JP2860331B2 - ポリエステル組成物 - Google Patents

ポリエステル組成物

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一弘 椚原
恵 小見山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフィルムとした際、粗大突起が少なく、優れ
た走行性及び耐摩耗性を与えるポリエステル組成物に関
する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステ
ルは、その優れた機械的、電気的特性、耐薬品性、寸法
安定性の点から、磁気記録用コンデンサー用、包装用、
製版用、電絶用、写真フィルム用等多くの分野で基材と
して用いられている。これらの用途にポリエステルが用
いられる場合、各用途に応じてその要求特性は異るが、
普遍的に要求される特性はフィルム取り扱い時の作業性
であり、これを改善するためには、フィルムの走行性、
即ち摩擦係数を減じる必要がある。
また、近年伸びの著しいオーディオ、ビデオ、コンピ
ューター等の磁気記録媒体としてポリエステルを用いる
場合には、走行性や耐摩耗性が劣ると磁性層塗布時にお
けるコーティングロールとフィルム表面との摩擦及び摩
耗が激しく、フィルム表面に擦り傷が発生し易くなる。
また、磁性層塗布後のフィルムをオーディオ、ビデ
オ、コンピューター用テープ等に加工し製品とした後で
も、リールやカセット等からの引き出し、巻き上げ、そ
の他の操作の際に多くのガイド部、記録、再生ヘッドと
の間で摩擦及び摩耗が生じ、ポリエステルフィルム表面
の粒子の脱落等による白粉状物質が発生するため、しば
しば磁気記録信号の欠落、即ちドロップアウトが発生す
るようになる。
これらの特性を改良する方法は従来から種々提案され
ているが、最も一般的に採用されているのはフィルム中
に不活性物質を配合する方法であり、この方法は二つに
大別される。
一つは析出法と呼ばれる方法であり、エステル交換反
応、あるいはエステル化の前後にエチレングリコールに
可溶な金属化合物、例えばカルシウム化合物、リチウム
化合物の一種以上を添加し、リン化合物の存在下あるい
は非存在下でポリエステルに不溶の微粒子として沈殿さ
せる方法である。
析出法と対比される今一つの方法は添加法と呼ばれる
方法であり、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリ
カ等の無機粒子または有機系の粒子をそのまま、あるい
は微粒子化した後、ポリエステル合成時あるいは成型時
に添加するものである。この方法は微粒子の粒径、量を
加減することができ延伸によってもこれら微粒子は破壊
され難く、析出法と比べ優れている。そして更にフィル
ムの品質を改良するために、添加される粒子として有機
系の架橋高分子粒子を用いる試みもなされている。
例えば特開昭55−99948号公報には、メチルメタクリ
レート/ジビニルベンゼン系コポリマーで代表される架
橋高分子から成る粒子を用い、その一部をポリエステル
と共有結合させることによりポリエステルと粒子との親
和性を改良することが示されている。また、特開昭59−
217755号公報及び特開昭61−217229号公報には前述の特
開昭55−99948号公報記載の発明と同一の思想でメチル
メタクリレート/ブチルアクリレート/ヒドロキシメチ
ルアクリレート/ジビニルベンゼン系コポリマーから成
る架橋高分子粒子を用いポリエステルと粒子との親和性
を改良すること、および乳化重合法により製造される該
粒子は狭い粒度分布を有することが記載されている。し
かしながら、磁気記録用、コンデンサー用等多くの分野
では近年の著しい技術進歩に伴い、更に小型化、精密化
が一段と進み、フィルム品質の改良が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記実情に鑑みて、ポリエステルフィル
ムの走行性を改良するため、鋭意、検討を行った結果、
ポリエステル中にある特定の架橋高分子粒子を含有させ
たポリエステル組成物によれば、前記特性が高度に達成
されたフィルムを得ることができることを見出し本発明
を完成するに至った。
すなわち発明の要旨は、エチレングリコール単位を3
〜38重量%含有し、体積形状係数が0.3〜π/6、粒度分
布のシプさ(r値)が2.0以下、300℃で30分間処理後の
重量減少率が30重量%以下であり、かつ平均粒径が0.01
〜2μmの範囲にある架橋高分子粒子を0.005〜1重量
%含有することを特徴とするポリエステル組成物に存す
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルとはポリエチレンテレ
フタレートを主体とするポリマーであり、例えばポリエ
チレンテレフタレート単独あるいはエチレンテレフタレ
ート単位を80モル%以上含む共重合体をいう。
本発明で用いる架橋高分子粒子には大きな特徴が三つ
ある。
