ微粒子スラリ
ーをポリエステルに対し0.3%になるよう添加した後、
エチルアシッドフォスフェート0.014部、三酸化アンチ
モン0.025部を添加し重縮合反応を行った結果、3時間4
5分で極限粘度0.661のポリエステルを得た。
得られたポリエステルを180℃の窒素雰囲気下で6時
間加熱乾燥後、押出機により厚さ150μmのシートを作
成し、ついで縦方向に3.7倍、横方向に4倍延伸した。2
20℃で5秒間熱固定を行って厚さ10μmの二軸延伸ポリ
エステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示し
た。表1に示す如く、得られたポリエステルフィルムの
表面粗度、滑り性、耐摩耗性及び粗大突起数は非常に良
好で、磁気記録媒体用ベースフィルムの原料レジンとし
て極めて満足すべき水準であり、かつ重縮合時間も20〜
30分短縮されるという好ましい結果を得た。
実施例2〜4 上記の実施例1に於て用いた球状シリカビル微粒子の
平均粒子及び/又は添加量を変更した以外実施例1と同
様の操作により得られたポリエステルフィルムの特性を
表1に示す。表1に示す如く、得られたポリエステルフ
ィルムの表面粗度、滑り性、耐摩耗性及び粗大突起数は
非常に良好で、磁気記録媒体用ベースフィルムの原料レ
ジンとして極めて満足すべき水準であり、かつ重縮合時
間も20〜30分短縮されるという好ましい結果を得た。
比較例1 平均粒子径0.08μ、〔d10/d90〕値1.85の球状リシカ
微粒子を0.008%添加した以外は実施例1と同様の操作
により得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示
す。表1に示す如く、球状シリカ微粒子の添加量が本発
明の要件を外れるため、得られたポリエステルフィルム
の滑り性、耐摩耗性は不充分であった。
比較例2〜3 炭酸カルシウム及び市販シリカ(サイロイド150、富
士デヴィソン製)を通常の湿式粉砕、湿式分級及び過
処理を行い、それぞれ0.3%及び0.5%添加した以外は実
施例1と同様の操作により得られたポリエステルフィル
ムの特性を表1に示す。表1に示す如く、ポリエステル
に添加する粒子が本発明の要件を外れるため得られたポ
リエステルフィルムは粗大突起が多く、磁気記録媒体用
ベースフィルムとして不十分であった。
比較例4 ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール6
0部及び酢酸カルシウム−水塩0.094部を反応器に加え、
加熱昇温するとともにメタノールを留去しエステル交換
反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温
し、実質的にエステル交換反応を終了した。ついで実施
例1と同様操作により得た球状シリカ微粒子(平均粒子
径0.3μ、〔d10/d90〕値1.55)を0.5%添加した後、り
ん酸0.04部、三酸化アンチモン0.035部を加え重縮合反
応を行いポリエチレンテレフタレートを得た。フィルム
化は実施例1と同様の操作で行い、得られたポリエステ
ルフィルムの特性を表1に示す。表1に示す如く、ポリ
エステルの合成法が本発明の要件を外れるため得られる
ポリエステルフィルムは粗大突起が多く、磁気記録媒体
用ベースフィルムとして不十分であった。
比較例5〜7 実施例1と同様の方法で得た球状シリカ微粒子、通常
の湿式粉砕、湿式分級及び過処理を行った炭酸カルシ
ウム及び市販シリカをそれぞれ0.3%、0.3%及び0.5%
添加した以外は比較例4と同様の操作により得られたポ
リエステルフィルムの特性を表1に示す。表1に示す如
く、比較例5はポリエステルの合成法が本発明の要件を
外れるため粗大突起が多く、また比較例6及び7はポリ
エステルの合成法及び添加粒子が本発明の要件を外れる
ため耐磨耗性及び粗大突起が多く、磁気記録媒体用ベー
スフィルムとして不十分であった。
〔発明の効果〕 以上詳述した如く本発明の方法により得られるポリエ
ステルフィルムは磁気記録媒体用ベースフィルムとして
要求される表面粗度及び滑り性が優れていることから、
フィルム製造時の作業性が極めて良好である。また該フ
ィルムは耐摩耗性に優れ、磁気テープ製造時及び使用時
に於ける金属ロール面を走行する際に生じる白粉発生量
が著しく少ない特徴を有し、併せて磁気テープとして用
いた場合のドロップアウト発生原因となる粗大突起数が
著しく少ない特性を有していることから、磁気記録媒体
用、コンデンサー用、蒸着用、包装用等のベースフィル
ム用原料レジンとして広範囲な用途に利用することがで
きる。更に芳香族ジカルボン酸とグリコール成分とを出
発原料とする直接重合法に於て、特殊な合成法で製造さ
れた球状シリカ微粒子を特定量添加し本発明の要件を満
たすことにより重縮合時間が短縮され、生産性が向上す
るという予期せぬ効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は耐摩耗性を評価する走行系を示し、(I)は6m
mφの硬質クロム固定ピン、(II)はテンションメータ
ーを示しθは130°である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸とエチレングリコールとのエ
    ステル化反応及び引き続く重縮合反応によりポリエチレ
    ンテレフタレートを主成分とするポリエステルを製造す
    るに際し、初期重縮合反応が終了するまでの任意の段階
    で、アルコキシシランの加水分解反応及び縮合反応によ
    り得られる平均粒子径が0.01〜3.0μmであって、下記
    式(1)で定義される〔d10/d90〕値が1.1〜2.7の範囲
    にあり、かつ下記式(2)で定義される〔φv〕値が0.
    4〜π/6の範囲にある、実質的に非晶質の球状シリカ微
    粒子を生成ポリエステルに対し0.01〜5.0重量%添加す
    ることを特徴とするポリエステルの製造法。 〔φv〕=V/D3 (2) (上記式(2)中でVは粒子体積(μm3)、Dは粒子の
    投影面に於ける最大径(μm)を表わす。)
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