JPS6131526B2 - - Google Patents

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JPS6131526B2
JPS6131526B2 JP7789679A JP7789679A JPS6131526B2 JP S6131526 B2 JPS6131526 B2 JP S6131526B2 JP 7789679 A JP7789679 A JP 7789679A JP 7789679 A JP7789679 A JP 7789679A JP S6131526 B2 JPS6131526 B2 JP S6131526B2
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JP
Japan
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film
particles
calcium
precipitated
precipitated particles
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Application number
JP7789679A
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English (en)
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JPS563430A (en
Inventor
Seiji Sakamoto
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS563430A publication Critical patent/JPS563430A/ja
Publication of JPS6131526B2 publication Critical patent/JPS6131526B2/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は磁気テープ用二軸延伸ポリエステルフ
イルムに関するものである。更に詳しくはフイル
ム表面に多数の微細な球状突起を有し、フイルム
表面の突起形状及び密度が全方位に対し等方的で
あり、特に磁気テープ用ベースフイルムとして用
いるに適した二軸延伸ポリエステルフイルムに関
するものである。 磁気テープのベース材料として当初使用されて
いたセルロース・ジ・アセテートフイルムやセル
ロース・トリ・アセテートフイルムは平滑な表面
を有するため感度や周波数特性に優れているが、
耐湿性に劣ることと薄物化したとき強度が劣るこ
とから次第にポリエステルフイルムにとつて代ら
れるようになつた。 ポリエステルフイルムは磁気テープのベース材
料として要求される特性のほとんどを満足し得る
が、近時磁気テープに対する要求特性が高度化す
るにつれより優れた特性を有するフイルムが求め
られている。 磁気テープ用ポリエステルフイルムにおいてし
ばしば問題となるのは走行特性、電磁変換特性、
耐摩耗性及びドロツプアウトである。 また現在強く要望されている高密度記録を達成
する一つの方法として磁気テープを薄くする方法
があるが、この場合テープ走行が不安定化し、乱
巻きが生じ易くなり、特にビデオテープにおいて
はスキユーを生じたり、テープに変形を生じたり
するようになる。従つて優れた走行特性を維持す
ることは必要欠くべからざる条件である。 また電磁変換特性は出来上つた磁気テープの入
力に対する出力の周波数特性であり当然の事なが
ら一定レベル以上を保持することが要求される。 次に磁気テープ用ベースフイルムとしてはいう
までもなく耐摩耗性が要求される。これは磁性層
塗布前後のいずれの工程においても必要な特性で
ポリエステルフイルムとロール間あるいはガイド
部における摩擦、摩耗による白粉状物質の発生を
極力抑える必要がある。 ドロツプアウトに関しては磁性層塗布工程に帰
因させられる要素もかなりあるが、ベースフイル
ム表面の平面性が重要な因子であることもまた事
実であり、できるだけ平滑なフイルムが望まれて
いる。 従来これら磁気テープ用ベースフイルムとして
