JP2000044664A - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents

共重合ポリエステルの製造方法

Info

Publication number
JP2000044664A
JP2000044664A JP21064598A JP21064598A JP2000044664A JP 2000044664 A JP2000044664 A JP 2000044664A JP 21064598 A JP21064598 A JP 21064598A JP 21064598 A JP21064598 A JP 21064598A JP 2000044664 A JP2000044664 A JP 2000044664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
polyester
ethylene glycol
phosphoric acid
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21064598A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Kinugawa
雅之 衣川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP21064598A priority Critical patent/JP2000044664A/ja
Publication of JP2000044664A publication Critical patent/JP2000044664A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイレクトブロー成形及び肉厚成形用として
好適に利用できる透明性と色調に優れた共重合ポリエス
テルの製造方法を提供する。 【解決手段】 シクロヘキサンジカルボン酸とテレフタ
ル酸とのモル比が2/98〜18/82である芳香族ジ
カルボン酸とエチレングリコールとから、エステル化反
応と重縮合反応を経て共重合ポリエステルを製造する。
その際、ポリエステルオリゴマーに、リン酸を共重合ポ
リエステルの酸成分1モルに対して1×10-4〜2×1
-3モルとなるように添加した後、重縮合触媒として三
酸化アンチモンを添加し、重縮合反応と固相重合を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性及び色調に
優れ、ダイレクトブロー成形及び肉厚成形に好適な共重
合ポリエステルを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的強度、化学的安定性、透明性等に優れ、また
軽量、安価であるため、ボトル、フィルム、シート、繊
維等に幅広く用いられており、特に炭酸飲料、液体調味
料、食用油、酒、ワイン等、飲食料品の充填用容器(ボ
トル)の素材として好適である。
【0003】このようなPETは、ボトルの場合、射出
成形もしくは押出成形によりプリフォームを成形し、こ
れを金型内で延伸ブローして成形されるのが一般的であ
る。
【0004】一方、ダイレクトブロー成形による中空成
形品(ボトル)は、機械的強度、透明性に優れた特性を
有することや、ポリ塩化ビニルの代替の目的から、近年
増加傾向にある。しかし、ダイレクトブロー成形用とし
てPETを用いた場合、溶融強度が弱く、成形時のドロ
ーダウンを防ぐために溶融粘度を著しく高くしなければ
ならない。また、結晶性が高いため、成形時に白化が起
こりやすいといった欠点がある。そのため、PETにイ
ソフタル酸やシクロヘキサンジメタノール等の各種モノ
マーを共重合させた変性ポリエステルや、ポリエチレン
ナフタレートが用いられている。
【0005】また、射出成形や押出成形によってプリフ
ォームを成形し、金型内で延伸ブローして、目薬容器や
化粧品容器等に用いられる肉厚0.6mm以上の肉厚中空
容器にする場合も、ダイレクトブロー成形と同様に、P
ETでは結晶性が高いため、成形時に白化が起こりやす
い。そのため、各種モノマーを共重合させた変性ポリエ
ステルが用いられている。
【0006】しかし、シクロヘキサンジメタノールを共
重合したポリエステルは、熱安定性が悪く、成形機内部
での長時間の滞留による色調悪化等の問題があり、さら
に、モノマーの安定供給が得られないという問題もあ
る。ポリエチレンナフタレートは、従来のポリエステル
に比べて高融点であるという特徴があるものの、現在で
はかなりコストが高いという問題がある。イソフタル酸
を共重合したポリエステルは、このような問題もなく、
さらにコストが安価であるが、得られる成形品の耐衝撃
性が悪いという問題がある。
【0007】次に、日本国内では、この様な成形品用の
ポリエステルの重縮合触媒として、透明性と色調が良好
なポリエステルが得られやすいことから、主に二酸化ゲ
ルマニウムが使われている。しかし、ゲルマニウム化合
物はコストが高いという問題がある。
【0008】一方海外では、安価な三酸化アンチモンが
使用されている。しかし、三酸化アンチモンは、重縮合
中に還元されてアンチモン金属となって析出するため、
二酸化ゲルマニウムを用いた場合に比べて透明性が劣る
