JP3251455B2 - 熱間圧延における先端反り制御方法 - Google Patents

熱間圧延における先端反り制御方法

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JP3251455B2
JP3251455B2 JP04857795A JP4857795A JP3251455B2 JP 3251455 B2 JP3251455 B2 JP 3251455B2 JP 04857795 A JP04857795 A JP 04857795A JP 4857795 A JP4857795 A JP 4857795A JP 3251455 B2 JP3251455 B2 JP 3251455B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、厚板圧延材(熱間圧
延鋼板)を製造する熱間圧延において、仕上圧延時に発
生する先端反り量をほぼ目標先端反り量となるように制
御できるようにした、熱間圧延における先端反り制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱炉にてスラブを加熱し、その加熱さ
れたスラブを粗圧延及び仕上圧延して厚板圧延材を製造
する熱間圧延においては、圧延時に圧延材の先端部に反
りが発生することがある。この先端反りは、設備破損の
危険性や、特に仕上圧延後に加速冷却(制御冷却)を施
すTMCP(Thermo Machanical Control Process )鋼
板のような圧延材では不均一冷却による品質不良などを
招く原因となっている。先端反りは、圧延材の板厚方向
での上下の非対称性に起因して発生することが知られて
おり、この非対称性を生じさせる要因としては、圧延材
の上下面の温度差、上下ワークロールの周速度差、上下
ワークロールの径差、ピックアップなどが挙げられる。
そして、厚板圧延材を製造する熱間圧延の場合には、こ
れらの要因のうち主に、圧延でのデスケーリング水など
による圧延材上面温度の低下にともなう板厚方向での上
下温度差に起因することが知られている。
【0003】従来、この先端反りの防止を目的として先
端反りを制御する方法として、熱間圧延での仕上圧延に
おいて、前記のような先端反り発生要因を逆に制御パラ
メータとして制御するようにした方法が採用されてい
る。例えば、仕上圧延時に、ピックアップ量を制御する
方法、上下ワークロールの周速度差を制御する方法、圧
延材の上下面温度差を制御する方法などが提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱炉
にてスラブを加熱し、その加熱されたスラブを粗圧延及
び仕上圧延して厚板圧延材を製造する熱間圧延において
は、仕上圧延における前述した従来の先端反り制御だけ
では、圧延材の材質上の制約、圧延機の構造上あるいは
操業条件上の制約等により、発生する先端反り量に対し
て必要なその制御量を確保できず、確実に先端反りを制
御できないことがあった。なお、圧延材の材質上の制約
による例として、上下面温度差制御において、鋼板の上
面あるいは下面を冷却することにより温度差を制御する
場合、強度上昇の点から反り制御に必要なだけの冷却が
行えないことがある。圧延機の構造上の制約(設備上の
制約)による例として、上下ワークロール周速度差制御
において、ミルモータの能力によっては反り制御に必要
なだけの周速差が確保できないことがある。また、操業
上の制約による例として、生産性の点から、反り制御に
必要な全パスについて反り制御を適用できないことがあ
る。
【0005】この発明は、前記事情に鑑みてなされたも
のであって、加熱炉にてスラブを加熱し、その加熱され
たスラブを粗圧延及び仕上圧延して厚板圧延材を製造す
る熱間圧延において、操業データに基づいて加熱炉での
加熱条件を適切に設定することで仕上圧延時に発生する
先端反り量がほぼ目標値となるようにすることができ、
これにより、他の反り制御と併用することなく単独にて
先端反り量を目標値に制御することができ、また、仕上
圧延工程において圧延材の材質上の制約、設備上の制
約、操業上の制約などがある場合でも、これらの制約の
範囲内における上下面温度差制御や上下ワークロール周
速度差制御等による反り制御と併用することで仕上圧延
終了時の先端反り量がゼロまたは最小となるようにする
ことができる、熱間圧延における先端反り制御方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明に係る熱間圧延における先端反り
制御方法は、加熱炉にてスラブを加熱し、その加熱され
たスラブを粗圧延及び仕上圧延して厚板圧延材を製造す
る熱間圧延において、予め操業データに基づいて、仕上
圧延時に発生する先端反り量を、加熱炉の加熱帯及び均