その一つは架橋高分子粒子中にエチレングリコール単
位(−CH2CH2O−)が含まれていることにある。そし
て、架橋高分子粒子中のエチレングリコール単位の含有
率は3〜38重量%の範囲であり、好ましくは5〜25重量
%の範囲である。エチレングリコール単位の含有率が3
重量%未満では、ポリエステルに配合したときに凝集し
て2次粒子を形成するため好ましくない。
該粒子中にエチレングリコール単位が含有されている
ことによりポリエステルとの親和性が増し、その一部は
ポリエステルと反応しポリエステルと強国な結合を持っ
た粒子としてポリエステル中に埋没させることができ、
先に述べたテープ走行時の磁気ヘッド、ガイドピン等と
の摩擦及び摩耗の際に生じる粒子脱落を大幅に改良する
ことができる。更に予期せぬ効果としてポリエステル中
における該粒子の分散性が飛躍的に改良されることであ
る。
本発明で用いる架橋高分子粒子の第二の特徴は、耐熱
性を有することにある。すなわち、本発明において架橋
高分子粒子の300℃で30分間処理後の重量減少率は30重
量%以下、好ましくは20重量%以下である。重量減少率
が30重量%を超える架橋高分子粒子は、ポリエステル成
形品の製造工程において融解、分解する。
更に、本発明で用いる架橋高分子粒子の第三の特徴
は、該粒子の平均粒径が0.01〜2μmの範囲にあること
である。平均粒径が0.01μm未満ではフィルムの走行性
が充分に改良されない。また平均粒径が2μmを超える
と、磁気記録媒体等で要求される表面平坦性を満足でき
ず、電磁変換特性が悪化したり、ドロップアウトが発生
したりする。
かかる特性を有する架橋高分子粒子は、例えば以下に
示す方法により製造することができる。
すなわち、分子中にエチレングリコール単位を有する
モノマー、例えば下記一般式(1)で示される化合物を
重合させるか、該化合物と共重合可能な化合物とを共重
合させることにより製造することができる。
ただし、上記式中、R1は水素原子またはC1〜C4の直鎖
または分岐鎖アルキル基を示し、R2は水素原子または を示し、nは1以上の整数を示す。
一般式(I)で示される化合物の中でも、本発明にお
いては、特にエチレングリコールモノアクリレート、エ
チレングリコールメタクリレート、エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート
等が好ましく用いられる。また、これらの化合物と共重
合可能な化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、ス
チレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
以上、例示した化合物を重合させることにより本発明
に架橋高分子粒子を得ることができるが、重合に際して
はリープフリー重合法を採用することが好ましい。
例えば水媒体中に水溶性の重合開始剤を所定量溶解し
た後、あらかじめ常法により精製した一般式(I)で示
される化合物およびビニル化合物とを均一に混合し添加
する。浴比(モノマー/水の割合)は、通常1/30〜1/5
の範囲である。浴比が1/30未満ででは生産性が劣るため
好ましくない。また、浴比が1/5以上では凝集粒子が生
成し易くなるため好ましくない。
次に撹拌下、重合開始剤の分解開始温度以上、好まし
くは40〜80℃で6〜8時間重合する。その際、モノマー
組成によっては、一部、凝集粒子が生成する場合もある
ので、この場合は粒子の分散安定性を保持するため分散
安定剤として臨界ミセル濃度以下の極く微量の界面活性
剤を添加してもよい。なお、水溶性の重合開始剤として
は過酸化水素、過硫酸カリウムあるいは過硫酸カリウム
−チオ硫酸ナトリウム等のレドックス系開始剤を用いる
ことができる。
得られた架橋高分子粒子を含む水スラリーはポリエス
テル製造工程に添加するため、通常エチレングリコール
スラリーに置換するが、このためには、該粒子を含む水
スラリーを遠心分離後、水洗した後、該粒子をエチレン
グリコールに分散させ、蒸留により水分量を1%以下と
するか、該粒子を含む水スラリーに直接エチレングリコ
ールを加え蒸留により水分量を1%以下とする。
何れにしても本発明の架橋高分子粒子は最終的にエチ
レングリコールスラリーとして調製することが好まし
い。
なお、本発明において用いる架橋高分子粒子はポリエ
ステルの合成あるいは成型時の高温においても実質的に
不溶、不融のものであることが好ましい。即ち、該架橋
高分子粒子はポリエステル製造工程で接触する可能性の
あるメタノール、エタノール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオ
ール等のグリコール類、ビス−(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート及びそのオリゴマー、更にはポリエ
ステルに対して高温に於いてもほとんど不溶性であるこ
とが好ましい。
以上述べた架橋高分子粒子のポリエステル中の含有量
