JP7176507B2 - 熱間圧延の反り予測方法、反り制御方法、熱延鋼板の製造方法、反り予測モデルの生成方法、及び熱延設備 - Google Patents

熱間圧延の反り予測方法、反り制御方法、熱延鋼板の製造方法、反り予測モデルの生成方法、及び熱延設備 Download PDF

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本発明は、熱間圧延における圧延機出側での先端反りを予測する技術であり、更に、予測した圧延材の先端反りを抑制して圧延鋼板を製造するための技術に関する。
加熱炉でスラブを加熱し、その加熱されたスラブを圧延材として圧延する熱間圧延では、圧延材の先端部に反りが発生することがある。この反りは、圧延材や圧延機における上下非対称の要因に起因して発生することが知られている。上下非対称の要因としては、圧延材の上下面の温度差、上下ワークロールの周速差、上下ワークロールの径差、ワークロールと圧延材間の上下の摩擦係数差、圧延材の進入角度などが挙げられる。
圧延工程で圧延材に反りが生じると、圧延材先端部が衝突することによる周辺設備の破損が懸念される。更に、圧延後の冷却工程で圧延材上に不均一な水乗りが発生して、材質不良及び形状不良の原因となる。更にまた、圧延後の精整工程で製品の反り矯正が必要となる。
圧延での反りを改善する方法として、例えば特許文献1~3に記載の方法がある。特許文献1~3には、圧延での反りを改善する方法として、上下非対称の要因を特定し、特定した要因を反り抑止の手法として積極的に用いる方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、圧延材の上下面の温度差や圧下率などから各圧延パスの反りの方向と大きさを予測して、これを解消するように上下ワークロールの周速差を設定する方法が提案されている。
特許文献2では、実測した反り量と、予め求めた上下ワークロール周速差やパスライン位置と反り量の関係とから、次の圧延パスでの上下ワークロール周速差やパスライン位置を設定する方法が提案されている。
また、特許文献3では、圧延材の上下温度差に着目し、圧延先端での反りが小さくなるように加熱炉内での上下設定温度を設定する方法が提案されている。
特開昭63-248506号公報 特許第3298465号公報 特許第3251455号公報
しかしながら、上記の従来技術では、いずれの方法でも反り量自体の予測精度や、操作パラメータと反り量との関係の推定精度が不十分である。その結果として、反りの抑止が十分に行えないという問題がある。
例えば、特許文献1に記載の方法では、過去の実績に基づき、各圧延パスの圧延材上下温度分布、形状比、上下ワークロール周速差に応じた反り量を予め求めておく。しかしながら、当該圧延パスの反りは上流パスで生じた反りの影響を受けることがある。そして、特許文献1に記載の方法では、反り形状に起因して圧延中のデスケーリング水の衝突角度が上下で異なることからスケール剥離性能が上下で異なる。この結果、上下摩擦係数差が生じるため、当該パスの情報だけでは反りの予測精度が不十分となるおそれがある。
また、一般に、薄鋼板の熱延粗圧延や厚鋼板での厚み出し圧延では、圧延における反りは、圧延機出側での自重の影響により圧延材尾端部では小さくなるので、前パスの尾端部が次パスの先端部となるリバース圧延では圧延機入側の先端反りは小さく、圧延機出側の反りへの影響も小さい。しかし、長さの短い鋼板を圧延する場合には、圧延全長で反りを有する形状となることがあり、リバース圧延の場合には、上流パスの反りがワークロールへの進入角度となり当該パスの反りに影響を及ぼすことになる。
特許文献2に記載の方法でも同様に、上流パスで生じた反り形状に起因するデスケーリング水の水乗りやスケール剥離の上下差によって、圧延材の上下温度差や摩擦係数差が変化するため、当該パスの反り予測精度が悪化する。
また、特許文献3に記載の方法では加熱炉の情報を用いるが、加熱炉の情報だけでは、加熱炉抽出から圧延開始までや圧延工程内での上下温度差の変化挙動を考慮することが困難である。このため、圧延時の上下温度差、つまりここでは反りへの影響を予測するには不十分である。例えば、圧延1パス目に圧延材上下温度が均一となるように加熱炉を設定したとしても、圧延2パス目以降では上下面の放射率の違いにより上下温度差が拡大する可能性がある。また、下流パスで上下温度が均一となるように加熱制御しても、上流パスで反りが発生した場合には想定外にデスケーリング水の水乗りが生じ、結果として下流パスで上下温度が不均一となり反りが生じる。
本発明は、以上の課題に着目してなされたものであり、加熱炉にて加熱されたスラブを圧延する熱間圧延において、圧延材先端部の反り量を高精度に予測し、その予測に基づき圧延の操業パラメータを変更することで、圧延材先端部の反りの発生を確実に防止することを目的とするものである。
本発明者らは、熱間圧延での圧延先端反り量の発生状況を操業データと比較しながら解析することで、先端反りの予測及び制御方法について鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、圧延材先端部の反り量を予測する当該圧延パスよりも上流の1つ以上の圧延パス出側での圧延材先端部の反り量が、当該圧延パス出側の反り量に大きな影響を与えることを発見した。また、本発明者らは、上流パスでの圧延材先端部の反り量を入力データとして、機械学習により学習された当該パス出側の圧延材先端部の反り量を予測する反り予測モデルを用いることで、従来よりも高精度に反り量が予測できることを見出した。更に、本発明者らは、反り予測モデルにより反り量を予測し、反り量が小さくなるように操業パラメータを設定することで、反りの発生防止が可能となることを見出した。
