JP7175456B2 - 蒸着材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、真空蒸着法で用いられる蒸着材料及びその製造方法に関する。
真空蒸着法とは、成膜技術の一つであり、真空中で蒸発材料を加熱して、気体分子となった蒸着材料が基板に付着することによって薄膜を形成する技術である。真空蒸着法は、電子部品、半導体デバイス、光学薄膜、磁気デバイス、LED、有機EL、LCD等における素子の形成に広く利用されている。また、真空蒸着法は、金属だけでなく、酸化物等の非金属の成膜も可能である。
従来、蒸着材料を坩堝に充填し、電子ビーム等を用いて溶解する際、蒸発材料に含まれる不純物等が揮発して、突沸現象が発生し、基板上にパーティクルが付着するという問題が生じていた。この突沸現象の問題に関して、特許文献1には、不純物を低減する方法が提案されている。また、特許文献2には、添加金属を添加する方法が、さらに、特許文献3は、最表面の酸素量を制御する方法が提案されている。
特開平1-180961号公報 国際公開第2017/199873号 特開2000-212728号公報
本発明は、真空蒸着法で用いる蒸着材料であって、蒸着材料の溶解の際に突沸現象を抑制することができる蒸着材料及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決することができる本発明の実施形態は、真空蒸着法で用いられる蒸着材料であって、水素含有量が10wtppm以下であることを特徴特する蒸着材料及びその製造方法である。
本発明によれば、蒸着材料の溶解の際に、突沸現象を効果的に抑制することができ、これにより基板上に付着するパーティクルを低減することができる。したがって、製品の歩留まり改善に寄与することができる。
真空蒸着法で用いられる蒸着材料は、通常、原料をアルミナ等のセラミック坩堝やカーボン坩堝等で溶解し、溶湯を鋳型に流し込んでインゴットを作製し、得られたインゴットを適当な形状(ペレット状)に機械加工した後、表面を酸や有機溶媒で洗浄して、作製する。原料として、純度3N(99.9wt%)以上のものを使用し、また、機械加工後は、表面を化学的に洗浄して、付着物を除去する。
ところが、このように純度が高い原料を使用し、洗浄された蒸着材料を用いた場合であっても、蒸着(溶解)時に、突沸現象が発生して、基板上にパーティクルが多く発生して、製品歩留まりを低下させるという問題が生じていた。また、突沸により、装置や坩堝内を汚染して、装置洗浄の頻度が増加するという問題が発生した。このような問題について検討したところ、溶解時に、蒸着材料の表面に非金属介在物が浮遊し、それが原因で突沸現象を生じさせていることが判明した。
そこで、本発明者は鋭意研究したところ、蒸着材料中に不純物として存在する非金属介在物、特に、水素が突沸を発生させる原因となっていることを見出した。このようなことから、不純物の中でも特に水素を極力低減することにより、蒸着材料の溶解時、非金属介在物に起因する突沸現象を抑制することができるとの知見が得られた。この知見に基づき、本発明の実施の形態に係る蒸着材料は、蒸着材料中に存在する水素の合有量が10wtppm以下であることを特徴とするものである。
蒸着材料中に不純物として存在する水素の含有量を10wtppm以下とすることにより、蒸着材料の溶解時に起因する突沸現象を効果的に抑制することができる。またカーボン(C)、酸素(O)、さらには、燐(P)及び硫黄(S)も非金属介在物を形成し易いことから、C含有量を10wtppm以下、O含有量を100wtppm以下、P及びSの合計含有量を10wtppm以下とすることが好ましい。これらの元素は、固溶することもあるが、溶解時に解離して突沸の原因となる。非金属介在物は、蒸着材料(金属材料)に比べて比重が軽く、また解離しやすいため、蒸着材料の溶解時に突発現象の原因となる。したがって、このような非金属介在物を意識的に排除することが重要である。
本実施形態に係る蒸着材料は、主に貴金属材料、特にAu、Ag、Pt、Pdに適用することが好ましく、また、これらとGe、Si、Sn、As、Sbとの合金(例えば、Au-Sn、Au-Ge)にも適用できる。これらの材料は電子部品、半導体デバイス、光学薄膜、磁気デバイス、LED、有機EL、LCD等において、比較的広く使用されている材料である。特に貴金属材料は高価なため、突沸現象による不必要な飛散を防止することで、コスト的なメリットを享受することができる。
本実施形態に係る蒸着材料は、純度が3N(99.9wt%)以上であることが好ましく、より好ましくは4N (99.99wt%)以上である。不純物量を低減することにより、それに伴う突沸現象を抑制することができる。しかし、原料として、いわゆる高純度のものを使用しても、その純度の計算において、非金属介在物を形成し易いガス成分の水素、カーボン、酸素、硫黄、リンを不純物として考慮していない場合があり、また、製造工程でもこれらの不純物が混入することもあるので、高純度原料をそのまま蒸着材料として使用しても、突沸を防げることができるというものではない。また、水素、酸素は、溶解初期に金属から解離するために、カーボン、硫黄、リンは、蒸着中に溶融金属表面を覆い突沸が起きる原因となる。