といった欠点がある。また、ボトルの成形時にポリエス
テルに不溶のアンチモンが結晶核となり、ポリエステル
の結晶化速度を速めるため、ボトルが白化する等の問題
がある。
【0009】これらの問題点を解決する方法として、三
酸化アンチモンと、リン酸あるいはリン酸アルキルエス
テル等のリン化合物を併用する方法が提案されている。
【0010】例えば、特開平6−279579号公報に
は、三酸化アンチモンと、リン酸トリメチル等のリン酸
の低級アルキルエステルを共存させて重合する方法が提
案されているが、重縮合時に系外に飛散しやすいため多
量に添加する必要があり、製造コストがアップするとい
う問題があった。
【0011】一方、リン酸を用いれば、重縮合時にほと
んど飛散しないが、アンチモン化合物とリン酸とが共存
すると、両者が反応してリン酸アンチモン等の不溶性微
粒子が形成され、ポリマーが白濁したり、重縮合触媒が
失活することにより高重合度のポリマーが得られないと
いう問題があった。
【0012】他方、特開平3−18651号公報には、
アンチモン化合物とリン酸との反応を防ぐ方法として、
リン酸を予めグリコールと還流加熱処理し、これにアン
チモン化合物を添加する方法が提案されているが、これ
は、リン酸のグリコール溶液をグリコールの還流下に加
熱処理するという特別の工程を必要とするものであっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱安定剤と
して安価なリン酸を、重縮合触媒として三酸化アンチモ
ンを用いて共重合ポリエステルを製造する際に生じる問
題点を解消し、ダイレクトブロー成形及び肉厚成形用と
して好適に利用できる、透明性、色調及び耐衝撃性に優
れたPET系の共重合ポリエステルを製造する方法を提
供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、次の構成を有する。 (1)シクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸との
モル比が2/98〜18/82である芳香族ジカルボン
酸とエチレングリコールとから共重合ポリエステルを製
造するに際し、テレフタル酸とエチレングリコールから
なるポリエステルオリゴマーに、シクロヘキサンジカル
ボン酸とエチレングリコールとを所定の共重合モル比と
なるように、かつリン酸を共重合ポリエステルの酸成分
1モルに対して1×10-4〜2×10-3モルとなるよう
に添加した後、重縮合触媒として三酸化アンチモンを添
加し、重縮合反応及び固相重合反応を行うことを特徴と
する共重合ポリエステルの製造方法。 (2)シクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸との
モル比が2/98〜18/82である芳香族ジカルボン
酸とエチレングリコールとから共重合ポリエステルを製
造するに際し、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタ
ル酸及びエチレングリコールからなるポリエステルオリ
ゴマーに、リン酸を共重合ポリエステルの酸成分1モル
に対して1×10-4〜2×10-3モルとなるように添加
した後、重縮合触媒として三酸化アンチモンを添加し、
重縮合反応及び固相重合反応を行うことを特徴とする共
重合ポリエステルの製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0016】本発明において、共重合ポリエステルを形
成する芳香族ジカルボン酸成分として、テレフタル酸と
シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが必要であ
る。ここで、シクロヘキサンジカルボン酸は、1,1−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
あるいは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の何れで
もよい。
【0017】シクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル
酸とのモル比は2/98〜18/82であることが必要
である。シクロヘキサンジカルボン酸の比率がこの範囲
よりも小さいと、結晶化が速いため成形時に白化が起こ
りやすくなる。逆に、この範囲を超えると、ガラス転移
点や融点等の熱的特性が低下するので、固相重合が難し
くなり、溶融重合しか行えないため、ポリエステルの色
調が悪くなり、また環状オリゴマー等の副生成物も多く
なる。
【0018】ここで、シクロヘキサンジカルボン酸は、
所定の共重合モル比になるように重縮合の開始前に添加
すればよく、テレフタル酸とエチレングリコールからな
るポリエステルオリゴマーに添加するか、エステル化反
応の前にテレフタル酸と共に添加することが望ましい。
また、添加する際のシクロヘキサンジカルボン酸は、そ
のままでも、エチレングリコールの溶液あるいはスラリ
ーの状態でもよいが、重合性や作業性の点で、シクロヘ
キサンジカルボン酸とエチレングリコールが一部反応し
た反応溶液として添加するのが望ましい。なお、シクロ
ヘキサンジカルボン酸とエチレングリコールとのモル比
は、好ましくは2〜4で、より好ましくは2.5〜3.
