JP2002338674A - 共重合ポリエステル及び成形品 - Google Patents

共重合ポリエステル及び成形品

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JP2002338674A
JP2002338674A JP2001144990A JP2001144990A JP2002338674A JP 2002338674 A JP2002338674 A JP 2002338674A JP 2001144990 A JP2001144990 A JP 2001144990A JP 2001144990 A JP2001144990 A JP 2001144990A JP 2002338674 A JP2002338674 A JP 2002338674A
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polyester
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cyclohexanedimethanol
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JP2001144990A
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English (en)
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Yuji Taneda
祐路 種田
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚肉成形品用又はダイレクトブロー成形用と
して好適な透明性、耐熱性及び耐衝撃性に優れた共重合
ポリエステル及び成形品を提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、
ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4−シ
クロヘキサンジメタノールを主成分とするポリエステル
において、全ジオール成分の10〜90モル%が1,4
−シクロヘキサンジメタノールであり、Ge、Sbの含
有量が下記式を満足し、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤の含有量が0.2〜1.0質量%であり、かつ極限
粘度が0.6以上である共重合ポリエステル。 5×10-5モル≦Ge≦2×10-4モル 2×10-4モル≦Sb≦8×10-4モル 2.0≦Sb/Ge≦8.0 ここで、Ge、Sbの単位は、ポリエステルの酸成分1
モルに対する含有量を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調、透明性、耐
熱性、耐衝撃性が良好で、厚肉成形品やダイレクトブロ
ー成形品に好適な共重合ポリエステル及びそれを用いて
なる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的特性、化学的安定性、透明性等に優れ、か
つ、安価であり、各種のシート、フィルム、容器等とし
て幅広く用いられており、特に炭酸飲料、果汁飲料、液
体調味料、食用油、酒、ワイン用等の中空容器(ボト
ル)用途の伸びが著しい。PET製ボトルは、一般に、
PETチップを射出成形又は押出成形によりプリフォー
ムに成形し、続いてこのプリフォームを金型内で延伸ブ
ロー成形する方法で製造されている。
【0003】近年、上記用途以外に、化粧品や医薬品等
の容器や文房具等にも、リサイクル可能という観点か
ら、ポリエステルが広範囲に使われるようになってきて
いる。しかし、これらは厚肉であるため、PETを用い
た場合、成形時に白化が起こりやすく、透明な成形品が
得られにくいものであった。
【0004】また、ポリ塩化ビニル製ボトルの代替の目
的で、ダイレクトブロー成形によるPET製ボトルが注
目されている。しかし、通常のPETは、ダイレクトブ
ロー成形するには、溶融粘度が低く、成形時にドローダ
ウンを起こしやすく、また、結晶性が高いため、成形時
に白化し、透明性が悪くなるという問題があった。
【0005】そこで、これらの成形用ポリエステルに
は、種々の共重合成分を共重合したポリエステルを用い
ることが試みられている。中でも、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールを共重合したポリエステルは、耐熱性
や耐衝撃性が良好であることから、成形用途においては
非常に望ましい樹脂である。しかし、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールは、共重合量が多くなると、重合性
が著しく低下する。したがって、十分な重合度のポリエ
ステルが得られないという問題や、あるいは、十分な重
合度のポリエステルを得るために重合時間を長くした場
合には、色調や透明性が悪いポリエステルしか得られな
いという問題がある。
【0006】例えば、特表平8−509764号公報に
は、触媒組成を規定し、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール共重合ポリエステルを製造する方法が提案されて
いるが、この触媒組成においても、得られたポリエステ
ルの色調や透明性は十分なものでないという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、色調、透明性、耐熱性、耐衝撃性が良好で、
厚肉成形品用やダイレクトブロー成形用に好適な共重合
ポリエステル及びそれよりなる成形品を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために、鋭意検討した結果、特定の触媒組成
を用いて得られた1,4−シクロヘキサンジメタノール
共重合ポリエステルは、透明性、耐熱性、耐衝撃性が良
好で、ダイレクトブロー成形や厚肉成形に好適であるこ
とを見いだした。本発明は、次の構成を有するものであ
る。 (1)ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール
成分としてエチレングリコール及び1,4−シクロヘキ
サンジメタノールを主成分とするポリエステルにおい
て、全ジオール成分の10〜90モル%が1,4−シク
ロヘキサンジメタノールであり、ゲルマニウム元素、ア
ンチモン元素の含有量が下記式を満足し、ヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤の含有量が0.2〜1.0質量%
であり、かつ極限粘度が0.6以上であることを特徴と
する共重合ポリエステル。 5×10-5モル≦Ge≦2×10-4モル 2×10-4モル≦Sb≦8×10-4モル 2.0≦Sb/Ge≦8.0 ここで、Ge、Sbは、それぞれゲルマニウム元素、ア
