JP2908771B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
二軸配向ポリエステルフィルムInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二軸配向ポリエ
ステルフィルムに関し、高密度磁気記録媒体用ベースフ
ィルムとして特に高速作業時のハンドリング性および電
磁変換特性に優れたフィルムを提供する。
ステルフィルムに関し、高密度磁気記録媒体用ベースフ
ィルムとして特に高速作業時のハンドリング性および電
磁変換特性に優れたフィルムを提供する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、物理的および化学的諸特性に優れて
いるので、繊維や成型品としての用途以外に、磁気テー
プやフロッピーディスク等の磁気記録媒体および写真
用、コンデンサ用、包装用などの多種の用途に使用され
ている。しかして、メタル塗布型や蒸着型のビデオテー
プ、デジタルオーディオテープ等の高密度磁気記録媒体
用ベースフィルムとして用いた場合には、電磁変換特性
を良好にするため極めて優れた表面平滑性が求められる
一方、この表面平滑性を向上すると、フィルムや磁気記
録媒体の製造工程におけるフィルムのハンドリング性が
不良になることから、このハンドリング性の不良を克服
することが要求されるようになり、その手段として、フ
ィルム表面の突起高さを規制すること、フィルムの幅方
向と長さ方向の物性比を規制すること、またはフィルム
中に種々のワックスを添加すること等が提案されてい
る。
るポリエステルは、物理的および化学的諸特性に優れて
いるので、繊維や成型品としての用途以外に、磁気テー
プやフロッピーディスク等の磁気記録媒体および写真
用、コンデンサ用、包装用などの多種の用途に使用され
ている。しかして、メタル塗布型や蒸着型のビデオテー
プ、デジタルオーディオテープ等の高密度磁気記録媒体
用ベースフィルムとして用いた場合には、電磁変換特性
を良好にするため極めて優れた表面平滑性が求められる
一方、この表面平滑性を向上すると、フィルムや磁気記
録媒体の製造工程におけるフィルムのハンドリング性が
不良になることから、このハンドリング性の不良を克服
することが要求されるようになり、その手段として、フ
ィルム表面の突起高さを規制すること、フィルムの幅方
向と長さ方向の物性比を規制すること、またはフィルム
中に種々のワックスを添加すること等が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
手段は、いずれも空気抜けが不良であるため、低速作業
時には良好なハンドリング性が得られるものの、作業が
高速になるに従って急激にハンドリング性が悪化すると
いう問題があった。また、フィルムは、一般的にその厚
みが増すにしたがってハンドリング性が良好になり、薄
くなるとハンドリング性が低下する傾向を備えている
が、上記の突起高さ分布を規制したフィルム等も同様の
傾向を備えており、そのため良好なハンドリング性が得
られたとしても、厚みが変ると所望のハンドリング性が
得られなくなっていた。
手段は、いずれも空気抜けが不良であるため、低速作業
時には良好なハンドリング性が得られるものの、作業が
高速になるに従って急激にハンドリング性が悪化すると
いう問題があった。また、フィルムは、一般的にその厚
みが増すにしたがってハンドリング性が良好になり、薄
くなるとハンドリング性が低下する傾向を備えている
が、上記の突起高さ分布を規制したフィルム等も同様の
傾向を備えており、そのため良好なハンドリング性が得
られたとしても、厚みが変ると所望のハンドリング性が
得られなくなっていた。
【0004】この発明は、ハンドリング性が低下し易い
厚み10μm以下、好ましくは5μm以上の二軸配向ポ
リエステルフィルムにおいて、高密度磁気記録媒体用と
して使用でき、表面平滑性に優れ、かつ高速作業時にお
けるハンドリング性が良好な二軸配向ポリエステルフィ
ルムを提供するものである。
厚み10μm以下、好ましくは5μm以上の二軸配向ポ
リエステルフィルムにおいて、高密度磁気記録媒体用と
して使用でき、表面平滑性に優れ、かつ高速作業時にお
けるハンドリング性が良好な二軸配向ポリエステルフィ
ルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】滑剤を含み、表面に微細
な多数の突起を有する厚みが10μm以下、好ましくは
5μm以上の二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、
上記の滑剤中に平均粒子径が0.05〜0.5μm、粒
子径のばらつき度(標準偏差と平均粒子径との比率)が
25%以下、上記滑剤粒子の外接円に対する面積率(粒
子の投影断面積と粒子に外接する円の面積との比)が6
0%以上のシリカを含む少なくとも一種類の不活性粒子
を、ポリエステルに対して0.005〜0.5重量%含
有し、フィルム表面の静止摩擦係数が1.5未満、この
二軸配向ポリエステルフィルムをガラス平板上に重ねた
ときの重合面の空気抜け速さ(ただし、直径70mmのガ
ラス平板上に重ね、ガラス平板上からはみ出した部分を
密封し、重合面の空気をガラス平板の外周から真空ポン
プで吸引し、ガラス平板の外周部に干渉縞が出現してか
らガラス平板の全面にわたる干渉縞が出現してその動き
が停止するまでの時間を空気抜け速さとする) が900
秒以下、高さ最大の突起高さが0.54μm未満、高さ
0.2μm以上の突起の密度が200〜1000個/mm
2 、高さ0.025μm以上0.2μm未満の突起の密
度が25000個/mm2 以上であり、かつハンドリング
性が3級以上であることを特徴とする。
な多数の突起を有する厚みが10μm以下、好ましくは
5μm以上の二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、