5である。
【0019】なお共重合ポリエステルには、上記成分の
他に、イソフタル酸、フタル酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、マ
ロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸成
分、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等
の脂肪族ジオール成分、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールSのエチレンオキシド付加体等の芳香族ジオール成
分、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等の
ヒドロキシカルボン酸成分等の共重合成分が含有されて
いてもよい。
【0020】本発明における共重合ポリエステルは、例
えば、次のようにして製造することができる。テレフタ
ル酸とエチレングリコールを所定の割合でエステル化反
応器に仕込み、常法によってエステル化反応を行い、ポ
リエステルオリゴマーを得る。次いで、このポリエステ
ルオリゴマーを重合反応器に移し、所定の共重合割合に
なる量のシクロヘキサンジカルボン酸のエチレングリコ
ールスラリー、リン酸を添加して攪拌後、重合触媒を添
加し、溶融重合反応を行う。
【0021】あるいは、まず、テレフタル酸、エチレン
グリコールと所定量のシクロヘキサンジカルボン酸をエ
ステル化反応器に仕込み、常法によってエステル化反応
を行い、ポリエステルオリゴマーを得る。このポリエス
テルオリゴマーを重合反応器に移し、リン酸を添加して
攪拌後、重合触媒を添加し、溶融重合反応を行う。
【0022】この際のリン酸は、エチレングリコール溶
液として、常温で添加してもよいが、加熱して添加すれ
ば反応系の温度低下を防ぐことができるのでより望まし
い。
【0023】優れた透明性を発現させるためには、リン
酸は、0.2〜1重量%のエチレングリコール溶液とし
て添加することが望ましい。このように添加すること
で、エチレングリコールあるいはポリエステルオリゴマ
ーの末端水酸基とリン酸とが反応してリン酸エステルと
なる。このリン酸エステルは、三酸化アンチモンとの反
応が起こりにくいため、ポリエステルに不溶の微粒子が
形成されにくく、ポリエステルは白濁しない。リン酸が
エチレングリコールに対して0.2重量%未満の場合に
は、投入エチレングリコール量が多くなるため、反応時
間が長くなる。一方、1重量%を超えると、未反応のリ
ン酸が存在し、溶融重合時にこのリン酸と三酸化アンチ
モンが反応して、ポリエステルが白濁する可能性がある
ため望ましくない。
【0024】リン酸の添加量は、ポリエステルの酸成分
1モルに対して、1×10-4〜2×10-3モルの範囲と
することが必要である。この添加量が、1×10-4モル
未満では、透明性に優れたポリエステルが得られず、逆
に、2×10-3モルを超えると効果が変わらなくなるば
かりでなく、リン酸と投入するエチレングリコール量が
多くなるため、反応時間が長くなり、さらに、リン酸と
エチレングリコールの反応が十分に進行しない場合があ
り、得られるポリエステルが白濁する可能性がある。
【0025】リン酸を添加した後は、望ましくは200
〜280℃で30分〜4時間、より望ましくは230〜
280℃で1.5〜3時間攪拌を行う。この温度が20
0℃未満では、エチレングリコールあるいはポリエステ
ルオリゴマーの末端水酸基とリン酸との反応が起こりに
くいため、未反応のリン酸が存在し、溶融重合中にこれ
が三酸化アンチモンと反応してポリエステルが白濁する
場合があるため望ましくない。逆に280℃を超える
と、熱分解等の副反応が起こりやすく、ポリエステルの
色調が悪くなるので望ましくない。また、反応時間が3