必要な諸特性を改良する手段としてポリエステル
フイルム中にポリエステルに対し不活性な微粒子
を存在させフイルム表面をある程度粗面化する方
法が提案されている。 この不活性な微粒子を存在させる方法は大きく
2つの方法がある。 その一つの添加法と呼ばれる方法で、カオリ
ン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カ
ルシウム等をそのままあるいは微粒子化したのち
ポリエステル反応系、成形時等に添加するもので
ある。これらポリエステルに不活性な微粒子を添
加する方法は微粒子の粒度、量を制御することが
できるので結果の再現性は良いが、往々にして不
用な粗大粒子が混入してしまう。この粗大粒子を
除去するためには必ず分級操作が、また必要に応
じその前処理としての粉砕操作が必要となるので
操作が煩雑となる。しかもこのような操作を行な
つたとしてもなお粗大粒子の混入は避けられな
い。粗大粒子あるいは凝集による二次粒子が存在
することは特に磁気テープ用フイルムとしては致
命的でドロツプアウトの原因となる。 添加法と対比される今一つの方法は析出法と呼
ばれる方法で、エステル交換反応に用いたカルシ
ウムやリチウム化合物等の触媒をリン化合物の存
在下あるいは非存在下ポリエステル形成反応中に
ポリエステルに不活性な微粒子として析出させる
ものである。この場合エステル交換反応後、カル
シウムやリチウム化合物を添加して微細な不活性
物質粒子としても良いことは勿論であるし、同様
な方法はエステル化反応を経由する場合にも当て
はまる。この析出粒子を用いてフイルム表面の粗
面化を計る方法は一般に析出粒子径、粒子量が変
化し易いためそのコントロールが難しくなる。ま
た添加法に比べ概して滑り性が悪い上、再生使用
した場合もとの滑り性を与えなくなるという欠点
もある。 しかしながら、析出法は操作が簡単で工業的に
容易に実施できるため、析出法でこられの欠点が
克服され磁気テープ用ベースフイルムとして具備
すべき特性を満足することができるならばその利
用価値は大きい。本発明でいう析出粒子とはこの
ように反応系で生成析出する粒子であり、添加法
による粒子とは区別される。 ところで実際の延伸フイルムの製造においては
磁気テープ用ベースフイルムとして特に必要な滑
り性、例えば摩擦系数で代表されるそれはフイル
ムの幅方向に分布を有しフイルム端部ほど摩擦系
数は大きくなり、一般に幅方向の中央を極小点と
する凹形の分布を持つ、いわゆるボーイング現象
を呈する。 これはフイルム端部においては、フイルム中に
存在する粒子に対し中央部とは異なる応力がかか
りフイルム表面形態が異なるものとなつてしまう
ものと解せられる。 かかるフイルム端部は商品価値を有しないもの
となるがこのボーイング現象を極力抑え収率良く
延伸フイルムを得ることが生産性を向上させるこ
とに直結する。 本発明者はこれら磁気テープ用フイルムに要求
される諸特性を満足し、しかもかかるフイルムを
収率良く得る方法について検討した結果、本発明
に到達したものである。 即ち本発明は析出粒子に基づく互に独立した球
状突起をフイルム表面全体に有する二軸延伸ポリ
エステルフイルムであつて、該析出粒子とポリエ
ステルフイルム本体との界面には実質的に空隙が
なく、且つ該球状突起に基づく多重干渉法による
該フイルムの2次の干渉縞の個数が30〜300個/
mm2で、3次の干渉縞の個数が15個/mm2以下で、析
出粒子がカルシウム元素及びリン元素を該粒子に
対してそれぞれ1〜15重量%含有しており、フイ
ルム中の不活性粒子に占める析出粒子の重量比率
が90%以上である磁気テープ用二軸延伸ポリエス
テルフイルムに存する。 以下本発明を更に詳細に説明する。本発明のポ
リエステルフイルムはポリエチレンテレフタレー
トを主体とするポリマー、例えばポリエチレンテ
レフタレートホモポリマー、エチレンテレフタレ
ートが少くとも80モル%以上であるコポリマー、
ブロツクコポリマー等を溶融フイルム化し、延伸
して得られるものであるが、本発明の特徴の一つ
はそのポリエステルフイルム中の不活性物質微粒
子にある。 即ち本発明のフイルム中の不活性物質微粒子の
主成分は延伸時の強い応力においても実質的にフ
イルムを構成するポリエステルと粒子の界面にお