上記の滑剤中に平均粒子径が0.05〜0.5μm、粒
子径のばらつき度(標準偏差と平均粒子径との比率)が
25%以下、上記滑剤粒子の外接円に対する面積率(粒
子の投影断面積と粒子に外接する円の面積との比)が6
0%以上のシリカを含む少なくとも一種類の不活性粒子
を、ポリエステルに対して0.005〜0.5重量%含
有し、フィルム表面の静止摩擦係数が1.5未満、この
二軸配向ポリエステルフィルムをガラス平板上に重ねた
ときの重合面の空気抜け速さ(ただし、直径70mmのガ
ラス平板上に重ね、ガラス平板上からはみ出した部分を
密封し、重合面の空気をガラス平板の外周から真空ポン
プで吸引し、ガラス平板の外周部に干渉縞が出現してか
らガラス平板の全面にわたる干渉縞が出現してその動き
が停止するまでの時間を空気抜け速さとする) が900
秒以下、高さ最大の突起高さが0.54μm未満、高さ
0.2μm以上の突起の密度が200〜1000個/mm
2 、高さ0.025μm以上0.2μm未満の突起の密
度が25000個/mm2 以上であり、かつハンドリング
性が3級以上であることを特徴とする。
【0006】この発明のポリエステルフィルムを構成す
るポリエステルは、その繰返し単位の80モル%以上が
エチレンテレフタレートからなるものであり、他の共重
合成分としてイソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安
息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−
ジカルボキシルジフェノ−ル、4,4′−ジカルボキシ
ルベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシルフェニー
ル)エタン、アジピン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸等のジカルボン酸成分が挙げられる。また、グリ
コール成分としてプロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物等を任意に選択使用することがで
きる。また、その他の共重合成分として少量のアミド結
合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等
を含んでいてもよい。
るポリエステルは、その繰返し単位の80モル%以上が
エチレンテレフタレートからなるものであり、他の共重
合成分としてイソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安
息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−
ジカルボキシルジフェノ−ル、4,4′−ジカルボキシ
ルベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシルフェニー
ル)エタン、アジピン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸等のジカルボン酸成分が挙げられる。また、グリ
コール成分としてプロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物等を任意に選択使用することがで
きる。また、その他の共重合成分として少量のアミド結
合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等
を含んでいてもよい。
【0007】上記ポリエステルの製造方法としては、芳
香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる直接
重合法および芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルと
グリコールとをエステル交換反応させるエステル交換反
応など任意の製造方法を適用することができる。また、
この発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、公知の方
法、例えば、横延伸および縦延伸を順に行なう逐次二軸
延伸方法のほか、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸
法、縦・横・横延伸法等を採用することができ、要求さ
れる強度・寸法安定性等の諸特性に応じて適宜選択され
る。そして、前記の静止摩擦係数、空気抜け速さ、突起
の高さ分布は、フィルムの製膜条件および滑剤粒子によ
って調節される。なお、必要に応じて回転ロール間およ
びステンター中で縦方向または横方向に弛緩処理を施し
てもよい。
香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる直接
重合法および芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルと
グリコールとをエステル交換反応させるエステル交換反
応など任意の製造方法を適用することができる。また、
この発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、公知の方
法、例えば、横延伸および縦延伸を順に行なう逐次二軸
延伸方法のほか、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸
法、縦・横・横延伸法等を採用することができ、要求さ
れる強度・寸法安定性等の諸特性に応じて適宜選択され
る。そして、前記の静止摩擦係数、空気抜け速さ、突起
の高さ分布は、フィルムの製膜条件および滑剤粒子によ
って調節される。なお、必要に応じて回転ロール間およ
びステンター中で縦方向または横方向に弛緩処理を施し
てもよい。
【0008】この発明に使用される滑剤は、ポリエステ
ルに対して不活性の微粒子、いわゆる外部粒子、または
ポリエステル製造工程中にカルボン酸成分、オリゴマー