本実施形態に係る蒸着材料は、たとえば、以下のようにして作製することができる。
純度3N(99.9wt%)以上の金属原料を大気中、真空中又は不活性ガス雰囲気より好ましくは真空中で溶解し、これを鋳造してインゴットを作製する。ここで、溶解時に原料に含まれる非金属介在物は表面に浮遊するため、鋳造インゴットを観察して、非金属介在物が多く存在する表層部を酸洗浄又は切削除去する。表層部の除去量は、量にもよるが、1μm以上が好ましい。
一方、溶解時に溶湯表面時に浮遊した非金属介在物を巻き込まないように、坩堝の底から鋳造し、全量出湯せずに一部を坩堝内に残す、あるいは最後の溶湯を除去することにより、酸洗浄又は切削除去が不要となる。また、坩堝を傾けて出湯する場合は、坩堝の上部に堰を設けたりして、非金属介在物等の異物を除去することができる。
このとき、坩堝内に残して使用しない溶湯の割合は、0.1wt%以上が好ましい。より好ましくは1wt%以上である。また、帯溶融精製等により、非金属介在物を浮遊除去することもできる。
次に、非金属介在物を除去したインゴットを線引き(伸線)加工する。線引き加工の際、通常加工油を使用するが、加工油はカーボン等の汚染原因になることから、加工油は使用せずに所定の形状に線引き加工することが好ましい。また、線引き加工前後及び加工途中で熱処理(脱ガスや軟化処理)してもよい。熱処理の温度は材料にもよるが、通常100℃以上、融点以下の温度で行うことが好ましい。
ショット化する場合には、溶湯を坩堝の底から水中や有機溶媒中に落下させる。この場合も、最後の溶湯には非金属介在物等の異物が多く存在するため、製品中に入れないことが必要である。
線引き加工又はショット化後は、酸や有機溶媒等を用いて表面を洗浄して、表面に付着した異物等を除去することができる。但し、酸や有機溶媒を用いた場合、純水や揮発性成分で十分洗浄して、表面の酸化や残留カーボンが除去することが必要である。特に酸を用いると、水素が金属内に侵入したり非金属介在物を形成する場合があるので慎重に行うことが好ましい。
次に、本発明の実施例等について説明する。なお、以下の実施例は、あくまで代表的な例を示しているもので、本発明はこれらの実施例に制限される必要はなく、明細書の記載される技術思想の範囲で解釈されるべきものである。
(実施例1)
純度4NのAu原料を、Cu坩堝を用いて、真空中でEB(電子ビーム)溶解して、インゴットを作製した。次に、得られたインゴットを観察し、非金属介在物が多い表層部を切削して除去した。その後、加工油を使用せずに線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。
この蒸着材料中のH含有量を不活性ガス溶融-ガスクロマトグラフ(LECO製)を用いて分析した結果、1wtppm未満であった。C含有量について、酸素気流中非拡散赤外吸収法(HORIBA製)を用いて分析した結果、1wtppm未満であった。また、O含有量を不活性ガス溶融-ガスクロマトグラフ(LECO製)を用いて分析した結果、10wtppm未満であった。さらに、S及びP含有量をGD-MS法で分析した結果、合計で1wtppm未満であった。なお、以下、H、C、O、S、及びPの含有量について、同様の手段を用いて分析を行った。
次に、この蒸着材料(Au)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は0個であり、非常に良好であった。
(実施例2)
純度4NのAu原料を、高純度カーボン坩堝を用いて、Ar雰囲気下で溶解し、インゴットを作製した。その後、加工油を使用せずに線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。
この蒸着材料中のH含有量を分析した結果、1wtppm未満であった。また、C含有量は8wtppm、O含有量は10wtppm未満であり、さらに、S及びPの合計含有量は3wtppmであった。次に、この蒸着材料(Au)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は数個であり、良好であった。
(実施例3)
純度3NのAu原料を、高純度アルミナ坩堝を用いて、大気溶解し、インゴットを作製した。坩堝内に1%ほどAuを残して鋳造した。次に、得られたインゴットを観察し、非金属介在物が多い表層部を切削除去した。その後、加工油を使用して線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。その後、希酸で洗浄後、アセトン洗浄して乾燥させた。
この蒸着材料中のH含有量を分析した結果、10wtppmであった。また、C含有量は2wtppm、O含有量は20wtppmであり、さらに、S及びPの合計含有量は8wtppmであった。次に、この蒸着材料(Au)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は数十個であり、やや良好であった。
(実施例4)
純度4NのPt原料を、Cu坩堝を用いて、真空中でEB溶解し、インゴットを作製した。次に、得られたインゴットを観察し、非金属介在物が多い表層部を切削除去した。その後、1000℃で熱処理をしながら線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。その後、表面洗浄せず、そのまま蒸着材料とした。
