JP2516612B2 - 二軸延伸ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフイルム

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JP2516612B2
JP2516612B2 JP62030393A JP3039387A JP2516612B2 JP 2516612 B2 JP2516612 B2 JP 2516612B2 JP 62030393 A JP62030393 A JP 62030393A JP 3039387 A JP3039387 A JP 3039387A JP 2516612 B2 JP2516612 B2 JP 2516612B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリエステルフイルムに関する。
更に詳しくは、特に耐摩耗性に優れ、かつドロツプア
ウトの極めて少ない磁気テープ用ベースフイルムとして
用いるに適した二軸延伸ポリエステルフイルムに関す
る。
(従来の技術と発明が解決しようとする問題点) 今日使用されているポリエステルフイルムは各用途に
よりその要求特性が異なり、例えば近年生産量の伸びが
著しい磁気テープ用のベースフイルムについては、特に
耐摩耗性に優れ、かつドロツプアウトの原因となる表面
の粗大突起が少ないことが要求される。
該耐摩耗性は、磁性層塗布前後のいずれの工程におい
ても必要な特性で、ポリエステルフイルムとロール間あ
るいはガイド部における摩擦、摩耗による白粉状物質の
生成を極力抑える必要がある。
また、製品となつた磁気テープフイルムは、繰り返し
走行や急停止、急発進等の苛酷な条件にさらされるが、
この場合フイルムの耐摩耗性が悪いとはやりフイルムと
基材との間の摩擦により白粉状物質が生成することがあ
る。
この白粉状物質の生成はいわゆるドロツプアウト、即
ち磁気テープ用フイルムとしては、致命的欠陥である音
声や画像等の信号の欠落を引き起こしてしまう。
フイルムの耐摩耗性を改良するためには、ポリエステ
ルフイルム中にポリエステルに対し不活性な微粒子を存
在させフイルムを適度に粗せば良いことが知られてい
る。
また、磁気テープ用ベースフイルムとしては耐摩耗性
の良いことの他に特に滑り性の良いこと及び製品とした
時ドロツプアウトの少ないことが要求される。
本発明者らは先に他摩耗性をはじめとするこれらの諸
特性を効果的に改良する方法を特公昭55−40929号公報
及び特開昭57−208213号公報記載の方法において提案し
た。
これらの方法はポリエステルフイルム中にポリエステ
ルに対し複数の不活性な粒子を存在させるものである
が、近年ベースフイルムには従来にも増して優れた特性
が要求されるようになり、これらを満足するためには更
に高度な品質改良が必要とされるようになつた。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等はこれまで達成し得なかつた極めて優れた
耐摩耗性を有し、しかも滑り性を十分に満足し、かつド
ロツプアウトの少ない磁気テープ用ポリエステルベース
フイルムを提供すべく鋭意研究を行つた結果、本発明に
到達したものである。
即ち、本発明の要旨は、反応系で析出させたポリエス
テルに対して不活性である、カルシウムおよびリン化
合物からなる粒子、カルシウム、マグネシウムおよび
リン化合物からなる粒子、またはカルシウム、リチウ
ムおよびリン化合物からなる粒子を0.05〜1.0重量%、
および体積形状係数が下記式(1)を満足する、平均粒
径が0.1〜5μであつて平均粒径からの偏差が5%以下
であり、アルコキシシラン化合物を出発原料とする単分
散のシリカ微粒子を0.001〜5重量%含有させたことを
特徴とする二軸延伸ポリエステルフイルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては反応系で析出させたポリエステルに
対して不活性な粒子を0.05〜1.0重量%含有させること
が必要がある。該不活性粒子の含有量が0.05重量%より
少ないと表面粗度が低すぎて、滑り性が悪化するため好
ましくない。逆に1.0重量%より多いと表面粗度が粗す
ぎて磁気テープとしたときの電気特性が低下するため好