熱帯それぞれにおける上下部設定温度差と、前記加熱帯
及び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時間とを変数
とする関数式として求めておき、しかる後、先端反り量
を制御すべき対象圧延材について、加熱炉の加熱帯及び
均熱帯それぞれにおけるそのスラブの予め定められた滞
留時間と仕上圧延時の目標先端反り量とを前記関数式に
適用することにより、仕上圧延時に発生する先端反り量
が前記目標先端反り量となるようにすべく加熱炉の加熱
帯及び均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差を求め
て設定することを特徴とする。また、請求項2の発明に
係る熱間圧延における先端反り制御方法は、加熱炉にて
スラブを加熱し、その加熱されたスラブを粗圧延及び仕
上圧延して厚板圧延材を製造する熱間圧延において、予
め操業データに基づいて、仕上圧延時に発生する先端反
り量を、加熱炉の加熱帯及び均熱帯それぞれにおける上
下部設定温度差と、前記加熱帯及び均熱帯それぞれにお
けるスラブの滞留時間とを変数とする関数式として求め
ておき、しかる後、先端反り量を制御すべき対象圧延材
について、加熱炉の加熱帯及び均熱帯それぞれにおける
予め定められた上下部設定温度差と仕上圧延時の目標先
端反り量とを前記関数式に適用することにより、仕上圧
延時に発生する先端反り量が前記目標先端反り量となる
ようにすべく加熱炉の加熱帯及び均熱帯それぞれにおけ
るスラブの滞留時間を求めて設定することを特徴とす
る。
【0007】
【作用】本発明者らは、加熱炉にてスラブを加熱し、そ
の加熱されたスラブを粗圧延及び仕上圧延して厚板圧延
材(熱間圧延鋼板)を製造する熱間圧延において、操業
データにより、加熱炉によるスラブの加熱条件と仕上圧
延時に発生する先端反り量との関係を調査し、その結
果、仕上圧延時に発生する先端反り量が、加熱炉の加熱
帯及び均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差と、前
記加熱帯及び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時間
とを変数とする関数式として表せるという知見を得た。
本願発明はこの知見に基づいて考え出されたものであ
る。
【0008】図5は加熱炉からの抽出時のスラブ上下面
温度差(上面温度から下面温度を減算した温度差)と仕
上圧延時に発生する最大の先端上反り量との関係の一例
を示すグラフ、図6は加熱炉からの抽出時のスラブ上下
面温度差と仕上圧延時に発生する先端平均反り量との関
係の一例を示すグラフである。ここで最大の先端上反り
量とは、仕上圧延を例えば第1から第7の計7パスで行
った場合、第1パスから第7パスでの先端上反り量の最
大値であり、先端平均反り量とは、第1パスから第7パ
スでの先端反り量の平均値である。図5及び図6より、
仕上圧延時に発生する先端反り量は、加熱炉からの抽出
時のスラブ上下面温度差とは対応関係があり、前記スラ
ブ上下面温度差を変数とする一次式の関数で表せること
がわかる。以下、この理由を説明する。
【0009】図7は加熱炉からの抽出時のスラブ上下面
温度差と仕上圧延開始時の圧延材上下面温度差との関係
の一例を示すグラフである。図7より、圧延材上下面温
度差とスラブ上下面温度差との間には、各圧延材の粗圧
延条件の差異により少しのバラツキはあるものの、比例
的な対応関係があり、仕上圧延時の圧延材上下面温度差
には、加熱炉からの抽出時のスラブ上下面温度差の影響
があることがわかる。なお、加熱炉からの抽出時に比べ
て仕上圧延開始時の方が上下面温度差が減少しているの
は、粗圧延でのデスケーリング水などによって上面側が
より冷却されるためである。
【0010】この図7で示されること、及び、先端反り
が仕上圧延時の圧延材上下面温度差に起因した板厚方向
での変形抵抗差によるものであることから、仕上圧延時
に発生する先端反り量は、加熱炉からの抽出時のスラブ
上下面温度差とは対応関係があってしかもこれに大きく
影響されるものであることが理解される。
【0011】以上のことより、加熱炉からの抽出時のス
ラブ上下面温度差を所定の値に設定することで、仕上圧
延時に発生する先端反り量を所要の目標先端反り量にな
るようにしうることがわかる。そして、加熱炉からの抽
出時のスラブ上下面温度差は、熱伝導理論から、加熱炉
の加熱帯及び均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差
(上部設定温度から下部設定温度を減算した温度差)
、前記加熱帯及び均熱帯それぞれにおけるスラブの
留時間とにより定められるものである。したがって、
熱帯及び均熱帯の各スラブ滞留時間が予め定められてい
る場合には、加熱帯及び均熱帯の各上下部設定温度差を