この蒸着材料中のH含有量を分析した結果、1wtppm未満であった。また、C含有量は1wtppm未満、O含有量は10wtppm未満あった。さらに、S及びPの合計含有量は1wtppm未満であった。次に、この蒸着材料(Pt)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は0個であり、非常に良好であった。
(実施例5)
純度3NのPt原料を、市販品のカーボン坩堝を用いて、大気溶解し、インゴットを作製した。次に、得られたインゴットを観察し、非金属介在物が多い表層部を切削除去した。その後、1000℃で熱処理をしながら線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。その後、純水で洗浄乾燥後、蒸着材料とした。
この蒸着材料中のH含有量を分析した結果、6wtppmであった。また、C含有量は10wtppm、O含有量は70wtppmあった。さらに、S及びPの合計含有量は6wtppmであった。次に、この蒸着材料(Pt)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は数十個であり、やや良好であった。
(実施例6)
純度4NのPd原料を、Cu坩堝を用いて、真空中でEB溶解し、インゴットを作製した。得られたインゴットを観察し、非金属介在物が多い表層部を切削して除去した。次に、加工油を使用せずに線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。その後、1000℃で真空脱ガス処理を行って蒸着材料とした。
この蒸着材料中のH含有量は1wtppmであった。また、C含有量は1wtppm未満、O含有量は10wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は1wtppm未満であった。
次に、この蒸着材料(Pd)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は0個であり、非常に良好であった。
(実施例7)
純度4NのPd原料を、高純度アルミナ坩堝を用いて、真空溶解し、溶解した坩堝の底から溶湯を出して引き抜き、切断等で所定の形状を作製した。但し、全量出湯せずに坩堝内に1%ほど残すことで、坩堝の底に残留する非金属介在物を排除した。この蒸着材料中のH含有量は8wtppmであった。また、Cは含有量1wtppm、O含有量は100wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は1wtppmであった。
次に、この蒸着材料(Pd)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は数個であり、良好であった。
(実施例8)
純度3NのPd原料を、市販品のカーボン坩堝を用いて、Ar雰囲気下で溶解し、溶解した坩堝の底から溶湯を出して引き抜き、切断等で所定の形状を作製した。但し、全量出湯せずに坩堝内に0.1%ほど残すことで、坩堝の底に残留する非金属介在物を排除した。この蒸着材料中のH含有量は10wtppmであった。また、C含有量は10wtppm、O含有量は100wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は10wtppmであった。
次に、この蒸着材料(Pd)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は数十個であり、やや良好であった。
(実施例9)
純度4NのAg原料を、Cu坩堝を用いて、真空中でEB溶解し、インゴットを作製した。次に、得られたインゴットを観察し、非金属介在物が多い表層部を切削して除去した。その後、加工油を使用せずに線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。
この蒸着材料中のH含有量は1wtppm未満であった。また、C含有量は1wtppm未満、O含有量を10wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は2wtppmであった。次に、この蒸着材料(Ag)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は0個であり、非常に良好であった。
(実施例10)
純度3NのAg原料を、高純度カーボン坩堝を用いて、大気溶解し、インゴットを作製した。その後、加工油を使用せずに線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。
この蒸着材料中のH含有量は7wtppmであった。また、C含有量は10wtppm、O含有量は50wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は10wtppmであった。次に、この蒸着材料(Ag)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は数十個であり、やや良好であった。
(実施例11)
