JP6841244B2 - 金属板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板、特に、缶用鋼板や自動車用鋼板などで用いられる金属板およびその製造方法に関する。
例えば、冷延鋼板は、熱延鋼板を冷間圧延、焼鈍、調質圧延という工程を経て製造される。焼鈍後に行われる調質圧延は、鋼板を所望の板厚に圧下することに加え、鋼板に与える伸長率(圧下率)により鋼板硬度の調整、表面粗度の調整を目的として行われる。一般に、調質圧延は、表面粗度の転写性を考慮して、潤滑剤を用いないドライ調質圧延が行われることが多かった。しかし、近年は潤滑剤を鋼板へ噴霧してロールへの異物付着を防止しつつ調質圧延を行うウェット調質圧延が増えてきている。
表面粗度の転写の点では、ウェット調質圧延では潤滑剤のクッション効果により作業ロール表面の鋼板への転写性が悪くなることが知られている。また、潤滑剤付与により鋼板と作業ロールの界面の潤滑が良好になるため、同一伸長率を出すための必要荷重が下がり、結果、鋼板への面圧が下がるために作業ロール表面の鋼板への転写性が下がることが知られている。
一方、冷延鋼板の表面は、ラミネート、塗装等の表面処理を施して使用する場合の密着性の確保や、塗装せずに使用する鋼板の場合は表面機能の向上のため、パラメータの制御が欠かせない。そのため、一般的には、粗さパラメータのうち算術平均粗さRa(以下、粗さと称することもある)やPPIという値をある範囲に抑えるように圧延条件が決定される。従来、鋼板表面の粗さ曲線のスキューネスRskの制御方法としては、特許文献1、2のように調質圧延後のRskが適正範囲に収まるよう、ダルロールの表面調整を行う方法が開示されている。
特許第3052506号公報 特開平5-237518号公報
しかしながら、特許文献1に示した方法は、ダルロール1スタンドのみで調質圧延をする場合に相当し、かつRskの値を高く制御する方法を示しているのみであり、Rskを低く抑えた鋼板へは適用できない。
特許文献2に記載された方法は、鋼板のRskを大きくするための手法であり、特許文献1と同様の理由により適用できない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、粗さが小さく、かつRskの低い金属板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、以下を知見した。なお、下記においては、金属板として鋼板を例に挙げて説明する。
前述の通り、従来知られている調質圧延におけるRskの制御方法は、1スタンドのみでの調質圧延で、作業ロールに使用されるダルロールの粗さ、加工法を制御する方法のみであった。この方法では、Rskを低く抑えることができないことに加え、ダルロールの転写を進めるにしたがって鋼板のRaが上がってしまい、低い粗さに対応することが不可能であった。
そこで、発明者らはRskを低減させつつ、鋼板のRaを上げないための方法を検討した。その結果、小さな凹部を鋼板表面に多く作ることでRskを低減できることが判明した。一方、大きい凹部の数が多すぎると、逆にRskが増加してしまうことも判明した。また、圧延実験により、調質圧延を多スタンドで行い、かつ2スタンド目以降にブライトロールを用いることで、Raを低減することが可能であることも判明した。
以上の検討の結果、本発明では、図1に示すように、1スタンド目においてダルロールを用いて圧延を施して多くの凹部を作り、2スタンド目以降でブライトロールを用いて圧延を施して凹部を徐々に小さくし鋼板表面をならすことを基本的な技術思想とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
[1]少なくとも片面について、鋼板表面の算術平均粗さが0.4μmRa以下、スキューネス:Rskが0.2以下であることを特徴とする金属板。
[2]上記[1]に記載の金属板の製造方法であって、冷間圧延後の金属板に対して調質圧延を施すに際し、2スタンドのスタンド数で前記調質圧延を行い、1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.4μmRa以上、PPIが250以上のダルロールを、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、1スタンド目の圧延をウェット圧延とすることを特徴とする金属板の製造方法。
[3]上記[1]に記載の金属板の製造方法であって、冷間圧延後の金属板に対して調質圧延を施すに際し、3スタンド以上のスタンド数で前記調質圧延を行い、1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.4μmRa以上、PPIが200以上のダルロールを、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを、3スタンド目の作業ロールに算術平均粗さ0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、1スタンド目の圧延をウェット圧延とすることを特徴とする金属板の製造方法。