またはリン化合物のいずれかを金属化合物と反応させて
得られる微粒子、いわゆる内部粒子のいずれでもよく、
外部粒子としてはシリカ、二酸化チタン、タルク、カオ
リナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム、硫酸バリウム等の金属の塩または有機ポリマー
からなる粒子等が例示される。そして、これらの滑剤
は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また二種以上
を併用してもよいが、使用する滑剤中に平均粒子径が
0.05〜0.5μm、粒子径のばらつき度(標準偏差
と平均粒子径との比率)が25%以下、上記滑剤粒子の
外接円に対する面積率(粒子の投影断面積と粒子に外接
する円の面積との比)が60%以上のシリカ粒子を含む
少なくとも一種類の不活性粒子をポリエステルに対して
0.005〜0.5重量%含有することが必要である。
ルに対して不活性の微粒子、いわゆる外部粒子、または
ポリエステル製造工程中にカルボン酸成分、オリゴマー
またはリン化合物のいずれかを金属化合物と反応させて
得られる微粒子、いわゆる内部粒子のいずれでもよく、
外部粒子としてはシリカ、二酸化チタン、タルク、カオ
リナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム、硫酸バリウム等の金属の塩または有機ポリマー
からなる粒子等が例示される。そして、これらの滑剤
は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また二種以上
を併用してもよいが、使用する滑剤中に平均粒子径が
0.05〜0.5μm、粒子径のばらつき度(標準偏差
と平均粒子径との比率)が25%以下、上記滑剤粒子の
外接円に対する面積率(粒子の投影断面積と粒子に外接
する円の面積との比)が60%以上のシリカ粒子を含む
少なくとも一種類の不活性粒子をポリエステルに対して
0.005〜0.5重量%含有することが必要である。
【0009】この発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、静止摩擦係数が1.5未満であるため、フィルムの
製造工程や磁気記録媒体の製造工程においてフィルム面
の滑り抵抗が小さく、良好なハンドリング性を示す。そ
して、空気抜け速さは、上記フィルムの高速作業時にお
けるハンドリング性を明確に示す指数であり、これをコ
ントロールすることによって高速作業時のハンドリング
性を改善することができる。すなわち、空気抜け速さを
900秒以内とすることにより、高速作業時において
も、フィルムの厚さや強度とは無関係に良好なハンドリ
ング性が得られる。反対に、空気抜け速さが900秒を
超えた場合は、高速作業時のハンドリング性が著しく不
良になり、例えばフィルムを高速でロール状に巻取る場
合にフィルムと巻取りロールとの間に空気のかたまりが
トラップされて巻姿が不良になったり、またフィルムが
巻き込む空気層の潤滑効果によってフィルムが幅方向に
蛇行してロール端面の不揃いが生じたりする。
は、静止摩擦係数が1.5未満であるため、フィルムの
製造工程や磁気記録媒体の製造工程においてフィルム面
の滑り抵抗が小さく、良好なハンドリング性を示す。そ
して、空気抜け速さは、上記フィルムの高速作業時にお
けるハンドリング性を明確に示す指数であり、これをコ
ントロールすることによって高速作業時のハンドリング
性を改善することができる。すなわち、空気抜け速さを
900秒以内とすることにより、高速作業時において
も、フィルムの厚さや強度とは無関係に良好なハンドリ
ング性が得られる。反対に、空気抜け速さが900秒を
超えた場合は、高速作業時のハンドリング性が著しく不
良になり、例えばフィルムを高速でロール状に巻取る場
合にフィルムと巻取りロールとの間に空気のかたまりが
トラップされて巻姿が不良になったり、またフィルムが
巻き込む空気層の潤滑効果によってフィルムが幅方向に
蛇行してロール端面の不揃いが生じたりする。
【0010】この発明の二軸配向ポリエステルフィルム
においては、高さ0.54μm以上の高い突起が実質的
に存在しないので、メタル塗布型や蒸着型のビデオテー
プ、デジタルオーディオテープ等の高速度磁気記録媒体
とした場合、磁気記録信号の欠落、すなわちドロップア
ウトが生じ難い。また、高さ0.2μm以上の突起の密
度を200〜1000個/mm2 とすることにより、高密
度磁気記録媒体用ベースフィルムとしての電磁変換特性
および高速作業時のハンドリング性が双方とも良好とな
る。これに対して、上記高さ範囲の突起の密度が200
個/mm2 未満の場合は、空気抜け速さを900秒以内に
することが困難になり、高速作業時のハンドリング性が
不良になり、反対に1000個/mm2 を超えた場合は、
高密度磁気記録媒体用ベースフィルムとしての電磁変換
特性が不良になる。また、高さ0.025μm以上0.
2μm未満の突起の密度を25000個以上にすること
により、静止摩擦係数を1.5未満に低くし、かつハン
ドリング性を3級以上とすることが容易になる。
においては、高さ0.54μm以上の高い突起が実質的
に存在しないので、メタル塗布型や蒸着型のビデオテー
プ、デジタルオーディオテープ等の高速度磁気記録媒体
とした場合、磁気記録信号の欠落、すなわちドロップア
ウトが生じ難い。また、高さ0.2μm以上の突起の密
度を200〜1000個/mm2 とすることにより、高密
度磁気記録媒体用ベースフィルムとしての電磁変換特性
および高速作業時のハンドリング性が双方とも良好とな
る。これに対して、上記高さ範囲の突起の密度が200
個/mm2 未満の場合は、空気抜け速さを900秒以内に
することが困難になり、高速作業時のハンドリング性が
不良になり、反対に1000個/mm2 を超えた場合は、
高密度磁気記録媒体用ベースフィルムとしての電磁変換
特性が不良になる。また、高さ0.025μm以上0.