ましくない。又、該不活性粒子と組み合わせて体積形状
係数が前記式(1)を満足する平均粒径0.1〜5.0μであ
つて平均粒径からの偏差が5%以下である単分散の球状
のシリカ微粒子を0.001〜5重量%含有させることが必
要である。
該シリカ微粒子の平均粒径が0.1μより小さいとシリ
カ微粒子が凝集し、テープ化した際に粗大突起となるた
め好ましくない。逆に5μより大きいとテープ化した際
に粗大突起となるため好ましくない。又、含有量が0.00
1重量%より少ないと耐摩耗性の改良効果が見られない
ため好ましくない。逆に、5重量%より多いと表面粗度
が粗くなり電気特性の低下及びドロツプアウトの原因と
なるため好ましくない。
また、反応系で析出させた不活性な粒子は、カルシ
ウムおよびリン化合物からなる粒子、カルシウム、マ
グネシウムおよびリン化合物からなる粒子、またはカ
ルシウム、リチウムおよびリン化合物からなる粒子であ
り、本発明において特に好ましいのは、カルシウム、リ
チウム及びリン化合物からなるものであり、さらに各々
が該析出粒子に対して1.0重量%以上含有されているも
のである。これはフイルム表面の微細な凹凸の形成に関
わることであり、後で詳細に述べる。
さらに、フイルム表面を二光束干渉法にて測定した場
合のn次の干渉縞の個数をHn〔個/cm2〕とするとき、下
記式(2)及び(3)を同時に満足する場合は、耐摩耗
性に優れなおかつドロツプアウト数が極めて少なくな
り、極めて高品質のベースフイルムを得ることができる
ため好ましい。
ΣHn≦20、n≧3 ………(2) 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの特徴は該フ
イルム表面に凹凸を発現させる粒子の構成にある。
従来ポリエステルフイルムの表面粗度をコントロール
するためにフイルム中にポリエステルに対し不活性な微
粒子を存在させる方法、例えば、いわゆる粒子添加法及
び粒子析出法が知られているが、本発明においては後者
の粒子析出法が採用される。
粒子添加法とはカオリン、タルク、炭酸カルシウム、
燐酸カルシウム等を一定粒度になるように粉砕、分級し
た後ポリエステル反応系、成型時に添加するものであ
る。
また粒子析出法とはエチレングリコールやポリエステ
ルオリゴマーに可溶なカルシウム化合物やリチウム化合
物等の金属化合物をリン化合物の存在下、あるいは非存
在下でポリエステル形成反応中に微細な化合物として析
出させるものである。もちろんこれらの金属化合物はエ
ステル交換反応初期に添加する場合は触媒としての働き
を兼ねさせることもできる。
粒子添加法と粒子析出法を比較した場合、粒子析出法
を採用した法が比較的容易にフイルム表面に微細な凹凸
を数多く与えることができ、ドロツプアウト特性を損ね
ることなく滑り性の改良を行なうことができる。本発明
における粒子析出法では、特に添加する金属化合物に対
しほぼ当量以上のリン化合物を存在させてリン酸もしく
は亜リン酸塩誘導体の微粒子として析出させることが好
ましい。何故ならば、この場合ポリエステルオリゴマー
の金属塩誘導体の微粒子と異なり、概してポリエステル
との親和性が良いので延伸した際該粒子周辺に発生する
空隙が小さく、従つて磁気テープ用ベースフイルムとし
ては好ましくない現象である粒子周辺のなだらかな広が
りが少なくなるからである。
本発明においては、上記の金属化合物としてカルシウ
ムとリチウムを併用し、さらにリン化合物の存在下に粒
子を析出させ、析出粒子に対してカルシウム、リチウム
及びリン元素が各々1.0重量%以上含有されることが特
に好ましい。この場合、フイルム表面に急峻でかつ均一
な微細突起を多数形成させることができ、滑り性の改良
効果が極めて大きくなる。
上記のような析出粒子によつて、ドロツプアウト特性
を損なうことなく、滑り性を改良することが可能である
が、耐摩耗性については必らずしも満足されるものでは
ない。
この耐摩耗性の改良について鋭意検討した結果、粒子
析出法によりフイルム表面に形成させた微細な凹凸より
も大きな凹凸を与えるような粒子を新たに添加すれば耐
摩耗性が改良されるとが明らかになつた。そこで添加粒
子として種々の粒子を検討したが、ほとんどの場合耐摩
耗性とドロツプアウト特性の両者を満足することが困難
であつた。即ち、耐摩耗性改良のために添加した粒子中