[4]全てのスタンドの圧延はウェット圧延であることを特徴とする上記[2]または[3]に記載の金属板の製造方法。
[5]上記[1]に記載の金属板の製造方法であって、冷間圧延後の金属板に対して調質圧延を施すに際し、2スタンド以上のスタンド数で前記調質圧延を行い、1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.0μmRa以上のダルロールを、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、1スタンド目の圧延をドライ圧延とすることを特徴とする金属板の製造方法。
[6]上記[1]に記載の金属板の製造方法であって、冷間圧延後の金属板に対して調質圧延を施すに際し、3スタンド以上のスタンド数で前記調質圧延を行い、1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.0μmRa以上のダルロールを、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを、3スタンド目の作業ロールに算術平均粗さ0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、1スタンド目の圧延をドライ圧延とすることを特徴とする金属板の製造方法。
[7]前記1スタンド目の作業ロールはPPIが120以上であることを特徴とする上記[5]または[6]に記載の金属板の製造方法。
[8]前記2スタンド目以降の圧延はウェット圧延であることを特徴とする上記[5]〜[7]のいずれかに記載の金属板の製造方法。
本発明によれば、粗さが小さく、かつRskの低い金属板が得られる。
本発明の金属板は粗さが小さく、かつRskが低いため、本発明の金属板を、例えば、ラミネート鋼板として用いた場合は、白色化を防止できる。
図1は、各スタンドにおける圧延後の鋼板の断面形状を示す模式図である。
本発明の金属板は、少なくとも片面について、鋼板表面の算術平均粗さが0.4μmRa以下、スキューネス:Rskが0.2以下である。そして、このような金属板は、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍、調質圧延という工程を経て製造するに際し、調質圧延を下記のいずれかの方法にて行うことで製造することができる。
製造方法1
冷間圧延後の鋼板に対して調質圧延を施すに際し、2スタンドのスタンド数で圧延を行う場合、1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.4μmRa以上、PPIが250以上のダルロールを、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、1スタンド目の圧延をウェット圧延とする。
製造方法1において、3スタンド以上のスタンド数で圧延を行う場合、1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.4μmRa以上、PPIが200以上のダルロールを、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを、3スタンド目の作業ロールに算術平均粗さ0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、1スタンド目の圧延をウェット圧延とする。好ましくは、1スタンド目の作業ロールにPPIが250以上のダルロールを用いる。好ましくは、3スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重は0.3tonf/mm以下とする。また、全てのスタンドの圧延はウェット圧延であることが好ましい。また、4スタンド目以降は、作業ロールの算術平均粗さ、単位幅当たりの圧延荷重等について2スタンド目と同様の条件が好ましい。すなわち、4スタンド目以降は、作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを用い、単位幅当たりの圧延荷重0.3tonf/mm以下とするのが好ましい。
製造方法2
冷間圧延後の鋼板に対して調質圧延を施すに際し、2スタンド以上のスタンド数で圧延を行い、1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.0μmRa以上のダルロールを、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、1スタンド目の圧延をドライ圧延とする。
