JP3120651B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面平坦性および耐摩
耗性に優れた積層ポリエステルフィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエステル、例えばポリエチレ
ンテレフタレートは、優れた力学特性、化学特性を有し
ており、フィルム、繊維等の成形品として広く用いられ
ている。そして、ポリエステル成形品に加工して使用す
る際には、その滑り性、表面平坦性や耐摩耗性が、製造
工程、各種用途における加工工程での作業性に大きな影
響を及ぼす。例えば磁気テープのベースフィルムとして
使用する場合、これらの特性が不足すると、磁気テープ
製造工程においてコーティングロールとフィルムとの間
の摩擦が大きくなり、フィルムにしわや擦り傷が生じた
りする。また、フィルムの摩耗粉が発生しやすくなり、
磁性層を塗布する工程で塗布抜けが生じ、その結果磁気
記録の抜け(ドロップアウト)等を引き起こす原因とな
る。また磁気テープとして使用する場合においても、記
録再生時のVTRデッキ内の各種ガイドピンとの接触走
行により摩耗粉が発生しドロップアウトを引き起こす。
【0003】従来、フィルムの滑り性を向上させる方法
として、二酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素
などの無機粒子をポリエステル中に含有させることが数
多く提案されている。しかし、一般にこれらの粒子は硬
く、かつポリエステルとの親和性が低いため、また場合
によってはポリマ中で凝集粒子を形成するため、フィル
ム製造工程あるいは記録再生時の接触走行にかかる外力
によって脱落しやすく、滑り性の悪化や上記ドロップア
ウトを生じやすかったり、凝集粒子を核とした粗大突起
のために電磁変換特性を悪化させる場合がある。
【0004】粒子とポリエステルの親和性を改良するた
めの手法としては、無機粒子の表面処理、有機高分子か
らなる有機粒子の使用などが提案されている。無機粒子
の表面処理としては、例えば特開昭63−128031
号公報にポリアクリル酸系ポリマによる表面処理、特開
昭62−235353号公報、特開昭63−23403
9号公報にリン化合物による表面処理、特開昭62−2
23239号公報、特開昭63−312345号公報に
カップリング剤による表面処理、特開昭63−3040
38号公報にシラン化合物による表面処理、特開昭63
−280763号公報にグリコールによるグラフト化で
の表面処理がそれぞれ提案されているが、これらの方法
を採用しても十分な親和性を得ることは難しく、耐摩耗
性は十分でない。また、有機粒子としては、特公昭63
−45409号公報、特開昭59−217755号公
報、特開平2−189359号公報に、架橋高分子微粒
子が提案されているが、単に有機高分子からなる粒子を
採用しても耐摩耗性は十分でなかったり、凝集粒子が多
く発生する場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来技術を解消し、積層ポリエステルフィルムにした時の
表面の平坦性および耐摩耗性を大幅に改良することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、少なくとも2種類以上の粒子を含有し、その中の
なくとも1種がビスヒドロキシエチルテレフタレートに
対する湿潤熱が500mJ/m2 以上であって、平均一
次粒子径が0.1μm〜1.0μmである粒子を0.0
5〜5重量%含有する層を少なくとも1層有してなる
とを特徴とする積層ポリエステルフィルムによって達成
される。
【0007】本発明において用いられるポリエステル
は、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とするジカルボ
ン酸およびそのエステル形成性誘導体とグリコールから
製造される。
【0008】本発明における芳香族ジカルボン酸として
は、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸などを挙
げることができ、グリコール成分としては、例えばエチ
レングリコール、ブタンジオール、テトラメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコールなどの脂肪族グリコ
ール、あるいはシクロヘキサンジメタノールなどの脂環
族ジオールなどを挙げることができる。
【0009】本発明におけるポリエステルとしては、例
えばアルキレンテレフタレートまたはアルキレンナフタ
レートを主たる構成成分とするものが好ましい。また、
これらのポリエステルは、ホモポリエステルであっても
コポリエステルであってもよい。共重合成分の例として
はアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸
などの脂環式ジカルボン酸、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸などが挙げられる。特にスルホン酸基またはそ
の金属塩を有する化合物を0.1〜5重量%、好ましく
は0.1〜3重量%共重合すると含有する不活性粒子の
分散性が向上するので好ましい。
【0010】一般に湿潤熱とは固体を媒体中(液中)に