の粗大粒子あるいは凝集体が原因となつた粗大突起がフ
イルム表面に発現してドロツプアウトを著しく増加させ
るためである。なお、ここでいうフイルム表面上の粗大
突起とは、既述した二光束干渉法により測定した場合に
3次以上の干渉縞となる突起のことを指す。
そこで添加粒子の選定について鋭意検討した結果、特
定の条件を満足するシリカ微粒子が他の粒子には見られ
ない極めて優れた特性を与えることが判明した。
即ち、本発明においては析出粒子及び添加粒子を含む
ポリエステルを原料として二軸延伸フイルムを得るが、
この場合、添加粒子として、体積形状係数が下記式
(1)を満足する平均粒径0.1〜5μの単分散の球状シ
リカ微粒子を用いるという特殊な組み合わせを採用する
ことにより初めて優れた耐摩耗性とドロツプアウトが少
ないという二点を同時に、かつ高度に満足するフイルム
を得ることができる。
体積形状係数とは粒子の球状の程度を表わすもので、
π/6に近づく程球状に近い。(完全球状のときπ/6とな
る) また、ここでいう単分散の程度とは、平均粒子径に対
する個々の粒子の粒径の偏差が5%以下であるものとす
る。
なお、シリカ微粒子の粒径は粒子のSEM(走査型電子
顕微鏡)観察より求めた値を示す。
この球状のシリカ微粒子は従来のシリカ粒子と異な
り、以下に述べるような特殊な方法によりはじめて製造
が可能となつたものである。
即ち、アルコキシシランを出発原料としてアミン系触
媒を用いた加水分解反応及び縮合反応によつて製造され
る。
アルコキシシラン化合物としては、一般式(CnH
2n+1O)4Si(n=1〜8)で表わされる化合物、具体的
にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン等の化合物が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、トリメチルアミ
ン、テトラエチルアンモニウム、尿素等を用いることが
できるが、特に好ましくはアンモニウム水溶液が用いら
れる。
上記のアルコキシシラン化合物にアミン系触媒を加え
て加水分解及び縮合反応を行なわせることによりシリカ
微粒子の沈殿物が生成される。反応終了後の懸濁液にエ
チレングリコールを添加した後蒸留を行ない、水分等を
除去すると、シリカ微粒子のエチレングリコール分散体
が得られる。
本発明において用いたシリカ微粒子は他の添加粒子と
比較して、実用的には以下のように有利な点を有してい
る。
上記式(1)を満足する体積形状係数を有するほぼ
完全な球状の単分散の粒子であるため、異常に粒径ある
いは形状の異なる粗大粒子が存在しない。
粒子分散耐(分散媒体の例としては水あるいはエチ
レングリコール等)中で個々の粒子は安定しており、粒
子相互の凝集は見られない。
この球状のシリカ粒子以外の粒子を添加したフイルム
は、添加粒子中の粗大粒子ならびに粒子の凝集体が原因
となつた粗大突起がフイルム表面に形成され、この粗大
突起がドロツプアウトの原因となつた。
また、この粗大突起は、フイルムと基材の間の摩擦に
より、容易に削れ、むしろ耐摩耗性を悪化させる傾向を
示した場合もあつた。
これに対して、上記した特徴を有する球状のシリカ微
粒子を添加した本発明のフイルムの場合は、耐摩耗性の
一層の改良のために、添加するシリカ微粒子の粒径を大
きくしたりあるいは添加量を増加させてもフイルム表面
の粗大突起数が極めて少ない。従つて耐摩耗性とドロツ
プアウト特性の両者を同時にかつ高度に改良することが
可能である。
また、フイルム表面に形成される突起を詳細に観察す
ると、他の添加粒子の場合と比較してかなり急峻な突起
となつており、このため耐摩耗性改良効果が極めて大き
いものと考えられる。
次に、本発明に用いるに特に適した析出粒子を含むポ
リエステルの製造法の例について以下により詳しく説明
する。
即ち、かかる粒子を含むポリエステルは例えばエステ
ル交換反応をリチウム化合物及びカルシウム化合物の存
在下行ない、エステル交換反応終了後、リン酸、亜リン
酸もしくはこれらのアルキルエステルまたはアリールエ
ステルから成る群から選ばれた化合物の一種以上をこれ
ら金属化合物の合計量に対し0.6〜3倍当量添加し、引
き続き重縮合反応を行なうことにより得ることができ
る。
この場合用いるリチウム化合物としてはエステル化も