いて空隙(ボイド)を生ぜず且つ多少フイルムの
縦方向と幅方向との延伸倍率の異なるいわゆる偏
延伸条件においてもフイルム面上に互いに独立し
た球状突起を与える析出粒子でなければならな
い。 かかる析出粒子は例えば次の方法により得るこ
とができる。 即ちエステル交換反応前又は反応中に反応系に
可溶なカルシウム化合物を添加し、次いで重縮合
反応開始前に3個のリン化合物と5価のリン化合
物とから成る複数のリン化合物を添加することに
よつて得ることができる。 もちろんこの方法の範囲内にあつてもリン化合
物の種類、3価のリン化合物と5価のリン化合物
のモル比、カルシウム化合物に対するリン化合物
のモル比、リン化合物の添加時期、昇温、減圧等
の重合条件等により析出粒子形態は異なるので、
これらの組合せの中から本発明に適う条件を適宜
選択しなければならない。 これらの中でも特に好ましい方法を具体的に示
すと次のようになる。 即ちまずエステル交換触媒として反応系に可溶
なカルシウム化合物を用いるが、このカルシウム
化合物としては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪
酸の如き脂肪族カルボン酸のカルシウム塩、安息
香酸、p−メチル安息香酸の如き芳香族カルボン
酸のカルシウム塩、更にはエチレングリコール、
プロピレングリコール等のカルシウムグリコラー
トの如きカルシウム化合物、水素化カルシウムの
ような無機カルシウム化合物を用いることができ
る。これらカルシウム化合物の量としてはポリエ
ステル原料全酸成分に対し0.05〜0.3モル%が好
ましい。カルシウム化合物の添加量があまり少く
ては、本発明に必要な析出粒子が得られず、逆に
あまり多量に用いた時には過剰のカルシウムは反
応中析出し易く粗大粒子のできる原因となる。 次にカルシウム化合物を用いてエステル交換反
応を終えた反応混合物に3価及び5価のリン化合
物から成る複数のリン化合物を添加する。この場
合3価のリン化合物としては例えば亜リン酸、ト
リメチルホスフアイト、トリエチルホスフアイ
ト、トリブチルホスフアイト、ジメチルホスフア
イト、ジエチルホスフアイト、モノブチルホスフ
アイト、ジブチルホスフアイトの如き化合物を用
いることが出来、5価のリン化合物としてはトリ
アルキルホスフエート、就くトリメチルホスフエ
ート、トリエチルホスフエート又はトリブチルホ
スフエートが効果的に用いられる。なお、3価の
リン化合物に対する5価のリン化合物のモル比は
1〜20、好ましくは2〜10とするのが良い。この
場合3価のリン化合物または5価のリン化合物と
して、それぞれ複数のリン化合物を用いた場合は
上記モル比はそれぞれのリン化合物の合計量を基
準とする。 この値が1より小さくなるとポリマーの黒味が
強くなり、且つ粗大粒子が発生する傾向にあり、
この値が20より大きくなると析出粒子量が少くな
りフイルムとした場合、滑り性が不足するように
なる。 また3価のリン化合物と5価のリン化合物の総
使用量はカルシウム化合物に対し1〜3倍モルと
するのがよい。添加する2種類のリン化合物の総
量がカルシウム化合物に対し等モルに満たない時
には延伸により粒子が容易に破壊される傾向にあ
り、3倍モルを越えて用いる時にはポリエステル
製造時の重合速度が遅くなり工業的に不利とな
る。特に好ましい範囲は2倍モルを越える範囲で
ある。 これらリン化合物は反応系の温度が225〜245℃
の範囲にある時添加される。 なお、リン化合物添加物にカルシウム化合物以
外の金属化合物が存在している場合、例えばエス
テル交換反応リチウム、マンガン、亜鉛、マグネ
シウム化合物等の一種以上をカルシウム化合物と
併用した場合、あるいはこれらの化合物をエステ
ル交換反応終了後に添加した場合等は往々にして
その析出形態が変化し本発明で必要な析出粒子を
安定して得ることができない。 以上詳述した方法により、本発明に必要な析出
粒子を得ることができるが、その析出粒子中には
析出粒子に対しカルシウム元素及びリン元素が
各々1〜15重量%好ましくは各々5〜12重量%含
まれている必要があり、またカルシウム以外の金
属元素の量はカルシウム元素に対し0.1倍モル以
下、好ましくは0.05モル以下となる量とするのが
良い。 本発明においてはこのようにして得られた析出