浸漬した際に固体表面の消失と同時に生じる固−液界面
の生成に伴うエネルギ変化であって、通常発熱現象とし
て現われる。本発明における湿潤熱は粒子を120℃で
溶融状態に保持したビスヒドロキシエチルテレフタレー
トに浸漬した時に発生する熱量である。従って一般的に
は粒子表面の媒体に対する濡れ性が良いほど新しく生成
される固−液界面は低エネルギ状態になるため発熱量が
高くなると推定される。
【0011】本発明における粒子は湿潤熱が500mJ
/m2 以上であることが必要である。500mJ/m2
未満であるとフィルム等にした時の耐摩耗性が不十分と
なり好ましくない。湿潤熱が600mJ/m2 以上であ
ると特に好ましい。
【0012】本発明における湿潤熱が500mJ/m2
以上の粒子としては、その湿潤熱が本発明で規定する範
囲にあるものであれば無機粒子であっても有機粒子であ
ってもかまわない。具体的には無機粒子としては酸化ア
ルミニウム粒子が挙げられるが、これは該粒子の表面活
性が高いために浸漬媒との濡れ性が良好となるためと推
定される。一方、有機高分子からなるいわゆる有機粒子
は本発明におけるポリエステルとの濡れ性に優れること
が推定される。有機粒子としてはシリコーンやポリイミ
ド等、種々の耐熱性高分子からなる粒子が知られている
が、本発明における湿潤熱の条件を満たす粒子としては
ジビニルベンゼンおよび/またはエチレングリコールジ
メタクリレートを10wt%以上含有する架橋高分子粒
子が挙げられる。該粒子が本発明で規定する高い湿潤熱
を示すのは、粒子を構成する成分としてマトリックスで
あるポリエステルと類似の組成を有しているためと推定
される。ジビニルベンゼンおよび/またはエチレングリ
コールジメタクリレートと共重合させる他の成分として
はスチレン、エチルビニルベンゼン、メチルメタクリレ
ート等が挙げられるがとくに限定されない。
【0013】架橋高分子粒子の場合は、粒子を構成する
全有機成分に対して式(1)で定義される架橋度が30
重量%以上、好ましくは50重量%以上であると、粒子
の耐熱性が良好となる。 架橋度=(原料モノマ中の架橋成分の重量)/(原料モノマの全重量) ×100(%) …(1)
【0014】架橋高分子粒子の場合の耐熱性に関して
は、熱天秤による熱分解温度(窒素気流中、10%減量
温度)が350℃以上であると、ポリエステル組成物製
造時、溶融成形時あるいは回収再利用時の粒子凝集が少
ないため好ましく、さらに好ましくは360℃以上、特
に好ましくは370℃以上である。
【0015】本発明における粒子の平均一次粒子径は
0.1μm以上1.0μm以下であることが必要であ
る。0.1μm未満では、フィルム等にした場合に滑り
性が不十分となり、また1.0μmを越える場合にはフ
ィルム表面に粗大突起をつくるため好ましくない。
【0016】本発明のポリエステル組成物における粒子
の含有量は0.05重量%以上5重量%以下である。
0.05重量%未満では、フィルム等にした場合に滑り
性が不十分となり、また5重量%を越える場合には粒子
同志の凝集が生じやすくフィルム表面に粗大突起をつく
るため好ましくない。
【0017】不活性粒子をポリエステルへ含有せしめる
ための添加方法、添加時期については、従来公知の方
法、例えば粉体やグリコールスラリーの形態でポリエス
テルの反応系に添加する方法や、粉体や低沸点溶媒を用
いたスラリーの形態でポリエステルに練り込む方法をと
ることが可能である。有機粒子の場合には該粒子の水お
よび/または沸点200℃以下の有機化合物スラリーの
形態でポリエステルに練り込む方法が粒子の分散性が良
好となり好ましい。この際には脱気のためのベント式成
形機を用いるとさらに好ましい。
【0018】また、不活性粒子のスラリーには、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリ
ウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
ステアレートなどのノニオン系界面活性剤、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチ
ルセルロースなどの保護剤を添加すると粒子分散性がよ
り良好となり好ましい。保護剤の不活性粒子に対する量
としては0.01〜10重量%が好ましく、より好まし
くは0.1〜5重量%である。
【0019】さらに、不活性粒子の水および/または沸
点200℃以下の有機化合物スラリー濃度は特に制限さ
れないが、ポリマに対して水および/または沸点200
℃以下の有機化合物の添加量は2重量%以上30重量%
以下がポリマ中の分散性が良好で、またポリマの極限粘
度が低下しないので好ましい。より好ましくは2重量%
以上20重量%以下である。
【0020】本発明の不活性粒子の形態としては、体積
形状係数が0.35〜0.52のものが易滑性が良好と
なり好ましい。〔ただし、体積形状係数fは式(2)で
表される。 f=V/D3 … (2) ここでVは粒子体積(μm3 )、Dは粒子の投影面にお
ける最大径(μm)〕
【0021】架橋高分子粒子の場合、ポリエステルとの
親和性および分散性をともに向上させる目的で、メタク
リル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウムなどの比較的
ポリエステルに対し反応性の低い、あるいは非反応性の