課題を解決するために、本発明の一態様は、圧延材を複数の圧延パスで熱間圧延する圧延工程を有し、上記複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測する反り予測方法であって、上記予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスから選択した1又は2以上の圧延パスである測定圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を入力データとし、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を出力データとした、機械学習により学習された反り予測モデルを用いて、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測することを要旨とする。
また、本発明の態様は、上記一態様の反り予測方法を用いて、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測し、予測した反り量が小さくなるように、上記予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定することを要旨とする。
また、本発明の態様は、上記態様の熱間圧延の反り制御方法を用いた、熱延鋼板の製造方法である。
また、本発明の態様は、圧延材を熱間圧延する複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測するために使用される反り予測モデルの生成方法であって、上記予測対象圧延パスよりも上流の1又は2以上の圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を入力実績データとし、反り量を予測する予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を出力実績データとした、複数の学習用データを取得し、取得した複数の学習用データを用いた機械学習によって、反り予測モデルを生成することを要旨とする。
また、本発明の態様は、スラブを加熱する加熱工程と、加熱後のスラブからなる圧延材を複数の圧延パスで熱間圧延する圧延工程と、を有する熱延設備であって、反り予測モデルを用いて、上記複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測する反り予測部を備え、上記反り予測モデルは、機械学習により学習されたモデルであって、上記予測対象圧延パスよりも上流の1又は2以上の圧延パスである測定圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を入力データとし、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を出力データとした学習モデルであることを要旨とする。
本発明の態様によれば、加熱工程にて加熱されたスラブを圧延材として熱間圧延する熱間圧延ラインにおいて、より有効に圧延材先端部での反り量を予測することが可能となる。その結果、本発明の態様によれば、その圧延材先端部での反り発生を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態の熱間圧延ラインについて説明するための図である。 本発明の実施形態の圧延機について説明するための図である。 本発明の実施形態の反り制御部について説明するための図である。 反り測定方法について説明するための図である。 反り量の相関について説明するための図である。 反り予測モデルの予測精度について説明するための図である。
次に、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、厚鋼板を製造する厚板圧延の熱間圧延設備を例に挙げて説明する。
なお、本発明は、熱延薄鋼板を製造する熱延圧延ライン(熱間圧延処理設備)の粗圧延や仕上げ圧延設備についても適用可能であり、厚鋼板と薄鋼板のような圧延材の板厚や鋼材の違い、圧延スタンド数やリバース圧延の有無などで限定されない。
本発明は、熱間圧延が複数の圧延パスを有していれば適用可能である。なお、以下の説明では、圧延パスを単にパスと記載する場合もある。
本発明での複数の圧延パスとは、1つの圧延材を圧延機で複数回圧延することを指す。圧延パスは、複数の圧延機を有するタンデム圧延設備における各圧延機での圧延パスと、同一の圧延機で複数回圧延を実行する際の各圧延パスの、両方の意味を含む。
また、本実施形態において、圧延材先端部とは、各圧延パスにおける進行方向の圧延材の先端部を指し、圧延材尾端部とは、各圧延パスにおける進行方向の圧延材の尾端部を指す。
なお、リバース圧延では、進行方向が変わる毎に圧延材先端部と圧延材尾端部が入れ替わる。また、上流パスとは、単に対象とする圧延パスよりも時間的に前に圧延を実行する圧延パスのことを意味する。
ここで、圧延機で実行する複数の圧延パスのうちから選択した、反りを予測する圧延パスを予測対象圧延パスと記載する。予測対象圧延パスは2以上の圧延パスであっても良い。
また、圧延機で実行する複数の圧延パスのうち、予測対象圧延パスよりも上流パスから選択した1又は2以上の圧延パスであって、反り測定を行うパスを測定圧延パスと記載する。
ここで、圧延工程が、粗圧延と仕上げ圧延とを備える場合、例えば、予測対象圧延パスが仕上げ圧延中のパスの場合に、測定圧延パスが仕上げ圧延中のパスだけに限定されない。測定圧延パスの少なくとも1パスが粗圧延の圧延パスであっても良い。
<熱間圧延設備>
本実施形態の熱間圧延設備は、図1に示すように、加熱炉1、圧延機2、デスケーリング設備3、冷却設備4(温調設備4とも呼ぶ)を有する。図1中、符号5は、加熱炉1で加熱されたスラブであり、圧延機2で圧延される圧延材を構成する。
加熱工程は、加熱炉1で実行される。圧延工程は、圧延機2、デスケーリング設備3、冷却設備4で実行される。
この実施形態では、圧延工程で実行する圧延方式がリバース圧延の場合を例示する。すなわち、加熱後のスラブ5は、圧延機2で複数パス(複数の圧延パス)、リバース圧延を実行されることで所定の板厚まで圧延される。また、デスケーリング設備3によって、圧延機2に進入する前に、圧延材5の表面がデスケーリングされる。デスケーリング設備3は圧延機2の前後面の両方に配備される場合と、片側のみの場合がある。また、圧延後の製品によっては、材質特性を向上させるため、リバース圧延の途中で温調設備4によって圧延材5を冷却し、圧延材5の所定の温度域で圧延を実施する場合がある。