2μm未満の突起の密度を25000個以上にすること
により、静止摩擦係数を1.5未満に低くし、かつハン
ドリング性を3級以上とすることが容易になる。
【0011】なお、滑剤中の不活性粒子の平均粒子径が
0.05μm未満ではハンドリング性の向上効果が不十
分であり、0.5μmを超えるとフィルム表面に粗大突
起を生じることがあっていずれも不適当である。また、
粒子径のばらつき度が25%を超えると、フィルム表面
の平滑性が損なわれ、ハンドリング性が低下し易くな
る。また、上記不活性粒子の面積率が60%未満の場合
は、フィルム表面の突起の形態が不規則になり、表面形
状を微調整して所望の効果を得ることが困難になる。ま
た、上記不活性粒子の添加量が0.005重量%未満の
場合は、ポリマー中の粒子量が少な過ぎ、フィルム表面
の突起密度が低下してハンドリング性が不十分になり、
反対に0.5重量%を超えると、粒子が多過ぎてポリマ
ー中で凝集し易く、そのため粗大突起が生じる。
0.05μm未満ではハンドリング性の向上効果が不十
分であり、0.5μmを超えるとフィルム表面に粗大突
起を生じることがあっていずれも不適当である。また、
粒子径のばらつき度が25%を超えると、フィルム表面
の平滑性が損なわれ、ハンドリング性が低下し易くな
る。また、上記不活性粒子の面積率が60%未満の場合
は、フィルム表面の突起の形態が不規則になり、表面形
状を微調整して所望の効果を得ることが困難になる。ま
た、上記不活性粒子の添加量が0.005重量%未満の
場合は、ポリマー中の粒子量が少な過ぎ、フィルム表面
の突起密度が低下してハンドリング性が不十分になり、
反対に0.5重量%を超えると、粒子が多過ぎてポリマ
ー中で凝集し易く、そのため粗大突起が生じる。
【0012】次に、実施例によって本発明を更に具体的
に説明するに先立ち、フィルムの静止摩擦係数、空気抜
け速さ等の諸性状の測定方法を説明する。
に説明するに先立ち、フィルムの静止摩擦係数、空気抜
け速さ等の諸性状の測定方法を説明する。
【0013】(1) 静止摩擦係数(μs ) ASTM D−1894−63に準拠し、スレッド式ス
リップテスター(DAVENPORT)を用い、フィル
ム/フィルム間の静止摩擦係数(μs)を測定した。な
お、測定環境は温度23℃、相対湿度65%であった。
リップテスター(DAVENPORT)を用い、フィル
ム/フィルム間の静止摩擦係数(μs)を測定した。な
お、測定環境は温度23℃、相対湿度65%であった。
【0014】(2) 空気抜け速さ 図面に示す測定装置を用意する。すなわち、台盤1の上
面に円形の孔1aを設け、この孔1a内に直径70mmの
ガラス平板2を固定してガラス平板2の外周と孔壁1b
との間に溝を形成し、更に上記の孔1aを囲むリング状
の溝孔1cをあけ、この溝孔1cを上記ガラス平板2の
外周の溝と連通させ、溝孔1cに吸引パイプ3を介して
真空ポンプ4の吸引口を接続する。そして、台盤1の上
面に、ガラス平板2を覆う大きさのフィルム試料5を重
ね、その外周を粘着テープ6で台盤1上に密封状に固定
し、真空ポンプ4を駆動し、ガラス平板2の外周部に干
渉縞が出現してからガラス平板2の全面に干渉縞が広が
り、その動きが止まるまでの時間(秒)を測定し、この
時間(秒)をもって空気抜け速さとする。
面に円形の孔1aを設け、この孔1a内に直径70mmの
ガラス平板2を固定してガラス平板2の外周と孔壁1b
との間に溝を形成し、更に上記の孔1aを囲むリング状
の溝孔1cをあけ、この溝孔1cを上記ガラス平板2の
外周の溝と連通させ、溝孔1cに吸引パイプ3を介して
真空ポンプ4の吸引口を接続する。そして、台盤1の上
面に、ガラス平板2を覆う大きさのフィルム試料5を重
ね、その外周を粘着テープ6で台盤1上に密封状に固定
し、真空ポンプ4を駆動し、ガラス平板2の外周部に干
渉縞が出現してからガラス平板2の全面に干渉縞が広が
り、その動きが止まるまでの時間(秒)を測定し、この
時間(秒)をもって空気抜け速さとする。
【0015】(3) 異常突起数(高さ0.54μm以上の
突起数) フィルム表面にアルミニウムを薄く蒸着したのち、Nach
e 社製二光束干渉顕微鏡を用いて、拡大倍率800倍で
20mm2 の面積をくまなく走査し、0.54μm以上の
高さの突起の数を求め、1cm2 当りに換算して異常突起
数とした。
突起数) フィルム表面にアルミニウムを薄く蒸着したのち、Nach
e 社製二光束干渉顕微鏡を用いて、拡大倍率800倍で
20mm2 の面積をくまなく走査し、0.54μm以上の
高さの突起の数を求め、1cm2 当りに換算して異常突起
数とした。
【0016】(4) 高さ0.2μm以上の突起数及び 高さ0.025〜0.2μmの突起数 フィルム表面を(株)小坂研究所製の非接触3次元表面
粗さ計(ET-30HK) を用い、フィルム長手方向に対して4
5度の傾斜方向にカットオフ値0.08mmで、長さ0.