粒子を用いるが、かかる析出粒子を用いた時に発
揮できる特徴として延伸時該粒子周辺に空隙(ボ
イド)の発生が見られないこと及び偏延伸条件に
おいてもフイルム面上に互いに独立して球状突起
を与えることが挙げられる。 前者は該粒子がポリエステルと極めて馴じみが
良いことを示しており、後者は該粒子の形状が球
形に近くしかも比較的変形しにくい性質を有して
いるためと考えられるがこの特徴は本発明者らに
よつて初めて見い出されたものである。 ここで球状突起とは多重干渉法によるフイルム
表面の突起部の測定において、2次及び3次の干
渉縞のリングの長軸と短軸の比の相加平均が1.5
以下のものを指す。なお、多重干渉法の測定波長
は0.54μである。 本発明粒子の効果はこれまでに知られている不
活性物質微粒子を用いたのでは到底発揮し得ない
効果である。例えば、カオリン、タルク、炭酸カ
ルシウム等の無機微粒子を添加したポリマーある
いはポリエステルオリゴマーのリチウムもしくは
カルシウム塩等の析出粒子を含有するポリマーを
用いて製膜したのでは延伸時これら粒子の周辺に
空隙が発生し、仮にフイルム中央部においてフイ
ルムの表面粗度が等方的であつたとしてもフイル
ム端部においては延伸応力のひずみにより粒子周
辺の空隙の発生に方向性を有しフイルム表面粗度
が異方性になつてしまう。 これは不活性物質微粒子としてフエノキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂等
の熱可塑性樹脂を微分散させたものを用いた場合
も同様で、延伸応力により容易に変形してしまう
ためフイルム中央部と端部とで表面形態に大きな
差が生じてしまう。 これに対し本発明においてはバランス延伸にお
いては勿論のこと、多少の偏延伸条件例えば複屈
折率△nが50×10-3以下の2軸延伸条件下におい
てフイルムの幅方向の全域にわたり生成する突起
は実質的に球状でかつその分布は均一で全方位に
対し等方性を有し、従つて滑り性が低下すること
はない。 このように本考案はいわゆるボーイング現象に
基く生産性の低下を防止することができるという
極めてユニークな特徴を有するが、本発明者は更
にこのようにして得られたフイルムがある特定の
表面粗度状態を満足とするとき磁気テープ用ベー
スフイルムとして要求される諸特性を全て満足す
ることをも見い出した。 即ち多重干渉法により該フイルム表面の突起を
測定し2次の干渉縞の個数が30〜300個/mm2で且
つ3次の干渉縞の個数が15個/mm2以下であるフイ
ルム表面粗度状態を満足する必要がある。 2次の干渉縞の個数が30個/mm2未満である摩擦
系数が大きくなり走行特性が劣るようになる。ま
たわれわれの知るところによれば本発明で得られ
る如き球形の突起を有するフイルムの耐摩耗性は
単位面積当りの突起数がかなり少くても優れてい
るが、やはり2次の干渉縞の個数が30個/mm
満たないと耐摩耗性が悪化する。 一方、2次の干渉縞の個数が300個/mm2を越え
ても走行特性及び耐摩耗性が更に改良されること
なく、逆に電磁変換特性が低下するようになる。 なお、3次の干渉縞は15個/mm2以下であれば存
在していても一向に構わないが15個/mm2を越える
とドロツプアウトが多発するようになり磁気テー
プ用ベースフイルムとしては好ましくない。ま
た、4次の微粒子が1個/mm2以下、実質的に0で
あることが好ましい。 また、1次の干渉縞の多少は磁気テープ用ベー
スフイルムとして必要な特性に積極的な変化は与
えないが、2次の干渉縞の個数の1/5〜2倍程度存 在することが好ましくこの場合上記特性が最大限
に発揮される。 なお、本発明においては当然の事ながら、1次
の干渉縞の形状も2次及び3次のそれと同様に球
状を呈する。 以上詳述した如く、本発明はフイルム表面に特
定高さ、特定多数の球状突起を有しフイルム表面
の突起形状及び密度が全方向に対し等方的であ
る。特に磁気テープ用ベースフイルムとして用い
るに適した二軸延伸ポリエステルフイルムに関す
るものであり、その特徴は製膜時フイルムの幅方
向の物性値、特に滑り性と表面粗度状態において
実質的に分布が無く如何なる箇所のフイルムを用
いても同等な好ましい物性を得ることができるこ
とであり、しかも該球状突起を有するフイルムは