製造方法2において、3スタンド以上のスタンド数で圧延を行う場合、3スタンド目は、作業ロールに算術平均粗さ0.5μmRa以下のブライトロールを用い、単位幅当たりの圧延荷重は0.3tonf/mm以下とするのが好ましい。また、1スタンド目の作業ロールはPPIが120以上であることが好ましい。また、2スタンド目以降の圧延はウェット圧延であることが好ましい。また、4スタンド目以降は、作業ロールの算術平均粗さ、単位幅当たりの圧延荷重等について2スタンド目と同様の条件が好ましい。すなわち、4スタンド目以降は、作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを用い、単位幅当たりの圧延荷重0.3tonf/mm以下とするのが好ましい。
調質圧延のスタンド数:2スタンド以上
本発明の調質圧延工程においては、2スタンド以上の圧延スタンドを用いる。一般的に、1スタンドの調質圧延では、ダルロールを用いて圧下率による材料の強度調整および材料の平坦度の矯正を行う。一方で、さらにさまざまな鋼板粗さや外観が求められる場合には、ダルロールによる1スタンドの圧延では強度調整と粗さ調整のバランスが取れず、ロール交換を頻繁に行わなければならない。そのため、荷重のバランスにより調整が可能な2スタンド以上とする。
1スタンド目の作業ロール
製造方法1においては、1スタンド目の圧延はウェット圧延で行い、2スタンドのスタンド数で圧延を行う場合は1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.4μmRa以上、PPIが250以上のダルロールを用いる。3スタンド以上のスタンド数で圧延を行う場合は1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.4μmRa以上、PPIが200以上のダルロールを用いる。
製造方法2においては、1スタンド目の圧延はドライ圧延で行い、1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.0μmRa以上のダルロールを用いる。
1スタンド目に表面を制御したダルロールを用いることで鋼板表面に小さい凹部を形成することができる。この時、形成される凹部は、2スタンド目のブライトロールによる圧延で完全に解消されない程度に深く入れる必要がある。そのため、1スタンド目では、転写率の大きなドライ調質圧延を施す、あるいは粗さの大きなダルロールを用いてウェット圧延を行うことが必要である。
ただし、一般的にダルロールは、粗さが大きいとロールのPPIが小さくなり、鋼板に発生する凹部が大きくなるため、Rskの低減効果は限定的となる。そのため、1スタンド目でウェット圧延を施す場合、作業ロールのダル加工方法としては一般的に使用されるショットブラストではなく、PPIがより大きくなる放電加工あるいはレーザー加工を用いることが好ましい。
以上より、ウェット圧延の場合は、鋼板表面に小さい凹部を形成する点から、1スタンド目の作業ロールの算術平均粗さは1.4μmRa以上、好ましくは1.7μmRa以上とする。一方、上限は大きすぎる深さの凹部が残り、Rskを上げる恐れがあるため、2.5μmRa以下が好ましい。
ドライ圧延の場合は、鋼板表面に小さい凹部を形成する点から、1スタンド目の作業ロールの算術平均粗さは1.0μmRa以上、好ましくは1.3μmRa以上とする。一方、上限は上述と同様の理由のため、2.0μmRa以下が好ましい。
また、ウェット圧延の場合は、1スタンド目の作業ロールのPPIは2スタンドのスタンド数で圧延を行う場合は250以上、3スタンド以上のスタンド数で圧延を行う場合は200以上、好ましくは250以上とする。PPIを前記値とすることで凹部が小さく分散して入るためRskの低減が可能となる。
なお、ウェット圧延とは、例えば、塗布、噴霧等の手段により鋼板に潤滑剤を付着させた後、圧延を行う方法である。ドライ圧延とは、潤滑剤を用いないで圧延を行う方法である。
2スタンド目の作業ロール
製造方法1においては、2スタンド目は、好ましくはウェット圧延で行い、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを用いる。
製造方法2においては、2スタンド目は、好ましくはウェット圧延で行い、2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを用いる。
2スタンド目では、凹部の深さに匹敵するほどの大きな粗さをつけてしまうと、Rskの低減効果が得られなくなる。そのため、2スタンド目で使用するロールの表面粗さは、凹部の深さより十分小さい値、具体的には0.5μmRa以下とする。
3スタンド目の作業ロール
3スタンド以上のスタンド数で圧延を行う場合は、製造方法1、製造方法2のいずれにおいても、3スタンド目の作業ロールに算術平均粗さ0.5μmRa以下のブライトロールを用いることが好ましい。3スタンド目に算術平均粗さ0.5μmRa以下のブライトロールを用いることで、1スタンド目につけた凹部が圧延後まで残る。またブライトロールによる粗さ転写を抑えることでブライトロールによるRskの上昇を抑えることができる。