圧延機2は、例えば図2に示すように、少なくとも上下で対をなすワークロール2aと、各ワークロール2aをバックアップするバックアップロール2bとを備える。そして、圧延機2は、公知のように、上下ワークロール2aの周速差、パスライン等の圧延の操業パラメータを、圧延パス毎に変更可能に構成されている。
<反り制御部10>
更に、本実施形態の熱間圧延設備は、図1に示すように、反り制御部10を備える。符号12はデータベース12であり、符号9は反り予測モデル9である、反り予測モデル9は、例えばモデル式で表現される。
反り制御部10は、図3に示すように、反り測定部10A、反り予測部10B、及び反り抑制部10Cを備える。
<反り測定部10A>
反り測定部10Aは、圧延機2の出側に配置されている。本実施形態では、圧延機2がリバース圧延で操業されるため、圧延機2の出側と入側の両方に配置されている。
反り測定部10Aは、圧延機出側における圧延材先端部の反り量を測定する。
反り測定部10Aは、例えば、図4に示すように、圧延機出側での圧延材先端部をエリアカメラ6で側方から撮影し、撮影した撮像データを画像処理により定量化することで反り量を取得する。また、反り測定部10Aは、レーザーやマイクロ波などの距離計を上面若しくは下面に設置して、反り高さを直接測定しても構わない。
図4(b)の符号ARAは、エリアカメラ6の視野(撮像範囲)の例である。
反り量Hとは、図4(b)に示すように、例えば、圧延機出側から予め設定した水平距離L(パスラインに沿った方向の所定距離L)だけ圧延機2から離れた位置での、圧延材先端部5aの圧延機出側での高さ(パスライン位置の高さ)に対する高さ方向の差で定義できる。圧延機出側から予め設定した水平距離Lだけ離れた位置までの圧延材先端部の反り形状を2次曲線で近似し、曲率として求めた値を反り量と定義しても構わない。いずれの方法でも、予め設定した水平距離Lは、例えば1m以上5m以下の範囲で設定すればよい。反りは圧延材5の自重の影響により、先端から最大5m程度の範囲で発生する。また、水平距離を1m以下とすると測定できる反り量が小さくなり評価が困難となる。
<反り予測部10B>
反り予測部10Bは、予め求めた反り予測モデル9を表すモデル式を用いて、複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測する。
反り予測部10Bが用いる反り予測モデル9は、機械学習により学習されたモデルであって、測定圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を入力データとし、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を出力データとした学習モデルである。
入力データとしての反り量は、反り測定部10Aで測定されたデータである。すなわち、測定圧延パス出側の圧延材先端部の反り量は、圧延パスが測定圧延パスと判定されるパスの場合に、そのパスの出側に位置する反り測定部10Aが測定した反り量を採用する。
反り予測モデル9の入力データとして、更に、スラブを加熱する加熱工程の操業パラメータと、上記予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスから選択した1又は2以上の圧延パスである操業圧延パスでの圧延の操業パラメータと、を有することが好ましい。
ここで、測定圧延パスと操業圧延パスは、部分的に又は完全に一致していても良いし、互いに異なっていても良い。
加熱工程での操業パラメータについては、後述する。
入力データとしての圧延の操業パラメータとしては、上下ワークロール周速率、パスライン、上下デスケーリング噴射タイミング差、及び温調設備4の上下流量差の少なくとも一つの操業パラメータが例示できる。
加熱工程での操業パラメータ、及び圧延の操業パラメータは、例えば上位のコンピュータ11から取得したり、各装置での実測値を採用したりすればよい。
ここで、圧延材先端部の反り量を予測する予測対象圧延パスは、例えば、製品寸法への影響の大きい、圧延工程の最終パス出側での圧延材先端部の反り量とする。また、例えば、温調設備4の破損防止のため、予測対象圧延パスを、温調設備4へ搬送する途中の圧延パスとしてもよい。
また、予測対象圧延パスとして、最終パス出側とその1つ前の圧延パスなど複数のパスを設定し、複数の反り量を予測対象として設定してもよい。その場合は、1つの反り予測モデル9で2つ以上の反り量を予測すればよいが、各予測対象圧延パス毎に、入力データを変えた個別の反り予測モデル9を用意して、それぞれ個別に反り量を予測するように構成してもよい。
<反り予測モデル9の説明>
圧延材先端部の反り量を予測する反り予測モデル9の生成について説明する。
まず、1又は2以上の測定圧延パス出側での圧延材先端部の反り量を入力実績データとし、予測対象圧延パスでの圧延材先端部の反り量を出力実績データとした、複数の学習用データを取得する。
更に、上記の測定圧延パス出側での圧延材先端部の反り量を取得する際の圧延操業における、加熱工程や圧延工程の操業パラメータも、入力実績データの一部として、各学習用データを取得するようにしても良い。
次に、取得した複数の学習用データを用いた機械学習によって、反り予測モデル9を生成する。
機械学習の方法は、公知の学習方法を適用すればよい。機械学習は、例えば、ニューラルネットワークなどの公知の機械学習手法を用いればよい。他の手法としては、決定木学習、ランダムフォレスト、サポートベクター回帰、ガウス過程、k近傍法などが例示できる。反り予測モデル9は例えば、反り量を求める関係式の形で表現できる。
ここで、反り予測モデル9は、最新の学習データを用いて、適宜、更新すればよい。
<反り予測モデル9の入力データの説明>
[測定圧延パスでの反り量Hについて]
反り量Hを予測する予測対象圧延パスよりも上流パスである測定圧延パスの出側での圧延材先端部の反り量Hを入力データとして用いる理由としては、以下のような理由が挙げられる。
まず、測定圧延パス出側での反り形状によってデスケーリング水の圧延材5表面への衝突角度が上下で異なることで、圧延材5の上下面でのスケール剥離が異なる。この結果、ワークロール2aと圧延材5との間の摩擦係数の上下差が生じる。これが測定圧延パスよりも下流パスである予測対象圧延パスで出側での反りに影響する。