ンチモン元素を表し、単位は、ポリエステルの酸成分1
モルに対する含有量を表す。 (2) (1)記載の共重合ポリエステルを用いてなる
成形品。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における共重合ポリエステルは、ジカルボ
ン酸成分として、テレフタル酸、ジオール成分としてエ
チレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルが必要である。
【0010】本発明における共重合ポリエステルを構成
するジオール成分としては、エチレングリコール及び
1,4−シクロヘキサンジメタノールが主成分であり、
1,4−シクロヘキサンジメタノールが全ジオール成分
に対し、10〜90モル%含まれていることが必要であ
る。1,4−シクロヘキサンジメタノールがこの範囲よ
りも少ないと、結晶化速度が速いため成形時に白化して
透明性が悪くなる、また、十分な耐熱性や衝撃強度を持
つポリエステルが得られないため好ましくない。また、
この範囲を超えても、結晶性を有し、成形時に白化して
透明性が悪くなるため好ましくない。
【0011】なお、共重合ポリエステルには、その特性
を損なわない範囲で、他の共重合成分を含有させること
ができる。共重合成分の具体例としては、イソフタル
酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニ
ルジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロ
メリット酸、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、1,6−
ヘキサメチレンジオール、ジエチレングリコール、ダイ
マージオール、ビスフェノールA又はビスフェノールS
のエチレンオキシド付加体、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
【0012】本発明のポリエステルには、触媒として、
特定量のゲルマニウム元素、アンチモン元素を含有する
必要がある。アンチモン元素を含有する化合物として
は、三酸化アンチモン、塩化アンチモン、酢酸アンチモ
ン等が用いられ、ゲルマニウム元素を含有する化合物と
しては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲ
ルマニウムテトラエトキシド等が用いられるが、重合触
媒活性、得られるポリエステルの物性及びコストの点か
ら、それぞれ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム
が好ましい。
【0013】アンチモン元素を含有する化合物は十分な
重合触媒活性を示すが、ポリエステルに不溶な金属アン
チモンとなり、ポリエステルの透明性を悪化させるとい
う欠点がある。一方、ゲルマニウム元素を含有する化合
物を用いた場合は、得られるポリエステルの色調や透明
性は良好であるが、重合活性の点で十分でない。しか
し、アンチモン元素を含有する化合物とゲルマニウム元
素を含有する化合物を併用すると、金属アンチモンの析
出が抑えられ、色調及び透明性が良好なポリエステルを
得ることが可能となる。
【0014】そこで、アンチモン元素の含有量は、十分
な重合反応速度が発揮される範囲で少なくし、ゲルマニ
ウム元素を色調及び透明性の改良効果を発現する量併用
する必要がある。そのためには、ゲルマニウム元素、ア
ンチモン元素のポリエステルの酸成分1モルに対する含
有量が、式、、を満足する必要がある。
【0015】ゲルマニウム元素の含有量は、式を満た
すことが必要である。ゲルマニウム元素の含有量がこの
範囲よりも少ないと、ポリエステルの色調と透明性が悪
くなるため、好ましくない、一方、ゲルマニウム元素の
含有量がこの範囲を超えると、コストが高くなるばかり
で、重合性は良くならないため、好ましくない。
【0016】アンチモン元素の含有量は、式を満たす
ことが必要である。アンチモン元素の含有量がこの範囲
よりも少ないと、重合時間が長くなり、得られたポリエ
ステルの色調が悪くなる、あるいは、目標の極限粘度の
ポリエステルが得られないため好ましくない、一方、ア
ンチモン元素の含有量がこの範囲を超えると、ポリエス
テルに不溶の金属アンチモンが生成しやすくなり、ポリ
エステルの色調と透明性が悪化するため好ましくない。
【0017】また、アンチモン元素とゲルマニウム元素
の比率は、式を満たすことが必要である。この範囲よ
りも小さいと、重合時間が長くなり、得られたポリエス
テルの色調が悪くなる、あるいは、目標の極限粘度のポ
リエステルが得られないため好ましくない、一方、この
範囲よりも大きいと、ポリエステルに不溶のアンチモン
金属が析出しやすくなるため、ポリエステルの色調と透
明性が悪化するため好ましくない。
【0018】本発明の共重合ポリエステルは、ヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤を含有することが必要であ
る。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オク
タデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メ
チレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン、トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシア
ヌレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス{2
−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1’−ジメチ
ルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン等が上げられるが、効果とコスト
の点で、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
メタンが好ましい。
【0019】ポリエステル中のヒンダードフェノール系
酸化防止剤の含有量は0.2〜1.0質量%であること
が必要である。含有量がこの範囲よりも少ないと、重合
反応中の熱分解を抑制できないため、目標の重合度のポ
リエステルが得られず、色調の悪化が起こり、さらに、
ポリエステルを成形した際の熱分解も進みやすく、成形
後の色調悪化が起こるため、好ましくない。一方、含有
量がこの範囲を超えると、触媒の活性を阻害し、目標の
重合度のポリエステルが得られないため、好ましくな
い。
【0020】本発明の共重合ポリエステルは、極限粘度
が0.6以上であることが必要である。極限粘度が0.