もので表面処理を行なうことが好ましい。この表面処理
の方法には特に限定はないが、粒子の耐熱性の点から一
度母体となる架橋高分子粒子を製造し、その後、表面処
理剤を添加して表面に吸着または反応させるなどの方法
を挙げることができる。例えば、母体粒子がスチレン−
エチルビニルベンゼン−ブチルアクリレートージビニル
ベンゼン共重合体粒子の場合、粒子製造後、スチレン、
アクリル酸を添加し、一部重合させた後、系内をアルカ
リ側にすることで粒子表面にメタクリル酸Naによる−
COONa基を導入することができる。この表面処理剤
の量は、母体粒子100重量部に対して0.01〜50
0重量部、より好ましくは0.1〜300重量部であ
る。
【0022】さら本発明のポリエステルには、ポリエス
テルの製造時に通常触媒として使用されるリチウム、ナ
トリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン等の金属化合
物、着色防止剤としてのリン化合物などを含有しても良
い。
【0023】また本発明の粒子以外に本発明の目的を阻
害しない範囲内で、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウムなどの無
機粒子または、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の
少なくとも一種とリンを構成成分の一部とするポリエス
テル重合反応系内で析出してくる粒子すなわち内部粒子
などの粒子等を含有していてもよい。
【0024】無機粒子または内部粒子と本発明の粒子を
含有した組成物を製造する方法としては、例えばポリエ
ステルの反応系にこれらの両者を添加する方法をとって
も構わないし、別々にポリマーに配合したマスタチップ
を再度ブレンドし、溶融混練する方法をとっても構わな
い。
【0025】本発明のポリエステル組成物をフィルムと
して用いる場合には、単層、積層どちらのフィルムにも
適用できるが、表面平坦性の点からは、本発明のポリエ
ステル組成物からなるフィルムを少なくとも1層に配置
してなる積層しているフィルムが好ましい。また、本発
明のポリエステル組成物からなる積層フィルムが3層以
上の構造であると、耐摩耗性の点からより好ましく、本
発明のポリエステル組成物からなるフィルムが、3層構
造からなる積層フィルムの少なくとも1つの最外層であ
ることが好ましい。本発明の粒子以外の粒子を含有する
場合、該併用粒子は本発明の粒子と同じ層に含有されて
いてもよい。
【0026】また、耐摩耗性の点から特に好ましいの
は、本発明の粒子粒子を含有する層が最表層に含有さ
れ、そのフィルム層厚さtと、該粒子の粒径dの関係
が、0.2d≦t≦10d、好ましくは0.5d≦t≦
5d、さらに好ましくは0.5d≦t≦3dの場合であ
って、その最外層の厚さが0.005〜1μm好ましく
は0.01〜0.5μm、さらに好ましくは0.02〜
0.3μmの場合である。またこのポリエステルフィル
ムは、耐摩耗性の点から、少なくとも片面の突起個数が
2×103 〜5×105 個/mm2 であることが好まし
い。少なくとも片面の突起個数は、好ましくは3×10
3 〜4×105 個/mm2 、より好ましくは5×103
〜3×105 個/mm2 である。
【0027】本発明の粒子を含有する層が最外層の場
合、該層表面は中心線平均粗さ(Ra)と最大粗さすな
わち粗さ曲線の最大の山と最深の谷の距離(Rt)の比
Rt/Raが15以下であると表面の平坦性に優れ好ま
しく、特には10以下が好ましい。
【0028】次に上記のフィルムの製造方法を説明す
る。本発明における粒子および必要に応じて他の粒子を
所定量含有するペレットを乾燥したのち、公知の溶融押
出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フィルムを作る。積層フィルムの場合には、2または3
台の押出し機、2または3層のマニホールドまたは合流
ブロックを用いて、溶融状態のポリエステルを積層す
る。この場合、凝集粒子を含有する流路に、スタティッ
クミキサー、ギヤポンプを設置する方法を用いてもよ
い。
【0029】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、縦延
伸温度80℃〜150℃、総縦延伸倍率3.0〜5.5
倍、縦延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が
好ましい。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる
方法が好ましく、延伸温度は80〜160℃、幅方向延
伸倍率は縦倍率より大きく3.5〜6.5倍、幅方向の
延伸速度は1000〜20000%/分の範囲が好まし
い。
【0030】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜200℃、特に170〜1
90℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0031】
【実施例】以下本発明のを実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の物性は次のように測定し
た。
【0032】(1)粒子の平均一次粒子径 粒子をポリエステルに配合せしめ、フィルム断面を0.