耐摩耗性において優れておりかつ特定の表面粗度
状態を有する該フイルムは走行特性、電磁変換特
性並びにドロツプアウトの諸点において優れてい
る点にある。 なお、本発明のフイルムは製膜時その最端部を
切り落し再度溶融ペレツト化し再生使用したとし
ても、その含有している粒子の性質上、即ち粒子
が延伸によりほとんど破壊されることがないので
繰り返し利用することができるという長所を合せ
持つている。 以下実施例及び比較例により本発明を更に詳し
く説明する。 なお、実施例及び比較例中「部」とあるは「重
量部」を示す。また用いた測定法を次に示す。 摩擦系数:ASTMD1894−63 により測定した静
摩擦系数である。 走行特性:カセツトを通常のデツキを使用して1
分間プレイの状態で走行させた後、テープ長
さの1/2までを速送りで走行させる。残りの
1/2長さを再度プレイの状態で走行させ途中
で走行停止が起るかどうかをチエツクする。
この走行テストを10回行ない走行停止が1回
もないものをランクA、1回のものをランク
B、2回以上のものをランクCとした。 耐摩耗性:フイルムを巻取機にかけ、中間に設置
した金属性ガイドピンに接触させて高速走行
させた時に発生する白粉量を測定し3ランク
に分けた。 A:白粉がほとんど発生しない。 B:白粉が発生する。 C:白粉が多量発生する。 ドロツプアウト:3/4インチ幅のビデオテープと
して録画を行ない、長さ5.7m当りのドロツ
プアウトの数を日本自動制御(株)製のドロツプ
アウトカウンターを使用して数えた。 電磁変換特性:VTRヘツド出力をシンクロスコ
ープで測定した。測定は2MHz(メガヘル
ツ)で行ないヘツド出力は1mVを標準とし
た。この値(db単位)が高いほど好まし
い。 複屈折率:フイルム面内の主屈折率N〓及びN〓
(N〓≧N〓)をアツペの屈折計を用いて測
定し次式により複屈折率を求めた。 △n=N〓−N〓 なお、測定値は25℃におけるナトリウムの
D線を用いた時の値である。 析出粒子の測定:まず析出粒子の分離を行う。即
ちポリエステルフイルム100gにo−クロル
フエノール1.0を加え120℃で3時間加熱し
た後、ベツクマン製超遠心機L3−50を用い
30000rpmで40分間遠心分離を行ない得られ
た粒子を100℃で真空乾燥する。該粒子を走
査型差動熱量計にて測定した時、ポリマーに
相当する融解ピークが認められる場合は、該
粒子にo−クロルフエノールを加え加熱冷却
後再び遠心分離操作を行なう。融解ピークが
認められなくなつた時該粒子を析出粒子とす
る。通常遠心分離操作は2回で足りる。なお
この操作によればポリエステルフイルム中の
全不活性物質粒子が求められるが、不活性物
質粒子として添加粒子を含む場合には予め既
知であるその量を引けば析出粒子量を求める
ことができる。なお、本発明においては不活
性物質粒子の主成分即ち90重量%以上が析出
粒子である必要がある。 次に該析出粒子中のカルシウム及びリン元
素の定量を行なう。 カルシウム元素:析出粒子試料を100℃で2時間
加熱して灰化した後、塩酸溶液に溶解し、原
子吸光法にて定量する。 リン元素:析出粒子試料を硫酸と過塩素酸の存在
下で湿式灰化した後、硫酸酸性溶液中にてモ
リブデン酸アンモニウムにより発色させ、
845mμの吸光度を測定し予め作成した検量
線を用いて定量する。 多重干渉法によるフイルム表面突起数及び形状の
測定:日本光学(株)製サーフエイス・フイニツ
シユ・マイクロスコープを用いアルミニウム
を蒸着したフイルムについて干渉縞を観察し
2次及び3次の干渉縞の個数を数えフイルム
1mm2当りの個数に換算した。用いたミラーの
反射率は65%であり顕微鏡倍率は200倍であ
る。また測定波長は0.54μである。 なお、凸起形状を表わす数値(形状値)を
算出するには2重又は3重の各干渉縞の一番
外側のリングの長軸と短軸を基準とした。す
なわち、2次及び3次の干渉縞のリングの長
軸と短軸の比(長軸/短軸)の相加平均が
1.5以下のものが好ましい。 実施例 1 (ポリエステルの製造) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール70部、及び酢酸カルシウム一水塩0.10部を
反応器にとり加熱昇温したメタノールを留去せし