6未満のものでは、実用に供することのできる強度の成
形品とすることができない、あるいはダイレクトブロー
成形を行う際にドローダウン等の問題が起こり、成形そ
のものができないため、好ましくない。極限粘度の上限
は特にないが、好ましくは1.4以下である。それを超
えると重合に長時間を要するので、生産サイクルやコス
トの点で好ましくない。
【0021】本発明の共重合ポリエステルは、熱安定性
や色調の良化の目的でリン化合物をポリエステルの酸成
分1モルに対して5×10-5モル〜2×10-3モル含有
していることが望ましい。ここで、リン化合物の含有量
が5×10-5モル未満では、ポリエステルの熱安定性や
色調の向上が十分でない傾向にあり、また、含有量が2
×10-3モルを超えてもそれ以上の効果が期待できず、
また、重合の反応性が低下するため、生産性やコストの
点でも望ましくない。なお、エステル化反応あるいは重
合反応時に、必要に応じて、色調改良のため、酢酸コバ
ルト、リン酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト塩
や、アンスラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料等の
顔料を含有させることができる。
【0022】本発明の共重合ポリエステルは、常法によ
って製造することができ、例えば、次のようにして製造
することができる。テレフタル酸またはそのエステル形
成性誘導体、エチレングリコール及び1,4−シクロヘ
キサンジメタノールを所定の割合でエステル化反応器に
仕込み、加圧下、160〜280℃の温度でエステル化
反応またはエステル交換反応を行った後、得られたポリ
エステルオリゴマー、重合触媒、ヒンダードフェノール
系酸化防止剤を重合反応器に移し、通常1hPa以下の
減圧下で溶融重合反応を行う。あるいは、まず、テレフ
タル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレング
リコールをエステル化反応またはエステル交換反応さ
せ、ここで得られたポリエステルオリゴマーと所定量の
1,4−シクロヘキサンジメタノール、重合触媒及びヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤を重合反応器に移し、
通常1hPa以下の減圧下で溶融重合反応を行う。本発
明における溶融重合反応の反応温度は260〜280℃
であることが好ましい。反応温度がこの範囲よりも低い
と、触媒の重合活性が低く、目標の重合度のポリエステ
ルが得られない、一方、反応温度がこの範囲よりも高い
と、分解反応が進みやすくなり、その結果、目標の重合
度のポリエステルが得られないため好ましくない。
【0023】上記の方法で得られるポリエステルは、各
種の成形品として使用されるが、エチレングリコール成
分以外の共重合ジオール成分が共重合されているため結
晶性が抑制されており、厚肉成形品にしても白化し難い
ので、中空容器用として好適である。厚肉成形品を製造
する場合は、射出成形あるいは押出成形により一段で製
品を成形する。ダイレクトブロー成形は、ポリエチレン
やポリプロピレンのボトル成形に採用されている方法と
同様にして行うことができる。すなわち、押出によって
溶融パリソンを造り、次いで、ブロー金型内で吹き込み
成形をすればよい。これらの成形時の成形温度、具体的
には、成形機のシリンダー各部及びノズルの温度は、通
常、240〜280℃の範囲とするのが適当である。
【0024】
【作用】本発明の共重合ポリエステルが、優れた色調と
透明性を示す理由は、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールを共重合させることで、結晶化が起こり難くなり、
成形時の白化が抑えられることと、特定の触媒組成から
なる触媒と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を用い
ることで、重合時の分解反応が抑えられ、速やかに重合
が進み、色調や透明性が悪化することなく、高重合度の
ポリエステルが得られ、さらに、成形時の熱分解も抑え
られるため、成形後の色調悪化も起こらないためと考え
られる。また、優れた耐熱性及び耐衝撃性を示す理由
は、直鎖脂肪族のエチレングリコールの一部を剛直な脂
環型のジオール成分に置き換えたことによると考えられ
る。
【0025】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、ポリエステルの特性値は次のようにして測
定した。 (a)極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (b)1,4−シクロヘキサンジメタノールの共重合量 ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノー
ルと重水素化クロロホルムとの容量比 1/20 の混
合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA−400型NMR
装置にて 1H−NMRを測定し、得られたチャートの