1スタンド目の圧延荷重
1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重は、製造方法1、製造方法2のいずれも0.8tonf/mm以上とする。荷重が0.8tonf/mm未満では、鋼板表面に十分な凹部が形成されない。一方、圧延による鋼板形状の悪化の理由から、1.2tonf/mm以下が好ましい。
2スタンド目の圧延荷重
2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重は製造方法1、製造方法2のいずれも0.3tonf/mm以下とする。
2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重が0.3tonf/mmを超えると、1スタンド目で作成した凹部をつぶしてしまうため、Rskが大きくなってしまう。従って、2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重は0.3tonf/mm以下とする。一方、伸長率の調整、鋼板粗さの制御性の理由から、0.1tonf/mm以上が好ましい。
3スタンド目の圧延荷重
3スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重は製造方法1、製造方法2のいずれも上記2スタンド目の圧延荷重と同様の理由により、0.3tonf/mm以下が好ましい。より好ましくは0.1tonf/mm以上0.3tonf/mm以下である。
以上より、本発明では、調質圧延後の鋼板に凹部が残るためRskが低下し、また鋼板のRaは2スタンド目以降のロール粗さの調節により制御が可能となる。
鋼板に対して調質圧延を施すに先立ち、熱間圧延、酸洗、冷間圧延を施すことができるい。
熱間圧延工程では、所定の成分組成に調整した鋼を転炉などで溶製し、連続鋳造法等でスラブとする。使用するスラブは、成分のマクロ偏析を防止するために連続鋳造法で製造するのが好ましいが、造塊法、薄スラブ鋳造法で製造してもよい。また、スラブを製造したのち、いったん室温まで冷却し、その後再度加熱する従来法に加え、室温まで冷却しないで、温片のままで加熱炉に装入する、あるいはわずかの保熱をおこなった後に直ちに圧延する直送圧延・直接圧延などの省エネルギープロセスも問題なく適用できる。
熱間圧延工程の仕上圧延温度は、圧延荷重の安定性の観点から850℃以上であることが好ましい。一方、必要以上に仕上圧延温度を高くすることは薄鋼板の製造を困難にする場合がある。具体的には、仕上圧延温度は850〜960℃の温度範囲内とすることが好ましい。巻取り温度の上限は特に限定されないが、巻取り温度が過度に高いと鋼板表面のスケール厚みが厚くなり、酸洗工程での酸洗における脱スケール性が悪くなるため、750℃以下が好ましい。一方、巻取り温度の下限は特に限定されないが、巻取り温度が過度に低下すると、熱間圧延工程で得た熱延鋼板の強度が増加し、一次冷間圧延工程での圧延荷重が増大し制御が困難となるため、巻取り温度は500℃以上が好ましい。
酸洗工程とは、熱延工程で得た熱延鋼板の表面の酸化スケールを酸洗により除去する工程である。酸洗条件は特に限定されず、適宜設定すればよい。また、酸洗の代わりに、機械的除去等の方法を用いてもよい。
一次冷間圧延工程とは、酸洗工程後の酸洗板に冷間圧延を施す工程である。冷間圧延条件は特に限定されず、例えば所望の板厚等の観点から圧下率等の条件を決定すればよい。
以上により、本発明の金属板が得られる。本発明の効果をより一層得る点から、本発明の板厚は0.1〜0.6mmが好ましい。
以上により製造される本発明の金属板は、少なくとも片面について、鋼板表面の算術平均粗さが0.4μmRa以下、スキューネス:Rskが0.2以下である。算術平均粗さ:Raが0.4μmRa以下、スキューネス:Rskが0.2以下とすることでラミネートをする時の気泡の巻き込みが少なくなり、ラミネート板の白色化を防ぐことが可能となる。
本発明において、金属板とは、鋼板、銅板、アルミ板等である。
2スタンドからなる圧延機を用いた。1スタンド目にφ500のダルロールを用いて荷重780tonf (単位幅荷重0.82tonf/mm)をかけ、2スタンド目はφ500ブライトロールを用いて、荷重とロール粗さを変更して圧延を行った。供試材は、幅950mm、厚み0.23mmの低炭素鋼(冷延鋼板)を用いて、スタンド間の張力値を調整して、伸長率が2.0%以下となるように調質圧延を実施した。また、圧延後の鋼板のRskは5回測定して平均値を算出した。
レーザー加工機は、Sarclad社製のものを用い、銅電極を用いて加工した。電流通電時間は8μsec、オフタイムは14μsecとし、1.3μmRaでの電流値を4A、1.7μmRaでの電流値を6Aとした。(レーザー水準追加予定)
Rsk はJISで規定された接触式の粗さ計を用いて測定を行い、測定長さは5mmとした。Rskの値が0.20超えのものを×、0〜0.20のものを△、0未満のものを○とした。