025mmにわたって測定し、0.5μmピッチで500
点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SPA−1
1) に取り込んだ。これと同様の操作を0.5μm間隔
で、150回、つまり幅0.3mmにわたって行ない、解
析装置にデータを取り込んだ。次に、解析装置を用いて
突起密度の高さ分布を求めた。このとき、±0.006
25μm のヒステリシス幅を越えても突起と認識され
た物のみをカウントした。次に、突起数が最も多くカウ
ントされた面を基準面とし、基準面から0.2μm高い
レベルにおいて認識される突起数を、1mm2 当りの個数
に換算して、高さ0.2μm以上の突起数とした。ま
た、0.025μm以上の高さの突起数から0.2μm
以上の高さの突起数を差し引いて、高さ0.025〜
0.2μmの突起数とした。
粗さ計(ET-30HK) を用い、フィルム長手方向に対して4
5度の傾斜方向にカットオフ値0.08mmで、長さ0.
025mmにわたって測定し、0.5μmピッチで500
点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SPA−1
1) に取り込んだ。これと同様の操作を0.5μm間隔
で、150回、つまり幅0.3mmにわたって行ない、解
析装置にデータを取り込んだ。次に、解析装置を用いて
突起密度の高さ分布を求めた。このとき、±0.006
25μm のヒステリシス幅を越えても突起と認識され
た物のみをカウントした。次に、突起数が最も多くカウ
ントされた面を基準面とし、基準面から0.2μm高い
レベルにおいて認識される突起数を、1mm2 当りの個数
に換算して、高さ0.2μm以上の突起数とした。ま
た、0.025μm以上の高さの突起数から0.2μm
以上の高さの突起数を差し引いて、高さ0.025〜
0.2μmの突起数とした。
【0017】(5) 平均粒子径 滑剤粒子を(株)日立製作所製S−510型走査型電子
顕微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して模写し、
滑剤の外形をトレースし任意に200個の粒子を選んで
黒く塗りつぶした。この像をニレコ(株)製ルーゼック
ス500型画像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水
平方向のフエレ径を測定し、その平均値を平均粒子径と
した。また、粒子径のばらつき度は下記の式により算出
した。 ばらつき度=(粒子径の標準偏差)×100/(平均粒
子径)
顕微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して模写し、
滑剤の外形をトレースし任意に200個の粒子を選んで
黒く塗りつぶした。この像をニレコ(株)製ルーゼック
ス500型画像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水
平方向のフエレ径を測定し、その平均値を平均粒子径と
した。また、粒子径のばらつき度は下記の式により算出
した。 ばらつき度=(粒子径の標準偏差)×100/(平均粒
子径)
【0018】(6) 面積率 平均粒子径の測定に用いたトレース像から任意に20個
の粒子を選び、(4) で用いた画像解析装置を用いて、そ
れぞれの粒子の投影断面積を測定した。また、それらの
粒子に外接する円の面積を算出し、下記の式により、面
積率を求めた。 面積率=(粒子の投影断面積)×100/(粒子に外接
する円の面積)
の粒子を選び、(4) で用いた画像解析装置を用いて、そ
れぞれの粒子の投影断面積を測定した。また、それらの
粒子に外接する円の面積を算出し、下記の式により、面
積率を求めた。 面積率=(粒子の投影断面積)×100/(粒子に外接
する円の面積)
【0019】(7) フィルムのハンドリング性 広幅のフィルムロールを高速でスリットし、小幅のロー
ルに巻直すに際し、ロール端部の巻ずれ、しわ、バブル
等を生じないで問題のないスリットロールが得られるか
どうかを4段階に評価し、次のランク付けで表した。 1級:問題のないスリットロールを得ることは極めて困
難 2級:低速で問題のないスリットロールが得られる 3級:中速で問題のないスリットロールが得られる 4級:高速で問題のないスリットロールが得られる
ルに巻直すに際し、ロール端部の巻ずれ、しわ、バブル
等を生じないで問題のないスリットロールが得られるか
どうかを4段階に評価し、次のランク付けで表した。 1級:問題のないスリットロールを得ることは極めて困
難 2級:低速で問題のないスリットロールが得られる 3級:中速で問題のないスリットロールが得られる 4級:高速で問題のないスリットロールが得られる
【0020】(8) 電磁変換特性得られたフィルムの片面
に易滑層、他面に厚さ3μmの磁性層を塗工した後、2
