JP7147440B2 - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
100℃以上に加熱したシクロヘキサンジカルボン酸とエチレングリコールの混合物に対して、
テレフタル酸とエチレングリコールの混合物を逐次添加または連続添加しながら、
混合物全体を大気圧下で230℃以上に昇温し、脱水させる直接エステル化工程の後、
重縮合反応させるポリエステル組成物の製造方法。
(2)のプロセスの重縮合反応では、反応温度を290℃以下、圧力は減圧にすればするほど重合時間が短くなり好ましい。
用いた原料は以下のとおりである。
1.テレフタル酸:三井化学社製高純度テレフタル酸。
2.1,4-シクロヘキサンジカルボン酸:新日本理化株式会社製。
3.エチレングリコール:三菱化学社製
なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
得られたポリエステル組成物を、o-クロロフェノール溶媒に溶解し、0.5g/dL、0.2g/dL、0.1g/dLの濃度の溶液を調整した。その後、得られた濃度Cの溶液の25℃における相対粘度(ηr)を、ウベローデ粘度計により測定し、(ηr-1)/CをCに対してプロットした。得られた結果を濃度0に外挿することにより、固有粘度を求めた。
ポリエステル組成物を130℃の真空乾燥機中で12時間真空乾燥させ、真空乾燥後のポリマー約5mgを秤量し、TAインスツルメント製示差走査熱量計(DSC)Q2000型を用いて、0℃から280℃まで昇温速度16℃/分で昇温後、280℃で5分間保持してDSC測定を行った。昇温過程中に観測された融解ピークより融点(Tm)および融解熱量(ΔHm)を算出した。測定は1試料につき3回行い、その平均値を融解熱量とした。なお、融解ピークが複数観測された場合には、最も高温側の融解ピークトップをTmとし、Tmを含む一続きの融解熱量の合計をΔHmとした。
得られたペレットを試料とし、石英ガラス製の容器に充填した状態でハンター型色差計(スガ試験機(株)製SMカラーコンピュー型式SM-3)を用いて測定した。なお、測定は1試料につき3回行い、その平均値とした。
2-アミノエタノールを溶媒とし、内部標準物質である1,6-ヘキサンジオールを加えて260℃で分解した。冷却後、メタノールを加えたのち酸で中和し、析出物をろ過した。ろ液をガスクロマトグラフィ(島津製作所社製、GC-14B)にて測定した。
(直接エステル化反応)
大気圧に保持されたエステル化反応槽に、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸31kgおよびエチレングリコール13kgを供給し、温度170℃まで昇温した。続いて、テレフタル酸56kg、エチレングリコール25kgのスラリーを120分かけて連続供給しながら水を留出させつつ、またスラリー供給開始直後から90分かけて250℃まで昇温した。スラリー供給終了後もさらに180分かけてエステル化反応を行い、得られたエステル化反応生成物を全量重縮合槽に移送した。
移送後、エステル化反応生成物に、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で300ppm相当の三酸化アンチモン、リン原子換算で40ppm相当のリン酸、フェノール系酸化防止剤としてBASF社製IRGANOX1010を150gエチレングリコール溶液として添加した。その後、30rpmで撹拌しながら反応系を減圧して反応を開始した。反応器内を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を110Paまで下げた。最終温度および最終圧力到達までの時間は60分とした。所定の攪拌トルクに到達した後、ストランド状に吐出して冷却し、直ちにカッティングした。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は120分であった。ポリマー物性を表1にまとめた。
直接エステル化反応における各種条件を表1の通り変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。ポリマー物性を表1にまとめた。
(エステル交換反応)
得られるポリマーに対してマグネシウム原子換算で600ppm相当の酢酸マグネシウムとテレフタル酸ジメチル100kgとエチレングリコール56kgを、150℃、窒素雰囲気下で溶融後、攪拌しながら230℃まで180分かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応をおこない、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートを得た。
続いて、温度250℃、圧力1.2×100,000Paに保持されたエステル化反応槽に、テレフタル酸26kg、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸62kgおよびエチレングリコール38kgのスラリーを240分かけて順次供給し、水を留出させ、供給終了後もさらに60分かけてエステル化反応を行い、得られたエステル化反応生成物106kgを重縮合槽に移送した。