以上により得られた結果を表1に示す。
本発明例では粗さが小さく、かつRskの低い金属板を得ることができる。
1スタンド目でより深く凹部を生成できるドライ、あるいは粗さの粗いダルロールを用い、2スタンド目で、低荷重で圧延し、ロール粗さを小さくすることにより、鋼板のRskを小さく抑えることが可能となることが示された。

Claims (6)

  1. 少なくとも片面について、鋼板表面の算術平均粗さが0.4μmRa以下、スキューネス:Rskが0.2以下である金属板の製造方法であって、冷間圧延後の金属板に対して調質圧延を施すに際し、
    2スタンドのスタンド数で前記調質圧延を行い、
    1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.4μmRa以上、PPIが250以上のダルロールを、
    2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、
    1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、
    2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、
    1スタンド目の圧延をウェット圧延とすることを特徴とする金属板の製造方法。
  2. 少なくとも片面について、鋼板表面の算術平均粗さが0.4μmRa以下、スキューネス:Rskが0.2以下である金属板の製造方法であって、冷間圧延後の金属板に対して調質圧延を施すに際し、
    3スタンド以上のスタンド数で前記調質圧延を行い、
    1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.4μmRa以上、PPIが200以上のダルロールを、
    2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを、
    3スタンド目の作業ロールに算術平均粗さ0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、
    1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、
    2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、
    1スタンド目の圧延をウェット圧延とすることを特徴とする金属板の製造方法。
  3. 全てのスタンドの圧延はウェット圧延であることを特徴とする請求項またはに記載の金属板の製造方法。
  4. 少なくとも片面について、鋼板表面の算術平均粗さが0.4μmRa以下、スキューネス:Rskが0.2以下である金属板の製造方法であって、冷間圧延後の金属板に対して調質圧延を施すに際し、
    2スタンド以上のスタンド数で前記調質圧延を行い、
    1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.0μmRa以上のダルロールを、
    2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、
    1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、
    2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、
    1スタンド目の圧延をドライ圧延とし、前記2スタンド目以降の圧延はウェット圧延であることを特徴とする金属板の製造方法。
  5. 少なくとも片面について、鋼板表面の算術平均粗さが0.4μmRa以下、スキューネス:Rskが0.2以下である金属板の製造方法であって、冷間圧延後の金属板に対して調質圧延を施すに際し、
    3スタンド以上のスタンド数で前記調質圧延を行い、
    1スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが1.0μmRa以上のダルロールを、
    2スタンド目の作業ロールに算術平均粗さが0.5μmRa以下のブライトロールを、
    3スタンド目の作業ロールに算術平均粗さ0.5μmRa以下のブライトロールをそれぞれ用い、
    1スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.8tonf/mm以上、
    2スタンド目の単位幅当たりの圧延荷重を0.3tonf/mm以下とし、
    1スタンド目の圧延をドライ圧延とし、前記2スタンド目以降の圧延はウェット圧延であることを特徴とする金属板の製造方法。
  6. 前記1スタンド目の作業ロールはPPIが120以上であることを特徴とする請求項またはに記載の金属板の製造方法。
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