純度4NのAu-Sn原料を、高純度のカーボン坩堝を用いて、真空溶解し、溶解した坩堝の底から溶湯を出して引き抜き、切断等で所定の形状を作製した。但し、全量出湯せずに坩堝内に0.1%ほど残すことで、坩堝の底に残留する非金属介在物を排除した。
この蒸着材料中のH含有量を分析した結果、1wtppmであった。また、C含有量は10wtppm、O含有量は10wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は5wtppmであった。
次に、このAu-Sn(蒸着材料)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は数個であり、良好であった。
(実施例12)
純度3NのAu-Sn原料を、低純度のカーボン坩堝を用いて、大気溶解し、溶解した坩堝の底から溶湯を出して引き抜き、切断等で所定の形状を作製した。但し、全量出湯せずに坩堝内に1%ほど残すことで、坩堝の底に残留する非金属介在物を排除した。
この蒸着材料中のH含有量を分析した結果、5wtppmであった。また、C含有量は10wtppm、O含有量は90wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は9wtppmであった。
次に、このAu-Sn(蒸着材料)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は数十個であり、やや良好であった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0007175456000001
(比較例1)
純度3NのAu原料を、低純度のカーボン坩堝を用いて大気溶解し、インゴットを作製した。次に、得られたインゴットの表層部の酸洗浄又は切削除去せず、線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。なお、線引き加工の際、加工油を使用した。その後、表面を酸で洗浄し、乾燥後蒸着材料とした。
この蒸着材料中のH含有量は12wtppmであった。また、C含有量は25wtppm、O含有量は110wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は15wtppmであった。次に、この蒸着材料(Au)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は、数百個であった。
(比較例2)
純度3NのPt原料を、低純度のカーボン坩堝を用いて、大気溶解し、インゴットを作製した。次に、得られたインゴットの表層部を酸洗浄又は切削除去せず、線引き加工を行って、所定の形状に仕上げた。なお、線引き加工の際、加工油を使用した。その後、表面をアセトンで洗浄し、乾燥後蒸着材料とした。
この蒸着材料中のH含有量は11wtppmであった。また、C含有量は110wtppm、O含有量は120wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は11wtppmであった。次に、このPt(蒸着材料)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は、数百個であった。
(比較例3)
純度3NのPd原料を、低純度のカーボン坩堝を用いて、弱減圧下で溶解し、溶解した坩堝の底から溶湯を出して引き抜き、切断等で所定の形状を作製した。但し、全量を出湯した。
この蒸着材料中のH含有量は20wtppmであった。また、C含有量は20wtppm、O含有量は250wtppmであった。さらに、S及びPの合計含有量は20wtppmであった。次に、この蒸着材料(Pd)を真空蒸着装置の坩堝内に充填し、電子ビームで予備加熱後、溶融させて、突沸現象を観察した。その結果、突沸現象に起因するウエハー上の欠陥(パーティクル)は、数百個であった。
以上の結果を表2に示す。
Figure 0007175456000002
本発明によれば、蒸着材料の溶解の際に突沸現象を抑制することができ、これにより基板上に付着するパーティクルを低減することができる。本実施形態に係る蒸着材料は真空蒸着法を用いた、電子部品、半導体デバイス、光学薄膜、磁気デバイス、LED、有機EL、LCD等における素子の形成に広く利用することができる。

Claims (3)

  1. 線引き加工して作製した蒸着部材であって、 前記蒸着部材が、Au、Ag、Pt、Pd及びこれらの合金のいずれか一種以上からなり、前記蒸着部材中の水素含有量が1wtppm以下、カーボン含有量が1wtppm未満、酸素含有量が10wtppm以下、硫黄及びリンの合計含有量が2wtppm以下であることを特徴とする蒸着部材。
  2. 請求項1に記載の蒸着部材の製造方法であって、原料を、Cu坩堝を用いて真空溶解し、鋳造してインゴットとした後、その表層部を切削除去し、その後、加工油を使用せずに線引き加工して所定の形状に仕上げることを特徴とする蒸着部材の製造方法。
  3. 前記線引き加工前後及び/又は加工途中で熱処理することを特徴とする請求項2に記載の蒸着部材の製造方法。
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