各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から、共重
合量を求めた。 (c)ポリエステル中のゲルマニウム元素、アンチモン
元素の含有量 リガク社製蛍光X線分析装置 3270を用いて測定し
た。 (d)ガラス転移点(Tg) 示差走査熱量計(パーキンエルマー製DSC−7型)を
用いて、昇温速度20℃/分で測定した。 (e)共重合ポリエステル及びプレートの色調 日本電色工業社製の色差計ND−Σ80型を用いて測定
した。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行っ
た。L値は明度(値が大きい程明るい)、a値は赤−緑
系の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系(+
は黄味、−は青味)を表す。ポリエステルの色調として
はL値が大きいほど、a値が0に近いほど、また極端に
小さくならない限りb値が小さいほど良好である。b値
が4.0以下を色調良好で合格とした。 (f)プレートヘーズ 乾燥したポリエステルを押し出し温度240℃、金型温
度20℃、冷却時間30秒の条件で、厚さ5mm×長さ
10cm×幅6cmのプレートに射出成形し、透明度を
日本電色工業社製の濁度計 MODEL 1001DP
で評価した(空気:ヘーズ0%)。この値が小さいほど
透明性が良好であり、5%未満であれば合格である。 (g)中空容器の透明性 乾燥したポリエステルを、シリンダー温度240℃の押
出機からパリソンを押し出し、成形温度240℃、ブロ
ー金型冷却温度15℃の条件でボトル形状にダイレクト
ブロー成形した。その外観を目視で観察し、次の3段階
で評価した。ここでは、○を透明性良好で合格とした。 ○:良好(白化が認められない) △:普通(一部白化が認められる) ×:不良(全面に白化が認められる) (h)中空容器の耐衝撃性 得られた中空容器にイオン交換水1000mlを入れ
て、23℃、65%RHの条件で一日放置し、その後1
mの高さからコンクリート面に落下させ、何回目で割れ
たかで示した。最高5回まで落下させ、次の3段階で評
価した。ここでは、○を耐衝撃性良好で合格とした。 ○:5回落下させても破壊しない。 △:2〜5回落下で破壊した。 ×:1回落下で破壊した。 (g)中空容器の耐熱性 得られた中空容器に、80℃の熱水を満たし、30分間
放置後の体積変化の有無を目視で調べた。 ○:体積変化なし(合格)。 ×:体積変化あり(不合格)。
【0026】実施例1 PETオリゴマーの存在するエステル化反応器に、テレ
フタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)のス
ラリー(TPA/EGモル比=1/1.6)を連続的に
供給し、温度250℃、圧力50hPaGの条件で反応
させ、滞留時間8時間としてエステル化反応率95%の
ポリエステルオリゴマーを連続的に得た。このポリエス
テルオリゴマー60kgと、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを共重合量が30モル%となるように重合反
応器に仕込み、続いて、触媒として二酸化ゲルマニウム
を酸成分1モルに対してゲルマニウム元素の含有量が
1.0×10-4モルとなるように、三酸化アンチモンを
酸成分1モルに対してアンチモン元素の含有量が5.0
×10-4モルとなるように、ヒンダードフェノール系酸
化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン(チバスペシャリティーズ IX−10
10)の含有量が0.6質量%となるように、また、酢
酸コバルトを酸成分1モルに対してコバルト元素の含有
量が1.0×10-4モルとなるように、リン酸トリエチ
ルを酸成分1モルに対してリン元素の含有量が4.8×
10-4モルとなるように、それぞれ加え、反応器を減圧
にして最終圧力0.9hPa、温度275℃で4時間重
合反応を行い、極限粘度0.81、b値1.9、ガラス
転移点78℃のポリエステルを得た。このポリエステル
を用い、射出成形によりプレート、ダイレクトブロー成
形により中空容器を得た。プレートヘーズは2.7%、
また、中空容器は、白化することなく透明性は良好、耐
衝撃性、耐熱性も良好であった。
【0027】実施例2〜11、比較例1〜9 1,4−シクロヘキサンジメタノールの共重合量、ゲル
マニウム元素及びアンチモン元素の含有量、酸化防止剤
の種類と含有量、極限粘度を表1のようにした以外は、
実施例1と同様にしてポリエステルを製造し、それより
プレート及び中空容器を作製した。実施例2〜11及び
比較例1〜9で得られたポリエステルと中空容器の評価
結果を併せて表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように、実施例1〜11
の共重合ポリエステルから、透明性、耐熱性及び耐衝撃
性が良好な中空容器が得られた。これに対して、比較例
1〜9では、次のような問題があった。比較例1では、
1,4−シクロヘキサンジメタノールの共重合量が5.