所定の値に設定することで仕上圧延時に発生する先端反
り量を所要の目標先端反り量になるようにし得、また、
加熱帯及び均熱帯の各上下部設定温度差が予め定められ
ている場合には、加熱帯及び均熱帯の各スラブ滞留時間
所定の値に設定することで先端反り量を所要の目標先
端反り量になるようにし得る。このことは、図8及び図
9からも裏付けられる。図8はスラブの滞留時間と仕上
圧延時に発生する最大の先端上反り量との関係の一例を
示すグラフ、図9は加熱炉の均熱帯の上下部設定温度差
と仕上圧延時に発生する最大の先端上反り量との関係の
一例を示すグラフである。
【0012】以下、先端反り量が目標先端反り量となる
ようにすべく、加熱炉の加熱帯及び均熱帯それぞれにお
ける上下部設定温度差を、あるいは、加熱炉の加熱帯及
び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時間を求めて設
定する手順について説明する。加熱炉からの抽出時のス
ラブ上下面温度差ΔTP 、および仕上圧延時に発生する
先端反り量ΔHは、それぞれ下式で表される。ここで、
ΔT i は、加熱帯及び均熱帯それぞれにおける上下部設
定温度差であり、Δt i は、加熱帯及び均熱帯それぞれ
におけるスラブの滞留時間である。添字iは加熱帯と均
熱帯との区分を示しており、添字iがi=1のときは加
熱帯のことを示し、添字iがi=2のときは均熱帯のこ
とを示す。(1)式ではi=1〜2である。
【0013】 ΔTP =F1 (ΔTi ,Δti ) …(1) ΔH=F2 (ΔTP ) …(2)
【0014】したがって、仕上圧延時に発生する先端反
り量ΔHは、(3)式に示すように、加熱炉の加熱帯及
び均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差ΔTi (i
=1〜2)と、前記加熱帯及び均熱帯それぞれにおける
スラブの滞留時間Δti (i=1〜2)とを変数とする
関数式で表される。
【0015】 ΔH=F2 (F1 (ΔTi ,Δti )) =G(ΔTi ,Δti ) …(3)
【0016】前記(3)式は、近似的に、前記上下部設
定温度差ΔTi と前記滞留時間Δti とを変数とする一
次の関数式である下記の(4)式で表される。なお、
(4)式において、Aは定数、Bi =(∂ΔH/∂ΔT
i )、Ci =(∂ΔH/∂Δti )である。ここで、添
字iはi=1〜2であり、i=1のときは加熱帯のこと
を示し、i=2のときは均熱帯のことを示す。
【0017】 ΔH=A+Σ(Bi ・ΔTi +Ci ・Δti ) …(4)
【0018】前記(4)式中の定数A,Bi ,Ci は、
対象となる加熱炉を用いる熱間圧延についての操業デー
タに基づいて決定できる。例えば、定数Bi は前記図
9、定数Ci は前記図8に示すデータなどから決定する
ことができる。なお、(4)式は、加熱帯の上下部設定
温度差:ΔT 1 、均熱帯の上下部設定温度差:ΔT 2
加熱帯でのスラブ滞留時間:Δt 1 、均熱帯でのスラブ
滞留時間:Δt 2 、とすると、次のように表される。Δ
H=A+B1 ・ΔT1 +B2 ・ΔT2 +C1 ・Δt1
2Δt 2
【0019】したがって、仕上圧延時に発生する先端反
り量ΔHが所要の目標先端反り量ΔHa となるようにす
るための加熱炉による加熱条件は以下のようにして求め
ることができる。加熱帯及び均熱帯それぞれにおけるス
ラブの滞留時間がΔtia (i=1〜2)に予め定められ
ている場合には、各帯それぞれにおける上下部設定温度
差ΔTi (i=1〜2)は、次式(5)により求め設定
される。一方、加熱帯及び均熱帯それぞれにおける上下
部設定温度差がΔTia (i=1〜2)に予め定められて
いる場合には、各帯それぞれにおけるスラブの滞留時間
Δti (i=1〜2)は、次式(6)により求め設定さ
れる。
【0020】 ΔTi =G-1(ΔHa ,Δtia) …(5) Δti =G-1(ΔHa ,ΔTia) …(6)
【0021】そして、仕上圧延時に発生する先端反り量
として最大の先端上反り量ΔHu 、最大の先端下反り量
ΔHL 、先端平均反り量ΔHAVのうちのいずれかを制御
対象する場合には、ΔHa をΔHu 、ΔHL 、ΔHAVの
いずれかとして、(5)式より各帯それぞれにおける上
下部設定温度差を求めることができ、また、(6)式よ
り各帯それぞれにおけるスラブの滞留時間を求めること
ができる。
【0022】このように、加熱炉にてスラブを加熱し、
その加熱されたスラブを粗圧延及び仕上圧延して厚板圧
延材を製造する熱間圧延において、予め操業データに基
づいて、仕上圧延時に発生する先端反り量を、加熱炉の
加熱帯及び均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差