また、測定圧延パス出側での反り形状によってデスケーリング後に圧延材5表面に滞留する乗り水量が変化し、次パス以降の摩擦係数の上下差となる。
また、長さの短い圧延材5をリバース圧延する場合は、圧延材尾端部でも圧延材先端部と同様の反りが発生し、上流パスの圧延材尾端部の反りが次パスの圧延材先端部の進入角度となり、圧延パス出側の反り量Hへ影響を及ぼす。
以上のような理由から、予測対象圧延パスの圧延操業パラメータのみを用いて反り量Hを予測するよりも、本実施形態の反り予測方法を用いることで、高精度に反り量Hを予測することが可能となる。
予測対象圧延パスの反り量Hの予測に用いる上流パスとしての測定圧延パスは、圧延工程の最初の圧延パスから反り量Hを予測する予測対象圧延パスの1つ前までの全圧延パスを含むことが好ましい。
しかし、これに限定されるものではない。測定圧延パスは、予測対象圧延パスよりも上流側の少なくとも1つの圧延パスを有すればよい。ここで、予測対象圧延パスの1つ前の圧延パス出側の反り量Hの影響が大きい(図5、図6参照)。このため、測定圧延パスとして、反り量Hを予測する予測対象圧延パスの1つ前の圧延パスを少なくとも含むことが好ましい。
ここで、図5は、反り予測モデル作成に用いる上記入力データの影響を示すデータとして、リバース圧延での当該パス出側の反り量Hとその上流パスの圧延パス出側の反り量Hとの関係を示す図である。図5から分かるように、予測対象圧延パス出側での反り量とその1~3パス前の各パス出側での反り量との間には強い相関が認められた。ただし、その関係は非線形性を有しており、例えば、ニューラルネットワークなどの非線形の関数近似器を用いた機械学習が有効であることを示唆している。
また、反り予測モデル作成に用いる上記入力データを種々変更して機械学習によって作成した反り予測モデル9の反り量Hの予測精度の検証を行った。出力データは各圧延材5の最終パス出側の反り量Hとし、1000本の圧延材5の入出力実績データを用いて学習を行い、学習に用いた圧延材5とは異なる200本の圧延材5のデータを用いて予測精度の検証を行った。反りモデル生成と予測精度検証に用いたデータは、各モデルで共通である。図6にその結果を示す。図6は、反り予測モデル9の入力データとして、表1に示すように、ケースA~Fの6パターンについて検討し、各パターンでの、各反り予測精度の予測誤差の標準偏差について求めた結果である。この図6から、反り量Hを予測する予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスの反り量Hを入力データに加えることが予測精度の向上への寄与が大きいことが分かる。
Figure 0007176507000001
[加熱工程の操業パラメータについて]
また、加熱工程の操業パラメータを反り予測モデル9の入力データとして用いるのは、次の理由である。
すなわち、加熱炉1での加熱による、圧延材5温度の上下差や加熱炉1内で生成するスケール厚の上下差が、圧延材5の反りに影響する。
反り予測モデル9の入力データとしての、加熱工程の操業パラメータとしては、例えば、加熱炉1内の各帯(予熱帯、加熱帯、均熱帯)での炉温、在炉時間及び使用ガス流量、加熱炉1への装入時の圧延材温度、製鋼工程からの搬送リードタイムなどが例示できる。また、複数の加熱炉1を有する場合は、加熱炉1毎に上記パラメータの影響度合いが異なるため、炉番号を入力データとして用いてもよい。
[圧延の操業パラメータについて]
反り予測モデル9の入力データとしての、圧延の操業パラメータとしては、ワークロール周速の上下差、パスライン、圧延材5表面温度の上下差、温調設備4の上下流量差、デスケーリング水の噴射タイミングの上下差などが例示できる。
ここで、パスラインとは、圧延機2入側の搬送テーブルと下ワークロール2a表面最上部の高さ方向の差と定義する。デスケーリング水の噴射タイミングの影響としては、例えば、上面側を最先端から噴射開始し、下面側は噴射開始が上面側より遅い場合、圧延材先端部の圧延材5温度の上面側が下面側よりも低くなるため、材料変形抵抗の上下差が発生し、上方向への反りを助長する。また、ワークロール2aと圧延材5の間の潤滑の効果を持つ表面酸化スケールが下面側で残存し、下面側の摩擦係数が上面側よりも低くなり、結果として上方向への反りを更に助長する。デスケーリング水の噴射タイミングの上下差とは、上下の片側を噴射開始してから、もう片方を噴射開始するまでの時間と定義し、上側を先に噴射する場合を正とする。なお、ワークロール周速の上下差、パスライン、圧延材5表面温度の上下差などの圧延の操業パラメータが、圧延材5の反りに影響があることは、従来から知られている。
反り予測モデル9の入力データとしての、圧延の操業パラメータとして、摩擦係数上下差に影響するワークロール2aの使用距離や、圧延荷重による圧延機2の非対称弾性変形も例示できる。また、反り予測モデル9の入力データとしての、圧延の操業パラメータとして、圧下系部品交換からの期間やロールチョックとハウジング間すき間距離、スケール成長挙動に影響する気温、湿度、デスケーリング水の温度などが挙げられる。
<反り抑制部10C>
反り抑制部10Cは、反り予測部10Bが予測した予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hが小さくなるように、測定圧延パスよりも下流の圧延パスから選択した1又は2以上のパスにおいて、その圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定する。操業パラメータを再設定する圧延パスは、測定圧延パスと同じでも良いし異なっていても良い。
反り抑制部10Cは、例えば、予測した反り量Hが小さくなるように、予測対象圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定する。また、反り抑制部10Cは、例えば、予測した反り量Hが小さくなるように、測定圧延パスよりも下流であって、予測対象圧延パスよりも上流側の圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定する。予測対象圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータと、測定圧延パスよりも下流であって、予測対象圧延パスよりも上流側の圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータとの両方の操業パラメータを再設定してもよい。