0モル%と少なかったため、結晶化が速く、中空容器に
は白化が認められ、透明性が劣り、耐衝撃性も悪かっ
た。比較例2では、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルの共重合量が95モル%と多かったため、結晶化が速
く、中空容器には白化が認められ、透明性が悪かった。
比較例3では、ゲルマニウム元素の含有量が3.0×1
-5モルと少なかったため、色調と透明性が悪かった。
比較例4では、アンチモン元素の含有量が1.0×10
-4モルと少なかったため、重合反応が遅く、重合時間が
長くなり、色調が悪く、また、目標とする極限粘度のポ
リエステルが得られず、ダイレクトブロー成形ができな
かった。比較例5では、アンチモン元素の含有量が1.
0×10-3モルと多かったため、得られたポリエステル
の色調と透明性が悪かった。比較例6では、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤の含有量が0.10質量%と少
なかったため、重合反応が遅く、重合時間が長くなり、
色調が悪く、また、目標とする極限粘度のポリエステル
が得られず、プレート成形後の色調も悪く、さらに、ダ
イレクトブロー成形ができなかった。比較例7では、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が1.2質量
%と多かったため、触媒活性が阻害され、目標とする極
限粘度のポリエステルが得られず、ダイレクトブロー成
形ができなかった。比較例8では、極限粘度が0.55
と低かったため、ダイレクトブロー成形ができなかっ
た。比較例9では、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
のかわりに、リン系酸化防止剤として、ビス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスフ
ァイトを用いたため、重合反応が遅く、重合時間が長く
なり、色調が悪く、また、目標とする極限粘度のポリエ
ステルが得られず、プレート成形後の色調も悪く、さら
に、ダイレクトブロー成形ができなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、厚肉成形品用又はダイ
レクトブロー成形用として好適な透明性、耐熱性、耐衝
撃性に優れた共重合ポリエステルとその共重合ポリエス
テルよりなる成形品が提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA44X AA88 AB06 AC11 AE05 AE09 AE22 AF23 AF30 AF34 AF45 AF53 BA01 BB05 BB06 BC03 BC04 BC07 4J002 CF051 CF061 DA116 EJ027 EJ067 FD067 FD077 FD096 GG01 4J029 AA03 AB01 AB07 AC02 AD01 AE01 BA03 BD07A CB06A HA01 HB01 JA013 JB043 JB193 JF363 JF473 KB02 KB04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、
    ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4−シ
    クロヘキサンジメタノールを主成分とするポリエステル
    において、全ジオール成分の10〜90モル%が1,4
    −シクロヘキサンジメタノールであり、ゲルマニウム元
    素、アンチモン元素の含有量が下記式を満足し、ヒンダ
    ードフェノール系酸化防止剤の含有量が0.2〜1.0
    質量%であり、かつ極限粘度が0.6以上であることを
    特徴とする共重合ポリエステル。 5×10-5モル≦Ge≦2×10-4モル 2×10-4モル≦Sb≦8×10-4モル 2.0≦Sb/Ge≦8.0 ここで、Ge、Sbは、それぞれゲルマニウム元素、ア
    ンチモン元素を表し、単位は、ポリエステルの酸成分1
    モルに対する含有量を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の共重合ポリエステルを用
    いてなる成形品。
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