分の1インチ幅にスリットして、VHS規格のビデオテ
ープを得た。得られたテープの標準テープ(比較例1)
に対するクロマS/Nを、(株)シバソク製TG−7形
NTSC TV試験信号発生器および925D/1形N
TSCカラービデオノイズ測定器を用いて測定し、3段
階に評価して次のランク付けで表した。 ×:−1dB未満 ○:−1dB以上+1dB未満 ◎:+1dB以上
に易滑層、他面に厚さ3μmの磁性層を塗工した後、2
分の1インチ幅にスリットして、VHS規格のビデオテ
ープを得た。得られたテープの標準テープ(比較例1)
に対するクロマS/Nを、(株)シバソク製TG−7形
NTSC TV試験信号発生器および925D/1形N
TSCカラービデオノイズ測定器を用いて測定し、3段
階に評価して次のランク付けで表した。 ×:−1dB未満 ○:−1dB以上+1dB未満 ◎:+1dB以上
【0021】
実施例1、2及び比較例1、2、3、4 攪拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口
を設けた2段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応
装置を用い、その第1エステル化反応缶のエステル化反
応生成物が存在する系にテレフタール酸のエチレングリ
コールスラリー(テレフタール酸に対するエチレングリ
コールのモル比を1.7に調製し、かつ三酸化アンチモ
ンをアンチモン原子としてテレフタール酸単位当り29
8ppm含有する)を連続的に供給した。同時に、上記
スラリーの供給口とは別の供給口から酢酸マグネシウム
四水塩のエチレングリコール溶液を、上記反応缶内を通
過する反応生成物中のポリエステル単位ユニット当りM
g 原子として100ppmとなるように連続的に供給
し、常圧にて平均滞留時間4.5時間、温度255℃で
反応させた。
を設けた2段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応
装置を用い、その第1エステル化反応缶のエステル化反
応生成物が存在する系にテレフタール酸のエチレングリ
コールスラリー(テレフタール酸に対するエチレングリ
コールのモル比を1.7に調製し、かつ三酸化アンチモ
ンをアンチモン原子としてテレフタール酸単位当り29
8ppm含有する)を連続的に供給した。同時に、上記
スラリーの供給口とは別の供給口から酢酸マグネシウム
四水塩のエチレングリコール溶液を、上記反応缶内を通
過する反応生成物中のポリエステル単位ユニット当りM
g 原子として100ppmとなるように連続的に供給
し、常圧にて平均滞留時間4.5時間、温度255℃で
反応させた。
【0022】得られた反応生成物を系外に連続的に取り
出して第2エステル化反応缶に供給し、この第2エステ
ル化反応缶を通過する反応生成物中のポリエステル単位
ユニットに対するエチレングリコール0.5重量部、ト
リメチルホスフェートのエチレングリコール溶液をP原
子として64ppm、および下記の表に示した滑剤を同
表に示した添加量になるようにそれぞれ別個の供給口か
ら連続的に供給し、常圧にて平均滞留時間5.0時間、
温度260℃で反応させた。第1エステル化反応缶の反
応生成物のエステル化率は70%であり、第2エステル
化反応缶の反応生成物のエステル化率は98%であっ
た。この第2エステル化反応の反応生成物を、攪拌装
置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口を設け
た2段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合
を行ない、固有粘度0.620のポリエステルを作っ
た。
出して第2エステル化反応缶に供給し、この第2エステ
ル化反応缶を通過する反応生成物中のポリエステル単位
ユニットに対するエチレングリコール0.5重量部、ト
リメチルホスフェートのエチレングリコール溶液をP原
子として64ppm、および下記の表に示した滑剤を同
表に示した添加量になるようにそれぞれ別個の供給口か
ら連続的に供給し、常圧にて平均滞留時間5.0時間、
温度260℃で反応させた。第1エステル化反応缶の反
応生成物のエステル化率は70%であり、第2エステル
化反応缶の反応生成物のエステル化率は98%であっ
た。この第2エステル化反応の反応生成物を、攪拌装
置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口を設け
た2段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合
を行ない、固有粘度0.620のポリエステルを作っ
た。
【0023】これらのポリエステルを乾燥し、次いで2
90℃で溶融し30℃の冷却ドラム上に押し出して、厚
さ140μmの未延伸シートを得た。引続きこのシート
をステンター中に導き、90℃に加熱して幅方向に3.