再設定する操業パラメータとして、上下ワークロール周速率、パスライン、上下デスケーリング噴射タイミング差、温調設備4の上下流量差が例示できる。
更に、本実施形態の反り抑制部10Cについて詳説する。
本実施家形態の反り抑制部10Cは、ステップS10、及びS20の2ステップの工程を少なくとも有する。
すなわち、判定部であるステップS10にて、反り予測部10Bが予測した予測対象圧延パスでの反り量Hが、予め設定した設定許容値を超えているか否かを判定する。予測した反り量Hが設定許容値を超えていると判定した場合には、ステップS20に移行する。一方、予測した反り量Hが設定許容値を超えていないと判定した場合には、反り抑制部10Cの処理を終了する。
操業パラメータ再設定部であるステップS20では、予測した反り量Hが小さくなる方向に、圧延工程の操業パラメータのうち、反り量Hに相関がある操業パラメータの値を再設定する。再設定を実行したら処理を終了とする。
ここで、圧延の操業パラメータの再設定は、例えば、予測対象圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータ、又は、測定圧延パスよりも下流であって、予測対象圧延パスよりも上流側の圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータとする。
ここで、反り量Hに相関があり、反り量Hを小さくなるように再設定する操業パラメータは、反り予測モデル9の入力データと同じパラメータであってもよいし異なるものでもよい。また、公知の反りに相関のあるパラメータを採用してもよい。例えば、背景技術で記載したようなパラメータを採用すればよい。
また、反りを抑制するために再設定する操業パラメータは1又は複数を採用してもよい。再設定する操業パラメータが1パラメータの場合は、例えば、予め再設定する操業パラメータと反り量Hの相関を求めておき、その相関に基づき、反り量Hが小さくなると推定される方向に値を変更することで、再設定する操業パラメータの設定値を変更する。また、再設定する操業パラメータが、反り予測モデル9の入力データとしての圧延の操業パラメータである場合は、反り量Hが許容値以下となるように、再設定する操業パラメータの変更を繰り返して反り量Hの予測を行えばよい。
ただし、実際には再設定する操業パラメータが1パラメータの場合は反りの抑制が十分でないことが多いため、複数の操業パラメータを用いることが望ましい。この場合でも、上記のように、予め求めておいた各操業パラメータと反り量Hとの相関を用いてもよいし、各操業パラメータの変更を繰り返して反り量Hを予測し、許容値以下となる操業パラメータの組合せを決定してもよい。更には、反り量Hの予測値と各操業パラメータの変更量を重み付け評価関数とする最適化方式や各操業パラメータの優先順方式を用いてもよい。これらは、再設定する各操業パラメータの組合せの数が膨大となり、反り量Hが許容値以下となる操業パラメータの組合せを求めるのが困難な場合に有効である。
最適化方式では、(1)式のように、反り量Hの予測値と各操業パラメータの変更量(再設定前との差)の重み付け和を評価関数として、評価関数が最小となるような操業パラメータの組合せを決定する。
Eval =w・H +Σ i=0・(P -P
・・・・(1)
ここで、
n :再設定する操業パラメータの数
:再設定する操業パラメータの再設定値
:再設定前の操業パラメータの設定値
、w :重み係数
である。
各操業パラメータの重み係数は、予め設定しておく必要があり、例えば、各操業パラメータの評価関数の値への影響度合いが等しくなるように、各操業パラメータと反り量Hの相関を1次近似した傾きの逆数を用いればよい。評価関数の求解には、凸2次計画法などの数理計画手法を用いてもよいし、遺伝的アルゴリズムや粒子群最適化法などのメタヒューリステックスアルゴルズムを用いてもよい。
また、優先順方式とは、予め、再設定に使用する操業パラメータの優先順と再設定可能範囲を決定しておき、優先順の高い操業パラメータから反り量Hが小さくなるように再設定を行い、反りが十分に小さくない場合に、次の優先順の操業パラメータの再設定を行うものである。優先順の決定方法として、例えば、デスケーリングの上下噴射タイミングは表面品質への影響、また温調設備4の上下流量差は材質への影響が懸念されるため優先順を下位に設定するなど、が例示できる。操業パラメータの再設定可能範囲とは、例えば、パスラインやワークロール周速差は圧延機2の設備仕様により求まる。
(反り制御フロー)
上記反り制御部10のフローの一例を説明する。
ここでは、反り量Hを予測し制御する圧延パス(予測対象圧延パス、及び反り抑制のために操業パラメータを再設定する圧延パス)を、圧延の最終パスの1パスとする。更に、反り予測モデル9の入力データが最終パスの1パス前から3パス前の3パス分(最終パスを除く後半3パス分)の圧延パス出側の圧延材先端部の反り量H、及び圧延工程の操業パラメータとする。また、反り制御に用いる再設定パラメータとしてパスラインと上下デスケーリングの噴射タイミング差を採用する場合とする。
まず、最終パスを除く後半3パスが完了するまでは、各パスの圧延材先端部の反り量Hを計測する。
次に、計測した各パス出側の反り量Hと圧延工程の操業パラメータを入力データとして、事前に機械学習によって生成した反り予測モデル9を用いて、最終パス出側の反り量Hを予測する。
次に、予測された反り量Hが許容値以上の場合には、パスラインと上下デスケーリング噴射タイミング差の組合せを変更して、反り予測モデル9を用いて反り量Hを予測し、反り量Hの許容値以下となるパスラインと上下デスケーリング噴射タイミング差を再設定して、最終圧延パスを実施する。