0分未満では、未反応のリン酸が存在し、溶融重合時に
リン酸と三酸化アンチモンとが反応してポリエステルが
白濁する可能性があるので望ましくない。逆に、4時間
を超えると、効果が変わらなくなるばかりか、熱分解等
の副反応が起こりやすく、ポリエステルの色調が悪くな
るので望ましくない。
【0026】本発明においては、リン酸を添加して攪拌
後に、重縮合触媒としてアンチモン化合物を添加して重
縮合反応を行うが、その中でも、触媒活性やコスト面か
ら三酸化アンチモンを添加することが好ましい。さら
に、三酸化アンチモンの他に、他の重縮合触媒を併用し
てもよい。併用可能な重縮合触媒としては、ゲルマニウ
ム化合物、チタン化合物、コバルト化合物、スズ化合
物、スルホン酸等が挙げられる。
【0027】三酸化アンチモンの添加量は、ポリエステ
ルの酸成分1モルに対して、1×10-4〜5×10-4
ル、好ましくは1.5×10-4〜2.5×10-4モルの
範囲とすることが望ましい。この添加量が1×10-4
ル未満では、重縮合速度が遅く、逆に5×10-4モルを
超えると、触媒効果が変わらなくなるばかりか、得られ
たポリエステルが加工時に熱分解等で物性が低下した
り、着色するので好ましくない。
【0028】三酸化アンチモンを添加した後は、通常1
hPaの減圧下、250〜300℃で30分〜7時間、
好ましくは260〜290℃で2〜4時間重縮合反応を
行う。
【0029】なお、上記エステル化反応あるいは重縮合
反応時に、必要に応じて、滑剤、顔料、酸化防止剤等の
添加剤を加えることができる。
【0030】このような溶融重縮合反応により得られる
ポリエステル(以下、プレポリマーという)は、通常極
限粘度が0.50〜0.75のものであり、また、環状
オリゴマーを少なからず含有しているため、ダイレクト
ブローボトル等の中空容器用として使用するには好適と
はいえない。したがって、中空容器用として使用する場
合には、固相重合により環状オリゴマーの含有量が減少
した高粘度のポリエステルとすることが必要である。
【0031】固相重合は、溶融重合によって得られたプ
レポリマーを乾燥し、通常100〜180℃の温度で3
0分間〜8時間加熱して予備結晶化させた後、190〜
230℃、好ましくは200〜220℃の温度で、不活
性ガスの流通下あるいは減圧下で、1〜50時間、好ま
しくは5〜30時間加熱することにより行われる。
【0032】上記の方法で得られるポリエステルは、通
常、極限粘度が0.7以上でかつ透明性や色調が優れた
ものであり、これを成形して中空容器とする。
【0033】得られたポリエステルを用いてダイレクト
ブロー成形する方法は、従来のポリエチレンやポリプロ
ピレンのボトル成形方法と何ら変わるところはなく、例
えば、射出成形もしくは押出成形により溶融パリソンを
作り、次いでブロー金型内で吹き込み成形する方法を採
用できる。
【0034】肉厚射出成形品を製造する場合は、例え
ば、射出成形もしくは押出成形によりプリフォームを成
形し、次いで二軸延伸ブロー成形するホットパリソン
法、あるいは、前記プリフォームの口栓部及び底部を予
熱し、次いで二軸延伸ブロー成形するコールドパリソン
法等を採用することができる。
【0035】射出成形もしくは押出成形時の成形温度、
具体的には、成形機のシリンダー各部及びノズルの温度
は、通常270〜300℃の範囲とする。また、延伸温
度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃
で、延伸倍率は縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に
2〜5倍の範囲とするのがよい。
【0036】
【作用】本発明によると、ポリエステルオリゴマーにリ
ン酸とエチレングリコールを添加して反応を行うことに