めるエステル交換反応を行なつた。反応開始後約
4時間を要して235℃に達せしめ実質的にエステ
ル交換反応を終了した。 次にこのエステル交換反応終了物にトリエチル
ホスフアイト0.057部及びトリエチルホスフエー
ト0.25部を添加し、次いで重縮合触媒として三酸
化アンチモン0.045部を添加した。30分を要して
系内の温度を245℃としたのち常法に従つて重合
した。即ち、三酸化アンチモン添加後120分で系
内の温度を280℃、圧力を10mmHgに達せしめ、以
後も徐々に圧力を減じ最終的に1mmHg以下とし
た。4時間半後系内を常圧に戻した後窒素圧でポ
リマーを吐出した。 (ポリエステルフイルムの製造) 次に得られたポリマーを290℃で押出機よりシ
ート状に押し出し急冷して無定形シートとした
後、100000%/minの速度で縦方向に3.9倍延伸
し次いで3000%/minの速度で横方向に3.5倍延
伸し190℃で3秒間熱処理を行ない厚み15μのフ
イルムを得た。 この場合フイルムの幅方向の有効長さは1.8m
でありフイルム中央部の複屈折率は3×10-3、ま
た中央部から80cm離れたフイルム端部の複屈折率
は30×10-3でありフイルム中央部と端部でかなり
の光学異方性が認められた。 次に該フイルム縦方向にスリツトして中央部と
端部の各々について静摩擦系数を測定し析出粒子
及び表面粗度状態について観察を行なつた。 フイルム中央部の静摩擦系数は0.47で良好であ
つた。また光学顕微鏡にてフイルム内部を観察し
たところポリマーと屈折率が近く極めて観察しに
くいが明らかに球状と認められる多数の析出粒子
が存在していた。しかも該粒子周辺には空隙の発
生が認められずポリマーとの馴じみが良いことを
示していた。 次にフイルム表面を観察したところ該析出粒子
に基く多数の互いに独立した球形の突起が認めら
れた。多重干渉法によりその2次及び3次の干渉
縞の個数を測定したところ140及び4個/mm2であ
つた。こらの干渉縞の形状値は1.0であり極めて
球形に近い突起であることが確認された。しかも
該突起はフイルムの縦方向及び幅方向に対し均一
な密度を有し表面粗度状態は等方的であつた。 フイルム端部についても中央部と同様な評価を
行なつた。結果を中央部のそれと共に第1表に示
すが中央部の場合とほとんど同じ良好な結果が得
られた。 (析出粒子の測定) 上記フイルム中に析出している粒子についてそ
のポリエステルフイルムに対する重量を測定した
ところ0.19重量%であつた。次に該粒子中のカル
シウム及びリン元素の含有量を測定したところ析
出粒子に対し9.0及び7.7重量%であつた。 (磁気テープフイルムとしての評価) 上記二軸延伸フイルムに磁気層をコーテイング
し、常法によつてスリツトして磁気テープを製造
しその評価を行なつた。結果を第1表に示すがい
ずれの評価結果も充分満足できるものであつた。 実施例 2 実施例1のポリエステルフイルムの製造におい
て縦方向の延伸倍率を4.2倍、横方向の延伸倍率
を3.5倍とする他は実施例1と同様にして二軸延
伸フイルムを得た。この時フイルム中央部の複屈
折率は35×10-3、またフイルム端部のそれは50×
10-3であつた。 次に得られたフイルムを用い実施例1と同様に
して磁気テープフイルムとしての評価を行なつ
た。これらの結果を第1表に示すが、実施例1の
場合と同じくいずれの特性も優れたものであつ
た。 実施例 3 実施例1においてトリエチルホスフアイト及び
トリエチルホスフエートをそれぞれ0.035部及び
0.27部に変更する他は実施例1と同様にしてポリ
エステルを製造し、次に該ポリエステルを用いて
二軸延伸フイルムを得た。更に該二軸延伸フイル
ムについて磁気テープフイルムとしての評価を行
なつた。これらについての結果を第1表に示す。 比較例 1 実施例1においてエステル交換反応を同一条件
で行なつた後、三酸化アンチモン0.04部のみを添
加する他は実施例1と同様にしてポリマーを得
た。 次に該ポリマーを用いて実施例1と同じ条件下
で二軸延伸ポリエステルフイルムを得た。該ポリ
エステルフイルム中にはポリエステルオリゴマー
のカルシウム塩から成る多数の析出粒子が認めら
れたが、この析出粒子の周辺には明瞭な空隙が認
められ粒子とポリマーとの馴じみが悪いことが窺