は0.005〜1重量%であり好ましくは0.03〜0.6重量%の
範囲である。架橋高分子粒子の量が0.005重量%未満で
あるとフィルムとした際の耐摩耗性及び走行性の改良効
果が充分に発揮されない。一方、架橋高分子粒子の量が
1重量%を超えると、例えば磁気記録媒体の基材とした
際に要求される特性である電磁変換特性が悪化するし、
ドロップアウトも多発するようになり好ましくない。
更に本発明においては、かかる架橋高分子粒子の中で
も球状に近くかつ粒度分布の鋭いものが使用される。即
ち、本発明でいう球状とは下記式(2)で定義される体
積形状係数が0.3〜π/6好ましくは0.4〜π/6の範囲内に
あるものを指すが、かかる粒子を用いる時、フィルムの
走行性が好ましく改良される。
また、架橋高分子粒子の粒度分布のシャープさ(r
値)は下記式(3)で定義され、r値は2.0以下、好ま
しくは1.1〜2.0とする。r値が2.0を越えると粒径が不
揃いであり、フィルムとした場合の表面粗度の制御が困
難となったり、粗大粒子が増加するため好ましくない。
(但し、粒径は電子顕微鏡による写真法で測定し、積算
重量は大粒子側から積算) かかる特定の架橋高分子粒子を含有するポリエステル
組成物は以下に説明する方法により製造される。
ポリエステルはテレフタル酸もしくはそのエステル形
成性誘導体例えばジメチルテレフタレートとエチレング
リコールとを主な出発物質とし、これを常法により重合
することによって製造することができる。
ポリマー製造工程は通常、エステル交換反応又はエス
テル化反応を行ないポリエステルオリゴマーを得た後、
重縮合反応を行うという二段階の工程を経るが、この場
合エステル交換触媒としては公知の化合物、例えばカル
シウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、リチウム
化合物の一種以上を用いることができる。またエステル
交換反応又はエステル化反応が実質的に終了した後、析
出粒子の調節剤又は熱安定剤としてリン化合物の一種以
上を添加してもよい。
重合触媒としては公知のアンチモン化合物、ゲルマニ
ウム化合物、チタン化合物、スズ化合物、コバルト化合
物、等の一種以上を用いることができるが特にアンチモ
ン化合物及びゲルマニウム化合物が好ましい。
本発明における架橋高分子粒子の添加時期はポリエス
テル製造工程の重縮合段階の中期以前が好ましく、特に
エステル交換反応前または重縮合反応開始前が好まし
い。
なおポリマー製造工程への架橋高分子粒子の添加方法
としてはエチレングリコールスラリーとして添加するの
が良い。なお、当然の事ながら該架橋高分子粒子とエチ
レングリコールとを予め反応させた後添加してもよい。
上記方法により初めてポリエステルフィルムを得るに
必要なポリエステルを得ることができる。得られたポリ
エステルをそのままあるいは他のポリエステルで希釈し
て公知の製膜方法、例えばポリエステルテップを270〜3
00℃でフィルム状に溶融押出し後、40〜70℃で冷却、固
化し無定形シートとし、次いで縦、横に逐次二軸延伸あ
るいは同時二軸延伸し160〜240℃で熱処理する等の方法
(例えば特開昭30−5639号公報記載の方法)を採用する
ことができる。
以上詳述したように、ある特定のエチレングリコール
単位を有する架橋高分子粒子を含有してなる本発明のポ
リエステル組成物は、例えばフィルムに形成し磁気テー
プ、フロッピーディスを始めとする磁気記録媒体の基
材、またコンデンサー用、写真製版用、電絶用、感熱転
写用、包装用、転写マーク用、金銀糸用等の種々の分野
の基材として極めて効果的に使用し得る。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお実施例及び比較例中「部」とあ
るは「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法は次の通りである。
エチレングリコール単位 架橋高分子粒子中のエチレングリコール単位とは−CH
2−CH2−O−を指し、その割合は下記式より求めた。
平均粒径 電子顕微鏡による写真法で約1000個の粒子の最大径を
測定し、平均粒径は最大径を直径とする球群の重量分布
を算出することにより求めた重量分率50%の点の直径で
表わした。
重量減少率 島津製作所製熱分析装置DT−20Bs型を用い、窒素ガス
流通下(200ml/min)室温より10℃/minの昇温速度で300
℃まで加熱し、300℃で30分間保持後の架橋高分子粒子
の重量減少率を下記式より求めた。
表面粗度(Ra) 中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。
(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い
て次のようにして求めた。即ち、フィルム断面曲線から
その中心線の方向に基準長さ(2.5mm)の部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線をx線、縦倍率の方向を