2倍に延伸した。次いで、これを常温で冷却した後、8
0℃に加熱したロール、及び表面温度600℃のIRヒ
ーター(フィルムから20mm離れた位置に設置) を用い
て加熱し、低速ロールと高速ロールとの間で長手方向に
4.8倍に延伸した。更にこれを再度ステンター中に導
き、220℃の熱処理を行ないながら幅方向に4%の弛
緩処理を行なって、厚さ9μmの二軸配向ポリエステル
フィルムを得た。
90℃で溶融し30℃の冷却ドラム上に押し出して、厚
さ140μmの未延伸シートを得た。引続きこのシート
をステンター中に導き、90℃に加熱して幅方向に3.
2倍に延伸した。次いで、これを常温で冷却した後、8
0℃に加熱したロール、及び表面温度600℃のIRヒ
ーター(フィルムから20mm離れた位置に設置) を用い
て加熱し、低速ロールと高速ロールとの間で長手方向に
4.8倍に延伸した。更にこれを再度ステンター中に導
き、220℃の熱処理を行ないながら幅方向に4%の弛
緩処理を行なって、厚さ9μmの二軸配向ポリエステル
フィルムを得た。
【0024】実施例3、比較例5 下記の表に示した滑剤を同表に示した添加量になるよう
に添加することと、未延伸シートの厚さを110μmと
すること以外は実施例1と全く同様の方法で厚さ7μm
の二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
に添加することと、未延伸シートの厚さを110μmと
すること以外は実施例1と全く同様の方法で厚さ7μm
の二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0025】上記の実施例1〜3および比較例1〜5で
得られたフィルムの特性を使用滑剤の性状や添加量と共
に下記の表に示す。ただし、表中、「実」は実施例の、
また「比」は比較例のそれぞれ略記である。また、「突
起の高さ別密度(個/mm2 )」において、「0.025 〜0.
2 μm」、「0.2 μm以上」および「0.54μm以上」
は、それぞれ突起の高さである。
得られたフィルムの特性を使用滑剤の性状や添加量と共
に下記の表に示す。ただし、表中、「実」は実施例の、
また「比」は比較例のそれぞれ略記である。また、「突
起の高さ別密度(個/mm2 )」において、「0.025 〜0.
2 μm」、「0.2 μm以上」および「0.54μm以上」
は、それぞれ突起の高さである。
【0026】 表 実1 実2 実3 比1 比2 比3 比4 比5 滑剤 シリカ 平均粒子径(μm)0.2 0.1 0.2 0.1 − 0.1 − 0.2 ばらつき度(%) 15 20 15 35 − 20 − 15 面積率 95 65 95 55 − 65 − 95 添加量(%) 0.13 0.2 0.1 0.15 − 0.1 − 0.1 滑剤 炭酸カルシウム 平均粒子径(μm)− 0.3 0.3 − 0.3 0.4 0.3 − ばらつき度(%) − 20 20 − 20 30 20 − 面積率 − 80 80 − 75 45 75 − 添加量(%) − 0.03 0.03 − 0.1 0.03 0.15 − フィルム特性 厚さ(μm) 9 9 7 9 9 9 9 7 突起の高さ別密度(個/mm2 ) 0.025 〜0.2 μm 32000 25000 36000 24000 18000 32000 26000 31000 0.2 μm 以上 420 780 850 80 1500 800 2400 380 0.54μm 以上 0 0 0 5 0 20 5 0 静止摩擦係数(μs) 1.0 1.2 1.3 1.8 3.0 0.9 1.4 1.9 空気抜け速さ(秒) 740 630 750 1050 780 470 610 990 ハンドリング性(級) 3 4 3 2 1 4 3 1 電磁特性 ◎ ○ ○ ○ 評価不可× × ◎
【0027】上記の表で明らかなように、この発明の要
件を満たす実施例1ないし3は、いずれも高速作業時の
ハンドリング性および電磁変換特性が良好で、要求を満
たすことができた。これに対し、比較例1は滑剤粒子の
ばらつき度が過大で、面積率が不足し、高さ0.2μm
以上の突起密度が不足し、高さ0.54μm以上の異常
突起が存在し、かつ空気抜け速さが遅いため、ハンドリ
ング性が低かった。また、比較例2は、シリカを用い
ず、高さ0.025〜0.2μmの突起密度が不足し、
静止摩擦係数が過大であるため、ハンドリング性および
電磁特性が双方ともが低くなった。また、比較例3は、
高さ0.54μm以上の異常突起が多数存在するため、
電磁特性が不良であった。また、比較例4は、シリカを
用いず、高さ0.2μm以上の突起密度が過大であるた
め、電磁特性が不良であった。また、比較例5は、空気
抜け速さが遅いため、ハンドリング性が低かった。
件を満たす実施例1ないし3は、いずれも高速作業時の
ハンドリング性および電磁変換特性が良好で、要求を満
たすことができた。これに対し、比較例1は滑剤粒子の
ばらつき度が過大で、面積率が不足し、高さ0.2μm
以上の突起密度が不足し、高さ0.54μm以上の異常
突起が存在し、かつ空気抜け速さが遅いため、ハンドリ
ング性が低かった。また、比較例2は、シリカを用い
ず、高さ0.025〜0.2μmの突起密度が不足し、
静止摩擦係数が過大であるため、ハンドリング性および
電磁特性が双方ともが低くなった。また、比較例3は、
高さ0.54μm以上の異常突起が多数存在するため、
電磁特性が不良であった。また、比較例4は、シリカを
用いず、高さ0.2μm以上の突起密度が過大であるた
め、電磁特性が不良であった。また、比較例5は、空気
抜け速さが遅いため、ハンドリング性が低かった。
【0028】