より、エチレングリコールあるいはポリエステルオリゴ
マーの末端水酸基とリン酸が反応してリン酸エステルと
なり、続いて行う重縮合の際に、リン酸が三酸化アンチ
モンと反応せず、ポリエステルに不溶の微粒子が形成さ
れにくくなるため、さらに、芳香族ジカルボン酸成分と
してテレフタル酸に特定量のシクロヘキサンジカルボン
酸を共重合させることで、結晶化が起こりにくくなるた
め、成形時の白化を抑えることができる。
【0037】また、本発明で得られるポリエステルが優
れた色調を示す理由は明らかでないが、リン化合物が熱
安定剤となり、ポリエステルが熱的に安定化されること
で、熱分解が抑えられるためと認められる。
【0038】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0039】なお、実施例においてポリエステルの特性
値は次のようにして測定した。 (1)極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。
【0040】(2)プレポリマーの色調 日本電色工業社製の色差計ND−Σ80型を用いて測定
した。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行っ
た。L値は明度(値が大きい程明るい)、a値は赤−緑
系の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系(+
は黄味、−は青味)を表す。ポリエステルの色調として
はL値が大きいほど、a値が0に近いほど、また極端に
小さくならない限りb値が小さいほど良好である。ここ
では、b 値が3以下を色調良好で合格とした。
【0041】(3)プレートヘーズ 乾燥したポリエステルを押し出し温度285℃、金型温
度20℃、冷却時間30秒の条件で、厚さ5mm×長さ1
0cm×幅6cmのプレートに射出成形し、透明度を日本電
色工業社製の濁度計MODEL 1001DPで評価し
た(空気:ヘーズ0%)。この値が小さいほど透明性が
良好で、10%未満であれば合格である。 ○:良好である(10%未満)。 ×:不良である(10%以上)。
【0042】(4)中空容器の透明性 乾燥したポリエステルを、シリンダー温度260℃の押
出機に入れ、パリソンを押し出し、成形温度265℃、
ブロー金型冷却温度15℃の条件でボトル形状にダイレ
クトブロー成形した。その外観を目視で観察し、次の3
段階で評価した。 ○:良好である(白化が認められない)。 △:普通である(一部白化が認められる)。 ×:不良である(全面に白化が認められる)。 ここでは、○を透明性良好で合格とした。
【0043】(5)中空容器の耐衝撃性 得られた中空容器にイオン交換水1000mlを入れて、
23℃、65%RHの条件で一日放置し、その後1mの
高さからコンクリート面に落下させ、何回目で割れたか
で示した。最高5回まで落下させた。 ○:5回落下させても破壊しない。 △:2〜5回落下で破壊した。 ×:1回落下で破壊した。 ここでは、○を耐衝撃性良好で合格とした。
【0044】実施例1 ポリエステル(PET)オリゴマーの存在するエステル
化反応器に、テレフタル酸(TPA)とエチレングリコ
ール(EG)のスラリー(TPA/EGモル比=1/
1.6)を連続的に供給し、温度250℃、圧力50h
PaGの条件で反応させ、滞留時間8時間として、エス
テル化反応率95%のポリエステルオリゴマーを連続的
に得た。
【0045】このポリエステルオリゴマー60kgと、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、リン酸及びエチ
レングリコール溶液を、シクロヘキサンジカルボン酸と
テレフタル酸とのモル比が8/92、シクロヘキサンジ
カルボン酸とエチレングリコールとのモル比が1:3.