われた。しかも該フイルムの静摩擦系数はフイル
ム中央部においても0.8と悪い上フイルム端部に
おいては0.98と著しく悪化していた。 更にフイルム端部においてはフイルム表面粗度
状態に著しく異方性が存在しフイルム縦方向に対
しほぼ45度の方向に著しく方向性を有するもので
あつた。 次に該フイルムを用い、実施例1と同様にして
磁気テープフイルムとしての評価を行なつた。結
果を第1表に示すが特に走行性及び耐摩耗性の点
において不満足なものであつた。 比較例 2 実施例1においてエステル交換反応を同一条件
で行なつた後、平均粒径2.0μの炭酸カルシウム
0.2部及びリン酸0.04部及び三酸化アンチモン0.04
部を添加し常法に従つて重合しポリマーを得た。 次に該ポリマーを用いて実施例1と同じ条件下
で二軸延伸ポリエステルフイルムを得た。該ポリ
エステルフイルム中には多数の炭酸カルシウムの
粒子が認められたが、一部凝集粗大粒子も存在し
ていた。しかもこれら炭酸カルシウム粒子の周辺
には明瞭な空隙が認められ粒子とポリマーとの馴
じみが悪いことが窺われた。 該フイルムの静摩擦系数はフイルム中央部では
0.45と低かつたが端部では0.54とやや悪化してい
た。しかも比較例2と同様フイルム表面粗度状態
に著しく異方性が存在しフイルム縦方向に対しほ
ぼ45度の方向に著しく方向性を有するものであつ
た。 次に該フイルムを用い実施例1と同様にして磁
気テープフイルムとしての評価を行なつた。結果
を第1表に示すが、特に電磁変換特性及びドロツ
プアウトの点において不満足なものであつた。 比較例 3 実施例1のポリエステルの製造においてトリエ
チルホスフアイト及びトリエチルホスフエートの
他にエチルアシツドホスフエート0.001部を添加
する他は実施例1と同様にしてポリエステルを得
た。 次に該ポリマーを用い実施例1と同じ条件下で
二軸延伸ポリエステルフイルムを得た。該フイル
ムを観察したところ多数の析出粒子が認められた
がその大きさは実施例1の場合に比べてかなり小
さいものであつた。次に該ポリエステルフイルム
を用い実施例1と同様にして磁気テープフイルム
としての評価を行なつた。 これらの結果を第1表に示すが、フイルム中の
粒子の性状、表面突起形状及びフイルムの幅方向
における摩擦系数の変化等については実施例1と
同様好ましい結果がもたらされたが、表面突起数
が少いため静摩擦系数の絶対値が大きく、走行特
性及び耐摩耗性の点において不充分なものであつ
た。 実施例及び比較例の結果から明らかなように、
本発明はフイルム表面に特定の析出粒子に基く微
細な球状凸起を有しフイルム表面の突起形状及び
密度が全方位に対し実質的に等方的であるフイル
ムに関するものであり、かかるポリエステルフイ
ルムはその生産性を向上させることができるのみ
ならず摩擦系数、耐摩耗性においても優れた効果
を発揮することができ、しかも該突起を特定高さ
で特定量含有せしめた場合には走行特性、電磁変
換特性及びドロツプアウトの諸点においても卓越
した効果を発揮することができ特に磁気テープ用
として用いるに適している。
【表】
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 析出粒子に基づく互に独立した球状突起をフ
    イルム表面全体に有する二軸延伸ポリエステルフ
    イルムであつて、該析出粒子とポリエステルフイ
    ルム本体との界面には実質的に空隙がなく、且つ
    該球状突起に基づく多重干渉法による該フイルム
    の2次の干渉縞の個数が30〜300個/mm2で、3次
    の干渉縞の個数が15個/mm2以下で、析出粒子がカ
    ルシウム元素及びリン元素を該粒子に対してそれ
    ぞれ1〜15重量%含有しており、フイルム中の不
    活性粒子に占める析出粒子の重量比率が90%以上
    である磁気テープ用二軸延伸ポリエステルフイル
    ム。
JP7789679A 1979-06-20 1979-06-20 Biaxially oriented polyester film for magnetic tape Granted JPS563430A (en)

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