と、加熱帯及び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時
間とを変数とする関数式として求めておき、しかる後、
先端反り量を制御すべき対象圧延材について、加熱帯及
び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時間が予め定め
られている場合には、その滞留時間と目標先端反り量と
を前記関数式に適用することにより、先端反り量が目標
先端反り量となるようにすべく加熱炉の加熱帯及び均熱
帯それぞれにおける上下部設定温度差を求めることがで
き、一方、加熱帯及び均熱帯それぞれにおける上下部設
定温度差が予め定められている場合には、その上下部設
定温度差と目標先端反り量とを前記関数式に適用するこ
とにより、先端反り量が目標先端反り量となるようにす
べく加熱炉の加熱帯及び均熱帯それぞれにおけるスラブ
の滞留時間を求めることができ、これにより、仕上圧延
時に発生する先端反り量がほぼ目標先端反り量となるよ
うにすることができる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
実施例は、予熱帯と2つの加熱帯(第1加熱帯及び第2
加熱帯)と1つの均熱帯(第1均熱帯)とを有する加熱
炉にてスラブを加熱し、その加熱されたスラブを粗圧延
及び仕上圧延して厚板の普通圧延鋼板を製造する熱間圧
延において実施し、仕上圧延時に発生する最大の先端上
反り量(制御対象)がほぼ目標値に制御されていること
を確かめた。
【0024】共通の実験条件は、実験対象材:SS40
0、目標加熱平均温度:1230℃、スラブサイズ:厚
み235×幅1235×長さ2500〜3500mm、
仕上サイズ:板厚30×幅2500×長さ9700〜1
3500mm、仕上圧延時での最大の先端上反り量の目
標値:150mm,450mm、実験本数:各条件につ
き5本、である。
【0025】〔実施例1〕:この実施例1は、加熱帯及
び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時間が各帯とも
55分に予め定められている場合に、表1に示すよう
に、前記(4)式により、最大の先端上反り量の目標値
が150mmのときの加熱帯及び均熱帯の各上下部設定
温度差を求め、その求めた温度差(加熱帯及び均熱帯と
もに15.7℃)に設定して熱間圧延を実施した。ま
た、最大の先端上反り量の目標値が450mmのときの
加熱帯及び均熱帯の各上下部設定温度差を求め、その求
めた温度差(加熱帯及び均熱帯ともに8.1℃)に設定
して熱間圧延を実施した。
【0026】
【表1】
【0027】結果を図1及び図2に示す。図1及び図2
はこの発明の実施例1に係るグラフであって、図1は仕
上圧延の各パスにおける先端上反り量を示すグラフ、図
2は各鋼板の仕上圧延後の最大の先端上反り量を示すグ
ラフである。なお、図1に示されるグラフは、実験本数
5本のうちの1本についての結果を示すものである。図
1及び図2から理解されるように、仕上圧延時に発生す
る最大の先端反り量をほぼ目標値にすることができてい
る。
【0028】〔実施例2〕:この実施例2は、加熱帯及
び均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差が各帯とも
10℃に予め定められている場合に、表2に示すよう
に、前記(4)式により、最大の先端上反り量の目標値
が150mmのときの加熱帯及び均熱帯のスラブの滞留
時間を求め、その求めた滞留時間(各滞ともに46.6
分)に設定して熱間圧延を実施した。また、最大の先端
上反り量の目標値が450mmのときの加熱帯及び均熱
帯のスラブの滞留時間を求め、その求めた滞留時間(各
滞ともに57.7分)に設定して熱間圧延を実施した。
【0029】
【表2】
【0030】結果を図3及び図4に示す。図3及び図4
はこの発明の実施例2に係るグラフであって、図3は仕
上圧延の各パスにおける先端上反り量を示すグラフ、図
4は各鋼板の仕上圧延後の最大の先端上反り量を示すグ
ラフである。なお、図3に示されるグラフは、実験本数
5本のうちの1本についての結果を示すものである。両
図から理解されるように、仕上圧延時に発生する最大の
先端反り量をほぼ目標値にすることができている。
【0031】
【発明の効果】請求項1、2の発明による熱間圧延にお
ける先端反り制御方法によると、加熱炉にてスラブを加
熱し、その加熱されたスラブを粗圧延及び仕上圧延して
厚板圧延材を製造する熱間圧延において、予め操業デー
タに基づいて、仕上圧延時に発生する先端反り量を加熱
炉での加熱条件を変数とする関数式として求めておき、
しかる後、先端反り量を制御すべき対象圧延材について
前記関数式に基づきそのスラブの加熱条件を設定するよ
うにしたものであるから、仕上圧延時に発生する先端反
り量がほぼ目標値となるようにすることができる。これ