0、リン酸のエチレングリコールに対する比率が0.5
重量%、リン酸が酸成分1モルに対して5×10-4モル
になるように重縮合反応器に仕込み、常圧、260℃で
1.5時間撹拌しながら反応させた。その後、酸成分1
モルに対して、2.0×10-4モルの三酸化アンチモン
を加え、反応器を減圧にして最終圧力0.9hPa、2
80℃で2時間重縮合反応を行った。得られたプレポリ
マーは極限粘度0.71、溶融時の透明性は良好で、L
値55.3、b値1.8であった。
【0046】ついで、このプレポリマーを回転式固相重
合装置により、1.33hPaの減圧下、70℃で2時
間予備乾燥を行い、引き続き130℃で6時間結晶化及
び乾燥を行った。その後、210℃に昇温し、24時間
固相重合を行って、極限粘度1.11のポリエステルを
得た。さらにこのポリエステルを用い、ダイレクトブロ
ー成形により中空容器を得た。中空容器は、白化するこ
となく透明性は良好であり、耐衝撃性も良好であった。
【0047】実施例2〜10 シクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸とのモル
比、リン酸の添加量及びシクロヘキサンジカルボン酸の
種類を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に
してプレポリマー及びポリエステルを製造し、それを用
いて中空容器を得た。
【0048】実施例11 ポリエステル(PET)オリゴマーの存在するエステル
化反応器に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(C
HDA)とエチレングリコールの反応溶液(CHDA/
EGモル比=1/3.1)と、テレフタル酸とエチレン
グリコールのスラリー(TPA/EGモル比=1/1.
6)を、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とテレフ
タル酸とのモル比が8/92となるように供給し、温度
250℃、圧力50hPaGの条件で反応させ、滞留時
間8時間として、エステル化反応率95%のポリエステ
ルオリゴマーを連続的に得た。
【0049】このポリエステルオリゴマー60kgを重縮
合反応器に仕込み、続いて、リン酸とエチレングリコー
ルを、リン酸のエチレングリコールに対する比率が0.
5重量%であり、かつリン酸が酸成分1モルに対して5
×10-4モルになる量で添加した後、常圧、260℃で
0.5時間撹拌しながら反応させた。その後、酸成分1
モルに対して2.0×10-4モルの三酸化アンチモンを
加え、反応器を減圧にして最終圧力0.9hPa、温度
280℃で2時間重縮合反応を行った。その後の工程
は、実施例1と同様にしてポリエステルを製造し、それ
を用いて中空容器を得た。
【0050】比較例1〜5 シクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸とのモル
比、リン酸の添加量及び共重合カルボン酸の種類を表1
のように変更した以外は、実施例1と同様にしてプレポ
リマー及びポリエステルを製造し、それを用いて中空容
器を得た。
【0051】比較例1は、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸を共重合しなかったため、結晶化が速く、中空
容器には白化が認められ、透明性が悪いものであった。
【0052】比較例2は、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸の共重合量が多すぎたので、融着が起こって、
固相重合が行えず、その結果、中空容器の成形ができな
かった。
【0053】比較例3は、リン酸の添加量が0.5×1
-4モルと少なかったため、リン酸の効果が小さく、ポ
リエステルの色調が悪いものであった。
【0054】比較例4は、リン酸の添加量が多かったた
め、重縮合中に未反応のリン酸が三酸化アンチモンと反
応して、重合速度が遅くなり、そのため、得られたポリ
エステルは白濁し、中空容器は透明性が悪いものであっ
た。
【0055】比較例5は、シクロヘキサンジカルボン酸
のかわりに、イソフタル酸を8モル%共重合させたが、
得られた中空容器は衝撃強度が弱いものであった。
【0056】得られたポリエステルの特性値を併せて表
1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族ジカルボン酸成
分としてテレフタル酸とシクロヘキサンジカルボン酸、
添加剤としてリン酸、重縮合触媒として三酸化アンチモ
ンを用いて共重合ポリエステルを製造する際に生じる問
題点を解消し、ダイレクトブロー成形及び肉厚成形用と
して好適に利用できる透明性、色調及び耐衝撃性に優れ
た共重合ポリエステルを製造することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロヘキサンジカルボン酸とテレフタ
    ル酸とのモル比が2/98〜18/82である芳香族ジ
    カルボン酸とエチレングリコールとから共重合ポリエス
    テルを製造するに際し、テレフタル酸とエチレングリコ
    ールからなるポリエステルオリゴマーに、シクロヘキサ
    ンジカルボン酸とエチレングリコールとを所定の共重合
    モル比となるように、かつリン酸を共重合ポリエステル
    の酸成分1モルに対して1×10-4〜2×10-3モルと
    なるように添加した後、重縮合触媒として三酸化アンチ
    モンを添加し、重縮合反応と固相重合反応を行うことを
    特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 シクロヘキサンジカルボン酸とテレフタ
    ル酸とのモル比が2/98〜18/82である芳香族ジ