移送後、エステル化反応生成物に、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で300ppm相当の三酸化アンチモン、リン原子換算で40ppm相当のリン酸をエチレングリコール溶液として添加し、フェノール系酸化防止剤としてIRGANOX1010を150g添加した。その後、30rpmで撹拌しながら反応系を減圧して反応を開始した。反応器内を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を110Paまで下げた。最終温度および最終圧力到達までの時間は60分とした。所定の攪拌トルクに到達した後、ストランド状に吐出して冷却し、直ちにカッティングした。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は120分であった。ポリマー物性を表2にまとめた。
(エステル化反応2回目)
比較例1のBHT共存エステル化反応1回目で得られ、温度250℃、圧力1.2×100,000Paに保持された、エステル化反応物が残留しているエステル化反応槽に、テレフタル酸56kg、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸31kgおよびエチレングリコール38kgのスラリーを再び240分かけて順次供給し、水を留出させ、供給終了後もさらに60分かけてエステル化反応を行い、得られたエステル化反応生成物106kgを重縮合槽に移送した。
移送後、エステル化反応生成物に、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で300ppm相当の三酸化アンチモン、リン原子換算で40ppm相当のリン酸をエチレングリコール溶液として添加し、フェノール系酸化防止剤としてIRGANOX1010を150g添加した。その後、30rpmで撹拌しながら反応系を減圧して反応を開始した。反応器内を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を110Paまで下げた。最終温度および最終圧力到達までの時間は60分とした。所定の攪拌トルクに到達した後、反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、30分間吐出前滞留を実施した。吐出前滞留実施後、ストランド状に吐出して冷却し、直ちにカッティングしてポリエステル組成物のペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は120分であった。ポリマー物性を表2にまとめた。
(加圧あり直接エステル化反応)
エステル化反応槽にテレフタル酸56kg、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸31kgおよびエチレングリコール38kgを仕込み、原料仕込みと同時に昇温を開始して、250℃の温度で1.9kgf/cm2ゲージ圧下で水を留出させつつエステル化反応を実施した。その後、反応を開始して225分後に、得られたエステル化反応生成物を全量重縮合槽に移送した。
移送後、エステル化反応生成物に、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で300ppm相当の三酸化アンチモン、リン原子換算で40ppm相当のリン酸をエチレングリコール溶液として添加し、フェノール系酸化防止剤としてIRGANOX1010を150g添加した。その後、30rpmで撹拌しながら反応系を減圧して反応を開始した。反応器内を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を110Paまで下げた。最終温度および最終圧力到達までの時間は60分とした。所定の攪拌トルクに到達した後、ストランド状に吐出して冷却し、直ちにカッティングした。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は120分であった。ポリマー物性を表2にまとめた。
Claims (2)
- テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびエチレングリコールを重縮合した共重合ポリエステルを主成分とするポリエステル組成物の製造方法であって、100℃以上に加熱したシクロヘキサンジカルボン酸とエチレングリコールの混合物に対して、テレフタル酸とエチレングリコールの混合物を逐次添加または連続添加しながら、混合物全体を大気圧下で230℃以上に昇温し、脱水させる直接エステル化工程の後、重縮合反応させるポリエステル組成物の製造方法。
- シクロヘキサンジカルボン酸とエチレングリコールの混合物におけるシクロヘキサンジカルボン酸とエチレングリコールのモル比を1.05~1.50に調製し、テレフタル酸とエチレングリコールの混合物におけるテレフタル酸とエチレングリコールのモル比を1.05~1.50に調製することを特徴とする請求項1記載のポリエステル組成物の製造方法。なお、モル比は以下式(1)にて表される。
モル比=(ジオール成分のモル量)/(ジカルボン酸成分のモル量) (1)
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