(効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)本実施形態は、圧延材5を複数の圧延パスで熱間圧延する圧延工程を有し、複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを予測する反り予測方法であって、予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスから選択した1又は2以上の圧延パスである測定圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを入力データとし、予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを出力データとした、機械学習により学習された反り予測モデル9を用いて、予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを予測する。
例えば、スラブを加熱する加熱炉1と、加熱後のスラブからなる圧延材5を複数の圧延パスで熱間圧延する圧延工程と、を有する熱延設備であって、反り予測モデル9を用いて、複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを予測する反り予測部10Bを備え、反り予測モデル9は、機械学習により学習されたモデルであって、予測対象圧延パスよりも上流の1又は2以上の圧延パスである測定圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを入力データとし、予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを出力データとした学習モデルであることを要旨とする熱延設備を用いる。
この構成によれば、予測対象圧延パス出側での圧延材先端部の反りを精度良く予測することができる。
(2)本実施形態では、圧延工程の上流に圧延材5となるスラブを加熱する加熱工程を有し、反り予測モデル9は、入力データとして、更に、スラブを加熱する加熱工程の操業パラメータから選択した1又は2以上のパラメータと、予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスから選択した1又は2以上の圧延パスである操業圧延パスでの圧延の操業パラメータから選択した1又は2以上のパラメータと、を有する。
このとき、入力データとなる圧延の操業パラメータとして、例えば、上下ワークロール周速率、パスライン、上下デスケーリング噴射タイミング差、及び温調設備4の上下流量差のうちの少なくとも一つの操業パラメータを含む。
この構成によれば、予測対象圧延パス出側での圧延材先端部の反りをより精度良く予測することができる。
(3)本実施形態では、上記の反り予測方法を用いて、予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを予測し、予測した反り量Hが小さくなるように、予測対象圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定する。
または、本実施形態では、上記の反り予測方法を用いて、予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを予測し、予測した反り量Hが小さくなるように、測定圧延パスよりも下流であって、予測対象圧延パスよりも上流側の圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定する。
なお、予測した反り量Hが小さくなるように、予測対象圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータと、測定圧延パスよりも下流であって、予測対象圧延パスよりも上流側の圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータとの両方の操業パラメータを再設定するようにしても良い。
再設定する操業パラメータとして、例えば、上下ワークロール周速率、パスライン、上下デスケーリング噴射タイミング差、温調設備4の上下流量差のうち、少なくとも一つのパラメータを含む。
この構成によれば、より有効に反りを抑制できる。
(4)本実施形態の熱間圧延の反り制御方法を用いて熱延鋼板を製造する。
この構成によれば、より有効に反りを制御できるため、熱延鋼板製造の歩留まりが向上すると共に、製造トラブルを防止できる。
(5)本実施形態は、圧延材5を熱間圧延する複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを予測するために使用される反り予測モデル9の生成方法であって、予測対象圧延パスよりも上流の1又は2以上の圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを入力実績データとし、予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量Hを出力実績データとした、複数の学習用データを取得し、取得した複数の学習用データを用いた機械学習によって、反り予測モデル9を生成する。
この構成によれば、反り抑制のための反り予測モデル9を確実に生成可能となる。
(6)反り予測モデル9を生成する機械学習として、例えば、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、及びサポートベクター回帰から選択した機械学習を用いる。
この構成によれば、反り予測モデル9の生成のための機械学習を確実に実行可能となる。
以下に本実施形態の実施例を示す。
(実施例1)
本実施形態を、加熱炉1基、リバース式圧延機1基、その圧延機2の前面側にデスケーリング設備3を有する厚鋼板の熱間圧延ラインに適用した実施例を説明する。
板厚10~30mm、板幅3000~4500mmの炭素鋼からなる材料を反り制御対象材として、リバース式圧延機で、圧延パス数15~25で圧延を実行する条件にて、本発明例の実施例1を実行した。
反り量Hは、圧延機2の前面側と後面側の2か所にエリアカメラ6を設置し、圧延材先端部5aの反り高さとして測定した。曲率を求める水平距離Lは1mとした。