    カルボン酸とエチレングリコールとから共重合ポリエス
    テルを製造するに際し、シクロヘキサンジカルボン酸、
    テレフタル酸及びエチレングリコールからなるポリエス
    テルオリゴマーに、リン酸を共重合ポリエステルの酸成
    分1モルに対して1×10-4〜2×10-3モルとなるよ
    うに添加した後、重縮合触媒として三酸化アンチモンを
    添加し、重縮合反応と固相重合反応を行うことを特徴と
    する共重合ポリエステルの製造方法。
JP21064598A 1998-07-27 1998-07-27 共重合ポリエステルの製造方法 Pending JP2000044664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21064598A JP2000044664A (ja) 1998-07-27 1998-07-27 共重合ポリエステルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21064598A JP2000044664A (ja) 1998-07-27 1998-07-27 共重合ポリエステルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000044664A true JP2000044664A (ja) 2000-02-15

Family

ID=16592749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21064598A Pending JP2000044664A (ja) 1998-07-27 1998-07-27 共重合ポリエステルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000044664A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002097263A (ja) * 2000-09-22 2002-04-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリエステルの製造方法
JP2020055949A (ja) * 2018-10-02 2020-04-09 東レ株式会社 ポリエステル組成物の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002097263A (ja) * 2000-09-22 2002-04-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリエステルの製造方法
JP2020055949A (ja) * 2018-10-02 2020-04-09 東レ株式会社 ポリエステル組成物の製造方法
JP7147440B2 (ja) 2018-10-02 2022-10-05 東レ株式会社 ポリエステル組成物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110573551B (zh) 聚酯容器及其制造方法
TWI790237B (zh) 聚酯樹脂及其製備方法及其所製得的樹脂模造物件
US5989665A (en) Copolyesters of 1,3-propanediol having improved gas barrier properties
JP5598162B2 (ja) 共重合ポリエステル製成形体
JP2004124067A (ja) ポリエステル樹脂及びその製造方法
JP2002220442A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品
JP2000044664A (ja) 共重合ポリエステルの製造方法
JPH11158260A (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JP2002338674A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品
JPH10110026A (ja) ポリエステル樹脂及び中空容器
JP2000219730A (ja) ポリエステル樹脂
JPH11255880A (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JP2003252969A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品
JP3457011B2 (ja) 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム
JPH1087808A (ja) ポリエステルの製造方法
JP2003119260A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品
JP3136767B2 (ja) 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム
JP2000226444A (ja) ポリエステル樹脂
JP2000219726A (ja) ポリエステル樹脂
JP2000219729A (ja) ポリエステルの製造法
JP2000226445A (ja) ポリエステル樹脂
JP3136768B2 (ja) 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム
JP2001072752A (ja) 共重合ポリエステルの製造方法
JP2001172372A (ja) 成形品用ポリエステル樹脂とその製造方法、並びにその成形品
JP2000178347A (ja) 共重合ポリエステル及びその中空容器