しくはエステル交換反応生成物に溶解するものなら良
く、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸の如き脂肪族カル
ボン酸の塩、安息香酸、p−メチル安息香酸の如き芳香
族カルボン酸の塩、更にエチレングリコール、プロピレ
ングリコール等のリチウムグリコラートを挙げることが
できる。
この中でも脂肪族カルボン酸リチウム、就中酢酸リチ
ウムが好ましい。またその量は芳香族ジカルボン酸成分
に対し0.03〜0.4モル%、特に0.1〜0.3モル%が好まし
く用いられる。
またカルシウム化合物としては、やはりエステル化も
しくはエステル交換反応生成物に溶解するものなら特に
制限は無く、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸の如き脂
肪族カルボン酸の塩、安息香酸、p−メチル安息香酸の
如き芳香族カルボン酸の塩、更にエチレングリコール、
プロピレングリコール等のカルシウムグリコラートを挙
げることができる。この中でも脂肪族カルボン酸カルシ
ウム、特に酢酸カルシウムが好ましく用いられる。
また該カルシウム化合物の量は芳香族ジカルボン酸成
分に対し0.05〜0.3モル%、特に0.08〜0.15モル%が好
ましく用いられる。
リン化合物としては上述の金属化合物と反応してその
一部または全部をリン酸塩または亜リン酸塩の誘導体に
転化できるものならば如何なる化合物でも良いが、特に
リン酸、リン酸のトリアルキルエステル、リン酸の部分
アルキルエステル、亜リン酸、亜リン酸のトリアルキル
エステル及び亜リン酸の部分アルキルエステルが好まし
く用いられる。
これらリン化合物の添加量は該金属化合物の合計量に
対し0.6〜3倍当量、好ましくは0.8〜2倍当量、更に好
ましくは0.9〜1.5倍当量用いられる。
なおここで金属化合物に対するリン化合物の当量比は
以下の式 (式中P,Ca及びLiはそれぞれリン化合物、カルシウム化
合物及びリチウム化合物のモル数を示す。) で表わされる。
以上のように金属化合物及びリン化合物を併用するこ
とにより、粒子中に使用した金属元素及びリン元素を含
有する析出粒子が得られる。もちろんリチウム化合物ま
たはカルシウム化合物の一部または全部をエステル交換
反応終了後に添加することにしても良い。
本発明の目的を達成するためにはこのポリエステル中
に析出したリチウム、カルシウム及びリン元素を含む粒
子の使用量はポリエステルフイルムに対し0.05〜1.0重
量%、好ましくは0.05〜0.4重量%、より好ましくは0.0
6〜0.18重量%の範囲から選択される。なおこの場合析
出粒子の定量は次のようにして行う。
(ポリエステルフイルム中の析出粒子の定量:ポリエス
テル100gにo−クロロフエノール1.0を加え120℃で3
時間加熱した後ベツクマン製超遠心機L3−50を用い30,0
00rpmで40分間遠心分離を行い、得られら粒子を100℃で
真空乾燥する。該粒子を走査型差動熱量計にて測定した
時、ポリマーに相当する融解ピークが認められる場合に
は該粒子にo−クロロフエノールを加え加熱冷却後再び
遠心分離操作を行う。融解ピークが認められなくなつた
時該粒子を析出粒子としポリエステルに対する重量比を
算出する。) なお、本発明の二軸遠心ポリエステルフイルムを構成
するポリエステルは主たる繰り返し単位、即ち少くとも
80モル%がエチレンテレフタレートであるポリエステル
であり、他の構成成分として20モル%未満のジカルボン
酸成分、グリコール成分あるいはオキシカルボン酸成分
などが含まれていても良い。
球状のシリカ微粒子を始めとする添加粒子はポリエス
テルの重縮合反応前、反応中または反応後に添加するこ
とができるが、特に重縮合反応前エチレングリコールス
ラリーとしてよく分散させた状態で添加するのが良い。
この場合必要に応じ高速撹拌あるいは超音波分散等を行
なうことにより効果的な分散が可能となる。
二軸延伸ポリエステルフイルムはポリエステルを常法
で溶融押出しを行なつた後、逐次または同時二軸延伸を
行ない更に必要に応じて再度縦または横方向に延伸を行
なつた後、130〜240℃の温度で熱固定することによつて
得られる。
以上、詳述した如く本発明は数多くのポリエステルに
対し不活性な粒子の中でも特に特定の条件を満たす球状