1μm厚みの超薄切片にカッティング後、2万倍以上の
倍率で透過型電子顕微鏡で観察し、一次粒子のの粒子径
について粒子1000個の面積平均径(μm)で評価し
た。
【0033】(2)フィルムの表面平坦性 JISB−0601に準じサーフコム表面粗さ計を用
い、針径2μm、荷重70mg、測定基準長0.25m
m、カットオフ0.08mmの条件下で中心線平均粗さ
(Ra)および最大粗さすなわち粗さ曲線の最大の山と
最深の谷の距離(Rt)を測定し、その比Rt/Raを
求め表面平坦性の指標とした。
【0034】(3)積層フィルムの積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまでの厚さ方向の分析を行なう。表層で
は表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざ
かるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明のフィルムの
場合は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始め
る。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の
1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも
深い)を求め、これを積層厚みとした。条件は次の通り
である。
【0035】測定装置 2次イオン質分析装置(SIMS)独、ATOMIKA
社製A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 O2 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスター領域 400μm□ 分析領域 ゲート30% 測定真空度 6.0×10- 9 Tor
r E−GUN 0.5kV−3.0A
【0036】なお、表層から深さ3000nmの範囲に
最も多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合は、SI
MSでは測定が難しいので、表層からエッチングしなが
らXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)な
どで上記同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを
求めても良いし、また、電子顕微鏡等による断面観察で
粒子濃度の変化状態やポリマの違いによるコントラスト
の差から界面を認識し積層厚みを求めることもできる。
さらに積層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積
層厚みを求めることもできる。
【0037】(4)耐摩耗性 フィルム幅1/2インチのテープ状にスリットしたもの
をテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度10
00m/分、走行回数15パス、巻き付け角:60°、
走行張力:60g)。この時、フィルムに入った傷を顕
微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あたり
2本未満はA級、2本以上3本未満はB級、3本以上1
0本未満はC級、10本以上はD級とした。B級以上を
合格とした。
【0038】(5)粒子の湿潤熱 120℃で溶解、保持した1量体ビスヒドロキシエチル
テレフタレートに測定対象とする粒子を添加し、発生す
る熱量から算出した。
【0039】実施例1 固有粘度0.660のポリエチレンテレフタレートチッ
プをベントタイプ二軸押出機を使用して該ポリマーチッ
プを溶融状態とし、ここへ湿潤熱が600mJ/m2
あるメタクリル酸Naにより表面処理したエチルビニル
ベンゼン/ジビニルベンゼン共重合体粒子の20重量%
水スラリーを添加し、粒子濃度0.5重量%のポリエチ
レンテレフタレート(I)を得た。混練時はベントロを
10Torrの真空度に保持し、樹脂温度を280℃と
した。
【0040】一方、テレフタル酸ジメチル100重量
部、エチレングリコール70重量部、エステル交換反応
触媒として酢酸マグネシウム0.05重量部、重合触媒
として三酸化アンチモン0.04重量部、耐熱安定剤と
してトリメチルホスフェート0.03重量部を用いて、
通常の方法で極限粘度0.650のポリエチレンテレフ
タレート(II)を得た。
【0041】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、各層の厚さを
調節した。
【0042】この未延伸フィルムを温度85℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロール
周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルムを
ステンタを用いて延伸速度2000%/分で95℃で幅
方向に5.5倍延伸し、定長下で、190℃にて3秒間
熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向積層フィルムを得
た。得られたフィルムの切片を用いて測定した粒子の一
次粒子径は0.6μmであった。このフィルムの特性は
表1に示したとおりであり、Rt/Raは13で表面平
坦性および耐摩耗性ともに良好であった。
【0043】較例1〜比較例 実施例1と同様にして、粒子の組成、一次粒子径、添加
量、および該粒子以外の粒子の種類、粒径、添加量など
を変更したフィルムを得た。また、積層厚みの変更をお
こなったり、単層フィルムを作成した。表1に示すよう
に本発明範囲のポリエステル組成物を用いたフィルムは
表面平坦性および耐摩耗性が良好であるが、そうでない
ものは耐摩耗性が不十分であった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物は、ビスヒ
ドロキシエチルテレフタレートに対する湿潤熱が特定の
値にある不活性粒子を含有するため、フィルムなどの成
型品とした場合などに表面平坦性が良好で耐摩耗性に優
れた効果を発揮するため磁気記録媒体用途などに好適に
使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−210358(JP,A) 特開 昭63−105059(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08L 67/00 - 67/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2種類以上の粒子を含有し、そ
    の中の少なくとも1種がビスヒドロキシエチルテレフタ
    レートに対する湿潤熱が500mJ/m2 以上であっ
    て、平均一次粒子径が0.1μm〜1.0μmである粒
    子を0.05〜5重量%含有する層を少なくとも1層有
    してなることを特徴とする積層ポリエステルフ ィルム
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