本実施例では、圧延最終パスを予測対象圧延パスとする。
まず、その予測対象圧延パス出側の反り量Hを出力実績データとし、入力データとして、最終パスを除く後半3パス分の圧延パス出側の反り量H、加熱工程の操業パラメータ及び圧延工程の操業パラメータを選択して、ニューラルネットワークを用いて、反り予測モデル9を作成した。
加熱工程の操業パラメータとして、各帯(予熱帯、加熱帯、均熱帯)の在炉時間、装入時の圧延材5温度、炉番号を使用した。圧延工程の操業パラメータとして、最終パスを含む後半4パス分のワークロール2aの上下周速差、パスライン、デスケーリング噴射タイミングの上下差、圧延材5表面温度の上下差、圧延形状比(接触弧長/平均板厚)、入側板厚、圧下率、圧延荷重を使用した。
ニューラルネットワークは、中間層を3層とし、ノード数は5個ずつとした。活性化関数はシグモイド関数を用いた。
そして、上記寸法の圧延材5の操業実績データを1000本分用意し、モデル作成用(学習用)のデータとして900本使用し、残り100本で反り量Hの予測精度を検証した。
モデル予測精度は、誤差平均5.3mm、誤差の標準偏差13.1mmであった。
次に、最終パスの反りを抑制するために再設定する操業パラメータとして、反り予測モデル9の入力データでもある、最終パスのパスラインとワークロール周速の上下差を選んだ。反り量Hの許容値は、反り予測モデル9の予測誤差を鑑みて、-50mm以上50mm以内とした(符号は下反りをマイナス、上反りをプラスとする)。
各圧延材5の最終パスの1パス前が完了した時点(最終パスを除く後半3パスの反り量Hの測定が完了した時点)で、最終パス出側の反り量Hを反り予測モデル9を用いて予測し、反り予測値が許容値以内となるように、最終パスのパスラインとワークロール周速差を再設定して、最終パスの圧延を実施した。
本技術を適用して計510本を圧延したところ、最終パス出側の反り量Hは平均7.2mm、誤差の標準偏差15.1mmであった。最も反り量Hの大きかった材料でも48.0mmであり、許容値を超えた材料は無かった。
(比較例1)
また、比較例1として、最終パスの圧延形状比、上下ワークロール周速差、圧延材5表面温度の上下差を入力とする、最終パス出側の反り量Hを予測する反り予測モデル9を、ニューラルネットワークを用いて作成した。実施例1と同様の寸法の圧延材5に対し、作成した反り予測モデル9を用いて、最終パスの反り量H予測値が反り許容値以下となるように、上下ワークロール周速差を再設定し最終パスの圧延を実施した。
モデル予測精度は、誤差平均8.1mm、誤差標準偏差30.2mmであった。本技術を適用して計460本を圧延したところ、最終パス出側の反り量Hは平均6.4mm、誤差標準偏差25.6mmであり、許容値を超えた材料は70本発生した。
実施例1及び比較例1から分かるように、本発明に基づく反り予測方法の適用により、圧延材先端部の反り量Hが高精度に予測でき、また本発明の反り制御方法の適用により反り量Hを大幅に低減し低位安定に制御することができた。
(実施例2)
本実施形態を、加熱炉1基、リバース式圧延機1基、その圧延機2の前面側にデスケーリング設備3、圧延機2の後面側に温調設備4を有する厚鋼板の熱間圧延ラインに適用した実施例を説明する。
板厚15~25mm、板幅4000~4500mmの炭素鋼からなる材料を反り制御対象材として、リバース式圧延機2での圧延パス数を18~25とし、圧延パス間での温調設備4による冷却を実施する条件にて、本発明例の実施例2を実行した。
反り量Hは、実施例1と同様に、圧延機2の前面側と後面側の2か所にエリアカメラ6を設置し、圧延材先端部5aの反り高さとして測定した。曲率を求める水平距離は1mとした。
反り量Hを求める圧延パス(予測対象圧延パス)は、反りを有する圧延材5の衝突による温調設備4の破損を防止するために、温調設備4で冷却を行う直前のパスとした。反り予測に用いる機械学習モデルには、ニューラルネットワークを用いて作成した。
反り予測の入力データとして、反り量Hを求めるパスを除く上流4パス分の圧延パス出側の反り量H、加熱工程の操業パラメータ及び圧延工程の操業パラメータを選択した。
加熱工程の操業パラメータとして、各帯(予熱帯、加熱帯、均熱帯)の上下部設定温度差と在炉時間、装入時の圧延材5温度、炉番号を使用した。
圧延工程の操業パラメータとして、反り量Hを求めるパス(予測対象圧延パス)を含む上流5パス分のワークロール2aの上下周速差、パスライン、デスケーリング噴射タイミングの上下差、圧延材5表面温度の上下差、圧延形状比(接触弧長/平均板厚)、入側板厚、圧下率、圧延荷重を使用した。上記寸法の圧延材5の操業実績データを1000本分用意し、モデル作成用(学習用)のデータとして900本使用し、残り100本で反り量Hの予測精度を検証した。モデル予測精度は、誤差平均9.1mm、誤差標準偏差10.2mmであった。
次に、温調設備4で冷却を行う直前のパスの反りを抑制するために再設定する操業パラメータとして、反り予測モデル9の入力データでもある、温調設備4で冷却を行う直前のパスのワークロール2aの上下周速差、パスライン、デスケーリング噴射タイミングの上下差を選んだ。反り量Hの許容値は-30mm以上50mm以内とした。
本技術を適用して計510本を圧延したところ、温調設備4で冷却を行う直前のパスの反り量Hは平均20.3mm、標準偏差10.3mm、許容値を超えた材料は無く、圧延材5の衝突による、温調設備4を含む周辺設備の破損は無かった。
(比較例2)
また、比較例2として、実施例2と同じ材料の実績を使用して、各帯(予熱帯、加熱帯、均熱帯)の上下部設定温度差と在炉時間を入力データとして、温調設備4で冷却を行う直前のパスの反り量Hを予測する反り予測モデル9を作成し、反り量Hの予測値が許容値以下となるように各帯(予熱帯、加熱帯、均熱帯)の上下部設定温度差と在炉時間を設定して圧延を実施した。温調設備4で冷却を行う直前のパスの反り量Hは平均15.7mm、標準偏差50.5mm、許容値を超えた材料は400本中60本発生した。なお、反り予測モデル9の予測精度は誤差標準偏差30.2mmであった。
実施例2及び比較例2から、本発明による反り予測方法の適用により、圧延材先端部の反り量Hが高精度に予測でき、また本発明の反り制御方法の適用により反り量Hを大幅に低減し低位安定に制御することができた。