のシリカ微粒子を用いることを必須とし、ポリエステル
フイルムに特定の表面状態を発現させることにより、磁
気テープ用ベースフイルムとして必要な特性を損ねるこ
となく、フイルムの耐摩耗性とドロツプアウト特性の改
良を極めて高度に達成したものである。
本発明の方法により得られらフイルムは、特に表面素
度の小さい領域での特性改良にその効果が発揮され、特
にビデオ用ベースフイルムとして最適である。
(実施例) 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、
本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。
なお、実施例及び比較例中「部」とあるは「重量部」
を示す。
諸特性の測定法は次の通りである。
1) 耐摩耗性 第1図に示す走行系でフイルムを1000mにわたつて走
行させ6mmφの硬質クロム製固定ピンに付着した摩耗白
粉量を目視評価し下に示すランク別に評価を行つた。
なおフイルム速度は10m/分とし、張力は約200g、θ=
130゜とした。
ランクA:全く付着しない ランクB:極量付着する ランクC:少量(ランクBよりは多い)付着する ランクD:極めて多く付着する 2) 滑り性 フイルムの滑り性はASTM D 1894−63の方法に従い摩
擦係数を測定することにより評価した。
3) ドロツプアウト 公知の方法(例えば特開昭51−145302号公報記載の方
法)で乾燥厚4μになるようにフイルムに磁性層を塗布
し乾燥した。
次いで得られた磁気テープをスーパーカレンダー処理
し、1/2インチ幅にスリツトしてテープ化した後、日本
自動制御社(株)製ドロツプアウトカウンタを用いて信
号出力50%以下のものでベースフイルムに起因するもの
を数えた。
4) 添加粒子系 球状のシリカ微粒子についてはSEM(走査型電子顕微
鏡)観察により直接的に測定した。その他の添加粒子に
ついては遠心沈降法により測定した。
5) 二光束干渉法 フイルム表面にアルミニウムを蒸着したサンプルにつ
いて測定波長0.54μで干渉縞を出し、n次の次数の干渉
縞の個数(Hn)を数えた。
(実施例1) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール7
0部、酢酸カルシウム一水塩0.10部及び酢酸リチウム二
水塩0.17部を反応器にとり加熱昇温すると共にメタノー
ルを留去させエステル交換反応を行ない、反応開始後約
4時間を要して230℃に達せしめ、実質的にエステル交
換反応を終了した。
次にこの反応生成物を235℃に昇温した後、トリエチ
ルホスフエート0.30部(金属化合物に対し1.2倍当量)
を添加し、更に三酸化アンチモン0.05部を添加した後常
法に従つて重合しポリエステルを得た。(原料A) 該ポリエステル中には粒径0.5〜1μの均一で微細な
カルシウム、リチウム及びリン元素を含む析出粒子が多
数認められ、その量はポリエステルに対し0.4重量%で
あつた。
一方原料Aの製造において酢酸カルシウム一水塩0.10
部のみを用いてエステル交換反応を行なつた後、リン酸
0.04部、粒径0.7μの球状のシリカ微粒子0.06部及び三
酸化アンチモン0.05部を添加する他は原料Aの製造と同
様にして球状のシリカ微粒子を含むポリエステルを得
た。(原料B) 次に原料A、Bを50/50重量比になるようにブレンダ
ーで混合して乾燥を行なつた後、285℃で溶融押出しを
行ない厚さ185μの無定形フイルムを得た。
次いで縦及び横方向に各々3.5倍延伸後190℃で熱固定
を行なつた後冷却して15μの二軸延伸フイルムを得た。
該フイルムの表面突起を二光束干渉法にて測定した結
果、3次以上の干渉縞となる粗大突起数は12個/cm2とな
つた。このフイルムについての耐摩耗性、滑り性及びド
ロツプアウトの評価結果を第1表に示す。
(実施例2) ポリエステルフイルム中に含まれる球状のシリカ微粒
子の粒径、含有量を第1表に示したとおり変える他は実
施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルムを得
た。該フイルムについての評価結果を第1表に示す。
(実施例3) ポリエステルフイルム中に含まれる球状のシリカ微粒
子の粒径、含有量を第1表に示したとおり変える他は実