y軸として粗さ曲線y=f(x)で表わしたとき、次の
式で与えられた値を〔μm〕で表わす。中心線平均粗さ
は、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これ
らの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さ
の平均値で表わした。尚、触針の先端半径は2μm、荷
重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
走行性(μd) 第1図の装置により、固定した硬質クロムメッキ金属
ロール(直径6mm)にフィルムを巻きつけ角135゜(θ)
で接触させ、53g(T2)の荷重を一端にかけて、1m/min
の速度でこれを走行させ他端の抵抗力(T1(g)を測定
し、次式により走行中の摩擦係数(μd)を求めた。
耐摩耗性 第2図に示す走行系でフィルムを200mにわたって走行
させ、6mmφの硬質クロム製固定ピンに付着した摩耗白
粉量を目視評価し、下に示すランク別に評価を行なっ
た。尚、フィルム速度は10m/minとし、張力は約200g、
θ=135゜とした。
ランクA:全く付着しない ランクB:微量付着する ランクC:少量(ランクBよりは多い)付着する ランクD:極めて多く付着する 粗大突起数 フィルム表面にアルミニウムを蒸着し、干渉顕微鏡を
用い二光束法にて測定した。測定波長0.54μmで3次以
上の干渉縞を示す突起個数を25cm2測定して求めた。
親和性 粒子とポリマーとの親和性の程度を一定条件下での延
伸による空隙の発生の程度により評価した。即ち、厚さ
300μmの未配向フィルムを95℃で縦及び横方向に各々
3.5倍延伸しフィルム中での粒子の長軸と短軸の平均長
さと、粒子周辺に発生するボイドの長軸と短軸の平均長
さとの比を求めた。各粒子についてこの値の相加平均を
求め粒子とポリマーとの親和性の尺度とした。
この値が大きく1に近づく程、空隙の発生は少なく親
和性が良いことになる。なお延伸条件としては7000%/m
inを採用した。
実施例1 〔架橋高分子粒子の製造〕 脱塩水120部に水溶性重合開始剤の過硫酸カリウム0.3
2部と分散安定剤としてエマール0(ラウリル硫酸ナト
リウム:花王アトラス社製法)を0.0004部添加し均一に
溶解した後、エチレングリコールジメタクリレート7部
メチルメタクリレート2部ジビニルベンゼン1部の均一
溶液を加えた。
次に窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら70℃に昇温し、
70℃−6時間重合を行った。反応率は99%で得られた架
橋高分子粒子の粒径は0.3μmであった。
生成した架橋高分子粒子の水スラリーにエチレングリ
コール190部を加え、加熱、減圧下で水を留去した。得
られた架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリー中
の水分量は0.3重量%であった。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール6
0部及び酢酸マグネシウム四水塩0.09部を反応器にと
り、加熱昇温するとともにメタノールを留去してエステ
ル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃
に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に
平均粒径0.3μmの該架橋高分子粒子のエチレングリコ
ールスラリー2部を添加した後、エチルアシッドフォス
フェート0.04部と三酸化アンチモン0.035部を添加し4
時間重縮合を行い、極限粘度0.66のポリエチレンテレフ
タレートを得た。
得られたポリエステルを180℃窒素雰囲気下で6時間
乾燥後押出機により厚さ220μmのシートを製造し、つ
いで縦方向に3.7倍横方向に4.0倍延伸した。更に220℃
で5秒間熱固定を行って厚さ15μmの二軸延伸ポリエス
テルフィルムを得た。
実施例2 実施例1に於て架橋高分子粒子製造時のモノマー組成
をエチレングリコールジメタクリレート5部、メチルメ
タアクリレート4部、ジビニルベンゼン1部と変える他
は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得
た。
実施例3 実施例1に於て架橋高分子粒子製造時のモノマー組成
をエチレングリコールジメタアクリレート2部、スチレ
ン7部、ジビニルベンゼン1部に変更し平均粒径0.6μ
mの架橋高分子粒子を得、またスラリー添加量を1部に
変更する以外は実施例1と同様の方法でポリエステルフ
ィルムを得た。
実施例4 実施例3で製造した架橋高分子粒子のエチレングリコ
ールスラリーを2部添加した以外は実施例1と同様にし
てポリエステルフィルムを得た。
実施例5 実施例1に於て架橋高分子粒子製造時のモノマー組成
をエチレングリコールジメタアクリレート8部、メチル