【発明の効果】この発明の二軸配向ポリエステルフィル
ムは、静止摩擦係数を2.0未満、空気抜け速さを90
0秒以下とし、かつ高さ0.54μm以上の突起を皆無
とし、高さ0.2μm以上の突起密度を比較的小さく、
高さ0.2μm 未満の突起密度を比較的大きく分布さ
せたものであるから、フィルム厚みが10μm以下であ
りながら、高速作業時のハンドリング性が良好で、かつ
良好な電磁変換特性を示す。しかも、滑剤として少なく
ともシリカ粒子を使用し、これら滑剤の大きさ、形状、
含有量を限定するので、上記フィルムの表面性状の調整
を一層容易に行うことができる。
ムは、静止摩擦係数を2.0未満、空気抜け速さを90
0秒以下とし、かつ高さ0.54μm以上の突起を皆無
とし、高さ0.2μm以上の突起密度を比較的小さく、
高さ0.2μm 未満の突起密度を比較的大きく分布さ
せたものであるから、フィルム厚みが10μm以下であ
りながら、高速作業時のハンドリング性が良好で、かつ
良好な電磁変換特性を示す。しかも、滑剤として少なく
ともシリカ粒子を使用し、これら滑剤の大きさ、形状、
含有量を限定するので、上記フィルムの表面性状の調整
を一層容易に行うことができる。
【図1】空気抜け速さを測定するための装置の断面図で
ある。
ある。
1:台盤 2:ガラス平板 3:吸引パイプ 4:真空ポンプ 5:フィルム試料 6:粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00 105:16 B29L 7:00 (72)発明者 久世 勝朗 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績 株式会社総合研究所敦賀分室内 (56)参考文献 特開 平1−92578(JP,A) 特開 昭63−72729(JP,A) 特開 昭62−164733(JP,A) 特開 昭63−220417(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 滑剤を含み、表面に微細な多数の突起を
有する厚みが10μm以下の二軸配向ポリエステルフィ
ルムにおいて、上記の滑剤中に平均粒子径が0.05〜
0.5μm、粒子径のばらつき度(標準偏差と平均粒子
径との比率)が25%以下、上記滑剤粒子の外接円に対
する面積率(粒子の投影断面積と粒子に外接する円の面
積との比)が60%以上のシリカを含む少なくとも一種
類の不活性粒子を、ポリエステルに対して0.005〜
0.5重量%含有し、フィルム表面の静止摩擦係数が
1.5未満、この二軸配向ポリエステルフィルムをガラ
ス平板上に重ねたときの重合面の空気抜け速さ(ただ
し、直径70mmのガラス平板上に重ね、ガラス平板上か
らはみ出した部分を密封し、重合面の空気をガラス平板
の外周から真空ポンプで吸引し、ガラス平板の外周部に
干渉縞が出現してからガラス平板の全面にわたる干渉縞
が出現してその動きが停止するまでの時間を空気抜け速
さとする) が900秒以下、高さ最大の突起高さが0.
54μm未満、高さ0.2μm以上の突起の密度が20
0〜1000個/mm2 、高さ0.025μm以上0.2
μm未満の突起の密度が25000個/mm2 以上であ
り、かつハンドリング性が3級以上であることを特徴と
する二軸配向ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6547197A JP2908771B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6547197A JP2908771B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9257888A Division JPH01263025A (ja) | 1988-04-14 | 1988-04-14 | 二軸配向ポリエステルフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH107820A JPH107820A (ja) | 1998-01-13 |
JP2908771B2 true JP2908771B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=13288070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6547197A Expired - Fee Related JP2908771B2 (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2908771B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4608767B2 (ja) * | 1999-12-03 | 2011-01-12 | 東レ株式会社 | 容器用ポリエステルフィルム |
JP6606200B2 (ja) * | 2016-12-30 | 2019-11-13 | コーロン インダストリーズ インク | ポリエステル樹脂の製造方法 |
-
1997
- 1997-03-04 JP JP6547197A patent/JP2908771B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH107820A (ja) | 1998-01-13 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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