1 加熱炉
2 圧延機
3 デスケーリング設備
4 冷却設備
5 圧延材(スラブ)
6 エリアカメラ
9 反り予測モデル
10 反り制御部
10A 反り測定部
10B 反り予測部
10C 反り抑制部
H 反り量

Claims (11)

  1. 圧延材を複数の圧延パスで熱間圧延する圧延工程を有し、上記複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測する反り予測方法であって、
    上記予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスから選択した2以上の圧延パスである測定圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を入力データとし、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を出力データとした、機械学習により学習された反り予測モデルを用いて、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測することを特徴とする熱間圧延の反り予測方法。
  2. 上記圧延工程の上流に上記圧延材となるスラブを加熱する加熱工程を有し、
    上記反り予測モデルは、上記入力データとして、更に、スラブを加熱する加熱工程の操業パラメータから選択した1又は2以上のパラメータと、上記予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスから選択した1又は2以上の圧延パスである操業圧延パスでの圧延の操業パラメータから選択した1又は2以上のパラメータと、を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延の反り予測方法。
  3. 上記入力データとなる圧延の操業パラメータとして、上下ワークロール周速率、パスライン、上下デスケーリング噴射タイミング差、及び温調設備の上下流量差のうちの少なくとも一つの操業パラメータを含むことを特徴とする請求項2に記載の熱間圧延の反り予測方法。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の熱間圧延の反り予測方法を用いて、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測し、予測した反り量が小さくなるように、上記予測対象圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定することを特徴とする熱間圧延の反り制御方法。
  5. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の熱間圧延の反り予測方法を用いて、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測し、予測した反り量が小さくなるように、上記測定圧延パスよりも下流であって、上記予測対象圧延パスよりも上流側の圧延パスでの操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定することを特徴とする熱間圧延の反り制御方法。
  6. 上記再設定する操業パラメータとして、上下ワークロール周速率、パスライン、上下デスケーリング噴射タイミング差、温調設備の上下流量差のうち、少なくとも一つのパラメータを含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の熱間圧延の反り制御方法。
  7. 請求項4~請求項6のいずれか1項に記載の熱間圧延の反り制御方法を用いた、熱延鋼板の製造方法。
  8. 圧延材を熱間圧延する複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測するために使用される反り予測モデルの生成方法であって、
    上記予測対象圧延パスよりも上流の2以上の圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を入力実績データとし、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を出力実績データとした、複数の学習用データを取得し、
    取得した複数の学習用データを用いた機械学習によって、反り予測モデルを生成することを特徴とする反り予測モデルの生成方法。
  9. 上記反り予測モデルを生成する機械学習として、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、及びサポートベクター回帰から選択した機械学習を用いることを特徴とする請求項8に記載した反り予測モデルの生成方法。
  10. スラブを加熱する加熱工程と、加熱後のスラブからなる圧延材を複数の圧延パスで熱間圧延する圧延工程と、を有する熱延設備であって、
    反り予測モデルを用いて、上記複数の圧延パスから選択した圧延パスである予測対象圧延パスにおける、圧延機出側での圧延材先端部の反り量を予測する反り予測部を備え、
    上記反り予測モデルは、機械学習により学習されたモデルであって、上記予測対象圧延パスよりも上流の2以上の圧延パスである測定圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を入力データとし、上記予測対象圧延パスの圧延機出側での圧延材先端部の反り量を出力データとした学習モデルであることを特徴とする熱延設備。
  11. 上記反り予測モデルの入力データとして、更に、上記加熱工程の操業パラメータから選択した1又は2以上のパラメータと、上記予測対象圧延パスよりも上流の圧延パスから選択した1又は2以上の圧延パスである操業圧延パスでの圧延の操業パラメータから選択した1又は2以上のパラメータと、を有することを特徴とする請求項10に記載した熱延設備。
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