メタアクリレート2部と変える他は実施例1と同様にし
てポリエステルフィルムを得た。
実施例6 実施例1に於て架橋高分子粒子製造時のモノマー組成
をエチレングリコールジメタアクリレート10部と変える
他は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得
た。
比較例1 実施例1に於て架橋高分子粒子製造時のモノマー組成
をメチルメタクリレート9部、ジビニルベンゼン1部と
変える他は実施例1と同様にしてポリエステルフィルム
を得た。
比較例2 実施例1に於て架橋高分子粒子製造時のモノマー組成
をスチレン9部、ジビニルベンゼン1部と変える他は実
施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
比較例3 実施例1に於て架橋高分子粒子のエチレングリコール
スラリーの代りに10重量%に調製した平均粒径0.6μm
のカオリン粒子のエチレングリコールスラリー3部を添
加する他は実施例1と同様の方法でポリエステルフィル
ムを得た。
比較例4 実施例1に於て架橋高分子粒子のエチレングリコール
スラリーの代りに10重量%に調製した平均粒径0.6μm
の炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリー3
部を添加する他は実施例1と同様の方法でポリエステル
フィルムを得た。
比較例5 実施例1に於て架橋高分子粒子のエチレングリコール
スラリーの代りに10重量%に調製した平均粒径0.3μm
の酸化チタン粒子のエチレングリコールスラリー3部を
添加する他は実施例1と同様にしてポリエステルフィル
ムを得た。
以上得られた結果をまとめて表1に示す。
表1の結果から明らかなように特定粒径、特定量のエ
チレングリコール単位を有する架橋高分子粒子を含有し
てなる本発明のポリエステル組成物から得られるフィル
ムは粗大粒子が極めて少なく、該粒子の分散性及びポリ
エステルとの親和性も極めて良好である。更にフィルム
の重要な特性である走行性及び耐摩耗性においても優れ
ている。
一方、エチレングリコール単位を全く含まない比較例
1〜2の架橋高分子粒子は二次凝集が激しく分散性に極
めて劣りフィルム化困難でありその品質も許容し得ない
レベルであった。また、比較例3〜5のようにカオリン
炭酸カルシウム、酸化チタン等の不活性無機粒子を添加
した場合は、走行性は優れているものの粗大粒子の増加
及び耐摩耗性の低下は避けられない。
〔発明の効果〕
以上詳述したように特定の製造法で製造されたエチレ
ングリコールユニットを有する特定粒径の架橋高分子粒
子を特性量含有してなる本発明のポリエステル組成物は
例えばフィルムとした際、該架橋高分子粒子の有する、
粗大粒子が少ない、その形状はほぼ球状で粒径が揃
っている、エチレングリコールユニットを有すること
によりポリエステルとの親和性が良好、という優れた特
徴により各種のフィルム用途に賞用される他、その透明
性を生かしいわゆるボトル用の添加剤としても利用し得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は金属との動摩擦係数を評価する走行系を示し、
(I)は6mmφの硬質クロムメッキ固定ピン(II)は入
り口テンションメーター、(III)は出口テンションメ
ーターを示し、θは135゜である。 第2図は耐摩耗性を評価する走行系を示し、(IV)は6m
mφの硬質クロム製の固定ピン、(V)はテンションメ
ーターを示し、θは135゜である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椚原 一弘 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダイアホイル株式会社中央研究所内 (72)発明者 小見山 恵 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダイアホイル株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−22021(JP,A) 特開 昭63−178144(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレングリコール単位を3〜38重量%含
    有し、体積形状係数が0.3〜π/6、粒度分布のシャープ
    さ(r値)が2.0以下、300℃で30分間処理後の重量減少
    率が30重量%以下であり、かつ平均粒径が0.01〜2μm
    の範囲にある架橋高分子粒子を0.005〜1重量%含有す
    ることを特徴とするポリエステル組成物。
JP63309440A 1988-12-07 1988-12-07 ポリエステル組成物 Expired - Lifetime JP2860331B2 (ja)

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