施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルムを得
た。該フイルムについての評価結果を第1表に示す。
(比較例1) 原料Aを単独で用いる他は実施例1と同様にしてポリ
エステルフイルムを得た。該フイルムの評価結果を第1
表に示す。
(比較例2〜6) ポリエステルフイルム中に含まれる添加粒子の種類、
粒径、含有量を第1表に示したとおり変える他は実施例
1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルムを得た。
該フイルムについての評価結果を第1表に示す。
実施例1〜3はいずれも球状のシリカ微粒子を添加し
た場合であり、耐摩耗性が極めて優れており、なおかつ
フイルム表面の粗大突起が少なくドロツプアウトも著し
く減少している。滑り性についても優れている。
なお、実施例3では粒径1.5μと大粒子を添加してい
るため滑り性は一層優れたものとなつているが、表面粗
大突起数が実施例1、2と比べ多くなつているためドロ
ツプアウトが若干増えている。ただし、他の添加粒子を
添加した場合と比較すれば格段に優れている。
比較例1は添加粒子を含まない析出粒子のみの場合で
あり、耐摩耗性が著しく悪い。そのため摩耗により発生
した摩耗白粉がテープの磁性層側に転着してしまい、フ
イルム表面粗大突起が少ないにもかかわらずドロツプア
ウトが極めて多い。
比較例2〜6は球状のシリカ微粒子を添加した場合と
比較して、概して耐摩耗性が劣つており、しかもフイル
ム表面の粗大突起も多くドロツプアウトが極めて多くな
つている。比較的耐摩耗性改良効果の良好なフイ化リチ
ウムの場合でも、球状のシリカ微粒子と同等の耐摩耗性
を達成させようとすると、粗大突起数が増えてドロツプ
アウトが増加してしまう。(比較例3) (発明の効果) 本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムは、耐摩耗性
及びドロツプアウト特性を高度に改良したものであり、
磁気テープ用ベースフイルムとして好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は耐摩耗性を評価する走行系を示し、(I)は6m
mφの硬質クロム固定ピン、(II)はテンシヨンメータ
ーを示しθは130゜である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応系で析出させたポリエステルに対して
    不活性である、カルシウムおよびリン化合物からなる
    粒子、カルシウム、マグネシウムおよびリン化合物か
    らなる粒子、またはカルシウム、リチウムおよびリン
    化合物からなる粒子を0.05〜1.0重量%、および体積形
    状係数が下記式(1)を満足する、平均粒径が0.1〜5
    μであつて平均粒径からの偏差が5%以下であり、アル
    コキシシラン化合物を出発原料とする単分散のシリカ微
    粒子を0.001〜5重量%含有させたことを特徴とする二
    軸延伸ポリエステルフイルム。 0.4≦φv≦π/6 ………(1) (ただし、φv=V/D3で定義されるものとする。V:粒子
    体積[μ]、D:粒子の投影面における最大径[μ])
  2. 【請求項2】反応径で析出させたポリエステルに対して
    不活性な粒子が、該不活性粒子に対してカルシウム、リ
    チウムおよびリン元素を各々1.0重量%以上含む粒子で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の二軸
    延伸ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】フイルム表面を二光束干渉法により測定し
    た場合のn次の干渉縞の個数をHn[個/cm2]とすると
    き、下記式(2)及び(3)を満足することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項又は第2項記載の二軸延伸ポリ
    エステルフイルム。 ΣHn≦20、n≧3 ………(2) Hn/Hn+1≧10、n≧3 ………(3)
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