により、他の反り制御と併用することなく単独にて先端
反り量を目標値に制御することができ、また、仕上圧延
工程において圧延材の材質上の制約、設備上の制約、操
業上の制約などがある場合でも、これらの制約の範囲内
における上下面温度差制御や上下ワークロール周速度差
制御等による反り制御と併用することで仕上圧延終了時
の先端反り量がゼロまたは最小となるようにすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係るグラフであって、仕
上圧延の各パスにおける先端上反り量を示すグラフであ
る。
【図2】この発明の実施例1に係るグラフであって、各
鋼板の仕上圧延後の最大の先端上反り量を示すグラフで
ある。
【図3】この発明の実施例2に係るグラフであって、仕
上圧延の各パスにおける先端上反り量を示すグラフであ
る。
【図4】この発明の実施例2に係るグラフであって、各
鋼板の仕上圧延後の最大の先端上反り量を示すグラフで
ある。
【図5】本願発明の前提となる操業データに係るもので
あって、加熱炉からの抽出時のスラブ上下面温度差と仕
上圧延時に発生する最大の先端上反り量との関係の一例
を示すグラフである。
【図6】本願発明の前提となる操業データに係るもので
あって、加熱炉からの抽出時のスラブ上下面温度差と仕
上圧延時に発生する先端平均反り量との関係の一例を示
すグラフである。
【図7】本願発明の前提となる操業データに係るもので
あって、加熱炉からの抽出時のスラブ上下面温度差と仕
上圧延開始時の圧延材上下面温度差との関係の一例を示
すグラフである。
【図8】本願発明の前提となる操業データに係るもので
あって、スラブの滞留時間と仕上圧延時に発生する最大
の先端上反り量との関係の一例を示すグラフである。
【図9】本願発明の前提となる操業データに係るもので
あって、加熱炉の均熱帯の上下部設定温度差と仕上圧延
時に発生する最大の先端上反り量との関係の一例を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C21D 11/00 102 B21B 37/00 BBJ 105 116R (72)発明者 安部 研吾 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78 C21D 9/00 C21D 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱炉にてスラブを加熱し、その加熱さ
    れたスラブを粗圧延及び仕上圧延して厚板圧延材を製造
    する熱間圧延において、予め操業データに基づいて、仕
    上圧延時に発生する先端反り量を、加熱炉の加熱帯及び
    均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差と、前記加熱
    帯及び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時間とを変
    数とする関数式として求めておき、しかる後、先端反り
    量を制御すべき対象圧延材について、加熱炉の加熱帯及
    び均熱帯それぞれにおけるそのスラブの予め定められた
    滞留時間と仕上圧延時の目標先端反り量とを前記関数式
    に適用することにより、仕上圧延時に発生する先端反り
    量が前記目標先端反り量となるようにすべく加熱炉の加
    熱帯及び均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差を求
    めて設定することを特徴とする熱間圧延における先端反
    り制御方法。
  2. 【請求項2】 加熱炉にてスラブを加熱し、その加熱さ
    れたスラブを粗圧延及び仕上圧延して厚板圧延材を製造
    する熱間圧延において、予め操業データに基づいて、仕
    上圧延時に発生する先端反り量を、加熱炉の加熱帯及び
    均熱帯それぞれにおける上下部設定温度差と、前記加熱
    帯及び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時間とを変
    数とする関数式として求めておき、しかる後、先端反り
    量を制御すべき対象圧延材について、加熱炉の加熱帯及
    び均熱帯それぞれにおける予め定められた上下部設定温
    度差と仕上圧延時の目標先端反り量とを前記関数式に適
    用することにより、仕上圧延時に発生する先端反り量が
    前記目標先端反り量となるようにすべく加熱炉の加熱帯
    及び均熱帯それぞれにおけるスラブの滞留時間を求めて
    設定することを特徴とする熱間圧延における先端反り制
    御方法。
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